以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取り付け位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。以下、第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶表示部18dとを総称して保留記憶表示部ということがある。また、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を第1保留表示ともいい、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を第2保留表示ともいうことがある。また、第1保留表示と第2保留表示とを総称して保留表示ということがある。なお、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dに代えて、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成する場合、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成することが望ましい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dとは別にアクティブ保留表示部18eが設けられている。この実施の形態では、アクティブ保留表示部18eにおいて、実行中の変動表示に対応するアクティブ保留表示が表示される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して4個の判定値が割り当てられている(40分の4の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS142〜S145参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8は、あらかじめ用意された変動パターンを示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図8に示す例では、各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様などの各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が「はずれ」であり、リーチ演出を伴わない場合に対応した変動パターンとして、「短縮非リーチはずれ」及び「非リーチはずれ」が用意されている。「短縮非リーチはずれ」は、「非リーチはずれ」に対応して設けられた、時短状態であるときに用いられる変動パターンである。
また、図8に示すように、特別図柄の可変表示結果が「はずれ」であり、リーチ演出を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルリーチ演出が行われた後にはずれ図柄が導出表示される「ノーマルリーチはずれ」と、ロングリーチ演出が行われた後にはずれ図柄が導出表示される「ロングリーチはずれ」と、スーパーリーチ演出が行われた後にはずれ図柄が導出表示される「スーパーリーチはずれ」とが用意されている。
また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り(突然確変大当りを除く)になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルリーチ演出が行われた後に大当り図柄が導出表示される「ノーマルリーチ当り」と、ロングリーチ演出が行われた後に大当り図柄が導出表示される「ロングリーチ当り」と、スーパーリーチ演出が行われた後に大当り図柄が導出表示される「スーパーリーチ当り」とが用意されている。
なお、ロングリーチ演出は、ノーマルリーチ演出が行われた後に発展して実行されるものであってもよいし、ノーマルリーチ演出を経ずに実行されるものであってもよい。また、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出からロングリーチ演出に発展し、さらに発展して実行されるものであってもよいし、ノーマルリーチ演出を経ずにロングリーチ演出から発展して実行されるものであってもよいし、ノーマルリーチ演出及びロングリーチ演出を経ずに実行されるものであってもよい。
また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、「特殊当り」が用意されている。なお、図8に示す変動パターンに限らず、例えば、演出図柄が仮停止した後に再変動する擬似連演出を伴う変動パターンなどを含むようにしてもよい。
図9は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて参照され、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために用いられる。具体的には、特別図柄の可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるときには、図9(A)に示す大当り(突然確変大当りを除く)用変動パターン判定テーブルが参照される。また、特別図柄の可変表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であるときには、図9(B)に示す変動パターン判定テーブルの突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルが参照される。また、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であって、特別図柄の可変表示結果が「はずれ」であるときには、図9(C)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルが参照される。また、遊技状態が時短状態または確変状態(すなわち高ベース状態)であって、特別図柄の可変表示結果が「はずれ」であるときには、図9(D)に示す時短時はずれ用変動パターン判定テーブルが参照される。
変動パターンを決定する際には、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)を抽出し、参照した変動パターン判定テーブルにおいて、抽出したランダム3の(1〜997)値に一致する判定値が割り当てられている変動パターンに決定する。なお、変動パターン判定テーブルには、各変動パターンに対応する判定値が割り当てられているが、図9に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。例えば、図9(A)の大当り(突然確変大当りを除く)用変動パターン判定テーブルにおいては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「スーパーリーチ大当り」に割り当てられている。つまり、図9に示す例では、変動パターン判定テーブルにおいて変動パターンごとに示される値は、その変動パターンに決定される割合を示している。
この実施の形態では、図9に示すように、例えば、通常状態(低ベース状態)において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9(C)のはずれ用変動パターン判定テーブルが参照される場合)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「スーパーリーチはずれ」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。また、例えば、時短状態または確変状態(すなわち高ベース状態)において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9(D)の時短時はずれ用変動パターン判定テーブルが参照される場合)においては、通常状態(低ベース状態)時とは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように判定値を設定することによって、時短状態のときには、変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなるように構成されている。
また、図9に示す例では、ノーマルリーチ演出を伴う変動パターン(「ノーマルリーチはずれ」または「ノーマルリーチ当り」)は、スーパーリーチ演出を伴う変動パターン(「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ当り」)よりも、可変表示結果が「はずれ」のときに選択されやすい。逆に、スーパーリーチ演出を伴う変動パターン(「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ当り」)は、ノーマルリーチ演出を伴う変動パターン(「ノーマルリーチはずれ」または「ノーマルリーチ当り」)よりも、可変表示結果が「大当り(突然確変大当りを除く)」のときに選択されやすい。したがって、この実施の形態では、スーパーリーチ演出を伴う変動パターンの方が、ノーマルリーチ演出を伴う変動パターンに比べて、可変表示結果が大当りとなる期待度が高くなる。以下、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い変動パターンを、期待度が高い変動パターンとも表現する。
また、図9に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図9(B)の突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルが参照される場合)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
なお、この実施の形態では、図8に示すように、リーチ演出の種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、スーパーリーチ演出を伴う場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じスーパーリーチ演出の場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じスーパーリーチ演出を伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じスーパーリーチ演出の場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の変動パターン判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて変動パターン判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合と時短状態または確変状態(すなわち高ベース状態)である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図9に示す変動パターン判定テーブルは、時短状態または確変状態(すなわち高ベース状態)である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の変動パターン判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて変動パターン判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出)を伴う変動パターンが選択される割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図15参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図11は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「09(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「10(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「18(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。