JP5355918B2 - 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents
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Description
ガラス転移温度Tgが70℃以上、200℃未満であるセルロース誘導体(A)と熱硬化性化合物(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
前記セルロース誘導体(A)がセルロースエステルであり、前記熱硬化性化合物(B)がエポキシ樹脂(B1)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物
が提供される。
好適な態様においては、上記セルロース誘導体(A)は溶剤可溶性であり、また、セルロース誘導体(A)のガラス転移温度Tgは100℃以上であることが好ましい。
さらに好ましくは、上記熱硬化性化合物(B)がカルボキシル基含有ウレタン樹脂(B2)を含む。
さらに本発明によれば、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物で面の一部又は全部が被覆されたプリント配線板も提供される。あるいはまた、前記セルロース誘導体(A)が含まれる硬化被膜を有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板が提供される。
そのため、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、可撓性に優れたフレキシブルプリント配線板やテープキャリアパッケージの製造に用いられるソルダーレジスト等の保護膜や絶縁樹脂材料として有用である。さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えばリールトゥリールによる生産工程において、熱乾燥及び熱硬化後直ちに基板を巻き取る若しくは積み重ねることが可能である。その結果、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、上記のような各種分野において、タックフリー性、密着性、耐折性、低反り性、無電解金めっき耐性、はんだ耐熱性、電気絶縁性等の諸特性に優れた可撓性の保護膜を、低コストで生産性良く製造できる。
本発明に用いられるセルロース誘導体(A)は、有機溶剤に可溶であり、高いガラス転移温度(Tg)を有する物が好ましい。セルロース誘導体としては、後述するようなセルロースエーテル、カルボキシルメチルセルロース、セルロースエステルなどが挙げられるが、これらの中でも、本発明の熱硬化性樹脂組成物ではセルロースエステルが必須成分として用いられる。
上記式(1)で示されるセルロースエステルにおいて、セルロース樹脂に対するヒドロキシル基含有量は0〜6wt%、有機酸エステルとして、アセチル基含有量は0〜40wt%、プロピオニル基又は/及びブチリル基含有量は0〜55wt%の範囲が好ましい。ここでいう「wt%」とは、セルロースの重量に対する水素又は有機酸エステルの重量%である。
尚、本明細書でいうガラス転移温度Tgは、熱機械分析(DSC)によりJIS C 6481:1996の「5.17.5 DSC法」に記載される方法に準じて測定したガラス転移温度をいう。
本発明で用いられる熱硬化性化合物(B)は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、水酸基、アミノ基又はカルボキシル基含有ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート類、ポリオール、フェノキシ樹脂、アクリル系共重合樹脂、ビニル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、オキサジン樹脂、シアネート樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。また、それらに対応する硬化剤として(ブロック)イソシアネート類、アミン類、フェノール類なども使用できる。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、2官能エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられ、3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。さらに好ましい高Tgの硬化物を得られ易いエポキシ樹脂としては、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂などが挙げられ、具体的には、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂であるGTR−1800(日本化薬(株)製)、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂であるHP−7200H(大日本インキ化学工業(株)製)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂であるHP−4032D、EXA−7240、EXA−4700、EXA−4770(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)、キサンテン骨格を有するエポキシ樹脂であるEXA−7335(大日本インキ化学工業(株)製)、ビフェノールノボラックエポキシ樹脂であるNC−3000(日本化薬(株)製)が挙げられ、これらの多官能エポキシ樹脂や他の3官能及び4官能エポキシ樹脂等を用いることにより、はんだ耐熱性等の特性を向上させることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に固形エポキシ樹脂が好ましい。
また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子がその構造中に導入されたエポキシ樹脂を使用してもよい。
本発明に使用できるカルボキシル基含有ウレタン樹脂(B2)は、ジイソシアネート化合物(a)と、ポリオール化合物(b)と、1分子中に1つのカルボキシル基と2つのアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物(c)の反応で得られるものが挙げられる。このとき反応停止剤を用いて末端を安定化させたものでもよい。反応停止剤としては、脂肪族アルコールやモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物等のモノヒドロキシル化合物や、アルコール性ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基等のイソシアネート基と付加反応又は縮合反応し得る官能基を有するモノカルボン酸など、従来公知の各種反応停止剤を用いることができる。また、上記反応の際、反応停止剤としても機能する1分子中に1つのアルコール性ヒドロキシル基及び1つ以上のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物(d)を反応させ、末端に導入されたフェノール性ヒドロキシル基を有するカルボキシル基含有ウレタン樹脂は、カルボキシル基に加えて耐熱性の期待できるエポキシ樹脂とフェノール基の反応が起こるため、はんだ耐熱等が求められる場合に特に好ましい。
