以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動条件の成立に応じて各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なう変動表示手段を備え、該変動表示手段に導出された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となるラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。「大当り」としては、複数の種別が設けられている。
「大当り」のうち、7ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御されるとともに、特別図柄の変動表示時間が短縮される(たとえば、後述する変動パターンとして、変動表示時間が短い変動パターンが選択される)遊技状態(時短状態)に移行する制御が行なわれる。この実施の形態の確変状態は、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、8回)実行されるまで継続可能となる。また、この実施の形態の時短状態は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、20回または100回)実行されるまで継続可能となる。
「確変大当り」としては、時短状態に制御される期間として、第1の期間(特別図柄の変動表示が100回実行されるまでの期間)継続可能となる「確変大当りA」と、時短状態に制御される期間として、第1期間よりも短い第2の期間(特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの期間)継続可能となる「確変大当りB」との複数種類の確変大当りが設けられている。このように、確変大当りAとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が8回実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が100回実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。また、確変大当りBとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が8回実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。
また、「大当り」のうち、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が7ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当り種類(種別)は、「突然確変大当り」と呼ばれる。突然確変大当りは、このような態様で大入賞口が開放されることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。また、突然確変大当りは、ラウンド数が少なく開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。突然確変大当りとなったときには、大当り遊技状態後において、特別図柄の変動表示が所定回数(たとえば、8回)実行されるまでの期間に亘り継続可能な確変状態に制御され、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、20回)実行されるまでの期間に亘り継続可能な時短状態に制御される。
なお、「大当り」の種類(種別)としては、7ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されない大当りの種類(種別)としての「通常大当り」の種類(種別)を所定の割合で発生させる制御を行なうようにしてもよい。また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとものと短い大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
また、「大当り」の他に、所定の割合で小当りが発生する制御を行なうようにしてもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行なわれると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。さらに、前述の確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。これにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度の高まる遊技状態となる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメインを示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、確変大当りA、確変大当りB、および、突然確変大当りのいずれかの種別)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、確変大当りAの種別と、確変大当りBの種別と、突然確変大当りの種別とを含む。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、確変大当りAの種別と、確変大当りBの種別と、突然確変大当りの種別とのうちいずれかに決定される。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、確変大当り(確変大当りA、確変大当りBの両方を含む確変大当り)である場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である第1の特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である第2の特殊変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される時短状態(確変状態を含む)であるときと、時短状態でないときとでは、はずれである場合に、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態(確変状態を含む)であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、合算保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、合算保留記憶数が所定個数以上であるときには、合算保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「確変大当りA」は、前述のように、7ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が20回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。「確変大当りB」は、前述のように、7ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が100回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。「突然確変大当り」は、前述のように、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行させる大当りであって、大当り遊技状態の終了後、変動表示が8回実行されるまで確変状態が継続可能であり、変動表示が20回実行されるまで時短状態が継続可能な大当りである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「突然確変大当り」、のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、「確変大当りB」の判定値数が「確変大当りA」の判定値数よりも多く設定されており、「確変大当りA」の判定値数が「突然確変大当り」の判定値数よりも多く設定されている。したがって、第1特別図柄の変動表示が実行される場合、および、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、「確変大当りB」に決定される割合が最も高い。また、「7ラウンドの大当り」に決定される割合が、「2ラウンドの大当り」に決定される割合よりも高い。また、「7ラウンドの大当りのうち」、「確変大当りB」に決定される割合が「確変大当りA」に決定される割合よりも高い。
なお、この実施の形態において、第1特図用大当り種別判定テーブルおよび第2特図用大当り種別判定テーブルでは、各大当りの種別が選択される割合が等しくなるように設定されている。しかし、これに限らず、これらテーブル間で各大当りの種別が選択される割合が異なるように設定してもよい。
また、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として7ラウンドの大当り(確変大当りA、確変大当りB)と決定する場合を説明している。しかし、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ7ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を7回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には7ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に7ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも7回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、確変大当りAに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、確変大当りBに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、突然確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図13参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞または第2始動入賞の始動入賞時に、大当り判定、大当り種別判定、および、変動パターンカテゴリの判定を行なう。このような判定を入賞時判定という。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに、判定結果としての当りはずれ判定結果、大当り種別判定結果、変動パターンカテゴリ判定結果、および、大当りと判定した場合の判定値(通常時大当り判定値(第1判定値)または確変時大当り判定値(第2判定値))を特定するデータを設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行なう。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび突然確変大当り開始指定コマンドがある。大当り開始1指定コマンドは、確変大当りAの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、確変大当りBの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの大当り遊技の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変常大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図8および図9に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図8および図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう画像表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S214)。
保留記憶特定情報記憶領域においては、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
ここで、図12を参照して、図12(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図12(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図12(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図12(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S215)。具体的に、S215の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S216)。そして、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S218)。そして、CPU56は、入賞時演出処理での入賞時判定の判定結果に基づいて第1始動入賞についての入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S219)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
この実施の形態では、始動入賞に基づく判定結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドに基づいて保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう、所謂先読み予告が行なわれる場合がある。この実施の形態の場合、先読み予告としては、保留内大当り報知演出と、保留内大当り復活報知演出とが設けられている。保留内大当り報知演出は、大当り遊技状態中に記憶されている保留記憶データ(保留記憶内のデータ)について、大当りとなった後の所定のタイミングで、当該保留記憶データに基づいた変動表示により大当りとなるか否かを示唆する報知演出である(後述する図38および図39において(1D)〜(1F),(2D)〜(2F)に示すようなラウンド中の演出)。保留内大当り報知演出による大当りとなるか否かの示唆は、実際に大当りとなるときに行なわれる大当りの示唆と、実際にははずれとなるときに行なわれる大当りの示唆(所謂ガセ)とを含む。なお、保留内大当り報知演出による大当りとなるか否かの示唆は、実際にははずれとなるときに行なわれる示唆(所謂ガセ)を含まないものであってもよい。保留内大当り復活報知演出は、保留内大当り報知演出において所定のタイミングで大当りとなるかならないかの示唆がされた後、最終ラウンド終了後のエンディング演出時に、大当りとなるか否かを示唆する演出を再び行なう報知演出である(後述する図40において(1N)に示すようなエンディング時の演出)。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)をする(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
次いで、CPU56は、S216と同様に、入賞時演出処理を実行する(S226)。そして、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理での入賞時判定の判定結果に基づいて第2始動入賞についての入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。
なお、S213〜219の処理とS223〜229の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図13は、S216,S226の入賞時演出処理を示すフローチャートである。図14は、変動パターンカテゴリと変動パターン種別との関係を示す図である。変動パターンカテゴリは、変動パターン種別判定用のランダム2の数値データの更新範囲内において数値データを範囲分けした変動パターン種別の区分である。
図13を参照して、入賞時演出処理を説明する。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S216,S226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の左欄に示す通常時大当り判定テーブルの大当り判定値(言い換えると、確変時大当り判定テーブルと通常時大当り判定テーブルとで共通の第1大当り判定値)とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S231)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、いずれの変動パターン種別となるか否かの判定を行なう。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、大当り遊技状態中に、入賞時演出処理による入賞時の判定結果に基づいて保留記憶データの先読みを行なうことにより、大当り遊技状態中の特定タイミングにおいて、大当り遊技状態に移行させる決定がされるか否かを示唆する報知を行なう保留内大当り報知演出が行なわれる場合がある。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時大当り判定値と一致しなければ(S231のN)、CPU56は、S216,S226で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値(第1大当り判定値)以外の判定値(すなわち、確変時大当り判定値としての第2大当り判定値)とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S232)。前述したように、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値は、図7(B)の左欄に示す通常時の大当り判定値と共通の大当り判定値に、確変時固有の大当り判定値が加えられたものである。したがって、S231では、通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値(第1大当り判定値)で大当り判定が行なわれ、S232では、確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値(第2大当り判定値)で大当り判定が行なわれることとなる。これにより、遊技状態が通常状態であっても確変状態であっても、ランダムRが通常時および確変時で共通の大当り判定値であるときには、S231で通常時の大当り判定値と一致していると判定される。そして、ランダムRが確変時固有の大当り判定値であるときには、S232で確変時の大当り判定値と一致していると判定される。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S232のN)、S235に進む。
一方、S231またはS232で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)には、S231による通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値(第1大当り判定値)と、S232の判定による確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値(第2大当り判定値)とのどちらの大当り判定値の種別で大当り判定をしたかを示すデータをRAM55に記憶する(S233)。
そして、CPU56は、S216,S226で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定し(S234)、S235に進む。
S235では、S215またはS225により第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶された最新の第1始動入賞または第2始動入賞の保留記憶情報のうち、変動パターン種別判定用のランダム2の数値データと、後述するカテゴリ判定テーブルとを用いて、ランダム2の数値データが属する範囲に対応するカテゴリを判定する処理を行なう(S235)。図14を用いて説明するように、ランダム2の数値データに対して各変動パターン種別の振分けの割合は、はずれとなるときと大当りとなるときとで異なり、また、時短状態であるときと時短状態でないときとで異なり、さらに、保留記憶数が所定数未満であるときと所定数以上であるときとで異なる。
ここで、図14を参照して、ランダム2の値(詳細な数値は図示省略)と、変動パターンカテゴリと、変動パターン種別との関係を代表例を用いて説明する。図14においては、合算保留記憶数(図12(A))が「0」のときに始動入賞が発生し、その始動入賞に基づいた変動表示を行なうときの保留記憶データの例である通常保留記憶0(はずれ)、時短保留記憶0(はずれ)、および、通常保留記憶0(大当り)と、合算保留記憶数が「3」のときに始動入賞が発生し、その始動入賞に基づいた変動表示を行なうときの保留記憶データの例である通常保留記憶3(はずれ)、時短保留記憶3(はずれ)、および、通常保留記憶3(大当り)とが代表例として示されている。
通常保留記憶0(はずれ)および通常保留記憶3(はずれ)は、通常状態(時短状態および確変状態以外の状態)ではずれとなる保留記憶データである。時短保留記憶0(はずれ)および時短保留記憶3(はずれ)は、時短状態(確変状態含む)ではずれとなる保留記憶データである。通常保留記憶0(大当り)は、通常状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)となる保留記憶データである。時短保留記憶3(大当り)は、時短状態で大当り(確変大当りA、確変大当りB、突然確変大当り)となる保留記憶データである。
合算保留記憶数は、始動入賞の発生に応じて図11のS218またはS228により加算更新され、変動表示開始時に、図15、図16の特別図柄通常処理において保留記憶データが読出された後にS58で減算更新される。したがって、合算保留記憶数が、0のときに1つの始動入賞が発生した場合を例にとると、合算保留記憶数は、始動入賞の発生に応じて図11のS218またはS228により加算更新されて「1」となり、変動表示開始時には、図15、図16の特別図柄通常処理において保留記憶データが読出された後にS58で減算更新されることにより「0」となることにより、変動パターンの決定時には「0」となる。そのように演算された合算保留記憶数(0〜7)に基づいて、後述する図17の変動パターン決定時におけるS96,S99により、変動短縮制御をするか否かが判定されて変動パターンを決定するために用いるデータテーブルが決定される(この実施の形態では、S96,S99により、変動パターン決定時における変動パターン決定時における合算保留記憶数が3以上のときに変動短縮制御をすると決定され、合算保留記憶数が3未満のときに変動短縮制御をしないと決定される)。図14において、通常保留記憶0(はずれ)および時短保留記憶0(はずれ)については、変動パターン決定時において合算保留記憶数に応じた変動短縮制御をしない決定がされたときに用いられる変動パターン種別の割合が示されており、通常保留記憶3(はずれ)および時短保留記憶3(はずれ)については、変動パターン決定時において合算保留記憶数に応じた変動短縮制御をする決定がされたときに用いられるの変動パターン種別の割合が示されている。
