以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしていもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、確変状態や時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、可変表示中予告演出ともいう)と称される。
先読み予告演出として、例えば「特殊図柄」や「保留表示」、「モード移行」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができればよい。「特殊図柄」の先読み予告演出は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せとすることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
「保留表示」の先読み予告演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
「モード移行」の先読み予告演出は、パチンコ遊技機1における演出状態を通常時における演出モードとは異なる先読み予告モードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の画面上における背景画像を、通常時の背景画像とは異なる特定表示態様の背景画像に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
この実施の形態では、普通図柄表示器20における普通図柄の可変表示と合わせて、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などにより、普通図柄の表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるかなどを、普通図柄の表示結果が導出表示される前に遊技者に予告報知するための普図連動演出が実行されることがある。一例として、画像表示装置5の画面上には普図連動演出実行エリア5F(図31を参照)が設けられ、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットが回転するような演出画像を表示することで普図連動演出が実行される。そして、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合には普図連動演出実行エリア5Fに「○」の図柄が停止表示され、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる場合には普図連動演出実行エリア5Fに「×」の図柄が停止表示されることにより普通図柄の表示結果を予告報知する。
このような普通図柄の表示結果の報知(特に「普図当り」となることの報知)は、「普図当り」となったことに対応して普通可変入賞球装置6Bの開放(拡大開放制御)が行われるより、所定期間前に実行される。ここでいう所定期間とは、遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間であることが望ましい。このようにすることで、普図連動演出による報知結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。
また、普図連動演出において、普通図柄の可変表示とは別個に行われている特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆、報知する特図表示結果報知が実行される場合がある。この場合、普図連動演出実行エリア5Fに「チャンス」や「激アツ」の文字など、「大当り」となる文字が停止表示されることにより、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となることを示唆できる。
なお、普図連動演出は、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりするものであってもよい。また、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが含まれてもよい。
普図連動演出における普通図柄の表示結果の報知は、高頻度制御予告演出ともいう。一方、普図連動演出における特図表示結果報知は、特定表示結果予告演出ともいう。この実施の形態の高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普図連動演出実行エリア5Fにて、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットが回転する普図連動演出によって実行されるがこれに限定されない。高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普通図柄の変動に連動して実行される一の演出において、普通図柄の表示結果、及び/または、特別図柄の表示結果が示唆・予告されるものであればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図6は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図10)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図12)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図6に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるときの大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のうちいずれとなるかを特定する(ステップS408)。例えばステップS408の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値に対応して大当り種別の決定に用いられるデータ(大当り種別決定用テーブルデータ)を選択する。こうして選択されたデータと、図4に示すステップS209の処理により抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2とを比較(逐一比較、または最小値や最大値との比較)することにより、乱数値MR2に基づいて大当り種別がいずれに決定されるかを特定する。このときには、ステップS408の処理により特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS409)。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、小当り決定範囲を設定する(ステップS410)。このときには、ステップS405の処理による大当り決定範囲の設定と同様に、例えば特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「小当り」に割り当てられた決定値の範囲が、小当り決定範囲として設定されればよい。こうした小当り決定範囲の設定に続いて、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り決定範囲とを比較する(ステップS411)。これにより、乱数値MR1が小当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS412)。この判定は、ステップS407の処理による大当り決定範囲内であるか否かの判定と同様に、乱数値MR1と決定値との逐一比較、または最小値や最大値との比較により、行われるものであればよい。
ステップS412にて小当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS412;No)、特定パターン決定範囲を設定する(ステップS413)。特定パターン決定範囲は、例えば合計保留記憶数にかかわらず、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。
ステップS413の処理では、ステップS401の処理により特定された遊技状態に応じて、異なる特定パターン決定範囲が設定されてもよい。一例として、図7に示すように、遊技状態が通常状態である通常時における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」となる範囲に設定する。一方、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「240」〜「251」となる範囲に設定する。可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる可変表示が開始されるときには、図15(A)に示すような通常時のハズレ変動パターン決定テーブル132Aまたは図15(B)に示すような時短中のハズレ変動パターン決定テーブル132Bを用いて、変動パターンが決定される。
