以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技盤1を取り付ける前面枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1aの略中央にはセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、変動表示ゲームをなす特図変動表示ゲームに対応して複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置としての表示装置43が配されるようになっている。この表示装置43は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部43aがセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置43は液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
また、遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普通変動表示ゲームをなす普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器15、普通変動表示装置として普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1の始動入賞領域をなす第1始動入賞口13と、第2の始動入賞領域をなす普通電動入賞装置7と、が設けられている。そして、遊技球が第1始動入賞口13又は普通電動入賞装置7に入賞した場合は、特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、遊技領域1a内には、変動表示装置として特図変動表示ゲームを表示する特図表示器8と、特図変動表示ゲームの未処理回数(特図始動記憶)を表示する特図記憶表示器18が設けられている。なお、普図記憶表示器15、普図表示器5、特図表示器8、特図記憶表示器18は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして一体に設けられている。なお、特別遊技状態となった場合のラウンド数(2R,8R,15R)を表示するラウンド数表示器(LED)を備えても良い。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10と、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図2に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通電動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特別の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。また、普図変動表示ゲームの当り確率は、比較的高い確率(例えば255/256)となっている。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器15にて表示されるようになっている。
普図変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行されるようになっている。普図表示器5は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当りを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。なお、表示装置43の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は普通識別情報として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様(特定結果)となれば、普図の当りとなって、普通電動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通電動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通電動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、上方に第1始動入賞口13が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b、図2に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通電動入賞装置7に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
第1始動入賞口13の内部には第1特図始動口SW13a(図2に図示)が備えられ、この第1特図始動口SW13aによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通電動入賞装置7の内部には第2特図始動口SW7d(図2に図示)が備えられ、この第2特図始動口SW7dで遊技球を検出することによっても補助遊技としての特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で特図始動記憶として記憶される。そして、この特図始動記憶は、特図記憶表示器18に表示される。また、特図記憶表示器18の表示に対応して表示部43aの始動記憶表示部50に飾り特図始動記憶表示51(例えば、図12参照)がなされる。なお、始動記憶表示部50は、特図変動表示ゲームが表示される表示装置43の画面上で形成されるものの他、表示装置43とは別の表示装置で形成するようにしてもよい。
特図変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器8(変動表示装置)で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様(停止結果態様)を停止表示することで行われる。また、表示装置43にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。すなわち、特図表示器8、表示装置43が複数の識別情報による変動表示ゲームを表示する変動表示装置をなす。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器8の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置43の表示態様も特別結果態様となる。なお、遊技機に特図表示器8を備えずに、表示装置43のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通電動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が払出制御装置125(図2に図示)によって払い出されるようになっている。払出制御装置125は、遊技制御装置30の制御の下で排出制御を制御して所定数の賞球が払い出されるようにする。
また、図2に示すように、遊技機100は、特図表示器8において行われる特図変動表示ゲームの制御を行う遊技制御手段としての遊技制御装置30と、この遊技制御装置30からの演出制御指令に基づき、表示装置43における飾り特図変動表示ゲームの演出の制御などを行う演出制御手段としての演出制御装置40と、を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31aやROM31b、RAM31cなどを備える遊技用ワンチップマイコン31を備えるとともに、入力インタフェース(入力I/F)32、出力インタフェース(出力I/F)33、外部通信端子34等により構成されている。
遊技用ワンチップマイコン31は、内部のCPU31aが制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当り、はずれを決定するための大当り乱数や、大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数などの各種乱数値なども生成している。なお、大当り図柄乱数は、特別遊技状態の種類を決定するための種類決定乱数としての機能も有するものである。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のRAM31cには、第1始動入賞口13に設けられた第1特図始動口SW13a、普通電動入賞装置7に設けられた第2特図始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。即ち、RAM31cには、CPU31aにより検出された遊技球の入賞が始動入賞として記憶されるようになっている。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のROM31bには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、各特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための大当り判定値、大当りの図柄を決定するための大当り図柄判定値、変動パターンを決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。また、普図変動表示ゲームの当り判定値、普図変動表示ゲームの変動パターン(変動表示時間として第1の変動表示時間、第2の変動表示時間)も記憶されている。
また、CPU31aは、始動入賞に基づいて各特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲームを含む)を開始させる際に、当該特図変動表示ゲームでリーチを発生させるか否かや、識別情報の変動表示時間を含む変動パターンなどを決定する。
また、入力インタフェース32には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7d、入賞口SW12a,…、ゲートSW4a、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、遊技機枠開放SW121、球切れSW122、などが接続されている。そして、入力インタフェース32は、これらから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン31に対し出力する。なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものであり、遊技機枠開放SW121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。また、球切れSW122は、島設備から供給された遊技球を排出装置に誘導するシュートに設けられ、シュート内の遊技球がなくなったことを検出するものである。
また、出力インタフェース33には、遊技用ワンチップマイコン31から出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特図表示器8、特図記憶表示器18、普図表示器5、普図記憶表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、遊技機外部の管理装置などと接続する外部端子板16、払出制御装置125、演出制御装置40に出力される。
演出制御装置40は、演算処理用CPU40a、ROM40b、RAM40c等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)40d、入出力インタフェース(入出力I/F)40eを備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM40f、グラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)40g、音声データが記憶された音ROM40h、音の出力を制御する音LSI40iを備えている。
この演出制御装置40は、通信インタフェース40dを介して遊技制御装置30から受信した各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技の演出の制御を行うものである。また、入出力インタフェース40eには、遊技機の前面に設けられた演出ボタン41からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40は、この検出信号(外部入力)に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)遊技の演出の制御を行うようになっている。
さらに、入出力インタフェース40eには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェース40eにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して遊技盤1に設けられる可動演出装置の役物駆動モータ42、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用のLEDを備える各種LED基板44などに出力され、遊技の演出が行われるようになっている。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40gに出力され、VDP40gから該制御信号に基づく画像データが表示装置43に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音LSI40iに出力され、音LSI40iから該制御信号に基づく音声データがスピーカ45に出力される。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
そして、これらの制御装置においては、以下のような遊技制御が行われる。
遊技制御装置30では、遊技に関する処理として、主に図3に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図4に示すタイマ割込み処理とを行う。
メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図3に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップS1)を行い、そして、停電復旧処理(ステップS2)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS3)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS4)を行い、大当り乱数や大当り図柄乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS5)を行う。その後、割込みを許可する処理(ステップS6)を行う。
そして、RAM31cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定(ステップS7)を行う。なお、停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生したか否かの判定(ステップS7)において、停電が発生していない場合(ステップS7;No)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS4)に戻り、以降、電源の遮断がなければ割込みを禁止する処理(ステップS4)から停電が発生したか否かの判定(ステップS7)を繰り返し行う。
一方、停電が発生したか否かの判定(ステップS7)において、停電が発生した場合(ステップS7;Yes)は、停電時処理(ステップS8)を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
なお、この停電時処理(ステップS8)では、まず、割り込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM31cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM31cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM31cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図4に示すように、このタイマ割込み処理においては、まず、レジスタのデータを待避する処理(ステップS10)を行う。次に、各種センサ(第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、遊技機枠開放SW121、球切れSW122など)からの入力を処理する入力処理(ステップS11)を行う。そして、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL10b、普電SOL7b)等のアクチュエータの駆動制御を行うための出力の処理を行う出力処理(ステップS12)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力するコマンド送信処理(ステップS13)を行う。そして、乱数更新処理(ステップS14)を行う。この乱数更新処理(ステップS14)では、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定するための大当り乱数や、特図変動表示ゲームの大当り図柄を判定するための大当り図柄乱数の更新を行う。また、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定するための当り乱数や、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数の更新も行う。
次に、第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10cから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)の監視や、エラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS15)を行う。そして、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS16)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS17)を行う。
次に、遊技機100に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関する処理を行うセグメントLED編集処理(ステップS18)を行う。そして、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う外部情報編集処理(ステップS19)を行う。次に、割込み終了宣言をする処理(ステップS20)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS21)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS22)を行い、タイマ割込み処理を終了する。