また、コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS211Bに移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。具体的には、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS216A)。セットされている場合には、ステップS219Aに移行する。時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS217A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には(すなわち、大当り遊技状態であれば)、CPU56は、ステップS219Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である場合には、検出した始動入賞にもとづく変動(可変表示)がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS218A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS219A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS218B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS219B)。
なお、第1始動入賞の場合と同様に、大当り遊技中には、ステップS218Bの処理を実行しないようにしてもよい。また、ステップS218Aの処理は、低ベース状態でのみ実行されるが、ステップS218Bの処理を、高ベース状態でのみ実行するようにしてもよい。
図15は、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215AまたはステップS215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS215AまたはステップS215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS215AまたはステップS215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218A参照)を実行する場合)には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218B参照)を実行する場合)には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS225)。具体的には、CPU56は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図9(D)に示す時短時はずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図9(C)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、図9(B)に示す突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルを選択する。(ステップS226)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215AまたはステップS215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218A参照)を実行する場合)には、図7(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218B参照)を実行する場合)には、図7(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、ステップS227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS228)。具体的には、CPU56は、大当り種別が「通常大当り」または「確変大当り」であると判定した場合には、大当り(突然確変大当りを除く)用変動パターン判定テーブルを選択する。また、「突然確変大当り」であると判定した場合には、突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、ステップS225、ステップS226またはステップS228で設定した変動パターン判定テーブルと、ステップS215AまたはステップS215Bで抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(ステップS229)。
そして、CPU56は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。具体的には、CPU56は、ステップS229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図11に示すような「01(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218A参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」(図13に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS218B参照)を実行する場合には「13(H)」)を設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示すコマンドを、入賞時判定結果指定コマンドとして、または入賞時判定結果指定コマンドとは別に送信するようにしてもよい。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。
また、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が突然確変大当りである場合には(ステップS92のY)、突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS93)、大当り種別が突然確変大当りでない場合(すなわち通常大当りまたは確変大当りである場合)には(ステップS92のN)、大当り(突然確変大当りを除く)用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、突然確変大当り/小当り用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS97のY)、CPU56は、時短時はずれ用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS97のN)、CPU56は、はずれ用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
ステップS100では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS103)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS104)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS105)。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマ(後述する大入賞口制御タイマに相当する)に大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図24は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。
図25,図26は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1入賞時判定結果指定コマンド(EXTが「01」〜「09」の入賞時判定結果指定コマンド)であれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した第1入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている第1入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図27は、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図27に示すように、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、それぞれ、保留記憶数の最大値(この例では4)に対応したコマンド格納領域(格納領域1〜4)が確保されている。また、図27に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、コマンド格納領域ごとに、入賞時判定結果に対応する保留表示の保留態様および制限フラグを示すデータを格納する領域が確保されている。この実施の形態では、通常態様とは異なる表示態様で保留表示を表示する保留演出が実行される。保留態様は、保留演出が実行されたときの保留表示の表示態様である。また、制限フラグは、入賞時判定結果ごとに設けられ、入賞時判定結果に対応する保留表示について、保留演出を実行することが制限されていることを示す。すなわち、入賞時判定結果に対応する保留表示について、保留演出が実行されたときの表示態様が保留態様として決定されていても、制限フラグがセットされているときには、保留態様で表示することが制限される。
なお、図27(a),(b)の第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファは、異なるタイミングの状態を示す例である。後述するように、この実施の形態では、低ベース状態であるときには、第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示に対して保留演出が実行され、高ベース状態であるときには、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示に対して保留演出が実行される。
