JP5030511B2 - 基板用形成材料及び回路基板の製造方法 - Google Patents

基板用形成材料及び回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板、およびそれを用いた電気回路の製造方法に関し、回路パターンを印刷により形成し、回路パターンの接着性に優れるものに関する。
基板上に電子デバイスの回路パターンを形成する方法としては、スパッタ、蒸着等の真空プロセスで、全面に導電体膜、絶縁膜、半導体膜、誘電体膜等を形成した後、フォトリソグラフィ技術で素子形状にパターニングするのが一般的である。
フォトリソグラフィ技術とは、パターニングしたい薄膜上に感光性レジストを塗布し、フォトマスクを介して露光、現像した後、露出した薄膜部分をドライエッチングあるいはウエットエッチングする方法である。
一方、最近では、フォトリソグラフィ技術を用いずに、回路パターンをインク化してなる材料をインクジェット印刷によりパターニングする方法が試みられている(特許文献1参照)。この方法は、レジストが不要であり、材料を効率良く素子化できるという利点がある。
特開平11−274681号公報(特許請求の範囲)
しかし、特許文献1の方法は、インク吸着可能な吸着層を備えた基板を用いているため、回路パターンの再現性には優れるものの、回路パターンの基板に対する接着性が乏しいという問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、回路パターンの再現性に優れるとともに、回路パターンの基板に対する接着性を良好にできる基板の提供、および該基板を用いた電気回路の製造方法を提供すること目的とする。
上記課題を解決する本発明の基板用形成材料は、樹脂基板または樹脂含浸基板上に、平均孔径5μm未満の微小孔を多く含む熱可塑性樹脂による多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決する本発明の基板用形成材料は、樹脂基板または樹脂含浸基板上に、平均孔径5μm以上10μm未満の微小孔を多く含む熱可塑性樹脂による多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決する本発明の基板用形成材料は、樹脂基板または樹脂含浸基板上に、微小孔を多く含む熱可塑性樹脂によるJIS K7136:2000のヘーズが70%以上の多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とするものである。
好ましくは、前記多孔質層の厚みが0.5〜5.0μmであることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決する本発明の回路基板の製造方法は、本発明の基板用形成材料の多孔質層に、回路パターン形成材料を含む流動体を印刷した後、前記多孔質層を加熱して、多孔質層を加熱溶融することにより多孔質層の孔の少なくとも一部を塞ぐことを特徴とする。
好ましくは、前記回路パターンが配線であることを特徴とするものである。
好ましくは、前記印刷がインクジェット印刷であることを特徴とするものである。
本発明の基板は、基材上に多孔質層を有し、かつ多孔質層の孔の少なくとも一部が、加熱により塞がれるものである。したがって、本発明の基板を用いることにより、回路パターンを印刷により再現性良く形成することができ、さらに印刷後に加熱して多孔質層の孔を塞ぐことにより、回路パターンの基板に対する接着性を良好なものとすることができる。
本発明の電気回路の製造方法は、本発明の基板に印刷し、印刷後に加熱して多孔質層の孔を塞ぐものである。したがって、本発明の電気回路の製造方法によれば、回路パターンの再現性に優れるとともに、回路パターンの基板に対する接着性に優れる電気回路を容易に製造することができる。
まず、本発明の基板について説明する。本発明の基板は、基材上に多孔質層を有する基板において、前記多孔質層の孔の少なくとも一部が、加熱により塞がれることを特徴とするものである。以下、本発明の基板の実施の形態について説明する。
基材は特に限定されるものではないが、紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂、ガラス布基材エポキシ樹脂、セラミック基材などの絶縁性硬質基板、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチックフィルムからなる絶縁性軟質基板があげられる。ポリイミドフィルムやポリエステルフィルムなどの絶縁性軟質基板は、いわゆるフレキシブルプリント基板として用いることができる。基材の厚みは硬質基板の場合0.5〜50mm程度で、軟質基板の場合4.5〜100μm程度である。