そして、遊技制御装置30では、以上のような処理のうち主に普図ゲーム処理(ステップS17)において、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出して普図始動記憶として記憶する。その後、当該普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームの開始時に記憶されている当り判定用乱数値をROM31bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5で普通識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器5に特別の結果態様(特定結果)を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通電動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
普通電動入賞装置7の動作状態には、通常動作状態(第1動作状態)と、時短動作状態(第2動作状態)の二つの動作状態があり、遊技制御装置30では何れかの動作状態を設定するようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、普通電動入賞装置7の動作状態を設定する動作状態設定手段をなす。通常動作状態は、普図変動表示ゲームの変動表示時間が第1の変動表示時間(例えば30秒)とされる。また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通電動入賞装置7が開放される場合の開放態様は、開放時間が第1開放時間(例えば0.3秒)とされ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第1開放回数(例えば1回)とされる。また、時短動作状態は、普通電動入賞装置7の動作状態が、通常動作状態に比べて開放状態となりやすい状態である。この時短動作状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における長い実行時間である第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、1秒)、これにより、単位時間当りの普通電動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される(普図時短状態)。また、時短動作状態における、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通電動入賞装置7が開放される場合の開放態様は、開放時間が第2開放時間(例えば1.5秒)とされ(開放期間延長状態)、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば3回)とされる(開放パターン変更状態)。また、本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームが当りとなる確率は常に255/256となっている。なお、通常動作状態ではこの確率よりも低くし、時短動作状態でのみこの確率となるように制御(普図確率変動状態)してもよい。すなわち、時短動作状態は通常動作状態よりも普通電動入賞装置7の開放回数が増加され、普通電動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる状態である。
また、遊技制御装置30では、後に詳細に説明するが特図ゲーム処理(ステップS16)において、第1始動入賞口13に備えられた第1特図始動口SW13aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで特図始動記憶として記憶する処理を行う。同様に、普通電動入賞装置7に備えられた第2特図始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力によっても、特図変動表示ゲームの大当り乱数を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで特図始動記憶として記憶する処理を行う。
また、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に、特図始動記憶に記憶されている大当り乱数をROM31bに記憶されている特図変動表示ゲーム用の大当り判定値(特定値)と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、この処理の後に特図始動記憶数を1減算する。また、変動パターン乱数に基づき変動パターンを決定する処理も行う。また、大当り乱数が大当り判定値と一致する場合には、大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する処理を行う。
ここで、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率の状態である確率状態には、通常確率状態(第1確率状態)と、高確率状態(第2確率状態)の二つの確率状態があり、遊技制御装置30では何れか一つの確率状態を設定するようになっている。高確率状態は、特図変動表示ゲームでの大当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。例えば、通常確率状態では大当り結果となる確率が1/99であり、高確率状態では大当り結果となる確率が通常確率状態の10倍の1/9.9である。通常確率状態では特定値として所定数の第1判定値が設定され、この特定値(第1判定値)と大当り乱数とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。また、高確率状態では特定値として第1判定値および第1判定値とは別の第2判定値が設定され、この特定値(第1判定値、第2判定値)と大当り乱数とを比較し、一致する場合に大当りと判定するようになっている。
なお、特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に、特別遊技状態の終了後、4回の特図変動表示ゲームを実行するまでは確率状態が高確率状態とされる(いわゆる回数切り)。また、高確率状態である場合に特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、確率状態に拘らず、一旦通常確率状態となる。そして、特別遊技状態の終了後に再び高確率状態となる。すなわち、遊技制御装置30が、特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる確率を、通常確率状態と高確率状態との何れかの確率状態で制御可能な確率変動制御手段をなす。また、遊技制御装置30が、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態の発生を通常確率状態よりも確率を高めた高確率状態で制御する確率変動制御手段をなすとも言える。
また、上述したように普通電動入賞装置7の動作状態としては通常動作状態と時短動作状態とがあり、特図変動表示ゲームでの確率状態としては通常確率状態と高確率状態とがあることから、これらの組合せにより通常遊技状態、確率変動(確変)状態、時短遊技状態の三つの遊技状態が構成され、所定の条件に基づき遊技制御装置30が何れか一つの遊技状態を設定するようになっている。通常遊技状態は、普通電動入賞装置7の動作状態が通常動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態である遊技状態である。また、確率変動状態は、普通電動入賞装置7の動作状態が時短動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である遊技状態である。また、時短遊技状態は、普通電動入賞装置7の動作状態が時短動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態である遊技状態である。すなわち、時短遊技状態や確率変動状態が、普通電動入賞装置7の変換制御を変更することで変動表示ゲームの実行権利の獲得を容易にした特定遊技状態をなす。また、遊技制御装置30が、特定遊技状態の発生中においては変動表示ゲームの実行権利の発生を容易にする実行権利発生容易化手段をなす。なお、普通電動入賞装置7の動作状態が通常動作状態であり確率状態が高確率状態である、いわゆる潜伏確変状態を設けても良い。
また、遊技制御装置30では、所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、特図始動記憶に記憶されている大当り乱数や大当り図柄乱数、変動パターン乱数などの判定を行う。そして、特図変動表示ゲームの当りはずれや大当りの図柄(特別結果態様の種類)、リーチの発生の有無を判定する先読み処理を行う。これらの判定の結果は、結果情報として遊技制御装置30から演出制御装置40へ送信される。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置43を有し、該表示装置43が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置43の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置43の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置43に表示される飾り変動表示ゲームが、表示装置43における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を仮停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1(SP1リーチ)、スペシャルリーチ2(SP2リーチ)が設定されている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
そして、遊技制御装置30では、上述したような始動記憶の判定結果に基づき、特図表示器8に、特別識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、遊技制御装置30では、上述したような始動記憶の判定結果に基づき、表示装置43に、特別識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する飾り特図変動表示ゲームを(演出制御装置40を介して)表示させる処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、始動記憶に基づき、特図変動表示ゲームを実行制御可能な変動表示制御手段をなす。
図5には、遊技制御装置30による特図変動表示ゲームの実行制御を説明するための状態遷移図を示した。なお、上述の遊技状態(通常遊技状態、確率変動状態、時短遊技状態)にかかわらず同様の実行制御がなされる。
特図始動記憶がない場合は通常状態A1(客待ち状態)となり、特図始動記憶の発生を待機する状態となる。また、特図始動記憶がある状態でも、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームの終了後や大当り状態A3(特別遊技状態)の終了後には一旦通常状態A1となる。この通常状態A1において特図始動記憶があると、特図変動表示状態A2に移行し、特図変動表示ゲームを実行する。
特図変動表示状態A2は特図変動表示ゲームを実行している状態であり、当該特図変動表示ゲームの結果として特別結果態様が導出された場合(大当り条件が成立した場合)は、大当り状態A3に移行し、特別遊技状態となる。また、特図変動表示状態A2で、特図変動表示ゲームの結果が大当り条件の成立ではないはずれであった場合は、通常状態A1に戻る。
大当り状態A3は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を実行している状態である。そして、この大当り状態A3で特別遊技状態が終了した場合は、通常状態A1に戻る。
また、遊技制御装置30では、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図表示器8に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特図表示器8に表示する特別結果態様は大当り乱数と同時に抽出して記憶される大当り図柄乱数に基づき決定されるようになっている。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図表示器8にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30では、特別遊技状態を発生させる処理として、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または0.3秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回、8回、2回の何れか)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。これにより、遊技機100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機として機能する。
また、遊技制御装置30では、各種入賞口に設けられたセンサ(第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7d、入賞口SW12a、カウントSW10c)から入力される遊技球の検出信号に基づき、払出制御装置125を制御して排出装置から所定数の遊技球が払い出されるようにする処理を行う。
また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの指令信号(変動時間コマンド、変動停止コマンド等)に基づき、表示装置43で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、演出の制御を行う。
ここで、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置30では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を確率変動状態とすることや、確率変動状態で所定回数の特図変動表示ゲームを実行した後、所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短遊技状態とすることである。
特別結果態様の種類には、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドである15R当り(図柄)、特別遊技状態でのラウンド数が8ラウンドである8R当り(図柄)、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドである2R当り(図柄)の三種類が設定されている。
15R当り及び8R当りに基づく特別遊技状態(第1の特別遊技状態)では、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)であり、2R当りに基づく特別遊技状態(第2の特別遊技状態)では、大入賞口の開放時間が第1開放時間よりも短い第2開放時間(0.3秒)とされる。ここで、2R当りに基づく特別遊技状態では、大入賞口を0.3秒開放する動作を1秒のウエイト時間(閉鎖時間)を挟んで2回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
すなわち、15R当り及び8R当りが所定期間実行される第1の特別遊技状態を発生させるものであり、2R当りが第1の特別遊技状態よりも実行期間が短く設定された第2の特別遊技状態を実行するものである。なお、特別遊技状態は、第1の特別遊技状態と該第1の特別遊技状態よりも小さい利益を付与可能な第2の特別遊技状態との何れか一方が(大当り図柄乱数値に基づき)選択されるとも言える。なお、小さい利益を付与するとは、特別遊技状態で開放される特別変動入賞装置10において開放時間が短いことや開放回数が少ないことの他、遊技球の入賞上限数が少ないことや入賞時の賞球が少ないことなどであっても良い。
また、各特別遊技状態の終了後、4回の特図変動表示ゲームを実行するまでは遊技状態が確率変動状態とされる(いわゆる回数切り)。なお、遊技状態が確率変動状態とされる4回の特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合はその時点で確率変動状態が終了し、特別遊技状態の終了後に再度4回の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態が確率変動状態とされる。そして、15R当り及び8R当りであった場合(第1の特別遊技状態であった場合)は、確率状態が高確率状態となる4回の特図変動表示ゲームが終了した後、すなわち、確率状態が高確率状態となる4回の特図変動表示ゲームの結果が全てはずれであった後、40回の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態が時短遊技状態とされる。また、2R当りであった場合(第2の特別遊技状態であった場合)は、確率状態が高確率状態となる4回の特図変動表示ゲームが終了した後、遊技状態が通常遊技状態となる。ただし、確率変動状態及び時短動作状態で2R当りとなった場合は、確率変動状態が終了した後、40回の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態が時短遊技状態とされる。
すなわち、遊技制御装置30が、特別遊技状態の終了後、所定回数変動表示ゲームが実行される期間を限度として、普通電動入賞装置7の変換制御を変更することで変動表示ゲームの実行権利の獲得を容易にした特定遊技状態(確率変動状態、時短遊技状態)を発生させる特定遊技状態発生手段をなす。また、遊技制御装置30が、該特定遊技状態が終了することとなる変動表示ゲームの回数を予め定められた複数通りの回数のうちから選択する特定遊技状態継続数選択手段をなす。
また、図6に示すように、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合における特別結果態様の選択確率は、2R当りが選択される確率が15%、8R当りが選択される確率が80%、15R当りが選択される確率が5%となっている。すなわち、遊技制御装置30が、始動入賞口(第1始動入賞口13、普通電動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき乱数(大当り図柄乱数)を抽出し、該抽出された乱数値に基づき、特別遊技状態とは別に付加遊技価値を付与するか否か、或いは付与する付加遊技価値量を決定する付加遊技価値決定手段をなす。
次に、図4に示すタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS16)の詳細について説明する。図7に示すように、特図ゲーム処理では、まず、第1始動入賞口13や第2始動入賞口をなす普通電動入賞装置7への入賞の監視と、入賞に基づき各種乱数値の記憶を行う特図始動口SW(スイッチ)監視処理(ステップS30)を行う。その後、カウントSW10cからの入力を監視するカウントスイッチ監視処理(ステップS31)を行う。
