以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が可変表示中に現れて確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリア5Hが配置されている。この表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。保留表示図柄は、保留されている可変表示と一対一で対応するようになっている。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、保留表示図柄の表示時に他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが横方向に並んで設けられている。また、その上には、遊技媒体を振り分ける振分装置200が設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片6Ba(図2参照)を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が垂直位置となることにより通常の開放状態になっている。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片6Ba(図2参照)が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通常よりも進入し易い拡大開放状態になる。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が第1可変状態よりも進入し難い通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
振分装置200の上部には、図2に示すように、遊技媒体が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技媒体を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図2(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図2(a)に示す状態において遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(b)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には、普通入賞球装置6Aによって形成される第1始動入賞口が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技媒体は、第1始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(a)および図2(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が左側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技媒体は右側通路204を通過可能となる。
次いで、そのような状態において、図2(c)に示すように、遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(d)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には普通可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技媒体は、第2始動入賞口に入賞する。振分部材202による振分時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図2(c)および図2(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が右側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体は左側通路203を通過可能となる。
図2に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技媒体が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に入賞可能となる。このため、第1始動入賞口に入賞する遊技媒体の数と第2始動入賞口に入賞する遊技媒体の数とは、略同数となる。なお、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片6Baが傾動位置となると、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる。特に、振分装置200内を通過しない遊技媒体が、振分装置200の横から第2始動入賞口に入賞しやすくなる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図3のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。傾倒方向センサユニット、トリガセンサなどによって、コントローラセンサユニット35A(図3)が構成され、コントローラセンサユニット35Aによって、スティックコントローラ31への操作が検出される。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図3)が設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、演出制御コマンドなどを制御信号として演出制御基板12に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(入力ドライバ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データ(画像表示装置5で表示する演出画像のデータ)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5において表示する演出画像の画像データを出力する。例えば、表示制御部123は、記憶部を有し、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されているデータに基づいて、画像データを生成して出力するようにしてもよい。また、表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されている画像データをそのまま出力してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像及びその切換タイミングを決定して表示制御部123に指令することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示などを実現する画像データを表示制御部123に出力させる。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される画像データ(表示制御部123から出力されるデータ)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)などが出力される。また、I/O125の入力ポートには、演出制御基板12には、コントローラセンサユニット35Aからの操作検出信号や、プッシュセンサ35Bからの操作検出信号が入力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された画像データは、前記ドライバ回路に入力される。画像データが入力されたドライバ回路は、入力された画像データに基づいて、表示パネルを駆動し、当該画像データが表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、飾り図柄の可変表示を含む各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5や演出ユニット55の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示(可変表示の開始から表示結果の導出を含む。)そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図15参照、詳しくは後述する)。
また、先読み予告演出(単に「先読み予告」ともいう。)が実行される。先読み予告演出は、可変表示の表示結果(可変表示結果)が「大当り」となる可能性(「大当り期待度」ともいう。)を予告するものであり、予告の対象となる可変表示(「ターゲット」、「ターゲットの可変表示」などともいう。)が開始される前に、特図ゲームの保留データ(保留記憶)などに基づいて実行される。この実施の形態では、先読み予告演出の種類として、保留表示予告、特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告などがある。
保留表示予告(詳しくは後述するが図34などを参照)は、表示エリア5Hに表示されている、ターゲットの保留表示図柄(予告対象の可変表示に対応する保留表示図柄)の色を通常の色(例えば、白)とは異なる色(例えば、赤、青、緑)にする演出である。このようにして、色を変えた保留表示図柄に対応する可変表示(ターゲット)についての大当り期待度を予告する。大当り期待度は、色毎に異なるようになっている。この実施の形態の保留表示予告では、保留表示図柄の表示開始時から、ターゲットの保留表示図柄の色を通常とは異なる色とするが、保留表示図柄が表示された後の所定タイミングで色を変化させてもよい。
特殊画像予告(詳しくは後述するが図34などを参照)は、可変表示されている飾り図柄を飾り図柄以外の特殊画像に変更して飾り図柄及び特殊画像の可変表示を行って表示結果を導出する特殊画像演出(特殊演出)と、可変表示結果が特殊画像で揃った場合(特別な結果になった場合)にその後の演出画像(画像表示装置5で表示される画像)の背景を通常のものから変更する背景変更演出(特別演出)と、から構成される。背景変更演出は、基本的に複数回実行される可変表示(ターゲット前の可変表示及びターゲットの可変表示)にわたって実行される。特殊画像予告は、当該演出が実行される可変表示それぞれにおける可変表示中演出の一部として行われる。
チャンス目予告(詳しくは後述するが図34などを参照)は、ターゲット前の飾り図柄の可変表示の表示結果を所定のチャンス目とする演出である。この実施の形態では、基本的にターゲットの可変表示の前に実行される複数回の可変表示それぞれでチャンス目を導出するようになっている。つまり、この実施の形態では、一度チャンス目が導出される(可変表示中の飾り図柄の組合せが所定の組合せになる)と、その後にもチャンス目が導出される演出(所定演出)が実行されることになる。なお、チャンス目が揃ったことに応じて実行される演出(例えば、チャンス目であることを報知する演出など)を、チャンス目が導出されたことに応じて実行する所定演出として実行するようにしてもよい。チャンス目予告は、当該演出が実行される可変表示それぞれにおける可変表示中演出の一部として行われる。
アイテム予告は、ターゲット前の飾り図柄の可変表示において、所定のアイテムの画像を登場させる演出である。この実施の形態では、複数のアイテムのうちのいずれかが登場し、登場するアイテムに応じて大当り期待度が異なる。アイテム予告が実行されることで、アイテムは、基本的に複数回実行される可変表示(ターゲット前の可変表示及びターゲットの可変表示)で登場する。アイテム予告は、当該演出が実行される可変表示における可変表示中演出の一部として行われる。アイテム予告は、当該演出が実行される可変表示それぞれにおける可変表示中演出の一部として行われる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図7参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図6を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図14参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定のために実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。コマンドC6XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動カテゴリを指定する演出制御コマンド(変動カテゴリ指定コマンド)である。詳しくは後述するが、第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、上記乱数値MR1〜3が抽出される(ステップS101)。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3に基づいて、当該可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、大当り種別、及び、当該可変表示の変動カテゴリ(変動パターンの大まかな種類)が判定される。始動入賞時の判定は、この判定のことをいい、当該判定は、ステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる。表示結果についての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変」の「大当り」なら「01」、「確変」の「大当り」なら「02」など)。変動カテゴリについての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が変動カテゴリ指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、図9(B)のように、「非リーチ」なら「00」、「リーチハズレ」なら「10」、「大当り」なら「11」など)。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図7参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。このとき、始動口バッファ値も、始動口データ(始動入賞が第1特図についてのものか、第2特図についてのものかを特定するデータ)として、保留データに対応付けられて特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされる。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。例えば、始動口バッファ値が「2」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データとともに対応付けて、図8に示すような特図保留記憶部にセットする。なお、このとき、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図8に示す特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、を入賞順(遊技球の検出順)に記憶する。一例として、特図保留記憶部は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と対応付けて、その遊技球の進入による第1始動条件又は第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。保留データは、第1始動入賞口への入賞と第2始動入賞口への入賞とのそれぞれについて、最大4つまで記憶される。こうして特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図又は第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。また、特図保留記憶部には、上述のように、各保留データが第1始動条件と第2始動条件とのうちのいずれの条件成立に基づいて抽出されたものであるかを示す前記の始動口データが各保留データに対応付けて記憶される。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図5のステップS110、図10)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図5のステップS111、図11)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図9(A)は、入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、始動入賞が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれかであるか、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、第1始動入賞及び非確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル(非確変)(図11(A)参照)、第1始動入賞及び確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル(確変)(図11(B)参照)、第2始動入賞及び非確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブル(非確変)(図11(C)参照)、第2始動入賞及び確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブル(確変)(図11(D)参照)が用意されている。CPU103は、これらテーブルのうち、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。なお、始動口バッファ値が「1」であれば、当該始動入賞は第1始動入賞であり、始動口バッファ値が「2」であれば、当該始動入賞は第2始動入賞である。
その後、図6のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、当該始動入賞によって実行される可変表示の変動パターンの変動カテゴリの判定を行う(ステップS412)。
CPU103は、ステップS412において、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定していた場合(ステップS403;Yes)には、変動カテゴリを「大当り」のカテゴリと判定する。
