以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動条件が成立した後、変動開始条件が成立したときに、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示手段を備え、該変動表示手段に導出された識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過した、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となるラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。「大当り」としては、複数の種別が設けられている。
「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後に、遊技者にとって有利となる特別遊技状態として、確変状態に制御されるとともに、特別図柄の変動表示時間が短縮される(たとえば、後述する変動パターンとして、変動表示時間が短い変動パターンが選択される)遊技状態(時短状態)に移行する制御が行なわれる。この実施の形態の確変状態は、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、8回)実行されるまで継続可能となる。また、この実施の形態の時短状態は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、20回または100回)実行されるまで継続可能となる。特別遊技状態としては、本実施の形態のように確変状態の他に時短状態が含まれた遊技状態であってもよく、確変状態のみの遊技状態であってもよく、時短状態のみの遊技状態であってもよい。
「確変大当り」としては、時短状態に制御される期間として、第1の期間(特別図柄の変動表示が100回実行されるまでの期間)継続可能となる「確変大当りA」と、時短状態に制御される期間として、第1期間よりも短い第2の期間(特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの期間)継続可能となる「確変大当りB」との複数種類の確変大当りが設けられている。このように、確変大当りAとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が8回実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が100回実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。また、確変大当りBとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が8回実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。
また、「大当り」のうち、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が極めて短い(たとえば、0.1秒間)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当り種類(種別)は、「突然確変大当り」と呼ばれる。突然確変大当りは、このような態様で大入賞口が開放されることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。また、突然確変大当りは、ラウンド数が少なく開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。突然確変大当りとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、8回)実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、20回)実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。「突然確変大当り」は、「突確大当り」という略称で呼ばれる場合もある。
なお、「大当り」の種類(種別)としては、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない大当りの種類(種別)としての「通常大当り」の種類(種別)を所定の割合で発生させる制御を行なうようにしてもよい。また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
また、「大当り」の他に、所定の割合で小当りが発生する制御を行なうようにしてもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。さらに、前述の確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。これにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度の高まる遊技状態となる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメインを示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、確変大当りA、確変大当りB、および、突然確変大当りのいずれかの種別)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、確変大当りAの種別と、確変大当りBの種別と、突然確変大当りの種別とを含む。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、確変大当りAの種別と、確変大当りBの種別と、突然確変大当りの種別とのうちいずれかに決定される。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、確変大当り(確変大当りA、確変大当りBの両方を含む確変大当り)である場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である第1の特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である第2の特殊変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される時短状態(確変状態を含む)であるときと、時短状態でないときとでは、はずれである場合に、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態(確変状態を含む)であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、合算保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、合算保留記憶数が所定個数以上であるときには、合算保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「確変大当りA」は、前述のように、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が20回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。「確変大当りB」は、前述のように、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が100回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。「突然確変大当り」は、前述のように、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が20回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」、のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、「確変大当りB」の判定値数が「確変大当りA」および「突然確変大当り」のそれぞれの判定値数よりも多く設定されている。したがって、第1特別図柄の変動表示が実行される場合、および、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、「確変大当りB」に決定される割合が最も高い。また、「確変大当りA」および「確変大当りB」のような「15ラウンドの大当り」に決定される割合が、「突然確変大当り」のような「2ラウンドの大当り」に決定される割合よりも高くなるように、判定値が設定されている。また、「15ラウンドの大当りのうち」、「確変大当りB」に決定される割合が「確変大当りA」に決定される割合よりも高くなるように、判定値が設定されている。
大当り種別判定テーブル131bでは、大当り種別判定テーブル131aと比べて、「確変大当りA」および「確変大当りB」のそれぞれに決定される割合が高く、「突然確変大当り」に決定される割合が低くなるように判定値が設定されている。
なお、この実施の形態において、第1特図用大当り種別判定テーブルおよび第2特図用大当り種別判定テーブルでは、各大当りの種別が選択される割合が異なるように設定されている。しかし、これに限らず、これらテーブル間で各大当りの種別が選択される割合が等しくなるように設定されてもよい。
また、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りA、確変大当りB)とを決定する場合を説明している。しかし、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、確変大当りAに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、確変大当りBに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、突然確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図13参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞または第2始動入賞の始動入賞時に、大当り判定、大当り種別判定、および、変動パターンカテゴリ(変動パターン種別判定用のランダム2の数値データの更新範囲内において数値データを複数に範囲分けした変動パターン種別の区分)の判定を行なう。このような判定を入賞時判定という。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに、判定結果としての当りはずれ判定結果、大当り種別判定結果、変動パターンカテゴリ判定結果、および、大当りと判定した場合の判定値(通常時大当り判定値(第1判定値)または確変時大当り判定値(第2判定値))を特定するデータを設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行なう。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび突然確変大当り開始指定コマンドがある。大当り開始1指定コマンドは、確変大当りAの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、確変大当りBの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変常大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図8および図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図8および図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図12は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図12に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S215)。具体的に、S215の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S216)。そして、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S218)。そして、CPU56は、入賞時演出処理での入賞時判定の判定結果に基づいて第1始動入賞についての入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S219)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
この実施の形態では、始動入賞に基づく判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドに基づいて保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう、所謂先読み予告が行なわれる場合がある。この実施の形態の場合、先読み予告としては、保留予告演出と、大当り中予告演出とが設けられている。
保留予告演出は、大当り遊技状態中以外の通常遊技状態において、保留記憶データ(保留記憶内のデータ)について、当該保留記憶データに基づいた変動表示により大当りとなるか否かを保留記憶表示の表示態様により示唆する予告報知を行なう予告報知演出である。また、大当り中予告演出は、大当り遊技状態中に記憶された保留記憶データ(保留記憶内のデータ)について、大当り遊技状態中の所定のタイミングで、当該保留記憶データに基づいた変動表示により大当りとなるか否かを示唆する予告報知を行なう予告報知演出である。
保留予告演出および大当り中予告演出による大当りとなるか否かの示唆は、実際に大当りとなるときに行なわれる大当りの示唆と、実際にははずれとなるときに行なわれる大当りの示唆(所謂ガセ)とを含む。保留予告演出においては、大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての保留予告態様のうちから保留予告態様が選択され、選択された保留予告態様で保留予告演出が行なわれる。また、大当り中予告演出においては、大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての大当り中予告態様のうちから大当り中予告態様が選択され、選択された予告演出態様としての大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれる。なお、大当り中予告演出においては、大当りとなる期待度によらず固定的に定められた大当り中予告態様で大当り中予告演出を行なうようにしてもよい。また、大当り中予告演出については、実際に大当りとなることが確定するときにのみ実行するようにしてもよい。たとえば、大当りが複数種別定められている場合には、大当り中予告演出を実行する対象としては、すべての大当り種別を対象としてもよく、次のように一部の大当り種別を対象としてもよい。たとえば、確変大当りと非確変大当りとの種別が設定されている場合には、遊技者にとって有利な確変大当りのみを対象として大当り中予告演出を実行するようにしてもよく、ラウンド数が異なる大当り種別が複数定められているときには、遊技者にとって有利なラウンド数の大当り(たとえば、2ラウンド大当りと15ラウンド大当りとのうちの15ラウンド大当り)のみを対象として大当り中予告演出を実行するようにしてもよい。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)をする(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S225)。
次いで、CPU56は、S216と同様に、入賞時演出処理を実行する(S226)。そして、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理での入賞時判定の判定結果に基づいて第2始動入賞についての入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。
なお、S213〜S219の処理とS223〜S229の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
また、前述した始動口スイッチ通過処理においては、入賞時演出処理(S216)を実行する前に、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、時短状態中(高ベース状態中)であるか否かを判断する処理を行ない、当該処理において、時短状態中でないと判断したときに入賞時演出処理(S216)を実行し、時短状態中であると判断したときに入賞時演出処理(S216)を実行せずに、S217に進むようにしてもよい。その場合には、第1保留記憶データについて、入賞判定結果がない旨を示す入賞時判定結果コマンドをS219により送信すればよい。また、同様に、入賞時演出処理(S226)を実行する前に、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、時短状態中(高ベース状態中)であるか否かを判断する処理を行ない、当該処理において、時短状態中でないと判断したときに入賞時演出処理(S226)を実行し、時短状態中であると判断したときに入賞時演出処理(S226)を実行せずに、S227に進むようにしてもよい。その場合には、第1保留記憶データについて、入賞判定結果がない旨を示す入賞時判定結果コマンドをS219により送信すればよい。このような構成にすれば、高ベース状態中において、保留予告演出の実行が禁止される。このように高ベース状態中において保留予告演出の実行を禁止する例としては、高確率状態(確変状態)かつ高ベース状態の状況と、低確率状態(非確変状態)かつ高ベース状態の状況との両方を含んでもよい。また、大当り遊技状態中においては、大当り中予告演出のような先読み予告を実行しないようにしてもよい。たとえば、入賞時演出処理(S226)を実行する前に、特別図柄プロセスフラグが大当り遊技状態中の値(大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当り終了処理のいずれかに対応する値)にあるかどうかを判断することにより大当り遊技状態中であるか否かを判断し、大当り遊技状態中であると判断したときに、S216の入賞時演出処理を実行せずにS217に進み、また、S226の入賞時演出処理を実行せずにS227に進むようにしてもよい。このような構成にすれば、大当り中予告演出の実行が禁止される。
図13は、S216,S226の入賞時演出処理を示すフローチャートである。図14は、変動パターンカテゴリと変動パターン種別との関係を示す図である。変動パターンカテゴリは、変動パターン種別判定用のランダム2の数値データの更新範囲内において数値データを複数に範囲分けした変動パターン種別の区分である。図15は、通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。図16は、時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。図17は、通常状態確変大当り判定テーブルおよび時短状態確変大当り判定テーブルを示す説明図である。図18は、通常状態突確大当り判定テーブルおよび時短状態突確大当り判定テーブルを示す説明図である。
図13を参照して、入賞時演出処理を説明する。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S216,S226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の左欄に示す通常時大当り判定テーブルの大当り判定値(言い換えると、確変時大当り判定テーブルと通常時大当り判定テーブルとで共通の第1大当り判定値)とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S231)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において、大当りとするか否かの決定、および、大当り種別の決定をし、変動パターン設定処理において変動パターンを決定するのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、いずれの変動パターン種別となるか否かの判定を行なう。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、入賞時演出処理による入賞時の判定結果に基づいて保留記憶データの先読みを行なうことにより、大当り遊技状態に移行させる決定がされるか否かを示唆する報知が行なわれる場合がある。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時大当り判定値と一致しなければ(S231のN)、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定する(S231A)。確変フラグがセットされているときに、CPU56は、S216,S226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値(第1大当り判定値)以外の判定値(すなわち、確変時大当り判定値としての第2大当り判定値)とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S232)。前述したように、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値は、図7(B)の左欄に示す通常時の大当り判定値と共通の大当り判定値に、確変時固有の大当り判定値が加えられたものである。したがって、S231では、通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値(第1大当り判定値)で大当り判定が行なわれ、S232では、確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値(第2大当り判定値)で大当り判定が行なわれることとなる。これにより、遊技状態が通常状態であっても確変状態であっても、ランダムRが通常時および確変時で共通の大当り判定値であるときには、S231で通常時の大当り判定値と一致していると判定される。そして、ランダムRが確変時固有の大当り判定値であるときには、S232で確変時の大当り判定値と一致していると判定される。なお、入賞時演出処理において用いる大当り判定値は、前述のように通常時大当り判定値と確変時大当り判定値とを使い分けず、通常時大当り判定値のみを用いるようにしてもよい。このようにすれば、入賞時演出処理において先読みをする段階でその後変動表示を開始するまでの間に遊技状態(確変状態か否か)が変化するか否かを判断しなくても、先読みをする段階で大当りとなると判断した保留記憶データがはずれとなる保留記憶データとなってしまい予告内容が実際の変動表示と整合しなくなるのを防ぐことができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S232のN)、S235に進む。
一方、S231またはS232で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)には、S231による通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値(第1大当り判定値)と、S232の判定による確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値(第2大当り判定値)とのどちらの大当り判定値の種別で大当り判定をしたかを示すデータをRAM55に記憶する(S233)。このようにどちらの大当り判定値の種別で大当り判定をしたかを示すデータをRAM55に記憶するのは、後述するように、どちらの大当り判定値の種別で大当り判定をしたかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせるために、入賞時判定結果指定コマンドとして、当該データを含むコマンドを送信するために用いるからである。