始動入賞時においては、合算保留記憶数に関係なく、ランダム2の数値データが属する範囲に対応する変動パターン種別のカテゴリを判定する。一方、変動表示の開始時においては、変動パターンを決定するときに、当該タイミング(変動パターン決定時)の合算保留記憶数に応じて変動短縮制御をするか否を判定して、ランダム2の数値データが属する範囲に対応する変動パターン種別を決定する。
ランダム2の数値範囲内(1〜251)においては、たとえば、「通常変動(非リーチ変動)」、「ノーマルリーチ変動」、および、「スーパーリーチ変動」の順番で、変動パターンの種別が設定されている。これら変動パターンの種別の割合は、通常状態(非時短状態)および時短状態(確変状態での時短状態も含む)のような遊技状態と、大当りか否か(はずれか)と、変動パターン決定時の合算保留記憶数との関係に基づいて、複数種類設定されている。この実施の形態では、変動パターン決定時の合算保留記憶数が所定数以上となったときに、保留記憶数の消化効率を高めるために、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する(たとえば、比較的短い変動表示時間の変動パターンの選択割合を高くすることにより平均的変動表示時間を短縮する)制御である変動短縮制御が行なわれる。
たとえば、通常状態については、はずれとする決定がされたときに、合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれない(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2)とき(たとえば、図中の「通常保留記憶0(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0となる例)」)と、保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれる(合算保留記憶数が3〜7)とき(たとえば、図中の「通常保留記憶3(変動パターン決定時の合算保留記憶数が3となる例)」)とに分けて、変動パターンの種別の割合が設定されている。具体的に、合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれないときについては、ROM54に記憶された第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、ランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれるときについては、ROM54に記憶された第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、ランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。
通常状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の「通常保留記憶3(変動パターン決定時の合算保留記憶数が3となる例)」)には、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の「通常保留記憶0(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0となる例)」)と比べて、変動パターン決定時において、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動パターン変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いようにデータが設定されている。また、通常状態ではずれとする決定がされたときに、保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれるときには、合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれないときと比べて、ノーマルリーチ変動に決定される割合と、スーパーリーチ変動に決定される割合とがともに低いようにデータが設定されている。
また、時短状態については、はずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の「時短保留記憶0(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0となる例)」)と、前述の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の「時短保留記憶3(変動パターン決定時の合算保留記憶数が3となる例)」)とに分けて、変動パターンの種別の割合が設定されている。図14に示す変動パターン種別の割合は、後述する特別図柄プロセス処理の変動パターン設定処理で用いられる各種変動パターン種別判定テーブルと同様の割合が設定されている。
時短状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のとき(たとえば、図中の時短保留記憶3)は、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のとき(たとえば、図中の時短保留記憶0)と比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いようにデータが設定されている。また、時短状態ではずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3〜7のときは、変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2のときと比べて、変動パターン決定時において、ノーマルリーチ変動に決定される割合と、スーパーリーチ変動に決定される割合とがともに低いようにデータが設定されている。
また、通常状態で大当り(確変大当りAまたは確変大当りB)とする決定がされたとき(たとえば、図中の「通常大当り保留記憶0(大当り)」)と、時短状態で大当り(確変大当りAまたは確変大当りB)とする決定がされたとき(たとえば、図中の「時短大当り保留記憶3(大当り)」)とのそれぞれについては、必ずリーチ変動となるが、はずれとする決定がされたときと比べて、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合よりも「スーパーリーチ変動」に決定される割合の方が高くなるように設定されている。また、大当りとする決定がされたときには、はずれとする決定がされたときとは異なり、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合と「スーパーリーチ変動」に決定される割合との関係が、通常状態、時短状態、合算保留記憶数に関係なく一定の割合(同じ割合)に設定されている。
カテゴリAは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリAに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ず通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリAは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリAに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずノーマルリーチ変動に決定される。
カテゴリBは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリBに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ず通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリBは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリBに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリCは、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶3のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときには、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶3(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリCは、はずれとする決定がされる場合は、時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときは、遊技状態が時短状態であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリCは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリCに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリDは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときは、遊技状態が通常状態であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定される。また、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の時短保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、前述の変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶3のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときには、遊技状態が時短状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定され、遊技状態が時短状態であり、かつ、、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶3(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される。また、カテゴリDは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリDに属するときは、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリEは、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がスーパーリーチ変動に決定され、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶3のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリEに属するときには、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がスーパーリーチ変動に決定され、遊技状態が通常状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶3(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定される。また、カテゴリEは、はずれとする決定がされる場合は、時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、ノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリEに属するときは、遊技状態が時短状態であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定される。また、カテゴリEは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリEに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリFは、はずれとする決定がされる場合は、通常状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少に関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリFに属するときは、遊技状態が通常状態であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がスーパーリーチ変動に決定される。また、はずれとする決定がされる場合は、遊技状態が時短状態であるときに、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の時短保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がスーパーリーチ変動に決定され、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中通常保留記憶3のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、はずれとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリFに属するときには、遊技状態が時短状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶0(はずれ)のような0〜2の数であれば、変動パターン種別がスーパーリーチ変動に決定され、遊技状態が時短状態であり、かつ、変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の通常保留記憶3(はずれ)のような3〜7の数であれば、変動パターンの決定時において、変動パターン種別がノーマルリーチ変動に決定される。また、カテゴリFは、大当りとする決定がされる場合は、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である。したがって、大当りとする決定がされる場合に、ランダム2の数値データの値がカテゴリFに属するときは、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
カテゴリGは、大当りとする決定がされる場合およびはずれとする決定がされる場合において、通常状態か時短状態かの遊技状態と、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数が図中の保留記憶0のような0〜2の数と、図中の保留記憶3のような3〜7の数とのどちらであるか)の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲である(たとえば、ランダム2の230〜251の範囲)。したがって、大当りとする決定がされる場合およびはずれとする決定がされる場合において、ランダム2の数値データの値がカテゴリGに属するときは、遊技状態と変動パターン決定時の合算保留記憶数とのそれぞれに関わらず、変動パターンの決定時において、変動パターン種別が必ずスーパーリーチ変動に決定される。
確変大当りAとするときについては、ROM54に記憶された確変大当りA変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、確変大当りBとするときについては、ROM54に記憶された確変大当りB変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。突然確変大当りとするときには、ROM54に記憶された突然確変大当り変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。
通常状態においてはずれとするときにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれないときについては、ROM54に記憶された第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、通常状態においてはずれとするときにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれるときについては、ROM54に記憶された第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、前述しようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、時短状態においてはずれとするときにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれないときについては、ROM54に記憶された第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。また、時短状態においてはずれとするときにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数に応じた変動短縮制御が行なわれるときについては、ROM54に記憶された第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルに、前述したようなランダム2の値と変動パターンの種別との関係が示されている。
S235では、図14に示すようなランダム2の数値データと、変動パターンのカテゴリとの関係は、RAM55に記憶されたカテゴリ判定テーブルに設定されている。始動入賞があったときには、始動入賞の発生時に抽出されたランダム2の数値データと、カテゴリ判定テーブルとを用いて、ランダム2の数値データに対応するカテゴリが判定される。
そして、図13を参照して、CPU56は、S235による判定結果、および、S233で記憶されたデータに基づいて、判定した変動パターンカテゴリを指定し、かつ、大当りとする判定がされた場合は第1大当り判定値(通常時大当り判定値)と第2大当り判定値(確変時大当り判定値)とのどちらに基づいて判定されたかどうかを指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信するためのデータ(コマンドデータ)を設定する処理を行なう(S236)。第1,第2のどちらの大当り判定値に基づいて判定されたかを指定する情報は、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶内に大当りとなる入賞時判定結果があるか否かの判定を行なうときに用いられる。
たとえば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、次のようにコマンドデータが設定される。はずれと判定された場合には、次のようにコマンドデータが設定される。「はずれと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「00(H)」を設定する処理を行なう。「はずれと判定し、かつ、カテゴリBの変動パターンカテゴリであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「01(H)」を設定する処理を行なう。このように、「はずれと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「00(H)」〜「06(H)」のコマンドデータが設定される。
また、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合において、大当りと判定された場合には、次のようにコマンドデータが設定される。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「07(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「08(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「07(H)」〜「0D(H)」のコマンドデータが設定される。
「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「10(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「11(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「10(H)」〜「16(H)」のコマンドデータが設定される。
「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「17(H)」を設定する処理を行なう。「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「18(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「17(H)」〜「1D(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「20(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「21(H)」を設定する処理を行なう。このように、「通常時大当り判定値に基づいて確変大当りAと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「20(H)」〜「26(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「27(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「28(H)」を設定する処理を行なう。このように、「確変時大当り判定値に基づいて確変大当りBと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「27(H)」〜「2D(H)」のコマンドデータが設定される。