図15(A)に示す通常時におけるハズレ変動パターン決定テーブル132Aの設定では、乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。また、図15(B)に示す時短中におけるハズレ変動パターン決定テーブル132Bの設定では、乱数値MR3が「240」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における合計保留記憶数にかかわらず、通常時には乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、また、時短中には乱数値MR3が「240」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンという、特定の変動パターンに決定されると判定することができる。そこで、図6に示すステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が通常状態であれば、ステップS413の処理により「230」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定する。また、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中であれば、ステップS413の処理により「240」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定すればよい。
ステップS413の処理により特定パターン決定範囲を設定した後には、図4に示すステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、特定パターン決定範囲とを比較する(ステップS414)。そして、乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS415)。こうした判定を行うための手法は、ステップS407やステップS412の処理により乱数値MR1が大当り決定範囲内や小当り決定範囲内であるか否かを判定するための手法と同様であればよい。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1および変動パターン決定用の乱数値MR3など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S409、S412、S415の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS416)。図8は、ステップS416の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS409にて大当り種別が「突確」であると判定されたときには通知内容が「短期開放大当り判定あり」に設定される一方、ステップS409にて大当り種別が「突確」以外であると判定されたときには通知内容が「通常開放大当り判定あり」に設定される。ステップS412にて小当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS412;Yes)、通知内容が「小当り判定あり」に設定される。ステップS415にて特定パターン決定範囲内であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」に設定される一方、ステップS415にて特定パターン決定範囲外であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」に設定される。
図9(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS416の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図9(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図9(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「通常開放大当り判定あり」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「短期開放大当り判定あり」を示している。コマンドB103HやコマンドB203Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」を示している。コマンドB104HやコマンドB204Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」を示している。
ステップS416の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS417)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS416の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータをセットすることにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドが送信される。
ステップS417の処理により、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS417の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS418)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図9(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図6に示すステップS418の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS418の処理により、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S415の処理を実行せずにステップS416の処理に進み、特定パターン決定範囲の判定が制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて特定パターンの判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図11(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図11(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図11(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図11(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、変動特図が第2特図である場合よりも高い所定割合で、特図表示結果が「小当り」に決定される。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されにくいように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがないように設定してもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図11(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、変動特図が第2特図である場合よりも高い所定割合で、大当り種別が「突確」に決定される。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されにくいように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。この場合、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図13は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図12に示すステップS262の処理では、例えば図14(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130を用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブル130では、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブル130を参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12に示すステップS264の処理では、例えば図14(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル131を用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブル131では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。
