以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしていもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーAやスーパーBにおける第1段階のリーチ演出が実行される。例えばスーパーAのリーチ演出が実行される場合には、スーパーA1のリーチ演出がスーパーAにおける第1段階のリーチ演出として実行される。一方、スーパーBのリーチ演出が実行される場合には、スーパーB1のリーチ演出がスーパーBにおける第1段階のリーチ演出として実行される。その後、スーパーAやスーパーBにおける第2段階のリーチ演出が実行されない場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。一方、スーパーAやスーパーBにおける第2段階のリーチ演出が実行される場合には、第1段階のリーチ演出に続いて、第2段階のリーチ演出が実行されることを認識可能に報知する発展報知演出が実行されてもよい。そして、第2段階のリーチ演出が実行されてから、確定飾り図柄が導出されて確定表示される。例えばスーパーAのリーチ演出では、スーパーA1のリーチ演出や発展報知演出などに続いてスーパーA2のリーチ演出が、スーパーAにおける第2段階のリーチ演出として実行されることがある。一方、スーパーBのリーチ演出では、スーパーB1のリーチ演出や発展報知演出などに続いてスーパーB2のリーチ演出が、スーパーBにおける第2段階のリーチ演出として実行されることがある。
スーパーAやスーパーBにおける第1段階のリーチ演出に続いて、発展報知演出や第2段階のリーチ演出が実行されることを、「リーチ演出が発展する」ともいう。なお、ノーマルのリーチ演出に続いてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されることも、リーチ演出が発展するということがある。発展報知演出の一例として、所定の演出用可動部材が進出動作または回転動作などを行うとともに、効果音の出力や発光体の点灯が行われるといった、所定の演出動作が実行されればよい。発展報知演出の他の一例として、画像表示装置5における表示領域に同一または類似したキャラクタを示す演出画像群が通過するように表示(群画像表示)させるといった所定の演出動作が実行されてもよい。なお、リーチ演出が発展する場合に、発展報知演出が実行されない場合を設けてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、可変表示中予告演出ともいう)と称される。
先読み予告演出として、例えば「特殊図柄」や「保留表示」、「モード移行」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができればよい。「特殊図柄」の先読み予告演出は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せとすることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
「保留表示」の先読み予告演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
「モード移行」の先読み予告演出は、パチンコ遊技機1における演出状態を通常時における演出モードとは異なる先読み予告モードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の表示領域における背景画像を、通常時の背景画像とは異なる特定表示態様の背景画像に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
再抽選演出の他にも、確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、特別可変表示演出となる救済演出が実行されることがある。救済演出が実行されるときには、まず、リーチ演出に続いてリーチハズレ組合せとなる飾り図柄が一旦は仮停止表示される。その後、救済演出が実行されることで仮停止表示させた可変表示を再開して、非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を最終的に導出させる。このように、救済演出は、可変表示結果が「大当り」にならないかのような印象を遊技者に一旦は与えた後に、救済措置が講じられて可変表示結果が「大当り」となることを報知する演出である。
大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合には、大当り遊技状態における短期開放ラウンドや小当り遊技状態における大入賞口の開閉動作などに対応して、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行されることがある。特殊移行演出は、救済演出を伴う変動パターンと同様のリーチ演出に続いてリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示(導出)された場合に、第2特定遊技状態としての大当り遊技状態や小当り遊技状態となることに対応して実行されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図6は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図10)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図12)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図6に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407にて大当り決定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS407;No)、小当り決定範囲を設定する(ステップS408)。このときには、ステップS405の処理による大当り決定範囲の設定と同様に、例えば特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「小当り」に割り当てられた決定値の範囲が、小当り決定範囲として設定されればよい。こうした小当り決定範囲の設定に続いて、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り決定範囲とを比較する(ステップS409)。これにより、乱数値MR1が小当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS410)。この判定は、ステップS407の処理による大当り決定範囲内であるか否かの判定と同様に、乱数値MR1と決定値との逐一比較、または最小値や最大値との比較により、行われるものであればよい。
ステップS410にて小当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS410;No)、ハズレ時特定パターン決定範囲を設定する(ステップS411)。ハズレ時特定パターン決定範囲は、例えば合計保留記憶数にかかわらず、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値の範囲として、予め定められていればよい。
ステップS411の処理では、ステップS401の処理により特定された遊技状態に応じて、異なるハズレ時特定パターン決定範囲が設定されてもよい。一例として、図7に示すように、遊技状態が通常状態である通常時におけるハズレ時特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」となる範囲に設定する。一方、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中におけるハズレ時特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「240」〜「251」となる範囲に設定する。可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる可変表示が開始されるときには、図15(A)に示すような通常時のハズレ変動パターン決定テーブル132Aまたは図15(B)に示すような時短中のハズレ変動パターン決定テーブル132Bを用いて、変動パターンが決定される。
図15(A)に示す通常時におけるハズレ変動パターン決定テーブル132Aの設定では、乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。また、図15(B)に示す時短中におけるハズレ変動パターン決定テーブル132Bの設定では、乱数値MR3が「240」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における合計保留記憶数にかかわらず、通常時には乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、また、時短中には乱数値MR3が「240」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンという、特定の変動パターンに決定されると判定することができる。そこで、図6に示すステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が通常状態であれば、ステップS411の処理により「230」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定する。また、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中であれば、ステップS411の処理により「240」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定すればよい。
ステップS407にて大当り決定範囲内であると判定されたときや(ステップS407;Yes)、ステップS410にて小当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS410;Yes)、当り時特定パターン決定範囲を設定する(ステップS412)。当り時特定パターン決定範囲は、例えば可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合に、救済演出を伴う変動パターンといった、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値(変動パターン決定用の乱数値MR3)の範囲として、予め定められていればよい。また、例えば可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に、飾り図柄の可変表示結果がリーチハズレ組合せの確定飾り図柄になるといった、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値の範囲を、当り時特定パターン決定範囲に設定する。
ステップS412の処理では、ステップS407の処理による大当り決定範囲の判定結果などに応じて、異なる当り時特定パターン決定範囲が設定されればよい。例えば大当り決定範囲内であると判定されたときには、図4に示すステップS209の処理により抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を用いて、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれに決定されるかを判定する。こうした大当り種別の判定結果に応じて、異なる当り時特定パターン決定範囲を設定すればよい。また、大当り決定範囲内ではないと判定された後、ステップS410の処理により小当り判定範囲内であると判定されたときには、大当り決定範囲内であると判定されたときとは異なる当り時特定パターン決定範囲を設定すればよい。
当り時特定パターン決定範囲の設定例として、図8に示すように、大当り種別が「非確変」である場合には変動パターン決定用の乱数値MR3が「200」〜「251」となる範囲に設定し、大当り種別が「確変」である場合には乱数値MR3が「150」〜「251」となる範囲に設定する。また、大当り種別が「突確」となる場合には乱数値MR3が「100」〜「251」となる範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定し、可変表示結果が「小当り」となる場合には乱数値MR3が「170」〜「251」となる範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定する。可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる可変表示が開始されるときには、図14(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130を用いて、変動パターンが決定される。可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる可変表示が開始されるときには、図14(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル131を用いて、変動パターンが決定される。
図14(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130の設定では、大当り種別が「非確変」の場合に、乱数値MR3が「200」〜「251」のいずれかであれば、救済演出を伴う変動パターンに決定される。また、大当り種別が「確変」の場合には、乱数値MR3が「150」〜「251」のいずれかであれば、救済演出を伴う変動パターンに決定される。さらに、大当り種別が「突確」の場合には、乱数値MR3が「100」〜「251」のいずれかであれば、可変表示結果がリーチハズレ組合せの確定飾り図柄となる変動パターンに決定される。図14(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル131の設定では、乱数値MR3が「170」〜「251」のいずれかであれば、可変表示結果がリーチハズレ組合せの確定飾り図柄となる変動パターンに決定される。そこで、図6に示すステップS407の処理で大当り決定範囲内であると判定された場合に、乱数値MR2を用いた大当り種別の判定結果が「非確変」であれば、ステップS412の処理により「200」〜「251」の範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定する。また、大当り種別の判定結果が「確変」であれば、ステップS412の処理により「150」〜「251」の範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定する。さらに、大当り種別の判定結果が「突確」であれば、ステップS412の処理により「100」〜「251」の範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定する。ステップS410の処理で小当り決定範囲内であると判定された場合には、ステップS412の処理により「170」〜「251」の範囲を当り時特定パターン決定範囲に設定すればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ステップS411またはステップS412の処理により設定された特定パターン決定範囲とを比較する(ステップS413)。これにより、乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるか否かが判定される。こうした判定を行うための手法は、ステップS407やステップS410の処理により乱数値MR1が大当り決定範囲内や小当り決定範囲内であるか否かを判定するための手法と同様であればよい。
ステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときや(ステップS404;No)、ステップS413の処理を実行した後には、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS414)。図9(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS404の処理による判定結果や、ステップS406、S409、S413の処理などによる比較結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1始動口入賞指定コマンドは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1および変動パターン決定用の乱数値MR3など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
第2始動口入賞指定コマンドは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出された始動入賞が発生したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
図9(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図9(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB101H、コマンドB200H、コマンドB201Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるとの判定結果、すなわち飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果を通知する。一方、コマンドB103HやコマンドB203Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3が特定パターン決定範囲内ではないとの判定結果、すなわち飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定されない可能性があるとの入賞時判定結果を通知する。コマンドB102HやコマンドB202Hは、大当り中や時短制御中であることなどにより、特定パターン決定範囲内であるか否かの判定が行わないように制限されていることを通知する。
図6に示すステップS414の処理では、始動口バッファ値が「1」であること、乱数値MR1が大当り決定範囲内でも小当り決定範囲内でもないとの判定結果、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるとの判定結果に対応して、ハズレ時の特定パターン決定範囲内を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hの送信設定が行われる。また、始動口バッファ値が「1」であること、乱数値MR1が大当り決定範囲内または小当り決定範囲内であるとの判定結果、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるとの判定結果に対応して、当り時の特定パターン決定範囲内を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101Hの送信設定が行われる。一方、図6に示すステップS404の処理にて始動口バッファ値が「1」であると判定されたときには、特定パターン決定範囲内であるか否かの判定が制限されていることを通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102Hの送信設定が行われる。始動口バッファ値が「1」であること、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内ではないとの判定結果に対応して、特定パターン決定範囲外を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB103Hの送信設定が行われる。
加えて、ステップS414の処理では、始動口バッファ値が「2」であること、乱数値MR1が大当り決定範囲内でも小当り決定範囲内でもないとの判定結果、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるとの判定結果に対応して、ハズレ時の特定パターン決定範囲内を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hの送信設定が行われる。また、始動口バッファ値が「2」であること、乱数値MR1が大当り決定範囲内または小当り決定範囲内であるとの判定結果、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるとの判定結果に対応して、当り時の特定パターン決定範囲内を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201Hの送信設定が行われる。一方、始動口バッファ値が「2」であること、および乱数値MR3が特定パターン決定範囲内ではないとの判定結果に対応して、特定パターン決定範囲外を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB203Hの送信設定が行われる。
ステップS414の処理により、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS414の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS415)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図9(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図6に示すステップS415の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS415の処理により、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S413の処理を実行せずにステップS414の処理に進み、特定パターン決定範囲の判定が制限中であることを示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて特定パターンの判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図11(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図11(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図11(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図11(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されることがあってもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図11(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、大当り種別が「突確」に決定されることがあってもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図13は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図12に示すステップS262の処理では、例えば図14(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130を用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブル130では、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブル130を参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12に示すステップS264の処理では、例えば図14(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル131を用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブル131では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。
図12に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、通常時には、図15(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Aを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中には、図15(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図15(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Aでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図15(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図12に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図13に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、図16(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、図16(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図6に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図16(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図16(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数よりも保留表示番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第1特図保留記憶数が第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶内容から特定される第1特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりも保留表示番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における特図保留記憶数と保留表示番号の相違は矛盾(不整合)となり得る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理では、まず、先読み予告となる予告演出(先読み予告演出)を実行するか否かなどを決定する先読み予告決定処理が実行される(ステップS161)。図18は、図17のステップS161にて実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。
ステップS501の処理に続いて、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aまたは第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに、始動口入賞指定コマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、少なくともいずれか1つが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS502;No)、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS502にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS502;Yes)、既に先読み予告演出を実行している先読み予告実行中であるか否かを判定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた先読み予告フラグがオンであるときに、先読み予告を実行中であると判定すればよい。先読み予告フラグは、所定の先読み予告となる予告演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
ステップS503にて先読み予告実行中ではないと判定された場合には(ステップS503;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限があるか否かを判定する(ステップS504)。演出制御用CPU120は、所定の先読み制限条件が成立したか否かの判定を行い、成立したと判定された場合に、先読み予告制限があると判定すればよい。先読み制限条件は、例えば特定パターン判定制限中を通知する第1始動口入賞指定コマンドを受信した場合に成立すればよい。
この実施の形態において、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。この場合、高開放制御が行われている高ベース中には、第2始動入賞口に遊技球を容易に通過(進入)させて、優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、例えば可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回にわたり容易に繰り返し実行することができる。このとき、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になれば、先読み予告による予告対象となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になることもあわせて、遊技状態を繰り返し大当り遊技状態とすることが可能になり、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