そして、CPU56は、S216,S226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定し(S234)、S235に進む。
S235では、S215またはS225により第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶された最新の第1始動入賞または第2始動入賞の保留記憶情報のうち、変動パターン種別判定用のランダム2の数値データと、後述するカテゴリ判定テーブルとを用いて、ランダム2の数値データが属する範囲に対応するカテゴリを判定する処理を行なう(S235)。図14を用いて説明するように、ランダム2の数値データに対して各変動パターン種別の振分けの割合は、はずれとなるときと大当りとなるときとで異なり、また、時短状態であるときと時短状態でないときとで異なり、さらに、保留記憶数が所定数未満であるときと所定数以上であるときとで異なる。
ここで、図14を参照して、ランダム2の値(詳細な数値は図示省略)と、変動パターンカテゴリと、変動パターン種別との関係を代表例を用いて説明する。図14においては、合算保留記憶数が「0」のときに始動入賞が発生して合算保留記憶数が「1」となり、その始動入賞に基づいた変動表示を行なうときの保留記憶データの例である通常保留記憶1(はずれ)、時短保留記憶1(はずれ)、および、通常保留記憶1(大当り)と、合算保留記憶数が「3」のときに始動入賞が発生して合算保留記憶数が「4」となり、その始動入賞に基づいた変動表示を行なうときの保留記憶データの例である通常保留記憶4(はずれ)、時短保留記憶4(はずれ)、および、通常保留記憶4(大当り)とが代表例として示されている。
通常保留記憶1(はずれ)および通常保留記憶4(はずれ)は、通常状態(時短状態および確変状態以外の状態)ではずれとなる保留記憶データである。時短保留記憶1(はずれ)および時短保留記憶4(はずれ)は、時短状態(確変状態含む)ではずれとなる保留記憶データである。通常保留記憶1(大当り)は、通常状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)となる保留記憶データである。時短保留記憶4(大当り)は、時短状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)となる保留記憶データである。
合算保留記憶数は、始動入賞の発生に応じて図11のS218またはS228により加算更新され、変動表示開始時に、図23、図24の特別図柄通常処理において保留記憶データが読出された後にS58で減算更新される。したがって、合算保留記憶数が、0のときに1つの始動入賞が発生した場合を例にとると、合算保留記憶数は、始動入賞の発生に応じて図11のS218またはS228により加算更新されて「1」となり、変動表示開始時には、図23、図24の特別図柄通常処理において保留記憶データが読出された後にS58で減算更新されて「0」となることにより、変動パターンの決定時には「0」となる。変動パターンの決定時には、そのように演算された合算保留記憶数(0〜7)に基づいて、後述する図25の変動パターン決定時におけるS96,S99により、変動短縮制御をするか否かが判定されて変動パターンを決定するために用いるデータテーブルが決定される(この実施の形態では、S96,S99により、変動パターン決定時における変動パターン決定時における合算保留記憶数が3以上のときに変動短縮制御をすると決定され、合算保留記憶数が3未満のときに変動短縮制御をしないと決定される)。
図14において、通常保留記憶1(はずれ)および時短保留記憶1(はずれ)については、変動パターン決定時において合算保留記憶数に応じた変動短縮制御をしない決定がされたときに用いられる変動パターン種別の割合が示され、通常保留記憶4(はずれ)および時短保留記憶4(はずれ)については、変動パターン決定時において合算保留記憶数に応じた変動短縮制御をする決定がされたときに用いられる変動パターン種別の割合が示されている。
始動入賞時においては、合算保留記憶数に関係なく、ランダム2の数値データが属する範囲に対応する変動パターン種別のカテゴリを判定する。一方、変動表示の開始時においては、変動パターンを決定するときに、当該タイミング(変動パターン決定時)の合算保留記憶数に応じて変動短縮制御をするか否を判定して、ランダム2の数値データが属する範囲に対応する変動パターン種別を決定する。
ランダム2の数値範囲内(1〜251)においては、たとえば、「通常変動(非リーチ変動)」、「ノーマルリーチ変動」、および、「スーパーリーチ変動」の順番で、変動パターンの種別が設定されている。これら変動パターンの種別の割合は、通常状態(非時短状態)および時短状態(確変状態での時短状態も含む)のような遊技状態と、大当りか否か(はずれか)と、変動パターン決定時の合算保留記憶数との関係に基づいて、複数種類設定されている。この実施の形態では、始動入賞時に合算保留記憶数が所定数以上となったとき(始動入賞時に4以上であって、内部処理による演算により変動パターン決定時には3以上)に、保留記憶数の消化効率を高めるために、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する(たとえば、比較的短い変動表示時間の変動パターンの選択割合を高くすることにより平均的変動表示時間を短縮する)制御である変動短縮制御が行なわれる。
たとえば、通常状態については、はずれとする決定がされたときに、合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれない(始動入賞時に加算された合算保留記憶数が1〜3、すなわち、ご変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2)とき(たとえば、図中の「通常保留記憶1(変動パターン決定時の合算保留記憶数が1となる例)」)と、保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれる(始動入賞時に加算された合算保留記憶数が4〜8、すなわち、ご変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7)とき(たとえば、図中の「通常保留記憶4(変動パターン決定時の合算保留記憶数が4となる例)」)とに分けて、変動パターンの種別の割合が設定されている。具体的に、合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれないときについては、ROM54に記憶された通常はずれ時第1判定テーブルに、ランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれるときについては、ROM54に記憶された通常はずれ時第2判定テーブルに、ランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。
通常状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の「通常保留記憶4(変動パターン決定時の合算保留記憶数が3となる例)」)には、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の「通常保留記憶1(変動パターン決定時の合算保留記憶数が1となる例)」)と比べて、変動パターン決定時において、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動パターン変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いようにデータが設定されている。
また、時短状態については、はずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の「時短保留記憶1(変動パターン決定時の合算保留記憶数が1となる例)」)と、前述の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の「時短保留記憶4(変動パターン決定時の合算保留記憶数が3となる例)」)とに分けて、変動パターンの種別の割合が設定されている。
図14に示す変動パターン種別の割合は、後述する特別図柄プロセス処理の変動パターン設定処理で用いられる図15〜図18に示す遊技状態別の判定テーブルにより設定されている。
図15〜図18の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図15〜図18に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図15〜図18の各テーブルでの変動パターンの欄において、「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」と「第2ノーマルリーチ」とは、変動表示時の背景が異なる。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「第1スーパーリーチ」は、第1の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第2スーパーリーチ」は、第2の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第3スーパーリーチ」は、第3の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第1特殊ノーマルリーチ」および「第2特殊ノーマルリーチ」は、突確大当り用の「ノーマルリーチ」であり、たとえば、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」と比べて変動時間が短い。また、「第1特殊スーパーリーチ」〜「第3特殊スーパーリーチ」は、突確大当り用の「スーパーリーチ」であり、たとえば、「第1スーパーリーチ」〜「第3スーパーリーチ」と比べて変動時間が短い。なお、突確大当り用の変動パターンは、突確大当り以外の大当り種別の変動パターンと共通の変動パターンを用いるようにしてもよい。なお、「第1ノーマルリーチ」と「第2ノーマルリーチ」との相違点、「第1スーパーリーチ」と「第2スーパーリーチ」と「第3スーパーリーチ」との相違点、「第1特殊ノーマルリーチ」と「第2特殊ノーマルリーチ」との相違点、および、「第1特殊スーパーリーチ」と「特殊第2スーパーリーチ」と「第3特殊スーパーリーチ」との相違点は、それぞれ変動表示時の背景が異なるものであってもよいが、変動表示時の背景が異なるものではなく、たとえば、変動表示時に表示されるキャラクタが異なるもの、または、変動表示時における図柄の変動態様(たとえば、変動方向)が異なるもの等、遊技者が何らかの形で異なる変動表示であることを認識できるものであればよい。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当りA」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当りA」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当りB」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当りB」の表示結果となる変動パターンである。「突確大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「突確大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「第1スーパーリーチ はずれ」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図15〜図18のテーブルにおいて、「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図15(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が230〜251の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチ」とすることが決定される。
また、図15〜図18のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図15(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1ノーマルリーチ はずれ」、「第2ノーマルリーチB はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「第1スーパーリーチ はずれ」、「第2スーパーリーチ はずれ」、および、「第3スーパーリーチ はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
図14に示すように、通常状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の時短保留記憶4)は、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の時短保留記憶1)と比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図15の通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルにデータが設定されている。図15(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のときに用いられる。図15(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のときに用いられる。
また、図14に示すように、時短状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の時短保留記憶4)は、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の時短保留記憶1)と比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図16の時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルにデータが設定されている。図16(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のときに用いられる。図16(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のときに用いられる。
また、図14に示すように、通常状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、または、突確大当り)とする決定がされたとき(たとえば、図中の「通常大当り保留記憶1(大当り)」)と、時短状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、または、突確大当り)とする決定がされたとき(たとえば、図中の「時短大当り保留記憶4(大当り)」)とのそれぞれについては、必ずリーチ変動となるが、はずれとする決定がされたときと比べて、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合よりも「スーパーリーチ変動」に決定される割合の方が高くなるように、図17の通常状態確変大当り時判定テーブルおよび時短状態確変大当り時判定テーブルと、図18の通常状態突確大当り時判定テーブルおよび時短状態突確大当り時判定テーブルとのそれぞれにデータが設定されている。図17(a)の通常状態確変大当り時判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のときに用いられる。図17(b)の時短状態確変大当り時判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のときに用いられる。図18(a)の通常状態突確大当り時判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のときに用いられる。図18(b)の時短状態突確大当り時判定テーブルは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のときに用いられる。
また、図14に示すように、大当りとする決定がされたときには、はずれとする決定がされたときとは異なり、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合と「スーパーリーチ変動」に決定される割合との関係が、通常状態、時短状態、合算保留記憶数に関係なく一定の割合(同じ割合)となるように、図17(a)の通常状態確変大当り時判定テーブルおよび図17(b)の時短状態確変大当り時判定テーブルと、図18の通常状態突確大当り時判定テーブルおよび時短状態突確大当り時判定テーブルとのそれぞれにデータが設定されている。
なお、突確大当りとなるときには、確変大当りA,Bとなるときと異なる割合で変動パターンの種別を決定するようにデータを設定してもよい。
図14に示すように、カテゴリAは、はずれとする決定がされる場合に、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリAに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ず通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリAは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリAに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずノーマルリーチ変動に決定される。
カテゴリBは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリBに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ず通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリBは、大当りとする決定がされる場合に、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリBに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリCは、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶1(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶4のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときには、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶1(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶4(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリCは、はずれとする決定がされる場合は、時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときは、遊技状態が時短状態であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリCは、大当りとする決定がされる場合に、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリDは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときは、遊技状態が通常状態であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定される。また、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の時短保留記憶1(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、前述の変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶4のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときには、遊技状態が時短状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶1(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、遊技状態が時短状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶4(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリDは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらである)とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときは、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリEは、はずれとする決定がされる場合に、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリEに属するときには、遊技状態と変動パターン決定時の合算保留記憶数とのそれぞれに関わらず、変動パターン決定時において、変動パターン種別が必ずノーマルリーチ変動に決定される。また、カテゴリEは、大当りとする決定がされる場合に、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリEに属するときは、遊技状態と変動パターン決定時の合算保留記憶数とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリFは、大当りとする決定がされる場合およびはずれとする決定がされる場合において、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶1のような0〜2の数と、図中の保留記憶4のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である(たとえば、ランダム2の230〜251の範囲)。したがって、大当りとする決定がされる場合およびはずれとする決定がされる場合のそれぞれにおいて、ランダム2の数値データの値がカテゴリFに属するときは、遊技状態と変動パターン決定時の合算保留記憶数とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