一方、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲外であると判定していた場合(ステップS403;No)、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101の所定領域に記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、例えば図16に示すように、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR3に基づいて、ステップS401で特定した遊技状態が時短状態であるか否かに応じて当該乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられている変動パターンを選択する。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、遊技状態が時短状態のときには、変動パターンPA2−1を選択し、非時短状態のとき(時短状態でないとき)には、変動パターンPB2−1を選択する。CPU103は、変動パターンとして、PA1−1、PA1−2を選択した場合には、今回の判定結果の変動カテゴリが「非リーチハズレ」のカテゴリであると判定する。CPU103は、変動パターンとして、PA2−1、PB2−1〜PB2−3を選択した場合には、今回の判定結果の変動カテゴリが「リーチハズレ」のカテゴリであると判定する。
ステップS412のあと、CPU103は、上記判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。上記判定結果が「大当り」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC611(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「非リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC600(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC610(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。
ステップS413のあと、CPU103は、特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。具体的には、始動口バッファ値が「1」のときは、第1特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、第2特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数(当該始動入賞によって1つ増えた記憶数)を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。ステップS414のあと、入賞時乱数値判定処理は終了する。
上記一連の処理が実行されたあと、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンドまたは第2特図保留記憶数指定コマンド)という4つのコマンドが1セット(始動入賞時コマンド)として、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。特図保留記憶数は、特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値及び第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値がいずれも「0」であるか否かを判定すればよい(「0」であれば、特図保留記憶数は「0」である。)。なお、合計保留記憶数カウント値を読み出し、当該カウント値が「0」であるか否かを判定することで、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定してもよい。
特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データ及びこれに対応付けられた始動口データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞又は第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データ及び始動口データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、ステップS232で読み出した始動口データに応じて、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」(始動口データが「1」の場合)又は「2」(始動口データが「2」の場合)に設定する(ステップS233)。これによって、これから開始される特図ゲームが第1特図のものであるか第2特図のものであるかが設定される。
ステップS233のあと、CPU103は、始動口データが「1」の場合には、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。CPU103は、始動口データが「2」の場合には、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。例えば、特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「8」に対応する記憶領域)に記憶された保留データ及び始動口データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「7」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS234の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。
ステップS234の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在の遊技状態と始動口データ(変動用乱数バッファに一時格納したデータ)とに基づいて、例えば図11(A)〜(D)のいずれかに示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。具体的には、確変フラグがオフ状態で、始動口データが「1」を示すものである場合には、図11(A)の第1特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、始動口データが「1」を示すものである場合には、図11(B)の第1特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオフ状態で、始動口データが「2」を示すものである場合には、図11(C)の第2特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、始動口データが「2」を示すものである場合には、図11(D)の第2特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図11に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図5に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図12に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS231にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図5のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図13は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図14は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、大当り種別が「確変」、「非確変」のときの「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図13に示すステップS262の処理では、例えば図15に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図13に示すステップS263の処理では、例えば図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の所定領域に設けられた時短フラグによって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図15及び図16を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図13に示すステップS262、S263のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14に示すように、予め用意された複数の変動パターンそれぞれに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。変動パターンの決定は、特図変動時間の決定でもある。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS239で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS234で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS239で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS234で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図5のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」(例えば大当り種別バッファ設定値が「1」)であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」(例えば大当り種別バッファ設定値が「0」)であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定に戻る。
上記一連の処理が実行されたあと、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンドまたは第2特図保留記憶数指定コマンド)という4つのコマンドが1セット(始動入賞時コマンド)として、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図17は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド)の受信があったかを判定する(ステップS681)。始動入賞時コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS682)。
図19は、始動入賞時コマンドバッファの構成例である。ステップS682では、始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1又は第2始動口入賞指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを順番に記憶させる。始動入賞時コマンドバッファには、始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)を、その受信順序に従って、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「8」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
なお、図19において、図柄指定コマンドの「C400(H)」は、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを示し、「C402(H)」は、可変表示結果の判定結果が「確変」(大当り種別)の「大当り」であることを示しているものとする。変動カテゴリ指定コマンド「C600(H)」は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であることを示し、「C610(H)」は、変動カテゴリが「リーチハズレ」であることを示し、「C611(H)」は、変動カテゴリが「大当り」であることを示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」〜「C104(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」〜「C204(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。なお、図19において、保留番号「5」と「7」で第1特図保留記憶数が同じになっているが、これは、保留番号「5」の始動入賞があったあとに、第1特図ゲームが実行され、その実行中などに第1始動入賞があったことを示す。
なお、始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示図柄の表示位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示図柄と一対一で対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、表示エリア5Hの左から1番目の表示位置に対応し、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、表示エリア5Hの左から2番目の表示位置に対応し、・・・始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「8」は、表示エリア5Hの左から8番目(最も右)の表示位置に対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、表示エリア5Hの左から4番目の表示位置に保留表示図柄が表示される。このとき、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されているはずなので、表示エリア5Hの左から1番目〜3番目の表示位置にも保留表示図柄が表示される。
保留表示番号に対応付けて格納される始動入賞時コマンドは、始動入賞時における乱数値の抽出に対応して送信されるものであり、抽出された乱数値のデータは図8の特図保留記憶部に保留番号に対応して保留データ(可変表示を実行する情報)として格納されるものである。また、保留データと同様に、可変表示が実行されるごとに保留表示番号「1」の始動入賞時コマンド(保留表示番号「1」に対応付けて格納されている始動入賞時コマンド)は消去され、下位の保留表示番号「2」〜「8」の始動入賞時コマンドは、1つずつ上位(保留表示番号「1」〜「7」)にシフトされる(詳しくは後述)。つまり、保留番号と保留表示番号とは、同じ番号同士が対応しており、同じ番号の保留番号と保留表示番号とにそれぞれ対応して格納された保留データと始動入賞時コマンドとは互いに対応する。つまり、始動入賞時コマンドは、当該コマンドに対応する保留表示番号と同じ保留番号の保留データに基づいて実行される可変表示に対応する。さらに、保留表示図柄も、保留表示番号に対応した位置に表示されるので、同じ保留表示番号及び保留番号にそれぞれ対応する保留データ及び始動入賞時コマンドと、当該同じ保留表示番号に対応する位置に表示された保留表示図柄と、は、互いに対応して、同じ可変表示に対応する。保留表示図柄は、対応する保留データに基づいて実行される可変表示を表すものとなる。
また、始動入賞時コマンドバッファには、ターゲットフラグが各保留表示番号に対応して設けられている。また、始動入賞時コマンドバッファには、予告情報及び実行情報をそれぞれ記憶する記憶領域が各保留表示番号に対応して設けられている(つまり、予告情報や実行情報は、各保留表示番号に対応して記憶される)。保留表示番号と保留番号とが同じ番号のものについて、予告情報、実行情報、ターゲットフラグは、当該同じ番号の保留番号に対応して記憶された保留データに対応し、その保留データに基づいて実行される可変表示などに対応することになる。
例えば、保留表示番号「4」の始動入賞時コマンドは、保留番号「4」の保留データに対応し、当該保留データに基づいて実行される可変表示に対応する。また、保留番号「4」の保留データに基づいて実行される可変表示は、保留表示番号「4」に対応しているターゲットフラグ、予告情報、実行情報に対応している。また、保留表示番号「4」に対応する表示位置に表示された保留表示図柄は、保留番号「4」の保留データ及び保留表示番号「4」の始動入賞時コマンドに対応し、保留番号「4」の保留データに基づいて実行される可変表示を表すものである。
ターゲットフラグは、当該フラグに対応する可変表示が先読み予告演出のターゲットとなっているときにオンとなるフラグである。図19では、保留表示番号「3」及び「7」の始動入賞時コマンドに対応する可変表示がターゲットとなっている。ターゲットフラグについては、後で後述する。
予告情報は、対応する可変表示をターゲットとして実行する先読み予告演出の種類及びその態様(予告パターン)などを特定する情報である。この情報は、ターゲットフラグがオンとなった保留表示番号(始動入賞時コマンド)に対応して記憶される。予告情報については、後で後述するが、予告情報を確認すれば、当該予告情報に対応する可変表示をターゲットとして実行する先読み予告演出の種類及びその態様などが分かる。
実行情報は、対応する可変表示の実行時において先読み予告演出を実行する場合に、実行する先読み予告演出の種類及びその態様(予告パターン)などを特定する情報である。実行情報については、後で後述するが、実行情報をみれば、当該実行情報に対応する可変表示の実行時に実行される予定の先読み予告演出の種類及びその態様などが分かる。
ステップS682のあと、又は、始動入賞時コマンドを受信していないときには(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、その他の演出制御コマンドについて解析処理を行い(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
図18は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中、S682は、上述で説明したステップS682で処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS689で行われる処理である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
変動開始時コマンドとして、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、つまり、第1又は第2変動開始指定コマンドと一緒に第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンドを第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド格納領域に格納する。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の実行のための先読み予告決定処理を実行する(ステップS162)。