基材上には、孔の少なくとも一部が加熱により塞がれる多孔質層が形成される。多孔質層は樹脂と必要に応じて顔料から構成される。この多孔質層に回路パターンを形成して電気回路を得ることができる。
回路パターンを形成するには、まず、多孔質層に、回路パターン形成材料を含む流動体(以下、単に「流動体」という場合もある)を印刷する。多孔質層は毛管現象により流動体を受容することができるため、滲んだりはじいたりすることなく回路パターンを再現性よく形成することができる。印刷後、流動体の一部は多孔質層の表面に残り回路パターンを形成し、一部は多孔質層の内部に浸透する。次いで、多孔質層を加熱し、多孔質層の孔の少なくとも一部を塞ぐ。多孔質層の孔の少なくとも一部が塞がれることにより、多孔質上に形成された回路パターンと多孔質層とが強固に接着され、回路パターンの基板に対する接着性を良好なものとすることができる。
多孔質層は、例えば、揮発性が高く、かつ多孔質層を構成する樹脂をよく溶解する溶媒と、前述した溶媒より揮発性が低く、かつ多孔質層を構成する樹脂を殆ど溶解しない溶媒とを混合した溶媒に多孔質層を構成する樹脂を溶解し、基材上に塗布乾燥することにより形成することができる。この方法では、平均孔径が約5μm未満の細かい連続孔を形成することができる。また、この方法では、顔料を添加することなく多孔質構造とすることができるため、加熱して多孔質層の孔を塞ぐ際に孔を殆ど残存させないようにすることができ、残存した孔部分に水分が取り込まれて電気回路に悪影響を及ぼすことを防止することができる。平均孔径や孔の割合の調整は、前記二種の溶媒の混合割合や樹脂の種類を適宜変更することにより行うことができる。
また平均孔径が約5〜10μmの範囲の連続孔を有する多孔質層は、樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を、基材に塗布後、60〜80%程度の湿度雰囲気中で乾燥させることにより形成することができる。この方法で形成される多孔質層は、いわゆるブラッシング膜と呼ばれ、使用する溶媒の水への親和性を調整することにより孔径を調整することができる。この方法では、顔料を添加することなく多孔質構造とすることができるため、上述したのと同様に、電気回路に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
また、多孔質層は、樹脂中に熱分解型発泡剤を練り込んで加熱により発泡剤を発泡させたり、樹脂中にガスを注入して発泡させるなどしても形成することができる。発泡剤やガスの量を調整することにより、多孔質層の孔径を調整することができる。
多孔質層を構成する樹脂は、加熱溶融により多孔質層の孔の少なくとも一部を塞ぐことができるように、熱可塑性樹脂とすることが好ましい。また、前記性能を発揮しやすくするため、熱可塑性樹脂は多孔質層を構成する全固形分中の90%以上であることが好ましく、95%以上とすることがより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等の水溶性樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂等の非水溶性樹脂があげられる。これらの中でも非水溶性樹脂は、吸湿することなく絶縁性を発揮できる点で好適である。また、非水溶性樹脂の中でも、多孔質層を形成しやすい、AS樹脂、ABS樹脂、SBS樹脂等のスチレン系樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂が好適に使用される。
また、多孔質層を構成する樹脂は、ガラス転移温度が基材のガラス転移温度より低いことが好ましい。具体的なガラス転移温度は基材の種類により異なるため一概にはいえないが、多孔質層を構成する樹脂は、ガラス転移温度160℃以下のものが好ましく、40〜120℃のものがより好ましい。多孔質層を構成する樹脂のガラス転移温度を160℃以下とすることにより、基材を変形させることなく印刷後の加熱処理を容易に行うことができ、40℃以上とすることにより、多孔質層の耐熱化により基板の耐熱性を良好なものとすることができる。また、ブロック重合体などの場合、ガラス転移温度が判断しづらい場合がある。その場合はビカット軟化温度で判断することもできる。ビカット軟化温度も基材のガラス転移温度より低いことが好ましい。具体的なビカット軟化温度は基材の種類により異なるため一概にはいえないが、多孔質層を構成する樹脂は、ビカット軟化温度170℃以下のものが好ましく、50〜130℃がより好ましい。