芳香環を有しないイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の分岐脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、(o,m,又はp)−水添キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネートであるトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。これらの芳香環を有しないジイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのジイソシアネート化合物を使用した場合、低反り性に優れた硬化物を得ることができる。また、塗膜の特性を損なわない範囲で、芳香族ジイソシアネートを用いることもできる。
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(数平均分子量800)を360g(0.45mol)、ジメチロールブタン酸を81.4g(0.55mol)、及び分子量調整剤(反応停止剤)としてn−ブタノール11.8g(0.16mol)を投入した。次に、芳香環を有しないイソシアネート化合物としてトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート200.9g(1.08mol)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が60wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、希釈剤を含有する粘稠液体のカルボキシル基含有ポリウレタンを得た。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの固形分の酸価は49.8mgKOH/gであった。
表1に示す各成分及び配合割合で、室温にて三本ロールに3回通して混練することにより熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(1)タックフリー性
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100EN(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、120℃で60分間熱硬化させた(乾燥膜厚15μm)。その硬化被膜を上にして、指定温度に加熱したホットプレートに載せた。その上にカプトン100EN、その上に100gの錘をのせて30秒後に錘と塗膜にはさまれているカプトンを持ち上げた。その際の張り付き又はタック痕の発生する温度を観察し、以下の基準で評価した。
◎:80℃でも張り付き、タック痕なし。
○:60℃において張り付き、タック痕なし。80℃で張り付きあり。
△:40℃において張り付き、タック痕なし。60℃で張り付きあり。
×:40℃以下で張り付き、タック痕発生した。
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100EN(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、120℃で60分間熱硬化させた後、125℃で7.5時間熱硬化を行った(乾燥膜厚15μm)。その硬化被膜の密着性を、セロハン粘着テープを用いたピーリング試験によるレジスト層の剥れの有無で確認し、以下の基準で評価した。
○:全く剥れなし。
△:若干剥れ有り。
×:剥れ有り
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100EN(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、120℃で60分間熱硬化させた後、125℃で7.5時間熱硬化を行った(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜を180゜折り曲げ、以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にクラックがないもの。
△:硬化被膜に若干クラックがあるもの。
×:硬化被膜にクラックがあるもの。
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100EN(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、120℃で60分間熱硬化させた後、125℃で7.5時間熱硬化を行った(乾燥膜厚15μm)。冷却後、得られた硬化被膜を50×50mmに切り出し、4角の反りを測定して平均値を求め、以下の基準で評価した。
◎:反りが1mm未満であるもの。
○:反りが1mm以上、4mm未満であるもの。
△:反りが4mm以上、7mm未満であるもの。
×:反りが7mm以上であるもの。
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれポリイミド基板(新日鐵化学(株)製、エスパネックス(登録商標))の銅上にパターン印刷し、120℃で60分間熱硬化させて試験片を得た(乾燥膜厚15μm)。得られた試験片を用いて、後述する工程で無電解金めっきを行ない、無電解金めっき耐性を以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの。
△:硬化被膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの。
×:硬化被膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの。
1.脱脂:試験片を、30℃の酸性脱脂液((株)日本マクダーミッド製、Metex L−5Bの20vol%水溶液)に3分間、浸漬した。
2.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
3.ソフトエッチ:試験片を、14.3wt%の過硫酸アンモン水溶液に室温で1分間、浸漬した。
4.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
5.酸浸漬:試験片を、10vol%の硫酸水溶液に室温で1分間、浸漬した。
6.水洗:試験片を、流水中に30秒〜1分間、浸漬した。
7.触媒付与:試験片を、30℃の触媒液((株)メルテックス製、メタルプレートアクチベーター350の10vol%水溶液)に3分間、浸漬した。
8.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
9.無電解ニッケルめっき:試験片を、85℃、pH=4.6のニッケルめっき 液((株)メルテックス製、メルプレートNi−865M、20vol%水溶液)に30分間、浸漬した。
10.酸浸漬:試験片を、10vol%の硫酸水溶液に室温で1分間、浸漬した。
11.水洗:試験片を、流水中に30秒〜1分間、浸漬した。
12.無電解金めっき:試験片を、85℃、pH=6の金めっき液((株)メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol%、シアン化金カリウム3wt%水溶液)に30分間、浸漬した。
13.水洗:試験片を、流水中に3分間、浸漬した。
14.湯洗:試験片を、60℃の温水に浸漬し、3分間充分に水洗した後、水を良くきり乾燥した。
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれL/S(ライン/スペース)=15/15μmの錫めっき処理をしているポリイミド基板(住友金属鉱山(株)製エスパーフレックス(S’PERFLEX)に錫めっき処理をした基板)上に塗膜を作成し、120℃で60分間熱硬化させた後、125℃で7.5時間熱硬化を行った(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜の電気絶縁性を以下の条件及び基準にて評価した。