また、仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、この先読み予告により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識した遊技者は、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかを、自己の技量により選択することができる。そのため、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングが、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース中には、第1始動入賞の発生に基づく先読み予告の実行を制限する先読み制限条件を成立させる。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。遊技状態が大当り遊技状態であるときにも、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御に伴う高開放制御が行われることから、同様に先読み制限条件を成立させる。
ステップS504にて先読み予告制限なしと判定された場合には(ステップS504;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS505)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS506にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS506;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されている前回までの始動口入賞指定コマンドをチェックして(ステップS507)、先読み予告演出を実行可能な判定結果情報であるか否かを判定する(ステップS508)。例えば、ステップS507の処理では、最新の始動口入賞指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドの通知内容を読み取る。ステップS508の処理では、ステップS507における読取結果により、予告対象となる可変表示より前に可変表示結果が「大当り」や「小当り」となるものが含まれている場合には、先読み予告演出を実行不可能であると判定すればよい。あるいは、予告対象となる可変表示より前に飾り図柄の可変表示状態が特定の表示態様となるものが含まれている場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。すなわち、最新の始動口入賞指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドの通知内容がすべて、ハズレ時の特定パターン共通範囲外であるときに、先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
また、ステップS508の処理では、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定数未満(例えば「2」未満など)である場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。特図保留記憶数が「1」であるときには、予告対象となる可変表示の他に保留記憶されている可変表示がない。したがって、始動入賞が発生した後に新たな可変表示の実行に伴って先読み予告演出が開始される場合に、このような先読み予告演出を予告対象となる可変表示の開始よりも前に実行できないと判断すればよい。なお、始動入賞が発生すれば直ちに実行を開始できる先読み予告演出については、特図保留記憶数によらす先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS508にて先読み予告演出を実行可能であると判定された場合には(ステップS508;Yes)、先読み予告演出を実行するか否かという先読み予告の有無と、実行する場合における先読み予告の種別(先読み予告種別)とを決定する(ステップS509)。一例として、ステップS509の処理では、先読み予告の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告種別決定テーブルを選択してセットする。先読み予告種別決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された始動口入賞指定コマンドの通知内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告を実行しない場合に対応する「予告なし」の決定結果や、先読み予告を実行する場合における「特殊図柄」、「保留表示」、「モード移行」といった複数の先読み予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告種別決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とを決定すればよい。
図19は、ステップS509の処理による先読み予告演出の有無と先読み予告種別の決定例を示している。この決定例では、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)による入賞時判定結果の指定内容が、ハズレ時特定パターン決定範囲内であるか当り時特定パターン決定範囲内であるか特定パターン決定範囲外であるかに応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告種別が決定される割合を異ならせている。例えば、入賞時判定結果がハズレ時特定パターン決定範囲内や当り時特定パターン決定範囲内であるときには、特定パターン決定範囲外であるときよりも高い割合で、先読み予告演出を実行することに決定される。こうした設定により、先読み予告演出が実行されたときには、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる可能性が高くなる。
また、入賞時判定結果が当り時特定パターン決定範囲内であるときには、ハズレ時特定パターン決定範囲内や特定パターン決定範囲外であるときよりも高い割合で、先読み予告演出を実行することに決定される。特に、先読み予告種別が「モード移行」に決定される割合は、当り時特定パターン決定範囲内であるときには十分に高くなる。この実施の形態では、図8に示すように、大当り種別が「非確変」または「確変」である場合に、救済演出を伴う変動パターンが特定パターンとなる。これにより、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。一方、大当り種別が「突確」である場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には、ノーマルやスーパーのリーチ演出を伴う変動パターンが特定パターンとなる。これにより、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、リーチ演出が実行された後に大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。
図7に示すように、ハズレ時特定パターン決定範囲は、合計保留記憶数にかかわらず少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される乱数値MR3の範囲となっている。また、図8に示すように、当り時特定パターン決定範囲は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合に、救済演出を伴う変動パターンに決定される乱数値MR3の範囲となっている。さらに、当り時特定パターン決定範囲は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に、ノーマルまたはスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される乱数値MR3の範囲となっている。そして、図19に示す決定例では、入賞時判定結果がハズレ時特定パターン決定範囲内または当り時特定パターン決定範囲内であれば、「モード移行」の先読み予告種別に決定されることがある一方、特定パターン決定範囲外である場合には、「モード移行」の先読み予告種別には決定されない(決定割合が0/100となる)。したがって、「モード移行」の先読み予告演出が実行された場合には、予告対象となる可変表示において飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることが、確定的に報知される。
図18に示すステップS509の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告なし」であるか否かを判定する(ステップS510)。このとき、いずれかの先読み予告種別に決定されて「予告なし」ではないと判定された場合には(ステップS510;No)、「保留表示」の先読み予告演出を実行するか否かを判定する(ステップS511)。なお、ステップS510の処理にて先読み予告演出を実行すると判定されたときには、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた先読み予告フラグをオン状態にセットしてもよい。
ステップS511にて保留表示予告を実行すると判定されたときには(ステップS511;Yes)、「保留表示」の先読み予告演出における演出態様に対応した保留表示予告パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS512)。一例として、ステップS512の処理では、保留表示予告パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された保留表示予告パターン決定テーブルを選択してセットする。保留表示予告パターン決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された始動口入賞指定コマンドの指定内容などに応じて、保留表示予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の保留表示予告パターンなどに割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示予告パターンを決定すればよい。
ステップS512の処理を実行した後には、保留表示予告パターンの決定結果に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を、通常時とは異なる特殊態様で1つ増加させる予告更新制御を行ってから(ステップS513)、先読み予告決定処理を終了する。こうして、「保留表示」の先読み予告演出が実行されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示が、通常時とは異なる形状、模様もしくは色彩、または、これらの結合により、1つ増加するように更新されればよい。
ステップS511にて保留表示予告を実行しないと判定されたときには(ステップS511;No)、ステップS509の処理により決定された先読み予告種別を特定可能に示す情報を記憶させる(ステップS514)。例えば、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた先読み予告種別バッファに、先読み予告種別を特定可能に示すデータを記憶させればよい。また、先読み予告演出の総実行回数を設定する(ステップS515)。
ステップS515の処理では、先読み予告種別の決定結果や、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるか否かに応じて、総実行回数の設定が行われればよい。例えば、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームであるかにかかわらず、始動入賞が発生した順に特図ゲームが実行される場合に、先読み予告種別が「特殊図柄」に決定されたときは、合計保留記憶数から予告対象となる可変表示に対応して「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。また、先読み予告種別が「モード移行」に決定されたときは、合計保留記憶数と同じ可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。一方、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、先読み予告種別が「特殊図柄」に決定されたときは、予告対象となる可変表示が第2特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、第2特図保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。この場合に、予告対象となる可変表示が第1特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、合計保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。また、先読み予告種別が「モード移行」に決定されたときは、第2特図保留記憶数や合計保留記憶数から「1」を差し引くことなく、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。
ステップS515の処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」を設定する(ステップS516)。
ステップS503にて先読み予告を実行中であると判定された場合や(ステップS503;Yes)、ステップS504にて先読み予告制限ありと判定された場合(ステップS504;Yes)、ステップS506にて正常に受信できなかったと判定された場合(ステップS506;No)、ステップS508にて先読み予告演出を実行不可能であると判定された場合(ステップS508;No)、ステップS510にて先読み予告演出を実行しない「予告なし」と判定された場合(ステップS510;Yes)、あるいはステップS516の処理を実行した後には、指導入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を通常時の表示態様で1つ増加させる通常更新制御を行ってから(ステップS517)、先読み予告決定処理を終了する。
図18に示す先読み予告決定処理では、ステップS503の処理により先読み予告実行中であると判定された場合に、ステップS517の処理に進み、ステップS509の処理が実行されないように制限する。これにより、この実施の形態では、既に先読み予告となる予告演出を実行中である場合、さらに先読み予告が実行されないように制限して、先読み予告の途中変更や重複を防止する。なお、可変表示結果が「大当り」に決定される旨を示す判定結果情報(始動口入賞指定コマンド)や特定の変動パターンに決定される旨を示す判定結果情報(始動口入賞指定コマンド)が得られたときには、実行中の先読み予告を途中変更または重複して、新たな先読み予告を実行するようにしてもよい。あるいは、判定結果情報の内容にかかわらず、実行中の先読み予告を途中変更または重複して、新たな先読み予告を実行可能にしてもよい。あるいは、例えば「保留表示」の先読み予告演出については重複して新たな先読み予告を実行可能にする一方で、「特殊図柄」や「モード移行」の先読み予告演出については先読み予告の途中変更や重複を防止するといったように、先読み予告種別に応じて新たな先読み予告を実行可能とするか否かを異ならせてもよい。