そして、特図変動表示ゲームの実行に関する各処理で設定されるゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かの判定(ステップS32)を行う。このゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かの判定(ステップS32)において、ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合(ステップS32;No)は、特図変動表示ゲームの制御に関する特図変動制御処理(ステップS44)を行って特図ゲーム処理を終了する。また、ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かの判定(ステップS32)において、ゲーム処理タイマがタイムアップしている場合(ステップS32;Yes)は、ゲーム処理番号を取得して取得したゲーム処理番号に基づき実行する処理を選択するゲーム分岐処理(ステップS33)を行う。
ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が0である場合は、特別図柄の変動開始を監視し、特別図柄の変動開始の設定や演出の設定、又は特図普段処理を行うために必要な情報の設定を行う特図普段処理(ステップS34)を行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が1である場合は、特図変動表示ゲームの前半変動時間に係る情報の設定を行う特図前半変動開始処理(ステップS35)を行う。なお、前半変動時間とは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態が発生するまでの期間である。また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が2である場合は、特図変動表示ゲームの後半変動時間に係る情報の設定を行う特図後半変動開始処理(ステップS36)を行う。なお、後半変動時間とは、リーチ状態の発生から特図変動表示ゲームの終了までの期間である。
また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が3である場合は特図変動停止処理(ステップS37)を行う。この特図変動停止処理(ステップS37)では、特図変動表示ゲームにおける結果態様の停止表示時間の設定などを行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が4である場合は特図変動終了処理(ステップS38)を行う。この特図変動終了処理(ステップS38)では、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップS39)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、特図普段処理(ステップS34)へ移行するため情報の設定などを行う。
また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が5である場合は特別遊技状態における大入賞口の開放回数の更新などの処理を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップS39)を行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が6である場合は大入賞口開放中処理(ステップS40)を行う。この大入賞口開放中処理(ステップS40)では、特別遊技状態が最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理(ステップS39)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特別遊技状態が最終ラウンドであれば、特別遊技状態の終了画面のコマンドの設定や大入賞口残存球処理(ステップS41)を行うために必要な情報の設定を行う。
また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が7である場合は大入賞口残存球処理(ステップS41)を行う。この大入賞口残存球処理(ステップS41)では、特別遊技状態が最終ラウンドである場合に、大入賞口を閉鎖した後に大入賞口内に残存する全ての遊技球がカウントSW10cで検出されるまで時間の設定を行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS33)において、ゲーム処理番号が8である場合は大当り終了処理(ステップS42)を行う。この大当り終了処理(ステップS42)では、特別遊技状態を終了する処理を行うとともに、特図普段処理(ステップS34)を行うために必要な情報の設定を行う。
ゲーム処理番号に基づく上述の処理を行った後、設定された各種データをセーブするテーブルデータセーブ処理(ステップS43)を行い、ゲーム処理タイマの更新などの処理を行う特図変動制御処理(ステップS44)を行って特図ゲーム処理を終了する。
図8に示すように、上述の特図ゲーム処理において実行される特図始動口SW(スイッチ)監視処理(ステップS30)では、まず、普通電動役物が作動中であるか否かの判定(ステップS50)を行う。この普通電動役物が作動中であるか否かの判定(ステップS50)では、普通電動役物をなす普通電動入賞装置7が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているかが判定される。普通電動役物が作動中であるか否かの判定(ステップS50)において、普通電動役物が作動中である場合(ステップS50;Yes)は、特図始動口SW(第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7d)入力がオンであるか否かの判定(ステップS52)を行う。また、普通電動役物が作動中であるか否かの判定(ステップS50)において、普通電動役物が作動中でない場合(ステップS50;No)は、不正入賞数が上限値であるか否かの判定(ステップS51)を行う。
普通電動入賞装置7は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数するようになっている。そして、不正入賞数が上限値であるか否かの判定(ステップS51)では、このように計数された不正入賞数が所定の上限値以上であるかが判定される。この不正入賞数が上限値であるか否かの判定(ステップS51)において、不正入賞数が上限値である場合(ステップS51;Yes)は、特図始動口SW監視処理を終了する。すなわち、この場合は特図始動記憶を発生させないようにする。また、不正入賞数が上限値であるか否かの判定(ステップS51)において、不正入賞数が上限値でない場合(ステップS51;No)は、特図始動口SW入力がオンであるか否かの判定(ステップS52)を行う。
特図始動口SW入力がオンであるか否かの判定(ステップS52)では、第1特図始動口SW13a、第2特図始動口SW7dから出力される遊技球の検出信号があるかが判定される。特図始動口SW入力がオンであるか否かの判定(ステップS52)において、特図始動口SW入力がオンでない場合(ステップS52;No)は、特図始動口SW監視処理を終了する。また、特図始動口SW入力がオンであるか否かの判定(ステップS52)において、特図始動口SW入力がオンである場合(ステップS52;Yes)は、始動口信号出力回数を更新する処理(ステップS53)を行う。始動口信号出力回数を更新する処理(ステップS53)では、遊技機の外部の管理装置に対して出力するための情報として、第1始動入賞口13や普通電動入賞装置7への入賞の回数に関する情報を更新する処理を行う。その後、特図記憶数(特図始動記憶)が上限値(例えば4)であるか否かの判定(ステップS54)を行う。
特図保留数が上限値であるか否かの判定(ステップS54)において、特図保留数が上限値である場合(ステップS54;Yes)、すなわち、これ以上特図始動記憶を記憶できない場合は、特図始動口SW監視処理を終了する。また、特図保留数が上限値であるか否かの判定(ステップS54)において、特図保留数が上限値でない場合(ステップS54;No)は、特図保留数を1インクリメントする処理(ステップS55)を行い、大当り乱数値を取得する処理(ステップS56)を行う。その後、大当り図柄乱数を取得する処理(ステップS57)、変動パターン乱数を取得する処理(ステップS58)を行う。これらの各種乱数値を記憶する処理(ステップS56からS58)では、更新した特図始動記憶数に対応して設定される各種乱数値のセーブ領域に、抽出した各種乱数値を記憶する処理を行う。
次に、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行う。この先読み処理としてはまず、大当り乱数は大当りであるか否かの判定(ステップS59)を行う。この大当り乱数は大当りであるか否かの判定(ステップS59)では、大当り乱数値が大当り判定値と一致するかが判定される。なお、ここで用いる大当り判定値は、現在の特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率状態にかかわらず、常に通常確率状態での値である第1判定値を用いる。これにより、先読み処理を行った時には高確率状態であって大当りと判定したが、実際に特図変動表示ゲームを実行する時には通常確率状態となっていてはずれと判定されてしまうことを防止できる。ただし、確率状態に応じて大当り判定値を設定しても良い。この大当り乱数は大当りであるか否かの判定(ステップS59)において、大当り乱数は大当りである場合(ステップS59;Yes)は、予告演出コマンド4を取得する処理(ステップS60)を行い、大当り図柄乱数に対応する停止図柄パターンコマンドを取得する処理(ステップS63)を行う。予告演出コマンドの詳細については後述するが、予告演出コマンド4は当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が当りとなる場合に選択されるものである。
また、大当り乱数は大当りであるか否かの判定(ステップS59)において、大当り乱数は大当りでない場合(ステップS59;No)は、予告演出コマンドテーブルを取得する処理(ステップS61)を行う。その後、変動パターン乱数に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS62)を行い、大当り図柄乱数に対応する停止図柄パターンコマンドを取得する処理(ステップS63)を行う。なお、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、変動パターン乱数により予告演出コマンド1から3の何れかを取得もしくは予告コマンドを取得しないようになっている。
そして、上述の処理で取得した各種コマンドを設定する処理として、予告演出コマンドを設定する処理(ステップS64)、停止図柄パターンコマンドを設定する処理(ステップS65)を行う。ここで設定されたコマンドは後に演出制御装置40に出力される。その後、飾り特図記憶数コマンドを設定する処理(ステップS66)を行って特図始動口SW監視処理を終了する。
以上のことから、遊技制御装置30が、変動表示ゲームを実行させる権利を所定の上限数の範囲内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。より詳細には、遊技制御装置30が、始動入賞領域(第1始動入賞口13、普通電動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を当該変動表示ゲームの結果を決定する結果関連情報(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数)とともに所定の上限数まで記憶する始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置30が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された乱数値を特定値と比較判定する判定手段をなす。また、遊技制御装置30が始動始動記憶に対応して記憶された乱数値を当該始動記憶による変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。より詳細には、遊技制御装置30が、始動記憶に対応して記憶されている大当り乱数値を事前に判定する大当り事前判定手段をなす。また、遊技制御装置30が、始動記憶に対応して記憶されている変動パターン乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する変動パターン事前判定手段をなす。また、遊技制御装置30が、始動記憶に対応して記憶された種類決定乱数値(大当り図柄乱数値)を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する種類事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
ここで、予告演出コマンドの選択について説明する。上述の先読み処理の結果、選択される予告演出コマンドには、図9に示すように予告演出コマンド1から4の4種類が設定されている。予告演出コマンド1は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであり、ノーマルリーチ以下の変動表示態様が実行される場合に選択される。なお、ノーマルリーチ以下とは、ノーマルリーチ以下の信頼度である変動表示態様のことである。この変動表示態様の信頼度とは、その変動表示態様が実行された場合に特別結果態様が導出される確率の高さのことであり、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャルリーチ1(SP1リーチ)<スペシャルリーチ2(SP2リーチ)の順に高くなるようになっている。よって、はずれのノーマルリーチ以下の変動表示態様とは、ノーマルリーチもしくはリーチなしではずれとなる変動表示態様のことである。
また、予告演出コマンド2は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであり、スペシャルリーチ1となる変動表示態様が実行される場合に選択される。予告演出コマンド3は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであり、スペシャルリーチ2となる変動表示態様が実行される場合に選択される。予告演出コマンド4は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が当りである場合に選択される。このうち予告演出コマンド1から3の選択は、変動パターン乱数も参照して行われる。
ここで、変動パターン乱数を判定するための変動パターン判定値は始動記憶数によりリーチ状態の発生率が異なるように複数の設定が用意されている。これは始動記憶のオーバーフローを防止するために、記憶数が多いほど変動時間が短い変動パターンを選択するようにするためである。図10には、通常遊技状態において使用される変動パターンを選択するためのテーブルの内容を、図11には、確率変動状態及び時短遊技状態において使用される変動パターンを選択するためのテーブルの内容を示した。
変動パターン乱数は0から65535の65536個の値から一つの値が始動入賞時に抽出されるものである。そして、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時における保留記憶数(始動記憶数)に応じて異なる変動パターン判定値(判定値群)が設定されている。このうち保留記憶数によって異なる判定結果となる値と、保留記憶数に関わらず同じ判定結果となる値がある。なお、図10,11に示す保留記憶数は特図変動表示ゲームの開始時の値である。ここで、保留記憶数が4である場合とは、特図変動表示ゲームの開始に関する処理により保留記憶数が減算された後、変動パターンの決定に関する処理の前に新たな始動記憶が発生した場合であって、実質的には特図保留数が3である場合と同様である。
具体的に図10に示すテーブルにおいては、変動パターン乱数値が0からaの範囲である場合は、保留記憶数に拘らずリーチなしの変動表示態様となる。また、変動パターン乱数値がaからbの範囲である場合は、保留記憶数によってリーチなしもしくはノーマルリーチの変動表示態様となり、詳細には、保留記憶数が0又は1の場合はノーマルリーチ、保留記憶数が2の場合はリーチなしもしくはノーマルリーチ、保留記憶数が3又は4の場合はリーチなしとなる。
また、変動パターン乱数値がbからcの範囲である場合は、保留記憶数に拘らずノーマルリーチの変動表示態様となる。また、変動パターン乱数値がcからdの範囲である場合は、保留記憶数によってノーマルリーチもしくはスペシャルリーチ1(SPリーチ1)の変動表示態様となり、詳細には、保留記憶数が0又は1の場合はSPリーチ1、保留記憶数が2の場合はノーマルリーチもしくはSPリーチ1、保留記憶数が3又は4の場合はノーマルリーチとなる。
また、変動パターン乱数値がdからeの範囲である場合は、保留記憶数に拘らずスペシャルリーチ1の変動表示態様となる。また、変動パターン乱数値がeからfの範囲である場合は、保留記憶数によってスペシャルリーチ1もしくはスペシャルリーチ2(SPリーチ2)の変動表示態様となり、詳細には、保留記憶数が0又は1の場合はSPリーチ2、保留記憶数が2の場合はSPリーチ1もしくはSPリーチ2、保留記憶数が3又は4の場合はSPリーチ1となる。また、変動パターン乱数値がfから65535の範囲である場合は、保留記憶数に拘らずスペシャルリーチ2の変動表示態様となる。なお、aからfの値は0<a<b<c<d<e<f<65535となる値である。
そして、上述の予告演出コマンドテーブルを取得する処理(ステップS61)で取得する予告演出コマンドテーブルには、このように保留記憶数によって異なる判定結果となる値の範囲と、保留記憶数に拘らず同じ判定結果となる値の範囲とが記憶されている。よって、変動パターン乱数に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS62)では、この予告演出コマンドテーブルに変動パターン乱数を参照し、変動パターン乱数が保留記憶数に拘らず所定の判定結果となる値の場合に所定の予告演出コマンドを取得し、保留記憶数によって所定の判定結果とならない値の場合には予告演出コマンドを取得しないようにする処理を行う。
すなわち、変動パターン乱数値が0からcの範囲であり、保留記憶数に拘らずノーマルリーチもしくはリーチなしの変動表示態様となる場合に、予告演出コマンド1を取得する。また、変動パターン乱数値がdからeの範囲であり、保留記憶数に拘らずスペシャルリーチ1の変動表示態様となる場合に、予告演出コマンド2を取得する。また、変動パターン乱数値がfから65535の範囲であり、保留記憶数に拘らずスペシャルリーチ2の変動表示態様となる場合に、予告演出コマンド3を取得する。そして、変動パターン乱数値がcからd、eからfである場合は、予告演出コマンドは取得しない。なお、このように保留記憶数によって所定の判定結果とならない値の場合(状態が不定の場合)に選択する予告演出コマンドとして予告演出コマンド5を設け、これを演出制御装置40に送信するようにしても良い。このような処理によって、乱数を抽出する始動入賞時では当該始動記憶の変動表示ゲーム開始時の始動記憶数が分からないため、予告を行ってもSPリーチ等が発生しないこととなってしまう可能性があるという課題を解決できる。