図14に示すようなランダム2の数値データと、変動パターンのカテゴリとの関係は、ROM54に記憶されたカテゴリ判定テーブルに設定されている。始動入賞があったときに、図13のS235においては、始動入賞の発生時に抽出されたランダム2の数値データと、カテゴリ判定テーブルとを用いて、ランダム2の数値データに対応するカテゴリが判定される。なお、S235においては、カテゴリ判定テーブルを用いずに、プログラムとして、前述のようなカテゴリA〜Fのそれぞれに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定するために予め設定された閾値データを用いて、抽出されたランダム2の数値データが、どのカテゴリに該当するかを判定する一連の処理ステップを含む処理を設けてもよい。そして、このようなプログラムを呼出して実行することにより、前述のようなカテゴリ判定テーブルを用いずに、抽出されたランダム2の数値データがどのカテゴリに属するかを判定することができる。
図13を参照して、CPU56は、S231〜S232,S234,S235による判定結果、および、S233で記憶されたデータに基づいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらの入賞時判定結果であるか、当りはずれ、大当り種別、および、変動パターンカテゴリに関する情報を指定し、かつ、大当りとする判定がされた場合は第1大当り判定値(通常時大当り判定値)と第2大当り判定値(確変時大当り判定値)とのどちらに基づいて大当り判定されたかという情報を含む入賞時判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信するためのデータ(コマンドデータ)を設定する処理を行なう(S236)。
たとえば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、次のようにコマンドデータが設定される。はずれと判定された場合には、次のようにコマンドデータが設定される。「はずれと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「00(H)」を設定する処理を行なう。「はずれと判定し、かつ、カテゴリBの変動パターンカテゴリであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「01(H)」を設定する処理を行なう。このように、「はずれと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「00(H)」〜「05(H)」のコマンドデータが設定される。
また、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合において、大当りと判定された場合には、次のようにコマンドデータが設定される。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「06(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「07(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「06(H)」〜「0B(H)」のコマンドデータが設定される。
「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「10(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「11(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「10(H)」〜「15(H)」のコマンドデータが設定される。
「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「16(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「17(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「16(H)」〜「1B(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「20(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「21(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「20(H)」〜「25(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「26(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「27(H)」を設定する処理を行なう。このように、「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「26(H)」〜「2B(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「30(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「31(H)」を設定する処理を行なう。このように、「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定した場合には、カテゴリA〜Fに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「30(H)」〜「35(H)」のコマンドデータが設定される。
EXTデータが「00(H)」〜「35(H)」であるコマンドは、前述のように、第1始動入賞口13に始動入賞したときに用いられるコマンドであり、EXTデータが「00(H)」〜「35(H)」の範囲内にあるか否かに基づいて、第1始動入賞口13への始動入賞に対応した第1保留記憶の入賞時判定結果を示すコマンドであるか否かを示すことができる。
また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、第1始動入賞口13への始動入賞の場合と区別できる態様で、第1始動入賞口13への始動入賞の場合と同様に、EXTデータ「40(H)」〜「75(H)」により、当りはずれ、大当り種別、および、第1,第2のどちらの大当り判定値に基づいて大当り判定されたかを指定するコマンドデータを設定する。このように、EXTデータが「40(H)」〜「75(H)」であるコマンドは、第2始動入賞口14に始動入賞したときに用いられるコマンドであり、EXTデータが「40(H)」〜「75(H)」の範囲内にあるか否かに基づいて、第2始動入賞口14への始動入賞に対応した第2保留記憶の入賞時判定結果を示すコマンドであるか否かを示すことができる。
次に、パチンコ遊技機1の演出表示装置9で実行される演出の表示例を説明する。図19は、演出表示装置9で実行される変動表示の表示例を示す表示画面図である。
図19(A)においては、演出表示装置9において、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄が停止表示されている状態が示されている。演出表示装置9においては、表示画面における下部左側の表示領域が、第1保留記憶表示部18cの表示領域として割当てられており、表示画面における下部右側の表示領域が、第2保留記憶表示部18dの表示領域として割当てられている。第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいては、1つの保留記憶データが発生するごとに、表示領域の左側から右側に向けて白色の丸印等の所定の色および形状よりなる保留記憶画像180が1つずつ追加される態様で表示される。このような保留記憶画像180の表示数により、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて、保留記憶数が示される。したがって、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいては、最も左側に表示されている保留記憶画像180が最も過去の保留記憶データを示している。
第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれに表示された保留記憶画像180は、第1特別図柄および第2特別図柄のうち対応する特別図柄の変動表示が開始されるときに、最も左側の画像が消去され、残りの保留記憶画像180が順次左側にシフトする態様で、更新表示される。このように、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれに表示された保留記憶画像180は、新たな始動入賞に基づく保留記憶データの発生に応じて1ずつ増加表示され、新たな特別図柄の変動表示の開始に応じて、1ずつ減少表示されることとなる。
第1保留記憶数と第2保留記憶数とのうち、保留記憶数が多い方の保留記憶データが優先的に変動表示に用いられるので、図19(A)に示すように、第2保留記憶表示部18dに表示される第2保留記憶数が、第1保留記憶表示部18cに表示される第1保留記憶数よりも多いときには、第2保留記憶データに基づく変動表示が優先して実行される。したがって、このような状態では、図19(B)に示すように、第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示が優先して実行されるために、演出表示装置9において、第2保留記憶表示部18dでの第2保留記憶数が1つ減少し、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで第2特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が開始される(下向きの矢印は、図柄が変動している状態を示している)。
そして、図19(B)で開始された演出図柄の変動表示が図19(C)に示すように停止すると、残りの保留記憶データに基づく変動表示が図19(D)に示すように開始される。図19(C)に示す状態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数となっている。この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときには、第2保留記憶データの方が優先的に変動表示に用いられる。したがって、図19(D)に示すように、第2保留記憶表示部18dでの第2保留記憶数が1つ減少し、演出図柄の変動表示が開始される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときには、第1保留記憶データの方を優先的に変動表示に用いられるようにしてもよい。このようにすれば、第1保留記憶データが生じやすい低ベース状態(非時短状態)において、第1始動入賞口13への始動入賞に関する無効な入賞を低減することができる。
そして、図19(D)で開始された演出図柄の変動表示が図19(E)に示すように停止すると、残りの保留記憶データに基づく変動表示が図19(F)に示すように開始される。図19(E)に示す状態では、第1保留記憶数のみが残っているので、図19(F)に示すように、第2保留記憶表示部18cでの第1保留記憶数が1つ減少し、演出図柄の変動表示が開始される。
以上に説明したように、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、保留記憶数が多い方の特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、保留記憶数の上限値による制限により第1保留記憶または第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで保留記憶数が同数のときには、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり、第2保留記憶データが生じやすくなる時短状態中において、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。
図20は、先読み予告としての保留予告演出が実行されるときの代表的な演出例を示す表示画面図である。図20においては、(1A)〜(1F)に、2つの保留記憶データのそれぞれを対象として、第1予告演出態様としての第1保留予告態様による保留予告演出と、第2予告演出態様としての第2保留予告態様による保留予告演出とが同時に実行された例が示されている。また、図20においては、(2A)〜(2F)に、2つの保留記憶データのそれぞれを対象として、第2予告演出態様による保留予告演出と、第3予告演出態様としての第3保留予告態様による保留予告演出とが同時に実行された例が示されている。
図20(1A)に示すように、第1保留記憶数の方が第2保留記憶数よりも多きときには、第1保留記憶データに基づく第1特別図柄の変動表示が優先して実行されるために、図20(1B)に示すように、第1保留記憶表示部18cでの第1保留記憶数が1つ減少し、演出図柄の変動表示が開始される。
そして、演出図柄の停止状態および演出図柄の変動表示中状態等、大当り遊技状態以外の状態においては、たとえば、図20(1C)〜(1F)、または、図20(2C)〜(2F)に示すように、第1始動入賞または第2始動入賞の発生に応じて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データが新たに記憶されることに基づいて、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留記憶画像180を追加する表示が行なわれる。
保留予告演出が実行されないときには、図20(1D)のように、白色の丸印等の所定の色および形状よりなる通常の保留記憶画像180が追加表示される。保留予告演出が実行されるときには、図20(1C),(1E)または(2C,),(2E)のように、追加表示される保留記憶画像180が、大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた保留予告態様のうちから選択された保留予告態様で表示される。
図20(1C)に示す黒色の丸印は、保留予告演出における第1保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。図20(1E),(2C)に示す黒色の三角印は、保留予告演出における第2保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。図20(2E)に示す黒色の四角印は、保留予告演出における第3保留予告態様の保留記憶画像180の表示である。これら第1保留予告態様〜第3保留予告態様について設定されている大当りとなる期待度の大小関係は、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様である。
保留予告演出を実行するか否かは、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100において、各保留記憶データが生じるごとに所定の条件に基づいて判定し、表示結果が大当りとなるときには、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様という割合の大小関係で保留予告態様が選択され、表示結果が大当りとならないときには、第1保留予告態様>第2保留予告態様>第3保留予告態様という割合の大小関係で保留予告態様が選択される。これにより、大当りとなる期待度の大小関係は、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様となるように設定されている。
このように、保留予告演出については、各保留記憶データを対象として、大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた保留予告態様のうちから選択された保留予告態様で保留予告演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を煽ることができる。また、保留予告演出については、各保留記憶データを対象として、保留予告演出が行なわれるので、複数の保留記憶データを対象として保留予告演出が行なわれるときに遊技者の期待感をより一層煽ることができる。
また、保留予告演出については、演出制御用マイクロコンピュータ100により、次のような制限が行なわれる。いずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告態様以上となる予告表示態様による保留予告演出が許可され、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告態様よりも低い予告表示態様による保留予告演出が禁止される。
より具体的には、図20(1E)に示すように、先に第1保留予告態様で保留予告演出が行なわれている状態において、大当りとなる期待度が第1保留予告態様以上の第2保留予告態様(第1保留予告態様、第3保留予告態様も同様)による保留予告演出の追加が許可される。図20(2E)に示すように、先に第2保留予告態様で保留予告演出が行なわれている状態において、大当りとなる期待度が第2保留予告態様以上の第3保留予告態様による保留予告演出の追加も許可される。一方、たとえば、先に第3保留予告態様で保留予告演出が行なわれている状態において、大当りとなる期待度が第3保留予告態様未満の第2保留予告態様(第1保留予告態様も同様)による保留予告演出の追加が禁止される。
このように、先にいずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が先に行なわれている保留予告態様以上となる予告表示態様による保留予告演出が許可されるので、保留予告演出により遊技者の期待感をより一層煽ることができる。さらに、先にいずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が先に行なわれている保留予告態様よりも低い予告表示態様による保留予告演出が禁止されるので、保留予告演出により遊技者を興醒めさせないようにすることができる。これにより、保留記憶に基づく変動表示に対して行なう保留予告演出について、遊技の興趣を向上させることができる。
また、後に生じた保留記憶データに基づいて行なう保留予告演出は、先に生じた保留記憶データに基づいて行なう保留予告演出が、当該変動表示が大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否か、および、後に生じた保留記憶データに基づいて行なう保留予告演出が、当該変動表示が大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否かにかかわらず、当該後に行なう保留予告演出の保留予告態様の期待度が、先に行なわれている保留予告演出の保留予告態様の期待度以上であるときには、実行が許可される。これにより、保留記憶データにより行なう変動表示が大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否かにかかわらず、先に行なわれている保留予告演出と、後に行なわれる保留予告演出との複数の保留予告演出を並行して実行する頻度を担保することが可能となり、保留予告演出についての遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が最も低い第1保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が先に行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が最も低い第1保留予告態様による保留予告演出が禁止される。これにより、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が最も低い第1保留予告態様が続いて実行されず、第1保留予告態様よりも期待度が高い保留予告態様に限定した保留予告演出が行なわれることとなるので、遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、先にいずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が先に行なわれている保留予告態様と同等となる予告表示態様による保留予告演出は禁止するように設定してもよい。また、このような後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が先に行なわれている保留予告態様と同等となる予告表示態様による保留予告演出は、全面的に禁止するのではなく所定割合で禁止するようにしてもよい。このようにすれば、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が同等であっても、保留予告演出数が増加することに基づいて、保留予告演出により遊技者の期待感を煽ることができる。
図21および図22は、先読み予告としての大当り中予告演出が実行されるときの代表的な演出例を示す表示画面図である。図21においては、(1A)〜(1D)に、大当り中予告演出が実行されないときの表示例が示されている。また、図21においては、(2A)〜(2D)に、第1大当り中予告態様での大当り中予告演出が実行されるときの表示例が示されている。図22においては、(3A)〜(3D)に、第2大当り中予告態様での大当り中予告演出が実行されるときの表示例が示されている。また、図22においては、(4A)〜(4D)に、第3大当り中予告態様での大当り中予告演出が実行されるときの表示例が示されている。
図21(1A)〜(1D)を参照して、(1A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(1B),(1C)に示すように第1ラウンド〜第9ラウンドの大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。大当り遊技状態の演出においては、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示が行なわれない。そして、大当り中予告演出が実行されないときには、図21(1D)に示すように第10ラウンド以降も、大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。なお、大当り遊技状態中においては、前述のような保留予告演出が実行されない態様で、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dによる保留記憶表示を行なうようにしてもよい。
図21(2A)〜(2D)、図22(3A)〜(3D)、または、図22(4A)〜(4D)を参照して、(2A),(3A)または(4A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(2B),(2C)、(3B),(3C)または(4B),(4C)に示すように第1ラウンド〜第9ラウンドの大当り遊技状態の演出が特定のキャラクタを表示せずに行なわれる。そして、第9ラウンドが終了したタイミングにおいて、大当り遊技状態中に生じた第1保留記憶データおよび第2保留記憶データ中に、表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなる保留記憶データが含まれているか否かを判定した後、(2D),(3D)または(4D)に示すように、第10ラウンドが開始したタイミングにおいて、大当りとなる期待度に応じて複数種類定められた予告演出態様としての大当り中予告態様のうちから選択された大当り中予告態様で大当り中予告演出が行なわれる。
図21(2D)に示す第1キャラクタ94Aは、大当り中予告演出における第1大当り中予告態様の表示である。図22(3D)に示す第2キャラクタ94Bは、大当り中予告演出における第2大当り中予告態様の表示である。図22(4D)に示す第3キャラクタ94Bは、大当り中予告演出における第3大当り中予告態様の表示である。これら第1大当り中予告態様〜第3大当り中予告態様について設定されている大当りとなる期待度の大小関係は、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様である。