図17に示すステップS161にて先読み予告決定処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであること、または、当り開始指定コマンドが「突確」の大当り種別における大当り遊技状態の開始を指定するものであることに対応して、演出プロセスフラグの値をアタッカー短期開放時処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが「非確変」または「確変」の大当り種別における大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値をアタッカー通常開放時処理に対応した値である“5”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174のアタッカー短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態や小当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が比較的に短い時間だけ開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー短期開放時処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、パチンコ遊技機1における演出状態を確変潜伏モードとする設定などを行って、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175のアタッカー通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このアタッカー通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「非確変」または「確変」の大当り種別における大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が比較的に長い時間まで開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー通常開放時処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図20は、可変表示開始設定処理として、図17のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、例えばステップS524と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、先読み予告演出設定処理を実行する(ステップS528)。先読み予告演出設定処理は、「特殊図柄」や「モード移行」の先読み予告演出を実行することに決定された場合に、これらの先読み予告演出を実行するための設定を行う処理である。図21は、ステップS528にて実行される先読み予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示す先読み予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば先読み予告種別バッファの記憶データなどに基づいて、先読み予告種別の記憶があるか否かを判定する(ステップS701)。このとき、先読み予告種別の記憶がなければ(ステップS701;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告種別の記憶がある場合には(ステップS701;Yes)、先読み予告カウンタの格納値である先読み予告カウント値を、1加算するように更新する(ステップS702)。先読み予告カウンタには、図18に示すステップS516の処理が実行されたときに、カウント初期値となる「0」が設定される。その後、ステップS702の処理が実行されるごとに、先読み予告カウント値が1ずつ加算されていくことになる。
ステップS702の処理に続いて、例えば先読み予告種別バッファの記憶データなどから特定される先読み予告種別に対応して、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行されるか否かを判定する(ステップS703)。このとき、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行されると判定した場合には(ステップS703;Yes)、開始条件が成立した今回の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄に、差し替える(ステップS704)。これにより、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行される可変表示では、最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、特殊な飾り図柄またはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄とすることができる。
ステップS704の処理を実行した後には、先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達したか否かを判定する(ステップS705)。先読み予告総変動回数は、図18に示すステップS515の処理により予め設定されている。ステップS705にて先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達していなければ(ステップS705;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達したときには(ステップS705;Yes)、「特殊図柄」の先読み予告演出を終了させるための設定を行う。すなわち、先読み予告種別の記憶を消去させるとともに(ステップS706)、先読み予告総変動回数の設定を消去させる(ステップS707)。また、先読み予告カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS708)、先読み予告演出設定処理を終了する。
ステップS703にて「モード移行」の先読み予告演出であって「特殊図柄」の先読み予告演出ではないと判定された場合には(ステップS703;No)、先読み予告カウント値が「1」であるか否かを判定する(ステップS709)。先読み予告カウント値は、図18に示すステップS516の処理により「0」に初期化された後、ステップS702の処理が実行されるごとに1ずつ加算される。したがって、始動入賞時に「モード移行」の先読み予告演出を実行することが決定された後、新たな可変表示が次に開始されることに対応して、先読み予告カウント値が「1」となる。
ステップS709にて先読み予告カウント値が「1」ではないときには(ステップS709;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告カウント値が「1」であるときには(ステップS709;Yes)、パチンコ遊技機1における演出状態を通常時とは異なる先読み予告モードとするモード移行を開始させるための設定を行ってから(ステップS710)、先読み予告演出設定処理を終了する。例えばステップS710の処理では、開始条件が成立した今回の可変表示中に演出モードを先読み予告モードへと移行させるための演出パターンを、予め用意された複数パターンのうちいずれかに決定してもよい。また、先読み予告モードとして、例えば画像表示装置5の表示領域における背景画像の表示といった、演出態様が異なる複数種類の先読み予告モードを設けてもよい。この場合、ステップS710の処理では、開始条件が成立した今回の可変表示中に移行させる先読み予告モードを、複数種類のうちいずれかに決定してもよい。移行先となる先読み予告モードの決定割合は、予告対象となる可変表示における表示結果が「大当り」となるか否かや大当り種別あるいは救済演出や特殊移行演出の有無などに応じて、異なる割合で決定してもよい。
図20に示すステップS529にて以上のような先読み予告演出設定処理を実行した後には、単独予告決定処理を実行する(ステップS529)。単独予告決定処理は、開始条件が成立した今回の可変表示における表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する単独予告演出を実行するか否かや、実行する場合における単独予告演出の演出態様などを決定する処理である。図22(A)は、ステップS529にて実行される単独予告決定処理の一例を示すフローチャートである。
図22(A)に示す単独予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出モードバッファの記憶データなどに基づいて、パチンコ遊技機1における現在の演出モードを特定する(ステップS721)。演出モードバッファは、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられて、パチンコ遊技機1における演出状態が複数の演出モードのうちいずれであるかを特定可能なデータを記憶するものであればよい。
ステップS721の処理に続いて、特定された演出モードが先読み予告モードであるか否かを判定する(ステップS722)。先読み予告モードは、「モード移行」の先読み予告演出が実行されることで移行する通常時とは異なる演出モードである。図19に示すように先読み予告種別の決定割合が設定されていれば、演出状態が先読み予告モードであるときに、先読み予告モードとは異なる演出モードであるときよりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。また、演出状態が先読み予告モードであるときに、先読み予告モードとは異なる演出モードであるときよりも高い割合で、リーチ演出が実行された後に大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。
ステップS722にて演出モードが先読み予告モードではないと判定されたときには(ステップS722;No)、単独予告演出を実行するか否かという単独予告の有無などを決定してから(ステップS723)、単独予告決定処理を終了する。一例として、ステップS723の処理では、図22(B)に示すような決定割合で、単独予告の有無や、単独予告を実行する場合における演出態様(演出内容)を決定すればよい。なお、図22(B)に示す可変表示内容のうち、「リーチ:ノーマル(非確変/確変)」の可変表示内容は、図13に示す変動パターンPA3−1−1または変動パターンPA3−1−2によりノーマルのリーチ演出が実行されてから大当り種別が「非確変」または「確変」に対応した確定飾り図柄が導出される可変表示を示している。また、「リーチ:スーパー(非確変/確変)」の可変表示内容は、図13に示す変動パターンPA3−2−1〜変動パターンPA3−5−1または変動パターンPA3−2−2〜変動パターンPA3−5−2のいずれかによりスーパーリーチのリーチ演出が実行されてから大当り種別が「非確変」または「確変」に対応した確定飾り図柄が導出される可変表示を示している。「非リーチ(突確/小当り)」の可変表示内容は、図13に示す変動パターンPC1−1によりリーチ演出が実行されずに大当り種別が「突確」または可変表示結果が「小当り」に対応した確定飾り図柄が導出される可変表示を示している。「リーチ:ノーマル(突確/小当り)」の可変表示内容は、図13に示す変動パターンPC2−1によりノーマルのリーチ演出が実行されてから大当り種別が「突確」または可変表示結果が「小当り」に対応した確定飾り図柄が導出される可変表示を示している。「リーチ:スーパー(突確/小当り)」の可変表示内容は、図13に示す変動パターンPC2−2または変動パターンPC2−3によりスーパーリーチのリーチ演出が実行されてから大当り種別が「突確」または可変表示結果が「小当り」に対応した確定飾り図柄が導出される可変表示を示している。
演出制御用CPU120は、単独予告の有無と演出態様を決定するための使用テーブルとして、予め用意された単独予告決定テーブルを選択してセットする。単独予告決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じた可変表示内容に応じて、単独予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、単独予告演出を実行しない場合に対応する「予告なし」の決定結果や、単独予告演出を実行する場合における「単独予告A」〜「単独予告C」といった複数の演出態様などに、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した単独予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、単独予告決定テーブルを参照することにより、単独予告演出の有無と演出態様とを決定すればよい。
図22(B)に示す決定割合の設定例では、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」や「小当り」であるかに応じて、単独予告の有無や演出態様が決定される割合を異ならせている。例えば、可変表示結果が「大当り」や「小当り」であるときには、可変表示結果が「ハズレ」であるときよりも高い割合で、単独予告演出を実行することに決定される。こうした設定により、単独予告演出が実行されたときには、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性が高くなる。
また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合には、その他の場合よりも高い割合で、「単独予告A」の演出態様に決定される。したがって、単独予告演出における演出態様が「単独予告A」となったときには、大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、確変潜伏モードに移行する可能性が高くなる。一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、その他の場合よりも高い割合で、「単独予告B」や「単独予告C」の演出態様に決定される。特に、「単独予告C」の演出態様は、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には所定割合(具体的には10/100の割合)で決定されるのに対して、その他の場合には決定されない(決定割合が0/100となる)。したがって、単独予告演出における演出態様が「単独予告B」や「単独予告C」となったときには、大当り種別が「非確変」や「確変」に対応した大当り遊技状態となる可能性が高くなる。特に、単独予告演出における演出態様が「単独予告C」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることが、確定的に報知される。このように可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることを確定的に報知する演出は、確定報知演出ともいう。