また、加熱溶融して孔の一部を塞ぐ性能を妨げない限り、多孔質層には熱可塑性樹脂以外の樹脂を含有させてもよい。このような樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂があげられる。
また、多孔質層には、ベタつきを防止するために少量の顔料を添加しても良い。顔料としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機顔料の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズなどの有機顔料があげられる。ベタつきを防止するための顔料の添加量は、多孔質層の全固形分中の0.1〜5重量%程度である。
多孔質層は、多孔質層中の孔の割合を多くすることが好ましい。多孔質層中の孔の割合を多くすることにより、多孔質層中に回路パターン形成材料を適度に浸透させることができる。また、多孔質層は、加熱後の多孔質層中の孔の割合が少なくなるものであることが好ましい。加熱後の多孔質層の孔の割合を少なくすることにより、残存した孔部分に水分が取り込まれて電気回路に悪影響を及ぼすことを防止することができる。ここで、多孔質層中の孔の割合は、基板から基材を除いた多孔質層のみのヘーズ(JIS K7136:2000)を測定することにより推定することができる。具体的には、多孔質層のヘーズが小さければ孔の割合は少なく、多孔質層のヘーズが大きければ孔の割合は多いということになる。したがって、多孔質層は、加熱により孔を塞ぐ前のヘーズより、加熱により孔を塞いだ後のヘーズが小さいことが好ましい。具体的には、多孔質層は、加熱により孔を塞ぐ前のヘーズが70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、多孔質層は、加熱により孔を塞いだ後のヘーズが10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
多孔質層の厚みは0.5〜5.0μmであることが好ましく、0.5〜2.5μmであることがより好ましい。厚みを0.5μm以上とすることにより、流動体を適度に浸透することができ、滲みやはじきを生じることなく回路パターンを再現性良く形成することができる。また、厚みを5.0μm以下とすることにより、多孔質層に流動体が浸透し過ぎることを防止し、多孔質層上に流動体を残存させ、多孔質層上に回路パターンを形成することができる。
多孔質層の孔の平均孔径は5μm未満であることが好ましく、10nm〜1μmであることがより好ましい。平均孔径を5μm未満とすることにより、回路パターン形成材料が多孔質層の表面に適度に残存し、多孔質層上に回路パターンを形成することができる。特に、平均孔径を10nm〜1μmとすることにより、回路パターン形成材料を、多孔質層の表面に適度に残存させつつ、多孔質層中に適度に浸透させることができる点で好ましい。
基材と多孔質層との間には、基材と多孔質層との接着性を向上させるため、易接着層を設けてもよい。易接着層を構成する樹脂は、基材の種類と多孔質層の材料により異なるため一概にはいえない。例えば、基材がポリイミドフィルムで、多孔質層がSBS樹脂の場合、易接着層を構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いることができる。また、印刷後の加熱時などに易接着層が流動すると、多孔質上に形成した回路パターンがひび割れてしまうことがある。したがって、易接着層はイソシアネート系化合物等の架橋剤で架橋させ、流動させにくくすることが好ましい。易接着層の厚みは通常0.1〜5μm程度である。
多孔質層中には、レベリング剤・消泡剤などの界面活性剤、酸化防止剤、キレート剤などの添加剤を添加してもよい。
多孔質層は、多孔質層を構成する樹脂や顔料などの材料を適当な溶媒に溶解させた塗布液を、バーコーティング法などの公知の塗工法により基材上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
本発明の基板は、多孔質層を基材の両面に設け、両面に電気回路を形成可能な基板としてもよい。また、本発明の基板を重ね合わせて多層基板としてもよい。
次に、本発明の電気回路の製造方法について説明する。本発明の電気回路の製造方法は、本発明の基板の多孔質層に、回路パターン形成材料を含む流動体を印刷した後、多孔質層を加熱して孔の少なくとも一部を塞ぐことを特徴とするものである。以下、本発明の電気回路の製造方法の実施の形態について説明する。
まず、上述した本発明の基板の多孔質層に、回路パターン形成材料を含む流動体を印刷する。