このように始動記憶数に応じてリーチ状態の発生率が異なるようにすることで、遊技が冗長になったり、単調になったりすることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止するようにしている。ここで、図10に示す通常遊技状態における場合に比べ、図11に示す確率変動状態及び時短遊技状態における場合の方が、リーチ状態の発生頻度が低くなるようにされている。これは、確率変動状態及び時短遊技状態では普通電動入賞装置7の動作状態が時短動作状態となり、特図始動記憶が容易に発生するようになるので、変動時間が長くなるリーチ状態の発生頻度を低くして特図始動記憶を迅速に消化できるようにするためである。
また、変動パターン乱数により決定される事項にはリーチ状態の有無の他、変動時間なども含まれ、この変動時間も保留記憶数に応じて異なるようにされている。そして、図10に示す通常遊技状態における場合では、例えば、リーチなしの場合に、始動記憶数が3又は4の場合は、3又は4でない場合よりも短い変動時間を設定する(いわゆる即止め)ようにしている。また、図11に示す確率変動状態及び時短遊技状態における場合では、例えば、リーチなしの場合に、始動記憶数が0でない場合は、0である場合よりも短い変動時間を設定する(いわゆる即止め)ようにしている。すなわち、図10に示す通常遊技状態における場合に比べ、図11に示す確率変動状態及び時短遊技状態における場合の方が、短い変動時間が選択され易くなっており、特図始動記憶を迅速に消化できるようになっている。これによっても遊技が冗長になったり、単調になったりすることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止するようにしている。
なお、遊技状態や始動記憶数によりリーチ状態の発生率が異なるようにしたが、これ以外の条件によりリーチ状態の発生率が異なるようにしても良い。また、ここで示した変動パターン乱数の設定値や変動パターン判定値の設定値は一例であって、これに限られるものではない。
また、本実施形態の遊技機は、事前判定手段の判定結果に基づき、特図変動表示ゲームが特定の態様となることを当該特図変動表示ゲームの実行前(当該特図変動表示ゲームが特定の態様となるよりも前であればよい)に事前に予告することが可能となっている。特図変動表示ゲームが特定の態様となるとは、例えば、特別遊技状態が発生する(特別結果態様が導出される)ことや、特定のリーチ(SPリーチ)となることである。また、特定の態様の導出を予告する場合だけでなく、特定の態様が導出されない場合も予告を実行可能である。すなわち、特定の態様以外の態様となる場合でも予告と同様の演出(いわゆるガセ予告)を実行可能である。また、予告の実行期間としては、特別遊技状態中において行う予告や、一の特図変動表示ゲームにおいて行う予告、複数の特図変動表示ゲームに亘って連続的に予告演出を行う連続的な予告などを実行可能である。また、予告の開始時期は、特別遊技状態中や特図変動表示ゲームの実行中などである。
予告演出は、図12に一例を示すように、特図始動記憶を表示する飾り特図始動記憶表示51の表示態様を変化させることで行われるようになっている。飾り特図始動記憶表示51は、一の特図始動記憶に対応して一つの表示がなされるものであって、記憶された順に左側から表示される。すなわち、左端の飾り特図始動記憶表示51が最先の(最も古い)特図始動記憶に対応するものである。そして、最先の特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、対応する左端の飾り特図始動記憶表示51が消去されるとともに、未だ消化されていない特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示51が左方へ順次移動して表示される。
飾り特図始動記憶表示51の表示態様には四種類の表示態様があり、白丸で示す通常表示態様と、淡い網掛けの丸で示す第1特定表示態様と、濃い網掛けの丸で示す第2特定表示態様と、星印で示す第3特定表示態様とがある。これらの表示態様は、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されて特別遊技状態となる可能性や特定のリーチとなる可能性が異なる(信頼度が異なる)ものである。すなわち、表示態様によって特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されて特別遊技状態となる確率や特定のリーチとなる確率が異なり、その確率(信頼度、予告の段階)は、第1特定表示態様よりも第2特定表示態様の方が高く、第2特定表示態様よりも第3特定表示態様の方が高い(上位の段階である)。ただし、通常表示態様は予告を実行していない状態であって信頼度は不定である。また、第3特定表示態様は大当りの発生を確定的に報知する確定予告であって、信頼度は100%と言える。なお、飾り特図始動記憶表示51における予告の態様はこれに限られず、色の変化、大きさの変化、形状の変化、別の画像を付加する等、通常の始動記憶表示である通常表示態様と異なる表示態様であればなんでもよい。また、予告の段階を三段階としたが段階の数はこれ以外の数としても良い。
すなわち、予告の信頼度とは、その予告を行った始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される可能性の高さであり、予告の信頼度が高いほど特別結果態様となる可能性が高いと言える。また、逆に言えば特別結果態様を導出する始動記憶に対しては、特別結果態様を導出しない始動記憶より信頼度が高い予告演出が選択される。そして、予告演出の対象となる始動記憶が特別結果態様を導出するものである場合は、それ以外の場合よりも段階が異なる複数種類の予告演出のうち上位の段階の予告演出とする割合を高くすることで、予告演出が上位の段階となるほど特別結果態様の導出に対する信頼度が高くなるようにすることができる。
予告は特別遊技状態中において特図始動記憶数が上限数(例えば4つ)に達した次のラウンドから開始される。図12に示す例は、1ラウンド目の終了までに特図始動記憶数が上限数に達し、2ラウンド目から予告が開始される例である。なお、特別遊技状態の開始前から上限数であった場合は1ラウンド目から予告が開始される。また、最終ラウンドの前のラウンドまでに特図始動記憶数が上限数とならなかった場合には予告は行われない。さらに、前回の特別遊技状態において設定された予告が残っている場合は、新たな特別遊技状態の開始時に消去される。
図12(a)に示すように、予告が開始される2ラウンド目の開始時には、予告が開始されることを報知する予告開始表示52として「先読み予告開始」の表示がなされる。そして、図12(b)に示すように、飾り特図始動記憶表示51で予告が行われる。また、予告開始表示52に替えて予告中であることを示す予告中表示53として「先読み予告中」の表示がなされる。このように予告の開始時に実行される予告が基準予告をなす。
また、各特図始動記憶に対応する予告は、予告を行う特図始動記憶よりも先に記憶された古い特図始動記憶に対する予告の信頼度に比べて、高い信頼度もしくは同じ信頼度の予告を実行するようになっている。すなわち、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶(古い特図始動記憶)についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶(新しい特図始動記憶)についての予告演出の信頼度が低くなることが禁止されている。
例えば、図12(b)に示すように、最も古い(最先の)特図始動記憶から数えて二番目の特図始動記憶に対応する左から二番目の飾り特図始動記憶表示51は第1特定表示態様となっている。よって、この特図始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶である三番目、四番目の特図始動記憶に対応する左から三番目、四番目の飾り特図始動記憶表示51での予告は、第1特定表示態様の信頼度以上の予告に制限される。この例では、三番目の特図始動記憶に対応する左から三番目の飾り特図始動記憶表示51は第1特定表示態様とされ、四番目の特図始動記憶に対応する左から四番目の飾り特図始動記憶表示51は第2特定表示態様とされている。なお、四番目の特図始動記憶(最も新しい特図始動記憶)に対応する左から四番目の飾り特図始動記憶表示51は、三番目の特図始動記憶に対応する左から三番目の飾り特図始動記憶表示51での予告の信頼度による制限も受けている。
なお、通常表示態様は予告を実行していない状態であるので信頼度は不定であり、通常表示態様である飾り特図始動記憶表示51があることによって、後の特図始動記憶に対応する予告が制限されることはない。よって、二番目の特図始動記憶に対応する左から二番目の飾り特図始動記憶表示51は制限を受けていない。また、二番目の特図始動記憶に対応する左から二番目の飾り特図始動記憶表示51が第1特定表示態様であっても、三番目、四番目の特図始動記憶に対応する左から三番目、四番目の飾り特図始動記憶表示51を通常表示態様とすることが可能である。
また、基準予告が実行されたラウンドの後に実行されるラウンドにおいて、当該基準予告を基礎とした追加予告が可能となっている。この追加予告は、遊技者が選択した特図始動記憶について予告の更新を行うものである。予告の更新とは、通常表示態様から特定表示態様への変更のように予告を実行することや、異なる特定表示態様となるように予告に変更することである。なお、追加予告では予告の更新が行われない場合、すなわち、既に実行されている予告を変更せずに維持する場合もある。
図13(a)に示すように、基準予告が実行されたラウンドの後に実行されるラウンド(ここでは3R)になると追加予告の対象の選択が可能となる。このとき、追加予告が可能であることを報知する追加予告表示55として「先読み追加中」の表示がなされる。また、特図始動記憶を選択するために対応する飾り特図始動記憶表示51を指し示すカーソル54(矢印)が表示される。カーソル54は、所定時間ごとに順次右隣の飾り特図始動記憶表示51を指し示す位置に移動し、右端の飾り特図始動記憶表示51を指し示した後に左端の飾り特図始動記憶表示51を指し示す位置に戻る一連の動作を繰り返す。
遊技者は、予告演出の更新対象としたい特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示51をカーソル54が指し示している間に演出ボタン41を操作する(押下する)ことで、対応する特図始動記憶を選択することができる。例えば、図13(b)では、左から二番目の飾り特図始動記憶表示51をカーソル54が指し示している間に遊技者が演出ボタン41を操作している。この例では第1特定表示態様のまま予告態様が変更されなかった場合を示しているが、第2特定表示態様に変更される場合もある。なお、選択された特図始動記憶に対する予告を変更する場合には、古い特図始動記憶に対する予告よりも高い信頼度もしくは同じ信頼度の予告となるように制御されるとともに、新しい特図始動記憶に対する予告よりも低い信頼度もしくは同じ信頼度の予告となるように制御される。すなわち、この場合も先に変動表示ゲームを実行する始動記憶(古い特図始動記憶)についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶(新しい特図始動記憶)についての予告演出の信頼度が低くなることが禁止されている。
このように追加予告の対象を選択可能な期間である選択可能期間は、ラウンドの開始から所定期間である。なお、ラウンドの開始から所定期間内であっても選択を行った場合や、ラウンドが終了した場合には選択可能期間は終了する。また、選択可能期間内に選択が行われなかった場合は、予告演出の更新は行われないようになっている。すなわち、基準予告により得られた予告の情報以上の情報を知りたくない遊技者は追加予告の選択を行わなければ良く、遊技者の意図に沿った予告演出を行うことができる。なお、遊技者が追加予告を見たくない場合に操作するキャンセルボタンを備えても良いし、最初(客待ち状態中など)に遊技者の操作に基づき、予告に関する演出自体(追加予告の他、基準予告も含む)を出さないように設定する手段を備えても良い。
また、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択を行うことができる回数である選択可能回数は特別遊技状態ごとに決定され、図13に示す例では2回となっている。選択可能回数は表示部43aに選択可能回数表示56として表示され、図13(b)に示すように選択を行うごとに1ずつ減算される。また、選択された特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示51には、選択された回数を示す選択済回数表示57が表示されるようになっており、一度選択された左から二番目の飾り特図始動記憶表示51には「1」の表示がなされる。
図13(c)に示すように、次の選択可能期間(次のラウンド)になると再びカーソル54が表示されて選択が可能となる。そして、図13(d)に示すように、この選択可能期間では左から三番目の飾り特図始動記憶表示51に対応する特図始動記憶を遊技者が選択している。これにより、当該飾り特図始動記憶表示51は第1特定表示態様から第2特定表示態様に変更されている。また、選択済回数表示57も更新される。このように追加予告の対象の選択を特別遊技状態の発生中における複数のラウンドに分けて行うことで期待感が分散でき、特別遊技状態の全般に亘って期待感を維持することができる。なお、同じ特図始動記憶を複数回選択することも可能である。
このように表示された予告演出は、対象となる特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの終了まで表示された状態となる。なお、特図変動表示ゲーム中に選択済回数表示57を表示したままとしても良いし、表示しなくても良い。また、対象となる特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了する前に新たに特別遊技状態が発生した場合は、当該特別遊技状態において前回の特別遊技状態での予告が消去され、新たに予告が開始される。
また、図14には追加予告の対象の選択の変形例を示した。この例では、選択を遊技機に行わせる自動選択を可能としている。図14(a)に示すように、選択可能期間において選択可能な項目として、飾り特図始動記憶表示51の他に予告対象の選択を遊技機100に行わせるための項目である自動選択表示58が表示される。遊技者が自動選択表示58を選択すると、図14(b)に示すように遊技機100が特図始動記憶を選択し、対応する飾り特図始動記憶表示51で予告演出を行う。なお、自動選択における特図始動記憶の選択は、例えば乱数等に基づきランダムに選択するようにしても良いし、大当りを発生する特図始動記憶を優先的または強制的に選択するようにしても良い。
以上に示した基準予告の制御や追加予告の対象の選択などの予告演出の制御は、演出制御装置40で行われるようになっている。以下、予告演出の制御について説明する。演出制御装置40では、予告の開始条件を監視し、各種のフラグを設定するための図15に示す予告条件監視処理を行う。この予告条件監視処理では、まず、ラウンド開始であるか否かの判定(ステップS70)を行う。ラウンド開始であるか否かの判定では、遊技制御装置30からの情報に基づき、特別遊技状態におけるラウンドの開始タイミングであるかを判定する。このラウンド開始であるか否かの判定(ステップS70)において、ラウンド開始でない場合(ステップS70;No)は、予告条件監視処理を終了する。また、ラウンド開始であるか否かの判定(ステップS70)において、ラウンド開始である場合(ステップS70;Yes)は、基準予告終了フラグがあるか否かの判定(ステップS71)を行う。
基準予告終了フラグは、後述するように予告の開始時に行われる基準予告に関する処理を行った際に設定され、特別遊技状態の終了時にクリアされるフラグである。この基準予告終了フラグがあるか否かの判定(ステップS71)において、基準予告終了フラグがない場合(ステップS71;No)は、記憶上限であるか否かの判定(ステップS74)を行う。
記憶上限であるか否かの判定(ステップS74)では、特図始動記憶数が上限数(例えば4)であるかが判定される。この記憶上限であるか否かの判定(ステップS74)において、記憶上限でない場合(ステップS74;No)は、予告条件監視処理を終了する。また、記憶上限であるか否かの判定(ステップS74)において、記憶上限である場合(ステップS74;Yes)は、基準予告開始フラグをセットする処理(ステップS75)を行い、予告条件監視処理を終了する。これにより、特別遊技状態中において特図始動記憶数が上限数に達した次のラウンドで基準予告が行われることとなる。
一方、この基準予告終了フラグがあるか否かの判定(ステップS71)において、基準予告終了フラグがある場合(ステップS71;Yes)は、最初の追加予告ラウンドであるか否かの判定(ステップS72)を行う。最初の追加予告ラウンドとは、追加予告の選択が初めて可能となるラウンドであって、基準予告を行ったラウンドの次のラウンドである。この最初の追加予告ラウンドであるか否かの判定(ステップS72)において、最初の追加予告ラウンドである場合(ステップS72;Yes)は、追加予告開始フラグをセットする処理(ステップS73)を行い、予告条件監視処理を終了する。追加予告開始フラグは、追加予告を実行可能な状態において設定されるフラグである。また、最初の追加予告ラウンドであるか否かの判定(ステップS72)において、最初の追加予告ラウンドでない場合(ステップS72;No)は、予告条件監視処理を終了する。
また、演出制御装置40では、基準予告に関する設定を行うための図16に示す基準予告設定処理を行う。この基準予告設定処理では、まず、大当り中(特別遊技状態中)であるか否かの判定(ステップS80)を行う。この大当り中であるか否かの判定(ステップS80)において、大当り中でない場合(ステップS80;No)は、基準予告設定処理を終了する。また、大当り中であるか否かの判定(ステップS80)において、大当り中である場合(ステップS80;Yes)は、基準予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS81)を行う。
基準予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS81)において、基準予告開始フラグがない場合(ステップS81;No)は、基準予告設定処理を終了する。また、基準予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS81)において、基準予告開始フラグがある場合(ステップS81;Yes)は、予告の選択対象となる始動記憶を選択(更新)する処理(ステップS82)を行う。