ステップS722にて演出モードが先読み予告モードであると判定されたときには(ステップS722;Yes)、ステップS723の処理を実行せずに、単独予告処理を終了させる。すなわち、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたことにより演出モードが先読み予告モードとなった後には、単独予告演出が実行されないように制限する。これにより、救済演出や特殊移行演出が実行される可能性が高い「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、この先読み予告演出とは別個に可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性が高いことを予告する「単独予告A」や「単独予告B」の予告演出といった、所定の単独予告演出を実行しないように制限を設けることができる。また、救済演出や特殊移行演出が実行される可能性が高い「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、この先読み予告演出とは別個に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることを確定的に予告する「単独予告C」の予告演出といった、所定の単独予告演出(確定報知演出)を実行しないように制限を設けることができる。
図20に示すステップS529にて以上のような単独予告決定処理を実行した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、先読み予告モードの設定、単独予告演出の決定結果などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図23は、可変表示中演出処理として、図17のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、先読み予告演出を実行するための先読み予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。先読み予告演出実行期間は、例えば図21に示すステップS710の処理による先読み予告モードの移行開始設定に対応して、図20に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて先読み予告演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、例えば先読み予告モードへと移行することを認識可能に報知する演出画像の表示といった、先読み予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図21に示すステップS710の処理による先読み予告モードの移行開始設定に対応して、図20に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて先読み予告演出を実行できればよい。
ステップS553の処理における演出動作制御によりパチンコ遊技機1における演出状態が先読み予告モードに移行したときには、例えば演出モードバッファの記憶データを更新することなどにより、先読み予告モードであることを特定可能に記憶させてもよい。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、移行前の演出モード(通常モードなど)に対応した記憶アドレスから、先読み予告モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。
ステップS552にて先読み予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、単独予告演出を実行するための単独予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。単独予告演出実行期間は、例えば図22(A)に示すステップS723の処理による単独予告演出の決定結果に対応して、図20に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にて単独予告演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、単独予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。
ステップS554にて単独予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS556にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS556;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS557)。
ステップS556にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS556;No)、ステップS557の処理を実行した後には、救済演出を実行するための救済演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。救済演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS558にて救済演出実行期間であると判定されたときには(ステップS558;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、救済演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS559)。
ステップS558にて救済演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS558;No)、ステップS559の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS560)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、演出モード復帰設定処理を実行する(ステップS563)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS564)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS565)、可変表示中演出処理を終了する。
図24は、演出モード復帰設定処理として、ステップS563にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出モード復帰設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出モードバッファの記憶データなどに基づいて、パチンコ遊技機1における現在の演出モードを特定する(ステップS731)。そして、このとき特定された演出モードが先読み予告モードであるか否かを判定する(ステップS732)。
ステップS732にて先読み予告モードであると判定されたときには(ステップS732;Yes)、先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達しているか否かを判定する(ステップS733)。このとき、先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達していなければ(ステップS733;No)、演出モード復帰設定処理を終了する。一方、先読み予告カウント値が先読み予告総変動回数に達したときには(ステップS733;Yes)、先読み予告モードから通常モードへと演出モードを復帰させることに伴い、「モード移行」の先読み予告演出を終了させるための設定を行う。すなわち、先読み予告種別の記憶を消去させるとともに(ステップS734)、先読み予告総変動回数の設定を消去させる(ステップS735)。また、先読み予告カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS736)。
ステップS732にて先読み予告モードではないと判定されたときには(ステップS732;No)、ステップS731の処理により特定された演出モードが確変潜伏モードであるか否かを判定する(ステップS737)。このとき、確変潜伏モードではないと判定された場合には(ステップS737;No)、演出モード復帰設定処理を終了する。一方、確変潜伏モードであると判定されたときには(ステップS737;Yes)、予め定められた復帰条件が成立したか否かを判定する(ステップS738)。復帰条件は、例えば確変潜伏モードにおける可変表示の実行回数が所定回数に達したことなどといった、確変潜伏モードから通常モードへと演出モードを復帰させるための所定条件であればよい。ステップS738にて復帰条件が成立していない場合には(ステップS738;No)、演出モード復帰設定処理を終了する。
ステップS736の処理を実行した後や、ステップS738にて復帰条件が成立したと判定された場合には(ステップS738;Yes)、先読み予告モードから通常モードへと演出モードを復帰させるための設定を行ってから(ステップS739)、演出モード復帰設定処理を終了する。一例として、ステップS739の処理では、演出モードバッファの記憶データを更新することなどにより、通常モードであることを特定可能に記憶させる。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、復帰前の演出モード(先読み予告モードまたは確変潜伏モード)に対応した記憶アドレスから、通常モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。
図25は、アタッカー短期開放時処理として、図17のステップS174にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。アタッカー短期開放時処理は、大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態となる場合や、小当り遊技状態となる場合に、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口が大入賞口扉により比較的に短い時間だけ開放状態に変化することに対応して、所定の演出動作を制御するために実行される処理である。
図25に示すアタッカー短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた特殊移行演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS581)。特殊移行演出中フラグは、大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態や小当り遊技状態における特殊移行演出の開始に対応して、後述するステップS585の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS581にて特殊移行演出中フラグがオフであるときには(ステップS581;No)、予め用意された特殊移行演出制御パターンを選択し、使用パターンにセットする(ステップS582)。また、特殊移行演出時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS583)。そして、特殊移行演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、特殊移行演出を開始するための演出制御を行う(ステップS584)。その後、特殊移行演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS585)、アタッカー短期開放時処理を終了する。このときには、演出プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときにアタッカー短期開放時処理が再び実行される。
ステップS581にて特殊移行演出中フラグがオンであるときには(ステップS581;Yes)、特殊移行演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS586)。このとき、特殊移行演出時間が経過していなければ(ステップS586;No)、例えば特殊移行演出制御パターンにおける設定などに基づいて、特殊移行演出の実行中における演出制御を行ってから(ステップS587)、アタッカー短期開放時処理を終了する。
ステップS586にて特殊移行演出時間が経過したと判定されたときには(ステップS586;Yes)、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS588)。このとき、当り終了指定コマンドの受信がなければ(ステップS588;No)、アタッカー短期開放時処理を終了する。なお、特殊移行演出時間が経過した後、当り終了指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、当り終了指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS588にて当り終了指定コマンドの受信があった場合には(ステップS588;Yes)、特殊移行演出を終了するための演出制御を行う(ステップS589)。また、パチンコ遊技機1における演出状態として、確変潜伏モードを開始させるための設定を行う(ステップS590)。一例として、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、確変潜伏モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS591)、アタッカー短期開放時処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における演出動作の具体例について説明する。
例えば図26(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、第1特図保留記憶数が「2」となっているものとする。このとき、図26(B)に示すように第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞が発生した。この第1始動入賞時には、第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されたことや(図4に示すステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されたことなどに基づいて(ステップS202;No)、入賞時乱数値判定処理(ステップS211)が実行される。そして、特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り決定範囲内であると判定された場合には(図6に示すステップS407;Yes)、当り時特定パターン決定範囲が設定される(ステップS412)。
こうして当り時特定パターン決定範囲が設定されたことに続いて、第1始動入賞の発生に対応して抽出された乱数値MR3(図4に示すステップS209)と、特定パターン決定範囲とを比較し(図6に示すステップS413)、特定パターン決定範囲内であるか否かの判定結果に応じた第1始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される(ステップS414)。このとき、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、救済演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、特定パターン決定範囲となり、乱数値MR3がこの範囲内であれば、当り時の特定パターン決定範囲内を通知する第1始動口入賞指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。