大当り中予告演出を実行するか否かは、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100において、第9ラウンドが終了したタイミングにおいて所定の条件(大当り中予告選択有無判定用の乱数SR5が大当り中予告演出を実行する数値データとなるか否かという条件)に基づいて判定し、表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様という割合の大小関係で大当り中予告態様が選択され、表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとならないときには、第1大当り中予告態様>第2大当り中予告態様>第3大当り中予告態様という割合の大小関係で保留予告態様が選択される。これにより、大当りとなる期待度の大小関係は、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様となるように設定されている。
大当り遊技状態中において所定期間が経過した段階(たとえば、第9ラウンドが終了したタイミング)において、当該大当り特定遊技状態中に保留記憶された第1保留記憶データおよび第2保留記憶データについて、確変大当りAまたは確変大当りBとなる期待度に応じて選択した予告表示態様により、大当りとなるか否かが予告報知されるので、遊技者の期待感を煽ることができる。パチンコ遊技機では、大当り遊技状態中において、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dで行なうような保留記憶表示を行なわないのが一般的(保留記憶表示を行なわない遊技機の割合が多い)であるので、大当り遊技状態中に保留記憶表示において特定の変動表示への期待度に応じた大当り中予告演出をすると演出が不自然になる。これに対し、前述した大当り中予告演出のように、大当り遊技状態中において所定期間が経過した段階において確変大当りAまたは確変大当りBとなる期待度に応じて選択した予告表示態様により大当り中予告演出が行なわれるので、演出の不自然さが生じないようにすることができる。
なお、大当り中予告演出を実行するか否かの判定は、前述した保留予告演出のように、大当りとなる期待度として、突確大当りとなる期待度も含めて判定するようにしてもよい。
また、大当り中予告演出としては、所定期間が経過した段階(たとえば、第9ラウンドが終了したタイミング)において、当該大当り特定遊技状態中に保留記憶された第1保留記憶データおよび第2保留記憶データについて、確変大当りAまたは確変大当りBとなる保留記憶データの個数を判別し、判別した個数に応じて異なる割合で、複数種類の大当り中予告態様から実行する大当り中予告態様を選択するようにしてもよい。たとえば、第1大当り中予告態様と、第2大当り中予告態様とが設けられている場合に、判別した個数が1個のときは、第1大当り中予告態様を選択する割合が高く、判別した個数が複数個のときは、第2大当り中予告態様を選択する割合が高くなるように設定してもよい。そのように構成すれば、より一層遊技者の期待感を煽ることができる。なお、第1大当り中予告態様と、第2大当り中予告態様と、第3大当り中予告態様との3種類の大当り中予告態様が設けられている場合に、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様という大小関係で、確変大当りAまたは確変大当りBとなると判別した個数が多くなる期待度が高くなるように設定してもよい。
また、大当り中予告演出としては、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、いずれか一方の特別図柄のみを対象として、大当り特定遊技状態中に保留記憶された保留記憶データについて、確変大当りAまたは確変大当りBとなる期待度に応じて選択した予告表示態様により、予告報知する制御を行なうようにしてもよい。そのように構成しても、遊技者の期待感を煽ることができる。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S50)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるか否かを判定する(S52)。具体的には、図12の第1保留記憶バッファに記憶されている第1保留記憶数と、第2保留記憶バッファに記憶されている第2保留記憶数とを確認し、これらが一致するか否かを確認する。
第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるときには、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定し(S54)、S58に進む。これにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるときには、第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることとなる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるときには、第1特別図柄の変動表示を優先して実行する処理を行なうように特別図柄通常処理を構成してもよい。
一方、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数でないときには、第1保留記憶数の方が第2保留記憶数よりも多いか否かを判定する(S52)。具体的には、図12の第1保留記憶バッファに記憶されている第1保留記憶数と、第2保留記憶バッファに記憶されている第2保留記憶数とを確認し、これらを比較する。
第1保留記憶数の方が第2保留記憶数よりも多いときには、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定し(S53)、S58に進む。これにより、第1保留記憶数の方が第2保留記憶数よりも多いときには、第1特別図柄の変動表示が優先して実行されることとなる。一方、第1保留記憶数の方が第2保留記憶数よりも多くないとき、すなわち、第2保留記憶数の方が第1保留記憶数よりも多いときには、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定し(S53)、S58に進む。これにより、第2保留記憶数の方が第1保留記憶数よりも多いときには、第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることとなる。
この実施の形態では、S51〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、保留記憶数が多い方の変動表示が優先して実行され、保留記憶数が同数のときには、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。このように保存したカウンタ値は、始動入賞により増加した保留記憶数に基づいて行なう所定の演出の演出内容を選択するために用いられる。なお、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値については、始動入賞により増加した保留記憶数に基づいて行なう演出に用いる必要がないときは、RAM55に保存しないようにしてもよい。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214Aや始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りA」、「確変大当りB」、または、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214Aや始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図7(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当りB」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当りA」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当りB」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りA変動パターン種別判定テーブル、確変大当りB変動パターン種別判定テーブル、および、突然確変大当り変動パターン種別判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S95のY)、CPU56は、S99に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。合算保留記憶数が3未満であれば(S96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図15(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S97)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上である場合(S96のY)に、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図15(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S98)。そして、S102に移行する。通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルは、たとえば、図14の「通常保留記憶4(はずれ)」に対応して示すような割合で変動パターン種別が設定されたデータテーブルであり、通常状態はずれ時第1判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターン(非リーチ変動パターン)の選択割合が高く設定されている。これにより、通常状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
また、時短フラグがセットされている場合(S95のY)、CPU56は、合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上であるか否かを確認する(S99)。合算保留記憶数が3未満であれば(S99のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、図16(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S100)。そして、S102に移行する。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合には、通常状態で合算保留記憶数が3以上であるときと同様に、通常状態において合算保留記憶数が3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。この実施の形態場合、時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルと、通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルとは、図14で示したように、各変動パターン種別が同様の割合で設定されている。なお、時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルの方が、通常状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルよりも変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるようにデータを設定してもよい。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
合算保留記憶数が3以上である場合(S99のY)に、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択する(S101)。そして、S102に移行する。時短状態はずれ時第2判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルは、たとえば、図14の「時短保留記憶4(はずれ)」に対応して示すような割合で変動パターン種別が設定されたデータテーブルであり、時短状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターンの選択割合が高く設定されている。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、時短変動の変動表示を行なわないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常状態はずれ時第1判定テーブルに含まれる変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92、S97,S98,S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、前述のように変動パターン種別に対応して設けられた変動パターン判定テーブルを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S101,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S114に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りAであるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S111,S112)。確変大当りAであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる(S111)。大当りの種別が確変大当りAでなく、確変大当りBであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S111A,S112B)。確変大当りBであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる(S111A)。また、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAおよび確変大当りBでないとき、すなわち、突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S113)。突然確変大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる(S113)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S115)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りAである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が、確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S135A)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、確変大当りA,Bの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
次いで、大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S140)。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S141)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S142)。
なお、CPU56は、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合、たとえば、時短状態に移行した後、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短回数を管理するようにしてもよい。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態指定コマンドを受信すると、時短回数カウンタに所定値(たとえば100)をセットし、演出図柄の変動表示を実行するごとに時短回数カウンタの値を1減算して、時短回数の残り回数を管理するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、時短回数指定コマンド、または、独自に管理する時短回数のデータに基づいて認識される時短状態の残り回数を、演出表示装置9で表示する処理を行なうようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(S143のY)、時短フラグをリセットする(S144)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S145)。
次いで、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S146)。確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(S147)。そして、確変回数カウンタの値が0になった場合には(S148のY)、確変フラグをリセットする(S149)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S150)。S146で確変フラグがセットされていないと判断された場合、確変回数カウンタの値が0になっていないと判断された場合、または、S150で時短状態指定コマンドを送信した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S151)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りAであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りBであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S161)。本実施の形態の場合、すべて大当りの種別が、大当り遊技状態の終了後に所定期間に亘り確変状態(時短状態を含む)とするからである。そして、確変回数カウンタに「8」の値をセットする(S162)。これにより、確変状態は、最大限、特別図柄の変動表示が8回実行されるまで継続することとなる(S148,S149参照)。また、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S163)。本実施の形態の場合、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるときに、予め定められた期間に亘り時短状態とするからである。そして、時短状態が継続可能な時短回数として、大当りの種別に応じて、特別図柄の変動表示が20回または100回のいずれにするかを決定する時短回数決定処理を実行する(S164)。具体的に、S164では、確変大当りAであったときには時短回数を100回に決定し、確変大当りBまたは突然確変大当りであったときには時短回数を20回に決定する。なお、時短回数決定処理では、たとえば、時短回数を決定するための乱数値(時短回数決定用乱数値)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて時短回数を20回または100回のいずれかにするかを決定するようにしてもよい。これにより、時短状態は、大当り遊技の終了後、20回または100回の特別図柄の変動表示が実行されるまで継続されることになる(S143,S144参照)。そして、CPU56は、時短回数決定処理で決定した時短回数(20回または100回)を示す値を時短回数カウンタにセットする(S165)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S165A)。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S166)。
次に、前述した保留予告演出を選択するか否かを判定する保留予告選択有無判定テーブルについて説明する。図30は、保留予告選択有無判定テーブルを示す説明図である。
保留予告選択有無判定テーブルは、保留予告演出を選択するか否かを判定するために用いる保留予告選択有無判定用の乱数としてのSR3(1〜100)の数値データが、保留予告演出を選択する「保留予告選択」と、保留予告演出を選択しない「保留予告非選択」とに割振られているデータテーブルであり、演出制御基板80におけるROMに記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、SR3の抽出値に基づいて、保留予告演出有無判定テーブルを用い、保留予告演出を実行する選択をするか否かの判定をする。
保留予告選択有無判定テーブルは、(A)の確変大当りA時保留予告選択有無判定テーブル、(B)の確変大当りB時保留予告選択有無判定テーブル、(C)の突確大当り時保留予告選択有無判定テーブル、および、(D)のスーパーリーチはずれ時保留予告選択有無判定テーブルに示すように、予告対象の判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当りA時保留予告選択有無判定テーブルは、予告対象が確変大当りAとなるときに用いられる。(B)の確変大当りB時保留予告選択有無判定テーブルは、予告対象が確変大当りBとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時保留予告選択有無判定テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)のスーパーリーチはずれ時保留予告選択有無判定テーブルは、予告対象がスーパーリーチはずれとなるときに用いられる。
(A)〜(D)の保留予告選択有無判定テーブルでは、SR3の数値データの割振りから明らかなように、SR3の抽出値に基づいて保留予告演出を実行する選択をする割合が、確変大当りA時保留予告選択有無判定テーブル>確変大当りB時保留予告選択有無判定テーブル>突確大当り時保留予告選択有無判定テーブル>スーパーリーチはずれ時保留予告選択有無判定テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、突確大当りとなるとき、および、スーパーリーチはずれとなるときよりも、保留予告演出を実行する選択をする割合が高いので、保留予告演出が実行されたときに、確変大当りAまたは確変大当りBのような15Rの大当りへの遊技者の期待感を高めることができる。また、予告対象が確変大当りA、確変大当りB、および、突確大当りのような大当りとなるときの方がスーパーリーチはずれとなるときよりも、保留予告演出を実行する選択をする割合が高いので、保留予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
次に、前述した保留予告演出を選択する判定がされたときに、保留予告態様を選択する保留予告態様選択テーブルについて説明する。図31は、保留予告態様選択テーブルを示す説明図である。
保留予告態様選択テーブルは、複数種類の保留予告態様のうちから保留予告態様を選択するために用いる保留予告態様選択用の乱数としてのSR4(1〜105)の数値データが、前述したような「第1保留予告態様」、「第2保留予告態様」、および、「第3保留予告態様」のそれぞれに割振られているデータテーブルであり、演出制御基板80におけるROMに記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、SR4の抽出値に基づいて、保留予告態様選択テーブルを用い、いずれかの保留予告態様を選択する。