図21は、先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし(ステップS701)、受信コマンド(始動入賞時コマンド)が始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されているかを判定する(ステップS702)。
新たな受信コマンドがある場合、現在始動入賞時コマンドバッファに格納されている各始動入賞時コマンドに対応した可変表示のうち先読み予告のターゲットとなる可変表示が3つ以上あるかを判定する(ステップS703)。ステップS703では、例えば、現在始動入賞時コマンドバッファのターゲットフラグのうち3つ以上がオン状態になっているかを判定する。
ターゲットフラグが3つ以上オンになっていないなどして、先読み予告のターゲットとなる可変表示が3つ以上ない場合(ステップS703;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶(新たな受信コマンドに対応する保留記憶含む。)が4つ以上であるかを判定する(ステップS705)。ステップS705では、例えば、保留表示番号「4」以降に始動入賞時コマンドが記憶されていれば、保留記憶が4つ以上あると判定する。
演出制御用CPU120は、保留記憶が4つ以上であると判定した場合(ステップS705;Yes)、まず、保留表示予告の実行の有無などを決定する(ステップS706)。
ここで、保留表示予告について説明する。保留表示予告は、ターゲットとなる可変表示に対応する保留表示図柄の色を所定の色(ここでは、「青」、「緑」、「赤」)とすることで、ターゲットの大当り期待度(ターゲットとなる可変表示の表示結果が「大当り」になる割合)を報知する先読み予告演出(図34(B)の保留表示図柄H(T)参照)である。
ステップS706では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出実行決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて保留表示予告決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、保留表示予告の実行の有無、実行する場合の保留表示予告の態様(予告パターン、ここでは、保留表示図柄の色)を決定する。
図22は、保留表示予告決定テーブルの構成例を示す図である。保留表示予告決定テーブルでは、「実行無し」(保留表示予告を実行しない決定結果)と、「予告パターンHH1」(保留表示図柄の色を「緑」にする態様)と、「予告パターンHH2」(保留表示図柄の色を「青」にする態様)と、「予告パターンHH3」(保留表示図柄を「赤」にする態様)とからなる各決定結果に、乱数値SR1と比較される決定値(図22では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合(C600(H)である場合)には、90%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、5%の割合で「予告パターンHH1」が選択され、3%の割合で「予告パターンHH2」が選択され、2%の割合で「予告パターンHH3」が選択されるように保留表示予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合(C610(H)である場合)には、40%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告パターンHH1」が選択され、20%の割合で「予告パターンHH2」が選択され、10%の割合で「予告パターンHH3」が選択されるように保留表示予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合(C611(H)である場合)には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「予告パターンHH1」が選択され、30%の割合で「予告パターンHH2」が選択され、40%の割合で「予告パターンHH3」が選択されるように保留表示予告決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR1と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、保留表示予告決定テーブルを参照し、乱数値SR1に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には保留表示予告を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告パターンHH1」に割り当てられていた場合には保留表示図柄を「緑」にする「予告パターンHH1」で保留表示予告を実行すると決定し(「予告パターンHH1」が選択されたことになる。)、「予告パターンHH2」に割り当てられていた場合には保留表示図柄を「青」にする「予告パターンHH2」で保留表示予告を実行すると決定し(「予告パターンHH2」が選択されたことになる。)、「予告パターンHH3」に割り当てられていた場合には保留表示図柄を「赤」にする「予告パターンHH3」で保留表示予告を実行すると決定する(「予告パターンHH3」が選択されたことになる。)。
図22の決定割合に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「大当り」のときにおいて、保留表示図柄を「赤」にする予告パターンHH3の決定割合が最も高く、保留表示図柄を「青」にする予告パターンHH2の決定割合が次に高く、保留表示図柄を「緑」にする予告パターンHH1の決定割合が次に高く、「実行無し」の決定割合が最も低くなっており、変動カテゴリが「非リーチハズレ」又は「リーチハズレ」の決定割合はその逆になっている。このため、保留表示図柄の色が「赤」になったときのターゲットの大当り期待度(色を変える保留表示図柄(ターゲット)の可変表示結果が「大当り」になる可能性)が最も高く、保留表示図柄の色が「青」になったときのターゲットの大当り期待度が次に高く、保留表示図柄の色が「緑」になったときのターゲットの大当り期待度が次に高くなっている。このように、この実施の形態の保留表示予告では、保留表示図柄の色に応じて異なる大当り期待度を予告する。また、保留表示図柄の色が変化した場合(保留表示予告が実行された場合)には、変化しない場合(保留表示予告が実行されない場合)よりもターゲットの大当り期待度が高い。
ステップS706のあと、新たな受信コマンドに対応する可変表示を除いた保留記憶の可変表示のうちの最新の先読みターゲットを対象とする先読み予告の種類(つまり、最も新しく実行すると決定された先読み予告の種類)を特定する(ステップS707)。演出制御用CPU120は、例えば、始動入賞時コマンドバッファにおいて、オンとなっているターゲットフラグに対応する保留表示番号のうち最も番号の数字が大きい保留表示番号を特定し、特定した保留表示番号に対応して記憶されている予告情報に基づいて、最新の先読みターゲットの先読み予告の種類を特定する。後述のように、ターゲットフラグがオンになっている保留表示番号に対応付けて、当該ターゲットフラグがオンになっている可変表示をターゲットとして実行される先読み予告演出の種類及びその態様の情報が予告情報として格納される。この予告情報を確認することによって、実行される先読み予告の種類を特定出来る。なお、始動入賞時コマンドバッファにおいて、オンとなっているターゲットフラグが無い場合には、例えば、先読み予告の種類無しと特定すればよい。
その後演出制御用CPU120は、ステップS707で特定した先読み予告演出の種類に特殊画像予告及びチャンス目予告が無いかを判定する(ステップS708)。特殊画像予告及びチャンス目予告が無い場合(ステップS708;Yes)、最新の先読みターゲットについて、特殊画像予告及びチャンス目予告のいずれもが実行されないということになる。なお、オンとなっているターゲットフラグが無い場合(先読み予告の種類無しと特定された場合)にも特殊画像予告及びチャンス目予告が無いと判定する(ステップS708;Yes)。
ステップS707で特定した先読み予告演出の種類に特殊画像予告及びチャンス目予告が無い場合(ステップS708;Yes)、特殊画像予告及びチャンス目予告の実行の有無などを決定する(ステップS709)。
演出制御用CPU120は、ステップS709において、まず、特殊画像予告の実行の有無などを決定する。
ここで、特殊画像予告について説明するが、最初に飾り図柄の可変表示について説明する。図33(A)は、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cにて可変表示される飾り図柄(複数の飾り図柄)を示す。ここでは、「1」〜「9」の複数の飾り図柄が、飾り図柄表示エリア5Cで上から下にスクロールするように可変表示される。同様に、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5Rでも、「1」〜「9」の複数の飾り図柄が上から下にスクロールするように可変表示される。このように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれにおいて、複数の飾り図柄が可変表示される。
特殊画像予告には、上述のように、特殊画像演出と背景変更演出とが含まれる。
特殊画像演出では、可変表示される飾り図柄のうちの1つ(ここでは、「6」)に、特殊画像(ここでは、丸の形状の画像)が重畳表示され、見た目上、可変表示中の飾り図柄のうちの1つが特殊画像に隠れて当該特殊画像に変更される(図33(B)参照、制御上も飾り図柄の1つの特殊画像に差し替える変更を行ってもよい)。この実施の形態では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれで可変表示される飾り図柄の1つを特殊画像に変更する(つまり、可変表示開始後に特殊画像への変更が行われる)。なお、変更される飾り図柄は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれで共通であってもよいし、異なってもよいが、例えば、飾り図柄表示エリア5Lでは左の飾り図柄として「3」が特殊画像に変更され、飾り図柄表示エリア5Cでは中央の飾り図柄として「6」が特殊画像に変更され(図33(B))、飾り図柄表示エリア5Rでは左の飾り図柄として「1」が特殊画像に変更される。また、特殊画像に変更される飾り図柄は、実行する特殊画像演出の態様に応じて予め定められていてもよい。
飾り図柄が特殊画像に変更されたあとは、飾り図柄と特殊画像とが可変表示される(図34(C)参照)。つまり、特殊画像変更後であっても可変表示が続行される。ここでは、この続行される可変表示も特殊画像演出の一部とする。つまり、特殊画像演出は、飾り図柄を少なくとも見た目上特殊画像に変更することと、変更した特殊画像及び変更されていない飾り図柄による可変表示を行うことと含む演出である。
そして、特殊画像演出では、最後に可変表示の表示結果を停止表示する。このとき、可変表示結果として特殊画像が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれで揃って停止表示された場合には、演出の結果が成功となる(図34(F)参照)。また、可変表示結果として特殊画像が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれで揃って停止表示されなかった場合(可変表示結果が飾り図柄の組合せ又は飾り図柄と特殊画像との組合せである場合)には、演出の結果が失敗となる(図34(D)参照)。演出の結果が成功(特殊画像が揃う表示結果)となる特殊画像演出を「成功の特殊画像演出」などといい、演出の結果(特殊画像が揃わない表示結果)が失敗となる特殊画像演出を「ガセの特殊画像演出」、「ガセ」などというものとする。
成功の特殊画像演出が実行された場合(可変表示結果が特殊画像で揃った場合)には、その後の可変表示にて画像表示装置5に表示される演出画像(可変表示中演出の演出画像など)の背景を通常のものとは異なる特別な背景に変更する背景変更演出を実行する(図34(G)参照)。成功の特殊画像演出において、特殊画像が揃って停止表示されたあと、特殊画像は消去されて、特殊画像に覆われていた飾り図柄が現れて、飾り図柄の可変表示の表示結果が導出される。このため、成功の特殊画像演出が実行されるときには、特殊画像は、可変表示結果を構成する飾り図柄を覆うように設定するとよい。
ガセの特殊画像演出が実行された場合、少なくとも1つの飾り図柄表示エリアでは特殊画像が停止表示され、その他のエリアでは飾り図柄が停止表示される。その後、特殊画像が消去され、特殊画像に隠れていた飾り図柄が表示される(図34(E)参照)。これによって、特殊画像演出の演出結果としての可変表示結果に続いて、飾り図柄の可変表示の表示結果(飾り図柄から構成され、特殊画像は含まれない組合せ)が導出表示されたことになる(飾り図柄の可変表示の表示結果は、飾り図柄の可変表示に含まれるもので、特殊画像演出には含まれないものとする。)。ガセの特殊画像演出が実行された場合には、その後において、背景変更演出を実行しないようになっている。なお、飾り図柄の可変表示の表示結果として、後述のチャンス目予告のチャンス目が導出されることがある(図34(E)参照)。ガセの特殊画像演出が実行されるときには、停止表示される特殊画像は、可変表示結果を構成する飾り図柄であって、当該特殊画像と同じ表示エリアに停止表示される飾り図柄を覆うように設定するとよい。
特殊画像予告は、基本的にターゲットの3変動前の可変表示から実行される。具体的には、特殊画像予告の実行態様としては、ターゲットの3変動前の可変表示においてガセの特殊画像演出を実行し、その後、背景変更演出を実行しない予告パターン(図23の予告パターンTG1)がある。また、特殊画像予告の実行態様としては、ターゲットの3変動前の可変表示においてガセの特殊画像演出を実行し、次の可変表示(2変動前の可変表示)において成功の特殊画像演出を実行し、直前の可変表示及びターゲットの可変表示にて背景変更演出を実行する予告パターン(図23の予告パターンTG2)がある。また、特殊画像予告の実行態様としては、ターゲットの3変動前の可変表示において成功の特殊画像演出を実行し、次の可変表示、直前の可変表示及びターゲットの可変表示にて背景変更演出を実行する予告パターン(図23の予告パターンTG3)がある。なお、後で説明するように、特殊画像演出は、リーチ演出と被らないように実行される。このため、後述のように、予告パターンを決定して特殊画像予告の実行を決定したとしても、特殊画像演出や背景画像演出は、本来実行される可変表示から繰り下がって実行される場合もある。
ステップS709では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出実行決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて特殊画像予告決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、特殊画像予告の実行の有無、実行する場合の特殊画像予告の態様(予告パターン)を決定する。
図23は、特殊画像予告決定テーブルの構成例を示す図である。特殊画像予告決定テーブルでは、「実行無し」(特殊画像予告を実行しない決定結果)と、「予告パターンTG1」(最初にガセの特殊画像演出を実行し、その後に背景変更演出を実行しない態様)と、「予告パターンTG2」(ガセの特殊画像演出、成功の特殊画像演出、背景変更演出の順で演出を実行する態様)と、「予告パターンTG3」(成功の特殊画像演出、背景変更演出の順で演出を実行する態様)とからなる各決定結果に、乱数値SR2と比較される決定値(図23では、決定割合が記載されている。)が、変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合(C600(H)である場合)には、70%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、26%の割合で「予告パターンTG1」が選択され、2%の割合で「予告パターンTG2」が選択され、2%の割合で「予告パターンTG3」が選択されるように特殊画像予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合(C610(H)である場合)には、60%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告パターンTG1」が選択され、5%の割合で「予告パターンTG2」が選択され、5%の割合で「予告パターンTG3」が選択されるように特殊画像予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合(C611(H)である場合)には、5%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、5%の割合で「予告パターンTG1」が選択され、45%の割合で「予告パターンTG2」が選択され、45%の割合で「予告パターンTG3」が選択されるように特殊画像予告決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR2と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、特殊画像予告決定テーブルを参照し、乱数値SR2に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には特殊画像予告を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告パターンTG1」に割り当てられていた場合には当該予告パターンTG1で特殊画像予告を実行すると決定し(「予告パターンTG1」が選択されたことになる。)、「予告パターンTG2」に割り当てられていた場合には当該予告パターンTG2で特殊画像予告を実行すると決定し(「予告パターンTG2」が選択されたことになる。)、「予告パターンTG3」に割り当てられていた場合には当該予告パターンTG3で特殊画像予告を実行すると決定する(「予告パターンTG3」が選択されたことになる。)。
図23の決定割合に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「大当り」のときにおいて、予告パターンTG2及びTG3の決定割合が高く、予告パターンTG1及び実行無しの決定割合が低くなっており、変動カテゴリが「非リーチハズレ」又は「リーチハズレ」の決定割合はその逆になっている。このため、成功の特殊画像演出を実行して背景変更画像を実行したときの方が、背景変更画像を実行しないときよりも、ターゲットの大当り期待度(ターゲットの可変表示結果が「大当り」になる可能性)が高くなる。また、背景変更画像を実行しない場合、「非リーチハズレ」又は「リーチハズレ」の決定割合は、実行無しよりも予告パターンTG1の方が高くなっているので、ガセの特殊画像演出が実行された場合は、背景変更画像が実行されなくても、特殊画像予告が実行されない場合よりも、ターゲットの大当り期待度は高くなる。