演出制御基板12の側にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aのチェック結果に基づいて受信コマンドありと判定される(図18に示すステップS502;Yes)。このとき、主基板11から伝送された演出制御コマンドを正常に受信できたとの判定結果や(ステップS506;Yes)、先読み予告演出を実行可能であるとの判定結果などに基づいて(ステップS508;Yes)、先読み予告の有無と種別とが決定される(ステップS509)。
先読み予告の有無と種別は、例えば図19に示すような始動口入賞指定コマンドによる指定内容に応じて異なる決定割合で決定される。これにより、第1始動口入賞指定コマンドにより当り時の特定パターン決定範囲内が通知された場合には、その他の場合よりも高い割合で、「モード移行」の先読み予告演出を実行することに決定される。そして、第1始動入賞時に対応して保留表示の更新が行われる(ステップS517)。その後、図26(C)に示すように、可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示されることで、可変表示が終了する。
続いて、第1特図保留記憶数が「3」であることに対応して(図10に示すステップS235;No)、新たな可変表示が開始される。このとき、「モード移行」の先読み予告種別が記憶されていることや(図21に示すステップS701;Yes)、先読み予告カウント値が「1」となっていることに対応して(ステップS709;Yes)、先読み予告モードへの移行を開始するための設定が行われる(ステップS710)。このような設定に基づいて、飾り図柄の可変表示が開始された後に先読み予告演出実行期間となったときには(図23に示すステップS552;Yes)、演出制御パターンの設定に基づく演出動作制御により(ステップS553)、先読み予告モードとして、例えば図26(D)に示すような「コスモスモード」に移行することを報知するモード移行演出が行われる。
こうして先読み予告モードとなる「コスモスモード」における飾り図柄の可変表示が進行して、図26(E)に示すように可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)が導出表示された後には、第1特図保留記憶数が「1」であることに対応して、図26(F)に示すように、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示が開始される。図7および図8に示す特定パターン決定範囲の設定や、図19に示す先読み予告演出を決定するための設定により、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、予告対象となる可変表示において飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となることが、確定的に報知される。
例えば図26(G)に示すように、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときには、まず、ノーマルのリーチ演出が実行される。具体的な一例として、図13に示す変動パターンPA3−1−2による可変表示では、図26(H)に示すようにリーチハズレ組合せを構成する飾り図柄が一旦停止表示されることで、可変表示結果が「ハズレ」となるような印象を遊技者に与える。
他の一例として、図13に示す変動パターンPA3−2−2や変動パターンPA3−3−2による可変表示では、図26(G)に示すようなノーマルのリーチ演出が実行されてから、リーチ演出が発展して、図27(A)〜(C)に示すようなスーパーA1のリーチ演出が実行される。その後、例えば図27(D)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにてリーチ態様を構成する飾り図柄とは異なる飾り図柄が仮停止表示される。そして、変動パターンPA3−2−2による可変表示では、図27(E)に示すようにリーチハズレ組合せを構成する飾り図柄が一旦停止表示されることで、可変表示結果が「ハズレ」となるような印象を遊技者に与える。一方、変動パターンPA3−3−2による可変表示では、さらにリーチ演出が発展して、図27(F)〜(H)に示すようなスーパーA2のリーチ演出が実行される。それから、図27(I)に示すようにリーチハズレ組合せを構成する飾り図柄が一旦停止表示されることで、可変表示結果が「ハズレ」となるような印象を遊技者に与える。
図26(H)や図27(E)、または図27(I)に示すように、リーチハズレ組合せを構成する飾り図柄が一旦停止表示された後には、例えば図28(A)、(B)に示すような救済演出が実行されてから、図28(C)に示すような大当り組合せを構成する確定飾り図柄が導出されることがある。なお、救済演出は、図13に示すような変動パターンの設定により、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合にのみ実行可能な演出である。したがって、図28(A)、(B)に示すような救済演出が実行されることにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることが、確定的に報知されて遊技者の喜悦感が高められる。加えて、図19に示すような設定により、始動口入賞指定コマンドの指定内容が当り時の特定パターン決定範囲内である場合には、その他の場合よりも高い割合で、「モード移行」の先読み予告演出が実行される。そのため、例えば図26(D)に示す「コスモスモード」といった先読み予告モードに移行した後には、たとえ飾り図柄の可変表示において大当り組合せとは異なるハズレ組合せの飾り図柄が停止表示されたときでも、救済演出や特殊移行演出が実行されることに対する期待感が高められる。すなわち、先読み予告モードへの移行といった特定演出を実行することで、ハズレ組合せの飾り図柄が停止表示されたときに遊技者の落胆を軽減または防止して、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
このような変動パターンの設定などにより、救済演出は、例えばノーマルのリーチ演出がスーパーリーチのリーチ演出となるタイミングや、スーパーリーチのリーチ演出のうちで第1段階のリーチ演出に続いて第2段階のリーチ演出が実行されるタイミングといった、リーチ演出が発展し得る複数のタイミングにそれぞれ対応して、実行することができる。すなわち、救済演出は、ノーマルのリーチ演出や、スーパーリーチのリーチ演出のうちで第1段階のリーチ演出あるいは第2段階のリーチ演出といった、リーチ演出における複数段階のそれぞれから実行することができる。これにより、リーチ演出が発展しないことで期待感が減退した遊技者に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることを確定的に報知して、遊技者の喜悦感が飛躍的に高められる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図19に示すような決定割合で先読み予告の有無や種別を決定することなどにより、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなることに加え、リーチ演出が実行された後に大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される割合が高くなる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる割合と、特殊移行演出が実行される割合とのうち、少なくともいずれか一方が高くなるものであればよい。
また、「モード移行」の先読み予告演出といった、予告対象となる可変表示が開始されるより前に特定の先読み予告演出が実行されることで救済演出や特殊移行演出が実行される割合が高くなるものに限定されず、開始条件が成立した今回の可変表示において特定の単独予告演出が実行されることで救済演出や特殊移行演出が実行される割合が高くなるものであってもよい。こうした特定の単独予告演出を、変動開始時予告や全図柄変動中予告、図柄減速時予告といった、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行される予告演出のいずれかとして決定してもよい。
変動開始時予告は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミング(変動開始タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性などを予告する演出動作である。全図柄変動中予告は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄が変動(高速変動)しているタイミング(全図柄変動タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性などを予告する演出動作である。図柄減速時予告は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部または全部にて飾り図柄が減速して停止(仮停止)に至るタイミング(図柄減速タイミング)にて、大当り遊技状態となる可能性などを予告する演出動作である。このように、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行される特定の予告演出(先読み予告演出または単独予告演出)により、リーチ演出の大当り期待度が低い場合でも、救済演出や特殊移行演出の実行に対する期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
以下に、特定の単独予告演出が実行されることで救済演出や特殊移行演出が実行される割合を高める設定例について説明する。この設定例では、複数の単独予告演出実行期間を設けて、いずれかの単独予告演出実行期間を選択して単独予告演出が実行される。より具体的には、複数の単独予告演出として、図29に示すような実行期間が異なる予告演出YA〜予告演出YCのうちから、いずれかを選択して実行することができればよい。演出制御用CPU120は、図20に示すステップS529の単独予告決定処理にて、例えば図30に示すような可変表示内容に応じて異なる割合で、単独予告の有無と、実行する場合に予告演出YA〜予告演出YCのうちいずれを実行するかとを、決定する。
図30に示す決定割合の設定例では、可変表示内容が「救済演出あり(非確変/確変)」や「非リーチ(突確/小当り)」、「リーチ(突確/小当り)」である場合に、その他の場合よりも十分に高い割合で、単独予告演出を実行することに決定される。特に、単独予告演出として予告演出YCに決定される割合は、可変表示内容が「救済演出あり(非確変/確変)」や「リーチ(突確/小当り)」であるときには十分に高くなる。図29に示すように、予告演出YCは、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるリーチ成立よりも後に実行期間が設定されている。これにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に予告演出YCが実行されたときには、予告演出YCが実行されないときよりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。あるいは、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に予告演出YCが実行されたときには、予告演出YCが実行されないときよりも高い割合で、リーチ演出が実行された後に大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。
図29に示すように、予告演出YCは、予告演出YA〜予告演出YCのうちで、実行期間が最も遅くなるように設定されている。したがって、例えば予告演出YAや予告演出YBの実行タイミングを第1タイミングとした場合に、予告演出YCの実行タイミングは、第1タイミングよりも遅い第2タイミングとなる。そして、図30に示すような決定割合で単独予告の有無や予告演出YA〜予告演出YCのいずれかに決定されることにより、第1タイミングに比べて遅い第2タイミングにて単独予告演出となる予告演出YCが実行された場合に、第1タイミングにて単独予告演出となる予告演出YAや予告演出YBが実行された場合よりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。こうして、複数のタイミングのうち遅い段階で特定演出となる予告演出YCが実行された場合に、高い割合で救済演出が実行されることで、大当り組合せとは異なるハズレ組合せの飾り図柄が停止表示されたときに遊技者の落胆を軽減または防止して、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
なお、複数のタイミングのうち遅い段階で可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことなどを示唆する演出が実行される場合には、可変表示結果が導出されるまでの時間が短くなることで、演出によって高められた遊技者の期待感を持続させることが不可能または困難になる場合がある。一方、複数のタイミングのうち遅い段階で特定演出となる予告演出YCが実行された場合に、高い割合で救済演出が実行されることで、大当り組合せとは異なるハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示された後も予告演出YCによって高められた期待感を持続させて、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
あるいは、図30に示すような決定割合で単独予告の有無や予告演出YA〜予告演出YCのいずれかに決定されることにより、第1タイミングに比べて遅い第2タイミングにて単独予告演出となる予告演出YCが実行された場合に、第1タイミングにて単独予告演出となる予告演出YAや予告演出YBが実行された場合よりも高い割合で、リーチ演出が実行された後に大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。こうして、複数のタイミングのうち遅い段階で特定演出となる予告演出YCが実行された場合に、高い割合で特殊移行演出が実行されることで、大当り組合せとは異なるハズレ組合せの飾り図柄が停止表示されたときに遊技者の落胆を軽減または防止して、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
なお、複数のタイミングのうち遅い段階で可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことなどを示唆する演出が実行される場合には、可変表示結果が導出されるまでの時間が短くなることで、演出によって高められた遊技者の期待感を持続させることが不可能または困難になる場合がある。一方、複数のタイミングのうち遅い段階で特定演出となる予告演出YCが実行された場合に、高い割合で特殊移行演出が実行されることで、大当り組合せとは異なるハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が一旦停止表示された後も予告演出YCによって高められた期待感を持続させて、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