「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリAであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「30(H)」を設定する処理を行なう。「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定し、かつ、カテゴリBであると判定した」場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「31(H)」を設定する処理を行なう。このように、「確変時大当り判定値に基づいて突然確変大当りと判定した場合には、カテゴリA〜Gに応じて、MODEデータ「95(H)」で、EXTデータ「30(H)」〜「36(H)」のコマンドデータが設定される。
また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合には、第1始動入賞口13への始動入賞の場合と区別できる態様で、第1始動入賞口13への始動入賞の場合と同様に、EXTデータにより、当りはずれ、大当り種別、および、第1,第2のどちらの大当り判定値に基づいて大当り判定されたかを指定するコマンドデータを設定する。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図26(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、先に保留記憶されたデータに基づく変動表示から順に実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214Aや始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りA」、「確変大当りB」、または、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214Aや始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図7(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当りB」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当りA」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当りB」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りA変動パターン種別判定テーブル、確変大当りB変動パターン種別判定テーブル、および、突然確変大当り変動パターン種別判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S95のY)、CPU56は、S98に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。合算保留記憶数が3未満であれば(S96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短状態でもなく合算記憶数が3以上でもないときに用いる第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(S97)。そして、S102に移行する。第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、たとえば、図14の「通常保留記憶0(はずれ)」に対応して示すような割合で変動パターン種別が設定されたデータテーブルである。
合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上である場合(S96のY)に、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(S98)。そして、S102に移行する。第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、たとえば、図14の「通常保留記憶3(はずれ)」に対応して示すような割合で変動パターン種別が設定されたデータテーブルであり、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターン(非リーチ変動パターン)の選択割合が高く設定されている。これにより、通常状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
また、時短フラグがセットされている場合(S95のY)、CPU56は、合算保留記憶数(変動パターン決定時の合算保留記憶数)が3以上であるか否かを確認する(S99)。合算保留記憶数が3未満であれば(S99のN)、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する。そして、S102に移行する。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合には、通常状態で合算保留記憶数が3以上であるときと同様に、通常状態において合算保留記憶数が3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。この実施の形態場合、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルと、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルとは、図14で示したように、各変動パターン種別が同様の割合で設定されている。なお、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルの方が、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルよりも変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるようにデータを設定してもよい。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
合算保留記憶数が3以上である場合(S96のY)に、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(S100)。そして、S102に移行する。第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、たとえば、図14の「時短保留記憶3(はずれ)」に対応して示すような割合で変動パターン種別が設定されたデータテーブルであり、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルと比べて、変動時間が短い通常変動パターンの選択割合が高く設定されている。これにより、時短状態において変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、3未満である場合と比べて、平均的な変動時間を短縮することができる。このように、合算保留記憶数が多くなるにしたがって平均的な変動時間を短くすることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。このように平均的な変動時間を短縮することにより、変動短縮制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、時短変動の変動表示を行なわないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU56は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92、S94、S97,S98またはS100の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、前述のように変動パターン種別に対応して設けられた変動パターン判定テーブルを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S106)。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S100,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りAであるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S111,S112)。確変大当りAであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる(S111)。大当りの種別が確変大当りAでなく、確変大当りBであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S111A,S112B)。確変大当りBであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる(S111A)。また、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAおよび確変大当りBでなく、突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S113,S114)。突然確変大当りであるか否かは、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる(S113)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りAである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が、確変大当りA、確変大当りB、または、突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S135A)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、確変大当りA,Bの場合には7回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
次いで、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S140)。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S141)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S142)。
なお、CPU56は、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合、たとえば、時短状態に移行した後、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短回数を管理するようにしてもよい。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態指定コマンドを受信すると、時短回数カウンタに所定値(たとえば100)をセットし、演出図柄の変動表示を実行するごとに時短回数カウンタの値を1減算して、時短回数の残り回数を管理するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(S143のY)、時短フラグをリセットする(S144)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S145)。
次いで、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S146)。確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(S147)。そして、確変回数カウンタの値が0になった場合には(S148のY)、確変フラグをリセットする(S149)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S150)。S146で確変フラグがセットされていないと判断された場合、確変回数カウンタの値が0になっていないと判断された場合、または、S150で時短状態指定コマンドを送信した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りAであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りBであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S161)。本実施の形態の場合、すべて大当りの種別が、大当り遊技状態の終了後に所定期間に亘り確変状態(時短状態を含む)とするからである。そして、確変回数カウンタに「8」の値をセットする(S162)。これにより、確変状態は、最大限、特別図柄の変動表示が8回実行されるまで継続することとなる(S148,S149参照)。また、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S163)。本実施の形態の場合、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるときに、予め定められた期間に亘り時短状態とするからである。そして、時短状態が継続可能な時短回数として、大当りの種別に応じて、特別図柄の変動表示が20回または100回のいずれにするかを決定する時短回数決定処理を実行する(S164)。具体的に、S164では、確変大当りAであったときには時短回数を100回に決定し、確変大当りBまたは突然確変大当りであったときには時短回数を20回に決定する。なお、時短回数決定処理では、たとえば、時短回数を決定するための乱数値(時短回数決定用乱数値)を抽出し、抽出した乱数値に基づいて時短回数を20回または100回のいずれかにするかを決定するようにしてもよい。これにより、時短状態は、大当り遊技の終了後、20回または100回の特別図柄の変動表示が実行されるまで継続されることになる(S143,S144参照)。そして、CPU56は、時短回数決定処理で決定した時短回数(20回または100回)を示す値を時短回数カウンタにセットする(S165)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S165A)。
S163に移行する。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S166)。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数等の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図23は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。
図24〜図26は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが突然確変大当り開始指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行ない(S634)、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。受信した演出制御コマンドが突然確変大当り終了指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S647A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放中指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S647B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S647C)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S648A)、演出制御用CPU101は、その大入賞口開放後指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)、すなわち回数のデータをRAMに形成されている開放中回数保存領域に格納する(S648B)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口の開放中であることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(S648C)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)にしたがって、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(S653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)にしたがって、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(S656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされていれば、時短状態フラグをリセットする(S658)。これは、時短状態が終了し通常状態に移行するときにおいては、時短状態であることに対応して、後述するS660により時短フラグがセットされているからである。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S659)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをリセットし(S659A)、時短状態フラグをセットする(S660)。確変状態フラグをリセットするのは、確変状態が終了し時短状態に移行するときにおいては、確変状態であることに対応して、後述するS662により確変フラグがセットされているからである。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S662)。
S657〜S662の処理が行なわれることにより、通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および、確変状態指定コマンドを受信することに基づき、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態、時短状態(非確変状態)、および、確変状態(時短状態を含む)のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することができる。具体的に、遊技状態が通常状態であるときには、確変状態フラグおよび時短状態フラグのどちらもセットされていない状態となる。また、遊技状態が確変状態であるときには、確変状態がセットされ、かつ、時短状態フラグがセットされている状態となる。また、遊技状態が時短状態であるときには、確変状態がセットされず時短状態フラグがセットされている状態となる。これにより、確変状態フラグおよび時短状態フラグの状態を確認することにより、遊技状態が通常状態、時短状態(非確変状態)、および、確変状態(時短状態を含む)のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することが可能である。
また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU101は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(S664)。すなわち、演出制御用CPU101は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をRAMに形成されている入賞時判定結果指定コマンド保存領域に格納する(S666)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグ等のデータをセットする(S667)。そして、S611に移行する。
図27は、図22に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、後述するラウンド後処理において、先読み予告として保留内大当り報知演出を実行する決定がされたときには、保留内大当り報知演出を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行なう。予め定められた複数のラウンド間のそれぞれにおいて、保留内大当り報知演出を行なうか否かを判定し、保留内大当り報知演出を行なうと判定したときに、次のラウンド中において保留内大当り報知演出を行なうための演出態様を決定する。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。また、後述するラウンド後処理において、先読み予告として保留内大当り復活報知演出を実行する決定がされたときには、保留内大当り復活報知演出を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図28は、図22に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図29は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図29に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りAの発生を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りBを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(確変大当Bの発生を想起させるような大当り停止図柄の組合せ)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「1,3,5」等の演出図柄の組合せ(突然確変大当り図柄の組合せ)を決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
図30は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図30に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図31は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、当該大当り表示処理に移行する前の演出図柄変動停止処理において設定されたプロセステーブルのデータを用いて、S871〜S874を実行することにより、大当りの開始を報知する演出を行なう。