演出制御用CPU120は、ステップS709において、チャンス目予告の実行の有無なども決定する。
ここで、チャンス目予告について説明する。可変表示される飾り図柄それぞれは、複数種類の色(緑、青、赤)のいずれかに色分けされている。例えば、飾り図柄のうち「4」、「6」、「9」は緑、「2」、「5」、「8」は青、「1」、「3」、「7」は赤となっている。チャンス目予告では、飾り図柄の可変表示の表示結果として同じ色の飾り図柄の組合せ(ここでは、非リーチ組合せ、「3、7、1」、「2、5、8」、「6、4、9」など)からなるチャンス目を導出することで、ターゲットの大当り期待度を報知する。この実施の形態では、どの色の飾り図柄でチャンス目が構成されるかに応じて大当り期待度が異なるようになっている。なお、チャンス目は、「1、1、3」、「5、8、8」などであってもよい。飾り図柄は、左の飾り図柄、右の飾り図柄、中央の飾り図柄の順に停止するので、このようなチャンス目でもリーチにはならない。また、チャンス目は、「7、3、7」などのリーチハズレの組合せでもよい。
チャンス目予告は、基本的に、ターゲットの前3回に実行される可変表示にて実行されるが(つまり、チャンス目予告では、ターゲット前3回の可変表示でチャンス目が導出される。)、当該3回の可変表示にリーチ態様になる可変表示が含まれる場合には、当該リーチ演出になる可変表示及びその前に実行される可変表示では、チャンス目予告の実行が制限される(詳しくは後述する)。
ステップS709では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいてチャンス目予告決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、チャンス目予告の実行の有無、実行する場合のチャンス目予告の態様(予告パターン)を決定する。
図24は、チャンス目予告決定テーブルの構成例を示す図である。特殊画像予告決定テーブルでは、「実行無し」(チャンス目予告を実行しない決定結果)と、「予告パターンTM1」(ターゲットの前3回の可変表示において「緑」のチャンス目を導出表示する態様)と、「予告パターンTM2」(ターゲットの前3回の可変表示において「青」のチャンス目を導出表示する態様)と、「予告パターンTM3」(ターゲットの前3回の可変表示において「赤」のチャンス目を導出表示する態様)と、からなる各決定結果に、乱数値SR3と比較される決定値(図24では、決定割合が記載されている。)が、変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合(C600(H)である場合)には、90%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、5%の割合で「予告パターンTM1」が選択され、3%の割合で「予告パターンTM2」が選択され、2%の割合で「予告パターンTM3」が選択されるようにチャンス目予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合(C610(H)である場合)には、40%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告パターンTM1」が選択され、20%の割合で「予告パターンTM2」が選択され、10%の割合で「予告パターンTM3」が選択されるようにチャンス目予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合(C611(H)である場合)には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「予告パターンTM1」が選択され、30%の割合で「予告パターンTM2」が選択され、40%の割合で「予告パターンTM3」が選択されるようにチャンス目予告決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR3と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、チャンス目予告決定テーブルを参照し、乱数値SR2に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合にはチャンス目予告を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告パターンTM1」に割り当てられていた場合には「緑」のチャンス目を導出表示する「予告パターンTM1」でチャンス目予告を実行すると決定し(「予告パターンTM1」が選択されたことになる。)、「予告パターンTM2」に割り当てられていた場合には「青」のチャンス目を導出表示する「予告パターンTM2」でチャンス目予告を実行すると決定し(「予告パターンTM2」が選択されたことになる。)、「予告パターンTM3」に割り当てられていた場合には「赤」のチャンス目を導出表示する「予告パターンTM3」でチャンス目予告を実行すると決定する(「予告パターンTM3」が選択されたことになる。)。
図24の決定割合に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「大当り」のときにおいて、チャンス目を「赤」にする予告パターンTM3の決定割合が最も高く、チャンス目を「青」にする予告パターンTM2の決定割合が次に高く、チャンス目を「緑」にする予告パターンTM1の決定割合が次に高く、「実行無し」の決定割合が最も低くなっており、変動カテゴリが「非リーチハズレ」又は「リーチハズレ」の決定割合はその逆になっている。このため、「赤」のチャンス目が導出されたときのターゲットの大当り期待度が最も高く、「青」のチャンス目が導出されたときのターゲットの大当り期待度が次に高く、「緑」のチャンス目が導出されたときのターゲットの大当り期待度が次に高くなっている。このように、この実施の形態のチャンス目予告では、チャンス目の色に応じて異なる大当り期待度を予告する。また、チャンス目予告を実行した場合には、実行しない場合よりもターゲットの大当り期待度が高くなる。
なお、この実施の形態では、「1」、「3」、「7」は、上述のように大当り種別が「確変」の大当り組合せを構成し、「2」、「4」、「6」、「8」は、上述のように大当り種別が「非確変」の大当り組合せを構成し得る。このため、「1」、「3」、「7」は、「2」、「4」、「6」、「8」よりも遊技者にとって有利な状態になりうる数字である。ここで、上述のように、「1」、「3」、「7」は、赤色であり、大当り期待度の高い「赤」のチャンス目が構成される。このように、有利度の高い飾り図柄(その飾り図柄を含む大当り組合せの有利度など度)で構成されるチャンス目の大当り期待度を高くするようにしてもよい。
この実施の形態では、複数回の可変表示それぞれで導出される各チャンス目は、予告パターンに従って、同じ色となっているが(色が同じであれば、チャンス目の組合せ(ここでは、各飾り図柄の位置)は各可変表示で変わってもよい。)、例えば、1回目のチャンス目は「青」、2回目のチャンス目は「赤」などのように、異なる可変表示で異なる色のチャンス目を表示してもよい。このような場合、チャンス目の予告パターンの大当り期待度(ターゲットの大当り期待度)は、例えば、最後に導出されるチャンス目の色の大当り期待度又は各チャンス目の色のうちで最も高い大当り期待度とする。
演出制御用CPU120は、ステップS707で特定した先読み予告演出の種類に特殊画像予告又はチャンス目予告の少なくとも一方がある場合(ステップS708;No)、又は、上述のステップS709を実行したあとに、ステップS707で特定した先読み予告演出の種類にアイテム予告がないかを判定する(ステップS710)。
アイテム予告がない場合には(ステップS710;Yes)、演出制御用CPU120は、アイテム予告の実行の有無などを決定する(ステップS711)。なお、オンとなっているターゲットフラグが無い場合(先読み予告の種類無しと特定された場合)にもアイテム予告の実行が無いと判定する。
ここで、アイテム予告について説明する。アイテム予告は、アイテム画像(例えば、剣、鎧、宝箱、薬などのアイテムの画像)を可変表示中に表示することで、ターゲットの大当り期待度を予告する演出である。この実施の形態では、複数種類のアイテム(アイテム1〜3)が用意されており、アイテムに応じてターゲットの大当り期待度が異なる。アイテム予告では、ターゲットの可変表示及びターゲットの前3変動の可変表示それぞれにてアイテム画像が表示される。
ステップS711では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出実行決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいてアイテム予告決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、アイテム予告の実行の有無、実行する場合のアイテム予告の態様(予告パターン、ここでは、アイテムの種類)を決定する。
図25は、アイテム予告決定テーブルの構成例を示す図である。アイテム予告決定テーブルでは、「実行無し」(保留表示予告を実行しない決定結果)と、「予告パターンIT1」(アイテム1を登場させる態様)と、「予告パターンIT2」(アイテム2を登場させる態様)と、「予告パターンIT3」(アイテム3を登場させる態様)とからなる各決定結果に、乱数値SR4と比較される決定値(図25では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、変動カテゴリに応じて異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「非リーチハズレ」である場合(C600(H)である場合)には、90%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、5%の割合で「予告パターンIT1」が選択され、3%の割合で「予告パターンIT2」が選択され、2%の割合で「予告パターンIT3」が選択されるようにアイテム予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「リーチハズレ」である場合(C610(H)である場合)には、40%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告パターンIT1」が選択され、20%の割合で「予告パターンIT2」が選択され、10%の割合で「予告パターンIT3」が選択されるようにアイテム予告決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、新たな受信コマンドの変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリが「大当り」である場合(C611(H)である場合)には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「予告パターンIT1」が選択され、30%の割合で「予告パターンIT2」が選択され、40%の割合で「予告パターンIT3」が選択されるようにアイテム予告決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR4と、変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリと、に基づいて、アイテム予告決定テーブルを参照し、乱数値SR4に合致する決定値が、変動カテゴリに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には保留表示予告を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告パターンIT1」に割り当てられていた場合にはアイテム1を登場させる「予告パターンIT1」でアイテム予告を実行すると決定し(「予告パターンIT1」が選択されたことになる。)、「予告パターンIT2」に割り当てられていた場合にはアイテム2を登場させる「予告パターンIT2」でアイテム予告を実行すると決定し(「予告パターンIT2」が選択されたことになる。)、「予告パターンIT3」に割り当てられていた場合にはアイテム3を登場させる「予告パターンIT3」でアイテム予告を実行すると決定する(「予告パターンIT3」が選択されたことになる。)。
図25の決定割合に示すように、この実施の形態では、変動カテゴリが「大当り」のときにおいて、アイテム3を登場させる予告パターンIT3の決定割合が最も高く、アイテム2を登場させる予告パターンIT2の決定割合が次に高く、アイテム1を登場させる予告パターンIT1の決定割合が次に高く、「実行無し」の決定割合が最も低くなっており、変動カテゴリが「非リーチハズレ」又は「リーチハズレ」の決定割合はその逆になっている。このため、アイテム3が登場したときのターゲットの大当り期待度が最も高く、アイテム2が登場したときのターゲットの大当り期待度が次に高く、アイテム1が登場したときのターゲットの大当り期待度が次に高くなっている。このように、この実施の形態のアイテム予告では、登場するアイテムの種類に応じて異なる大当り期待度を予告する。また、アイテム予告を実行した場合には、実行しない場合よりもターゲットの大当り期待度が高くなる。
演出制御用CPU120は、ステップS707で特定した先読み予告演出の種類にアイテム予告がある場合(ステップS710;No)、又は、上述のステップS711を実行したあとに、上記処理によって先読み予告演出を実行すると決定した場合に、当該新たな受信コマンドに対応するターゲットフラグ(例えば、新たな受信コマンドが保留表示番号「7」に格納されている場合には、当該「7」に対応するターゲットフラグ)をオン状態とし、上記処理によって実行すると決定した先読み予告演出についての情報を予告情報及び実行情報として始動入賞時コマンドバッファに格納する(ステップS711)。
ステップS711では、演出制御用CPU120は、今回オン状態としたターゲットフラグに対応させて予告情報を記憶させる。つまり、今回オン状態としたターゲットフラグの保留表示番号に対応する記憶領域に予告情報を記憶させる。例えば、上記で実行すると決定した先読み予告演出の予告パターンの識別情報(例えば、図22〜図25において予告パターンの後に付く「HH1」〜「HH3」、「TG1」〜「TG3」、「TM1」〜「TM3」、「IT1」〜「IT3」)を予告情報として記憶させる。
例えば、予告パターンHH3で保留表示予告を実行すると決定した場合には、予告パターンHH3の識別情報(例えば、「HH3」)を予告情報として格納する。例えば、予告パターンTG1で特殊画像予告を実行すると決定した場合には、予告パターンTG3の識別情報(例えば、「TG3」)を予告情報として格納する。なお、複数種類の先読み予告演出が実行される場合には、当該複数種類の先読み予告演出それぞれについての予告情報を記憶させる。
図19の例では、保留表示番号「3」に対応する記憶領域に、予告情報として「IT3」と「HH1」とが記憶される。保留表示番号「3」の予告情報によって、保留表示番号「3」の可変表示をターゲットとして実行される先読み予告演出は、予告パターンIT3でのアイテム予告と、予告パターンHH1での保留表示予告であることが分かる。予告パターンHH1での保留表示予告が実行されていることから、保留表示番号「3」に対応する位置に表示されている保留表示図柄は、緑色になっている。
また、図19の例では、保留表示番号「7」に対応する記憶領域に、予告情報として「TM3」、「TG1」、「HH3」が記憶される。保留表示番号「7」の予告情報によって、保留表示番号「7」の可変表示をターゲットとして実行される先読み予告演出は、予告パターンTM3でのチャンス目予告と、予告パターンTG1での特殊画像予告と、予告パターンHH3での保留表示予告であることが分かる。予告パターンHH3での保留表示予告が実行されていることから、保留表示番号「7」に対応する位置に表示されている保留表示図柄は、赤色になっている。
このようにして、この実施の形態では、予告情報を確認することによって、当該予告情報に対応する可変表示をターゲットにする先読み予告演出の種類など(実行予定又は実行中の先読み予告演出の種類など)を特定することができる。特に、上記では、予告情報が「HH1」〜「HH3」であれば、実行される先読み予告演出に保留表示予告が含まれると特定でき、予告情報が「TG1」〜「TG3」であれば、実行される先読み予告演出に特殊画像予告が含まれると特定でき、予告情報が「TM1」〜「TM3」であれば、実行される先読み予告演出にチャンス目予告が含まれると特定でき、予告情報が「IT1」〜「IT3」であれば、実行される先読み予告演出にアイテム予告が含まれると特定できる。
予告情報は、後の処理内容に応じて、先読み予告演出の種類及びその態様のうち少なくとも1つが分かるものであればよい。また、予告情報を、先読み予告演出の種類の情報とその態様の情報とからなる情報としてもよい。
また、演出制御用CPU120は、今回オン状態としたターゲットフラグに対応する可変表示をターゲットとして先読み予告演出(上記で実行すると決定した先読み予告演出)を実行する可変表示の保留表示番号に対応する記憶領域に実行情報を記憶させる。実行すると決定した先読み予告演出が、特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告のいずれかである場合には、新たな受信コマンドの保留表示番号(ターゲットの可変表示の保留表示番号である。例えば「7」)とその前3つの保留表示番号(ターゲット前3変動の可変表示の保留表示番号である。例えば「6」、「5」、「4」)とにそれぞれ対応する各記憶領域のうち、先読み予告演出の種類や態様に応じた記憶領域に、実行情報を記憶させる。実行する先読み予告演出が複数の場合には、それぞれについて、実行情報を記憶させる。
例えば、上記で実行すると決定した先読み予告演出の予告パターンの識別情報(例えば、図23〜図25において予告パターンの後に付く「TG1」〜「TG3」、「TM1」〜「TM3」、「IT1」〜「IT3」)を実行情報として記憶させる。また、特殊画像予告では、さらに、ガセの特殊画像演出、成功の特殊画像演出、背景変更演出があるので、「TG1」〜「TG3」それぞれについては、これら演出のうちのどの演出を実行するかを特定する情報も付加する。例えば、予告パターンTG1やTG2においてガセの特殊画像演出が実行される場合には、実行情報を「TG1(ガセ)」、「TG2(ガセ)」として記憶させる。例えば、予告パターンTG2やTG3において成功の特殊演出が実行される場合には、実行情報を「TG2(成功)」、「TG3(成功)」として記憶させる。例えば、予告パターンTG2やTG3において背景変更演出が実行される場合には、実行情報を「TG2(背景)」、「TG3(背景)」として記憶させる。