予告の選択対象となる始動記憶を選択(更新)する処理(ステップS82)、予告の選択を行っていない始動記憶のうち最も古い始動記憶を選択するようになっている。この予告の選択対象となる始動記憶を選択(更新)する処理(ステップS82)を行った後、予告の選択対象となった始動記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS83)を行う。
演出制御装置40では、特図始動記憶の発生時に遊技制御装置30から送信される予告演出コマンドを各特図始動記憶に対応して記憶しており、予告の選択対象となった始動記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS83)では、記憶されている予告演出コマンドを取得する。なお、予告演出コマンドが送信されていない特図始動記憶については、予告演出コマンドがない旨の情報を取得する。その後、基準予告パターン決定用乱数を取得する処理(ステップS84)を行って、基準予告パターン決定テーブルから基準予告パターンを決定する処理(ステップS85)を行い、予告演出の態様を決定する。
その後、全ての始動記憶について予告の選択が終了したか否かの判定(ステップS86)を行い、全ての始動記憶について予告の選択が終了している場合(ステップS86;Yes)は、基準予告開始フラグをクリアする処理(ステップS87)を行い、基準予告終了フラグをセットする処理(ステップS88)を行って基準予告設定処理を終了する。また、全ての始動記憶について予告の選択が終了していない場合(ステップS86;No)は、予告の選択対象となる始動記憶を選択(更新)する処理(ステップS82)に戻る。このときの予告の選択対象となる始動記憶を選択(更新)する処理(ステップS82)では、予告の選択を行っていない始動記憶のうち最も古い始動記憶が選択され、その後の予告態様の決定に関する処理が行われる。すなわち、ステップS82からステップS86の処理により、最も古い始動記憶から順に全ての始動記憶について予告の選択が行われるようになっている。
このように最も古い始動記憶から順に予告の選択を行うことで、選択対象となっている始動記憶よりも古い始動記憶の予告が既に選択された状態となり、予告の選択に際して古い始動記憶の予告を反映した選択を行うことができる。これにより、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶(古い特図始動記憶)についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶(新しい特図始動記憶)についての予告演出の信頼度が低くなることを禁止することが可能となる。
すなわち、演出制御装置40が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶されて未だ変動表示ゲームの実行前の始動記憶を対象として、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前からその結果を示唆する予告演出を行う予告演出手段をなす。また、演出制御装置40が、変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の予告演出から一の予告演出を選択して実行する予告演出制御手段をなす。
ここで、基準予告パターン決定テーブルから基準予告パターンを決定する処理(ステップS84)では、予告演出コマンドと基準予告パターン決定用乱数から飾り特図始動記憶表示で行う予告演出の態様を決定する処理を行う。すなわち、事前判定手段(遊技制御装置30)の判定結果に基づき予告演出の態様を決定するようにしている。
基準予告パターン決定テーブルは、図17から図19に示すように予告の選択対象となっている特図始動記憶についての予告演出コマンドの種類により異なるテーブルが選択されるようになっている。これらのテーブルでは、予告の選択対象となっている特図始動記憶について選択される予告として、当該特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度が高い予告より高い信頼度の予告もしくは同じ信頼度の予告が選択されるようになっている。これにより、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶(古い特図始動記憶)についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶(新しい特図始動記憶)についての予告演出の信頼度が低くなることが禁止されることとなる。
ここで、例えば図17に示すように、最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるとは、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶の全てで予告が実行されておらず通常表示態様である場合である。なお、予告の選択対象となっている特図始動記憶が最も古い特図始動記憶(1番古い記憶)である場合は、この特図始動記憶よりも古い特図始動記憶が存在しないため、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるものとする。また、通常表示態様は予告を実行しない状態であるので、古い特図始動記憶における予告の種類にかかわらず選択可能である。
さらに、図17,18に示すように、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶に対する予告に第3特定表示態様がある場合は、常に通常表示態様を選択するようにしている。すなわち、大当りの確定報知がなされた特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶に対しては予告を行わないようにしている。また、図19に示すように、予告の選択対象となっている特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が当たりとなる場合であっても、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶に対する予告に第3特定表示態様がある場合は、常に通常表示態様を選択するようにしている。これにより特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出が複数の始動記憶に対して同時に行われることを禁止するようにしている。つまり、演出制御装置40が、特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出が、複数の始動記憶に対して同時に行われることを禁止する特定予告演出制限手段(演出制御装置40)をなす。なお、このときに予告を行わない特図始動記憶については、大当りの確定報知がなされた特図始動記憶に基づき発生する特別遊技状態において予告が行われることとなる。
予告演出コマンドがない場合もしくは予告演出コマンド1であった場合は、図17に示す割合で予告が選択される。例えば、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が第1特定表示態様である場合は、下から三行目に示す選択割合で基準予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、90%の割合で通常表示態様が選択され、7%の割合で第1特定表示態様が選択され、3%の割合で第2特定表示態様が選択される。なお、結果がはずれであるので、第3特定表示態様は選択されない。
また、例えば、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が第2特定表示態様である場合は、下から二行目に示す選択割合で基準予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、90%の割合で通常表示態様が選択され、10%の割合で第2特定表示態様が選択されるが、第1特定表示態様は第2特定表示態様よりも信頼度が低いため選択されない。
また、予告演出コマンドが予告演出コマンド2もしくは予告演出コマンド3であった場合は、図18に示す割合で予告が選択される。例えば、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が第1特定表示態様である場合は、下から三行目に示す選択割合で基準予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、50%の割合で通常表示態様が選択され、40%の割合で第1特定表示態様が選択され、10%の割合で第2特定表示態様が選択される。すなわち、図17に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出が選択されやすくされている。なお、この場合も結果がはずれであるので、第3特定表示態様は選択されない。
このように、図17に示したテーブルよりも予告の発生確率が高く、かつ、信頼度の高い上位の段階の予告演出を選択しやすくしたことで、リーチの発生(例えばSPリーチ)に対する遊技者の期待感を確実に高めることが可能となる。また、予告演出態様を多彩化でき興趣性も高めることができる。また、上位の段階にする割合を高くするようにしたことで、たとえ下位の段階の予告演出が行われてもリーチが発生することもあり意外性を出すことができるし、リーチが発生しない場合であっても上位の段階の予告演出が発生する頻度をある程度高めて遊技者の期待感を高めることも可能となる。さらに、図18に示すテーブルでは図17に示したテーブルよりも古い特図始動記憶に対して既に予告が行われている場合に予告の発生確率が高くなっている。これにより、古い特図始動記憶に対して予告が行われた場合に連続して予告が発生しやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。また、古い特図始動記憶に対する予告の信頼度が高いほど予告の発生率が高くなるようにしており、これによっても遊技の興趣を向上することができる。
また、図17、図18に示すように、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合も予告を実行可能としたことで、予告の発生機会を高めることができ、予告が行われても必ずしも特別遊技状態が発生するものではなくなるため、興趣を高めることができる。また、SPリーチの場合も所定の確率で外れ時の予告を発生させることで、予告に対する信頼度が低下してしまうことを防止できる。なお、この場合の予告は、変動表示ゲームの途中結果態様がいわゆるリーチ状態となるリーチ途中結果態様となることを予告するものである。また、変動表示ゲームの途中結果態様がいわゆるリーチ途中結果態様となり停止結果態様がはずれとなるリーチ外れ結果態様となることを予告するものともいえる。ただし、結果が大当りとなるリーチ状態が発生する場合と同じような態様の予告が実行されるので明確にはずれを予告するものではなく、信頼度の低い予告演出がなされて間接的にはずれの可能性が高いことが予告される。
また、予告演出コマンドが予告演出コマンド4であった場合は、図19に示す割合で予告が選択される。例えば、予告の選択対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が第1特定表示態様である場合は、下から三行目に示す選択割合で基準予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、30%の割合で通常表示態様が選択され、40%の割合で第1特定表示態様が選択され、27%の割合で第2特定表示態様が選択され、3%の割合で第3特定表示態様が選択される。すなわち図18に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出を選択しやすくされている。また、所定の割合で第3特定表示態様を選択可能となっている。
このように、図17、図18に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出に変更しやすくしたことで、予告演出態様により特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を確実に高めることが可能となる。また、予告演出態様を多彩化でき興趣性も高めることができる。また、下位の段階の予告演出を選択する割合も存在するので、たとえ下位の段階の予告演出が行われても特別遊技状態が発生することもあり意外性を出すことができるし、結果がはずれであっても上位の段階の予告演出が発生する頻度をある程度高めて遊技者の期待感を高めることも可能となる。
なお、この場合の予告は、特図変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様となることを予告するものであり、この場合はリーチ状態が発生するため、変動表示ゲームの途中結果態様がいわゆるリーチ状態となるリーチ途中結果態様となることを予告するものでもある。ただし、結果がはずれとなるリーチ状態が発生する場合と同じような態様の予告が実行されるので、明確に大当りを予告するものではなく、信頼度の高い予告演出がなされて間接的に大当りの可能性が高いことが予告される。
すなわち、リーチ状態(SPリーチ)や、特別結果態様の導出など、特定の態様となる場合に予告演出態様を上位の段階にする割合を高くしている。このように特定の態様となる場合に予告演出態様を上位の段階にする割合を高くすることで、せっかく予告演出が実行されたにもかかわらず、まったく特別結果態様の導出が期待できない態様となることを防止でき、予告演出に対する期待感を高めることができる。なお、特図変動表示ゲームが特別結果態様となる場合には、必ずSPリーチを発生させるようにしても良い。
以上のことから、複数の識別情報による変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数の範囲内で記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図表示器8、表示装置43)と、を備え、変動表示ゲームの停止結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するように構成された遊技機において、始動記憶手段に記憶されて未だ変動表示ゲームの実行前の始動記憶を対象として、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前からその結果を示唆する予告演出を行う予告演出手段(演出制御装置40)を備え、予告演出手段は、変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の予告演出から一の予告演出を選択して実行する予告演出制御手段(演出制御装置40)を含み、予告演出制御手段は、始動記憶手段に記憶されている複数の始動記憶に対して予告演出を行う場合に、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度が低くなることを禁止するようにしたこととなる。
また、始動記憶に対応して記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置30)を備え、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、事前判定手段の判定結果に基づいて予告演出の選択を行うようにしたこととなる。
また、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出が、複数の始動記憶に対して同時に行われることを禁止する特定予告演出制限手段(演出制御装置40)を備えていることとなる。
また、演出制御装置40では、追加予告の対象の選択を行うことができる回数である選択可能回数を決定するために、図20に示す選択可能回数決定処理を行う。この選択可能回数決定処理では、まず、最初の追加予告ラウンドの開始タイミングであるか否かの判定(ステップS90)を行う。最初の追加予告ラウンドの開始タイミングとは、追加予告の選択が初めて可能となるラウンドの開始であって、基準予告を行ったラウンドの次のラウンドの開始時である。この最初の追加予告ラウンドの開始タイミングであるか否かの判定(ステップS90)において、最初の追加予告ラウンドの開始タイミングでない場合(ステップS90;No)は、選択可能回数決定処理を終了する。また、最初の追加予告ラウンドの開始タイミングであるか否かの判定(ステップS90)において、最初の追加予告ラウンドの開始タイミングである場合(ステップS90;Yes)は、各始動記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS91)を行う。
演出制御装置40では、特図始動記憶の発生時に遊技制御装置30から送信される予告演出コマンドを各特図始動記憶に対応して記憶しており、各始動記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS91)では、記憶されている予告演出コマンドを取得する。また、演出制御装置40では、特図始動記憶の発生時に遊技制御装置30から送信される停止図柄パターンコマンドも各特図始動記憶に対応して記憶しており、予告演出コマンドの取得の際に停止図柄パターンコマンドも取得する。なお、予告演出コマンドが送信されていない特図始動記憶については、予告演出コマンドがない旨の情報を取得する。その後、選択可能回数決定用乱数を取得する処理(ステップS92)を行い、選択可能回数決定テーブルから予告パターンを決定する処理(ステップS93)を行って、選択可能回数決定処理を終了する。
選択可能回数決定テーブルから予告パターンを決定する処理(ステップS93)では、各特図始動記憶の予告演出コマンドや停止図柄パターンコマンドと、選択可能回数決定用乱数値とから選択可能回数を決定する処理を行う。選択可能回数決定テーブルには、基本設定として用いられる図21(a)に示す通常のテーブルと、最も新しい始動記憶である四個目の特図始動記憶のみが大当りとなる場合に通常のテーブルに替えて用いられる図21(b)に示すテーブルとがある。何れのテーブルにおいても選択可能回数は遊技者にとって有利な結果となるほど、すなわち、はずれより当りの方が、また、当りであればラウンド数が多い方が多い選択可能回数が選択され易くなっている。
また、最も新しい始動記憶である四個目の特図始動記憶のみが大当りとなる場合に用いられる図21(b)に示すテーブルは、通常のテーブルと比べて8R、15R当りが有る場合の選択割合が異なっており、所定の割合で無限が選択可能となっている。なお、無限とは、第3特定表示態様が出るか、所定のラウンドや制限時間が経過するまでの間に何度でも追加予告の選択を可能とすることである。最も新しい始動記憶である四個目の特図始動記憶のみが大当りとなる場合は、当該特図始動記憶に対する予告が、最も信頼度が高い第3特定表示態様に変更される可能性が高いため、選択可能回数として無限を選択可能とし、遊技の興趣を高めるようにしている。
選択された選択可能回数は、選択可能回数を選択するための演出ゲームの結果として遊技者に報知される。演出ゲームとは、例えばルーレットにより選択可能回数を抽選するような演出画像を表示部43aに表示して行う。これにより、選択可能回数の報知においても興趣を高めることができる。また、選択可能回数として無限が選択された場合は最初から無限であることを報知せず、まず上限回数である2回を報知し、2回目の予告対象の選択が行われた後に無限であることを報知するようにする。なお、最初から無限であることを報知するようにしても良いし、2回目の予告対象の選択が行われた後に無限であることを報知する場合と、最初から無限であることを報知する場合の何れかを所定の確率で選択するようにしても良い。