図12に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、通常時には、図15(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Aを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中には、図15(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図15(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Aでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図15(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図12に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図13に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図16(A)は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS131)。例えば、ステップS131のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、例えばRAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を遊技球が通過したものの未だ開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部は、通過ゲート41の通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部に記憶された保留データは、普通図柄を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)に基づき「普図当り」に決定されるか否かなどを判定可能にする普図保留記憶情報となる。
ステップS131のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、ステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普通図柄判定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)から開放状態(拡大開放状態)に変化させるための設定などが行われる。
ステップS140の普通図柄通常処理にて実行される普通図柄判定処理では、普図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データ(普図保留記憶情報)である普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データが、CPU103によって読み出される。このときには、普図保留記憶部において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)を、1エントリずつ上位にシフトする。こうして読み出された保留データに基づいて、所定の普図表示結果決定テーブルを参照することにより、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかが決定される。普図表示結果決定テーブルでは、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、普図表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。
普図表示結果を「普図当り」とするか否かの決定割合は、パチンコ遊技機1において時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース時であるか、高開放制御が行われていない低ベース時であるかに応じて、異なるように設定されればよい。図16(B1)および(B2)は、低ベース時であるか高ベース時であるかに応じた普図表示結果を決定する割合の設定例を示している。この設定例では、高ベース時において、低ベース時よりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定される。また、普図変動時間は、高ベース時において、低ベース時よりも短く設定される。普図表示結果が「普図当り」となった場合に第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)から開放状態(拡大開放状態)とする時間(開放時間)や回数(開放回数)も、高ベース時であるか低ベース時であるかに応じて異ならせている。こうした設定の一部または全部により、高ベース時には低ベース時よりも第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となる割合が高くなり、遊技球が高い頻度で第2始動入賞口を通過(進入)する。
普図表示結果が「普図当り」に決定されたときには、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図当りフラグをオン状態にセットすればよい。また、普図変動時間の設定を行い、主基板11から演出制御基板12に対して、普図変動開始コマンドを送信するための設定を行う。普図変動開始コマンドは、普図表示結果や普図変動時間の決定結果などを示すコマンドであればよい。なお、普図変動開始コマンドとは別に、普図表示結果を示す演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしてもよい。ただし、普図変動開始コマンドにより普図表示結果が示されることで、別個に普図表示結果を示す演出制御コマンドを送信する必要がなくなることから、主基板11から演出制御基板12に対して送信する演出制御コマンドの数を削減して、主基板11における制御負担や記憶データの容量を低減することができる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、図17(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、図17(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図17(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図6に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図17(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図17(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図17(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数よりも保留表示番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第1特図保留記憶数が第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶内容から特定される第1特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりも保留表示番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における特図保留記憶数と保留表示番号の相違は矛盾(不整合)となり得る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理では、まず、先読み予告となる予告演出(先読み予告演出)を実行するか否かなどを決定する先読み予告決定処理(ステップS161)と、普通図柄の可変表示に合わせた普図連動演出の実行を制御する普図連動制御処理(ステップS162)とが実行される。普図連動制御処理を実行した後には、演出プロセスフラグが“0”の場合に可変表示開始待ち処理(ステップS170)を実行し、演出プロセスフラグが“1”の場合に可変表示開始設定処理(ステップS171)を実行し、演出プロセスフラグが“2”の場合に可変表示中演出処理(ステップS172)を実行し、演出プロセスフラグが“3”の場合に特図当り待ち処理(ステップS173)を実行し、演出プロセスフラグが“4”の場合にアタッカー短期開放時処理(ステップS174)を実行し、演出プロセスフラグが“5”の場合にアタッカー通常開放時処理(ステップS175)を実行し、演出プロセスフラグが“6”の場合にエンディング演出処理(ステップS176)を実行する。