実行情報は、今回オンにしたターゲットフラグに対応する保留表示番号(新たな受信コマンドに対応した保留表示番号)を基準としてそれよりも上位の保留表示番号に対応する記憶領域に記憶されるが、どの保留表示番号に対応する記憶領域にどのような実行情報を記憶させるかは、先読み予告演出の種類や予告パターンごとに予め規定されていればよい。以下に実行情報を記憶させる具体例を説明するが、新たな受信コマンドの保留表示番号を「7」、その3つ前の保留表示番号を「4」、その2つ前の保留表示番号を「5」、その1つ前の保留表示番号を「6」として説明する。当然、保留表示番号は、新たな受信コマンドの保留表示番号に応じて変化する。
例えば、特殊画像予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTG1とする場合には、保留表示番号「4」に対応する記憶領域にTG1(ガセ)を格納し、保留表示番号「4」〜「7」に対応する各記憶領域には当該予告パターンTG1についての実行情報を格納しない。
例えば、特殊画像予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTG2とする場合には、保留表示番号「4」に対応する記憶領域にTG2(ガセ)を格納し、保留番号「5」に対応する記憶領域にTG2(成功)を格納し、保留番号「6」及び「7」に対応する各記憶領域にTG2(背景)を格納する。
例えば、特殊画像予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTG3とする場合には、保留表示番号「4」に対応する記憶領域にTG3(成功)を格納し、保留番号「5」〜「7」に対応する各記憶領域にTG3(背景)を格納する。
例えば、チャンス目予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTM1とする場合には、保留番号「4」〜「6」に対応する各記憶領域にTM1を格納する。
例えば、チャンス目予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTM2とする場合には、保留番号「4」〜「6」に対応する各記憶領域にTM2を格納する。
例えば、チャンス目予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンTM3とする場合には、保留番号「4」〜「6」に対応する各記憶領域にTM3を格納する。
例えば、アイテム予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンIT1とする場合には、保留番号「4」〜「7」に対応する各記憶領域にIT1を格納する。
例えば、アイテム予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンIT2とする場合には、保留番号「4」〜「7」に対応する各記憶領域にIT2を格納する。
例えば、アイテム予告を実行する場合であって、その態様を予告パターンIT3とする場合には、保留番号「4」〜「7」に対応する各記憶領域にIT3を格納する。
図19の例では、保留表示番号「1」〜「3」に対応する記憶領域に、実行情報として「IT3」が記憶されている。この実行情報によって、アイテム予告が実行されることが分かり、保留表示番号「1」〜「3」に対応する可変表示が実行されるときに(次に実行される可変表示、次の次に実行される可変表示、次の次の次に実行される可変表示が実行されるときに)、それぞれの可変表示において、アイテム予告の一部としてアイテム3が登場する演出が実行されること(実行される予定であること)が分かる。
また、図19の例では、保留表示番号「4」に対応する記憶領域に、実行情報として「TG1(ガセ)」、「TM3」が記憶される。保留表示番号「4」の実行情報によって、保留表示番号「4」に対応する可変表示が実行されるときに(4つ後に実行される可変表示が実行されるときに)、ガセの特殊画像演出と「赤」のチャンス目を導出表示するチャンス目予告とが実行されること(実行される予定であること)が分かる。実行情報として「TG1(ガセ)」、「TM3」が記憶されている場合、当該実行情報に対応する可変表示では、ガセの特殊画像演出とチャンス目の導出表示(チャンス目予告の一部を構成する演出)とが実行されるが、この場合には、ガセの特殊画像演出が実行されたあとに特殊画像が消去されて導出表示される飾り図柄の組合せ(飾り図柄の可変表示の表示結果)がチャンス目となる。
また、図19の例では、保留表示番号「5」及び「6」に対応する記憶領域に、実行情報として「TM3」が記憶されている。この実行情報によって、保留表示番号「5」及び「6」に対応する可変表示が実行されるときに(5つ及び6つ後に実行される可変表示が実行されるときに)、それぞれの可変表示において、チャンス目予告の一部として「赤」のチャンス目を導出表示する演出が実行されること(実行される予定であること)が分かる。ここでは、保留表示番号「4」〜「6」に対応する可変表示それぞれにて「赤」のチャンス目が導出表示され、保留表示番号「4」〜「6」に対応する可変表示にわたってチャンス目予告が実行されることになる。
実行情報としてどのような情報をどの記憶領域に格納するかは、先読み予告演出の種類や態様に応じて予め定められていればよい。実行情報は、当該実行情報の保留表示番号に対応する可変表示の実行時にどのような態様で先読み予告演出を実行するか(実行予定の先読み予告演出の種類及びその態様)などを特定できる情報であればよい。予告情報と同様、実行情報を、先読み予告演出の種類の情報とその態様の情報とからなる情報としてもよい。
このようにして、この実施の形態では、実行情報を確認することによって、当該実行情報に対応する可変表示にて実行される先読み予告演出の種類などを特定することができる。
なお、実行情報は、所定の場合には記憶させない場合がある。以下、詳細に説明する。
例えば、実行情報を記憶させる1以上の記憶領域それぞれに対応するターゲットフラグに、すでにオンとなっているターゲットフラグ(今回オンにしたターゲットフラグよりも前にオンになっているターゲットフラグ)がある場合、当該オンとなっているターゲットフラグに対応する保留表示番号及び当該保留表示番号よりも上位の保留表示番号に対応する記憶領域には、実行情報を格納しないようにする。
例えば、保留表示番号「4」〜「7」にそれぞれに対応する記憶領域に各実行情報を記憶させる場合において(保留表示番号「7」のターゲットフラグが今回オンされている。)、保留表示番号「5」に対応するターゲットフラグがオンとなっている場合には、保留表示番号「5」及び「5」よりも上位の「4」に対応する記憶領域には実行情報を記憶させず、保留表示番号「5」よりも下位の「6」及び「7」に対応する記憶領域に実行情報を記憶させるようにする。つまり、当該実行情報で特定される先読み予告演出は、4回の可変表示にわたって実行されるところが、2回の可変表示にわたって実行されるものに変更される。実行情報で特定する先読み予告演出が特殊画像予告である場合、保留表示番号「4」及び「5」に対応する記憶領域には実行情報を記憶させないので、特殊画像演出は実行されず、背景変更演出が保留表示番号「6」及び「7」に対応する可変表示で実行されることになるので、演出画像の背景が突然変更されることになる。
なお、実行情報で特定する先読み予告演出が特殊画像予告である場合には、特殊画像演出の実行を繰り下げるようにしてもよい。具体的には、オンとなっているターゲットフラグ(今回オンにしたターゲットフラグよりも前にオンになっているターゲットフラグ)に対応する保留表示番号の1つ下位の保留表示番号から特殊画像演出の実行を開始するように実行情報を記憶させるようにしてもよい(つまり、特殊画像演出の実行を繰り下げるようにしてもよい)。但し、このような繰り下げによって、特殊画像演出の実行が、今回オンにしたターゲットフラグに対応する可変表示になってしまう場合には、実行情報の格納を中止し、特殊画像予告の実行をキャンセルしてもよい。この場合には、特殊画像予告についての予告情報を記憶させないようにする。例えば、保留表示番号「4」〜「7」にそれぞれに対応する記憶領域に各実行情報を記憶させる場合において(保留表示番号「7」のターゲットフラグが今回オンされている。)、保留表示番号「5」に対応するターゲットフラグがオンとなっている場合には、予告パターンがTG1である場合には、保留表示番号「6」に対応する記憶領域に実行情報としてTG1(ガセ)を記憶させる。予告パターンがTG2である場合には、保留表示番号「6」に対応する記憶領域に実行情報としてTG2(ガセ)を記憶させるが、保留表示番号「7」に対応する記憶領域に実行情報としてTG2(成功)を記憶させなければならなくなるので、この場合には、特殊画像予告の実行をキャンセルする。予告パターンがTG3である場合には、保留表示番号「6」に対応する記憶領域に実行情報としてTG3(成功)を記憶させ、保留表示番号「7」に対応する記憶領域に実行情報としてTG3(背景)を記憶させる。
また、ステップS711において、特殊画像予告とチャンス目予告との両方を実行すると決定した場合であって、特殊画像予告の予告パターンが予告パターンTG2又はTG3である場合、チャンス目予告を実行することを示す実行情報(TM1〜TM3)は、記憶させないようにする。つまり、チャンス目予告の実行はキャンセルする。なお、このとき、予告情報(TM1〜TM3)についても格納しないようにする。
ステップS712のあと、先読み予告のターゲットとなる可変表示が3つ以上ある場合(ステップS703;Yes)、又は、保留記憶(新たな受信コマンドに対応する保留記憶含む。)が4つ以上でない場合(ステップS705;No)、保留表示図柄を表示させる制御を行う(ステップS712)。演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、画像表示装置5の表示エリア5Hにおける新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応する表示位置に保留表示図柄を表示させる(これ以降、保留表示図柄が表す可変表示が実行されるまで、当該保留表示図柄は可変表示の実行ごとに移動しながら表示される。)。このとき、保留表示予告を示す予告情報(「HH1」〜「HH3」のいずれかなど)を、ステップ712において、当該新たな受信コマンドに対応する保留表示番号に対応して格納していた場合(新たな受信コマンドに対応する可変表示が保留表示予告のターゲットになっている場合)には、当該予告情報が示す保留表示予告の態様に応じた色で保留表示図柄を表示させる(「HH1」なら緑、「HH2」なら青、「HH3」なら赤)。保留表示予告を示す予告情報(「HH1」〜「HH3」のいずれかなど)を、ステップ712において格納していない場合(新たな受信コマンドに対応する可変表示をターゲットとして保留表示予告を実行しない場合)には、通常の色(例えば、白色など)で保留表示図柄を表示させる。
ステップS713のあと、新たな受信コマンドがない場合(ステップS702;No)、先読み決定処理を終了する。
演出制御用CPU120は、先読み決定処理のあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、これから実行する可変表示についての設定などを行う処理である。
図26は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
このとき、始動入賞時コマンドバッファに、保留表示番号「1」に対応してチャンス目予告を実行する実行情報(「TM1」〜「TM3」)が格納されている場合には、確定飾り図柄を、実行情報が示すチャンス目予告の態様に応じたチャンス目とする。一例として、非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せのチャンス目の飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより(実行情報がTM1であれば、緑のチャンス目を決定するためのテーブルを参照し、実行情報がTM2であれば、青のチャンス目を決定するためのテーブルを参照し、実行情報がTM3であれば、赤のチャンス目を決定するためのテーブルを参照する。)、実行情報によって示されるチャンス目予告の態様に応じた確定飾り図柄(チャンス目の飾り図柄)を決定する。実行情報がTM1であれば、緑のチャンス目を決定し(例えば、複数種類の緑のチャンス目のうちのいずれかを選択し)、実行情報がTM2であれば、青のチャンス目を決定し(例えば、複数種類の青のチャンス目のうちのいずれかを選択し)、実行情報がTM3であれば、赤のチャンス目を決定する(例えば、複数種類の赤のチャンス目のうちのいずれかを選択する)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。
図27は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファから保留表示番号「1」に対応して格納されている各データ(ターゲットフラグの状態を含む)を読み出す(ステップS771)。これによって、今回実行される可変表示に対応する各データが読み出される。読み出した各データはRAM122に設けられた所定のバッファに格納されればよい。
次に、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をシフトさせ、各データ(ターゲットフラグの状態を含む)を保留表示番号の1つ上位に対応する記憶領域にシフトさせる(ステップS773)。演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファにて保留表示番号「1」より下位の記憶領域(保留表示番号「2」〜「8」に対応する記憶領域)に記憶された始動入賞時コマンド、ターゲットフラグの状態、予告情報、実行情報を、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「7」に対応する記憶領域)にシフトする。
演出制御用CPU120は、変動パターンと、ステップS771で前記所定のバッファに読み出したデータに含まれる実行情報と、に基づいて、今回実行する可変表示で使用する演出制御パターン(今回の可変表示で実行される各種演出態様などを指定する演出制御パターン)を決定して、使用パターンとして設定する(ステップS774)。
読み出したデータに実行情報が含まれない場合には、ROM121に記憶されるなどして予め用意された複数種類の演出制御パターン(各変動パターンに対応して用意されている。)のうち、今回の変動パターンに対応する演出制御パターン(変動パターンによって指定される態様での可変表示中演出を実行するための演出制御パターン)を使用パターンとして設定する。
読み出したデータに実行情報が含まれる場合には、変動パターンに応じた可変表示中演出を実行し、かつ、実行情報に応じた先読み予告演出(実行情報が複数の場合には、複数の先読み予告演出)を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして設定する。このような演出制御パターンを使用パターンとして設定する場合、設定され得る複数の演出制御パターンをROM121に記憶させるなどして予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、変動パターン及び実行情報に対応する演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、変動パターンごと及び実行情報ごとに基本的な演出制御パターンをROM121に記憶させるなどして予め用意し、変動パターン及び実行情報に応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。
例えば、変動パターンが「PA1−1」で、ステップS771で読み出したデータに「IT1」の実行情報が含まれていれば、非リーチハズレの組合せが導出される可変表示中演出(非短縮バージョンの可変表示中演出)であって、アイテム予告の一部としてのアイテム1を登場させる可変表示中演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。なお、読み出したデータに「TM1」〜「TM3」のいずれかの実行情報がさらに含まれていれば、さらに、実行情報に応じたチャンス目予告として当該実行情報に応じた色のチャンス目(ステップ523で決定したチャンス目)を導出表示するための可変表示中演出を実行する演出制御パターンを使用パターンとして設定する。
例えば、変動パターンが「PA2−1」で、ステップS771で読み出したデータに「TM2」の実行情報が含まれていれば、非リーチハズレの組合せが導出される可変表示中演出(短縮バージョンの可変表示中演出)であって、チャンス目の一部としての青のチャンス目(ステップ523で決定したチャンス目)を導出させる可変表示中演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。
例えば、変動パターンが「PA1−1」で、ステップS771で読み出したデータに「TG1(ガセ)」の実行情報が含まれていれば、非リーチハズレの組合せが導出される可変表示中演出(非短縮バージョンの可変表示中演出)であって、ガセの特殊画像演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。「TG1(成功)」の実行情報が含まれていれば、成功の特殊画像演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。「TG1(背景)」の実行情報が含まれていれば、背景変更演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。ステップS771で読み出したデータに「IT1」〜「IT3」のいずれかの実行情報がさらに含まれる場合には、さらにアイテム1〜3のいずれかが登場する可変表示中演出を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。
例えば、変動パターンが「PA1−1」で、ステップS771で読み出したデータに「TG1(ガセ)」及び「TM1」の実行情報が含まれていれば、非リーチハズレの組合せが導出される可変表示中演出(非短縮バージョンの可変表示中演出)であって、ガセの特殊画像演出し、かつ、チャンス目予告の一部として緑のチャンス目を導出表示する可変表示中演出(チャンス目予告に合わせてチャンス目を構成する緑の飾り図柄を特殊画像で覆う演出とする)を実行するための演出制御パターンが使用パターンとして設定される。これによって、当該演出制御パターンに基づいて実行される可変表示中演出では、飾り図柄表示エリア5L及び5Rで可変表示され、後にチャンス目を構成する緑の飾り図柄を特殊画像に変更し、かつ、飾り図柄表示エリア5Cで可変表示される任意の飾り図柄(後にチャンス目を構成する飾り図柄以外の飾り図柄)を特殊画像に変更して、可変表示を行う可変表示を実行し、特殊画像を揃えないで飾り図柄と特殊画像とからなる組合せを停止表示する(図34参照)。その後、特殊画像を消去して飾り図柄に戻すと、停止表示されている飾り図柄がチャンス目を構成している確定飾り図柄となり、これによって、チャンス目の確定飾り図柄が導出される(図34(E)参照)。このような可変表示中演出を実行する演出制御パターンを使用パターンとして設定する。