加湿条件:温度120℃、湿度85%RH、印加電圧60V、100時間
試験条件:測定時間60秒、印加電圧60V、室温にて測定
◎:加湿後の絶縁抵抗値1012Ω以上、マイグレーションの発生なし。
○:加湿後の絶縁抵抗値1012Ω未満、109Ω以上、マイグレーションの発生なし。
△:加湿後の絶縁抵抗値109Ω以上、マイグレーションの発生あり。
×:加湿後の絶縁抵抗値108Ω以下、マイグレーションの発生あり。
上記実施例1〜5及び比較例1の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれL/S(ライン/スペース)=15/15μmの錫めっき処理をしているポリイミド基板(住友金属鉱山(株)製エスパーフレックスに錫めっき処理をした基板)上に塗膜を作成し、120℃で60分間熱硬化させた後、125℃で7.5時間熱硬化を行った(乾燥膜厚15μm)。得られた硬化被膜をN−メチルピロリドン中に30分間浸漬、溶剤を拭き取った後、セロハン粘着テープを用いたピーリング試験によるレジスト層の剥れの有無で確認し、以下の基準で評価した。
○:全く剥れなし。
△:若干剥れ有り。
×:剥れ有り。
本発明のセルロース誘導体を含む熱硬化性絶縁組成物は、低温硬化が可能でかつタックフリー性に優れており、無電解金めっき耐性に優れ、且つ、先に錫めっき処理された微小配線基板において絶縁信頼性が良好であることから、フレキシブル配線板用、特にCOF(チップ・オン・フィルム)用絶縁性保護膜として適している。
表3に示す各成分及び配合割合で、室温にて三本ロールに3回通して混練することにより熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(8)タックフリー性
上記実施例6〜10及び比較例2の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた(乾燥膜厚20μm)。次に両面印刷を行うため、乾燥させた基板の裏側にパターン印刷を行った。その際、最初に印刷した塗膜のアルミステージへの張り付き又はタック痕を観察し、以下の基準で評価した。
○:張り付き、タック痕なし。
×:張り付き、タック痕有り。
上記実施例6〜10及び比較例2の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化させた(乾燥膜厚20μm)。その硬化被膜の銅上における密着性を、セロハン粘着テープを用いたピーリング試験によるレジスト層の剥れの有無で確認し、以下の基準で評価した。
○:全く剥れなし。
△:若干剥れ有り。
×:剥れ有り。
上記実施例6〜10及び比較例2の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化させた(乾燥膜厚20μm)。得られた硬化被膜にロジン系フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に浸漬し、フラックスを除去し、乾燥後、テープ・ピーリング試験を行い、硬化被膜の状態を以下の基準で評価した。
○:10秒間浸漬しても剥れが無いもの。
△:10秒では剥れがあるが、5秒間浸漬しても剥れが無いもの。
×:5秒間浸漬した後、硬化被膜の剥がれがあるもの。
表5に示す各成分及び配合割合で、室温にて三本ロールに3回通して混練することにより熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(11)タックフリー性
上記実施例11〜15及び比較例3の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた(乾燥膜厚20μm)。得られた基板を10枚積み重ね、室温25℃で1時間静置させた。積み重ねた基板を剥がし、その際の張り付き又はタック痕を観察し、以下の基準で評価した。
◎:張り付き、タック痕なし。
○:張り付きはなし、若干タック痕有り。
△:張り付き、タック痕有り。
×:基板への塗膜の転写有り。
上記実施例11〜15及び比較例3の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)上にパターン印刷し80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化させた(乾燥膜厚20μm)。その硬化被膜の密着性を、セロハン粘着テープを用いたピーリング試験によるレジスト層の剥れの有無で確認し、以下の基準で評価した。
○:全く剥れなし。
△:若干剥れ有り。
×:剥れ有り。
上記実施例11〜15及び比較例3の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化を行った(乾燥膜厚20μm)。得られた硬化被膜を180゜折り曲げ、以下の基準で評価した。
○:硬化被膜にクラックがないもの。
△:硬化被膜に若干クラックがあるもの。
×:硬化被膜にクラックがあるもの。
上記実施例11〜15及び比較例3の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれカプトン100H(東レ・デュポン(株)製ポリイミドフィルム、厚さ25μm)にスクリーン印刷で全面印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化を行った(乾燥膜厚20μm)。冷却後、得られた硬化被膜を50×50mmに切り出し、4角の反りを測定して平均値を求め、以下の基準で評価した。
○:反りが0mm以上、4mm未満であるもの。
△:反りが4mm以上、7mm未満であるもの。
×:反りが7mm以上であるもの。
上記実施例11〜15及び比較例3の各熱硬化性樹脂組成物をそれぞれプリント回路基板(厚さ1.6mm)上にパターン印刷し、80℃で30分間熱乾燥させた後、150℃で30分間熱硬化させた(乾燥膜厚20μm)。得られた硬化被膜にロジン系フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に浸漬し、フラックスを除去し、乾燥後、テープ・ピーリング試験を行い、硬化被膜の状態を以下の基準で評価した。
○:10秒間浸漬しても剥れが無いもの。
△:10秒では剥れがあるが、5秒間浸漬しても剥れが無いもの。
×:5秒間浸漬した後、硬化被膜の剥がれがあるもの。
Claims (7)
- ガラス転移温度Tgが70℃以上、200℃未満であるセルロース誘導体(A)と熱硬化性化合物(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、
前記セルロース誘導体(A)がセルロースエステルであり、前記熱硬化性化合物(B)がエポキシ樹脂(B1)を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 - セルロース誘導体(A)が溶剤可溶性であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- セルロース誘導体(A)のガラス転移温度Tgが100℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性化合物(B)がカルボキシル基含有ウレタン樹脂(B2)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を錫めっきされた回路上で硬化してなる硬化物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物で面の一部又は全部が被覆されたプリント配線板。
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