受信した演出制御コマンドが第2入賞時判定結果指定コマンド(EXTが「10」〜「18」の入賞時判定結果指定コマンド)であれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した第2入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている第2入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域(番号が大きい格納領域)に格納する(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数を1増やす(ステップS663)。なお、第1保留記憶数は、RAMに記憶される。受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS664)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数を1増やす(ステップS666)。なお、第2保留記憶数は、RAMに記憶される。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS667)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dにおける保留表示の形状を通常形状(例えば、四角形)に変化させる(ステップS668)。また、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100において遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットする(ステップS669)。なお、高ベースフラグがセットされていないときには、ステップS669の処理を省略するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dにおける保留表示の形状を特殊形状(例えば、円形)に変化させる(ステップS671)。また、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをセットする(ステップS672)。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態のときと、時短状態のときとで、保留表示の形状が変化するため、遊技状態が変化することによる興趣をさらに高めることができる。なお、この実施の形態では、通常状態のときと、時短状態のときとで、保留表示の形状が変化する例について説明するが、これに限らず、例えば、形状の他に、または形状に加えて、大きさや輝度などの態様が変化するものであってもよい。
受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをセットする(ステップS674)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS675)。
図28は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞に対応する保留表示の保留態様を決定する保留態様決定処理(ステップS800A)を実行した後、新たな始動入賞に対応する保留表示を表示する保留表示実行処理(ステップS800B)を実行する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値(「1」)に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値(「2」)に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値(「3」)に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(「4」または「0」)に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値(「5」)に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値(「6」)に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(「0」)に更新する。
図29は、保留態様決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。この実施の形態では、通常態様とは異なる表示態様で保留表示を表示する保留演出が実行される。保留態様決定処理では、保留演出が実行されるときの保留表示の表示態様が保留態様として決定される。なお、保留演出が実行されないときには、保留表示は通常態様で表示される。
保留態様決定処理において、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)であるか否か確認する(ステップS901)。高ベース状態でない場合には、ステップS906に移行する。なお、遊技状態が高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)であるか否かを確認することは、例えば、高ベースフラグがセットされているか否かを確認することで実現することができる。
遊技状態が高ベース状態である場合には、演出制御用CPU101は、いずれかの第2入賞時判定結果指定コマンド(第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンド:図11参照)を受信したか否か確認する(ステップS902)。なお、いずれかの第2入賞時判定結果指定コマンドを受信したか否かを判定するために、例えば、図25に示すステップS654の処理でコマンドを受信したことを示すフラグをセットする。このようにすることで、ステップS902の処理で、当該フラグがセットされているか否かによって、いずれかの第2入賞時判定結果指定コマンドを受信したか否か確認可能である。
いずれかの第2入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、受信した第2入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、高ベース状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブル(図30(b)参照)を用いて保留態様を決定する(ステップS903)。
図30(b)は、高ベース状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブルを示す説明図である。高ベース状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブルには、第2入賞時判定結果指定コマンドによって示される変動パターンごとに決定事項(決定される事項:「保留演出実行なし」、「第1態様」、「第2態様」または「第3態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図30(b)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、保留態様決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。したがって、図30(b)に示す例では、各変動パターンにおける決定事項(決定される事項:「保留演出実行なし」、「第1態様」、「第2態様」または「第3態様」)に対応する数値は、決定事項として「第1態様」、「第2態様」または「第3態様」が選択される割合(%)を示している。なお、保留態様が「保留演出実行なし」に決定されるということは、保留演出を実行しないことに決定されるということである。
図30(b)に示すように、この実施の形態では、保留演出が実行されたときの保留表示の表示態様、すなわち保留態様として、「第1態様」、「第2態様」および「第3態様」のいずれかに決定可能である。そして、「第1態様」に決定されたときには、保留表示は青色で表示され、「第2態様」に決定されたときには、保留表示は緑色で表示され、「第3態様」に決定されたときには、保留表示は赤色で表示される。なお、この実施の形態では、保留表示は、通常状態では黒色で表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した保留態様を示すデータを、第2入賞時判定結果記憶バッファにおける最新のデータが格納された格納領域(第2保留記憶数に対応する番号の格納領域)の保留態様を示す領域に記憶させる(ステップS904)。例えば、「保留演出実行なし」と決定した場合には、保留演出が実行されないこと、すなわち保留態様が決定されていないことを示すデータとして「0」を記憶させ、「第1態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「1」を記憶させ、「第2態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「2」を記憶させ、「第3態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「3」を記憶させる。
また、遊技状態が高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)ではない場合(ステップS901のN)、すなわち通常状態である場合には、演出制御用CPU101は、いずれかの第1入賞時判定結果指定コマンド(第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンド:図11参照)を受信したか否か確認する(ステップS906)。なお、いずれかの第1入賞時判定結果指定コマンドを受信したか否かを判定するために、例えば、図25に示すステップS652の処理でコマンドを受信したことを示すフラグをセットする。このようにすることで、ステップS906の処理で、当該フラグがセットされているか否かによって、いずれかの第1入賞時判定結果指定コマンドを受信したか否か確認可能である。
いずれかの第1入賞時判定結果指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、通常状態(第1始動入賞)用保留態様決定テーブル(図30(a)参照)を用いて保留態様を決定する(ステップS907)。
図30(a)は、通常状態(第1始動入賞)用保留態様決定テーブルを示す説明図である。通常状態(第1始動入賞)用保留態様決定テーブルを用いた場合にも、図30(b)の時短状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブルと同様に、保留演出が実行されたときの保留表示の表示態様、すなわち保留態様として、「第1態様」、「第2態様」および「第3態様」のいずれかに決定可能である。また、保留態様が「保留演出実行なし」に決定されるということは、保留演出を実行しないことに決定されるということである。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した保留態様を示すデータを、第1入賞時判定結果記憶バッファにおける最新のデータが格納された格納領域(第1保留記憶数に対応する番号の格納領域)の保留態様を示す領域に記憶させる(ステップS908)。例えば、「保留演出実行なし」と決定した場合には保留演出が実行されないこと、すなわち保留態様が決定されていないことを示すデータとして「0」を記憶させ、「第1態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「1」を記憶させ、「第2態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「2」を記憶させ、「第3態様」と決定した場合には保留態様を示すデータとして「3」を記憶させる。