以上のことから、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、事前判定手段(遊技制御装置30)の判定結果に基づき決定するようにしたこととなる。
また、演出制御装置40では追加予告の選択に関する処理である図22に示す追加予告設定処理を行う。この追加予告設定処理では、まず、大当り中(特別遊技状態中)であるか否かの判定(ステップS100)を行う。この大当り中であるか否かの判定(ステップS100)において、大当り中でない場合(ステップS100;No)は、追加予告設定処理を終了する。また、大当り中であるか否かの判定(ステップS100)において、大当り中である場合(ステップS100;Yes)は、追加予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS101)を行う。
追加予告開始フラグは上述したように追加予告を実行可能な状態において設定されるフラグである。追加予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS101)において、追加予告開始フラグがない場合(ステップS101;No)は、追加予告設定処理を終了する。また、追加予告開始フラグがあるか否かの判定(ステップS101)において、追加予告開始フラグがある場合(ステップS101;Yes)は、残り選択可能回数があるか否かの判定(ステップS102)を行う。
残り選択可能回数があるか否かの判定(ステップS102)において、残り選択可能回数がない場合(ステップS102;No)は、追加予告設定処理を終了する。また、残り選択可能回数があるか否かの判定(ステップS102)において残り選択可能回数がある場合(ステップS102;Yes)は、最終ラウンドであるか否かの判定(ステップS103)を行う。
最終ラウンドであるか否かの判定(ステップS103)において、最終ラウンドである場合(ステップS103:Yes)は、残り選択可能回数を1にする処理(ステップS104)を行い、選択可能期間であるか否かの判定(ステップS105)を行う。なお、図20に示した選択可能回数決定処理において、最終ラウンドで選択可能回数を決定することとなった場合に、選択可能回数として1回のみを選択するようにしても良い。また、最終ラウンドであるか否かの判定(ステップS103)において、最終ラウンドでない場合(ステップS103:No)は、選択可能期間であるか否かの判定(ステップS105)を行う。
選択可能期間は、追加予告を選択可能な期間であって、ラウンドの開始から所定期間である。なお、ラウンドの開始から所定期間内であっても選択を行った場合や、ラウンドが終了した場合には選択可能期間は終了する。選択可能期間であるか否かの判定(ステップS105)において、選択可能期間でない場合(ステップS105;No)は、最終ラウンドで選択可能期間が終了したか否かの判定(ステップS114)を行う。そして、最終ラウンドで選択可能期間が終了したか否かの判定(ステップS114)において、最終ラウンドで選択可能期間が終了していない場合(ステップS114;No)は、追加予告設定処理を終了する。また、最終ラウンドで選択可能期間が終了したか否かの判定(ステップS114)において、最終ラウンドで選択可能期間が終了した場合(ステップS114;Yes)は、選択する意思がないものとして残り選択可能回数をクリアする処理(ステップS115)、追加予告開始フラグをクリアする処理(ステップS116)を行い、予告設定処理を終了する。
一方、選択可能期間であるか否かの判定(ステップS105)において、選択可能期間である場合(ステップS105;Yes)は、追加予告対象の選択が有るか否かの判定(ステップS106)を行う。追加予告対象の選択が有るか否かの判定(ステップS106)では、遊技者が演出ボタン41を操作して追加予告の対象を選択したかが判定される。すなわち、演出ボタン41が、予告演出の更新対象とする始動記憶を、遊技者の操作に基づき選択する選択手段をなす。この追加予告対象の選択が有るか否かの判定(ステップS106)において、追加予告対象の選択がなかった場合(ステップS106;No)は、追加予告設定処理を終了する。また、追加予告対象の選択が有るか否かの判定(ステップS106)において、追加予告対象の選択が有った場合(ステップS106;Yes)は、選択記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS107)を行う。
選択記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS107)では、遊技者により選択された特図始動記憶に対応して記憶されている予告演出コマンドを取得する。なお、予告演出コマンドがない場合は、その旨の情報を取得する。その後、残り選択可能回数を減算する処理(ステップS108)を行い、追加予告パターン決定用乱数を取得する処理(ステップS109)を行って、追加予告パターン決定テーブルから追加予告パターンを決定する処理(ステップS110)を行う。追加予告の対象として選択された始動記憶についての予告はここで決定された予告に更新されることとなる。
追加予告パターン決定テーブルから追加予告パターンを決定する処理(ステップS110)を行った後、残り選択可能回数を1減算する処理(ステップS111)を行い、残り選択可能回数が0であるか否かの判定(ステップS112)を行う。残り選択可能回数が0であるか否かの判定(ステップS112)において、残り選択可能回数が0である場合(ステップS112;Yes)は、追加予告開始フラグをクリアする処理(ステップS113)を行い、追加予告設定処理を終了する。また、残り選択可能回数が0であるか否かの判定(ステップS112)において、残り選択可能回数が0でない場合(ステップS112;No)は、追加予告設定処理を終了する。
以上のことから、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、再度の予告演出の選択を行い、予告演出を更新することが可能であることとなる。
また、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された複数の始動記憶のうち予告演出の更新対象とする始動記憶を、遊技者の操作に基づき選択する選択手段(演出ボタン41)を備えたこととなる。
ここで、追加予告パターン決定テーブルから追加予告パターンを決定する処理(ステップS110)では、予告演出コマンドと追加予告パターン決定用乱数から飾り特図始動記憶表示で行う予告演出の態様を決定する処理を行う。すなわち、事前判定手段(遊技制御装置30)の判定結果に基づき予告演出の態様を決定するようにしている。追加予告パターン決定テーブルは、選択された特図始動記憶の現在の予告態様と、当該特図始動記憶の予告演出コマンドの種類とにより異なるテーブルが選択されるようになっている。図23から25には、選択された特図始動記憶の現在の予告態様が通常予告態様である場合の追加予告パターン決定テーブルを示した。なお、追加予告パターン決定テーブルは、選択された特図始動記憶の現在の予告態様によって異なるテーブルが設定されており、第1特定表示態様、第2特定表示態様、第3特定表示態様である場合の追加予告パターン決定テーブルもそれぞれ設定されている。
これらのテーブルでは、選択された特図始動記憶の更新後の予告が、当該特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度が高い予告と比べて、高い信頼度の予告もしくは同じ信頼度の予告となるように設定されている。さらに、選択された特図始動記憶の更新後の予告が、当該特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶における最も信頼度が高い予告と比べて、低い信頼度の予告もしくは同じ信頼度の予告となるように設定されている。すなわち、追加予告の場合も先に変動表示ゲームを実行する始動記憶(古い特図始動記憶)についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶(新しい特図始動記憶)についての予告演出の信頼度が低くなることが禁止されている。
ここで、例えば図23に示すように、古い特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるとは、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶の全てで予告が実行されておらず通常表示態様である場合である。なお、選択された特図始動記憶が最も古い特図始動記憶である場合(1個目を選択した場合)は、この特図始動記憶よりも古い特図始動記憶がないため、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるものとする。
同様に、新しい特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるとは、選択された特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶の全てで予告が実行されておらず通常表示態様である場合である。なお、選択された特図始動記憶が最も新しい特図始動記憶である場合(4個目を選択した場合)は、この特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶がないため、選択された特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるものとする。
また、通常表示態様は予告を実行しない状態であるので、古い特図始動記憶における予告や新しい特図始動記憶における予告の種類にかかわらず、選択された特図始動記憶の予告として選択可能である。さらに、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶に対する予告に第3特定表示態様がある場合は、常に通常表示態様を選択するようにしている。すなわち、大当りの確定報知がなされた特図始動記憶よりも後の特図始動記憶に対しては予告を行わない。このときに予告を行わない特図始動記憶については、大当りの確定報知がなされた特図始動記憶に基づき発生する特別遊技状態において予告が行われることとなる。
また、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶及び新しい特図始動記憶の予告態様により、選択された特図始動記憶について選択する予告の割合が異なるように設定されている。この割合は、古い特図始動記憶に対する予告の信頼度が高いほど及び新しい特図始動記憶に対する予告の信頼度が高いほど予告を実行しない割合(通常表示態様を選択する割合)が高くなるように設定されている。また、予告を実行する場合でも古い特図始動記憶に対する予告の信頼度が高いほど及び新しい特図始動記憶に対する予告の信頼度が高いほど、低い信頼度の予告を実行するように設定されている。これにより、追加予告を行った後の予告の数や信頼度を均等化でき、予告を行う際に常に遊技者の期待感を高くすることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、図17から図19に示す基準予告の場合と比べて予告の発生率を同等もしくは高くしており、追加予告の発生に対する期待感を高めるようにしている。
予告演出コマンドがない場合もしくは予告演出コマンド1であった場合は、図23に示す割合で予告演出の態様が選択される。例えば、予告選択の対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告及び新しい特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が通常表示態様である場合は、最も上の行と最も左の列とが交差する領域に示す選択割合で追加予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、70%の割合で通常表示態様のままとされ、30%の割合で第1特定表示態様に変更される。なお、結果がはずれであるので、第3特定表示態様は選択されない。
また、例えば、予告選択の対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が通常表示態様であり、新しい特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が第1特定表示態様である場合は、最も上の行と左から二番目の列とが交差する領域に示す選択割合で追加予告パターン決定用乱数に基づき予告が選択される。この場合、75%の割合で通常表示態様のままとされ、25%の割合で第1特定表示態様に変更されるが、第2特定表示態様は新しい特図始動記憶よりも信頼度が高いため選択されない。
また、予告演出コマンドが予告演出コマンド2もしくは予告演出コマンド3であった場合は、図24に示す割合で予告演出の態様が選択される。例えば、予告選択の対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告及び新しい特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が通常表示態様である場合は、50%の割合で通常表示態様のままとされ、45%の割合で第1特定表示態様に変更され、5%の割合で第2特定表示態様が選択される。すなわち、図23に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出が選択されやすくされている。なお、この場合も結果がはずれであるので、第3特定表示態様は選択されない。
このように、図23に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出を選択しやすくしたことで、図18で示した場合と同様に、リーチの発生(例えばSPリーチ)に対する遊技者の期待感を確実に高めることが可能となる。また、予告演出態様を多彩化でき興趣性も高めることができる。また、下位の段階の予告演出を選択する割合も存在するので、たとえ下位の段階の予告演出が行われてもリーチが発生することもあり意外性を出すことができるし、リーチが発生しない場合であっても上位の段階の予告演出が発生する頻度をある程度高めて遊技者の期待感を高めることも可能となる。
また、図23、図24に示すように、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合も予告を実行可能としたことで、図17,18に示した場合と同様に、予告の発生機会を高めることができ、予告が行われても必ずしも特別遊技状態が発生するものではなくなるため、興趣を高めることができる。また、SPリーチの場合も所定の確率で外れ時の予告を発生させることで、予告に対する信頼度が低下してしまうことを防止できる。
また、予告演出コマンドが予告演出コマンド4であった場合は、図25に示す割合で予告演出の態様が選択される。例えば、予告選択の対象となっている特図始動記憶よりも古い特図始動記憶における最も信頼度の高い予告及び新しい特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が通常表示態様である場合は、35%の割合で通常表示態様のままとされ、45%の割合で第1特定表示態様に変更され、12%の割合で第2特定表示態様が選択され、8%の割合で第3特定表示態様が選択される。すなわち、図24に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出に変更しやすくされている。
また、このテーブルでは所定の割合で第3特定表示態様を選択可能となっているが、選択された特図始動記憶よりも古い特図始動記憶に対する予告に第3特定表示態様がある場合は、常に通常表示態様が選択される。また、選択された特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶に対する予告に第3特定表示態様がある場合は、第3特定表示態様は選択されない。さらに、上述したように、最も新しい始動記憶である四個目の特図始動記憶が選択された場合は、当該特図始動記憶よりも新しい特図始動記憶における最も信頼度が高い予告が通常表示態様であるものとされるので、大当りの確定報知となる第3特定表示態様が選択される可能性が高い。このことから、図21(b)に示したように最も新しい始動記憶である四個目の特図始動記憶のみが大当りとなる場合には、選択可能回数として無限を選択可能としている。
このように、図23、図24に示したテーブルよりも信頼度の高い上位の段階の予告演出に変更しやすくしたことで、図19に示した場合と同様に、予告演出態様により特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を確実に高めることが可能となる。また、予告演出態様を多彩化でき興趣性も高めることができる。また、上位の段階にする割合を高くするようにしたことで、たとえ下位の段階の予告演出が行われても特別遊技状態が発生することもあり意外性を出すことができるし、結果がはずれであっても上位の段階の予告演出が発生する頻度をある程度高めて遊技者の期待感を高めることも可能となる。
すなわち、リーチ状態(SPリーチ)や、特別結果態様の導出など、特定の態様となる場合に予告演出態様を上位の段階に変更する割合を高くしている。このように特定の態様となる場合に予告演出態様を上位の段階に変更する割合を高くすることで、せっかく予告演出が実行されたにもかかわらず、まったく特別結果態様の導出が期待できない態様となることを防止でき、予告演出に対する期待感を高めることができる。なお、特図変動表示ゲームが特別結果態様となる場合には、必ずSPリーチを発生させるようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、始動記憶の数が上限数に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞であるオーバーフロー入賞の個数に基づき、選択可能回数を決定するようにしている。
本変形例の遊技機では、図26に示すように、特別遊技状態における基準予告を実行したラウンド以降の所定のラウンドにおいてオーバーフロー入賞の監視期間であるチャンスタイムが設定される。そして、このチャンスタイム中にオーバーフロー入賞の個数を計数し、その個数を選択可能回数とする。チャンスタイムの終了後、表示部43aでは、図27(a)に示すようにチャンスタイム中におけるオーバーフロー入賞の個数が表示され、図27(b)に示すように選択可能回数表示56に選択可能回数が表示される。
このような制御を行うために、例えば、図8に示す特図始動口SW監視処理では、特図記憶数が上限値であった場合(ステップS54)に、その旨の情報としてオーバーフロー発生情報を演出制御装置40に送信するようにする。また、演出制御装置40では、特別遊技状態中の所定ラウンドにおいてチャンスタイムを設定し、当該チャンスタイム中に遊技制御装置30から送信されるオーバーフロー発生情報の回数を計数することでオーバーフロー入賞の個数を計数する。すなわち、演出制御装置40が、始動記憶の数が上限数に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞個数を計数する計数手段をなす。そして、計数したオーバーフロー入賞の個数を選択可能回数として設定する。