プロセスタイマの値を1減算する(S871)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S872)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S873)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S874)。これにより、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する等、大当りの開始を報知する演出が実行される。
一方、大入賞口開放中フラグがセットされていた場合には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンドを確認することに基づいて、当該大当りとなった変動表示の表示結果を指定する表示結果指定コマンドが表示結果指定コマンド2または表示結果指定コマンド3であるか否かを確認する(S871A)。つまり、S871Aでは、当該大当りが確変大当りAまたは確変大当りBであるか否かが判断される。
表示結果指定コマンド2または表示結果指定コマンド3であるときには、先読みフラグをセットした(S871B)後、S875に進む。ここで、先読みフラグは、先読み予告としての保留内大当り報知演出を実行するための条件の1つである確変大当りAまたは確変大当りBが生じたことを示すフラグである。一方、表示結果指定コマンド2または表示結果指定コマンド3でないとき、すなわち、その他の種別の大当り(突然確変大当り)であるときには、先読みフラグをセットせずに、S875に進む。
S875では、セットされている大入賞口開放中フラグをリセットする(S875)、そして、大当り遊技状態において実行する演出パターンに応じた演出をするためのプロセステーブルを選択する(S876)。次に、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S877)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S878)。これにより、大当り遊技状態において実行する演出パターンでの演出が開始される。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に応じた値に更新する(S879)。
なお、突然確変大当りである場合に、突然確変大当り開始指定コマンドの受信に基づいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、たとえば、突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、突然確変大当りであることを示唆するような演出を行なうためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切替え、切替えたプロセスデータにしたがって演出を行なう。
図32は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、いずれかの大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または、突然確変大当り終了指定コマンド)がセットされているか否かを確認する(S1901)。
いずれかの大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否か確認する(S1902)。
大入賞口開放後フラグがセットされていないときは、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S1906)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1907)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S1909)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1910)。
S1902の処理で大入賞口開放後フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(S1911)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に応じた値に更新する(S1912)。なお、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新することによってラウンド後処理を実行する状態に移行するが、ラウンド中処理からラウンド後処理に移行するときに、図31のS876において演出パターンに応じて選択されたプロセステーブルを変更せずに処理が移行するので、複数のラウンド中およびインターバル中を通じて行なう一連の演出パターンの演出を、所定期間継続することができる。
S1901の処理でいずかの大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていることを確認した場合には、演出制御用CPU101は、後述するS719により変更された演出パターンに基づいて、演出パターンによる特殊エンディング演出が指定されているか否か、および、後述するS744によりセットされる特殊エンディング演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、特殊エンディング演出をするか否かを確認する(S1915)。特殊エンディング演出をするときには、特殊エンディング演出を選択する(S1916)。
特殊エンディング演出は、大当り遊技状態の最終ラウンド終了後のエンディング演出時に、保留内大当り復活報知演出の表示等の演出を行なう演出である。たとえば、S1916においては、後述するS744により特殊エンディング演出フラグがセットされているときに、予め定められた演出パターンの特殊エンディング演出を選択する。この実施の形態では、特殊エンディング演出として、予め定められた演出パターンの特殊エンディング演出を選択する例を示すが、これに限らず、特殊エンディング演出としては、複数種類設けられた演出パターンのうちからランダムに演出パターンを選択するようにしてもよい。
また、変更された演出パターンにより特殊エンディング演出が指定されているとき、および、後述するS744により特殊エンディング演出フラグがセットされているときに該当しない場合には、エンディング昇格をしない通常のエンディング演出を選択する(S1918)。
次に、前述の先読みフラグがセットされているときには先読みフラグをリセット(S1919)し、後述するS708によりセットされる先読み演出済フラグがセットされているときには先読み演出済フラグをリセットする(S1920)。以降の処理においてこれらフラグが不用となるからである。
次に、S1916またはS1918により選択したエンディング演出に対応するプロセステーブルを選択する(S1921)。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S1922)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S1923)。これにより、S1916またはS1918により選択されたエンディング演出の実行が開始される。また、演出制御用CPU101は、エンディング演出の期間を決めるための大当り終了演出期間タイマにエンディング演出の期間に相当する値を設定する(S1924)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に応じた値に更新する(S1925)。
図33は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。大入賞口開放中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(S1972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1973)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S1974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1975)。
大入賞口開放中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、先読みフラグがセットされているか否か確認する(S1976)。先読みフラグがセットされていないときには、保留内大当り報知演出を行なう必要がないので、大入賞口開放中フラグをリセットする(S1986)。そして、次ラウンドのラウンド中の演出に応じたプロセスデータを選択する(S1987)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1988)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS1989)。その後、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS1990)。このように、先読みフラグがセットされていないときには、演出決定処理において決定された演出パターンで次のラウンドでの演出を行なうためのプロセスデータを設定して、ラウンド中処理に進む。
S1976により先読みフラグがセットされているときには、前述の開放中回数保存領域に格納されているラウンドの回数のデータに基づいて、次ラウンドが第2ラウンドであるか否か確認する(S1977)。次ラウンドが第2ラウンドである場合、演出制御用CPU101は、S666により入賞判定結果保存領域に保留記憶データとして記憶されている入賞時判定結果を確認する(S1978)。具体的に、S1978では、S665により格納された入賞時判定結果指定コマンドのデータを確認することに基づいて、大当りと判定された入賞時判定結果を示す保留記憶データがあるか否かを確認するとともに、はずれと判定された入賞時判定結果を示す保留記憶データのうち、カテゴリGの変動パターンカテゴリであることが指定された保留記憶データがあるか否かを確認する。
そして、S1978での確認に基づいて、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する(S1979)。S1979で大当りと判定された入賞時判定結果があると判断したときは、保留記憶内に大当りとなる保留記憶データがあることを示す保留内大当りフラグをセットし(S1980)、第1先読み演出処理(S1981)を実行する。第1先読み演出処理は、ラウンド中において先読み予告として保留内大当り報知演出を実行するか否かの決定、および、実行する場合の保留内大当り報知演出の実行タイミングを決定するための処理である。第1先読み演出処理により決定される保留内大当り報知演出は、具体的に、後述する図38および図39において(1D)〜(1F),(2D)〜(2F)に示すようなラウンド中の演出である。第1先読み演出処理においては、ラウンド中において保留内大当り報知演出を実行すると決定したときに、決定した実行タイミングで保留内大当り報知演出が行なわれるように、前述のS876において選択した演出パターンを変更する。第1先読み演出処理の処理内容は、図34を用いて後述する。次に、S1986以降の処理を行なう。これにより、前述のS876において選択した演出パターン、または、第1先読み演出処理で演出パターンが変更されたときは変更された演出パターンで、次のラウンドでの演出を行なうためのプロセスデータを設定して、ラウンド中処理に進む。
なお、ラウンド中に保留内大当り報知演出を実行するか否かを判断するタイミングは、次ラウンドが第7ラウンドよりも前のラウンドであって、大当りと判定された結果を示す保留内大当りフラグがセットされる可能があるラウンドであれば次ラウンドが第2ラウンド以外のラウンドとなるタイミングであってもよい。また、大当り遊技状態のラウンド中に保留内大当り報知演出を行なうためのタイミングとしては、ラウンド中に1回だけではなく、複数回であってもよい。
一方、S1979で大当りと判定された入賞時判定結果がないと判断したときは、保留内大当りフラグをセットせずにS1981の第1先読み演出処理を実行する。このように、S1979で大当りと判定された入賞時判定結果があると判断されたか、ないと判断されたかにかかわらず、第1先読み演出処理が実行された後、S1986以降の処理に進む。
また、S1977で、次ラウンドが第2ラウンドでないと判断した場合、演出制御用CPU101は、前述の開放中回数保存領域に格納されているラウンドの回数のデータに基づいて、次ラウンドが第6ラウンドであるか否か確認する(S1982A)。次ラウンドが第6ラウンドであるか否か確認するのは、大当り遊技状態におけるラウンドの終了後のエンディング演出において、特殊エンディング演出の演出パターンで保留内大当り復活報知演出を行なうか否かを判断するためである。次ラウンドが第6ラウンドである場合は、チャンス決定フラグがセットされているか否かを確認する(S1982B)。ここで、チャンス決定フラグは、エンディング演出が行なわれるまでのいずれかのラウンド中において先読み予告として実行される保留内大当り報知演出のうち、「大チャンス」というような大当りと判定された結果を示す保留記憶データがある割合が高い旨を報知する演出(図39の(1F),(2F))が既に実行されたときに、エンディング演出において重複して保留内大当り復活報知演出を行なわないようにするために、第1先読み演出処理において、「チャンス」というような大当りと判定された結果を示す保留記憶データがある割合が低い旨を報知する保留内大当り報知演出をすることが決定されたときにセットされるフラグである。
チャンス決定フラグがセットされているときには、S1978と同様に、保留されている入賞時判定結果を確認する(S1983)。そして、S1983での確認に基づいて、S1979と同様に、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する(S1984)。S1984で該当する入賞時判定結果があると判断したときは、第2先読み演出処理(S1985)を実行し、S1986以降の処理を行なう。第2先読み演出処理は、エンディング演出において先読み予告として保留内大当り復活報知演出を実行するか否かの決定をするための処理である。第2先読み演出処理により決定される保留内大当り復活報知演出は、具体的に、後述する図40において(1N)に示すようなエンディングにおける演出である。第2先読み演出処理においては、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出を実行すると決定したときに、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出が行なわれるように、特殊エンディング演出フラグをセットする。第2先読み演出処理の処理内容は、図36を用いて後述する。第2先読み演出処理(S1985)の後、S1986以降の処理が行なわれるときには、前述のS876において選択した演出パターンで、次のラウンドでの演出を行なうためのプロセスデータを設定して、ラウンド中処理に進む。
一方、チャンス決定フラグがセットされていないときには、S1983〜S1985の処理を実行せずに、S1986に進む。これにより、いずれかのラウンド中において先読み予告としての保留内大当り報知演出のうち「大チャンス」という大当りと判定された結果を示す保留記憶データがある割合が高い旨を報知する演出が既に実行されたときに、エンディング演出において重複して保留内大当り復活報知演出を行なわない。また、いずれかのラウンド中において先読み予告としての保留内大当り報知演出が行なわれていないときにも、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出を行なわない。なお、いずれかのラウンド中において先読み予告としての保留内大当り報知演出が行なわれていないときに、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出を行なうことが可能となるようにしてもよい。
図34は、ラウンド後処理における第1先読み演出処理(S1980)を示すフローチャートである。図35は、第1先読み演出処理において保留内大当り報知演出の実行タイミングを決定するために用いられるデータテーブルおよび第1先読み演出処理において報知結果を決定するために用いられるデータテーブルの内容を表形式で示す図である。
第1先読み演出処理において、演出制御用CPU101は、ランダムカウンタとしての「SR−1」,「SR−2」,「SR−3」のそれぞれから数値データを抽出する(S711)。「SR−1」は、保留内大当り報知演出を実行するか否かを決定するために用いる乱数値を生成するための保留内大当り報知演出実行決定用カウンタである。「SR−2」は、保留内大当り報知演出を実行するときの演出の実行タイミングを決定する実行タイミング決定用カウンタである。「SR−3」は、保留内大当り報知演出を実行するときの演出における報知結果(「大チャンス」と「チャンス」とのいずれかの報知結果)を決定する報知結果決定用カウンタである。
「SR−1」は、演出制御用マイクロコンピュータ100により、予め定められた数値データ範囲において所定の周期で更新される数値更新手段であり、S1980の実行タイミングで抽出されることにより、乱数値として用いられる。また、「SR−2」は、演出制御用マイクロコンピュータ100により「SR−1」とは異なる数値データ範囲において予め定められた周期で更新される数値更新手段であり、S1980の実行タイミングで抽出されることにより、乱数値として用いられる。また、「SR−3」は、演出制御用マイクロコンピュータ100により「SR−1」および「SR−2」とは異なる数値データ範囲において予め定められた周期で更新される数値更新手段であり、S1980の実行タイミングで抽出されることにより、乱数値として用いられる。
「SR−1」については、当該乱数値の数値データ範囲のうち、保留内大当り報知演出または保留内大当り復活報知演出を実行することを決定するための演出実行決定値が、第1先読み演出処理および第2先読み演出処理での演出実行判定のために予め定められている。そのような演出実行決定値のデータは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている演出実行決定テーブルに設定されている。演出実行決定テーブルにおいては、第1先読み演出処理で実行判定するときの演出実行決定値数と、第2先読み演出処理で実行判定するときの演出実行決定値数とが異なるように、データが設定されている。たとえば、第1先読み演出処理で実行判定するときは50%の割合で保留内大当り報知演出を実行する決定がされ、第2先読み演出処理で実行判定するときは95%の割合で保留内大当り復活報知演出を実行する決定がされるように、演出実行決定テーブルにおいて演出実行決定値が設定されている。
なお、第1先読み演出処理と第2先読み演出処理とで異なる割合で保留内大当り報知演出または保留内大当り復活報知演出を実行する決定をしてもよく、第1先読み演出処理と第2先読み演出処理とで同じ割合で保留内大当り報知演出または保留内大当り復活報知演出を実行する決定をしてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、S701で抽出した「SR−2」に基づき、演出実行決定テーブルを用いて保留内大当り報知演出を実行するか否かを決定する(S712)。第1先読み演出処理については、50%の割合で保留内大当り報知演出を実行する決定がされる(S712)。そして、保留内大当り報知演出を実行すると決定されたか否かを確認する(S713)。保留内大当り報知演出を実行しない決定がされたときには、処理を終了する。一方、保留内大当り報知演出を実行する決定がされたときには、S714〜S719により、ラウンド中に保留内大当り報知演出を実行するために、前述のS876において選択した演出パターンを設定変更する処理が行なわれる。
前述のS1980でセットされ得る保留内大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S714)。保留内大当りフラグがセットされているときには、S711で抽出されたSR−2と、保留内大当り報知演出用Aテーブルとを用いて実行タイミングを決定する(S716)。一方、保留内大当りフラグがセットされていないときには、S1978での確認に基づいて、保留記憶内において、はずれと判定された結果を示す保留記憶データであって、カテゴリGの変動パターンが指定された保留記憶データがあるか否かを確認する(S714A)。
カテゴリGの変動パターンが指定された保留記憶データがあるときは、保留内大当りフラグがセットされているときには、S711で抽出されたSR−2と、図35(A)に示す保留内大当り報知演出用Aテーブルとを用いて実行タイミングを決定する(S716)。一方、カテゴリGの変動パターンが指定された保留記憶データがないときは、S711で抽出されたSR−2と、図35(B)に示す保留内大当り報知演出用Bテーブルとを用いて実行タイミングを決定する(S715)。
ここで、図35を参照して、(A)に示す保留内大当り報知演出用Aテーブル、および、(B)に示す保留内大当り報知演出用Bテーブルを説明する。
本実施の形態において、保留内大当り報知演出用Aテーブルおよび保留内大当り報知演出用Bテーブルのそれぞれは、保留内大当り報知演出の実行タイミングを決定するためのデータテーブルである。保留内大当り報知演出用Aテーブルは、保留内大当り報知演出において、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあるときに用いられる。保留内大当り報知演出用Bテーブルは、保留内大当り報知演出において、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがないときに用いられる。保留内大当り報知演出用Aテーブルおよび保留内大当り報知演出用Bテーブルのそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
図35の(A),(B)において、「SR−2」の欄には、当該乱数値の数値データ範囲(0〜99)のうち、実行タイミングの欄に示された実行タイミングを決定するための実行タイミング判定値の割振りが示されている。(A)の保留内大当り報知演出用Aテーブルでは、第3ラウンド、第4ラウンド、および、第5ラウンドのうちのいずれかのラウンドという実行タイミングで保留内大当り報知演出が開始されるか(図38の(1D),(2D)が出るタイミング)を判定する実行タイミング判定値が割振られている。(B)の保留内大当り報知演出用Bテーブルでは、第3ラウンドおよび第4ラウンドのうちのいずれかのラウンドで保留内大当り報知演出が実行されるように、実行タイミング判定値が割振られている。