保留予告態様選択テーブルは、(A)の確変大当りA時保留予告態様選択テーブル、(B)の確変大当りB時保留予告態様選択テーブル、(C)の突確大当り時保留予告態様選択テーブル、および、(D)のスーパーリーチはずれ時保留予告態様選択テーブルに示すように、予告対象の判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当りA時保留予告態様選択テーブルは、予告対象が確変大当りAとなるときに用いられる。(B)の確変大当りB時保留予告態様選択テーブルは、予告対象が確変大当りBとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時保留予告態様選択テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)のスーパーリーチはずれ時保留予告態様選択テーブルは、予告対象がスーパーリーチはずれとなるときに用いられる。
(A)〜(D)の保留予告態様選択テーブルでは、SR4の数値データの割振りから明らかなように、(A)〜(C)に示すように、表示結果が大当りとなるときには、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様という割合の大小関係で保留予告態様が選択されように設定されている。一方、表示結果が大当りとならないときには、(D)に示すように、第1保留予告態様>第2保留予告態様>第3保留予告態様という割合の大小関係で保留予告態様が選択されるように設定されている。これにより、大当りとなる期待度の大小関係は、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様となるように設定されている。
(A)〜(D)の保留予告態様選択テーブルでは、SR4の数値データの割振りから明らかなように、SR4の抽出値に基づいて第3保留予告態様を選択する割合が、確変大当りA時保留予告態様選択テーブル>確変大当りB時保留予告態様選択テーブル>突確大当り時保留予告態様選択テーブル>スーパーリーチはずれ時保留予告態様選択テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、突確大当りとなるとき、および、スーパーリーチはずれとなるときよりも、第3保留予告態様で保留予告演出が実行される割合が高いので、第3保留予告態様での保留予告演出が実行されたときに、確変大当りAまたは確変大当りBのような15Rの大当りへの遊技者の期待感を高めることができる。
また、予告対象が確変大当りA、確変大当りB、および、突確大当りのような大当りとなるときの方がスーパーリーチはずれとなるときよりも、第3保留予告態様で保留予告演出が実行される割合が高いので、第3保留予告態様で保留予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、SR4の抽出値に基づいて第2保留予告態様を選択する割合が、確変大当りA時保留予告態様選択テーブル>確変大当りB時保留予告態様選択テーブル>突確大当り時保留予告態様選択テーブル>スーパーリーチはずれ時保留予告態様選択テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、突確大当りとなるとき、および、スーパーリーチはずれとなるときよりも、第2保留予告態様で保留予告演出が実行される割合が高いので、第2保留予告態様での保留予告演出が実行されたときに、確変大当りAまたは確変大当りBのような15Rの大当りへの遊技者の期待感を高めることができる。
また、予告対象が確変大当りA、確変大当りB、および、突確大当りのような大当りとなるときの方がスーパーリーチはずれとなるときよりも、第2保留予告態様で保留予告演出が実行される割合が高いので、第2保留予告態様で保留予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
さらに、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときに第2保留予告態様を選択する割合は、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときに第3保留予告態様を選択する割合と比べて低い。また、予告対象が確変大当りA、確変大当りB、または、突確大当りとなるときに第2保留予告態様を選択する割合は、予告対象が確変大当りA、または、突確大当りとなるときに第3保留予告態様を選択する割合と比べて低い。これにより、第3保留予告態様での保留予告演出が実行されたときには、第2保留予告態様での保留予告演出が実行されたときと比べて、確変大当りAまたは確変大当りBのような15Rの大当りへの遊技者の期待感を高めることができ、確変大当りA、確変大当りB、または、突確大当りのような大当りへの遊技者の期待感を高めることができる。
また、SR4の抽出値に基づいて第1保留予告態様を選択する割合が、スーパーリーチはずれ時保留予告態様選択テーブル>突確大当り時保留予告態様選択テーブル>確変大当りB時保留予告態様選択テーブル>確変大当りA時保留予告態様選択テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象がスーパーリーチはずれ時となるときには、突確大当り、確変大当りA、または、確変大当りBとなるときよりも、第1保留予告態様で保留予告演出が実行される割合が高い。したがって、第1保留予告態様での保留予告演出が実行されたときには、第2保留予告態様および第3保留予告態様のそれぞれと比べて大当りへの遊技者の期待感を高めることができないが、ある程度の割合で大当りとなるときもあるようにデータが設定されているので、大当りへの遊技者の期待感を極端に低下させないようにすることができる。
次に、前述した大当り中予告演出を選択するか否かを判定する大当り中予告選択有無判定テーブルについて説明する。図32は、大当り中予告選択有無判定テーブルを示す説明図である。
大当り中予告選択有無判定テーブルは、大当り中予告演出を選択するか否かを判定するために用いる大当り中予告選択有無判定用の乱数としてのSR5(1〜200)の数値データが、大当り中予告演出を選択する「大当り中予告選択」と、大当り中予告演出を選択しない「大当り中予告非選択」とに割振られているデータテーブルであり、演出制御基板80におけるROMに記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、SR5の抽出値に基づいて、大当り中予告演出有無判定テーブルを用い、大当り中予告演出を実行する選択をするか否かの判定をする。
大当り中予告選択有無判定テーブルは、(A)の第1大当り中予告選択有無判定テーブル、および、(B)の第2大当り中予告選択有無判定テーブルに示すように、予告対象の判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の第1大当り中予告選択有無判定テーブルは、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときに用いられる。(B)の第2大当り中予告選択有無判定テーブルは、確変大当りAまたは確変大当りBとならないとき(突確大当り、または、はずれとなるとき)に用いられる。
(A),(B)の大当り中予告選択有無判定テーブルでは、SR5の数値データの割振りから明らかなように、SR5の抽出値に基づいて大当り中予告演出を実行する選択をする割合が、第1大当り中予告選択有無判定テーブル>第2大当り中予告選択有無判定テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、確変大当りAまたは確変大当りBとならないときよりも、大当り中予告演出を実行する選択をする割合が高いので、大当り中予告演出が実行されたときに、確変大当りAまたは確変大当りBのような大当りへの遊技者の期待感、より具体的には、15Rの大当りへの遊技者の期待感を高めることができる。
次に、前述した大当り中予告演出を選択する判定がされたときに、大当り中予告態様を選択する大当り中予告態様選択テーブルについて説明する。図33は、大当り中予告態様選択テーブルを示す説明図である。
大当り中予告態様選択テーブルは、複数種類の大当り中予告態様のうちから大当り中予告態様を選択するために用いる大当り中予告態様選択用の乱数としてのSR6(1〜210)の数値データが、前述したような「第1大当り中予告態様」、「第2大当り中予告態様」、および、「第3大当り中予告態様」のそれぞれに割振られているデータテーブルであり、演出制御基板80におけるROMに記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、SR6の抽出値に基づいて、大当り中予告態様選択テーブルを用い、いずれかの大当り中予告態様を選択する。
大当り中予告態様選択テーブルは、(A)の第1大当り中予告態様選択テーブル、および、(B)の第2大当り中予告態様選択テーブルに示すように、予告対象の判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の第1大当り中予告態様選択テーブルは、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときに用いられる。(B)の第2大当り中予告態様選択テーブルは、予告対象が確変大当りAまたは確変大当りBとならないときに用いられる。
(A),(B)の大当り中予告態様選択テーブルでは、SR6の数値データの割振りから明らかなように、(A)に示すように、表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなるときには、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様という割合の大小関係で大当り中予告態様が選択されように設定されている。一方、表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとならないときには、(B)に示すように、第1大当り中予告態様>第2大当り中予告態様>第3大当り中予告態様という割合の大小関係で大当り中予告態様が選択されるように設定されている。これにより、大当りとなる期待度の大小関係、より具体的に、確変大当りAまたは確変大当りBとなる期待度の大小関係は、第1大当り中予告態様<第2大当り中予告態様<第3大当り中予告態様となるように設定されている。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数として用いられるSR1−1,SR1−2,SR1−3、所定の演出内容を選択決定する乱数として用いられるSR2、保留予告選択有無判定用の乱数として用いられるSR3、保留予告態様選択用の乱数として用いられるSR4、大当り中予告選択有無判定用の乱数として用いられるSR5、大当り中予告態様選択用の乱数として用いられるSR6等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図35は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。
図36〜図38は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。図39は、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別判定結果記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別判定結果記憶バッファの構成を示す図である。
主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが突然確変大当り開始指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。受信した演出制御コマンドが突然確変大当り終了指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S647A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S647B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S647C)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S648A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放後指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S648B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S648C)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドの受信に応じて、第1保留減算カウンタを1加算更新する(S653)。この第1保留減算カウンタの値に基づき、後述するように第1保留記憶表示部18cでの第1保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドの受信に応じて、第2保留減算カウンタを1加算更新する(S656)。この第2保留減算カウンタの値に基づき、後述するように第2保留記憶表示部18dでの第2保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされていれば、時短状態フラグをリセットする(S658)。これは、時短状態が終了し通常状態に移行するときにおいては、時短状態であることに対応して、後述するS660により時短状態フラグがセットされているからである。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをリセットし(S659A)、時短状態フラグをセットする(S660)。確変状態フラグをリセットするのは、確変状態が終了し時短状態に移行するときにおいては、確変状態であることに対応して、後述するS662により確変フラグがセットされているからである。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S662)。
S657〜S662の処理が行なわれることにより、通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および、確変状態指定コマンドを受信することに基づき、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態、時短状態(非確変状態)、および、確変状態(時短状態を含む)のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することができる。具体的に、遊技状態が通常状態であるときには、確変状態フラグおよび時短状態フラグのどちらもセットされていない状態となる。また、遊技状態が確変状態であるときには、確変状態がセットされ、かつ、時短状態フラグがセットされている状態となる。また、遊技状態が時短状態であるときには、確変状態がセットされず時短状態フラグがセットされている状態となる。これにより、確変状態フラグおよび時短状態フラグの状態を確認することにより、遊技状態が通常状態、時短状態(非確変状態)、および、確変状態(時短状態を含む)のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することが可能である。
また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(S664)。すなわち、演出制御用CPU101は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
ここで、図39を参照して、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別判定結果記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別判定結果記憶バッファについて説明する。図39においては、(A)に第1当り判定結果記憶バッファと第1変動種別判定結果記憶バッファとが示され、(B)に第2当り判定結果記憶バッファと第2変動種別判定結果記憶バッファとが示されている。これらバッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに設けられている。
図39(A)に示すように、第1当り判定結果記憶バッファは、第1保留記憶数に対応する入賞時判定結果指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突確大当り」、「はずれ」のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第1変動種別判定結果記憶バッファは、第1当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第1保留記憶に対応する入賞時判定結果指定コマンドが指定する変動パターン種別のカテゴリの先読み判定結果に対応するデータ(図14に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図39において、第1変動種別判定結果記憶バッファと第1当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
また、図39(B)に示すように、第2当り判定結果記憶バッファは、第2保留記憶に対応する入賞時判定結果指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突確大当り」、「はずれ」のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第2変動種別判定結果記憶バッファは、第2当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第2保留記憶に対応する入賞時判定結果指定コマンドが指定する変動パターン種別のカテゴリの先読み判定結果に対応するデータ(図14に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図39において、第2変動種別判定結果記憶バッファと第2当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
これら第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別判定結果記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別判定結果記憶バッファのそれぞれにおいては、コマンドを受信した順番にしたがって、図中の「1」、「2」、「3」、「4」の領域の順番でデータが記憶されていき、保留記憶数減算指定コマンドを受信するごとに、古いデータ(「1」の領域のデータ)から順番に削除され、かつ、残りのデータが領域を1つずつ、古いデータを記憶する領域側にシフトするようにデータが管理される。これにより、第1変動種別判定結果記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファにおいては、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されたデータに対応した保留記憶データが記憶される。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)に基づき、次のような処理を行なう(S666)。入賞時判定結果指定コマンドのデータに基づき、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらに対応するデータかの判断、当り判定結果(確変大当りA、確変大当りB、突確大当り、はずれ)の判断、および、変動種別カテゴリの判断を判断する。そして、第1保留記憶に対応するデータのときは、RAMに設けられた第1当り判定結果記憶バッファに、当り判定結果のデータ、および、第1,第2のどちらの大当り判定値であるかを示すデータを記憶し、RAMに設けられた第1変動種別判定結果記憶バッファに、変動種別カテゴリのデータを記憶する。一方、第2保留記憶に対応するデータのときは、RAMに設けられた第2当り判定結果記憶バッファに、当り判定結果のデータ、および、第1,第2のどちらの大当り判定値であるかを示すデータを記憶し、RAMに設けられた第2変動種別判定結果記憶バッファに、変動種別カテゴリのデータを記憶する。そして、未処理数カウンタを1加算する(S667)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおける保留記憶数が加算表示される。なお、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらに対応するデータかの判断は、前述した第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとに基づいて判定するようにしてもよい。その場合は、前述のような入賞時判定結果指定コマンドについては、第1始動入賞と第2始動入賞とを区別したコマンドを用いる必要はない。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおける保留記憶数の加算表示に関しても、前述した第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとに基づいて行なうようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグ等のデータをセットする(S668)。そして、S611に移行する。
図40は、図34に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、後述するラウンド後処理において、先読み予告として保留内大当り報知演出を実行する決定がされたときには、保留内大当り報知演出を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。予め定められた複数のラウンド間のそれぞれにおいて、保留内大当り報知演出を行なうか否かを判定し、保留内大当り報知演出を行なうと判定したときに、次のラウンド中において保留内大当り報知演出を行なうための演出態様を決定する。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図41は、図34に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図42は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図42に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りAの発生を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りBを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(確変大当Bの発生を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「1,3,5」等の演出図柄の組合せ(突然確変大当り図柄の組合せ)を決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。なお、突然確変大当り図柄の組合せは、「5,3,5」等のリーチ図柄となる図柄の組合せとしてもよい。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