なお、図20に示した選択可能回数決定処理により決定した選択可能回数に、オーバーフロー入賞により発生した選択可能回数を加算するようにしても良いし、図20に示した選択可能回数決定処理を行わないようにしても良い。また、オーバーフロー入賞の監視期間であるチャンスタイムを、特図始動記憶が上限数に達したラウンド以降の複数のラウンドで設定するようにしても良い。
また、チャンスタイム(計数手段の計数期間)は所定のラウンドにおいて設定するものに限られず、特別遊技状態の発生中における特別変動入賞装置10が一時閉鎖する期間(ラウンド間、すなわち、前ラウンド終了により特別変動入賞装置10が閉状態に変化してから次ラウンド開始により特別変動入賞装置10が開状態に変化するまでの間)を含むように構成してもよい。ラウンド間は、特別変動入賞装置10が閉鎖することとなり、この期間において所謂止め打ちを行う遊技者が存在するが、この期間でオーバーフロー入賞を計数することにより止め打ちを防止することができ、稼働率(アウト球発生率)の低下や遊技者間での出玉差を防止できる。なお、チャンスタイムをラウンド間に設定する場合、ラウンド間と必ずしも一致させる必要はなく、ラウンド間よりも長くても良いし、短くても良く、少なくともチャンスタイムとラウンド間が重複している期間があれば良い。また、ラウンド間の他、ファンファーレ間(特別結果態様が導出されてから特別変動入賞装置10が開状態に変化するまでの間)、或いはエンディング間(最終ラウンドで特別変動入賞装置10が閉状態に変換してから変動表示ゲームが開始するまでの間)を含むように設定するようにすれば、ラウンド間等の特別変動入賞装置10が閉状態を維持している間の止め打ちを防止することができる。なお、エンディング間を含むように設定した場合、追加予告を特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲーム中で実行可能とする。さらに、チャンスタイムの開始タイミングはランダムに決定するようにしても良いし、所定のラウンドが終了した際、特図始動記憶数が上限値に達した際に開始するようにしても良い。
また、チャンスタイムの期間は、特図始動記憶に特別結果態様を導出するものがあるか否かにより変化するようにしても良く、例えば、特図始動記憶に特別結果態様を導出するものがある場合に、特図始動記憶に特別結果態様を導出するものがない場合よりも長くして、選択可能回数が多くなるようにする。
以上のように、始動記憶の数が上限数に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞個数に基づき、選択可能回数を決定するようにすることで、選択可能回数の決定に対する興趣を高めることができる。すなわち、始動記憶が上限数に達してしまうと、通常賞球数が少ない始動入賞口への遊技球の入賞には、興味を示さなくなるが、本発明のようにすれば、始動入賞口への遊技球の入賞に対する期待感を高めることができる。
以上のことから、始動記憶手段(遊技制御装置30)は、始動入賞口(第1始動入賞口13、普通電動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき始動記憶を記憶するものとし、始動記憶の数が上限数に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞個数を計数する計数手段(演出制御装置40)を備え、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、計数手段の計数結果に基づき決定するようにしたこととなる。
なお、以上に示した実施形態(変形例を含む)の遊技機では、予告演出を決定する制御を演出制御装置40で行っているが、この制御を遊技制御装置30で行うようにしても良い。また、遊技者が追加予告の選択を行う場合に、基準予告時に飾り特図始動記憶表示51が変化したもの(予告が実行されたもの)に限り選択を可能としても良い。
また、予告演出で特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出である確定予告が発生した場合には、以降の予告の更新は禁止することが望ましい。例えば、基準予告で確定予告が発生した場合には追加予告を禁止するようにしても良い。
また、始動記憶の記憶順毎に予告パターンの選択テーブル(基準予告パターン決定テーブル、追加予告パターン決定テーブル)を変更するようにしても良い。例えば、始動記憶が古いもの(左側)よりも新しいもの(右側)の方が、信頼度が高い予告を選択する確率が高くなるように選択テーブルを変更する。このようにすれば、古い始動記憶で信頼度が高い予告が選択されてしまうことで、新しい始動記憶で予告演出が出し辛くなってしまうことを防止できる。
また、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度が低くなることを禁止するとしたが、少なくとも信頼度が低くなることを禁止すれば良く、上述の実施形態のように信頼度が同じものを許容しても良いし、禁止しても良い。
また、第1始動入賞口13と普通電動入賞装置7の何れに入賞しても同じ一種類の特図変動表示ゲームのみを実行するようにしているが、第1始動入賞口13に入賞した場合には特図1変動表示ゲームを実行し、普通電動入賞装置7に入賞した場合は特図2変動表示ゲームを実行するように二種類の特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
すなわち、変動表示装置を、第1の変動表示装置(特図1表示器、表示装置43)と第2の変動表示装置(特図2表示器、表示装置43)とから構成するとともに、第2の変動表示装置の始動記憶(第2始動記憶)の消化を第1の変動表示装置の始動記憶(第1始動記憶)よりも優先的に実行する優先制御手段(遊技制御装置30)を備え、予告演出を第2始動記憶を対象に行うようにしても良い。第1始動記憶は第1始動入賞口13への入賞により発生するものとし、第2始動記憶は確率変動状態中および時短遊技状態中に開放パターンが有利になる(時短動作状態となる)普通電動入賞装置7への入賞により発生させるものとする。
しかしながら、上記のように構成した場合には、最初の大当り時等では当該大当り中に第2始動記憶が無い(或いは少ない)場合が多く、予告演出の効果が出せなくなるので、大当り終了後所定回数(例えば、1回)特図変動表示ゲームが行われるまでは、特図変動表示ゲームの時間を長くするようにして、その間に予告演出を行うようにしても良い。また、上記優先制御手段を備えないようにして、予告演出は第1始動記憶および第2始動記憶の双方に対して行うようにしても良い。このようにすれば、予告の対象となる始動記憶が多くなり、遊技者の期待感を極めて高めることができる。なお、この場合には、第2始動記憶の数に関わりなく第1始動記憶が上限数に達した場合に、予告演出を行うようにしても良い。
また、図14に示すような予告対象の自動選択は、図22に示す追加予告設定処理において、追加予告の対象の選択が有った場合(ステップS106;Yes)に、自動選択であるか否かの判定を行うようにする。そして、自動選択でない場合は、選択記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS107)以降の処理を行う。また、自動選択である場合には、予告対象を選択する処理を行った後、選択記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS107)以降の処理を行うようにする。
また、予告を行っている特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了する前に新たに特別遊技状態が発生した場合に、当該特別遊技状態において前回の特別遊技状態での予告に関する情報を引き続き表示するようにしても良い。この場合、予告演出の実行中に新たに発生した特別遊技状態では、予告演出が継続されるとともに、選択済回数表示57も前回の特別遊技状態での回数が継続されるようにする。そして、特図始動記憶の選択を行った場合は、選択済回数表示57が前回の特別遊技状態の回数に加算されるようにする。
このような予告演出の継続は、特別遊技状態の終了後も予告対象の選択に関する情報(選択済回数など)を各特図始動記憶に対応して記憶しておくことで可能となる。この予告演出の段階を継続とは、既に発生した予告演出と同一段階の予告演出を行うことである。
このように前回の特別遊技状態での情報を継続して表示すれば、予告演出が行われた特図始動記憶が消化される前に特別遊技状態が発生しても違和感なく次の予告演出を実行することができる。例えば、予告演出中に特別遊技状態が発生して、予告演出の設定を新たに決定するようにすると、前回の予告演出の段階よりも低い段階に予告演出態様が変化してしまう可能性があり、遊技者の期待感を削いでしまう虞があるが、そのようなことを防止できる。
また、予告演出を継続する場合に、予告演出の段階を既に発生した予告演出と同一段階の予告演出ではなく、所定の割合で予告演出の段階を上位の段階に変更して継続させるようにしてもよい。この場合、特別遊技状態を発生する特図始動記憶の方がそれ以外の特図始動記憶よりも上位の段階に変更する割合を高くすることが望ましい。このようにすれば、予告演出の途中で特別遊技状態が発生した場合の期待感を極めて高めることができる。
すなわち、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、予告演出を行っている始動記憶の変動表示ゲームが実行される前に特別遊技状態が発生した場合には、発生した特別遊技状態中において当該予告演出の段階を継続するようにしてもよい。
また、特別遊技状態において特図始動記憶が上限数より少ない場合でも予告を開始するようにしても良い。そして、新たな特図始動記憶が発生した場合には、当該新たな特図始動記憶も選択可能とする。
この場合に、未だ記憶されていない特図始動記憶に対して、当該特図始動記憶が発生した場合に追加予告の対象とすることを予約する予約選択を可能としても良い。例えば、特図始動記憶が上限数に達していない場合には、未だ記憶されていない特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示として予約表示態様(例えば点線の丸の表示)を表示する。そして、予約表示態様で表示された飾り特図始動記憶表示を選択した場合には選択済回数表示57を表示する。また、重複して予約選択することを可能としても良い。
その後、追加予告を予約された飾り特図始動記憶表示に対応する特図始動記憶が発生した際に当該特図始動記憶についての追加予告を行うようにする。このとき選択回数に応じた追加予告が行われるようにするが、この表示の際に選択回数に対応する追加予告を当初から表示するようにしても良いし、選択回数の増加に伴う追加予告の変化の過程を順次表示するようにしても良い。なお、予約表示態様は常時表示していても良いし、予告対象の選択可能期間のみ表示するようにしても良い。このような予告選択を可能とすることで、始動記憶が上限数に満たない状況でも何ら問題なく選択を行うことができる。また、どの時点でも選択機能を実行できるので実行に対して制約がなくなる。
このような追加予告対象の予約選択は、図22に示す追加予告設定処理において、追加予告対象の選択が有った場合(ステップS106;Yes)に、予約選択であるか否かの判定を行うようにする。そして、予約選択でない場合は、選択記憶に対応する予告演出コマンドを取得する処理(ステップS107)以降の処理を行う。また、予約選択である場合には、その旨を示すフラグをセットする処理を行い、残り選択可能回数を減算する処理を行って予告設定処理を終了する。その後、該当する特図始動記憶が発生した場合に、予約選択されている旨のフラグがセットされている場合は、当該特図始動記憶について追加予告パターン決定用乱数を取得する処理(ステップS109)以降の処理を行うようにする。このとき、新たに発生した特図始動記憶に対する基準予告は通常表示態様であったものとする。すなわち、演出制御装置40が、未だ記憶されていない始動記憶に対して、始動記憶が発生した場合に予告演出及び予告演出の更新の対象とすることを予約可能な選択予約手段をなす。
なお、選択予約手段により追加予告の予約を行ったが特別遊技状態中に該当する特図始動記憶が発生しなかった場合には、予約選択を解除するようにしても良い。この場合、解除により解消した追加予告対象の選択権利を他の特図始動記憶(例えば、記憶されている特図始動記憶のうち最後の特図始動記憶)に対して自動的に選択するようにしてもよい。このようにすれば、選択の権利が無駄にならず遊技者の不満感を防止できる。また、追加予告において新しい特図始動記憶が無く、予約表示態様となっている場合は、新しい特図始動記憶における最も信頼度の高い予告が通常表示態様であるものとして予告の更新を行う。
また、最終ラウンドで選択可能期間が終了した場合(ステップS113;Yes)に、残りの選択可能回数の分だけ予め定められた順序で特図始動記憶を選択し、予告演出を行うようにしても良い。また、追加予告対象の特図始動記憶の選択の方法はここに示したものに限られず、遊技者が所望の特図始動記憶を選択できる方法であればなんでも良い。例えば、演出ボタンとして、カーソル54を移動するためのボタンを別途備えても良い。また、遊技機に赤外線センサを設け遊技者が手等をかざすことで発生する該センサからの入力により選択するものや、遊技者の音声による入力等、遊技者による操作に基づき選択できるものであれば良い。
また、一回の選択可能期間で一回の選択操作を可能としたが、一回の選択可能期間において複数回の選択操作を可能としても良い。また、選択可能期間をラウンドの開始から所定期間としたが、特別遊技状態中の追加予告を開始するラウンドの開始から特別遊技状態の終了までを連続的に選択可能期間とするとともに、複数回の選択操作を可能としても良い。
また、選択可能期間をラウンド中としたが、ラウンドとラウンドの間の期間であるラウンド間で複数回行うようにしてもよい。この場合は、選択可能回数の設定を上述の実施形態よりも多くすることが望ましい。実施形態では、選択可能回数の最小値が1回であるが、特図始動記憶の数全てを1回ずつ予告演出可能にすれば遊技者の期待感が向上するので、選択可能回数の最小値を始動記憶分(4回)にすると期待感がさらに高まる。
また選択可能期間を特別遊技状態中としたが、特別遊技状態中以外の所定の期間(リーチの発生中、始動記憶が所定数以上となった場合など)においても予告演出の発生及び追加予告の選択を可能としても良い。しかしながら、特別遊技状態中以外の場合は、頻繁に特図始動記憶が更新(減算)されるので、追加予告の対象とする特図始動記憶を選択し辛いといった課題が生じる。そこで、リーチやSPリーチが発生している間等の特図始動記憶の更新が所定期間行われない間に基準予告及び追加予告を行うようにしてもよい。このようにすれば通常状態から遊技者の期待感を高めることができるし、リーチ或いはSPリーチが発生した場合には、当該特図変動表示ゲームへの期待感の他に特図始動記憶に対しても期待することとなり、リーチに対する期待感が倍増することとなる。さらに、特図変動表示ゲーム以外の所定の期間に発生した予告演出の段階を特別遊技状態中に継続するようにしても良い。
また、追加予告の選択は、選択可能期間毎に行うものでもよいし、一旦選択されたら変更されない限りは同じ特図始動記憶の選択を継続するものでもよい。また、2R当りに基づく特別遊技状態中では追加予告の選択に関する処理を行わないようにしても良い。また、特図始動記憶が2R当りを発生するものである場合には、予告演出の態様を図17や図23に示す外れの場合と同じテーブルで決定することが望ましい。これにより、2R当りであるにもかかわらず遊技者の期待感を極めて高めてしまうことを防止できる。
また、予告演出を特別遊技状態中に行うとしたが、この場合に、複数の始動記憶に対する予告演出を、特別遊技状態の発生中における複数のラウンドに分けて行うようにすればより興趣が向上する。例えば、予告演出(基準予告、或いは追加予告)を所定のラウンドで一度に行うことも考えられるが、このようにすると期待感が一瞬で消えてしまうが、複数のラウンドに分けて行う(例えば、基準予告を複数のラウンドに分けて行う)ことにより期待感が分散でき、特別遊技状態の全般に亘って期待感を維持することができる。また、複数のラウンドに分けて行えば、その間に始動記憶が上限数に達しやすくなり、始動記憶がないことで予告演出が行えないといったことも防止できる。
また、予告は少なくとも先読み手段による先読み結果に基づき特定の態様となる可能性があることを該当する特図変動表示ゲームの実行以前に予告報知すれば良く、ランプやLEDの発光態様を通常のものとは異なるものに変更させたり、音声により報知したり、振動により報知したり、或いは、表示装置43に文字情報を表示したり、キャラクタや背景画像により報知したりしても良い。さらに、対象となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘って、特定の図柄停止態様(例えば「1,2,3」)の表示を連続して行うものなどの停止図柄による演出も可能である。また、発光態様や音声、画像表示により複数の特図変動表示ゲームに跨って連続的に予告(連続予告)を行う場合、単に上記発光態様や音声、画像表示を連続的に行うものの他、キャラクタ等を登場させて特図変動表示ゲーム毎にストーリーが発展するようにすると興趣がより高まる。なお、「連続的に」とは、同一あるいは相互に関連性のある予告演出を複数の特図変動表示ゲームで連続させるもの、特図変動表示ゲームの進行によりストーリーが発展するものなどである。また、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム及びそれ以前に実行される特図変動表示ゲームのうち任意の特図変動表示ゲームで予告報知を行うものでも良い。
また、特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態の判定値で判定するようにしても良い。事前判定の処理である大当り乱数は大当りであるか否かの判定(ステップS59)では、大当り判定値として、現在の特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率状態にかかわらず、常に通常確率状態での値である第1判定値を用いるようにしている。これは、先読み処理を行った時には高確率状態であって大当りと判定したが、実際に特図変動表示ゲームを実行する時には通常確率状態となっていてはずれと判定されてしまうことを防止するためである。
ここで、特別遊技状態の終了後、4回の特図変動表示ゲームを実行するまでは確率状態が高確率状態とされることが予め設定されている。そこで、事前判定の処理において、特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に特図変動表示ゲームを実行する4つの特図始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態の判定値で判定することが可能である。