図31は、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YAや予告演出YCの実行例を示している。例えば予告演出YAは、全図柄変動中予告として実行され、図31(A)に示すようなキャラクタが発する台詞を示す演出画像(例えば文字列画像など)の表示により、台詞の内容が報知される。なお、文字列画像といった演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力により、キャラクタが発する台詞の内容が報知されてもよい。あるいは、人物を模したキャラクタが発する台詞の内容を報知するものに限定されず、例えば画像表示装置5の画面上に表示されるメールあるいはカードに記載されたメッセージやコメントの内容を報知するものであってもよい。
このような予告演出YAが実行されるときには、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bといった操作手段に対する所定操作の検出結果に基づいて、キャラクタが発する台詞の内容が報知されてもよい。例えば台詞予告演出におけるキャラクタの表示が行われるとともに、所定期間にわたりスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する押引操作、もしくはプッシュボタン31Bに対する押下操作とのうち、一部または全部を有効に検出する操作有効期間となる。そして、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定操作が検出されたことに応じて、キャラクタが発する台詞の内容を報知する演出画像の表示(あるいは音声出力)などが行われてもよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する所定操作が検出されずに操作有効期間が終了したときには、台詞の内容が報知されずに予告演出YAが終了してもよい。一方、予告演出YAでは、操作手段に対する所定操作の検出結果にかかわらず、キャラクタが発する台詞の内容が報知されるようにしてもよい。
予告演出YAにおける演出態様として、台詞を発するキャラクタの種類や台詞の内容などを異ならせた複数種類の演出態様のうち、いずれかの演出態様となるようにしてもよい。この場合、台詞を発するキャラクタの種類や台詞の内容により可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なるように設定してもよい。あるいは、台詞を発するキャラクタの種類や台詞の内容が同じでも所定の演出態様(例えばキャラクタや文字列画像の一部または全部の表示色や模様がサクラ柄であるか否かなど)により可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なるように設定してもよい。この設定例では、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YAとして、図31(A)に示すようにキャラクタが発する台詞の背景画像がサクラ柄となった場合に、救済演出や特殊移行演出が実行される可能性が高くなればよい。
一方、予告演出YCは、リーチ成立後予告として実行され、図31(B)に示すようなキャラクタが発する台詞を示す演出画像(例えば文字列画像など)のカットイン表示により、台詞の内容が報知される。予告演出YCにおける演出態様として、カットイン表示される台詞の内容などを異ならせた複数種類の演出態様のうち、いずれかの演出態様となるようにしてもよい。この場合、台詞の内容により可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なるように設定してもよい。あるいは、台詞の内容が同じでも所定の演出態様(例えばキャラクタや文字列画像の一部または全部の表示色や模様がサクラ柄であるか否かなど)により可変表示結果が「大当り」となる可能性が異なるように設定してもよい。この設定例では、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YCとして、図31(B)に示すようにカットイン表示される台詞の背景画像がサクラ柄となった場合に、救済演出や特殊移行演出が実行される可能性が高くなればよい。
このように、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YAと予告演出YCとでは、例えば台詞の背景画像がサクラ柄になるといった、共通の模様または色彩となる演出態様を含んでいてもよい。実行タイミングが異なる複数の予告演出として共通の演出態様を含んだ予告演出が特定の単独予告演出となることで、単独予告演出の実行タイミングにかかわらず、特定の単独予告演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなり、救済演出や特殊移行演出の実行に対する期待感を適切に高めることができる。
例えば予告演出YAや予告演出YBのように、特定の単独予告演出に含まれる所定の予告演出が、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されたときには、これらの予告演出が実行されなかったときよりも高い割合で、スーパーリーチのリーチ演出といった、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)の高い演出が実行されるようにしてもよい。このように、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前の早い段階で特定の単独予告演出が実行されたときには、大当り信頼度の高い演出が実行されやすくなる。これにより、早い段階で特定の単独予告演出などが実行されることにより可変表示結果が「大当り」となる期待感を高め、このとき高められた期待感を持続させるととともに、特定の単独予告演出などが早い段階で実行されることに対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
救済演出や特殊移行演出が実行される可能性を高める特定の単独予告演出とは異なる演出として、演出画像の一部または全部がサクラ柄といった特定の模様または色彩を含む特定態様演出が実行されてもよい。こうした特定態様演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの複数のタイミングにて、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる可能性を示唆するように実行できるものであってもよい。例えば演出制御用CPU120は、可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれになるかに応じて異なる所定割合で、変動開始時予告、全図柄変動中予告、図柄減速時予告、リーチ成立後予告、リーチ発展時予告の一部または全部といった、複数の予告演出について、それぞれ実行するか否かの決定と、実行する場合における演出態様を示す演出パターンの決定との一方または双方を行えばよい。
特定態様演出は、変動開始時予告、全図柄変動中予告、図柄減速時予告、リーチ成立後予告、リーチ発展時予告のいずれかとして実行されてもよい。この場合、変動開始時予告、全図柄変動中予告、図柄減速時予告、リーチ成立後予告、リーチ発展時予告の一部または全部として、例えば演出画像がサクラ柄といった特定の模様または色彩を含まない通常態様画像を表示する予告演出と、演出画像の一部または全部をサクラ柄とすることで通常態様画像とは表示態様を異ならせた特殊態様画像の表示を含む予告演出とのうち、いずれかの予告演出を実行できればよい。そして、複数のタイミングで特定態様演出が実行されるか否かは、例えば大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)に応じて、異なるものとなればよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、それぞれのタイミングにて特定態様演出を実行することに決定されればよい。したがって、特定態様演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの複数のタイミングにて実行可能であり、複数のタイミングのうち第1タイミングにて特定態様演出を実行するときと、複数のタイミングのうち第1タイミングとは異なる第2タイミングにて特定態様演出を実行するときとで、共通の特殊態様画像を含む演出を実行すればよい。
このような複数のタイミングのうち、第1タイミングに比べて遅い第2タイミングにて特定態様演出が実行された場合に、第1タイミングにて特定態様演出が実行された場合よりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」となるようにしてもよい。一方、実行タイミングが異なる複数の特定態様演出として共通の演出態様を含んだ演出が実行されることで、特定態様演出の実行タイミングにかかわらず、特定態様演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなり、可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感を適切に高めることができる。
なお、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YA〜予告演出YCのうち、いずれか1つの予告演出が、飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出するまでの所定期間にて実行されるものに限定されない。例えば、特定の単独予告演出に含まれる予告演出YA〜予告演出YCのうち、2以上の予告演出を組み合わせて、飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出するまでの複数の期間にて実行されてもよい。
より具体的な一例として、演出制御用CPU120は、図20に示すステップS529の単独予告決定処理にて、例えば図32に示すような可変表示内容に応じて異なる割合で、予告演出の有無を決定する。そして、予告演出を実行する場合には、予告演出YAのみ、または予告演出YCのみとするか、あるいは予告演出YAと予告演出YCの両方を順次に実行するかを、所定割合で決定する。
図32に示す決定割合の設定例では、可変表示内容が「救済演出なし(非確変/確変)」である場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、予告演出を実行することに決定される。特に、予告演出YAと予告演出YCの両方を順次に実行することに決定される割合は、可変表示内容が「救済演出なし(非確変/確変)」であるときには十分に高くなる。したがって、複数のタイミングのうち第1タイミングにて予告演出YAが実行されるとともに、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて予告演出YCが実行されたときには、第1タイミングにおける予告演出YAのみが実行されたときや、第2タイミングにおける予告演出YCのみが実行されたときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」となる。加えて、第1タイミングにおける予告演出YAと第2タイミングにおける予告演出YCの両方が実行されたときには、救済演出が実行されずに大当り組合せの確定飾り図柄が導出されて可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなる。
また、可変表示内容が「リーチ:ノーマル(突確/小当り)」である場合にも、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、予告演出を実行することに決定される。特に、予告演出YAと予告演出YCの両方を順次に実行することに決定される割合は、可変表示内容が「リーチ:ノーマル(突確/小当り)」であるときには十分に高くなる。そして、ノーマルのリーチ演出に続いて確定飾り図柄が導出されて「突確」の大当り種別に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となった場合には、特殊移行演出を実行せずに確変潜伏モードとなるようにしてもよい。したがって、複数のタイミングのうち第1タイミングにて予告演出YAが実行されるとともに、第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて予告演出YCが実行されたときには、第1タイミングにおける予告演出YAのみが実行されたときや、第2タイミングにおける予告演出YCのみが実行されたときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる。加えて、第1タイミングにおける予告演出YAと第2タイミングにおける予告演出YCの両方が実行されたときには、特殊移行演出が実行されずに確変潜伏モードとなる割合が高くなる。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合や、可変表示結果が「小当り」となった場合に対応して、演出制御用CPU120が図25に示すようなアタッカー短期開放時処理を実行する。これにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合や、可変表示結果が「小当り」となった場合には、これらの可変表示結果が導出される可変表示における演出態様にかかわらず、常に特殊移行演出が実行されてから確変潜伏モードに移行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可変表示や可変表示結果が「小当り」となる可変表示における演出態様に応じて、特殊移行演出を実行するか否かの決定や、その決定割合を、異ならせてもよい。例えば、図32に示すような可変表示内容のうち、「非リーチ(突確/小当り)」であった場合には、特殊移行演出を実行せずに確変潜伏モードに移行する。一方、可変表示内容が「リーチ:スーパー(突確/小当り)」であった場合には、可変表示内容が「リーチ:ノーマル(突確/小当り)」であった場合よりも高い割合で、特殊移行演出を実行してから確変潜伏モードに移行すればよい。
また、大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときに特殊移行演出を実行するものに限定されず、飾り図柄の可変表示が開始された後に可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される以前に、特殊移行演出を実行するものであってもよい。この場合には、上記実施の形態において大当り種別が「非確変」または「確変」となることに対応して実行される救済演出と同様に、変動パターンの設定などにより、例えばノーマルのリーチ演出がスーパーリーチのリーチ演出となるタイミングや、スーパーリーチのリーチ演出のうちで第1段階のリーチ演出に続いて第2段階のリーチ演出が実行されるタイミングといった、リーチ演出が発展し得る複数のタイミングにそれぞれ対応して、特殊移行演出を実行することができればよい。これにより、リーチ演出が発展しないことで期待感が減退した遊技者に、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可能性があることを報知して、遊技者の期待感が高められる。