図30(a),(b)に示す保留態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、「保留演出実行なし」よりも「第1態様」、「第1態様」よりも「第2態様」、「第2態様」よりも「第3態様」と決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、「保留演出実行なし」よりも保留演出が実行されたときの保留態様が「第1態様」の方が、保留態様が「第1態様」よりも「第2態様」であるときの方が、さらに保留態様が「第2態様」よりも「第3態様」であるときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチ演出が行われる)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、保留演出が実行されないときよりも保留演出が実行されるときの方が、期待度が高くなる。また、保留演出が実行されるときには、保留態様が「第1態様」よりも「第2態様」の方が、さらに「第2態様」よりも「第3態様」の方が、期待度が高い表示態様となる。したがって、保留演出によって保留表示が通常態様とは異なる表示態様で表示されることに対して遊技者に期待感を持たせることができるとともに、いずれの表示態様で表示されるかについて注目させることができる。
また、図30(a),(b)に示す保留態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、図30(a)に示す通常状態(第1始動入賞)用保留態様決定テーブルの方が、図30(b)に示す高ベース状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブルに比べて、「保留演出実行なし」に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、遊技状態が通常状態であるとき(すなわち時短制御が行われていないとき)には、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)に比べて、保留演出が実行される割合が低くなるように制限される。これは、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)には、通常状態であるとき(すなわち時短制御が行われていないとき)に比べて、保留演出が実行される割合が高くなるように構成されているともいえる。このように構成されることによって、遊技状態に応じて、すなわち、どのような制御(本例では時短制御)がなされているかに応じて、保留演出を実行する割合を異ならせること(つまり保留演出の実行を制限する割合を異ならせること)で、演出が単調になることを防ぐとともに、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるときには、通常状態であるときに比べて、変動パターン「短縮非リーチはずれ」等が選択されやすくなるため、可変表示時間(変動時間)が平均的に短くなる傾向がある。すると、高ベース状態であるときには、変動表示ごとに予告演出を実行する期間を確保することが困難になる。そこで、高ベース状態であるときには、短い期間で演出を完結させることができる保留演出を高い割合で実行するようにすることで、遊技状態に適した演出を実行することができる。なお、この実施の形態では、保留演出として、最初に保留表示を表示するときから通常態様とは異なる表示態様で表示する演出を実行しているが、例えば、保留表示を通常態様で一旦表示してから異なる表示態様に変化させる演出であってもよい。いずれの演出であっても短い期間で演出を完結させることができる。
また、図30(a)に示す通常状態(第1始動入賞)用保留態様決定テーブルの方が、図30(b)に示す高ベース状態(第2始動入賞)用保留態様決定テーブルに比べて、「保留演出実行なし」に決定される割合が高くなるように判定値が設定されているため、第1始動入賞にもとづく保留表示の方が、第2始動入賞にもとづく保留表示に比べて、保留演出が実行される割合が低くなるように制限される。これは、第2始動入賞にもとづく保留表示の方が、第1始動入賞にもとづく保留表示に比べて、保留演出が実行される割合が高くなるように構成されているともいえる。このように構成されることによって、いずれの始動入賞にもとづく保留表示であるかに応じて、保留演出が実行される割合を異ならせること(すなわち保留演出の実行を制限する割合を異ならせること)で、演出が単調になることを防ぐとともに、興趣を高めることができる。
また、図30(a),(b)に示す保留態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、入賞時判定結果指定コマンドによって示される変動パターンがリーチ演出を伴わないもの(例えば、「非リーチはずれ」)であっても、対応する保留表示が保留演出の対象となりうることである。このように構成することで、保留演出に多様性を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、保留演出として、最初に保留表示を表示するときから通常態様とは異なる表示態様で表示する演出を実行しているが、保留表示を通常態様で一旦表示してから異なる表示態様に変化させる演出であってもよいし、いずれの演出も実行可能としてもよい。例えば、保留表示を通常態様で一旦表示した後に、任意のタイミング(例えば、当該保留表示に対応する変動表示よりも前に実行されるいずれかの変動表示の変動開始時や変動表示中、変動終了時など)で、表示態様を変化させる保留演出を実行するようにしてもよい。
また、任意のタイミングで保留演出を実行可能とする場合には、保留態様決定処理において、保留態様とともに、保留演出を実行するタイミングを決定するようにしてもよい。例えば、始動入賞した後に、保留表示のシフトが所定回行われたタイミング(すなわち変動表示が所定回行われたタイミング)で、保留演出を実行すると決定するようにしてもよい。具体的には、保留表示のシフトが2回行われたタイミングで保留表示を実行すると決定した場合には、シフト回数をカウントするためのカウンタに2をセットし、保留表示のシフトが行われるときにカウンタの値を1減算する。そして、カウンタの値が0になったときに保留演出を実行する。
なお、この場合には、保留記憶数に応じて、異なる保留演出タイミング決定テーブルを用いて保留演出を実行するタイミングを決定することで、確実に予告対象の保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまでに保留演出を実行することができる。例えば、保留記憶数が3であるときに用いられる保留演出タイミング決定テーブルは、始動入賞したとき(最初に保留表示を表示するとき)、保留表示のシフトが1回行われたとき、または2回行われたときのいずれかに決定されるように判定値が割り当てられる。また、例えば、保留記憶数が2であるときに用いられる保留演出タイミング決定テーブルは、始動入賞したとき(最初に保留表示を表示するとき)または保留表示のシフトが1回行われたときのいずれかに決定されるように判定値が割り当てられる。また、変動パターンや表示結果にもとづいて保留演出が実行されるタイミングを決定することによって、保留演出が実行されるタイミングに応じて、大当りや有利な演出が実行される割合を異ならせる、すなわち期待度を異ならせるようにしてもよい。
また、保留表示の表示態様が一度しか変化しないものに限らず、複数回変化可能としてもよい。つまり、段階的に表示態様が期待度の高いものに変化するようにしてもよい。この場合には、1回の変動表示中に複数回変化するようにしてもよいし、保留表示がシフトされるタイミングごと(または任意のシフトタイミング)で複数回変化するようにしてもよい。
図31は、図23に示された演出制御プロセス処理における保留表示実行処理(ステップS800b)を示すフローチャートである。保留表示実行処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞後、未だ表示されていない保留表示があるか否か確認し(ステップS910)、未表示の保留表示がない場合には、保留表示実行処理を終了する。未表示の保留表示があるか否かは、例えば、第1入賞時判定結果記憶バッファまたは第2入賞時判定結果記憶バッファに新たに記憶された入賞時判定結果に対応する保留表示が表示されているか否かによって確認することができる。例えば、上述のように、入賞時判定結果指定コマンドを受信したときに、その旨を示すフラグをセットする場合には、後述するステップS918,S919,S926,S927のいずれかにおいて対応する保留表示を表示した後にフラグをリセットするようにすれば、フラグの状態を確認することによって、未表示の保留表示があるか否か確認することができる。また、例えば、入賞時判定結果指定コマンドを受信したときに、未表示の保留表示があることを示す未表示フラグをセットし、後述するステップS918,S919,S926,S927のいずれかにおいて対応する保留表示を表示した後にフラグをリセットするようにしてもよい。
未表示の保留表示がある場合には、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)であるか否か確認する(ステップS911)。高ベース状態でない場合には、ステップS920に移行する。
遊技状態が高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)である場合には、演出制御用CPU101は、現在表示されている保留表示の中に通常態様とは異なる表示態様の保留表示が3つ以上あるか否かを確認する(ステップS912)。3つ以上あれば、演出制御用CPU101は、第2入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグをセットする(ステップS913)。そして、ステップS916に移行する。図27に示すように、この実施の形態では、制限フラグがセットされると、制限フラグの状態を示すデータとして「1」が記憶される。
通常態様とは異なる表示態様の保留表示が3つ以上なければ、演出制御用CPU101は、現在表示されている保留表示の中に第3態様の保留表示があるか否かを確認する(ステップS914)。第3態様の保留表示があれば、演出制御用CPU101は、第2入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)の保留態様が第3態様に決定されているか否か確認し(ステップS915a)、保留態様が第3態様に決定されていれば、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグをセットする(ステップS915b)。そして、ステップS916に移行する。
ステップS916では、演出制御用CPU101は、第2入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対して保留態様が決定されているか否か確認する(ステップS916)。そして、保留態様が決定されていない場合(ステップS916のN)、すなわち、保留演出を実行しないと決定されている場合(本例ではステップS904で「0」が記憶されていた場合)には、演出制御用CPU101は、未表示の第2保留表示を通常態様で表示する(ステップS918)。その後、処理を終了する。
また、保留態様が決定されている場合(ステップS916のY)、すなわち、保留演出を実行すると決定されている場合には、演出制御用CPU101は、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS917)。そして、制限フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第2保留表示を通常態様で表示する(ステップS918)。一方、制限フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第2保留表示を決定された保留態様(本例ではステップS904で記憶されたデータにもとづいて特定される)で表示する(ステップS919)。その後、処理を終了する。