回路パターン形成材料は、導電性、半導電性、絶縁性、誘電性、半導体性等の電気的特性を示す公知の材料から構成することができる。回路パターン形成材料を流動体としたものとしては、例えば、半田やガリウム、Pb等の低融点の回路パターン形成材料を融点以上に熱して溶融させたものや、ナノメートル単位に超微粒子化した回路パターン形成材料を溶媒に分散させてインクとしたものなどがあげられる。
印刷手段としては、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷などがあげられる。これら印刷手段の中でも、オンデマンドで設計したCADから直接出力ができ、版を必要としないインクジェット印刷が好ましい。
回路パターン形成材料を含む流動体は、印刷の後に固化あるいは乾燥して、配線、電極、コンデンサ、コイル(インダクタンス)、抵抗器などの回路パターンとなる。流動体の乾燥の際は必要に応じて加熱処理を行う。この加熱処理は、後述する多孔質層の孔を塞ぐ際の加熱処理と同時であってもよい。加熱温度や加熱時間は、基材の軟化温度や流動体を構成するインクの溶媒の種類を考慮して調整すればよい。
回路パターン形成材料を含む流動体を印刷した後は、多孔質層を加熱して多孔質層の孔の少なくとも一部を塞ぐ処理を行う。両面に多孔質層を有する場合には、両面の印刷完了後に、両面の多孔質層を同時に加熱することが好ましい。
加熱手段は特に制限されることなく、例えばドライヤーなどの高温雰囲気中に放置する手段があげられる。加熱温度は、多孔質層を構成する樹脂を適切に溶融させて孔を塞ぎやすくするため、多孔質層を構成する樹脂のガラス転移温度より高くする必要がある。また、加熱温度は、基材の変形を防止するため、基材の軟化温度より低くすることが好ましい。このように、好適な加熱温度は多孔質層を構成する樹脂の種類や基材の種類により異なるため一概にはいえないが、通常120〜160℃程度で行う。加熱時間は3〜30分程度である。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
[実施例1]
厚み50μmのポリイミドフィルム(カプトン:東レ・デュポン社、ガラス転移温度300℃以上)からなる基材上に、下記組成の易接着層塗布液を、乾燥後の厚みが1μmとなるようにバーコーティング法により塗布し、80℃で1分乾燥して易接着層を形成した。次いで、下記組成の多孔質層塗布液を、乾燥後の厚みが2μmとなるようにバーコーティング法により塗布し、60℃で5分乾燥して多孔質層を形成し、実施例1の基板を得た。多孔質層は、平均孔径約30nmの連続孔であった。
<易接着層塗布液>
・ポリエステル樹脂 4部
(バイロン200:東洋紡社)
・メチルエチルケトン 18部
・トルエン 18部
<多孔質層塗布液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂 2部
(デンカビニル#1000C:電気化学工業)
(ガラス転移温度65℃)
・メチルエチルケトン 12部
・N−ブタノール 6部
[実施例2]
実施例1の多孔質層塗布液の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂をSBS樹脂(デンカ730P:電気化学工業社、ビカット軟化点85℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の基板を得た。多孔質層は、平均孔径約30nmの連続孔であった。
[実施例3]
実施例1の基材を厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(Q51DW:帝人デュポン社、ガラス転移温度約120℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の基板を得た。多孔質層は、実施例1と同じく平均孔径約30nmの連続孔であった。
[実施例4]
実施例1の多孔質層の厚みを5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の基板を得た。多孔質層は、実施例1と同じく平均孔径約30nmの連続孔であった。
[実施例5]
実施例1の多孔質層の厚みを0.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の基板を得た。多孔質層は、実施例1と同じく平均孔径約30nmの連続孔であった。
[比較例1]
厚み100μmのポリイミドフィルム(カプトン:東レ・デュポン社、ガラス転移温度300℃以上)を準備し、そのまま比較例1の基板とした。
[参考例1]