この場合、図8に示す特図始動口SW監視処理で、大当りであるか否かの判定(ステップS59)において大当りである場合(ステップS59;Yes)に、予告演出コマンド4を取得する処理(ステップS60)を行うとともに、事前判定用の判定値を高確率時の判定値に変更する処理を行うようにする。なお、事前判定用の判定値を高確率時の判定値とするのは、大当りとなる特図始動記憶の後に特図変動表示ゲームを実行する4つの特図始動記憶とし、これより後の特図始動記憶については、事前判定で用いる判定値を通常確率状態の判定値とする。
すなわち、始動記憶の事前判定の処理において用いる判定値は、当該始動記憶が発生した際の確率状態とは関係なく、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される際の確率状態で用いられる判定値が選択される。つまり、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが高確率状態で実行される場合は、当該始動記憶が発生した際の確率状態とは関係なく、当該始動記憶の事前判定の処理においては高確率状態で用いられる判定値を用いる。また逆に、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが通常確率状態で実行される場合は、当該始動記憶が発生した際の確率状態とは関係なく、当該始動記憶の事前判定の処理においては通常確率状態で用いられる判定値を用いる。
このように特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態での特定値で判定することで、高確率状態で処理される特別遊技状態中の始動記憶に対して、期待感の高い予告演出が可能となる。また、特別遊技状態の発生中に予告演出を行うので、通常あまり変化のない淡々とした特別遊技状態中の遊技内容が興趣の富んだ期待感の高いものとなる。特に、本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後に高確率状態とされるのは、4回の特図変動表示ゲームであり、特図始動記憶の上限数は4つとなっていて、高確率状態となるゲーム数と特図始動記憶の上限数が同じ数とされている。すなわち、特別遊技状態中に存在している特図始動記憶は、その後の高確率状態中に処理されるものであるとともに先読み処理も高確率状態の判定値で行われるため、特別遊技状態の発生中に実行される予告演出は特に興趣の高い演出となり、遊技者の興趣を極めて高めることができる。
すなわち、始動記憶手段(遊技制御装置30)は、始動記憶に対応して特別遊技状態を発生させるか否かを決定するための大当り乱数値を記憶し、大当り乱数値が特定値である始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて停止結果態様が特別結果態様とされて特別遊技状態を発生するように構成され、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態の発生を通常確率状態よりも確率を高めた高確率状態で制御する確率変動制御手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に対応して記憶された大当り乱数値が特定値か否かを当該始動記憶による変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置30)と、を備え、事前判定手段(大当り事前判定手段)は、特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態での特定値で判定し、予告演出手段(演出制御装置40)は、特別遊技状態の発生中に予告演出を行うようにしたこととなる。
また、大当りの確定予告である第3特定表示態様に替えて、全ての特別遊技状態を予告対象とする第4特定表示態様と、所定の大当り(15R当りのみもしくは15R当りと8R当り)を予告対象として第4特定表示態様とは予告報知態様の異なる第5特定表示態様を設定しても良い。
また、予告対象の始動記憶よりも前に特別遊技状態が発生した場合に、特別遊技状態を伴う始動記憶以外の始動記憶に対する予告のみを終了する予告終了手段(演出制御装置40)を備えてもよい。このようにすれば、特別遊技状態が発生した場合に予告が残っていたら次の特別遊技状態が発生することとなり、遊技者の期待感を極めて高めることができる。
また、予告演出手段(演出制御装置40)は、全ての特別遊技状態を予告対象とした第1予告演出手段と、所定の当り(15R当りのみもしくは15Rと8R当り)を予告対象として第1予告演出手段とは予告報知態様の異なる第2予告演出手段と、を備えても良い。そして、例えば特定遊技状態中(確率変動状態および/または時短遊技状態)以外では第1予告演出手段による予告報知を実行し、特定遊技状態中では第2予告演出手段による予告報知を実行するようにする。このようにすれば遊技者に対して予告報知の対象を明確にすることができる。特に、確率変動状態や時短遊技状態では特図変動表示ゲームの変動時間が通常確率状態よりも短縮されることから予告報知態様を異ならせた方が違和感なく報知を行える。
さらに、特定遊技状態中でも第1予告演出手段を有効とし、第2予告演出手段による予告報知よりも低い発生割合で第1予告演出手段による予告報知を発生させるようにしても良い。さらに、この場合、予告対象の始動記憶よりも前に複数の始動記憶が存在する場合に、最初のいくつかの始動記憶の特図変動表示ゲームで第1予告演出手段による予告報知を実行し、その後残りの始動記憶で第2予告演出手段による予告報知を実行することで予告報知を発展させる発展予告制御手段を備えるようにしてもよい。このようにすればより興趣が向上するし、特定遊技状態の発生に対する期待感を高めることができる。なお、予告報知が発展した場合には必ず大当りとなるように制御しても良い。
また、特定遊技状態中における特図変動表示ゲームの実行回数が特定回数に達する前には第2予告演出手段を有効とし、特定遊技状態中における特図変動表示ゲームの実行回数が特定回数に達した後には第1予告演出手段を有効としてもよい。このようにすれば、遊技者に対して予告報知の対象を明確にでき遊技者心理に対応した効果的な予告報知が行える。また、特定遊技状態中における特図変動表示ゲームの実行回数が特定回数に達する前でも第1予告演出手段を有効とし、第2予告演出手段による予告報知よりも低い発生割合で第1予告演出手段による予告報知を発生させるようにしても良い。また、上述の実施形態の遊技機において、特定遊技状態の発生中以外でも第2予告演出手段による予告報知を有効(作動可能)とするようにしてもよい。
すなわち、予告演出手段(演出制御装置40)は、全ての特別遊技状態を予告対象とした第1予告演出手段(演出制御装置40)と、所定の特別遊技状態を予告対象として第1予告演出手段とは予告報知態様の異なる第2予告演出手段(演出制御装置40)と、を備え、予告対象の始動記憶よりも前に複数の始動記憶(古い始動記憶)が存在する場合に、先に消化される所定数の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて第1予告演出手段による予告報知を実行し、その後残りの始動記憶に基づく変動表示ゲームで第2予告演出手段による予告報知を実行する発展予告制御手段(演出制御装置40)を備えるようにしても良い。
また、全ての大当り終了後に確率変動状態を発生するように構成しているが、確変図柄での大当りの発生を確率変動状態の発生の条件とし、予告の制御を確率変動状態が発生するか否かで変化させるようにしても良い。例えば、確率変動状態の発生を伴う大当りが発生する場合は、確率変動状態の発生伴う大当りが発生しない場合よりも信頼度の高い上位の段階の予告演出に変更しやすくするようにしても良い。
以上のような遊技機100は、複数の識別情報による変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数の範囲内で記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図表示器8、表示装置43)と、を備え、変動表示ゲームの停止結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するように構成された遊技機であって、始動記憶手段に記憶されて未だ変動表示ゲームの実行前の始動記憶を対象として、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前からその結果を示唆する予告演出を行う予告演出手段(演出制御装置40)を備え、予告演出手段は、変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となる信頼度が異なる複数の予告演出から一の予告演出を選択して実行する予告演出制御手段(演出制御装置40)を含み、予告演出制御手段は、始動記憶手段に記憶されている複数の始動記憶に対して予告演出を行う場合に、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度が低くなることを禁止するようにしている。
したがって、変動表示ゲームの結果の示唆を、特別結果態様に対する信頼度が異なる複数の予告演出から一の予告演出を選択して実行するので、演出内容が多彩化して興趣性を高めることができる。また、特別結果態様の導出に対する遊技者の期待感を変化させることができ、ゲーム内容の単調化を防止することができる。また、信頼度を比較的低くした予告演出を設けることにより、予告演出自体の出現率を高めて、遊技者を飽きさせないこともできるし、また、ハズレの場合に選択される確率を極めて低くした信頼度が高い予告演出を設けることもでき、この場合には、遊技者の期待感を極めて高めることができる。さらに、始動記憶手段に記憶されている複数の始動記憶に対して予告演出を行う場合に、先に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶についての予告演出の信頼度が低くなることを禁止するようにしたので、先の変動表示ゲームが仮にハズレとなった場合でも後の始動記憶でそれよりも期待感の高いものが残ることとなり、遊技者の期待感を長い期間持続することができる。
また、始動記憶に対応して記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置30)を備え、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、事前判定手段の判定結果に基づいて予告演出の選択を行うようにしている。
したがって、始動記憶に対応して記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段を備え、予告演出制御手段は、事前判定手段の判定結果に基づいて予告演出の選択を行うので、予告演出と変動表示ゲームの結果との対応づけを確実に行うことができ、各予告演出の信頼度に合わせた予告が可能となって予告演出の信頼性を確実に高めることができる。
また、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、再度の予告演出の選択を行い、予告演出を更新することが可能である。
したがって、予告演出制御手段は、既に予告演出が行われている始動記憶に対して、再度の予告演出の選択を行い、予告演出を更新することが可能であるので、予告演出を変化に富んだものにすることができ興趣を高めることができる。また、既に行われている予告演出が信頼度の低いものであっても、再度の選択により信頼度の高いものに変化する可能性を持たせることができるので、遊技者の期待感を長い期間持続させることができる。なお、再度の選択を行う場合には、既に行われている予告演出の選択時よりも、信頼度が正確になるような選択を行うことが望ましい。例えば、再度の選択を行う場合に、再度の選択対象となっている始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果態様やスペシャルリーチとなる場合にのみ予告演出を信頼度の高いものに変更する。また、再度の選択を行う場合に、再度の選択対象となっている始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果がはずれの場合は予告演出を信頼度の低いものに変更するようにしても良い。このようにすれば、再度の選択による予告演出の実行時の期待感を高めることができる。
また、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された複数の始動記憶のうち予告演出の更新対象とする始動記憶を、遊技者の操作に基づき選択する選択手段(演出ボタン41)を備えている。
したがって、始動記憶手段に記憶された複数の始動記憶のうち予告演出の更新対象とする始動記憶を遊技者の操作に基づき選択する選択手段を備えたので、遊技者の好みに応じた予告演出を実行することできる。また、同一遊技者でもその時の好みに応じて選択する始動記憶を変えることも可能であるので、全ての遊技者が満足するような演出が可能となる。
また、始動記憶手段(遊技制御装置30)は、始動記憶に対応して、変動表示ゲームの停止結果を特別結果態様とするか否かを決定するための大当り乱数値と、変動表示ゲームの変動パターンを決定するための変動パターン乱数値と、を記憶し、事前判定手段(遊技制御装置30)は、始動記憶に対応して記憶された大当り乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する大当り事前判定手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に対応して記憶された変動パターン乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する変動パターン事前判定手段(遊技制御装置30)と、を備えている。
したがって、事前判定手段は、始動記憶に対応して記憶された大当り乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する大当り事前判定手段を備えるので、変動表示ゲームの結果が特別結果態様となるか否かに対応づけた予告演出を行うことができる。また、始動記憶に対応して記憶された変動パターン乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する変動パターン事前判定手段を備えたので、変動表示ゲームの結果が特別結果態様とならない場合にも、リーチやスペシャルリーチ(SPリーチ)の発生に対する期待感を高めるような予告演出を行うことができる。
また、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態の発生確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態で制御する確率変動制御手段(遊技制御装置30)を備え、大当り事前判定手段(遊技制御装置30)は、特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態での判定値で判定し、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、予告演出を特別遊技状態の発生中に行うようにしている。
したがって、大当り事前判定手段は、特別遊技状態を発生する始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶に対応する大当り乱数値を高確率状態での判定値で判定するので、高確率状態で処理される特別遊技状態中の始動記憶に対して、期待感の高い予告演出が可能となる。また、予告演出制御手段は、予告演出を特別遊技状態の発生中に行うので、通常あまり変化のない淡々とした特別遊技状態中の遊技内容が興趣の富んだ期待感の高いものとなる。また、特別遊技状態中は始動記憶の消化がないので長い期間予告演出を行うことができる。
また、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、事前判定手段(遊技制御装置30)の判定結果に基づき決定するようにしている。
したがって、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、事前判定手段の判定結果に基づき決定するので、選択可能回数でも遊技者の期待感を変化させることができる。また、選択可能回数を多く設定すれば、その分予告演出の種類を多くして予告演出を多彩なものとすることができ、興趣性の高い演出が可能となる。また、特別遊技状態が発生する場合は、選択可能回数を多くするようにすれば、下位の段階(信頼度の低いもの)から予告演出を開始できるので、予告演出の態様をより変化に富んだものとすることができる。
また、予告演出制御手段(演出制御装置40)は、特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出が、複数の始動記憶に対して同時に行われることを禁止する特定予告演出制限手段(演出制御装置40)を備えたことを特徴とする。
したがって、予告演出制御手段は、特別遊技状態の発生を遊技者に認識可能にする予告演出が、複数の始動記憶に対して同時に行われることを禁止する特定予告演出制限手段を備えたので、複数回の特別遊技状態の発生を事前に報知することを防止でき、射倖性を適度に調整することができる。
また、始動記憶手段(遊技制御装置30)は、始動入賞口(第1始動入賞口13、普通電動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき始動記憶を記憶するものとし、始動記憶の数が上限数に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞個数を計数する計数手段(演出制御装置40)を備え、遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、計数手段の計数結果に基づき決定するようにしている。
したがって、始動記憶の数が所定数(上限数)に達している状態での始動入賞口への遊技球の入賞個数を計数する計数手段を備え、前記遊技者による予告演出の更新対象とする始動記憶の選択可能回数を、計数手段の計数結果に基づき決定するので、選択可能回数の決定に対する興趣を高めることができる。すなわち、始動記憶が上限数に達してしまうと、通常は賞球数が少ない始動入賞口への遊技球の入賞には、遊技者は興味を示さなくなるが、本発明のようにすれば始動記憶が上限数に達していても始動入賞口への遊技球の入賞に対する期待感を高めることができる。
特に、特別遊技状態を特別変動入賞装置が開放してから閉鎖するまでを1ラウンドとして複数ラウンド実行するように構成し、計数手段の計数期間(オーバーフロー球の監視期間)をラウンド間(前ラウンド終了により特別変動入賞装置が閉状態に変化してから次ラウンド開始により特別変動入賞装置が開状態に変化するまでの間)を含むように設定すれば、ラウンド間の特別変動入賞装置が閉状態を維持している間の止め打ちを防止することができる。また、ラウンド間の他、ファンファーレ間(特別結果態様が導出されてから特別変動入賞装置が開状態に変化するまでの間)、或いはエンディング間(最終ラウンドで特別変動入賞装置が閉状態に変換してから変動表示ゲームが開始するまでの間)を含むように設定するようにすれば、ラウンド間等の特別変動入賞装置が閉状態を維持している間の止め打ちを防止することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。