図19は、先読み予告決定処理として、図18のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。そして、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aまたは第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに、始動口入賞指定コマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、少なくともいずれか1つが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定できる。
ステップS502にていずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS502;No)、先読み予告決定処理を終了する。一方、受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS502;Yes)、既に先読み予告演出を実行している先読み予告実行中であるか否かを判定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた先読み予告フラグがオンであるときに、先読み予告を実行中であると判定すればよい。先読み予告フラグは、所定の先読み予告となる予告演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
ステップS503にて先読み予告実行中であると判定された場合には(ステップS503;Yes)、所定の第2始動入賞割込み判定処理を実行する(ステップS503A)。一方、先読み予告実行中ではないと判定された場合には(ステップS503;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限があるか否かを判定する(ステップS504)。演出制御用CPU120は、所定の先読み制限条件が成立したか否かの判定を行い、成立したと判定された場合に、先読み予告制限があると判定すればよい。先読み制限条件は、例えば第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「入賞時判定制限中」である場合に成立すればよい。
この実施の形態において、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。この場合、高開放制御が行われている高ベース中には、第2始動入賞口に遊技球を容易に通過(進入)させて、優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、例えば可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回にわたり容易に繰り返し実行することができる。このとき、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になれば、先読み予告による予告対象となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になることもあわせて、遊技状態を繰り返し大当り遊技状態とすることが可能になり、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
また、仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、この先読み予告により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識した遊技者は、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかを、自己の技量により選択することができる。そのため、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングが、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース中には、第1始動入賞の発生に基づく先読み予告の実行を制限する先読み制限条件を成立させる。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。遊技状態が大当り遊技状態であるときにも、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御に伴う高開放制御が行われることから、同様に先読み制限条件を成立させる。
ステップS504にて先読み予告制限なしと判定された場合には(ステップS504;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS505)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS506にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS506;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されている前回までの始動口入賞指定コマンドをチェックして(ステップS507)、先読み予告演出を実行可能な判定結果情報であるか否かを判定する(ステップS508)。例えば、ステップS507の処理では、最新の始動口入賞指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドの通知内容を読み取る。ステップS508の処理では、ステップS507における読取結果により、予告対象となる可変表示より前に可変表示結果が「大当り」や「小当り」となるものが含まれている場合には、先読み予告演出を実行不可能であると判定すればよい。あるいは、予告対象となる可変表示より前に飾り図柄の可変表示状態が特定の表示態様となるものが含まれている場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。すなわち、最新の始動口入賞指定コマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドの通知内容がすべて「ハズレ時特定パターン判定なし」であるときに、先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
また、ステップS508の処理では、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定数未満(例えば「2」未満など)である場合に、先読み予告演出を実行不可能であると判定してもよい。特図保留記憶数が「1」であるときには、予告対象となる可変表示の他に保留記憶されている可変表示がない。したがって、始動入賞が発生した後に新たな可変表示の実行に伴って先読み予告演出が開始される場合に、このような先読み予告演出を予告対象となる可変表示の開始よりも前に実行できないと判断すればよい。なお、始動入賞が発生すれば直ちに実行を開始できる先読み予告演出については、特図保留記憶数によらす先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS508にて先読み予告演出を実行可能であると判定された場合には(ステップS508;Yes)、先読み予告演出を実行するか否かという先読み予告の有無と、実行する場合における先読み予告の種別(先読み予告種別)とを決定する(ステップS509)。一例として、ステップS509の処理では、先読み予告の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告種別決定テーブルを選択してセットする。先読み予告種別決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された始動口入賞指定コマンドの通知内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告を実行しない場合に対応する「予告なし」の決定結果や、先読み予告を実行する場合における「特殊図柄」、「保留表示」、「モード移行」といった複数の先読み予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告種別決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とを決定すればよい。