(A)の保留内大当り報知演出用Aテーブルでは、第3ラウンド<第5ラウンド<第4ラウンドという関係で、実行タイミングが選択される割合が設定されている。また、(B)の保留内大当り報知演出用Bテーブルでは、第4ラウンド<第3ラウンドという関係で、実行タイミングが選択される割合が設定されている。このように、保留内大当り報知演出用Aテーブルでは、第4ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始される割合が高く、保留内大当り報知演出用Bテーブルでは、第3ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始される割合が高く設定されているので、第4ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始されたときには、第3ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始されたときと比べて、保留内大当り報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、保留内大当り報知演出用Aテーブルでは、第5ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始可能となる設定がされ、保留内大当り報知演出用Bテーブルでは、第5ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始可能とならない設定がされているので、第5ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始されたときには、必ず、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがある旨の報知に該当することとなるため、第5ラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始されたときには、その他のラウンドで保留内大当り報知演出が実行開始されたときと比べて、保留内大当り報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
S716により実行タイミングが決定された後には、S711で抽出されたSR−3と、図35(C)に示す保留内大当り報知演出用Cテーブルとを用いて実行タイミングを決定し(S716A)、S717に進む。一方、S715により実行タイミングが決定された後には、S711で抽出されたSR−3と、図35(D)に示す保留内大当り報知演出用Dテーブルとを用いて実行タイミングを決定し(S715A)、S717に進む。
ここで、図35を参照して、(C)に示す保留内大当り報知演出用Cテーブル、および、(D)に示す保留内大当り報知演出用Dテーブルを説明する。
本実施の形態において、保留内大当り報知演出用Cテーブルおよび保留内大当り報知演出用Dテーブルのそれぞれは、保留内大当り報知演出における報知結果を決定するためのデータテーブルである。ここで、報知結果とは、保留内大当り報知演出において保留記憶内に大当りとなる保留記憶データがある割合が高いか低いかを報知するときの報知内容をいう。報知結果としては、保留記憶内に大当りとなる保留記憶データがある割合が高いときにメッセージとして表示する「大チャンス」という報知結果と、保留記憶内に大当りとなる保留記憶データがある割合が低いときにメッセージとして表示する「チャンス」という報知結果とのうちから選択される。
保留内大当り報知演出用Cテーブルは、保留記憶内に、大当りとなる保留記憶データがあるとき、および、保留記憶内にはずれとなり、かつ、カテゴリGの変動パターンとなるとき保留記憶データがあるときに用いられる。保留内大当り報知演出用Dテーブルは、保留記憶内に、大当りとなる保留記憶データ、および、はずれとなり、かつ、カテゴリGの変動パターンとなる保留記憶データのどちらもないときに用いられる。保留内大当り報知演出用Cテーブルおよび保留内大当り報知演出用Dテーブルのそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
図35の(C),(D)において、「SR−3」の欄には、当該乱数値の数値データ範囲(0〜200)のうち、報知結果の欄に示された報知結果を決定するための報知結果判定値の割振りが示されている。(C)の保留内大当り報知演出用Cテーブルでは、「大チャンス」の方が「チャンス」よりも選択される割合が高くなるように報知結果判定値が割振られている。(D)の保留内大当り報知演出用Dテーブルでは、「チャンス」の方が「大チャンス」よりも選択される割合が高くなるように報知結果判定値が割振られている。したがって、保留記憶内に、大当りとなる保留記憶データがあるときには、「大チャンス」の方が「チャンス」よりも選択される割合が高い。同様に、保留記憶内に、はずれとなり、かつ、カテゴリGの変動パターンとなる保留記憶データがあるときには、「大チャンス」の方が「チャンス」よりも選択される割合が高い。一方、保留記憶内に、大当りとなる保留記憶データ、および、はずれとなり、かつ、カテゴリGの変動パターンとなる保留記憶データのどちらもないときには、「チャンス」の方が「大チャンス」よりも選択される割合が高い。
したがって、「大チャンス」の報知結果となる保留内大当り報知演出が実行されたときには、「チャンス」の報知結果となる保留内大当り報知演出が実行されたときと比べて、大当り遊技状態の終了後に、大当り遊技状態中に存在した保留記憶データに基づいて大当りとなる割合が高く、また、大当り遊技状態の終了後に、大当り遊技状態中に存在した保留記憶データに基づいてスーパーリーチとなる変動表示が実行される割合が高い。これにより、「大チャンス」の報知結果となる保留内大当り報知演出が実行されたときには、「チャンス」の報知結果となる保留内大当り報知演出が実行されたときと比べて、大当り遊技状態の終了後における変動表示に対する遊技者の期待感を高めることができる。
S717では、保留内大当りフラグをリセットする(S717)。そして、S716AまたはS715Aにより保留内大当り報知演出の報知結果が「チャンス」に決定されたか否かを確認し(S717A)、「チャンス」に決定された場合には、チャンス結果フラグをセットし(S718)、S719に進む。一方、「チャンス」に決定されていない場合(大チャンスに決定された場合)には、チャンス結果フラグをセットせずにS719に進む。
S719では、S715またはS716により決定した実行タイミングで、S716AまたはS715Aにより決定した報知結果を示す演出を実行するように、前述のS876において選択した演出パターンを変更し、処理を終了する。
具体的に、チャンス決定フラグがセットされているときは、大当り遊技状態における演出パターンを、S716により決定された実行タイミングのラウンドにおいて、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあるかどうかを示唆する保留内大当り報知演出を実行する演出パターンに変更する。これにより、大当り遊技状態において、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があるときには、第3〜第5ラウンドのうちから選択決定されたラウンドで、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあるかどうかを示唆する保留内大当り報知演出が実行されることとなる。
一方、Bテーブル演出決定済みフラグがセットされているときは、大当り遊技状態における演出パターンを、S715により決定された実行タイミングのラウンドにおいて、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあるかどうかを示唆する保留内大当り報知演出を実行する演出パターンに変更する。これにより、大当り遊技状態において、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果がないときには、第3または第4ラウンドのうちから選択決定されたラウンドで、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあるかどうかを示唆する保留内大当り報知演出が実行されることとなる。
図36は、ラウンド後処理における第2先読み演出処理(S1985)を示すフローチャートである。第2先読み演出処理において、演出制御用CPU101は、保留内大当り復活報知演出実行決定用カウンタとしての「SR−1」から数値データを抽出する(S741)。
次に、演出制御用CPU101は、S741で抽出した「SR−1」に基づき、演出実行決定テーブルを用いて保留内大当り復活報知演出を実行するか否かを決定する(S712)。第2先読み演出処理については、95%の割合で保留内大当り復活報知演出を実行する決定がされる(S712)。そして、保留内大当り復活報知演出を実行すると決定されたか否かを確認する(S713)。保留内大当り復活報知演出を実行しない決定がされたときには、処理を終了する。一方、保留内大当り復活報知演出を実行する決定がされたときには、ラウンドの終了後のエンディング演出において保留内大当り復活報知演出を実行するために、特殊エンディング演出フラグをセットする(S744)。これにより、図32のS1916により特殊エンディング演出が選択されることとなり、S1916により選択される特殊エンディング演出に対応するプロセステーブルがS1921により選択されて演出が実行されることにより、ラウンドの終了後のエンディング演出において保留内大当り復活報知演出が行なわれることとなる。
このような第2先読み演出処理によれば、ラウンド後処理のS1984において保留記憶内に大当りとなる入賞時判定結果があると判断されたときにS1985に進んで第2先読み演出処理が実行され、かつ、第2先読み演出処理においてS742により95%の割合で保留内大当り復活報知演出が実行される。したがって、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出が実行されると、100%の割合で、保留記憶内に大当りとなる入賞時判定結果があることとなる。また、ラウンド後処理のS1984において保留記憶内に大当りとなる入賞時判定結果があると判断されて第2先読み演出処理が実行された場合であっても、5%の割合で、保留内大当り復活報知演出が実行されないときがあるので、たとえ、エンディング演出においてこのような保留内大当り復活報知演出が実行されなくても、保留記憶内に大当りとなる入賞時判定結果が存在する可能がある(残っている)ので、そのような報知演出が実行されなくても、遊技者の期待感を持続させることができる。
図37は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出期間タイマの値を1減算する(ステップS970)。そして、大当り終了演出期間タイマの値が0になったか否かを確認する(S971)。
大当り終了演出期間タイマの値が0になっていない場合には、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS972)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS973)、プロセスデータの切替えを行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS974)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS975)。これにより、ラウンド中処理において、S1916またはS1918により選択されたエンディング演出が実行される。このようにエンディング演出が実行されることにより、前述したような特殊エンディング演出による保留内大当り復活報知演出、または、通常のエンディング演出が実行されることとなる。
S971で大当り終了演出期間タイマの値が0になった場合に、演出制御用CPU101は、セットされていれば、チャンス決定フラグをリセットする(S976)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S977)。
次に、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の演出表示装置9での表示例を説明する。図38〜図40は、演出表示装置9での保留内大当り報知演出の表示例を示す表示画面図である。
図38および図39においては、第3ラウンドで「大チャンス」を報知する保留内大当り報知演出が実行されるときの表示例が(1A)〜(1I)に示され、第5ラウンドで「大チャンス」を報知する保留内大当り報知演出が実行されるときの表示例が(2A)〜(2I)に示されている。図40においては、「チャンス」を報知する保留内大当り報知演出が第3ラウンドで実行された後、エンディング演出において「大チャンス」を報知する保留内大当り報知演出が実行されるときの表示例が(1J)〜(1L),(1N),(1O)に示され、エンディング演出において保留内大当り報知演出が実行されないときの表示例が(1J)〜(1L),(1M)に示されている。
まず、第3ラウンドで「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行する例を説明する。図38を参照して、(1A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(1B),(1C)に示すように第1ラウンド〜第3ラウンドの大当り遊技状態の演出が行なわれる。各ラウンドにおいては、所定のキャラクタ94が表示される。そして、第3ラウンドにおいて、(1D)に示すように、「福引チャンス、金の玉が出たら大チャンス」というようなメッセージが表示され、(1E)に示すように、福引が行なわれる画像が表示される。
図39を参照して、その後、第3ラウンド中において、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行することが決定されているときには、たとえば、(1F)〜(1I)に示す画像表示が行なわれる。(1E)の表示後、福引の結果として(1F)に示すように第5ラウンドにおいて「大チャンス」という文字を示す金の玉が出る当り表示が行なわれることにより、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出が実行される。そして、(1G),(1H)に示すようにキャラクタ94を表示して第4ラウンド〜第7ラウンドの大当り遊技状態の演出が行なわれた後、(1I)に示すように、エンディング表示として、キャラクタ94は表示されず、「大当り終了、大チャンス」というようなメッセージが表示される。このようなエンディング表示は、通常エンディング演出としてのエンディング演出であり、文字のみが表示される。通常エンディング演出は、第2先読み演出処理で特殊エンディング演出により保留内大当り報知演出を実行する決定がされた場合以外の時に選択されるエンディング演出である。
次に、第5ラウンドで「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行する例を説明する。図38を参照して、(2A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(2B),(2C)に示すように第1ラウンド〜第5ラウンドの大当り遊技状態の演出が行なわれる。各ラウンドにおいては、所定のキャラクタ94が表示される。そして、第5ラウンドにおいて、(2D)に示すように、「福引チャンス、金の玉が出たら大チャンス」というようなメッセージが表示され、(2E)に示すように、福引が行なわれる画像が表示される。
図39を参照して、その後、第5ラウンド中において、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行することが決定されているときには、たとえば、(2F)〜(2I)に示す画像表示が行なわれる。(2E)の表示後、福引の結果として(2F)に示すように第5ラウンドにおいて「大チャンス」という文字を示す金の玉が出る当り表示が行なわれることにより、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出が実行される。そして、(2G),(2H)に示すようにキャラクタ94を表示して第6ラウンドおよび第7ラウンドの大当り遊技状態の演出が行なわれた後、(2I)に示すように、エンディング表示として、キャラクタ94は表示されず、「大当り終了、大チャンス」というようなメッセージが表示される。このようなエンディング表示は、通常エンディング演出としてのエンディング演出であり、文字のみが表示される。
次に、「チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出が実行された後、最終ラウンド(第7ラウンド)終了後のエンディングで、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行する例と、当該演出を実行しない例とを説明する。
図40を参照して、図39の(1E)のような福引が行なわれる画像が表示された後、第3ラウンド中において、「チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行することが決定されているときには、たとえば、(1J)〜(1L)に示す画像表示が行なわれる。福引の結果として(1J)に示すように第3ラウンドにおいて「チャンス」という文字を示す銀の玉が出るはずれ表示が行なわれることにより、「チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出が実行される。そして、(1K),(1L)に示すようにキャラクタ94を表示して第4ラウンド〜第7ラウンドの大当り遊技状態の演出が行なわれる。
その後、エンディング演出において、「チャンス」の報知結果を示す保留内大当り報知演出を実行することが決定されているときには、(1M)に示すように、エンディング表示として、キャラクタ94は表示されず、「大当り終了、チャンス」というようなメッセージが表示される。このようなエンディング表示は、通常エンディング演出としてのエンディング演出であり、文字のみが表示される。
一方、エンディングにおいて、保留内大当り復活報知演出を実行することが決定されているときには、(1N),(1O)に示すように、エンディングにおいて、文字のみが表示される通常エンディング演出とは異なり、キャラクタ94が登場して「まだまだ」というような報知結果の変更を想起させるようなメッセージが表示されることにより、「大チャンス」の報知結果を示す保留内大当り復活報知演出が実行される。このようなエンディング表示は、特殊エンディング演出としてのエンディング演出である。
なお、本実施の形態では、保留内大当り復活報知演出をエンディングにおいて実行するときに、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあることを条件に、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがある旨を報知する例を示した。しかし、これに限らず、保留内大当り報知演出をエンディングにおいて実行するときには、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがない場合であっても、大当りと判定された結果を示す保留記憶データがあることを示唆する報知(所謂ガセの報知)をするようにしてもよい。
また、遊技者により操作可能な操作ボタンをパチンコ遊技機1に備えた場合には、(1E)または(2E)に示すように、福引を行なうことを示す画像が表示されるときに、「ボタンを押してください」という操作ボタンの操作を要求するメッセージおよび操作ボタンを示す画像を表示し、所定時間以内に操作ボタンが操作されたときに、福引の結果を表示するようにしてもよい。このような制御を行なえば、操作ボタンに対する操作がされたことを条件として実行される保留内大当り報知演出が行なわれるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル)における判定値の割当て状態を説明する。図41は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割当て状態を示す説明図である。
この実施の形態では、前述のように、はずれとする決定がされたときに、通常状態である場合と、時短状態(確変状態含む)である場合とのそれぞれにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合と、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合とで、異なる変動パターン種別判定テーブル(第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル)が使用される。これら変動パターン種別判定テーブルでは、前述したように、通常状態か時短状態かの遊技状態と、前述の合算保留記憶数の多少(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2の数と、3〜7の数とのどちらであるか)とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別が、スーパーリーチに決定されるランダム2の数値データ範囲であるカテゴリGに相当する判定値が設定されている。
図41においては、たとえば、左側に第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別の数値データ範囲が示され、右側に第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別の数値データ範囲が示されている。
また、この実施の形態では、図41に示すように、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル、および、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルのそれぞれにおいて、合算保留記憶数の多少(変動パターン決定時の合算保留記憶数が0〜2の数と、3〜7の数とのどちらであるか)にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して、共通の判定値としてのランダム2の数値データ範囲、すなわち、前述のカテゴリGの数値データ範囲(230〜251)が割当てられている。より具体的には、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値(200〜251)が、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値(230〜251)を包含している。このような共通の判定値の関係は、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様であり、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様であり、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様であり、第1はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様である。