また、高ベース状態(すなわち時短状態または確変状態)ではない場合、すなわち通常状態である場合には(ステップS911のN)、演出制御用CPU101は、現在表示されている保留表示の中に第2態様の保留表示があるか否かを確認する(ステップS920)。第2態様の保留表示があれば、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)の保留態様が第3態様に決定されているか否か確認し(ステップS921a)、保留態様が第3態様に決定されていれば、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグをセットする(ステップS921b)。
次いで、演出制御用CPU101は、現在表示されている保留表示の中に第1態様の保留表示があるか否かを確認する(ステップS922)。第1態様の保留表示があれば、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)の保留態様が第2態様または第3態様に決定されているか否か確認し(ステップS923a)、保留態様が第2態様または第3態様に決定されていれば、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグをセットする(ステップS923b)。
ステップS924では、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対して保留態様が決定されているか否か確認する(ステップS924)。そして、保留態様が決定されていない場合(ステップS924のN)、すなわち、保留演出を実行しないと決定されている場合(本例ではステップS908で「0」が記憶されていた場合)には、演出制御用CPU101は、未表示の第1保留表示を通常態様で表示する(ステップS926)。その後、処理を終了する。
また、保留態様が決定されている場合(ステップS924のY)、すなわち、保留演出を実行すると決定されている場合には、演出制御用CPU101は、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS925)。そして、制限フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第1保留表示を通常態様で表示する(ステップS926)。一方、制限フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第1保留表示を決定された保留態様(本例ではステップS908で記憶されたデータにもとづいて特定される)で表示する(ステップS927)。その後、処理を終了する。
この実施の形態では、図31,図32に示すように、保留表示について複数の態様で制限可能であるため、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。また、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であるときと通常状態であるときとで(すなわち時短制御が行われているときと行われていないときとで)、保留演出について、異なる態様の制限が行われる。したがって、この実施の形態では、遊技状態に応じて(または特定の制御が行われているか否かに応じて)、保留演出について異なる態様の制限が行われるため、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、図31,図32に示すように、遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変状態)であるときには、第2入賞時判定結果記憶バッファに制限フラグがセットされ(ステップS913,S915b)、通常状態であるときには、第1入賞時判定結果記憶バッファに制限フラグがセットされる(ステップS921b,S923b)。ここで、第1入賞時判定結果記憶バッファには第1始動入賞口13に始動入賞した際の入賞時判定結果が記憶され、第2入賞時判定結果記憶バッファには第2始動入賞口14に始動入賞した際の入賞時判定結果が記憶されている。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14といずれの始動入賞に対応する保留表示であるかによって、保留演出について、異なる態様の制限が行われるため、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができるともいえる。
具体的には、ステップS914〜S915bの処理が実行されることによって、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)には、現在表示されている保留表示の中に第3態様の保留表示がある場合、新たに第3態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。そのため、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)には、保留演出が実行される頻度が高いが(図30参照)、このように制限することによって、期待度が高い表示態様が複数表示されることで、遊技者がいずれに注目してよいかわからなくなってしまう状態になることを防止することができる。つまり、第2始動入賞口14への始動入賞に対応する保留表示に対しては、現在表示されている保留表示の中に第3態様の保留表示がある場合、第3態様で表示する保留演出を実行することが制限される。そのため、第2始動入賞口14への始動入賞に対応する保留表示に対しては、保留演出が実行される頻度が高いが(図30参照)、このように制限することによって、期待度が高い表示態様で表示されることで、遊技者がいずれに注目してよいかわからなくなってしまう状態になることを防止することができる。
また、ステップS912〜S913の処理が実行されることによって、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)には、現在表示されている保留表示の中に通常態様とは異なる表示態様の保留表示が所定数(本例では3であるが、3に限られない)以上ある場合には、新たに通常態様とは異なる表示態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。そのため、高ベース状態(時短状態または確変状態)であるとき(すなわち時短制御が行われているとき)には、保留演出が実行される頻度が高いが(図30参照)、このように制限することによって、通常態様とは異なる表示態様の保留表示が多くなり過ぎることで、遊技者がいずれに注目してよいかわからなくなってしまう状態になることを防止することができる。また、一時的であっても保留演出が実行され過ぎることで、その価値を下げてしまうことを防止することができる。つまり、第2始動入賞口14への始動入賞に対応する保留表示に対しては、通常態様とは異なる表示態様の保留表示が所定数(本例では3であるが、3に限られない)以上ある場合には、新たに通常態様とは異なる表示態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。そのため、第2始動入賞口14への始動入賞に対応する保留表示に対しては、保留演出が実行される頻度が高いが(図30参照)、このように制限することによって、通常態様とは異なる表示態様の保留表示が多くなり過ぎることで、遊技者がいずれに注目してよいかわからなくなってしまう状態になることを防止することができる。また、一時的であっても保留演出が実行され過ぎることで、その価値を下げてしまうことを防止することができる。
また、ステップS920〜S921bの処理が実行されることによって、通常状態であるとき(すなわち時短制御が行われていないとき)には、現在表示されている保留表示の中に第2態様の保留表示がある場合、新たに第3態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。このように制限することによって、保留演出が実行されにくい状態(通常状態であり高ベース状態に比べて大当りが発生する割合が低い状態ともいえる)において、期待度が高い表示態様の保留表示が複数表示されることによって遊技者に期待を持たせ過ぎてしまうことを防止することができる。つまり、第1始動入賞口13への始動入賞に対応する保留表示に対しては、現在表示されている保留表示の中に第2態様の保留表示がある場合、新たに第3態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。そのため、第2保留表示に比べて保留演出が実行されにくい第1保留表示(第2始動入賞14への始動入賞に対する第2保留表示に比べて大当りが発生する割合が低い第1始動入賞13への始動入賞に対する第1保留表示ともいえる)については、期待度が高い表示態様の保留表示が複数表示されることによって遊技者に期待を持たせ過ぎてしまうことを防止することができる。
また、ステップS922〜S923bの処理が実行されることによって、通常状態であるとき(すなわち時短制御が行われていないとき)には、現在表示されている保留表示の中に第1態様の保留表示がある場合、新たに第2態様または第3態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。つまり、第1始動入賞口13への始動入賞に対応する保留表示に対しては、現在表示されている保留表示の中に第1態様の保留表示がある場合、第2態様または第3態様で保留表示を表示する保留演出を実行することが制限される。現在表示されている保留表示の中に第1態様の保留表示が表示されているときに、第1態様よりも期待度が高い表示態様で保留表示を表示する保留演出が実行されると、もはや第1態様の保留表示に対する期待感を維持できなくなってしまうが、このように制限することによって、そのように期待感を維持できなくなってしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、保留演出として、最初に保留表示を表示するときから通常態様とは異なる表示態様で表示する演出を実行しているが、例えば、保留表示を通常態様で一旦表示してから異なる表示態様に変化させる演出であってもよい。また、いずれの演出も実行可能としてもよい。例えば、保留表示を通常態様で一旦表示した後に、任意のタイミング(例えば、当該保留表示に対応する変動表示よりも前に実行されるいずれかの変動表示の変動開始時や変動表示中、変動終了時など)で、表示態様を変化させる保留演出を実行するようにしてもよい。また、任意のタイミングで所定のキャラクタを登場させ、キャラクタを保留表示に作用させる(例えばキャラクタが保留表示に触れる演出を行う)ことで表示態様を変化させる保留演出としてもよい。
また、この実施の形態では、図30に示すように、保留態様として、通常態様とは異なる第1態様、第2態様および第3態様のうちのいずれかに決定されるように構成されているが、これに限らず、保留態様として、通常態様に決定される(つまり演出の結果、変化しない)ように構成してもよい。例えば、任意のタイミングで所定のキャラクタを登場させ、キャラクタが保留表示に作用する(例えばキャラクタが保留表示に触れる演出を行う)ときには表示態様を変化させ、キャラクタが保留表示に作用しない(例えばキャラクタが保留表示に触れずに素通りする演出を行う)ときには表示態様を変化させないようにしてもよい。このように構成すれば、保留演出は、演出の結果として保留表示の表示態様を必ず変化させるものに限らず、演出の結果として保留表示の表示態様を変化させないものでもあるため、多様性を有することとなる。