図43は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図43に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図44は、S707の保留記憶表示制御処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。図45は、保留記憶表示制御処理において実行される入賞時先読み予告演出決定処理を示すフローチャートである。
保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態中であるか否かを判断する(S520)。具体的に、演出制御プロセスフラグの値を確認することに基づいて、演出制御プロセス処理が大当り表示処理(S804)、ラウンド中処理(S805)、ラウンド後処理(S806)、大当り終了演出処理(S807)のような大当り遊技状態中に実行される処理であるとき(演出制御プロセスフラグがこれら処理に対応するものであるとき)に、大当り遊技状態中であると判断する。大当り遊技状態中であるときは、大当り遊技状態の開始時において、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dを含まないファンファーレ画面が表示された後、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理が実行されないことにより、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれによる保留記憶表示が中止される。
次に、第1処理未処理数カウンタまたは第2処理未処理数カウンタが「1」以上であるか否か判定する(S520A)。この第1処理未処理数カウンタは、第1始動入賞に対応した入賞時判定結果指定コマンドを受信する度にS667で「1」加算され、後述するS527で「1」減算される。また、第2未処理数カウンタは、第2始動入賞に対応した入賞時判定結果指定コマンドを受信する度にS667で「1」加算され、後述するS527で「1」減算される。
第1処理未処理数カウンタまたは第2処理未処理数カウンタが「1」以上でないときには、後述するS528に進む。一方、第1処理未処理数カウンタまたは第2処理未処理数カウンタが「1」以上である場合には、第1未処理数カウンタが「1」以上であるか否かを判断する(S520B)。
第1未処理数カウンタが「1」以上であるときは、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別判定結果記憶バッファに記憶された第1保留記憶のデータのうち、まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶のデータ(まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶が複数ある場合は、それらのうち最も過去の第1保留記憶)を保留判定対象として選択する(S520C)。一方、第1未処理数カウンタが「1」以上でないときは、まだ保留記憶表示が実行されていない第2未処理数カウンタが「1」以上のときであるので、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別判定結果記憶バッファに記憶された第2保留記憶のデータのうち、まだ保留記憶表示が実行されていない第2保留記憶のデータ(まだ保留記憶表示が実行されていない第1保留記憶が複数ある場合は、それらのうち最も過去の第2保留記憶)を保留判定対象として選択する(S520D)。
S520CまたはS520Dにより保留判定対象が選択された後には、時短状態フラグがセットされているか否かを判断する(S521)。時短状態フラグがセットされていないときには、保留予告演出に関する各種決定をするための入賞時先読み予告演出決定処理を実行する(S522)。一方、時短状態フラグがセットされているときには、入賞時先読み予告演出決定処理を実行せず、後述するS525に進む。これにより、時短状態フラグがセットされている高ベース状態においては、保留予告演出が実行されない。
ここで、図45を参照して、入賞時先読み予告演出決定処理の内容を説明する。入賞時先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、保留判定対象の保留記憶のデータについて、図30に示す保留予告選択有無判定テーブルを用いて保留予告演出を選択するか否かを判定する(S502)。具体的に、S502においては、次のように判定を行なう。保留判定対象の保留記憶の当り判定結果および変動パターン種別に関する判定結果のデータを、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別判定結果記憶バッファ、または、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別判定結果記憶バッファにおいて確認し、図30に示す保留予告選択有無判定テーブルのうちから、当該保留判定対象に対応する保留予告選択有無判定テーブルを選択する。たとえば、保留判定対象が確変大当りAとなるときには、図30(A)の確変大当りA時保留予告選択有無判定テーブルを選択する。そして、保留予告選択有無判定用の乱数としてのSR3を抽出し、そのSR3の抽出データに基づいて、選択した保留予告選択有無判定テーブルを用いて保留予告演出を選択するか否かを前述のように判定する。
次に、S503により、S502において保留予告演出が選択されたか否かを判断する(S503)。保留予告演出が選択されなかったときには、処理を終了する。保留予告演出が選択されたときには、保留判定対象の保留記憶のデータについて、図31に示す保留予告態様選択テーブルを用いて第1保留予告態様〜第3保留予告態様のうち、いずれかの保留予告態様を選択する(S504)。具体的に、S504においては、次のように保留予告態様の選択を行なう。保留判定対象の保留記憶データにおける当り判定結果および変動パターン種別に関する判定結果のデータを、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別判定結果記憶バッファ、または、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別判定結果記憶バッファにおいて確認し、図31に示す保留予告態様選択テーブルのうちから、当該保留判定対象に対応する保留予告態様選択テーブルを選択する。たとえば、保留判定対象が確変大当りAとなるときには、図31(A)の確変大当りA時保留予告態様選択テーブルを選択する。そして、保留予告態様選択用の乱数としてのSR4を抽出し、そのSR4の抽出データに基づいて、選択した保留予告態様選択テーブルを用いて保留予告態様を、第1保留予告態様〜第3保留予告態様のいずれかに選択する。
次に、S505により、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶された第1保留予告データまたは第2保留予告データを読出す(S505)。具体的に、S505においては、第1保留記憶が保留判定対象であるときには第1保留予告データを読出し、第2保留記憶が保留判定対象であるときには第2保留予告データを読出す。
第1保留予告データは、入賞順に記憶された第1保留記憶データのそれぞれに対応して設けられる記憶領域に記憶されるデータであって、保留予告演出を実行するか否か、および、保留予告態様を特定可能なデータである。第1保留予告データにおいては、「第1保留予告態様」、「第2保留予告態様」、「第3保留予告態様」のいずれかを示すデータが記憶されていることにより、保留予告演出を実行することが特定され、さらに、記憶されたデータが示す保留予告態様の種類により、保留予告態様が特定されている。つまり、第1保留予告データについて、「第1保留予告態様」を示すデータが記憶されているときには、保留予告を実行すること、および、第1保留予告態様で実行することが特定されることとなる。また、第2保留予告データは、入賞順に記憶された第2保留記憶データのそれぞれについて、第1保留記憶データと同様に、保留予告を実行するか否か、および、保留予告態様を特定可能な情報を示すデータである。
第1保留予告データおよび第2保留予告データのそれぞれは、入賞時先読み予告演出決定処理において、保留予告演出を選択する判定がされたときに、後述するS512においてRAMに増加更新記憶される(判定対象の保留記憶データに対応して設けられた記憶領域に記憶される)。これにより、保留記憶データのそれぞれに対応して保留予告データが記憶されることとなる。たとえば、4つの保留記憶データのそれぞれについて保留予告演出をする選択がされたときには、それぞれの保留記憶データに対応するように、4つの保留予告データが記憶されることとなる。つまり、対応する保留記憶数の領域に保留予告データが記憶されるのである。そして、第1保留予告データは、対応する保留記憶データが変動表示に用いられるときに、後述するS531Aにより減少更新記憶される(判定対象の保留記憶データに対応して設けられた記憶領域から削除される)。また、第2保留予告データは、対応する保留記憶データが変動表示に用いられるときに、後述するS535Aにより減少更新記憶される(判定対象の保留記憶データに対応して設けられた記憶領域から削除される)。
次に、S505で読出した保留予告データに基づいて、保留判定対象の第1保留記憶データまたは第2保留記憶データについて、保留記憶演出を実行中の保留予告データがあるか否かを判断する(S506)。実行中の保留予告データがないときは、保留判定対象の第1保留記憶データまたは第2保留記憶データについて、S504で選択された保留予告態様で保留予告演出を行なうことを決定するために、S510に進む。一方、実行中の保留予告データがあるときは、保留予告態様についての大当りの期待度に関し、S504で選択した保留予告態様が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様以上であるか否かを判断する(S507)。具体的に、S507では、読出した全部の保留記憶データを最初の保留記憶データ(最も古い保留記憶データ)から順番に新しい保留記憶データを確認(スキャン)していくことにより、最新の保留予告データを特定する。なお、全部の保留予告データを最後の保留予告データ(最も新しい保留予告データ)から順番に古い保留予告データを確認(スキャン)していくことにより、最新の保留予告データを特定することで、無駄な処理を省くようにしてもよい。S507で判断する保留予告演出における保留予告態様の大当りへの期待度は、前述したように、第1保留予告態様<第2保留予告態様<第3保留予告態様である。
選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様以上でないとき(期待度が最新の保留予告演出の保留予告態様よりも低いとき)には、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様よりも期待度が低い保留予告態様で保留予告演出を行なわないために、後述するS513に進む。一方、選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様以上であるときには、保留予告態様についての大当りの期待度に関し、S504で選択した保留予告態様が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様と同じであるか否かを判断する(S508)。選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様と同じではないとS508で判断したときは、選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様よりも高いときであり、その場合には、S504で選択された保留予告態様で保留予告演出を行なうことを決定するために、S510に進む。
一方、選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様と同じであるとS508で判断したときは、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様が、大当りへの期待度が最も低い第1保留予告態様であるか否かを判断する(S509)。第1保留予告態様ではないとS509で判断したときは、実行中である最新の保留予告の保留予告態様と同じ第2保留予告態様または第3保留予告態様で保留予告演出を行なう新たな保留記憶表示をすることを決定するために、S510に進む。一方、第1保留予告態様であるとS509で判断したときは、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様と同じ第1保留予告態様で保留予告演出を行なわないために、S513に進む。なお、選択した保留予告態様の大当りへの期待度が、実行中である最新の保留予告演出の保留予告態様と同じであるときには、どのような保留予告態様であっても実行するようにしてもよい(複数の保留予告態様のうち大当りへの期待度が最も低いものについては対象から除外してもよい)。具体的には、S508およびS509を削除し、S507において、S504で選択した保留予告態様が、S505で読出した実行中の最新の保留予告演出の保留予告態様以上であると判断したときは、そのままS510に進むように処理すればよい。
S513では、S504で選択した保留予告態様に関するデータを削除し(S513)、処理を終了する。これにより、S504で選択した保留予告態様に関するデータについて、実行中である最新の保留予告の保留予告態様よりも期待度が低いとS507により判断されたとき、および、実行中である最新の保留予告の保留予告態様と同じく保留予告態様の大当りへの期待度が最も低い第1保留予告態様であると判断されたときに、保留予告演出を行なわないようにすることができる。
S510では、保留判定対象に応じて、S504で選択された保留予告態様で、新たな第1保留記憶表示または第2保留記憶表示において保留予告演出を行なうことを決定する(S510)。そして、保留判定対象に応じて、第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグをセットする(S511)。具体的にS511において、第1保留記憶データが保留判定対象であるときには、新規に第1保留記憶表示について保留予告演出を行なうことを示す第1新規保留予告フラグをセットし、第2保留記憶データが保留判定対象であるときには、新規に第2保留記憶表示について保留予告演出を行なうことを示す第2新規保留予告フラグをセットする。
S512では、保留判定対象に応じて、第1保留予告データまたは第2保留予告データを増加更新記憶し(S512)、処理を終了する。具体的に、S512において、第1保留記憶データが保留判定対象であるときには、第1保留予告データを増加更新記憶し、第2保留記憶が保留判定対象であるときには、第2保留予告データを増加更新記憶する。より具体的に、S512においては、保留判定対象の保留記憶データに対応して設けられた記憶領域に、S504により選択された保留予告態様(「第1保留予告態様」〜「第3保留予告態様」のいずれか)で保留予告をするデータを追加することにより、保留予告データを増加更新記憶する。
次に、図44を参照して、保留記憶表示制御処理の続きを説明する。保留記憶表示制御処理において、第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグがセットされているか否かを判断する(S523)。S523で第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグがセットされていないときは、S525に進む。
前述した入賞時先読み予告演出決定処理においては、第1保留記憶データのそれぞれに対応して第1保留予告データを記憶するとともに、第2保留記憶データのそれぞれに対応して第2保留予告データを記憶する。このように、保留記憶データのそれぞれに対応して保留予告データを記憶するので、保留記憶データのそれぞれに対応する保留予告データの内容を確認することにより、第1保留記憶データおよび第2保留記憶データのそれぞれについて、保留予告データの有無および当該保留予告データの最新の保留予告態様を認識することができる。これに限らず、前述した入賞時先読み予告演出決定処理においては、第1保留記憶データ、および、第2保留記憶データのそれぞれについて、保留予告有無の選択および保留予告態様の選択に基づいて、最新の保留予告データを特定して記憶する領域を設け、最新の保留予告を更新記憶するようにし、当該最新の保留予告データを確認するようにしてもよい。このように最新の保留予告データを特定して記憶する場合に、予告を行なう保留記憶データが削除されたときに、当該最新の保留予告データをクリアすればよい。このようにすれば、複数の保留予告データの内容を確認する処理(スキャン)を行なう必要がなくなり処理の簡素化することができる。
S525においては、保留判定対象に応じて、保留予告演出が行なわれていない通常の保留記憶表示の表示態様で、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dの保留記憶表示を追加することにより、保留記憶表示を加算更新する表示を行ない(S525)、後述するS527に進む。第1保留記憶が保留判定対象であるときには、第1保留記憶表示部18cで保留記憶表示を追加する。第2保留記憶が保留判定対象であるときには、第2保留記憶表示部18dで保留記憶表示を追加する。
一方、S523で第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグがセットされているときは、保留判定対象に応じて、S504で選択された保留予告態様で保留予告演出を行なう保留記憶表示を、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおいて追加することにより、保留記憶表示を加算更新する表示を行なう(S524)。第1保留記憶が保留判定対象であるときには、第1保留記憶表示部18cで保留記憶表示を追加する。第2保留記憶が保留判定対象であるときには、第2保留記憶表示部18dで保留記憶表示を追加する。これにより、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのいずれか一方または両方において、図20に示すような態様で保留予告演出が実行されることとなる。次に、その時点でセットされている第1新規保留予告フラグまたは第2新規保留予告フラグをリセットし(S526)、S527に進む。
S527に進んだときは、保留判定対象に応じて、第1未処理数カウンタまたは第2未処理数カウンタを「1」減算更新し、S520Aに戻る。これにより、第1未処理数カウンタおよび第2未処理数カウンタが「0」になるまで、第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留記憶表示が加算更新される。
一方、第1未処理数カウンタおよび第2未処理数カウンタのどちらもが「1」以上でない場合(「0」である場合)に、演出制御用CPU101は、第1保留減算カウンタが「1」以上であるか否かの判断を行なう(S528)。この第1保留減算カウンタは、第1保留記憶数指定コマンドが送信されてきたことによりS653により「1」加算されるものである。
第1保留減算カウンタが「1」以上である場合は、演出制御用CPU101は、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータ(第1保留記憶データ)を消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S529)。そして、第1保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を減算更新する処理を行なう(S530)。具体的に、S530では、第1保留記憶表示部18cにおいて、最も左端部の保留記憶画像180を削除し、残りの保留記憶画像180があるときは、残りの当該保留記憶画像180を左端部へ向けて1つずつシフトさせる表示制御が行なわれる。そして、第1保留減算カウンタを「1」減算更新する(S531)。次に、前述のように記憶バッファから削除した第1保留記憶データに対応する第1保留予告データを削除することにより、第1保留予告データを減少更新記憶し(S531A)、処理を終了する。
一方、第1保留減算カウンタが「1」以上でない場合は、演出制御用CPU101は、第2保留減算カウンタが「1」以上であるか否かの判断を行なう(S532)。この第2保留減算カウンタは、第2保留記憶数指定コマンドが送信されてきたことによりS656により「1」加算されるものである。
第2保留減算カウンタが「1」以上である場合は、演出制御用CPU101は、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータ(第2保留記憶データ)を消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S533)。そして、第2保留記憶表示部18dにおける保留記憶表示を減算更新する処理を行なう(S534)。具体的に、S534では、第2保留記憶表示部18dにおいて、最も左端部の保留記憶画像180を削除し、残りの保留記憶画像180があるときは、残りの当該保留記憶画像180を左端部へ向けて1つずつシフトさせる表示制御が行なわれる。そして、第2保留減算カウンタを「1」減算更新する(S535)。次に、第2保留予告データにおいて、前述のように記憶バッファから削除した第2保留記憶データに対応する第2保留予告データを削除することにより、第2保留予告データを減少更新記憶し(S535A)、処理を終了する。
以上に示した保留記憶表示制御処理においては、S521により、時短状態、すなわち、第2始動条件が生じやすくなる高ベース状態であるときには、入賞時先読み予告演出決定処理を実行しないので、第1特別図柄に対する先読み予告を実行している状態で、第2保留記憶データを優先して消化し続けられることにより予告対象となっている変動表示をストックした状態で、第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示が継続される状況が生じることが防がれる。これにより、保留予告演出をするときに遊技の興趣を向上させつつ、遊技者の射幸心を過度に煽らず、遊技者に健全な遊技を提供することができる。
図46は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。前述したように、演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S880)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS880の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S884に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、S883で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S884に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、確変大当り図柄A、確変大当り図柄B、または、突確大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S880A)。そして、停止図柄として、確変大当り図柄A、確変大当り図柄B、または、突確大当り図柄を表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S881)。大当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S882)、処理を終了する。