なお、ステップS774では、ステップS771で読み出したデータに予告情報が含まれており、ターゲットフラグがオンの場合(つまり、今回実行される可変表示がターゲットである場合)、実行中の可変表示がターゲットであることを報知する演出をさらに実行するための演出制御パターンを設定してもよい。
なお、ステップS774では、今回の変動パターンが「リーチ」の変動パターン(PA2−1、PB2−1〜PB2−3、PA4−1、PB4−1〜PB4−3)である場合には、ステップS771で読み出したデータにチャンス目予告の実行を指定する実行情報(「TM1」〜「TM3」のいずれか)が含まれていても、当該チャンス目の導出表示を行わない演出制御パターンを使用パターンとして設定するようにする。これによって、リーチ組合せとチャンス目という確定飾り図柄の矛盾を解消することができる。
演出制御用CPU120は、ステップS773でシフトさせたあとの保留表示番号「1」から、ターゲットフラグがオン状態になっている保留表示番号(例えば、「3」)の1つ上位の保留表示番号(例えば、「2」)までの保留表示番号それぞれに対応する変動カテゴリ指定コマンドをチェックして、チェックした各変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリに「リーチハズレ」、「大当り」がある場合又は今回の変動パターンが「リーチ」の変動パターンである場合には、ステップS771で読み出したデータにチャンス目予告の実行を指定する実行情報(「TM1」〜「TM3」のいずれか)が含まれていても、当該チャンス目の導出表示を行わない演出制御パターンを使用パターンとして設定するようにしてもよい。このようにすると、チャンス目→リーチ演出→チャンス目→ターゲットというように、チャンス目予告の実行中にターゲットでない可変表示においてリーチ演出が実行されることが防止され、これによって、チャンス目の対象がリーチ演出が実行された可変表示(ターゲットでない可変表示)であると誤認してしまうこと(ターゲットの誤認)を防止できる。
なお、これらの先読み予告の実行の制限は、アイテム予告についても行ってもよい。これによって、リーチ演出とアイテム予告とが同時に実行されて演出が過剰になってしまうことやターゲットの誤認などを防止出来る。なお、ステップS771で読み出したデータに予告情報が含まれておりターゲットフラグがオンの場合(つまり、今回実行される可変表示がターゲットである場合)には、アイテム予告の実行を制限しないようにしてもよい。
また、ステップS774では、今回の変動パターンが「リーチ」の変動パターンである場合には、ステップS771で読み出したデータに特殊画像演出の実行を指定する実行情報(「TG1(ガセ)」〜「TG3(ガセ)」、「TG1(成功)」〜「TG3(成功)」のいずれか)が含まれていても、当該特殊画像演出を実行しない演出制御パターンを使用パターンとして設定するようにしてもよい。これによって、特殊画像演出とリーチ演出とが実行されて演出が過剰になることを防止できる。なお、背景変更画像については、このような実行の制限を行わなくてもよいし、実行の制限を行ってもよい。制限を行わない場合には、特殊画像演出無しに背景変更画像が実行されることになる。制限を行う場合には、ターゲットの誤認を防止できる。
また、演出制御用CPU120は、ステップS773でシフトさせたあとの保留表示番号「1」から、ターゲットフラグがオン状態になっている保留表示番号(例えば、「3」)の1つ上位の保留表示番号(例えば、「2」)までの保留表示番号それぞれに対応する変動カテゴリ指定コマンドをチェックして、各変動カテゴリ指定コマンドが指定する変動カテゴリに「リーチハズレ」、「大当り」がある場合又は今回の変動パターンが「リーチ」の変動パターンである場合には、当該読み出したデータに特殊画像演出の実行を指定する実行情報(「TG1(ガセ)」〜「TG3(ガセ)」、「TG1(成功)」〜「TG3(成功)」のいずれか)が含まれていても、当該特殊画像演出の実行を行わない演出制御パターンを使用パターンとして設定するようにしてもよい。このようにすると、例えば、予告パターンがTG2の場合、ガセの特殊画像演出→リーチ演出(本当は成功の特殊画像演出が実行されるはずだった。)→背景演出→ターゲットというように、演出の連続性が失われてしまうようなことが防止される。なお、連続性を失うようにしても、突然背景変更画像が実行されるという意外性を与えることができる。
なお、前記で実行を制限した特殊画像演出については、シフト後の保留表示番号「1」に対応する領域に、当該実行を制限した特殊画像演出の実行情報(「TG1(ガセ)」〜「TG3(ガセ)」、「TG1(成功)」〜「TG3(成功)」のいずれか)を記憶させてもよい(当該領域に特殊画像演出や背景変更演出の実行情報が記憶されている場合には、当該実行情報に上書きする)。つまり、制限した特殊画像演出の実行情報を下位の保留表示番号に対応する実行情報として繰り下げてもよい。例えば、図28では、保留表示番号「1」に対応する可変表示がリーチ態様となる可変表示であったので、保留表示番号「1」に対応するデータが読み出されて(ステップS771)、記憶内容のシフトが行われたあとに(ステップS773)、ステップS774にて実行情報(「TG1(成功)」)の繰り下げが行われている。なお、シフト後の保留表示番号「1」に対応するターゲットフラグがオンのときには、当該繰り下げを行わないようにすることで、ターゲットの可変表示にて特殊画像演出が実行されてしまうことを防止できる。繰り下げる実行情報が「TG2(ガセ)」の場合には、「TG2(ガセ)」の繰り下げとともに、上書き前の実行情報(「TG(成功)」)も保留表示番号「2」に繰り下げるようにするとよい。なお、このときに、保留表示番号「2」のターゲットフラグがオンのときには、「TG2(ガセ)」及び「TG(成功)」の繰り下げを行わず、当該特殊画像予告に関連する実行情報や予告情報(ターゲットフラグがオンになっている最上位の保留表示番号及び当該保留表示番号よりも上位の保留表示番号に対応する実行情報や予告情報のうち特殊画像予告を示す実行情報や予告情報)などはすべて始動入賞時コマンドバッファから削除するようにするとよい。このような繰り下げによって、特殊画像予告を一連の流れとして実行でき、突然背景変更画像から開始されることを防止できる。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、画像表示装置5の表示エリア5Hに表示した保留表示図柄のうち最も左の保留表示図柄(保留表示番号「1」の位置に対応する保留表示図柄)を消去して、その他の保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動させる(これによって、ステップS773のシフト後の保留表示番号のデータと保留表示図柄とが対応する。)(ステップS532)。このとき、保留表示予告のターゲットとなっている保留表示図柄(青色、緑色、赤色のいずれかの保留表示図柄)は色が変更されずに1つ左に移動する。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、表示制御部123から画像表示装置5に画像データを送信させ、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図29は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像(特に、飾り図柄の可変表示、特殊画像予告、アイテム予告、リーチ演出などのうち実際に実行する演出の演出画像)を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(ステップS560)。タイマ割り込み毎にステップS553が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、特殊画像予告(特殊画像演出において特殊画像を揃って停止表示すること(成功の場合)や飾り図柄と特殊画像との組合せを停止表示すること(ガセの場合)を含む。)、アイテム予告、リーチ演出などの実行(上記演出のうち演出制御パターンで実行が規定されている演出の実行)が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、当該可変表示の実行に用いられた演出制御パターンが特殊画像演出を実行するものであるかを判定し(ステップS562)、特殊画像演出を実行するものである場合には(ステップS562;Yes)、表示制御部123を制御して、停止表示されている特殊画像を消去して飾り図柄を表示させて、確定飾り図柄(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄、消去される特殊画像は、この確定飾り図柄を構成する飾り図柄を覆うように配置される。)を導出表示させる制御を行う(ステップS563)。一方、特殊画像演出を実行するものでない場合には(ステップS562;No)、表示制御部123を制御して、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS564)。
ステップS563、S564のあと、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS565)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS566)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
上記一連の処理で実現する演出動作について説明する。例えば、予告パターンTG1で特殊画像予告が実行され、かつ、チャンス目予告も実行される場合、図30に示すように、ターゲットの3変動前の可変表示において、ガセの特殊画像演出(特殊ガセ)が実行されるとともに、チャンス目が導出表示され、2変動前及び1変動前の各可変表示においてチャンス目が導出表示され、ターゲットの可変表示が実行される。なお、上記実施の形態では、実行情報を格納するときに、予告パターンTG2又はTG3での特殊画像予告についての実行情報と、チャンス目予告についての実行情報と、を同時に格納することはない(チャンス目予告についての実行情報を格納しない)。このため、成功の特殊画像演出が実行されたときには、チャンス目の確定飾り図柄は導出表示されないようになっている。例えば、予告パターンTG3で特殊画像予告が実行される場合、図31に示すように、ターゲットの3変動前の可変表示において、成功の特殊画像演出(特殊ガセ)が実行される。このときには、チャンス目以外の確定飾り図柄が導出表示される。また、2変動前及び1変動前の各可変表示、さらにターゲットの可変表示において背景変更画像が実行され、背景が変化するが、各可変表示においてもチャンス目は導出表示されない。
上記実施形態では、新たに発生した保留記憶(保留された可変表示)をターゲットとして特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告を実行する場合、すでにターゲットがある場合には、当該ターゲット以降の可変表示にて特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告を実行するようになっている。
図32は、その様子を示す図である(図32では、特殊画像演出の繰り下げなどは無いものとする)。図32では、まず、可変表示(4)をターゲットとして、保留表示予告及び特殊画像予告(予告パターンTG3)の実行が決定されている。このため、可変表示(1)〜(3)では、保留表示予告が実行され、可変表示(4)に対応する保留表示図柄の色が変更されている。また、可変表示(1)では、成功の特殊画像演出が実行される。その後可変表示(2)が実行されるが、このときに、可変表示(5)〜(8)に対応する各保留記憶が発生している。可変表示(2)では背景変更演出が実行される。可変表示(5)〜(8)の始動入賞時に、まず、可変表示(6)をターゲットとして、保留表示予告とアイテム予告とを実行することが決定される。可変表示(6)をターゲットとした保留表示予告は、保留表示図柄の表示時から可変表示(5)まで実行される。また、可変表示(8)をターゲットとして特殊画像予告(予告パターンTG3)の実行が決定される。可変表示(3)及び(4)では、背景変更演出が実行される。また、本来ここで、可変表示(6)をターゲットとしたアイテム予告が可変表示(3)及び(4)で実行されるところであるが、可変表示(4)がターゲットになっているので、その実行が制限(キャンセル)されている。可変表示(5)及び(6)では、アイテム予告が実行される。可変表示(5)及び(6)では、本来、可変表示(8)をターゲットとした成功の特殊画像演出及び背景変更画像が実行されるところであるが、可変表示(6)がターゲットになっているので、その実行が制限(キャンセル)され、特殊画像演出の実行無しに可変表示(7)及び(8)において背景変更演出が実行される。
図33は、飾り図柄が特殊画像に変更される様子を示す図である。可変表示される飾り図柄として「1」〜「9」が用意され、そのうちの1つ(ここでは、「6」)を覆うように特殊画像が表示され、飾り図柄が特殊画像に変更されている。
図34は、演出画面の一例を示す図である。1回の可変表示中に先読み予告演出のターゲットとなる保留記憶が発生する(図34(A)及び(B))。この場合、この保留記憶(可変表示)に対応する保留表示図柄5H(T)が従前に表示されていた保留表示図柄5Hに加えて表示される。今回、保留表示予告も実行されるので、保留表示図柄5H(T)はその色が通常の色とは異なっている。次の可変表示の実行時では、特殊画像演出が実行される(図34(C))。特殊画像演出では、飾り図柄表示エリア5R、5C、5Lそれぞれで、飾り図柄の1つが特殊画像に覆われて見た目上特殊画像に変更され、特殊画像及び飾り図柄を用いた可変表示が実行される。実行される特殊画像演出がガセの特殊画像演出の場合には、飾り図柄表示エリア5R、5Lで特殊画像が停止表示されるが、飾り図柄表示エリア5Cでは、特殊画像以外の飾り図柄が停止表示され、停止表示するものが特殊画像で揃わない(図34(D))。これによって、特殊画像演出の演出結果は失敗になり、特殊画像が消去され、隠れていた飾り図柄が表示される(図34(E))。このとき、表示される飾り図柄の組合せがチャンス目になっていることがある。なお、チャンス目が導出表示された場合に、チャンス目になったことを報知する演出を実行するようにしてもよい。実行される特殊画像演出が成功の特殊画像演出の場合には、飾り図柄表示エリア5R、5C、5Lで特殊画像が揃って停止表示される(図34(F))。これによって、特殊画像演出の演出結果は成功になる。なお、特殊画像が揃ったあと、特殊画像が消去され、隠れていた飾り図柄が表示され、所定の確定飾り図柄(チャンス目以外の組合せ)が導出表示されることになる。そして、次変動(次の可変表示)が実行され、このときには、演出画像の背景が変更される背景変更画像が表示される(図34(G))。
上記実施の形態では、上記構成によって、識別情報(ここでは、飾り図柄)の可変表示が実行される複数の可変表示領域(ここでは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)に表示される識別情報の組合せとして特定の組合せ(ここでは、大当り組合せ)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態)になるパチンコ遊技機1が構成される。
そして、パチンコ遊技機1は、識別情報の可変表示が開始されたあとに前記複数の可変表示領域に表示される識別情報の組合せが前記特定の組合せとは異なる所定の組合せ(ここでは、チャンス目)になったときに、所定演出(ここでは、2回目以降にチャンス目を導出表示する演出、チャンス目が導出されたことに応じて実行される演出)を実行する所定演出実行手段(ここでは、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、識別情報の可変表示が開始されたあとに特殊画像(ここでは、特殊画像)を表示し、当該特殊画像を用いた特殊演出(ここでは、特殊画像演出)を実行する特殊演出実行手段(ここでは、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、前記特殊演出実行手段によって実行される前記特殊演出の演出結果が特別の結果になったとき(ここでは、特殊画像が揃って停止表示されたとき)に特別演出(ここでは、背景変更演出)を実行する特別演出実行手段(ここでは、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、前記特殊演出実行手段によって実行される前記特殊演出の演出結果が前記特別の結果にならないとき(ここでは、可変表示の表示結果として特殊画像が揃わなかったとき)に前記特殊画像を消去する特殊画像消去手段(ここでは、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えることになり、前記特殊画像消去手段によって前記特殊画像が消去されたあとに前記複数の可変表示領域に表示される識別情報の組合せが前記所定の組合せになり得るように構成されている(ここでは、特殊画像が消去されて現れる飾り図柄の組合せがチャンス目になる可能性がある、図34(E)参照)。
上記の構成によれば、特殊演出の演出結果が特別の結果にならなくても(ここでは、特殊画像演出の演出結果が失敗でも)、所定の組合せが生じる可能性があるので(ここでは、チャンス目が導出表示される可能性があるので)、遊技の興趣が向上する。
なお、後述の事前決定手段の決定結果や決定前判定手段の判定結果に基づいて、前記特殊画像消去手段によって前記特殊画像が消去されたあとに前記複数の可変表示領域に表示される識別情報の組合せを前記所定の組合せにする処理を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記特別演出と前記所定演出とは、前記特定の組合せが導出される割合を示唆し(ここでは、背景変更演出の実行及びチャンス目の導出によってターゲットの大当り期待度を報知する)、前記特別演出が示唆する前記割合と前記所定演出が示唆する前記割合とが異なる(ここでは、背景変更演出が実行されたときと、チャンス目が導出されたときとで、ターゲットの大当り期待度が異なる)ことになる。
上記の構成によれば、特別演出と所定演出とのいずれかが実行されることに注目し、遊技の興趣が向上する。