図20は、ステップS509の処理による先読み予告演出の有無と先読み予告種別の決定例を示している。この決定例では、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)による始動入賞時の通知内容(入賞時判定結果の指定内容)が、「ハズレ時特定パターン判定なし」または「ハズレ時特定パターン判定あり」の通知内容のいずれであるかと、これら以外の可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した通知内容であるかとに応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告種別が決定される割合を異ならせている。例えば、始動入賞時の通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」や「上記以外(大当り/小当り)」であるときには、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」であるときよりも高い割合で、先読み予告演出を実行することに決定される。こうした設定により、先読み予告演出が実行されたときには、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる可能性が高くなる。
また、始動入賞時の通知内容が「上記以外(大当り/小当り)」であるときには、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」や「ハズレ時特定パターン判定なし」であるときよりも高い割合で、先読み予告演出を実行することに決定される。特に、先読み予告種別が「モード移行」に決定される割合は、始動入賞時の通知内容が「上記以外(大当り/小当り)」であるときには十分に高くなる。これにより、「モード移行」の先読み予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる。
図19に示すステップS509の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告なし」であるか否かを判定する(ステップS510)。このとき、いずれかの先読み予告種別に決定されて「予告なし」ではないと判定された場合には(ステップS510;No)、「保留表示」の先読み予告演出を実行するか否かを判定する(ステップS511)。なお、ステップS510の処理にて先読み予告演出を実行すると判定されたときには、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた先読み予告フラグをオン状態にセットしてもよい。
ステップS511にて保留表示予告を実行すると判定されたときには(ステップS511;Yes)、「保留表示」の先読み予告演出における演出態様に対応した保留表示予告パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS512)。一例として、ステップS512の処理では、保留表示予告パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された保留表示予告パターン決定テーブルを選択してセットする。保留表示予告パターン決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された始動口入賞指定コマンドの通知内容などに応じて、保留表示予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の保留表示予告パターンなどに割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示予告パターンを決定すればよい。
ステップS512の処理を実行した後には、保留表示予告パターンの決定結果に基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を、通常時とは異なる特殊態様で1つ増加させる予告更新制御を行ってから(ステップS513)、先読み予告決定処理を終了する。こうして、「保留表示」の先読み予告演出が実行されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示が、通常時とは異なる形状、模様もしくは色彩、または、これらの結合により、1つ増加するように更新されればよい。
ステップS511にて保留表示予告を実行しないと判定されたときには(ステップS511;No)、先読み予告演出の総実行回数を設定する(ステップS514)。例えば、ステップS514の処理では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、先読み予告種別が「特殊図柄」に決定されたときは、予告対象となる可変表示が第2特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、第2特図保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。一方、予告対象となる可変表示が第1特図を用いた特図ゲームに対応して行われるのであれば、合計保留記憶数から「1」を差し引いた可変表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。また、先読み予告種別が「モード移行」に決定されたときは、第2特図保留記憶数や合計保留記憶数から「1」を差し引くことなく、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。
ステップS514の処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」を設定する(ステップS515)。続いて、先読み予告実行設定情報となる所定情報を、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に格納して記憶させる(ステップS516)。先読み予告実行設定情報は、先読み予告種別が「特殊図柄」と「モード移行」のいずれであるかを示す情報や、先読み予告演出の総実行回数を示す情報などを、含んで構成されればよい。また、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が保留記憶されるときに受信した始動口入賞指定コマンドにおける通知内容を示す情報が、含まれてもよい。さらに、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示であるか、第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示であるかを示す情報が、含まれてもよい。
その後、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を通常時の表示態様で1つ増加させる通常更新制御を行ってから(ステップS517)、先読み予告決定処理を終了する。一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のそれぞれに対応して、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示画像が変更される複数の表示部位が設けられている。ステップS517の処理では、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、例えば第1始動入賞口に対応した通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第1始動入賞口に対応した表示部位のうち左端の表示部位)に丸形の表示画像を所定の表示色(青色など)で表示させる。一方、ステップS517の処理では、第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、例えば第2始動入賞口に対応した通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第2始動入賞口に対応した表示部位のうち左端の表示部位)に星形の表示画像を所定の表示色で表示させる。