実施例1の基材を厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(Q51DW:帝人デュポン社、ガラス転移温度約120℃)に変更し、さらに実施例1の多孔質層塗布液の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂をセルロース樹脂(酢酸セルロース:ダイセル社、ガラス転移温度約170℃)に変更した以外は、実施例1と同様にして参考例1の基板を得た。多孔質層は、平均孔径約30nmの連続孔であった。
次いで、実施例1〜5、比較例1および参考例1の基板に、平均粒径5nmの銀超微粒子がテトラデカンに分散されてなるインクを用いてインクジェット印刷を行って回路パターン(配線)を形成した。
次いで、印刷された実施例1〜5、比較例1および参考例1の基板を、120℃で15分加熱し、実施例1〜5、比較例1および参考例1の製造方法により製造された、基板上に回路パターン(配線)を有してなる電気回路を得た。なお、実施例1〜5の製造方法により製造された電気回路は、多孔質層の孔が塞がれ、多孔質層が透明化していた。
実施例1〜5、比較例1および参考例1の製造方法により製造された電気回路について、以下の項目の評価を行った。結果を表1に示す。
<回路パターンの接着性>
回路パターン(配線)にセロハン製粘着テープ(ニチバン社)を貼り付け、剥離した後、回路パターン(配線)が剥がれなかったものを「○」、剥がれてしまったものを「×」とした。
<回路パターンの再現性>
正確に回路パターン(配線)が再現されていたものを「○」、回路パターン(配線)の一部が断線していたり膨らんで隣り合う配線と接触していたものを「×」とした。
Figure 0005030511
実施例1〜5の基板は、基材上に多孔質層を有してなり、かつ多孔質層の孔の一部が加熱により塞がれるものである。したがって、実施例1〜5の基板から製造された電気回路は、回路パターンの接着性および再現性に優れるものであった。また、実施例1〜5の電気回路の製造方法によれば、回路パターンの接着性および再現性に優れた電気回路を容易に製造することができた。
比較例1の基板は、ポリイミドフィルムをそのまま基板としたものである。したがって、比較例1の基板から製造された電気回路は、回路パターンの接着性および再現性に劣るものであった。
参考例1の基板は、基材上に多孔質層を有してなるものであり、多孔質層を構成する樹脂も熱可塑性樹脂であるセルロース樹脂であるが、上記条件(120℃で15分間の加熱)では多孔質層の孔の一部が加熱により塞がれないものである。したがって、参考例1の基板から製造された電気回路は、回路パターンの接着性に劣るものであった。

Claims (7)

  1. 樹脂基板または樹脂含浸基板上に、平均孔径5μm未満の微小孔を多く含む熱可塑性樹脂による多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とする基板用形成材料。
  2. 樹脂基板または樹脂含浸基板上に、平均孔径5μm以上10μm未満の微小孔を多く含む熱可塑性樹脂による多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とする基板用形成材料。
  3. 樹脂基板または樹脂含浸基板上に、微小孔を多く含む熱可塑性樹脂によるJIS K7136:2000のヘーズが70%以上の多孔質層を形成した回路基板用形成材料であり、当該多孔質層表面に流動性の導体物質を印刷塗布及び含浸させることにより回路パターンが形成・定着される予定の基板用形成材料であって、前記多孔質層とされる樹脂は、前記樹脂基板または前記樹脂含浸基板の軟化温度以下で表面溶融を開始し、孔を塞ぐに至るものであることを特徴とする基板用形成材料。
  4. 前記多孔質層の厚みが0.5〜5.0μmであることを特徴とする請求項1から3何れか1項記載の基板用形成材料
  5. 請求項1から4何れか1項記載の基板用形成材料の多孔質層に、回路パターン形成材料を含む流動体を印刷した後、前記多孔質層を加熱して、多孔質層を加熱溶融することにより多孔質層の孔の少なくとも一部を塞ぐことを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 前記回路パターンが配線であることを特徴とする請求項5記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記印刷がインクジェット印刷であることを特徴とする請求項5又は6記載の回路基板の製造方法。
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