また、この実施の形態では、保留態様決定処理において保留態様を決定し、保留表示実行処理において、所定の場合に特定の保留態様で保留表示を表示することを制限するように構成されているが、例えば、保留態様決定処理において所定の場合に特定の保留態様に決定しないように制限する構成であってもよい。
図33は、図23に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図34は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、特定演出に関する設定を行う特定演出設定処理を実行する(ステップS8000a)。
図35は、特定演出設定処理(ステップS8000a)を示すフローチャートである。この実施の形態では、特定演出は、演出図柄の変動中に実行され、アクティブ保留表示の表示態様を通常態様から特定の表示態様に変化させる演出である。特定演出設定処理において、演出制御用CPU101は、これから開始する可変表示に対応する入賞時判定結果が格納された入賞時判定結果記憶バッファの格納領域#1に対応付られた制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8021)。ステップS8021では、第1特別図柄の可変表示が開始されるとき(第1図柄変動指定コマンドを受信したとき)には、第1入賞時判定結果記憶バッファの格納領域#1に対応づけて制限フラグがセットされているか否かを確認し、第2特別図柄の可変表示が開始されるとき(第2図柄変動指定コマンドを受信したとき)には、第2入賞時判定結果記憶バッファの格納領域#1に対応づけて制限フラグがセットされているか否かを確認する。
次いで、演出制御用CPU101は、制限フラグがセットされていれば、被制限用特定演出態様決定テーブルを選択し(ステップS8022)、セットされていなければ、通常用特定演出態様決定テーブルを選択する(ステップS8023)。そして、演出制御用CPU101は、選択したテーブルを用いて特定演出の演出態様を決定する(ステップS8024)。
図36は、特定演出態様決定テーブルの例を示す説明図である。この実施の形態では、「第1演出態様」の特定演出とは、アクティブ保留表示が第1態様に変化するものであり、「第2演出態様」の特定演出とは、アクティブ保留表示が第2態様に変化するものであり、「第3演出態様」の特定演出とは、アクティブ保留表示が第3態様に変化するものである。なお、この実施の形態では、アクティブ保留表示の第1態様〜第3態様は、保留表示の第1態様〜第3態様と相似であるが、異なるものであってもよい。図36(a),(b)に示す特定演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれよりも大当りである方が、また、同じ表示結果であっても変動パターンの期待度が高くなるほど、「実行なし」よりも「第1演出態様」、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」、「第2演出態様」よりも「第3演出態様」と決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、特定演出が実行されないときよりも実行されるときの方が、実行される特定演出が「第1演出態様」よりも「第2演出態様」であるとき方が、さらに「第2演出態様」よりも「第3演出態様」であるときの方が、有利な演出図柄の変動態様(例えば、スーパーリーチ演出が行われる)となる割合を高くすることや、表示結果が大当りとなる割合を高くすることができる。つまり、特定演出が実行されないときよりも実行されるときの方が、期待度が高くなる。また、「第1演出態様」よりも「第2演出態様」の方が、さらに「第2演出態様」よりも「第3演出態様」の方が、期待度が高い演出態様となる。したがって、特定演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができるとともに、いずれの演出態様で実行されるかについて注目させることができる。
また、図36(a),(b)に示す特定演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、図36(b)に示す被制限用特定演出態様決定テーブルの方が、図36(a)に示す通常用特定演出態様決定テーブルに比べて、「実行なし」に決定される割合が低くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、これから変動表示が開始される保留記憶が、保留表示として表示されていたときに、保留演出の実行が制限されていたものであるときには、変動表示中に特定演出が実行される割合を高くすることができる。そのため、保留記憶が保留表示として表示されていたときに保留演出の実行が制限されていても、変動表示中に特定演出が実行されやすくなるため、興趣を高めることができる。
なお、特定演出設定処理において、特定演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合には、保留態様決定処理において決定された保留態様に相似する表示態様に変化させるようにしてもよい。つまり、保留態様決定処理のステップS904またはS908において保留態様を第1態様と決定した場合には、特定演出を第1演出態様で実行する、すなわちアクティブ保留表示を第1態様に変化させるようにしてもよい。また、任意のタイミングで所定のキャラクタを登場させ、キャラクタをアクティブ保留表示に作用させる(例えばキャラクタがアクティブ保留表示に触れる演出を行う)ことで表示態様を変化させる特定演出としてもよい。この場合、任意のタイミングで所定のキャラクタを登場させ、キャラクタがアクティブ保留表示に作用する(例えばアクティブキャラクタが保留表示に触れる演出を行う)ときには表示態様を変化させ、キャラクタがアクティブ保留表示に作用しない(例えばキャラクタがアクティブ保留表示に触れずに素通りする演出を行う)ときには表示態様を変化させないようにしてもよい。このように構成すれば、特定演出は、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様を必ず変化させるものに限らず、演出の結果としてアクティブ保留表示の表示態様を変化させないものでもあるため、多様性を有することとなる。
特定演出設定処理を終了すると、演出制御用CPU101は、これから開始する可変表示に対応する保留表示を消去するように表示をシフトすることによって保留表示を1減らす(ステップS8000b)。なお、ステップS8000bの処理では、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには(第1図柄変動指定コマンドを受信したとき)、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示をシフトし、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには(第2図柄変動指定コマンドを受信したとき)、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示をシフトする。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域#1に記憶されている入賞時判定結果指定コマンド等(保留態様や制限フラグを示すデータを含む)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS8000c)。すなわち、格納領域#n(n:2〜4)の内容を、格納領域(n−1)にシフトする。また、第1保留記憶数(第1特別図柄の変動が実行され場合)または第2保留記憶数(第2特別図柄の変動が実行され場合)を−1する(ステップS8000d)。なお、ステップS8000bの処理では、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには(第1図柄変動指定コマンドを受信したとき)、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトし、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには(第2図柄変動指定コマンドを受信したとき)、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出し、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図37は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図37に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000aにおける演出設定結果と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8007)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8008)。
図38は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、背景演出の有無や演出態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、示唆演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された示唆演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図38に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出設定結果に応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS1816)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS8010)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8011)。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8104)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8105)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8106)。
次いで、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされている、または変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8107のY,S8108のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新し(ステップS8111)、演出図柄変動中処理を終了する。
また、確定コマンド受信フラグがセットされておらず、かつ変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS8107のN,S8108のN)、そのまま演出図柄変動中処理を終了する。
次に、保留演出および特定演出の具体例について説明する。図40は、保留演出および特定演出の具体例を示す説明図である。図40に示す例では、時短状態中に演出表示装置9において、アクティブ保留表示部18eのアクティブ保留表示が通常態様(図40に示す例では円が示される)で表示され、第2保留記憶表示部18dに1つの保留表示が通常態様(図40に示す例では円が示される)で表示され、変動表示が行われている(図40(A))。ここで、第2始動入賞口14に始動入賞が発生すると、入賞時判定結果にもとづいて保留態様決定処理が実行される。そして、保留態様決定処理において、保留態様が第3態様に決定されると、新たな保留表示が第3態様で表示される保留演出が実行される(図40(B))。