このような通常状態か時短状態かの遊技状態と、前述の合算保留記憶数の多少とのそれぞれに関わらず、変動パターン種別が、スーパーリーチ変動に決定されるランダム2の数値データ範囲の判定値が前述の変動パターンのカテゴリGである。始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かを予め容易に判定することができるので、本実施の形態では、保留内大当り報知演出において、変動パターンのカテゴリを示す情報に基づいて、保留記憶がスーパーリーチとなるか否かを判定し、大当りとなる保留記憶があるときに保留内大当り報知演出を実行するとともに、はずれとなる保留記憶でスーパーリーチとなるときに、保留内大当り報知演出を実行する。これにより、大当り遊技状態に移行させる決定がされないときでも、スーパーリーチとなるときには保留内大当り報知演出による報知が行なわれるので、このように実行される報知に基づいて、特定遊技状態となったときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
なお、この実施の形態では、変動パターン決定時の合算保留記憶数が所定値未満のときと所定値以上のときとの2種類について、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振分けを異ならせる場合を示したが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの判定値の振分けの異ならせ方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、変動パターン決定時の合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に振分けを異ならせてもよい。この場合、たとえば、合算保留記憶数が0,1個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとを予め用意しておき、リーチを伴う変動パターン種別や短縮変動の変動パターン種別の振分けをさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。また、このような例に限らず、予め用意しておくはずれ用変動パターン種別判定テーブルの組合せは、様々なものが考えられる。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用、合算保留記憶数5個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、合算保留記憶数0,1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値を包含している場合を示した。しかし、これに限らず、変動パターン決定時の合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して、すべてのはずれ用変動パターン種別判定テーブルで全く共通の判定値が割当てられてもよい。図42は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割当て状態の他の例を示す説明図である。
図42に示す変形例では、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブル、第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブル、および、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルのそれぞれにおいて、変動パターン決定時の合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターン種別に対して、全く共通の共通の判定値としてのランダム2の数値データ範囲、すなわち、前述のカテゴリGの数値データ範囲(230〜251)が割当てられている。
より具体的には、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値と、第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチに対する判定値とが同じである。このような共通の判定値の関係は、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第2通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様であり、第1通常はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第1時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様であり、第1はずれ用変動パターン種別判定テーブルと第2時短はずれ用変動パターン種別判定テーブルとを比べても同様である。
このようにすれば、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、スーパーリーチとなるか否かを予め容易に判定することができるので、大当り遊技状態に移行させる決定がされないときでも、スーパーリーチとなるときには保留内大当り報知演出による報知が行なわれるため、このように実行される報知に基づいて、特定遊技状態となったときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチを伴う変動パターンを一括りの変動パターン種別としてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを構成する場合を示したが、スーパーリーチの種類ごと(たとえば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの種類ごと)に変動パターン種別を分けてもよい。図43は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割当て状態のさらに他の例を示す説明図である。
図43に示す変形例では、変動パターン決定時の合算保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチAを伴う変動パターン種別に対して判定値230〜237が割当てられているとともに、スーパーリーチBを伴う変動パターン種別に対して判定値237〜251が割当てられている。しかし、このような場合であっても、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が共通の判定値としてのランダム2の数値データ範囲、すなわち、前述のカテゴリGの数値データ範囲(230〜251)であれば、スーパーリーチとなることを予め容易に判定することができる。これにより、大当り遊技状態に移行させる決定がされないときでも、スーパーリーチとなるときには保留内大当り報知演出による報知が行なわれるので、このように実行される報知に基づいて、特定遊技状態となったときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを図43に示すように構成する場合であっても、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの判定値の振分けはテーブルごとに異なるようにしてもよく、図41に示した変形例と同様に、たとえば、一方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値が、他方のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチA,Bに対する判定値を包含しているものであってもよい。また、テーブル間でスーパーリーチAとスーパーリーチBに対する判定値の振分けが一部重複するように構成してもよい。このことは、この実施の形態およびこの実施の形態で示す各変形例のいずれにおいても、同様に当てはめて考えることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含むようにしてもよい。これにより、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う変動表示が行なわれることによって、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定するときには、変動パターン決定時の合算保留記憶数が少ない場合には、合算保留記憶数が多い場合と比較して、擬似連の再変動の実行回数が多い変動パターンを決定する。そのため、合算保留記憶数が多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う変動表示が頻繁に行なわれる事態を防止することができ、変動表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
図44は、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が215〜229の範囲であることに基づいて、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターンが選択される。一方、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合には、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別として、判定値が170〜229の範囲であることに基づいて、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターンが選択される。
図44に示すように、スーパーリーチとなることを報知する演出が実行されない場合であっても、擬似連を伴う変動表示が行なわれる場合があるので、大当り遊技状態となることに対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図44に示すように、擬似連を伴う変動表示が行なわれる場合には、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満と少ないときには、再変動3回の擬似連を伴う変動表示が実行され、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上と多い場合には、再変動回数が2回と少ない擬似連を伴う変動表示が実行される。そのようにすることによって、変動パターン決定時の合算保留記憶数が所定数よりも多いとき(保留記憶が溜まっているとき)に再変動の実行回数が多い擬似連を伴う変動表示が頻繁に行なわれる事態を防止することができ、変動表示の作動率が低下してしまう事態をより防止することができる。
なお、この実施の形態では、共通の判定値としてのランダム2の数値データ範囲、すなわち、前述のカテゴリGの数値データ範囲(230〜251)に割当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の変動表示パターンとして、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンが含まれているのであるが、擬似連を伴う変動パターンと擬似連を伴わない変動パターンとが含まれてもよい。判定値230〜251の範囲に割当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別は、さらに、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンが用いられる場合であっても、判定値230〜251の範囲には、特定の変動表示パターンとして、スーパーリーチを伴うのみで擬似連を伴わない変動パターンのみを含む変動パターン種別が割当てられるようにし、スーパーリーチとともに擬似連も伴う変動パターンを含む変動パターン種別や、ノーマルリーチで擬似連を伴う変動パターン種別や、非リーチで擬似連を伴う変動パターン種別については、判定値230〜251以外の範囲に、特定の変動表示パターン以外の変動表示パターンを含む変動パターン種別として割当てられるようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数以上(この実施の形態では4回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。また、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして擬似連を伴う変動パターンを決定する場合には、再変動の実行回数が所定回数未満(たとえば2回または3回)である擬似連を伴う変動パターンを決定可能である。そのため、再変動回数が所定回数(たとえば4回)以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図45は、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別にも着目して見た場合のはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける判定値の割当て状態を示す説明図である。この実施の形態では、変動パターン決定時の合算保留記憶数にかかわらず、判定値が共通の判定値としてのランダム2の数値データ範囲、すなわち、前述のカテゴリGの数値データ範囲(230〜251)であることに基づいて、スーパーリーチを伴う変動パターン種別が選択される。そして、図44に示すように、再変動回数4回の擬似連を伴う変動パターン種別が選択されることがある。一方、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3以上である場合には、判定値が215〜229の範囲であることに基づいて、スーパーリーチとならない変動パターン種別が選択される。そして、図44に示すように、再変動回数2回の擬似連を伴う変動パターン種別が選択されることがある。また、変動パターン決定時の合算保留記憶数が3未満である場合には、判定値が170〜229の範囲であることに基づいて、スーパーリーチとならない変動パターン種別が選択される。そして、図44に示すように、再変動回数3回の擬似連を伴う変動パターン種別が選択されることがある。
図45に示すように、再変動回数が4回以上である擬似連が実行されることによって、スーパーリーチになるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、図45に示すように、判定値230〜251の範囲に割当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の変動表示パターンとして、再変動4回の擬似連を伴う変動パターンが含まれ、それ以外の範囲に、特定の変動表示パターン以外の変動表示パターンとして、再変動2回または3回の擬似連を伴う変動パターンが含まれており、特定の変動表示パターンと特定の変動表示パターン以外の変動表示パターンとで、再変動回数が重複しない擬似連を伴う変動パターンが含まれている場合を示しているが、擬似連の再変動回数が重複していてもよい。たとえば、判定値230〜251の範囲に割当てられているスーパーリーチを伴う変動パターン種別には、特定の変動表示パターンとして、再変動3回〜5回の擬似連を伴う変動パターンが含まれ、それ以外の範囲に、特定の変動表示パターン以外の変動表示パターンとして、再変動1回〜3回の擬似連を伴う変動パターンが含まれるように構成されていてもよい。
なお、はずれ用変動パターン種別判定テーブルにおけるスーパーリーチを伴う変動パターン種別が割当てられている範囲(判定値230〜251が割当てられている範囲)内において、いずれの種類のスーパーリーチを伴う変動パターンを割当てるようにするかや、擬似連を伴う変動パターンをどの程度の割合で割当てるようにするかは、この実施の形態で示したものに限られない。図46は、スーパーリーチを伴う変動パターン種別が割当てられている範囲における割当て例を示す説明図である。
たとえば、図46(A)に示すように、全ての種類のリーチを割当てるのではなく、一部の大当りに対する信頼度が高いリーチ(たとえば、スーパーリーチA〜Cの中のスーパーリーチC)のうち、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いもの(たとえば4回)を、まとめて判定値230〜251の範囲に割当てるようにしてもよい。また、たとえば、図46(B)に示すように、リーチの種類にかかわらず、全てのリーチ(たとえば、スーパーリーチA〜スーパーリーチC)について、擬似連を伴うものであって、その擬似連回数が多いものを、まとめて判定値230〜251の範囲に割当てるようにしてもよい。さらに、たとえば、図46(C)に示すように、スーパーリーチのみ(たとえば、スーパーリーチAで擬似連を伴わない)の変動パターンとは別に、擬似連を伴うものであってその擬似連回数が多い変動パターンを、判定値230〜251の範囲に割当てるようにしてもよい。
なお、スーパーリーチとしてスーパーリーチAとスーパーリーチBの2種類のリーチを用いる場合を示しているが、実行可能なスーパーリーチの種類は2種類に限らず、3種類以上のスーパーリーチを実行可能に構成してもよい。たとえば、図46に示すようにスーパーリーチA,Bに加えてスーパーリーチCを実行可能に構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、この実施の形態と同様の処理にしたがって、大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルから、スーパーリーチ用の変動パターン種別を決定する。そして、スーパーリーチ用の変動パターン種別にそれぞれスーパーリーチA〜Cを伴う変動パターンが含まれるように構成し、決定した変動パターン種別に基づいて、スーパーリーチA〜Cのいずれかを伴う変動パターンを決定するようにすればよい。
また、この実施の形態によれば、大当りとすることに決定した場合には、大当りとしないことに決定した場合と比較して、高い割合でスーパーリーチを伴う変動パターンとする。たとえば、はずれと決定した場合には、スーパーリーチに対して230〜251の狭い範囲にしか判定値が割当てられていないのに対して、大当りと決定した場合には、スーパーリーチに対して150〜251または80〜251の広い範囲にわたって判定値が割当てられている。そのため、スーパーリーチを伴う変動表示が行なわれるときの大当り遊技状態への期待感を高めることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スーパーリーチを伴う変動パターン以外の変動パターンとして、ノーマルリーチを伴う変動パターンまたは非リーチの変動パターンとすることに決定する。そのため、スーパーリーチを伴う変動表示が行なわれないときであっても、ノーマルリーチを伴う変動表示が実行されて、大当り遊技状態になるかもしれないとの期待感を与えることができ、遊技に対する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン種別として、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別、またはスーパーリーチを伴う変動パターンを含まない変動パターン種別とすることに決定する。そして、演出図柄の変動表示パターン種別がスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別となると判定したときに、演出図柄の変動パターンがスーパーリーチを伴う変動パターンとなると判定する。そのため、変動パターン種別の振分けを変更するだけで、スーパーリーチを伴う変動パターンとそれ以外の変動パターンとの振分けを設計段階で容易に変更することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態のように大当り遊技状態中に、入賞時演出処理による入賞時の判定結果に基づいて保留記憶データの先読みを行なうことにより、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する代わりに、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で特別の種別の大当り(確変大当りA)と判定された入賞時判定結果があるか否か確認し、特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出を行なう例を説明する。第2実施形態では、保留記憶内において、特別の種別の大当り(確変大当りA)と判定された入賞時判定結果があるときと、ないときとで保留内大当り報知演出を行なうタイミングが異なる。以下に示す第2実施形態では、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図47は、第2実施形態によるラウンド後処理を示すフローチャートである。図47の処理が、図33の処理と異なるのは、S1979A,S1980A、S1981A,S1984Aである。S1979AはS1979の代わり、S1980AはS1980の代わり、S1981AはS1981の代わり、S1984AはS1984の代わりにそれぞれ実行される。
図48は、第2実施形態による第1先読み処理を示すフローチャートである。図48の処理が、図34の処理と異なるのは、S7140,S7170である。S7140はS714の代わり、S7170はS717の代わりにそれぞれ実行される。
図47を参照して、ラウンド後処理において、S1979Aでは、S1978での確認に基づいて、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で確変大当りAと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する(S1979A)。S1979Aで確変大当りAと判定された入賞時判定結果があると判断したときは、保留記憶内に確変大当りAとなる保留記憶データがあることを示す保留内長期時短大当りフラグをセットし(S1980A)、第1先読み演出処理(S1981A)を実行する。保留内長期時短大当りフラグは、第1実施形態における保留内大当りフラグに代えて、保留内大当り報知演出を実行する条件として用いられる。