なお、上記の実施形態では、背景変更演出とチャンス目予告とでは、背景変更演出の方がターゲットの大当り期待度が高くなっている(図23、24の決定割合参照)。つまり、特殊演出の方が大当り期待度が高くなっている。これによって、前記特別な結果にならなくても、所定演出が実行されることで、ある程度の大当り期待度を期待できるので、遊技の興趣が向上する。なお、背景変更演出とチャンス目予告とで、背景変更演出の方がターゲットの大当り期待度を低くしてもよい。つまり、特殊演出の方が大当り期待度を低くしてもよい。これによって、前記特別な結果にならなくても、所定演出の実行に期待が集まるので、遊技の興趣が向上する。なお、大当り期待度の対象の可変表示は、特殊演出と所定演出とで異なってもよい。例えば、所定演出を後述の擬似連などとし、特殊演出を上述のような先読み予告演出としてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記特殊演出実行手段によって実行される前記特殊演出の演出結果が特別の結果になったとき(ここでは、可変表示の表示結果として特殊画像が揃ったとき)に前記特殊画像を消去する第2の特殊画像消去手段(ここでは、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)をさらに備え、前記第2の特殊画像消去手段によって前記特殊画像が消去されたあとに前記複数の可変表示領域に表示される識別情報の組合せは前記所定の組合せにならない(ここでは、同じターゲットについて、成功の特殊画像演出とチャンス目予告とを同じ可変表示にて実行しない)ことになる。
上記の構成によれば、特別演出が実行されたときに所定演出も実行されてしまって演出が煩雑になることを防止できる。
なお、上記実施形態では、予告パターンTG2、TG3のいずれかの特殊画像予告と、TM1〜TM3のいずれかのチャンス目予告とが同じターゲットについて実行すると決定されても、実行情報の格納のときに、TM1〜TM3については実行情報を格納しないようすることで(逆にTG2、TG3についての実行情報を格納しないようにしてもよい。)、成功の特殊画像演出とチャンス目予告とを同じ可変表示にて実行しないようにしていたが、例えば、可変表示の実行時に実行情報として、「TG2(成功)」や「TG3(成功)」と、「TM1」〜「TM3」のいずれかと、が格納されているときには、いずれかの実行をキャンセルして演出制御パターンを設定することで、成功の特殊画像演出とチャンス目予告とを同じ可変表示にて実行しないようにしてもよい(いずれかの実行をキャンセルする)。成功の特殊画像演出の実行をキャンセルする場合、チャンス目が実行されてから、次の変動などで、背景変更演出を実行して、チャンス目の導出をキャンセルしてもよい。または、背景変更演出とチャンス目の導出とを同じ可変表示で行いようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、成功の特殊画像演出のあとの背景変更画像でもチャンス目の導出を行わないようになっているが、背景変更画像を実行する可変表示においてチャンス目の導出を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記特殊演出実行手段は、1の可変表示に対して、演出結果が前記特別の結果にならない前記特殊演出を複数回実行しない(例えば、ガセの特殊画像演出を1回しか実行しないなど)ことになる。
上記の構成によれば、特別な結果にならない特殊演出の実行が繰り返されないので、遊技の興趣の低下を防止できる。
前記特殊演出実行手段は、1の可変表示に対して、前記所定演出実行手段によって前記所定演出が実行されていないときに、当該1の可変表示に対して、演出結果が前記特別の結果にならない前記特殊演出を実行する(ここでは、特殊画像予告及びチャンス目予告が同じ数の複数の可変表示にわたって実行され、特殊画像予告においてガセの特殊画像演出は、最初の可変表示にて行われる)ことになる。
上記の構成によれば、所定演出が実行されたにもかかわらず、特別な結果にならない特殊演出が実行されて、遊技の興趣が低下することを防止できる。
なお、上記実施の形態では、チャンス目は、先読み予告演出の一種としてのチャンス目予告でのものである。つまり、パチンコ遊技機1は、後述の保留記憶手段と、事前決定手段と、決定前判定手段と、を備え、前記決定前判定手段の決定結果に基づいて、識別情報の組合せが前記特定の組合せとは異なる所定の組合せ(ここでは、チャンス目)になるか否かや、特殊演出の実行の有無などが決定されている。しかし、チャンス目は、擬似連において仮停止表示されるチャンス目であってもよい。
擬似連は、例えば、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目など)を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行う演出である。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。飾り図柄が再変動する演出を前記所定演出としてもよいし、再度の仮停止表示を所定演出としてもよい。また、チャンス目が仮停止されたことを報知する演出を実行するようにし、この演出を所定演出としてもよい。
擬似連を実行するか否かは、例えば、変動パターンの決定時に決定すればよい(例えば、擬似連を指定する変動パターンを用意しておく)。また、特殊画像を用いた特殊演出は、例えば、チャンス目を仮停止表示する前の可変表示中に実行するようにする。つまり、所定演出と特殊演出とは、同じ可変表示を対象とするものであってもよい。このような場合、事前決定手段の決定結果に基づいて、特殊演出の実行の有無などや擬似連の実行の有無などが決定される。また、特殊演出の実行の有無などは、演出制御基板12側で決定されるようにしてもよく、演出制御基板12側で特殊演出(特に、成功の特殊画像演出が含まれるとき)を実行すると決定した場合であって、変動パターンが擬似連を実行するものである場合、特図変動時間は同じであるが擬似連を実行しない可変表示中演出を実行するようにしてもよい。
なお、特殊演出の方を擬似連としてもよい。このような場合、擬似連中に特殊画像が出現して、特別な結果となった場合(少なくとも1つの特殊画像が停止表示された場合、複数の特殊画像が揃って停止表示された場合など)、飾り図柄の再変動が行われればよい。このような場合、特別な結果となった場合には、例えば、ストーリーを見せながら擬似連を行うストーリー擬似連などが特別演出として行われるようにしてもよい。
特殊演出と特別演出とをストーリー擬似連とし、識別情報の組合せが所定の組合せになるものを通常の擬似連とする場合について説明する。基本的には、特殊演出予告をストーリー擬似連に置き換え、所定の組合せなどを擬似連のチャンス目に置き換えて考えればよい。例えば、変動パターンとして擬似連を指定する変動パターン指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送された場合には、演出制御用CPU120は、ステップS530などにおいて、乱数値やテーブルなどを用いて、ストーリー擬似連を実行するか否かやその態様(例えば、特殊演出の結果を成功とするか失敗とするかなど)と、通常の擬似連を実行するか否かやその態様(チャンス目の色など)と、を個別に決定する。なお、当該決定は、事前決定手段の決定結果(例えば、変動パターン指定コマンドや表示結果指定コマンドなど)に応じて異なる決定割合で行ってもよい。例えば、ストーリー擬似連を実行すると決定した場合には、可変表示が開始されると、ストーリー擬似連が開始され、ストーリーを伴う演出が実行され、仮停止前の変動又は仮停止後の所定の再変動において、識別情報を特殊画像で覆うなどして特殊画像を表示し、特殊画像を用いた特殊演出として、複数の特殊画像が揃って停止表示されるか否かを煽る演出を行い、複数の特殊画像が揃って停止表示されたりした場合には、特殊演出の結果が成功となったとして、続きのストーリーを見せながら擬似連を行うストーリー擬似連を特別演出として実行する。なお、特殊演出は、ストーリー擬似連とは異なる演出(ストーリー擬似連の導入となる演出)であってもよい。通常の擬似連を実行すると決定した場合には、擬似連のチャンス目(識別情報の組合せを所定の組合せとすること)を仮停止表示して再変動を行う(その後、所定回数のチャンス目の仮停止及び再変動を行う)。なお、所定演出は、再変動としてもよいし、擬似連のチャンス目が仮停止されたことを報知する演出(例えば、画像表示装置5に表示された画像を点滅させたり、エフェクト処理したりする演出や、スピーカ8L、8Rからの音声出力による報知演出、遊技効果ランプ9の点灯、点滅などによる報知演出)としてもよい。ここで、ストーリー擬似連と通常の擬似連との両者を実行すると決定した場合、ストーリー擬似連の態様が、特殊演出が失敗する態様であれば(ガセの特殊演出を実行する態様である場合)、ストーリー擬似連と通常の擬似連との両者の実行を許容し、上記実施形態と同様、特殊演出において、複数の特殊画像が揃って停止表示させず、演出結果を失敗とし、特殊画像を消去したときに、通常の擬似連のチャンス目が導出表示されているようにすればよい(例えば、特殊画像が消えた部分に飾り図柄が表示され、チャンス目の一部を構成する)。この場合、ストーリー擬似連が中止され、通常の擬似連(再変動)が始まる。一方、ストーリー擬似連と通常の擬似連との両者を実行すると決定した場合であって、ストーリー擬似連の態様が、特殊演出が成功する態様であれば(ガセの特殊演出を実行する態様である場合)、ストーリー擬似連と通常の擬似連とのうちの一方の実行を中止し、他方のみを実行するようにする。なお、変動パターン指定コマンドによって、再変動の回数が指定されているなどする場合には、再変動の回数がストーリー擬似連を実行可能な回数かなどを判定し、可能であれば、ストーリー擬似連の実行の有無などを決定してもよい。
「識別情報の組合せが前記特定の組合せとは異なる所定の組合せ(ここでは、チャンス目)になった」とは、所定の組合せの飾り図柄が導出表示されることや仮停止表示されること、一部の識別情報が特定の組合せで停止して他の識別情報は停止していないことなどを含む。
所定の組合せは、リーチ態様などであってもよい。この場合所定演出は、リーチ演出などになる。なお、所定演出は、チャンス目が導出表示又は仮停止されることで発展していく発展演出などであってもよい。また、所定の組合せは、例えば、可変表示中に表示されない識別情報であって、可変表示の最後に登場する識別情報を含む組合せであってもよい。所定演出は、識別情報の組合せが所定の組合せになったことで実行される演出であればよく、所定の組合せになったことを報知する演出(例えば、画像表示装置5に表示された画像を点滅させたり、エフェクト処理したりする演出や、スピーカ8L、8Rからの音声出力による報知演出、遊技効果ランプ9の点灯、点滅などによる報知演出)としてもよい。
飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなどの複数の領域で、特殊画像を表示する場合には、当該特殊画像は、各領域で異なってもよいし、同じであってもよい。各領域で表示する特殊画像の数は複数であってもよい。特殊演出の成功として特殊画像が揃ったと扱うのは、同じ特殊画像が揃った場合であってもよいし、各領域で特殊画像が表示されるが複数種類の特殊画像が表示された場合であってもよい。
特殊画像は、図形の画像、キャラクターの画像、図柄の画像などどのような画像であってもよい。
例えば、特殊画像として、飾り図柄と略同じ大きさのコントローラの画像を表示してもよい。このような場合、演出制御用CPU120は、予めストーリー擬似連などの特別演出の実行の有無を決定しておき(例えば乱数値とテーブルと用いた抽選で、実行の有無などを決めておき)、上記と同様に、コントローラの画像を、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなどの複数の領域それぞれに、飾り図柄を覆って、飾り図柄と差し替えて、又は、飾り図柄列に挿入するなどして、表示して、他の飾り図柄とともに可変表示させる。予めストーリー擬似連などの特別演出を実行すると決定している場合には、コントローラの画像を揃って停止させ、画像表示装置5にコントローラ(パチンコ遊技機1に設けられたスティックコントローラやプッシュボタンなど)を操作する指示の画像を表示させ、コントローラを操作させる演出を行う。コントローラが操作されたことに応じて、ストーリー擬似連を実行するようにする。一方、ストーリー擬似連を実行しないと決定している場合には、コントローラの画像を揃って停止させなかったり、コントローラの画像を揃って停止させるが、コントローラが操作されてもストーリー擬似連を開始させないようにする。コントローラの画像を飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなどの複数の領域で飾り図柄ともに可変表示させるときの演出をストーリー擬似連の一部を構成する演出としてもよい。コントローラの画像を飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなどの複数の領域で飾り図柄ともに可変表示させてから可変表示を停止させ、コントローラを操作させる演出を実行するまでを特殊演出としてもよい。また、コントローラの画像を揃って停止させない場合には、このときまでの演出を特殊演出としてもよい。コントローラの操作によって、ストーリー擬似連が開始されることは、特殊演出の演出の結果が成功となり、特別演出としてのストーリー擬似連が開始されることになる。コントローラが操作されてもストーリー擬似連が開始されない場合や、コントローラの画像が揃わない場合、特殊演出の演出の結果が失敗となる。この場合には、ストーリー擬似連が実行されない。また、コントローラが操作されてもストーリー擬似連が開始されない場合や、コントローラの画像が揃わない場合には、コントローラの画像を消去し、通常の擬似連を実行すると決定していた場合には、擬似連のチャンス目を消去後の飾り図柄で構成するようにして(つまり、識別情報の組合せを所定の組合せとするようにして)、通常の擬似連(所定演出)を行ってもよい。パチンコ遊技機1に所定の可動部材(役物)を設けておき、特殊演出の演出の結果が成功のときには、可動部材を動作させて、ストーリー擬似連を介しても良い。
上記実施形態では、特殊画像は飾り図柄を覆うように表示されたが、飾り図柄と差し替えられてもよい。差し替えの場合、特殊画像が消去されると、差し替え前の識別情報(飾り図柄)が表示されてもよいし、他の識別情報が表示されてもよい。特殊画像は飾り図柄を一部(例えば、大部分)覆うようなものであってもよい。特殊画像は、複数の可変表示領域のうちの少なくとも1つの領域に表示される識別情報を覆ったり、差し替えたりするものであってもよい。つまり、特殊画像は1つ以上表示されるものであればよい。また、特殊画像は、飾り図柄の列に挿入されるものであってもよい(図35参照)。特殊画像を用いた特殊演出は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなどにおける所定位置に特殊画像が表示されるか否かを煽る演出であってもよく、所定位置に特殊画像が表示された場合には、特別の結果となり、所定位置に特殊画像が表示されなかった場合には、特別の結果とならないようにしてもよい。例えば、飾り図柄表示エリア5Cにおいて可変表示される飾り図柄の1つを特殊画像で覆ったり、特殊画像に差し替えたりして、飾り図柄表示エリア5C(所定位置)において当該特殊画像が停止表示したときに、特別な結果となるようにしてもよい(他の飾り図柄表示エリア5L、5Rには、どのような図柄が停止されてもよい。)。このとき、飾り図柄表示エリア5L、5Rの停止図柄をチャンス目を構成する飾り図柄とすることで、特殊画像の停止を期待させるとともに、特殊画像が停止しなくてもチャンス目が成立するもしれないという期待を持たせるようにしてもよい。これによって遊技の興趣が上がる。なお、飾り図柄表示エリア5L、5Rの停止図柄をチャンス目を構成する飾り図柄とするのは、必ずするものではなく、テーブルなどを参照して所定割合(例えば、チャンス目が導出されない非リーチの可変表示を実行するときよりも高い割合とするとよい。)で決定してもよい。これによって遊技の興趣が上がる。
チャンス目予告、特殊画像予告、アイテム予告それぞれについて、いくつの可変表示に渡って実行されるかは適宜決定すればよい。また、これら予告が実行される可変表示の回数を複数設け、前記の決定前判定手段の判定結果などに基づいて、実行される可変表示の回数を決定するようにしてもよい(例えば、テーブル及び乱数値を用いて決定する。)。このときには、回数が多い方が、大当り期待度が高くなるようにするとよい。擬似連の回数などについても同様である。また、同様に、成功の特殊画像演出をいつ実行するかを、前記の決定前判定手段の判定結果などに基づいて、決定するようにしてもよい(例えば、テーブル及び乱数値を用いて決定する。)。
なお、特殊画像に覆われた識別情報や特殊画像に差し替えられた識別情報と、特殊画像が消去されたときにそのあとに表示される識別情報とは異なってもよい。例えば、特殊画像が「1」の飾り図柄を覆っていたが、特殊画像消去時には、当該特殊画像が表示されていた領域に「2」の飾り図柄が表示されてもよい。
特別演出は、背景変更演出の他、演出モードを変化させる演出(例えば、登場キャラクターなどを変化させる演出)、ストーリーを伴った擬似連、発展演出などであってもよい。特殊演出は、例えば、特殊画像を表示して用いる演出であればよい。このとき、特殊画像を用いたことに付随して実行される演出(コントローラの操作の演出など)も、特殊演出の一部としてもよい。特殊演出は、演出結果が特別の結果(例えば、演出の結果の成功)になるか否か(複数の特殊画像が揃って表示されるか否か、1以上の特殊画像が所定位置に表示されるか否か、コントローラの操作によって特別演出が実行されるか否か)を煽る演出であればよい。特別演出は、演出結果が特別の結果になったことに応じて実行される演出であればよく、例えば、保留表示予告などであってもよい。例えば、特殊画像として、保留表示予告の文字の画像を飾り図柄表示エリア5Cに表示し、当該画像が停止表示された場合には、特別の結果になったとして、特別演出の実行として、ターゲットの保留表示図柄を変更させるようにしてもよい。また、特殊画像の表示位置は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでなくてもよく、特殊画像は、これらエリアで可変表示されるものでなくてもよい。例えば、キャラクターの画像などで、保留表示図柄を変化させるときに表示されるもの(保留表示予告で、保留表示図柄を変化させる動作を行うキャラクターの画像など)であってもよい。このような特殊演出であっても、特殊画像を消去し、特殊演出の演出結果が特別の結果にならないときには(例えば、保留表示図柄を変化させない場合には)、適宜、飾り図柄の可変表示においてチャンス目などが導出表示又は仮停止されるようにするとよい。特殊画像は、消去されたときに、消去された部分に飾り図柄が表示されるものであってもよいし、飾り図柄の表示エリアとは別のところに表示されることで、消去されても、飾り図柄の表示等には影響しないものであってもよい。
上記実施の形態では、飾り図柄や特殊画像の停止後に特殊画像の消去が行われたが、飾り図柄や特殊画像の停止前に特殊画像の消去を行ってもよい。
特殊演出や所定演出は、例えば、ターゲットの可変表示がリーチ態様なるかや、スーパーリーチが実行されるかなどを示唆するものであってもよい(この場合、変動カテゴリや変動パターンに基づいて特殊演出や所定演出を実行するようにする。)。また、確変状態になるか否かを示唆するような演出であってもよい。