変動表示が停止すると(図40(C))、先に記憶された保留記憶に対応する保留表示が削除され、残りの保留表示が左側にシフトし、新たな変動表示が開始される(図40(D))。ここで、再度第2始動入賞口14に始動入賞が発生し、入賞時判定結果にもとづいて保留態様が第3態様に決定される。しかし、高ベース状態(すなわち第2保留記憶に対応する保留表示)では、複数の保留表示を期待度が高い表示態様(本例では第3態様)で表示しないように保留演出の実行が制限されるため(保留表示実行処理のステップS914〜S915b)、新たな保留表示(図40(E)の18d−1)は通常態様で表示される(図40(E))。
その後、変動表示の停止とともに保留表示のシフトが行われ、保留演出の実行が制限された保留記憶に対応する変動表示が開始される(図40(F),(G))。そして、特定演出が実行されると、アクティブ保留表示部18eのアクティブ保留表示の表示態様が第3態様に変化する(図40(H))。
なお、この実施の形態では、保留演出として、最初に保留表示を表示するときから通常態様とは異なる表示態様で表示する演出を実行しているが、例えば、保留表示を通常態様で一旦表示してから異なる表示態様に変化させる演出であってもよい。また、保留表示の表示態様が一度しか変化しないものに限らず、複数回変化可能としてもよい。つまり、段階的に表示態様が期待度の高いものに変化するようにしてもよい。また、特定演出として、所定のキャラクタを登場させ、キャラクタがアクティブ保留表示に作用することで、アクティブ保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、所定のキャラクタが登場するものの、演出の結果としてアクティブ保留表示が変化しない特定演出も実行可能とすることで、特定演出に多様性を持たせることができる。
また、保留表示を第1態様から第3態様とは異なる特定態様で表示し、特殊態様の保留表示に対応する保留記憶の変動表示中には特定演出が実行される割合が高くなるようにしてもよいし、必ず実行されるようにしてもよい。以下、保留表示を特定態様で表示することを特定演出予告ともいう。
図41は、保留表示実行処理の変形例を示すフローチャートである。図41に示す保留表示実行処理の変形例では、演出制御用CPU101は、ステップS912,S913,S914またはS915bの処理の後に、現在表示されている保留表示の中に特定態様の保留表示があるか否かを確認し(ステップS931)、特定態様の保留表示があれば、未表示の第2保留表示を通常態様で表示する(ステップS932)。なお、このとき、未表示の第2保留表示に対応する入賞時判定結果に対応付けられた制限フラグをセットするようにしてもよい。その後、処理を終了する。
また、特定態様の保留表示がなければ、演出制御用CPU101は、第2入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対して保留態様が決定されているか否か確認する(ステップS933)。そして、保留態様が決定されていない場合(ステップS933のN)、すなわち、保留演出を実行しないと決定されている場合(本例ではステップS904で「0」が記憶されていた場合)には、演出制御用CPU101は、ステップS935に移行する。
また、保留態様が決定されている場合(ステップS933のY)、すなわち、保留演出を実行すると決定されている場合には、演出制御用CPU101は、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS934)。そして、制限フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第2保留表示を決定された保留態様(本例ではステップS904で記憶されたデータにもとづいて特定される)で表示する(ステップS937)。その後、処理を終了する。一方、制限フラグがセットされていない場合には、ステップS935に移行する。
ステップS935では、演出制御用CPU101は、未表示の第2保留表示を特定態様で表示するか否か、すなわち特定演出予告を実行するか否かを決定する(ステップS935)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS925での決定結果にもとづいて、未表示の第2保留表示を通常態様または特定態様で表示する(ステップS936)。
演出制御用CPU101は、ステップS922またはS923bの処理の後に、現在表示されている保留表示の中に特定態様の保留表示があるか否かを確認し(ステップS938)、特定態様の保留表示があれば、未表示の第1保留表示を通常態様で表示する(ステップS939)。なお、このとき、未表示の第1保留表示に対応する入賞時判定結果に対応付けられた制限フラグをセットするようにしてもよい。その後、処理を終了する。
また、特定態様の保留表示がなければ、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果記憶バッファにおいて、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対して保留態様が決定されているか否か確認する(ステップS940)。そして、保留態様が決定されていない場合(ステップS940のN)、すなわち、保留演出を実行しないと決定されている場合(本例ではステップS908で「0」が記憶されていた場合)には、演出制御用CPU101は、ステップS942に移行する。
また、保留態様が決定されている場合(ステップS940のY)、すなわち、保留演出を実行すると決定されている場合には、演出制御用CPU101は、新たな入賞時判定結果(すなわち未表示の保留表示に対応する入賞時判定結果)に対応する制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。そして、制限フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、未表示の第1保留表示を決定された保留態様(本例ではステップS908で記憶されたデータにもとづいて特定される)で表示する(ステップS944)。その後、処理を終了する。一方、制限フラグがセットされていない場合には、ステップS942に移行する。
ステップS942では、演出制御用CPU101は、未表示の第1保留表示を特定態様で表示するか否か、すなわち特定演出予告を実行するか否かを決定する(ステップS942)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS942での決定結果にもとづいて、未表示の第1保留表示を通常態様または特定態様で表示する(ステップS946)。
ステップS935およびS942では、図42に示す特定態様決定テーブルを用いて、保留表示を特定態様で表示するか否かを決定する。図42に示す特定態様決定テーブルによれば、制限フラグがセットされている入賞時判定結果に対応する保留表示の方が、セットされていない入賞時判定結果に対応する保留表示よりも、特定態様で表示すると決定されやすい。つまり、保留演出の制限対象となった保留表示は、特定態様で表示されやすくなる。したがって、保留演出の実行が制限される代わりに特定演出予告が実行されやすくなるため、興趣を高めることができる。
また、図41に示す例では、ステップS931およびステップS938において特定態様の保留表示がある場合には、新たな保留表示を通常態様とは異なる表示態様で表示する処理が実行されないように構成されている。そのため、特定態様の保留表示に注目させることができ、新たに保留演出や特定演出予告が実行されることで遊技者の関心が散漫になってしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、保留態様決定処理のステップS903またはS907の処理において、保留態様を第1態様、第2態様または第3態様のいずれかに決定するように構成されているが、当該処理において、保留態様を第1態様、第2態様もしくは第3態様のいずれかに決定する、または特定態様に決定するようにしてもよい。例えば、図30に示す保留態様決定テーブルにおいて、決定事項に「特定態様」を加え、所定の割合で判定値を割り当てるようにすればよい。この場合、保留表示実行処理のステップS935,S936またはステップS942,S943の処理に代えて、未表示の保留表示を通常態様で表示するステップS918またはS926の処理を実行し、ステップS937またはS944の処理において、未表示の保留表示を第1態様、第2態様もしくは第3態様、または特定態様で表示するようにすればよい。また、この場合、特定演出設定処理において、変動開始対象の保留記憶に対応する保留表示が特定態様で表示されているか否かによって、特定演出を実行すると決定する割合が異なるようにしてもよい。例えば、特定態様で表示されているときには、高い割合で特定演出を実行すると決定することで、特定態様で表示されることに価値を持たせることができ、遊技者に着目させることができる。
また、保留態様決定処理において、保留態様を第1態様、第2態様もしくは第3態様のいずれかに決定する、または特定態様に決定するように構成する場合には、特定態様と決定するとともに、特定演出の演出態様を決定するようにしてもよい。すなわち、アクティブ保留表示の表示態様を第1態様、第2態様または第3態様のいずれかに変化させると決定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留演出として、最初に保留表示を表示するときから通常態様とは異なる表示態様で表示する演出を実行しているが、保留表示を一旦表示してから異なる表示態様に変化させる演出であってもよいし、保留表示が特定態様で表示された場合にのみ、他の表示態様に変化し得るようにしてもよい。この場合には、保留態様決定処理において、最初に表示する際の表示態様と、変化させた後の表示態様とを決定するようにしてもよいし、変化させるタイミングも決定するようにしてもよい。
次に、特定演出予告の具体例について説明する。図43は、特定演出予告の具体例を示す説明図である。図43に示す例では、時短状態中に演出表示装置9において、アクティブ保留表示部18eのアクティブ保留表示が通常態様(図43に示す例では円が示される)で表示され、第2保留記憶表示部18dに1つの保留表示が通常態様(図43に示す例では円が示される)で表示され、変動表示が行われている(図43(A))。ここで、第2始動入賞口14に始動入賞が発生すると、入賞時判定結果にもとづいて保留態様決定処理が実行される。そして、保留態様決定処理において、保留態様が第3態様に決定されると、新たな保留表示が第3態様で表示される保留演出が実行される(図43(B))。
変動表示が停止すると(図43(C))、先に記憶された保留記憶に対応する保留表示が削除され、残りの保留表示が左側にシフトし、新たな変動表示が開始される(図43(D))。
ここで、再度第2始動入賞口14に始動入賞が発生し、入賞時判定結果にもとづいて保留態様が第3態様に決定される。しかし、高ベース状態(すなわち第2保留記憶に対応する保留表示)では、複数の保留表示を期待度が高い表示態様(本例では第3態様)で表示しないように保留演出の実行が制限される(保留表示実行処理のステップS914〜S915b)。このとき、保留表示を特定態様で表示する特定演出予告を実行すると決定されると(保留表示実行処理のステップS935)、新たな保留表示(図43(E)の18d−1)は、特定態様(本例では「*」で表示される)で表示される(図43(E))。