図48を参照して、第1先読み演出処理において、S7140では、前述のS1980Aでセットされ得る保留内長期時短大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S7140)。保留内長期時短大当りフラグがセットされているときには、S716に進み、保留内長期時短大当りフラグがセットされていないときには、S724に進む。また、S7170では、保留内長期時短大当りフラグをリセットする。
また、図47を参照して、ラウンド後処理において、S1984Aでは、S1983での確認に基づいて、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で確変大当りAと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する(S1984A)。S1984Aで確変大当りAと判定された入賞時判定結果があると判断したときは、第2先読み演出処理(S1985)を実行する。これにより、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出が実行され得る。
第2実施形態では、以上に示した処理が行なわれることにより、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出が行なわれる。また、第1先読み演出処理において、保留内長期時短大当りフラグがセットされているときにはS716で保留内大当り報知演出用Aテーブルを用いて実行タイミングが決定され、保留内長期時短大当りフラグがセットされていないときにはS715で保留内大当り報知演出用Bテーブルを用いて実行タイミングが決定されることとなる。これにより、保留記憶内において、特別の種別の大当り(確変大当りA)と判定された入賞時判定結果があるときと、ないときとで、保留内大当り報知演出の実行タイミングが異なる割合で選択される。
なお、第2実施形態では、大当り遊技状態中に保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出が行なわれる例を示した。その保留内大当り報知演出は、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があるときとないときとで実行タイミングが異なる割合で選択される。しかし、これに限らず、次のような制御を行なうようにしてもよい。大当り遊技状態中に、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出を行なうことに加えて、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出を前述のような同一の演出パターンで行なうようにしてもよい。その場合には、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出と、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出とで、演出パターンを異なるようにしてもよい。また、このような場合には、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出と、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出とで、個別に実行タイミングを決定するようにしてもよい。特別の種別の大当りとしては、時短状態の期間が短い(20回)確変状態となる大当りに対して、時短状態の期間が長い(100回)確変状態となる大当りである例を示した。しかし、これに限らず、特別の種別の大当りとしては、時短状態の期間が短い(20回)確変状態となる大当りに対して、時短状態の期間が長い(100回)確変状態となる大当りであってもよい。また、大当り遊技状態終了後の状態を時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とする通常大当りを設け、当該通常大当りに対して、確変状態(時短状態を含んでもよく、含まなくてもよい)となる大当りであってもよい。大当り遊技状態終了後の状態を確変状態とならない時短状態とする時短大当りを設け、通常大当りに対して、確変状態とならない時短状態となる大当りであってもよい。つまり、特別の種別の大当りとしては、比較対象となる大当りに対して、遊技者にとって有利となる種別の大当りであれば、どのような種別の大当りであってもよい。
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様の実行タイミングで保留内大当り報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、第2実施形態による保留内大当り報知演出は、第1実施形態と異なる実行タイミングで実行するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、S1984Aで確変大当りAと判定された入賞時判定結果があると判断したときに、第2先読み演出処理(S1985)を実行する例を示した。しかし、これに限らず、第1実施形態と同様に、第2先読み演出処理(S1985)は、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果があると判断したときに実行するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、第1実施形態のように大当り遊技状態中に、入賞時演出処理による入賞時の判定結果に基づいて保留記憶データの先読みを行なうことにより、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果があるか否か確認する代わりに、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果が複数あるか否か確認し、大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出を行なう例を説明する。第3実施形態では、保留記憶内において、大当りと判定された入賞時判定結果が複数あるときと、ないときとで保留内大当り報知演出を行なうタイミングが異なる。以下に示す第3実施形態では、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図49は、第3実施形態によるラウンド後処理を示すフローチャートである。図49の処理が、図33の処理と異なるのは、S1979B,S1980B、S1981B,S1984Bである。S1979BはS1979の代わり、S1980BはS1980の代わり、S1981BはS1981の代わり、S1984BはS1984の代わりにそれぞれ実行される。
図50は、第3実施形態による第1先読み処理を示すフローチャートである。図50の処理が、図34の処理と異なるのは、S7141,S7171である。S7141はS714の代わり、S7171はS717の代わりにそれぞれ実行される。
図49を参照して、ラウンド後処理において、S1979Bでは、S1978での確認に基づいて、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果が複数あるか否か確認する(S1979B)。S1979Bで入賞時判定結果が複数あると判断したときは、保留記憶内に大当りとなる保留記憶データが複数あることを示す保留内複数大当りフラグをセットし(S1980B)、第1先読み演出処理(S1981B)を実行する。保留内複数大当りフラグは、第1実施形態における保留内大当りフラグに代えて、保留内大当り報知演出を実行する条件として用いられる。
図50を参照して、第1先読み演出処理において、S7141では、前述のS1980Bでセットされ得る保留内複数大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S7141)。保留内複数大当りフラグがセットされているときには、S716に進み、保留内複数大当りフラグがセットされていないときには、S724に進む。また、S7171では、保留内複数大当りフラグをリセットする。
また、図49を参照して、ラウンド後処理において、S1984Bでは、S1983での確認に基づいて、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果が複数あるか否か確認する(S1984B)。S1984Bで大当りと判定された入賞時判定結果が複数あると判断したときは、第2先読み演出処理(S1985)を実行する。これにより、エンディング演出において保留内大当り復活報知演出が実行され得る。
第3実施形態では、以上に示した処理が行なわれることにより、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出が行なわれる。また、第1先読み演出処理において、保留内複数大当りフラグがセットされているときにはS716で保留内大当り報知演出用Aテーブルを用いて実行タイミングが決定され、保留内複数大当りフラグがセットされていないときにはS715で保留内大当り報知演出用Bテーブルを用いて実行タイミングが決定されることとなる。これにより、保留記憶内において、大当りと判定された入賞時判定結果が複数あると判定された入賞時判定結果があるときと、ないときとで、保留内大当り報知演出の実行タイミングが異なる割合で選択される。
なお、第3実施形態では、大当り遊技状態中に保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出が行なわれる例を示した。その保留内大当り報知演出は、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あるときとないときとで実行タイミングが異なる割合で選択される。しかし、これに限らず、次のような制御を行なうようにしてもよい。大当り遊技状態中に、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出を行なうことに加えて、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出を前述のような同一の演出パターンで行なうようにしてもよい。その場合には、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出と、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出とで、演出パターンを異なるようにしてもよい。また、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出を行なうことに加えて、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出を行ない、さらに、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出を行なうようにしてもよい。これらの場合には、すべての種類の保留内大当り報知演出で演出パターンを同一にしてもよく、各種類の保留内大当り報知演出で演出パターンを異なるようにしてもよい。
また、第3実施形態では、第1実施形態と同様の実行タイミングで保留内大当り報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、第3実施形態による保留内大当り報知演出は、第1実施形態と異なる実行タイミングで実行するようにしてもよい。また、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出を行なうことに加えて、保留記憶内に特別の種別の大当りと判定された入賞時判定結果があることを示唆する保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出を行ない、さらに、保留記憶内に大当りと判定された入賞時判定結果が複数あることを示唆する保留内大当り報知演出を行なう場合には、すべての種類の保留内大当り報知演出について、実行タイミングを個別に決定するようにしてもよい。
また、第3実施形態では、S1984Bで大当りと判定された入賞時判定結果が複数あると判断したときに、第2先読み演出処理(S1985)を実行する例を示した。しかし、これに限らず、第1実施形態と同様に、第2先読み演出処理(S1985)は、保留記憶内において、第1特別図柄または第2特別図柄で大当りと判定された入賞時判定結果が1つあると判断したときに実行するようにしてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとの両方に保留記憶データが記憶されているときに、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先して実行するときにおいて、大当り遊技状態の実行中には、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する例を説明する。
第4実施形態の場合、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先して実行する制御は、次のように行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560における図15のS52で第2保留記憶数が0であるか否かを判断し、第2保留記憶数が0でなければS54を優先して実行して特別図柄ポインタに「第2」を示す値をセットし、S55以降の処理を実行して第2特別図柄の変動表示を実行する。これにより、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとの両方に保留記憶データが記憶されているときに、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることとなる。
第4実施形態の場合、大当り遊技状態の実行中に、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する制御は、次のように行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560における図11のS216の前に、大当り遊技状態の実行中であるか否かを判断して大当り遊技状態の実行中と判断したときにS216を実行せずにS218に移行させる制御をする。これにより、大当り遊技状態の実行中であるときには、第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、入賞時演出処理が実行されないので、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が禁止(制限)される。
このようにすれば、大当り遊技状態において第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、当該第1保留記憶について、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が制限される。大当り遊技状態中に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り結果となる可能性があることが遊技者に認識されると、高ベース状態としての時短状態に制御されたときに、遊技者がすでに大当り表示結果となる可能性あることを認識した第1特別図柄の変動表示が実行されるまでに優先して変動表示が実行される第2特別図柄の始動条件の成立のみを狙い打ちすることで大当り遊技状態を連続して発生(より詳しくは、第2特別図柄の始動条件の成立により大当り遊技状態を発生させ、終了後に大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件が成立することで再び大当り遊技状態を発生)させるという技術介入により、想定数以上の賞球を故意に狙われることが考えられる。これに対し、大当り遊技状態において第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、当該第1保留記憶について、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が制限されるので、大当り遊技状態中に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となる可能性を認識できないようにすることによって、遊技者の技術介入により大当り遊技状態を連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止することができる。
なお、大当り遊技状態中の保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知を制限する例としては、たとえば、次のようなものが含まれる。第1特別図柄の始動条件が成立したときに第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させるか否かを始動条件が成立したときに先読みする処理(入賞時演出処理)を実行しない。また、演出制御用マイクロコンピュータ100により報知をする制御が行なわれる場合において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する演出制御コマンドのうち、第1特別図柄の始動条件が成立したときの先読み結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信しない。また、このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御手段が受信することを禁止する。また、このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信しても、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知をする制御を実行しない。このように、大当り遊技状態中の保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知を制限する例としては、当該報知を制限する各種の制限態様が含まれる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとの両方に保留記憶データが記憶されているときに、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先して実行するときにおいて、大当り遊技状態の実行中には、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する例を説明する。
第5実施形態の場合、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示を優先して実行する制御は、次のように行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560における図15のS52で第2保留記憶数が0であるか否かを判断し、第2保留記憶数が0でなければS54を優先して実行して特別図柄ポインタに「第2」を示す値をセットし、S55以降の処理を実行して第2特別図柄の変動表示を実行する。これにより、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとの両方に保留記憶データが記憶されているときに、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることとなる。
第5実施形態の場合、大当り遊技状態の実行中に、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する制御は、次のように行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560における図11のS216の前に、遊技制御用マイクロコンピュータ560における図11のS216の前に、時短フラグがセットされているか否かを判断してセットされていると判断したときにS216を実行せずにS218に移行させる制御をする。これにより、時短状態(確変状態含む)中であるときには、第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、入賞時演出処理が実行されないので、第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が禁止(制限)される。
このようにすれば、時短状態(確変状態含む)中において第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、当該第1保留記憶について、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が制限される。時短状態(確変状態含む)中に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り結果となる可能性があることが遊技者に認識されると、高ベース状態としての時短状態に制御されたときに、遊技者がすでに大当り表示結果となる可能性があることを認識した第1特別図柄の変動表示が実行されるまでに優先して変動表示が実行される第2特別図柄の始動条件の成立のみを狙い打ちすることで大当り遊技状態を連続して発生(より詳しくは、第2特別図柄の始動条件の成立により大当り遊技状態を発生させ、終了後に大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件が成立することで再び大当り遊技状態を発生)させるという技術介入により、想定数以上の賞球を故意に狙われることが考えられる。これに対し、時短状態(確変状態含む)において第1始動入賞が発生し、第1保留記憶が生じたときに、当該第1保留記憶について、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行が制限されるので、時短状態(確変状態含む)中に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となる可能性を認識できないようにすることによって、遊技者の技術介入により大当り遊技状態を連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止することができる。