上記実施の形態では、図20に示すステップS529の単独予告決定処理として図22(A)に示すような処理が実行される。これにより、「モード移行」の先読み予告演出が実行されてパチンコ遊技機1における演出状態が先読み予告モードとなっているときには、「単独予告A」〜「単独予告C」といった可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性が高いことを予告する演出を、先読み予告演出とは別個に実行しないように制限する。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「モード移行」の先読み予告演出が実行されて先読み予告モードとなっているときには、例えば通常時の演出モードであるときよりも低い割合で、「単独予告A」または「単独予告B」の予告演出といった、所定の単独予告演出を実行することに決定できるように設定してもよい。
あるいは、「モード移行」の先読み予告演出が実行されて先読み予告モードとなっているときには、先読み予告モードではないときと同様の決定割合で、「単独予告A」または「単独予告B」の予告演出を実行するか否かを決定するものの、単独予告演出の実行には予め定められた制限を設けてもよい。例えば、単独予告演出における演出画像を縮小表示したり、効果音出力の音量を低下させたり、あるいは、演出用模型の動作量を低下させたりすることにより、単独予告演出が遊技者に認識困難な演出態様で実行されるように制限するものであってもよい。
また、図20に示すステップS529の単独予告決定処理として図22(A)に示すような処理を実行すれば、「単独予告C」といった可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する確定報知演出を、先読み予告演出とは別個に実行しないように制限することができる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば先読み予告モードとなっているか否かにかかわらず、所定割合で「単独予告C」の予告演出を実行するか否かを決定するものの、確定報知演出を実行するときには予め定められた制限を設けてもよい。例えば図23に示すステップS555にて単独予告演出を実行するための演出動作制御を行うときに、パチンコ遊技機1における演出状態が先読み予告モードであるときには、「単独予告C」の予告演出を実行しないように制限するものであってもよい。
図20に示すステップS529の単独予告決定処理では、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどに基づいて、救済演出や特殊移行演出が実行されるか否かを判定し、これらの演出のいずれかが実行される場合には、「単独予告C」といった可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する確定報知演出を、実行しないように制限してもよい。このように、「単独予告C」といった可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する確定報知演出を、救済演出や特殊移行演出とは別個に実行しないように制限すればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、先読み予告演出や単独予告演出といった予告演出、救済演出や特殊移行演出などの所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば図18に示すステップS509の処理にて、図19に示すような決定割合で「モード移行」の先読み予告演出を実行するか否かを決定する。したがって、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。これにより、特定演出となる先読み予告演出が実行されたときにリーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示された場合であっても、救済演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となることへの期待感が高められて遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
また、図19に示すような決定割合で「モード移行」の先読み予告演出を実行するか否かを決定することで、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。これにより、特定演出となる先読み予告演出が実行されたときにリーチハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が停止表示された場合であっても、特殊移行演出が実行されて確変潜伏モードに移行して確変状態となることへの期待感が高められて遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
図29に示すように、可変表示中における複数の実行期間にて実行可能な予告演出YA〜予告演出YCのうちで、最も遅い実行期間における予告演出YCが実行された場合には、より早い実行期間における予告演出YAや予告演出YBが実行された場合よりも高い割合で、救済演出が実行された後に可変表示結果が「大当り」となる。これにより、特定演出となる予告演出が複数のタイミングのうち第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行された場合に、リーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示されたときに遊技者の落胆を軽減または防止し、また、リーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示された後も特定演出の実行により高められた期待感を持続させて、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
また、予告演出YA〜予告演出YCのうちで、最も遅い実行期間における予告演出YCが実行された場合には、より早い実行期間における予告演出YAや予告演出YBが実行された場合よりも高い割合で、パチンコ遊技機1における演出状態が確変潜伏モードに移行することを報知する特殊移行演出が実行される。これにより、特定演出となる予告演出が複数のタイミングのうち第1タイミングよりも遅い第2タイミングにて実行された場合に、リーチハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が停止表示されたときに遊技者の落胆を軽減または防止し、また、リーチハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が一旦停止表示された後も特定演出の実行により高められた期待感を持続させて、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる以前に、「モード移行」の先読み予告演出や特定の単独予告演出が実行されることで、救済演出や特殊移行演出が実行される割合が高くなる。これにより、例えば大当り期待度が低いリーチ演出に続いてリーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示または完全停止表示された場合であっても、救済演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となることや、特殊移行演出が実行されて確変潜伏モードに移行して確変状態となることへの期待感が高められて遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
図13に示す変動パターンの設定などにより、救済演出は、ノーマルのリーチ演出や、スーパーリーチのリーチ演出のうちで第1段階のリーチ演出あるいは第2段階のリーチ演出といった、リーチ演出における複数段階のそれぞれから実行することができる。こうして、例えば大当り期待度が低いリーチ演出の段階でリーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示または完全停止表示された場合であっても、救済演出が実行されて可変表示結果が「大当り」となることや、特殊移行演出が実行されて確変潜伏モードに移行して確変状態となることへの期待感が高められて遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
例えば図22(A)に示すステップS723の処理では、図22(B)に示すような決定割合で「単独予告B」の単独予告演出を決定する。したがって、単独予告演出における演出態様が「単独予告B」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「確変」となる可能性が高くなる。一方、図22(A)に示すステップS722の処理にて先読み予告モードであると判定されたときには、ステップS723の処理を実行しないように制限することで、「単独予告B」の予告演出に制限を設ける。これにより、大当り信頼度が高い予告演出により遊技者の期待感が高められた後に、救済演出の実行に対応してリーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示されることを抑制して遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
また、図22(A)に示すステップS723の処理では、図22(B)に示すような決定割合で「単独予告A」の単独予告演出を決定する。したがって、単独予告演出における演出態様が「単独予告A」となったときには、大当り種別が「突確」に対応した大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、確変潜伏モードに移行する可能性が高くなる。一方、図22(A)に示すステップS722の処理にて先読み予告モードであると判定されたときには、ステップS723の処理を実行しないように制限することで、「単独予告A」の予告演出に制限を設ける。これにより、確変潜伏モードに移行する可能性が高い予告演出により遊技者の期待感が高められた後に、特殊移行演出の実行に対応してリーチハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が停止表示されることを抑制して遊技者の落胆を軽減または防止し、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
通常態様画像を表示する予告演出における演出画像の一部または全部をサクラ柄とすることで、通常態様画像とは表示態様を異ならせた特殊態様画像の表示を含む予告演出を、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでの複数のタイミングにて実行可能とし、特定態様演出が実行されたときには、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態となる可能性が高められる。そして、複数のタイミングのうち第1タイミングにて特定態様演出を実行するときと、複数のタイミングのうち第1タイミングとは異なる第2タイミングにて特定態様演出を実行するときとで、共通の特殊態様画像を含む演出を実行する。これにより、特定態様演出の実行タイミングにかかわらず、特定態様演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなり、可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感を適切に高めることができる。
このような特定態様演出を、例えば特定の単独予告演出に含まれる予告演出YAと予告演出YCのような、救済演出や特殊移行演出が実行される割合が高くなる特定演出として実行することができる。こうして、実行タイミングが異なる複数の予告演出として共通の演出態様を含んだ予告演出が特定の単独予告演出となることで、単独予告演出の実行タイミングにかかわらず、特定の単独予告演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなり、救済演出や特殊移行演出の実行に対する期待感を適切に高めることができる。
図29および図30に示す予告演出YAや予告演出YBのように、特定の単独予告演出に含まれる所定の予告演出が、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前に実行されたときには、これらの予告演出が実行されなかったときよりも高い割合で、スーパーリーチのリーチ演出といった、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)の高い演出が実行される。これにより、早い段階で特定演出となる演出が実行された場合でも遊技者の期待感を持続させるとともに、早い段階で特定演出が実行されることを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図32に示すような設定において、予告演出YAと予告演出YCの両方を順次に実行することに決定される割合は、可変表示内容が「救済演出なし(非確変/確変)」であるときには十分に高くなる。したがって、予告演出YAと予告演出YCの両方が実行されたときには、一方のみが実行されたときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」になるとともに、救済演出が実行されずに大当り組合せの確定飾り図柄が導出される。これにより、早い段階で特定演出となる演出が実行された場合でも、さらに特定演出が実行されることに対する期待感を高めるとともに、救済演出の実行を抑制することで期待感が過剰に高められることを防止して、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
図32に示すような設定において、予告演出YAと予告演出YCの両方を順次に実行することに決定される割合は、可変表示内容が「リーチ:ノーマル(突確/小当り)」であるときには十分に高くなる。したがって、予告演出YAと予告演出YCの両方が実行されたときには、一方のみが実行されたときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるとともに、特殊移行演出が実行されずに確変潜伏モードとなる。これにより、早い段階で特定演出となる演出が実行された場合でも、さらに特定演出が実行されることに対する期待感を高めるとともに、特殊移行演出の実行を抑制することで期待感が過剰に高められることを防止して、遊技の興趣が低下することを軽減または防止できる。
図22(A)に示すステップS723の処理では、図22(B)に示すような決定割合で「単独予告C」の単独予告演出を決定する。したがって、単独予告演出における演出態様が「単独予告C」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「確変」となることが確定的に報知される。一方、図22(A)に示すステップS722の処理にて先読み予告モードであると判定されたときには、ステップS723の処理を実行しないように制限することで、「単独予告C」の予告演出が実行されないように制限する。これにより、確定報知演出が実行された後に救済演出の実行に対応してリーチハズレ組合せの飾り図柄が一旦停止表示されることを防止して、救済演出に対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。また、確定報知演出が実行された後に特殊移行演出の実行に対応してリーチハズレ組合せ(または非リーチ組合せ)の飾り図柄が停止表示されることを防止して、特殊移行演出に対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。