その後、変動表示の停止とともに保留表示のシフトが行われ、保留演出の実行が制限された保留記憶に対応する変動表示が開始される(図43(F),(G))。そして、特定演出が実行されると、アクティブ保留表示部18eのアクティブ保留表示の表示態様が第3態様に変化する(図43(H))。
以上に説明したように、この実施の形態では、保留記憶にもとづいて、特定表示結果が導出表示されるか否かを判定する事前判定手段と、保留記憶に対応する保留表示を表示する保留表示手段とを備えている。保留表示手段は、事前判定手段の判定(本例では入賞時判定結果)にもとづいて、通常態様とは異なる複数種類の表示態様(本例では第1態様〜第3態様、特定態様)のいずれかで保留表示を表示することが可能である。また、一の保留表示が通常態様とは異なる特定の表示態様で表示されている場合に、該一の保留表示とは異なる他の保留表示が所定の表示態様で表示されることを制限する制限手段をさらに備えている。そして、制限手段は、複数の態様で制限可能であるように構成されている。そのように構成されることによって、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、制限手段は、遊技状態(本例では低ベース状態であるか、または高ベース状態であるか)に応じて、制限の態様を異ならせるように構成されている。そのように構成されることによって、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、制限手段は、成立した制限条件(本例では時短制御が行われているという制限条件が満たされているか否か)に応じて、制限の態様を異ならせるように構成されている。そのように構成されることによって、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。なお、この実施の形態では、時短制御が行われているということ、または第1始動入賞口13もしくは第2始動入賞口14への入賞による保留表示であることを制限条件としたが、これに限らず、例えば、スーパーリーチ演出や、いわゆる一斉演出等の特定の演出が実行中であることを制限条件としてもよい。
また、この実施の形態では、制限手段は、第1識別情報の可変表示の保留記憶(本例では第1始動入賞口13への入賞にもとづく保留記憶)と第2識別情報の可変表示の保留記憶(本例では第2始動入賞口14への入賞にもとづく保留記憶)とのいずれに対応する保留表示であるかに応じて、制限の態様を異ならせるように構成されている。そのように構成されることによって、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。なお、この実施の形態では、保留演出の対象となる保留表示が、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1保留表示であるか、または第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2保留表示であるかによって、制限の態様を異ならせるように構成されているが、例えば、通常態様とは異なる表示態様で表示されている保留表示が、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1保留表示であるか、または第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2保留表示であるかによって、新たに表示する保留表示を対象とする保留演出の制限の態様を異ならせるように構成してもよいし、これらの構成を組み合わせるようにしてもよい。具体的には、この実施の形態では、第3態様の保留表示が表示されている場合には、保留演出の対象となる保留表示が、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1保留表示であるときには、保留演出の制限を行わず、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2保留表示であるときには、保留表示を第3態様で表示する保留演出を制限するように構成されている。この構成に代えて、または加えて、第3態様で表示されている保留表示が、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1保留表示であるときには、保留演出の制限を行わず、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2保留表示であるときには、保留表示を第3態様で表示する保留演出を制限するように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、特定演出を実行する特定演出実行手段を備えている。そして、特定演出実行手段は、制限手段によって制限がなされていない保留表示に対応する保留記憶を対象とする特定演出に比べて、高い割合で制限手段によって制限がなされた保留表示に対応する保留記憶を対象とする特定演出を実行するように構成されている。そのように構成されることによって、制限がなされた場合に、特定演出が実行される割合が高くなるため、演出が単調になることを防ぎ、興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、アクティブ保留表示の表示態様を変化させる演出を特定演出として実行しているが、これに代えて、または加えて、演出表示装置9における背景画面を切り替える演出を特定演出として実行するようにしてもよい。例えば、保留記憶として、大当りや有利な演出を伴う変動表示が記憶されている場合には、それらが記憶されていない場合に比べて、高い割合で演出表示装置9における背景画面を通常画面から特定画面に切り替え、1回または複数回の変動表示にわたって継続して表示する特定演出を実行するようにしてもよい。この場合にも、保留表示の中に保留演出が制限されている保留表示が含まれているときには、含まれていないときよりも高い割合で演出を実行するようにしてもよい。また、このような特定演出を実行する場合には、例えば、保留演出を制限するきっかけとなった通常態様とは異なる表示態様で表示された保留表示がシフトされて消化された後、すなわち当該保留表示に対応する変動表示が終了した後に、背景画面を特定画面に切り替え、保留演出の実行が制限された保留表示に対応する変動表示が終了した後に、背景画面を通常画面に切り替えるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、識別情報の可変表示を実行する可変表示時間をあらかじめ定められた複数種類の可変表示時間から選択する可変表示時間選択手段を備えるように構成されている。そのように構成されることによって、可変表示時間を好適に選択することができる。
また、この実施の形態では、実行されている識別情報の可変表示に対応する特別画像(本例ではアクティブ保留表示)を表示する特別表示手段を備えるように構成されている。そのように構成されることによって、識別情報の可変表示が実行されていることを認識させやすくすることができる。
また、この実施の形態では、第1の割合で短い可変表示時間で識別情報の可変表示を実行する第1期間(例えば低ベース状態に制御されている期間)と、該第1の割合よりも高い割合で短い可変表示時間で識別情報の可変表示を実行する第2期間(例えば高ベース状態に制御されている期間)とがあり、制限手段は、第1期間と第2期間とで、制限の態様を異ならせるように構成されている。そのように構成されることによって、各期間に適した制限を行うことができる。
また、この実施の形態では、第1の割合で短い可変表示時間で識別情報の可変表示を実行する第1期間(例えば低ベース状態に制御されている期間)と、該第1の割合よりも高い割合で短い可変表示時間で識別情報の可変表示を実行する第2期間(例えば高ベース状態に制御されている期間)とがあり、保留表示手段は、第1期間と第2期間とで、異なる態様(本例では、低ベース状態に制御されているときに四角形で表示され、高ベース状態に制御されているときに円形で表示される)で保留表示を表示するように構成されている。そのように構成されることによって、異なる態様で保留表示が表示されるため、興趣を高めることができる。
また、この実施の形態では、特別表示手段は、制限手段によって制限がなされた保留表示に対応する保留記憶にもとづいて識別情報の可変表示が実行されているときに、特別画像を特定態様(本例では第1態様〜第3態様)に変化させやすいように構成されている。そのように構成されることによって、制限手段によって制限がなされた保留表示に対応する保留記憶であっても、当該保留記憶にもとづいて識別情報の可変表示が実行されているときの興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、複数の保留表示が通常態様とは異なる表示態様で表示されている場合には、それらの保留表示に対して制限がなされることはないが、異なる態様で表示する等、何らかの制限を設けるようにしてもよい。例えば、2つの保留表示が通常態様とは異なる表示態様で表示されるときには、後に記憶された保留記憶に対応する保留表示は、先に記憶された保留記憶に対応する保留表示に比べて、目立たないように薄い色や低い輝度で表示されるようにしていてもよい。
また、この実施の形態では、一度セットされた制限フラグは、リセットされないように構成されているが、変動開始時や終了時などの所定のタイミングで制限を見直す処理を行うようにしてもよい。例えば、保留表示実行処理(ステップS800b)において、最初に、全ての制限フラグ、または制限フラグがセットされた入賞時判定結果のうちの最も先に記憶されたものに対応付られた制限フラグのみをリセットする。そして、制限フラグがリセットされた入賞時判定結果(保留表示)に対して、再び制限を行うか否かを判定し、制限を行う場合には制限フラグをセットする。この場合には、制限フラグがリセットされ、再びセットされなかった入賞時判定結果に対応する保留表示を、通常態様(または特定態様)から保留態様に変化させて表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とでそれぞれ記憶する保留記憶数を整合させるために、始動入賞時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、保留記憶数が増加したことを示すコマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100において、コマンドを受信したときに保留記憶数を1加算し、演出図柄の変動開始時に保留記憶数を1減算するように構成されているが、これとは異なる構成であってもよい。例えば、保留記憶数が減少したことを示すコマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を設け、特別図柄の変動開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が増加したことを示すコマンドを受信したときに保留記憶数が1加算され、保留記憶数が減少したことを示すコマンドを受信したときに保留記憶数が1減算される。
なお、上記の実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
上記の実施の形態で示した構成を、上記のような遊技用システムに適用する場合、例えば、特定演出が実行されて大当りとなったことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、特定演出が実行されて大当りとなった回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。