なお、大当り遊技状態中の保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知を制限する例としては、たとえば、次のようなものが含まれる。第1特別図柄の始動条件が成立したときに第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させるか否かを始動条件が成立したときに先読みする処理(入賞時演出処理)を実行しない。また、演出制御用マイクロコンピュータ100により報知をする制御が行なわれる場合において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する演出制御コマンドのうち、第1特別図柄の始動条件が成立したときの先読み結果を指定する入賞時判定結果指定コマンドを送信しない。また、このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御手段が受信することを禁止する。また、このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信しても、保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知をする制御を実行しない。このように、大当り遊技状態中の保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出による報知を制限する例としては、当該報知を制限する各種の制限態様が含まれる。
また、第4実施形態に示したような大当り遊技状態の実行中に第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する制御に加えて、第5実施形態に示したような時短状態(確変状態含む)中に第1保留記憶に基づいた保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出の実行を制限する制御も実行するようにしてもよい。
なお、第1実施形態〜第5実施形態に示した保留内大当り報知演出および保留内大当り復活報知演出は、たとえば、第1特別図柄の保留記憶データを対象とした保留記憶データの先読みと、第2特別図柄の保留記憶データを対象とした保留記憶データの先読みとを分けて行ない、第1特別図柄の保留記憶データを対象とした保留記憶データの先読み結果に基づく第1の保留内大当り報知演出と、第2特別図柄の保留記憶データを対象とした保留記憶データの先読み結果に基づく第2の保留内大当り報知演出とを異なるタイミングで実行するようにしてもよい。
また、第1実施形態〜第5実施形態に示した保留内大当り報知演出は、たとえば、複数回のタイミングで一連の演出を実行する演出パターンとし、複数回の実行タイミングで演出内容がステップアップしていくものであって、保留記憶内に大当りとなる保留記憶データがあるか否かにより、ステップアップの態様が異なるようなものであってもよい。たとえば、複数回のラウンドで保留内大当り報知演出が一連の演出が実行されてもよい。また、ラウンド中に限らず、大当り遊技状態の開始時のタイミング、または、エンディング演出時のタイミングを含めた複数回の実行タイミングで演出内容がステップアップしていくものでもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図34のS714,S715,S716、図48のS7140,S726,S725、図50のS7141,S716,S715に示すように、大当り遊技状態中に、保留記憶データについて、大当り遊技状態に移行させる決定がされているか否かを示唆する保留内大当り報知演出の報知を行なうときに、当該報知の実行タイミングが、入賞判定時における大当り遊技状態に移行させる決定がされているか否の決定に応じて複数の実行タイミングから選択される。さらに、図34のS714〜S716に示すように、当該複数の実行タイミングについては、保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させる決定がされる場合と、決定されない場合とで異なる割合で選択される。このように、保留内大当り報知演出の報知を行なうときに、当該報知の実行タイミングが、複数の実行タイミングから選択されるので、報知態様にバリエーションが生じる。さらに、選択対象となる複数の実行タイミングが、保留記憶データに基づいて大当り遊技状態に移行させる決定がされる場合と、決定されない場合とで異なる割合で選択されるので、保留記憶データについての入賞時の判定内容と、当該保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングの選択割合との関係に基づいて、当該報知の実行タイミングから遊技者が大当り遊技状態に移行する決定がされていることに対する期待感を得ることができるようになる。これにより、このように実行される報知に基づいて、大当り遊技状態となったときの遊技者の興趣を向上させることができる。なお、実行タイミングの選択割合が異なる例としては、ある実行タイミングについての選択割合がたとえば80%と50%とで異なる場合のように大当り遊技状態に移行する決定がされる場合とされない場合との両方とも選択するが選択する割合に差がある場合の他、選択割合が100%(必ず選択する)と0%(必ず選択しない)とで異なる場合のように大当り遊技状態に移行する決定がされる場合とされない場合とのうち一方は選択するが他方は選択しないという場合も含まれる。たとえば、ある実行タイミングが、大当り遊技状態に移行する決定がされたときに80%で選択され、当該決定がされなかったときに50%で選択されるときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、大当り遊技状態に移行する割合が高いことを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、ある実行タイミングが、大当り遊技状態に移行する決定がされたときに100%で選択され、当該決定がされなかったときに0%で選択される(選択されない)ときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、必ず大当り遊技状態に移行することを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。
(2) 図50のS7141,S716,S715に示すように、選択対象となる複数の実行タイミングが、保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させる決定がされるデータの数と、保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングの選択割合との関係に基づいて、当該保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングから遊技者が大当り遊技状態に移行する回数に対する期待感を得ることができるようになる。これにより、このように実行される報知に基づいて、大当り遊技状態となったときの遊技者の興趣を一層向上させることができる。なお、実行タイミングの選択割合が異なる例としては、ある実行タイミングについての選択割合がたとえば80%と50%とで異なる場合のように大当り遊技状態に移行する決定がされる保留記憶数が第1の個数(複数)である場合と第2の個数(単数)である場合との両方とも選択するが選択する割合に差がある場合の他、選択割合が100%(必ず選択する)と0%(必ず選択しない)とで異なる場合のように当該保留記憶数が第1の個数(複数)である場合と第2の個数(単数)である場合とのうち一方は選択するが他方は選択しないという場合も含まれる。たとえば、ある実行タイミングが、大当り遊技状態に移行する保留記憶数が第1の個数(複数)であるときに80%で選択され、当該保留記憶数が第2の個数(単数)であるときに50%で選択されるときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、大当り遊技状態に移行する保留記憶数が第1の個数(複数)である割合が高いことを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、ある実行タイミングが、大当り遊技状態に移行する保留記憶数が第1の個数(複数)であるときに100%で選択され、当該保留記憶数が第2の個数(単数)であるときに0%で選択される(選択されない)ときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、必ず大当り遊技状態に移行する保留記憶数が第1の個数(複数)であることを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、大当り遊技状態に移行する決定がされる保留記憶数が第1の個数である場合と第2の個数である場合とで実行タイミングを異なる割合で選択する例としては、第1の個数が複数(2個以上)で第2の個数が単数(1個)の場合、第1の個数が複数(たとえば3個以上)で第2の個数が第1の個数よりも少ない複数(たとえば2個)の場合、および、第1の個数が1個以上で第2の個数が0個の場合を含む。さらに、第1の個数である場合と第2の個数である場合とで実行タイミングを異なる割合で選択する例としては、たとえば、権利の数が1個、2個、3個であるときについて実行タイミングを選択する割合を設定する場合に、1個である場合と2個である場合とで実行タイミングの選択割合が異なれば、2個である場合と3個である場合とで実行タイミングの選択割合が同じであってもよい。また、1個である場合と2個である場合と3個である場合とのすべての場合で、実行タイミングの選択割合が異なるようにしてもよい。
(3) 図48のS7140,S716,S715に示すように、選択対象となる複数の実行タイミングが、保留記憶データについて確変大当りAのような特別遊技状態に移行させる決定がされる場合と、決定されない場合とで異なる割合で選択されるので、保留記憶データについての確変大当りAに移行させるか否かの決定内容と、当該保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングの選択割合との関係に基づいて、当該保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングから遊技者が確変大当りAのような特別遊技状態に移行する決定がされていることに対する期待感を得ることができるようになる。これにより、このように実行される報知に基づいて、大当り遊技状態となったときの遊技者の興趣を一層向上させることができる。なお、実行タイミングの選択割合が異なる例としては、ある実行タイミングについての選択割合がたとえば80%と50%とで異なる場合のように特別遊技状態に移行させる決定がされる場合と決定がされない場合との両方とも選択するが選択する割合に差がある場合の他、選択割合が100%(必ず選択する)と0%(必ず選択しない)とで異なる場合のように特別遊技状態に移行させる決定がされる場合と決定がされない場合とのうち一方は選択するが他方は選択しないという場合も含まれる。たとえば、ある実行タイミングが、特別遊技状態に移行する決定がされたときに80%で選択され、当該決定がされなかったときに50%で選択されるときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、特別遊技状態に移行する割合が高いことを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。また、ある実行タイミングが、特別遊技状態に移行する決定がされたときに100%で選択され、当該決定がされなかったときに0%で選択される(選択されない)ときには、当該実行タイミングが選択されたことにより、必ず特別遊技状態に移行することを認識できるので、遊技者の期待感を高めることができる。
(4) 図41に示すように、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始条件が成立したときに、特定の変動表示パターンとしてのスーパーリーチの変動表示パターンに対しては、当該変動開始条件の成立時点の保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられ、スーパーリーチの変動表示パターン以外の変動パターンに対しては、変動開始条件の成立時点の保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられているはずれ用変動パターン種別判定テーブルと、ランダム2とを用いて変動パターンが決定される。変動パターンを決定する判定値テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル)について変動開始条件の成立時点の保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられていると保留記憶数に従って変動表示時間を異ならせることで変動表示を効率的に実行することが可能となるが、始動条件の成立時と変動開始条件の成立時とで保留記憶数が異なると、始動条件の成立時にスーパーリーチの変動パターンに決定されると判断しても、変動開始条件の成立時にスーパーリーチの変動パターンに決定されないというような不整合が生じる場合がある。はずれ用変動パターン種別判定テーブルについて、スーパーリーチの変動パターンに対しては、保留記憶数にかかわらず、共通の判定値が割当てられ、スーパーリーチ以外の変動表示パターンに対しては、保留記憶数に応じて異なる判定値が割当てられているように構成されているので、スーパーリーチの変動パターンとなると判定したことに基づき保留内大当り報知演出の報知を実行する場合に、保留記憶数によって不整合が生じないようにすることができる。また、保留記憶数にしたがって変動時間を異ならせることによって、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。そして、保留記憶データについて、大当り遊技状態に移行させる決定がされないときでも、保留記憶内にスーパーリーチとなる変動パターンカテゴリGを指定した入賞時判定結果があれば、大当り遊技状態中に、保留内大当り報知演出の報知が行なわれる。大当りとなるときには、図14に示すように、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチとなることが多いので、保留内大当り報知演出の報知の実行タイミングに対する遊技者の期待感に加えて、遊技者に大当り遊技状態終了後のスーパーリーチに対する期待感を持たせることができるようになる。このように実行される報知に基づいて、大当り遊技状態となったときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
(5) 第4実施の形態に示すように、第1保留記憶により行なわれる第1特別図柄の変動表示よりも、第2保留記憶により行なわれる第2特別図柄の変動表示が優先して実行される構成において、大当り遊技状態において第1保留記憶について、保留内大当り報知演出の報知が制限される。大当り遊技状態中に第1特別図柄の表示結果が大当り結果となる可能性が遊技者に認識されると、大当り遊技状態の終了後において高ベース状態に制御されたときに、遊技者がすでに大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件の成立による変動表示が実行されるまでに優先して変動表示が実行される第2特別図柄の始動条件の成立のみを狙い打ちすることで大当り遊技状態を連続して発生(より詳しくは、第2特別図柄の始動条件の成立により大当り遊技状態を発生させ、終了後に大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件が成立することで再び大当り遊技状態を発生)させるという技術介入により、想定数以上の賞球を故意に狙われることが考えられる。これに対し、第4実施形態に示したように、大当り遊技状態において、第1始動入賞について、連続予告のために行なう入賞時演出処理による判定の実行が制限されることにより、大当り遊技状態中に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となる可能性を認識できないようにすることによって、遊技者の技術介入により大当り遊技状態を連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止することができる。なお、保留内大当り報知演出の報知を制限する例としては、たとえば、次のようなものが含まれる。保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させるか否かを始動条件が成立したときに先読みする処理(入賞時演出処理)を実行しない。演出制御用マイクロコンピュータ100により報知をする制御が行なわれる場合において、演出制御コマンドのうち、入賞時判定結果指定コマンドを送信しない。このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信することを禁止する。このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信しても、保留内大当り報知演出をする制御を実行しない。このように、保留内大当り報知演出の報知を制限する例としては、当該報知を制限する各種の制限態様が含まれる。
(6) 第5実施形態に示すように、第1保留記憶により行なわれる第1特別図柄の変動表示よりも、第2保留記憶により行なわれる第2特別図柄の変動表示が優先して実行される構成において、時短状態(確変状態である場合を含む)において第1保留記憶について、保留内大当り報知演出の報知が制限される。時短状態(確変状態である場合を含む)中に第1特別図柄の表示結果が大当り結果となる可能性が遊技者に認識されると、確変状態および時短状態に制御されたときに、遊技者がすでに大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件の成立による変動表示が実行されるまでに優先して変動表示が実行される第2特別図柄の始動条件の成立のみを狙い打ちすることで大当り遊技状態を連続して発生(より詳しくは、第2特別図柄の始動条件の成立により大当り遊技状態を発生させ、終了後に大当り表示結果となる可能性を認識した第1特別図柄の始動条件が成立することで再び大当り遊技状態を発生)させるという技術介入により、想定数以上の賞球を故意に狙われることが考えられる。これに対し、第5実施形態に示すように、時短状態(確変状態である場合を含む)において、連続予告のために行なう入賞時演出処理による判定の実行が制限される。これにより、時短状態(確変状態である場合を含む)に第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となる可能性を認識できないようにすることによって、遊技者の技術介入により大当り遊技状態を連続して発生させて想定数以上の賞球を故意に狙われることを防止することができる。なお、保留内大当り報知演出の報知を制限する例としては、たとえば、次のようなものが含まれる。保留記憶データについて大当り遊技状態に移行させるか否かを始動条件が成立したときに先読みする処理(入賞時演出処理)を実行しない。演出制御用マイクロコンピュータ100により報知をする制御が行なわれる場合において、演出制御コマンドのうち、入賞時判定結果指定コマンドを送信しない。このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信することを禁止する。このような入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信しても、保留内大当り報知演出をする制御を実行しない。このように、保留内大当り報知演出の報知を制限する例としては、当該報知を制限する各種の制限態様が含まれる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(4) 前述の実施の形態では、特定遊技状態としての大当り遊技状態終了後に、第1遊技状態、または、該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行させる例として、第1遊技状態として、付随する時短状態の期間が短い(20回)確変状態とし、第2遊技状態として、付随する時短状態の期間が長い(100回)確変状態とする例を示した。これに限らず、大当り遊技状態終了後の状態を時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とする通常大当りを設け、第1遊技状態として、時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とし、第2遊技状態として、確変状態(時短状態を含んでもよく、含まなくてもよい)としてもよい。また、大当り遊技状態終了後の状態を確変状態とならない時短状態とする時短大当りを設け、第1遊技状態として、時短状態でもなく確変状態でもない通常状態とし、第2遊技状態として、確変状態とならない時短状態としてもよい。つまり、第1遊技状態と第2遊技状態との関係は、第2遊技状態が第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態であれば、どのような関係であってもよい。
(5) 前述の実施の形態では、大当り遊技状態中に保留記憶されているデータを対象として実行される保留内大当り報知演出として、ラウンド中のみ、ラウンド中およびエンディング時の両方、または、エンディング時のみに実行する例を示した。しかし、これに限らず、このような保留内大当り報知演出を実行するタイミングは、たとえば、ラウンド間に保留内大当り報知演出を実行するもの、または、大当り遊技状態の終了後かつ最初の変動表示が開始される前に保留内大当り報知演出を実行するもの等、その他のタイミングであってもよく、当該特定遊技状態の開始から当該特定遊技状態が終了し最初の変動表示が開始されるまでの間の特定タイミングであれば、どのようなタイミングで実行されるものであってもよい。
(6) 保留内大当り報知演出を実行するか否かの決定をする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で行なうようにしてもよく、演出制御用マイクロコンピュータ100側で行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(8) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(9) 前述した実施の形態では、図34のS714A,S715,S716で示したように、変動パターンのカテゴリがスーパーリーチとなるカテゴリGであるか否かに応じて、保留内大当り報知演出の実行タイミングを選択する割合が異なるようにする例を示した。しかし、これに限らず、通常状態か時短状態かの遊技状態と、合算保留記憶数の多少とのそれぞれに関わらず、ランダム2の数値データにより選択される変動パターン種別が共通となるカテゴリを、ノーマルリーチの変動パターン種別、または、擬似連の変動パターン種別についても設定しておき、ランダム2の数値データが、それぞれの変動パターン種別のカテゴリとなったときに、当該カテゴリであるか否かに応じて、保留内大当り報知演出の実行タイミングを選択する割合が異なるようにてしてもよい。
(10) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。