一方、大当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S883)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または突然確変開始指定コマンドを受信したことを示す突確変開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S884)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突確変開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S885)。
そして、そのときに表示されている第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおける保留記憶表示を消去する(S886)。S886において保留記憶表示を消去するときには、前述のような保留予告データも消去する。これにより、大当り遊技状態に移行するときには保留記憶表示および保留予告演出が行なわれず、大当り遊技状態中においても、保留記憶表示および保留予告演出が行なわれない。このように、保留予告演出を行なっているときにおいて、大当り遊技状態に移行されるときに、行なっている保留予告演出が中止されるので、保留予告演出の対象となっている変動表示をストックした状態で、大当り遊技状態に移行することが防がれる。これにより、遊技者の射幸心を過度に煽らず、遊技者に健全な遊技を提供することができる。また、大当り遊技状態に移行されるときに、保留予告データが消去されるので、大当り遊技状態の終了後に保留予告演出が再開されるのを防ぐことができる。次に、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S887)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突確開始指定コマンド受信フラグのうち、セットされているフラグをリセットする。また、S887の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S888)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27a,27b等)の制御を実行する(S889)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S890)。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、当該大当り表示処理に移行する前の演出図柄変動停止処理において設定されたプロセステーブルのデータを用いて、S871〜S874を実行することにより、大当りの開始を報知する演出を行なう。
プロセスタイマの値を1減算する(S871)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S872)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S873)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S874)。これにより、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する等、大当りの開始を報知する演出が実行される。
一方、大入賞口開放中フラグがセットされていた場合には、セットされている大入賞口開放中フラグをリセットする(S875)、そして、大当り遊技状態において実行する演出パターンに応じた演出をするためのプロセステーブルを選択する(S876)。次に、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S877)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S878)。これにより、大当り遊技状態において実行する演出パターンでの演出が開始される。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に応じた値に更新する(S879)。
図48は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、いずれかの大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または、突然確変大当り終了指定コマンド)がセットされているか否かを確認する(S1901)。
いずれかの大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否か確認する(S1902)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S1906)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1907)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S1909)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1910)。
S1902の処理で大入賞口開放後フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(S1911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に応じた値に更新する(S1912)。なお、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新することによってラウンド後処理を実行する状態に移行するが、ラウンド中処理からラウンド後処理に移行するときに、図47のS876において演出パターンに応じて選択されたプロセステーブルを変更せずに処理が移行するので、複数のラウンド中およびインターバル中を通じて行なう一連の演出パターンの演出を、所定期間継続することができる。
S1901の処理でいずかの大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、エンディング演出に対応するプロセステーブルを選択する(S1921)。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S1922)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S1923)。これにより、エンディング演出の実行が開始される。また、演出制御用CPU101は、エンディング演出の期間を決めるための大当り終了演出期間タイマにエンディング演出の期間に相当する値を設定する(S1924)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に応じた値に更新する(S1925)。
図49は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。図50は、ラウンド後処理において実行される大当り中先読み予告演出決定処理を示すフローチャートである。
図49を参照して、ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S1972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1973)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S1974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1975)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、次のラウンドが第10ラウンドであるか否か確認する(S1977)。次のラウンドが第10ラウンドであるときには、大当り中予告演出に関する各種決定をするための大当中先読み予告演出決定処理を実行する(S1978)。一方、次のラウンドが第10ラウンドではないときには、大当中先読み予告演出決定処理を実行せず、後述するS1986に進む。これにより、大当り遊技状態中において、第10ラウンド以外のタイミングにおいては、大当中先読み予告演出が実行されない。
次に、図50を参照して、大当中先読み予告演出決定処理の内容を説明する。大当中先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、大当り中予告演出の保留判定対象として、第1当り判定結果記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファの記憶データを確認することにより、第1保留記憶データ内および第2保留記憶データ内に、確変大当りAまたは確変大当りBとなる入賞保留記憶の当り判定結果があるか否かを判定する(S711)。
演出制御用CPU101は、S711での保留判定対象の判定結果に基づいて、図32に示す大当り中予告選択有無判定テーブルを用いて大当り中予告演出を選択するか否かを判定する(S712)。具体的に、S712においては、次のように判定を行なう。S711の判定において、確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果があると判定されたときには、図32(A)に示す第1大当り中予告選択有無判定テーブルを選択する。一方、S711の判定において、確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果がないと判定されたときには、図32(B)に示す第2大当り中予告選択有無判定テーブルを選択する。そして、大当り中予告選択有無判定用の乱数としてのSR5を抽出し、そのSR5の抽出データに基づいて、選択した大当り中予告選択有無判定テーブルを用いて大当り中予告演出を選択するか否かを前述のように判定する。
次に、S713により、S712において大当り中予告演出が選択されたか否かを判断する(S713)。大当り中予告演出が選択されなかったときには、処理を終了する。大当り中予告演出が選択されたときには、S711での保留判定対象の判定結果に基づいて、図33に示す大当り中予告態様選択テーブルを用いて第1大当り中予告態様〜第3大当り中予告態様のうち、いずれかの大当り中予告態様を選択する(S714)。具体的に、S714においては、次のように保留予告態様の選択を行なう。S711での判定により確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果があると判定されたときには、図33(A)の第1大当り中予告態様選択テーブルを選択する。一方、S711での判定により確変大当りAまたは確変大当りBとなる当り判定結果がないと判定されたときには、図33(B)の第2大当り中予告態様選択テーブルを選択する。そして、大当り中予告態様選択用の乱数としてのSR6を抽出し、そのSR6の抽出データに基づいて、選択した大当り中予告態様選択テーブルを用いて大当り中予告態様を、第1大当り中予告態様〜第3大当り中予告態様のいずれかに選択する。
次に、S714で選択された大当り中予告態様で、第10ラウンドにおいて、図21および図22に示すような大当り中予告演出を行なうことを決定し(S715、処理を終了する。
次に、図49を用いてラウンド後処理におけるS1978の終了後の処理を説明する。演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S1986)。そして、次ラウンドのラウンド中の演出に応じたプロセスデータを選択する(S1987)。第10ラウンドの実行前に行なわれるS1978の大当り中先読み予告演出において、大当り中予告演出を実行することが決定されたときには、前述のように選択される大当り中予告態様で大当り中予告演出を行なうためのデータがS1987において選択される。これにより、第10ラウンドにおいて、S1978の大当り中先読み予告演出において決定された大当り中予告態様で大当り中予告演出が実行されることとなる。
次に、プロセスタイマをスタートさせ(S1988)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27a,27b)の制御を実行する(S1989)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に応じた値に更新する(S1990)。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、いずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告演出の変動表示以上となる変動表示による保留予告演出を許可し、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告演出よりも低い変動表示による保留予告演出を禁止する例を説明する。
第2実施形態の場合は、第1実施形態で示したような、後に行なう保留予告演出として、図45のS507〜S510に示すような、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告態様以上となる予告表示態様による保留予告演出を許可する制御、および、図45のS507,S513に示すような、大当りとなる期待度が先に行なわれている保留予告態様よりも低い予告表示態様による保留予告演出を禁止する制御を行なわない。
第2実施形態の場合は、図45の入賞時先読み予告演出決定処理において、S507の代わりに、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データの変動表示結果が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告に対応する保留記憶データの変動表示結果以上に、大当りとなる期待度が高いかどうかを判定する判定処理を行なう。たとえば、大当りとなる期待度の大小関係は、スーパーリーチはずれ<突確大当り<確変大当りA,Bというように設定される。
なお、突確大当りはラウンド数が少ないが大当りであるので、確変大当りA,Bと同じ期待度に設定してもよい。また、ノーマルリーチを判定対象に加えるときには、大当りとなる期待度の大小関係はノーマルリーチ<スーパーリーチはずれ<突確大当り<確変大当りA,Bというように設定してもよい。また、ノーマルリーチを判定対象に加えるときには、ノーマルリーチにおけるリーチ図柄とリーチ図柄以外の図柄(最後の停止図柄)との図柄差に基づいて、ノーマルリーチ間において、大当りとなる期待度の大小関係を設定してもよい。
そして、前述のような判定処理において、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データの変動表示結果が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告に対応する保留記憶データの変動表示結果以上に、大当りとなる期待度が高いときには、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データについて、S504で選択した保留予告態様での保留予告演出を実行するための処理を行なう。一方、前述のような判定処理において、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データの変動表示結果が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告に対応する保留記憶データの変動表示結果よりも、大当りとなる期待度が低いときには、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データについて、保留予告演出を禁止するための処理を行なう。なお、S504で保留予告態様を選択した保留記憶データの変動表示結果が、S505で読出した保留予告データにおける実行中である最新の保留予告に対応する保留記憶データの変動表示結果と比べて大当りとなる期待度が同じであるときには、大当りとなる期待度が最も低い変動表示結果(たとえば、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、突確大当り、確変大当りA,Bが判定対象のときには、ノーマルリーチとなる表示結果)については、保留予告演出を禁止するようにしてもよい。
このような第2実施形態によれば、後の保留記憶データにより行なう変動表示が大当りとなる期待度が、先の保留記憶データにより行なう変動表示が大当りとなる期待度よりも低いときには、当該後の保留記憶データについての保留予告演出が禁止されるので、大当りとなる実質的な期待度に基づいて、保留予告演出についての遊技の興趣を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、第1特別図柄の変動表示に対する保留予告演出と、第2特別図柄の変動表示に対する保留予告演出とを、共通の保留予告態様を用いて行ない、第1特別図柄の変動表示に対する保留予告演出と、第2特別図柄の変動表示に対する保留予告演出とで、共通の保留予告態様による予告報知が行なわれたときに大当りとなる期待度が異なるようにする例を説明する。
第3実施形態の場合は、図30に示す保留予告選択有無判定テーブルを、第1特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルと、第2特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルとの2種類設ける。これらテーブルにおいては、たとえば、第2特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルの方が、第1特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルと比べて、大当りとなるときに保留予告演出が選択される割合が高く、スーパーリーチはずれとなるときに保留予告演出が選択される割合が低くなるように、データが設定される。このようなデータの設定は、第2特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルと、第1特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルとの間で逆であってもよい。
また、第3実施形態の場合は、図31に示す保留予告態様選択テーブルを、第1特別図柄用の保留予告態様選択テーブルと、第2特別図柄用の保留予告態様選択テーブルとの2種類設ける。これらテーブルにおいては、たとえば、第2特別図柄用の保留予告態様選択テーブルの方が、第1特別図柄用の保留予告態様選択テーブルと比べて、大当りとなるときに第3保留予告態様が選択される割合が高く、スーパーリーチはずれとなるときに第1保留予告態様が選択される割合が低くなるように、データが設定される。このようなデータの設定は、第2特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルと、第1特別図柄用の保留予告選択有無判定テーブルとの間で逆であってもよい。
このように、保留予告選択有無判定テーブルおよび保留予告態様選択テーブルのデータを設定すれば、共通の保留予告態様による保留予告演出が行なわれる第1特別図柄に対する保留予告演出と、第2特別図柄に対する保留予告演出とで、共通の保留予告態様による予告報知が行なわれたときに大当りとなる期待度が異なるので、期待度の相違に基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、保留予告選択有無判定テーブルのみについて、前述のようなデータ設定を行なうようにしてもよい。また、保留予告態様選択テーブルのみについて、前述のようなテーブルのデータ設定を行なうようにしてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、時短状態に制御されていない状態、すなわち、低ベース状態で、第1特別図柄の変動表示に対する保留予告演出を行なっているときに、第2特別図柄の第2始動条件が成立したときに、行なっている保留予告演出を中止する例を説明する。
第4実施形態の場合は、図44に示す保留記憶表示制御処理において、S520Dにより第2保留記憶を保留判定対象として選択したときに、第1保留予告データを確認することにより、第1保留記憶データに基づく保留予告演出が実行されているか否かを判断する処理を行ない、当該処理において、第1保留記憶データに基づく保留予告演出が実行されていると判断したときに、実行中の第1保留記憶データに基づく保留予告演出を中止する処理を行なう。具体的に、第1保留記憶データに基づく保留予告演出を中止する処理としては、保留予告演出を実行している保留記憶表示を通常表示態様に変更する処理を行なう。なお、第1保留記憶データに基づく保留予告演出が実行されていると判断したときに、実行中の第1保留記憶データに基づく保留予告演出を中止する処理を行なうことに加えて、中止した保留予告演出に関するデータを削除してもよい。
第4実施形態によれば、低ベース状態で、第1特別図柄の変動表示に対する保留予告演出を行なっているときに、第2特別図柄の第2始動条件が成立したときに、行なっている保留予告演出が中止されるので、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対する保留予告演出が行なわれているかがわかりにくくなることによる遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図20、図44のS522、図45のS502〜S512、図44のS524に示すように、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dでの保留記憶表示の保留記憶画像180において、対応する保留記憶情報についての特定の変動表示となる期待度に応じて複数種類定められた第1保留予告態様〜第3保留予告態様のうち、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)への期待度に応じて選択した保留予告態様とすることにより、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否かを予告報知する保留予告演出がされるので、予告報知により遊技者の期待感を煽ることができる。そして、図20(1E)、図45のS507〜S510に示すように、先にいずれかの保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が先に行なわれている保留予告態様よりも低い予告表示態様による保留予告演出が禁止(制限)されるので、保留予告演出により遊技者を興醒めさせないようにすることができる。これにより、保留記憶に基づく変動表示に対して行なう保留予告演出について、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図20の保留記憶画像180の形状での報知、図21および図22の第1キャラクタ94A〜第3キャラクタ94Cを出現させる報知のように、第1始動条件または第2始動条件が成立したときに行なわれる変動表示が特定の変動表示となるか否かの判定に基づき、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否かが、当該判定がされた変動表示が実行される前に予告報知されるので、遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、図44のS521により時短状態フラグがセットされていない低ベース状態であると判定されたときに限り、S522による保留予告演出に関する処理を行なう入賞時先読み予告演出決定処理を実行することを示したように、当該予告報知が、時短状態(高ベース状態)に制御されていないときに行なわれる。このように、第2始動条件が成立しやすくなり、第2保留記憶データが生じやすくなる時短状態(高ベース状態)中には、予告報知が行なわれず、時短状態とき(低ベース状態)に予告報知が行なわれるので、第1特別図柄に対する予告報知を実行している状態で、第2特別図柄を優先して消化し続けられることにより予告対象となっている変動表示をストックした状態で、第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示が継続される状況が生じることが防がれる。これにより、予告報知をするときに遊技の興趣を向上させつつ、遊技者の射幸心を過度に煽らず、遊技者に健全な遊技を提供することができる。