また、チャンス目を導出するときに、ガセの特殊画像演出が実行されるときと、実行されないときとで、チャンス目の色の出現割合を変えてもよい。これによって、演出が多彩になって遊技の興趣が向上する。特に、ガセの特殊画像演出が実行されるときには、大当り期待度が高い色のチャンス目が導出されやすいようにすることで、特殊演出の演出結果が失敗であっても、失敗の落胆を軽減できる。
上記実施の形態では、ガセや成功の特殊画像演出を、ターゲットの可変表示では実行しないように制御していたが、これら特殊画像演出をターゲットの可変表示で実行するようにしてもよい。例えば、成功の特殊画像演出であれば、ターゲットの可変表示で実行したあと、当該可変表示で背景演出画像も行うようにすればよい。このような場合、特殊画像演出を前記特殊演出とし、前記所定の組合せをリーチ態様(所定演出は、リーチ演出など)や擬似連チャンス目(所定演出は、次の再変動や、擬似連チャンス目になったことを報知する演出などになる)とすればよい。なお、特殊演出の演出結果が特別の結果にならないときには(特殊画像が消去されるときには)、必ず、又は、一定の割合で、識別情報の組合せが所定の組合せになるようにしてもよい。これによって、特別の結果が得られなくても、所定の組合せになることを遊技者がより期待できる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、遊技領域に設けられた始動領域(ここでは、第1始動入賞口や第2始動入賞口)に遊技媒体(ここでは、遊技球)が進入した後に識別情報(ここでは、特別図柄や飾り図柄)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果(ここでは、大当り図柄、大当り組合せ)を導出したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態)になるパチンコ遊技機1が構成される。
そして、前記始動領域に前記遊技媒体が進入したにもかかわらず前記開始条件が成立していない識別情報の可変表示について保留情報(ここでは、保留データ)を記憶する保留記憶手段(ここでは、特図保留記憶部)と、前記開始条件が成立した識別情報の可変表示に対応する保留情報に基づいて当該可変表示を所定態様(ここでは、大当り図柄、大当り組合せ、リーチ態様)にするか否かを当該表示結果が導出される前に決定する事前決定手段(ここでは、ステップS110やステップS111で可変表示結果や変動パターンを決定するCPU103)と、識別情報の可変表示の表示結果が前記所定態様になるか否かを、当該識別情報の可変表示についての保留情報に基づく前記事前決定手段の決定よりも前に判定する決定前判定手段(ここでは、ステップS211で可変表示結果や変動パターンを判定するCPU103)と、前記決定前判定手段の判定結果に基づいて、予告演出を実行するか否かと、実行する予告演出の種類と、を決定する予告演出決定手段(ここでは、変動パターンによって特定される変動カテゴリを指定する変動カテゴリ指定コマンドに基づいて先読み予告演出の実行の有無を決定する演出制御用CPU120)と、前記予告演出決定手段の決定結果に基づいて予告演出を実行する予告演出実行手段(ここでは、ステップS713やステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えることになる。
可変表示を所定態様にするか否かは、例えば、可変表示の態様をリーチ態様にするか否かや、スーパーリーチ態様にするか否かなどであればよく、上記実施形態のように、事前決定手段は、変動パターンを決定することによって、可変表示を所定態様にするか否かを決定し、決定前判定手段では、変動カテゴリを特定することで、可変表示を所定態様にするか否かを判定している。このように、可変表示を所定態様にするか否かの決定及び判定は、それぞれ異なる方法で行ってもよい。所定態様とは、例えば、スーパーリーチが実行されるリーチ態様(見た目上、ノーマルリーチが実行されるリーチ態様と一緒でもリーチ態様になったあとにスーパーリーチが実行されれば、それは、スーパーリーチが実行されるリーチ態様であると言えるものとする。)、擬似連のチャンス目、小当り組合せ(可変表示結果として導出されたときに大当り遊技状態とは異なる有利度で遊技者にとって有利となる小当り遊技状態に制御される組合せ)、大当り組合せ、チャンス目予告のチャンス目などであればよい。可変表示を所定態様にするとは、最終停止時の態様(表示結果)を所定態様(チャンス目など)にすることであってもよいし、仮停止時の飾り図柄などを所定態様(小当たり組合せ、大当り組合せ)にすることであってもよい。
予告演出を実行するか否かと、実行する予告演出の種類と、の決定は、上述の実施形態のように、個別に先読み予告演出の実行の有無を決定することで、行ってもよいが、例えば、テーブルなどを参照して、どの種類の予告演出を実行するかを決定することで、予告演出を実行するか否かと、実行する予告演出の種類と、を決定してもよい(このとき、例えば、1つ前に決定した予告演出の種類に応じて異なるテーブルを参照することで、1つ前に決定した予告演出の種類に応じて予告演出の種類を決定する。)。
さらに、上記実施形態では、上記構成によって、前記予告演出決定手段は、先に決定した予告演出の実行中に、新たな予告演出の種類を決定する際に、当該実行中の予告演出の種類に応じて、新たな予告演出の種類を決定し(ここでは、ステップS707〜S711の処理を実行して、1つ前のターゲットの決定結果に応じて特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告の実行の有無を決定する演出制御用CPU120)、前記予告演出実行手段は、前記予告演出決定手段が先に決定した予告演出を、前記予告演出決定手段が新たに決定した予告演出よりも優先して実行する(ここでは、ステップS712において実行情報を格納するときに当該実行情報を格納する保留表示番号に対応する可変表示がすでにターゲットになっていた場合に、当該ターゲット及びその前の可変表示に対応する保留表示番号に対応して当該実行情報を格納しない演出制御用CPU120、図32参照)ことになる。
上記の構成によれば、予告演出の実行頻度を高めつつ、予告演出の実行が過剰になることを抑制し、さらに、特定遊技状態への期待感を必要以上に煽ることを抑制することができる。
図32の例では、仮に可変表示(6)をターゲットにする先読み予告演出の種類を無制限に決めるとすると、当該種類を予告パターンTG2又はTG3の特殊画像予告の実行を決定する可能性があるが、この場合、背景演出が可変表示(4)をターゲットにする先読み予告演出における背景演出から連続して実行されてしまう。これによって、同じ種類の先読み予告演出が連続して実行され、遊技者は同じ種類の先読み予告演出が多数回の可変表示に渡って実行されると誤認する。先読み予告演出が連続する複数回の可変表示にわたって実行されるものである場合(先読み予告演出を構成する演出(1回の可変表示毎の演出であり、アイテムが登場する演出、チャンス目を導出する演出、背景演出、特殊画像演出など)が可変表示それぞれで実行される場合)には、先読み予告演出の種類を無制限に決めるとすると、複数回の可変表示において、先読み予告演出を構成する演出が多数回(連続又は不連続で)実行されることなる。一般に(一般的な遊技機において)、同じターゲットについて先読み予告演出を構成する演出の実行回数が多いと、特定遊技状態になる割合が高くなるので、先読み予告演出を構成する演出が多数回(連続又は不連続で)実行されると、ターゲットが1つであると誤認して特定遊技状態への期待感を必要以上に煽ることになってしまう。この実施形態では、後の先読み予告演出の種類を先の先読み予告演出の種類と同じにならないようにするので、このような不都合を起きにくくすることができる。また、図32のように、異なる可変表示をターゲットとする複数のターゲットがある場合には、1つの可変表示にて、異なるターゲットに対する先読み予告演出(保留表示予告は除く)の実行が制限されるので、演出が過剰になりにくくなる。例えば、チャンス目予告、特殊画像予告、アイテム予告それぞれについて、予告において実行される可変表示の回数を複数設け、前記の決定前判定手段の判定結果などに基づいて、実行される可変表示の回数を決定し(例えば、テーブル及び乱数値を用いて決定する。)、回数が多い方が、大当り期待度が高くなるようにする場合にも上記構成が有効である。なお、各予告演出は、1回の可変表示にて行われるものであってもよい。
なお、上記実施の形態では、先のターゲットにおいて、特殊画像予告とチャンス目予告との少なくともいずれかが実行される場合には、次のターゲットにおいて、特殊画像予告とチャンス目予告との実行を制限している。このように、特定の複数種類の先読み予告演出については、まとめて1つのグループとして、当該グループの先読み予告演出が2つのターゲットにわたって連続して実行すると決定されないようにするとよい。これは、特に、特定の複数種類の先読み予告演出が、同系統の先読み予告演出(例えば、同じ演出部材(スピーカ8L、8Rや、遊技効果ランプ9など、画像表示装置は除く。)を用いた先読み予告演出や、画像表示装置5で表示される演出画像が似通った又は共通の演出画像が用いられる先読み予告演出など)であるときに有効である。例えば、先読み予告演出として、パチンコ遊技機1に設けられた可動部材を移動させる先読み予告演出を用意するとともに、可動部材の移動態様が異なる複数種類の先読み予告演出(いずれも可動部材を用いた演出)を用意した場合、当該種類の異なる先読み予告演出が2つのターゲットにわたって連続して実行されると、当該種類の異なる先読み予告演出は種類が異なるにもかかわらず同じ可動部材を用いた演出なので、遊技者は同じ種類の先読み予告演出が連続して実行される又は短いインターバルを介して複数回実行されると誤解し、特定遊技状態への期待感を必要以上に煽ってしまう場合がある。上記のように、特定の複数種類の先読み予告演出についてまとめて1つのグループとして、当該グループの先読み予告演出が2つのターゲットにわたって連続して実行すると決定されないようにすることで、このような不都合が抑制される。
上記実施形態では、1つ前に決定した先読み予告演出の種類と同じ種類の先読み予告演出(但し、保留表示予告以外)を、新たなターゲットの先読み予告演出の種類で決定しないようにすることで、新たな先読み予告演出の種類を決定する際に、実行中の先読み予告演出の種類に応じて、新たな先読み予告演出の種類を決定しているが(図32の可変表示(6)をターゲットとする先読み予告演出参照)、実行中の先読み予告演出の種類を特定し、特定した種類と同じ種類の先読み予告演出(但し、保留表示予告以外)を、新たなターゲットの先読み予告演出の種類で決定しないようにしてもよい。なお、上記実施形態では、先のターゲットと同じ種類の先読み予告演出を必ず実行しないようにしているが、実行する割合を変化させてもよい。例えば、先のターゲットと同じ種類の先読み予告演出が実行されにくくなるように、当該同じ種類の先読み予告演出を実行する割合を下げるようにしてもよい(上記グループについても同じ。)。これによっても、予告演出の実行頻度を高めつつ、予告演出の実行が過剰になることを抑制し、さらに、特定遊技状態への期待感を必要以上に煽ることを抑制することができる。例えば、先読み予告の種類の決定割合が異なる複数のテーブルを用意し、用意したテーブルの中から、先のターゲットにおける先読み予告の種類に応じたテーブルをセットして、先読み予告演出の種類を決定すればよい。先のターゲットと同じ種類の先読み予告演出を必ず実行しないようにする場合にも、同じ種類の先読み予告演出の決定割合を0としたテーブルを参照して、先読み予告演出の種類を決定してもよい。なお、実行中の先読み予告演出の種類を特定し、特定した種類に応じて次のターゲットの先読み予告演出の種類で決定する場合には、例えば、図32のような場合、可変表示(6)及び(8)をそれぞれターゲットする先読み予告演出の種類が、可変表示(4)をターゲットとする先読み予告演出の種類を基準として決定されるので、可変表示(6)及び(8)をそれぞれターゲットする先読み予告演出の種類が同じになってしまう可能性があるので、1つ前に決定した先読み予告演出の種類に応じて新たなターゲットの先読み予告演出の種類を決定する事が望ましい。
上述の実施形態では、上記構成によって、前記予告演出決定手段は、特定の種類の予告演出が複数回の識別情報の可変表示にて連続して実行されないように、新たな予告演出の種類を決定する(ここでは、ステップS707〜S711の処理を実行して、1つ前のターゲットを対象として実行される先読み予告演出の種類(特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告)を特定し、同じ種類の先読み予告演出(特殊画像予告、チャンス目予告、アイテム予告)の実行を決定しないようにする演出制御用CPU120)ことになる。
上記の構成によれば、過剰に同じ種類の予告演出が連続して実行されることを防止できる。
なお、前記予告演出決定手段は、前記決定前判定手段によって識別情報の可変表示が前記所定態様にならないと判定された場合に、実行中の予告演出と同じ先読み演出が複数回の可変表示にて連続して実行されないように、新たな予告演出の種類を決定するようにしてもよい。例えば、上述の実施形態において、変動カテゴリが「大当り」のときには、保留表示予告と同様に、1つ前のターゲットを対象とする先読み予告演出の種類によらず、各先読み予告演出の実行の有無を決定するようにすればよい。
上記の構成によれば、所定態様にならないときに、過剰に同じ種類の予告演出が連続して実行されることを防止できる。
上述の実施形態では、上記構成によって、識別情報の可変表示を実行するときに当該可変表示についての保留情報を前記保留記憶手段から消去する第1の消去手段(ここでは、ステップS232で保留データを読み出す、又は、ステップS234で記憶内容をシフトさせるCPU103)と、前記予告演出決定手段によって前記予告演出を実行すると決定されたときに、当該予告演出の情報(ここでは、実行情報)を、当該予告演出を実行する識別情報の可変表示に対応して前記保留記憶手段に記憶されている保留情報に対応して記憶する予告演出情報記憶手段(ここでは、始動入賞時コマンドバッファ)と、をさらに備え、前記予告演出実行手段は、前記第1の消去手段によって消去される保留情報に対応して前記予告演出情報記憶手段に記憶されている予告演出の情報に基づいて予告演出を実行するとともに、所定条件が成立したときには当該予告演出の情報に基づいて予告演出を実行せず(ここでは、ステップS530やステップS172の処理を実行して、保留表示番号「1」の実行情報を読み出して、実行情報に基づいて先読み予告演出を実行するが、実行するときの可変表示がリーチ態様になる場合には、先読み予告演出の実行をキャンセルする演出制御用CPU120)、前記第1の消去手段によって保留情報が消去されるときに当該保留情報に対応して予告演出情報記憶手段に記憶される予告演出の情報を消去する第2の消去手段(ここでは、ステップS771で実行情報を読み出す、又は、ステップS773で記憶内容をシフトさせる演出制御用CPU120)をさらに備えることになる。
上記の構成によれば、予告演出の実行についての制御を好適に行える。
上述の実施形態では、上記構成によって、前記予告演出決定手段は、所定数(ここでは、3つ)の識別情報の可変表示について予告演出を実行すると決定している場合には、新たに予告演出を実行すると決定することを制限する(ここでは、ステップS703の処理を実行する演出制御用CPU120)、ことになる。
上記の構成によれば、制御の複雑化を防止できる。
上述の実施形態では、上記構成によって、前記予告演出決定手段は、先に決定した予告演出の実行中に、新たな予告演出の種類を決定する際に、当該実行中の予告演出の種類が特別の種類(ここでは、保留表示予告)であるか否かには応じないで、新たな予告演出の種類を決定する(ここでは、ステップS707〜S711の処理では、保留表示予告が先読み予告演出の実行の有無の決定には影響しない)、ことになる。
上記の構成によれば、予告演出を好適に実行できる。特に、保留表示予告のように、予告の態様によってターゲットが認識できるものについて、後に決定する先読み予告の種類に影響を与えないようにすることで、当該先読み予告演出の実行頻度を上げつつ、特定遊技状態への期待感を必要以上に煽ることを抑制することができる。
保留表示予告を実行するときの、保留表示図柄の色を変更するタイミングは、保留表示図柄の表示時に限らず、その後の適宜のタイミングであってもよい。
図21のステップS705において、保留記憶だけでなく、新たな受信バッファが格納されている保留表示番号(例えば、「7」)よりも前3つ(例えば、「4」〜「6」)に対応して始動入賞時コマンドバッファに格納されている変動カテゴリ指定コマンドをチェックし、各変動カテゴリ指定コマンドが、いずれも「非リーチ」を指定するものであるかを判定してもよい。保留記憶数が4つ以上で、かつ、各変動カテゴリ指定コマンドが、いずれも「非リーチ」を指定するものである場合には、ステップS706の処理に進み、保留記憶数が4つ以上でない、かつ、各変動カテゴリ指定コマンドが、いずれも「非リーチ」を指定するものでない場合には、ステップS713に進むようにしてもよい。このようにすれば、特殊画像演出の実行やチャンス目の導出などがキャンセルされたり、特殊画像演出の実行が次回以降の可変表示に繰り下げられることを防止できる。
図21のステップS705において、判定対象の保留記憶の数を、先読みターゲットの有無(オンとなっているターゲットフラグがあるか否か)に応じて異なるようにしてもよい。例えば、先読みターゲットが有る場合には、ステップS705において、オンとなっているターゲットフラグよりも後の保留記憶であって、新たな受信コマンドに対応する保留記憶を除いた保留記憶の数を特定し、特定した保留記憶の数が「2」以上であれば、ステップS706に進むようにしてもよい(「2」未満であれば、ステップS713に進む)。このとき、特殊演出予告やチャンス目予告、アイテム予告などの複数の可変表示にわたって実行する予告演出は、特定した数の可変表示だけ行ってよいし、特定した数よりも少ない回数だけ実行するようにしてもよい。保留記憶の数は、例えば、新たな受信コマンドの保留表示番号(例えば、「7」)の1つ上位の保留表示番号(例えば、「6」)−オンとなっているターゲットフラグの保留表示番号(例えば、「4」)から算出して特定すればよい。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例2)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例3)
上記実施形態における技術思想は、遊技を行うための遊技機全般に適用できる。例えば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示(複数の可変表示領域にて行われる。)といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。このようなスロットマシンにおいて、特殊画像が消去されたあとに複数の可変表示領域に表示される識別情報の組合せが所定の組合せになり得るようにすればよい。