(3) 図31のように大当りとなる期待度は、第3保留予告態様>第2保留予告態様>第1保留予告態様であり、図45のS507,S513では、保留予告態様の大当りとなる期待度に基づいて、実行中の保留予告態様よりも低い予告報知態様による予告報知を禁止する。これにより、保留記憶データにより行なう変動表示が大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となるか否かにかかわらず、先に行なわれている保留予告演出と、後に行なわれる保留予告演出との複数の保留予告演出を並行して実行する頻度を担保することが可能となり、保留予告演出についての遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 第2実施形態に示したように、後の保留記憶データにより行なう変動表示が大当りとなる期待度が、先の保留記憶データにより行なう変動表示が大当りとなる期待度よりも低いときには、当該後の保留記憶データについての保留予告演出が禁止されるので、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる実質的な期待度に基づいて、保留予告演出についての遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図14〜図16に示すように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始条件が成立したときに、特定の変動表示パターンとしてのスーパーリーチの変動表示パターンに対しては、当該変動開始条件の成立時点の保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられ、スーパーリーチの変動表示パターン以外の変動パターンに対しては、変動開始条件の成立時点の保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられているはずれ時用の変動パターン種別判定テーブル(図15および図16のようなはずれ時用の変動パターン種別判定テーブル)の判定値と、ランダム2とに基づいて、変動パターンが決定される。変動パターンを決定する判定値テーブルについて変動開始条件の成立時点の保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられていると保留記憶数に従って変動表示時間を異ならせることで変動表示を効率的に実行することが可能となるが、始動条件の成立時と変動開始条件の成立時とで保留記憶数が異なると、始動条件の成立時にスーパーリーチの変動パターンに決定されると判断しても、変動開始条件の成立時にスーパーリーチの変動パターンに決定されないというような不整合が生じる場合がある。はずれ時用の変動パターン種別判定テーブルについて、スーパーリーチの変動パターンに対しては、保留記憶数にかかわらず、共通の判定値が割当てられ、スーパーリーチ以外の変動表示パターンに対しては、保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられているように構成されているので、スーパーリーチの変動パターンとなると判定したことに基づき保留内大当り報知演出の報知を実行する場合に、保留記憶数によって不整合が生じないようにすることができる。また、保留記憶数にしたがって変動時間を異ならせることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。そして、保留記憶データについて、大当り遊技状態に移行させる決定がされないときでも、保留記憶内にスーパーリーチとなる変動パターンカテゴリFを指定した入賞時判定結果があれば、大当り遊技状態中に、保留内大当り報知演出の報知が行なわれる。大当りとなるときには、図14に示すように、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチとなることが多いので、保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングに対する遊技者の期待感に加えて、遊技者に大当り遊技状態終了後のスーパーリーチに対する期待感を持たせることができるようになる。このように実行される報知に基づいて、大当り遊技状態となったときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図45のS509,S513に示すように、大当りとなる期待度が最も低い第1保留予告態様で保留記憶画像180が表示されることにより保留予告演出が先に行なわれている状態において、後に行なう保留予告演出として、大当りとなる期待度が最も低い第1保留予告態様による保留予告演出が禁止される。これにより、後に行なう保留予告演出として、大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が最も低い第1保留予告態様が続いて実行されず、第1保留予告態様よりも期待度が高い保留予告態様に限定した保留予告演出が行なわれることとなるので、遊技者の期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 図49のS1977,S1978,S1989、図50のS711〜S715に示すように、大当り遊技状態中において所定期間が経過した段階(たとえば、第9ラウンドが終了したタイミング)において、当該大当り特定遊技状態中に保留記憶された第1保留記憶データおよび第2保留記憶データについて、確変大当りAまたは確変大当りBのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度に応じて予告報知(選択した予告表示態様による予告報知)が実行されるので、遊技者の期待感を煽ることができる。パチンコ遊技機では、大当り遊技状態中において、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dで行なうような保留記憶表示を行なわないのが一般的(保留記憶表示を行なわない遊技機の割合が多い)であるので、大当り遊技状態中に保留記憶表示において特定の変動表示への期待度に応じた予告報知をすると演出が不自然になる。これに対し、前述した大当り中予告演出のように、大当り遊技状態中において所定期間が経過した段階において大当り遊技状態中に保留記憶された保留記憶データについて、確変大当りAまたは確変大当りBのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度に応じて予告報知が実行されるので、演出の不自然さが生じないようにすることができる。
(8) 図23のS51で第1保留記憶数=第2保留記憶と判定したときは、S54で特別図柄ポインタに「第2」を示す値をセットすることにより第2特別図柄の変動表示を優先して実行することを示したように、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときには、第2保留記憶データの方が優先的に変動表示に用いられる。これにより、第2始動条件が成立しやすくなり、第2保留記憶データが生じやすくなる時短状態中において、第2保留記憶データについての保留記憶数の上限数により無効となる第2保留記憶データ数を低減することができる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときには、第1保留記憶データの方が優先的に変動表示に用いられるようにしてもよい。このようにすれば、第1保留記憶データが生じやすい低ベース状態(非時短状態)において、第1始動入賞口13への始動入賞に関する無効な入賞を低減することができる。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときにおいては、高ベース状態(時短状態)中は第2保留記憶データの方を優先的に変動表示に用い、低ベース状態(非時短状態)中は第1保留記憶データの方を優先的に変動表示に用いるように構成してもよい。このような構成とすれば、遊技状態に合わせて、始動入賞に関する無効な入賞を低減することができる。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数のときには、高ベース状態であるか否かに関わらず、常に第2保留記憶データの方が優先的に変動表示に用いられるようにしてもよい。
(9) 第3実施形態に示すように、保留予告選択有無判定テーブルおよび保留予告態様選択テーブルのデータを設定すれば、共通の保留予告態様による保留予告演出が行なわれる第1特別図柄に対する保留予告演出と、第2特別図柄に対する保留予告演出とで、共通の保留予告態様による予告報知が行なわれたときに大当りのような特定の変動表示(スーパーリーチのような特定の変動パターンの変動表示も含む)となる期待度が異なるので、期待度の相違に基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 第4実施形態に示すように、低ベース状態で、第1特別図柄の変動表示に対する保留予告演出を行なっているときに、第2特別図柄の第2始動条件が成立したときに、行なっている予告報知が中止されるので、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対する予告報知が行なわれているかがわかりにくくなることによる遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(11) 図46のS886で保留記憶表示を消去することを示したように、保留予告演出を行なっているときにおいて、大当り遊技状態に移行されるときに、行なっている保留予告演出が中止されるので、保留予告演出の対象となっている変動表示をストックした状態で、大当り遊技状態に移行することが防がれる。これにより、遊技者の射幸心を過度に煽らず、遊技者に健全な遊技を提供することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、保留予告演出として、大当りとなる期待度に応じて異なる割合で実行の可否を選択し、大当りとなる期待度に応じて異なる割合で予告演出態様を選択する例を示した。しかし、これに限らず、保留予告演出としては、リーチとなる期待度に応じて異なる割合で実行の可否を選択し、リーチとなる期待度に応じて異なる割合で予告演出態様を選択するようにしてもよい。つまり、保留予告演出としては、変動表示が大当り表示結果となることを予告対象とする大当り予告の演出であってもよく、変動表示がリーチ状態となることを予告対象とするリーチ予告の演出であってもよい。また、保留予告演出としては、たとえば、変動表示が大当り表示結果となること、または、変動表示がリーチ状態となることのような遊技者にとって有利な変動表示が行なわれることを予告対象とする予告の演出であってもよい。つまり、前述した実施の形態に示した保留予告演出は、特定の変動表示となるか否かを、当該変動表示が特定の変動表示となるか否かを判定する判定手段による判定がされた変動表示が実行される前に予告報知するものであれば、どのような種類の予告報知演出であってもよい。
(2) 前述した実施の形態では、大当り中予告演出として、確変大当りとなる期待度に応じて異なる割合で実行の可否を選択し、大当りとなる期待度に応じて異なる割合で大当り中予告態様を選択する例を示した。しかし、これに限らず、大当り中予告演出としては、確変大当りとなる期待度にかかわらず、複数種類の大当り中予告態様から選択した大当り中予告態様で予告報知を行なうようにしてもよい。また、大当り中予告演出としては、確変大当りA,Bだけに限らず、突確大当りも予告対象とし、確変大当りA、突確大当りB、および、突確大当りのいずれかとなる期待感に応じて異なる割合で、大当り予告選択の選択、大当り中予告態様の選択を行なうようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り中予告演出として、確変大当りとなる期待度に応じて異なる割合で実行の可否を選択し、大当りとなる期待度に応じて異なる割合で予告演出態様を選択する例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなる期待度にかかわらず、大当り中予告演出としては、リーチとなる期待度に応じて異なる割合で実行の可否を選択し、リーチとなる期待度に応じて異なる割合で予告演出態様を選択するようにしてもよい。つまり、大当り中予告演出としては、変動表示が大当り表示結果となることを予告対象とする大当り予告の演出であってもよく、変動表示がリーチ状態となることを予告対象とするリーチ予告の演出であってもよい。また、大当り中予告演出としては、たとえば、変動表示が大当り表示結果となること、または、変動表示がリーチ状態となることのような遊技者にとって有利な変動表示が行なわれることを予告対象とする予告の演出であってもよい。つまり、前述した実施の形態に示した大当り中予告演出は、大当り遊技状態中において所定期間が経過した段階において、当該大当り遊技状態中に保留記憶データについて、特定の変動表示となるか否かを、当該変動表示が特定の変動表示となるか否かを判定する判定手段による判定結果に応じて選択した予告表示態様により予告報知するものであれば、どのような種類の予告報知演出であってもよい。
(4) 前述した実施の形態では、図45のS509,S513に示すように、大当りとなる期待度が最も低い第1の保留予告態様で保留記憶報知が実行中であるときに、実行中の保留予告態様と同じ第1保留予告態様で、後の保留記憶データに基づく保留予告演出を行なうことを禁止する例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなる期待度が最も低い第1の保留予告態様に限らず、大当りとなる期待度が2番目に低い第2保留予告態様で保留記憶報知が実行中であるときについても、実行中の保留予告態様と同じ第2保留予告態様で、後の保留記憶データに基づく保留予告演出を行なうことを禁止するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、15Rの大当りの種別として、確変状態が所定回数の変動表示が実行されるまで継続し、時短状態の継続期間(変動表示回数)が異なる2種類の確変大当りAおよび確変大当りBを含む例を説明した。しかし、これに限らず、15Rの大当りの種別としては、確変状態に制御されない通常大当りと、確変状態に制御される確変大当りとを含むもの等、その他の大当り種別の組合せを用いてもよい。通常大当りと、確変大当りとを含む場合においては、たとえば、確変大当りについて、確変状態および時短状態が次回の大当りが発生するまで継続するものであってもよい。そのような場合、確変大当りについては、図28の特別図柄停止処理におけるS140〜150が不用となり、たとえば、図10の特別図柄プロセス処理において、S307の大当り終了処理において、確変大当りの遊技状態が終了するときに、確変フラグおよび時短フラグをセットする処理を行ない、S304の特別図柄停止処理において、大入賞口開放前処理に移行するときに、確変フラグおよび時短フラグをリセットする処理を行なえばよい。一方、そのような場合の通常大当りとしては、時短状態に制御されないものであってもよく、所定期間(たとえば、変動表示100回が実行されるまでの期間)に亘り時短状態に制御されるものであってもよい。変動表示100回が実行される期間に亘り時短状態に制御される場合には、大当りの遊技状態が終了するときに、時短フラグのみをセットする処理を行ない、確変フラグがセットされていないときに限り図28のS140〜S145の処理を実行するようにすればよい。また、通常大当りと、確変大当りとを含む場合においては、図17に示すような15R大当りについての判定テーブルを通常大当りの判定テーブルと、確変大当りの判定テーブルとに分けて設け、確変大当りとなるときの方がスーパーリーチの変動パターン種別が選択される割合を高くする等、データの設定を異ならせばよい。また、通常大当りと、確変大当りとを含む場合においては、図30の保留予告選択有無判定テーブルおよび図31の保留予告態様選択テーブルのそれぞれにおいて、「確変大当りA」を「確変大当り」に置換え、「確変大当りB」を「通常大当り」に置換えればよい。また、通常大当りと、確変大当りとを含む場合においては、図32の大当り中予告選択有無判定テーブルおよび図33の大当り中予告態様選択テーブルのそれぞれにおいて、「確変大当りA」を「確変大当り」に置換え、「確変大当りB」を「通常大当り」に置換えればよい。また、図32の大当り中予告選択有無判定テーブルおよび図33の大当り中予告態様選択テーブルのそれぞれにおいて、「確変大当り」と「通常大当り」とで、大当り中予告選択の選択割合を異ならせ(「確変大当り」の方の割合を高くする)、「確変大当り」と「通常大当り」とで、第3大当り中予告態様の選択割合を異ならせ(「確変大当り」の方の割合を高くする)てもよい。
(6) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(7) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(8) 前述の実施の形態では、特定遊技状態としての大当り遊技状態終了後に、第1遊技状態、または、該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行させる例として、第1遊技状態として、付随する時短状態の期間が短い(20回)確変状態とし、第2遊技状態として、付随する時短状態の期間が長い(100回)確変状態とする例を示した。これに限らず、大当り遊技状態終了後の状態を時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とする通常大当りを設け、第1遊技状態として、時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とし、第2遊技状態として、確変状態(時短状態を含んでもよく、含まなくてもよい)としてもよい。また、大当り遊技状態終了後の状態を確変状態とならない時短状態とする時短大当りを設け、第1遊技状態として、時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とし、第2遊技状態として、確変状態とならない時短状態としてもよい。このように、第1遊技状態と第2遊技状態との関係は、第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態であれば、どのような関係であってもよい。また、特定遊技状態としては、大当り遊技状態終了後に次回の大当りが発生するまでの期間継続して確変状態(高確率状態)および時短状態(高ベース状態)に制御する15ラウンドの確変大当りと、大当り遊技状態終了後に変動表示が所定回数(たとえば、100回)行なわれるまで非確変状態(低確率状態)および時短状態(高ベース状態)に制御する15ラウンドの通常大当りと、大当り遊技状態終了後に確変状態(高確率状態)および時短状態(高ベース状態)に制御する2ラウンドの確変大当り(突確大当り)との3つの種別の大当りを設け、大当り種別を選択するものであってもよい。
(9) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(10) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(11) 前述した実施の形態では、表示結果がはずれであり、変動パターンのカテゴリがスーパーリーチとなるカテゴリFであるときに、保留予告演出を実行するか否かを判定する例を示した。しかし、これに限らず、表示結果がはずれであるときに、変動パターンのカテゴリがスーパーリーチとなるカテゴリF以外のであるときにも、保留予告演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。その場合には、大当りとなるときと比べて、大当りとなる期待度が高い保留予告態様を選択する割合が低く、スーパーリーチとなるときと比べて、大当りとなる期待度が高い保留予告態様を選択する割合が低くなるように設定すればよい。
(12) 前述した実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示との優先順位について、保留記憶数が多い方の特別図柄を優先して変動表示を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示との優先順位については、第2特別図柄の保留記憶データを優先して変動表示を行なう等、いずれか一方の特別図柄の変動表示を優先して行なうようにしてもよい。このように一方の特別図柄の変動表示を優先して行なうときには、一方の特別図柄に対する先読み予告を実行している状態で、他方の特別図柄の保留記憶データを優先して消化し続けることにより予告対象となっている変動表示をストックした状態で、他方の特別図柄の変動表示が継続される状況が生じないようにするために、高ベース状態中において、前述のような先読み予告の演出の実行を禁止するようにしてもよい。たとえば、高ベース状態中において、前述の入賞時演出処理(S216,S226)の実行を禁止する処理を行なうか、または、高ベース状態中において、前述の入賞時演出処理(S216,S226)を実行するが入賞時先読み予告演出決定処理(S522)および大当り中先読み予告演出決定処理を禁止する処理を行なえばよい。また、一方の特別図柄の変動表示を優先して行なうときには、一方の特別図柄に対する先読み予告を実行している状態で、他方の特別図柄の保留記憶データを優先して消化し続けることにより予告対象となっている変動表示をストックした状態で、他方の特別図柄の変動表示が継続される状況が生じないようにするために、大当り遊技状態中において、前述のような大当り中予告演出の実行を禁止するようにしてもよい。たとえば、大当り遊技状態中において、前述の入賞時演出処理(S216,S226)の実行を禁止する処理を行なうか、または、大当り遊技状態中において、前述の入賞時演出処理(S216,S226)を実行するが入賞時先読み予告演出決定処理(S522)および大当り中先読み予告演出決定処理を禁止する処理を行なえばよい。また、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示との優先順位については、始動入賞した順番に応じて変動表示を行なうようにしてもよい。このように始動入賞した順番に応じて変動表示を行なう場合には、一方の特別図柄に対する先読み予告を実行している状態で、他方の特別図柄の保留記憶データを優先して消化し続けることにより予告対象となっている変動表示をストックした状態で、他方の特別図柄の変動表示が継続される状況が生じないので、高ベース状態中であっても、大当り遊技状態中であっても、前述のような先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(13) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。