図19に示す先読み予告決定処理では、ステップS503の処理により先読み予告実行中であると判定された場合に、ステップS503Aにて第2始動入賞割込み判定処理を実行してから、ステップS517の処理に進み、ステップS509の処理が実行されないように制限する。これにより、この実施の形態では、既に先読み予告となる予告演出を実行中である場合、さらに先読み予告が実行されないように制限して、先読み予告の途中変更や重複を防止する。なお、可変表示結果が「大当り」に決定される旨を示す判定結果情報(始動口入賞指定コマンド)や特定の変動パターンに決定される旨を示す判定結果情報(始動口入賞指定コマンド)が得られたときには、実行中の先読み予告を途中変更または重複して、新たな先読み予告を実行するようにしてもよい。あるいは、判定結果情報の内容にかかわらず、実行中の先読み予告を途中変更または重複して、新たな先読み予告を実行可能にしてもよい。あるいは、例えば「保留表示」の先読み予告演出については重複して新たな先読み予告を実行可能にする一方で、「特殊図柄」や「モード移行」の先読み予告演出については先読み予告の途中変更や重複を防止するといったように、先読み予告種別に応じて新たな先読み予告を実行可能とするか否かを異ならせてもよい。
図21は、第2始動入賞割込み判定処理として、図19のステップS503Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。第2始動入賞割込み判定処理は、先読み予告演出の実行が開始された後の先読み予告実行中に第2始動入賞が発生したことにより、予告対象となる可変表示よりも優先して実行されることになる可変表示が割り込んだか否かを判定するための処理である。この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞が発生した順番に従って実行が開始される。したがって、第2始動入賞の発生に基づく可変表示の割込みは、第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示を予告対象とする先読み予告演出が実行されているときに発生する可能性がある。
図21に示す第2始動入賞割込み判定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS601)。例えば、ステップS601の処理では、新たな受信コマンドに第2始動口入賞指定コマンドが含まれているか否かに応じて、第2始動入賞が発生したか否かを判定すればよい。
ステップS601にて第2始動入賞が発生していないときには(ステップS601;No)、第2始動入賞割込み判定処理を終了する。一方、第2始動入賞が発生したときには(ステップS601;Yes)、例えば先読み予告実行設定情報を読み取ることなどにより、「モード移行」の先読み予告演出を実行する設定としてのモード移行予告実行設定があるか否かを判定する(ステップS602)。そして、モード移行予告実行設定があることに対応して(ステップS602;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた第2始動入賞割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS603)。第2始動入賞割込みフラグは、第2始動入賞の発生に基づく可変表示が割り込んで実行される場合に、後述するステップS606の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS603にて第2始動入賞割込みフラグが既にオンであるときには(ステップS603;Yes)、第2始動入賞割込み判定処理を終了する。なお、このときには、第2始動入賞に基づく可変表示を割り込んで実行する回数をカウントするための割込可変表示カウンタにおける格納値(割込可変表示カウント値)を、1加算するように更新してもよい。これに対して、第2始動入賞割込みフラグがオフであるときには(ステップS603;No)、先読み予告の残り実行回数として、「モード移行」の先読み予告演出が実行される残り回数を特定する(ステップS604)。例えば、ステップS604の処理では、先読み予告実行設定情報に示される先読み予告演出の総実行回数と、先読み予告カウンタの格納値である先読み予告カウント値との差分を、先読み予告の残り実行回数として特定すればよい。
演出制御用CPU120は、こうしたステップS604の処理により特定された先読み予告の残り実行回数が、第2特図保留記憶数より少ないか否かを判定する(ステップS605)。ここで、先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数よりも少なければ、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される第2特図を用いた特図ゲームが実行されているあいだに、先読み予告演出による予告対象となる可変表示が開始され、その可変表示が終了すれば先読み予告演出の実行も終了する。すなわち、この場合には、第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となっている。一方、先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数よりも多ければ、第2特図を用いた特図ゲームがすべて実行された後でも、先読み予告の残り実行回数が「1」以上となり、さらに第1特図を用いた特図ゲームが実行されることで、先読み予告演出による予告対象となる可変表示が実行されることになる。すなわち、この場合には、第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となっている。なお、ステップS605の処理が実行されるときには、新たな第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに対応して、新たな第2始動入賞が発生している。したがって、ステップS605の処理が実行されたときに、先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数と等しい場合には、第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となっていることになる。
図22は、先読み予告の残り実行回数が「2」の場合に、第2始動入賞の発生に基づく可変表示の割込みが発生するときと発生しないときの具体例を示している。一例として、図22(A1)に示すように、第1特図保留記憶数が「3」であり第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図を用いた特図ゲームのうち保留番号「2」となる2番目の特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となる。このとき、図22(B1)に示すように、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過して第2始動入賞が発生したとする。この場合、図22(C1)に示すように、第2特図保留記憶数が「1」となる。図21に示すステップS605の処理では、先読み予告の残り実行回数である「2」が、第2特図保留記憶数である「1」よりも多いと判定される。そして、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行されることから、予告対象の可変表示が開始されるより前に、第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が開始されることになり、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生する。
また、図22(A2)に示すように、第1特図保留記憶数が「1」であり第2特図保留記憶数も「1」であるときには、第1特図を用いた特図ゲームのうち保留番号「1」となる1番目の特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となる。このとき、図22(B2)に示すように第2始動入賞が発生すると、図22(C2)に示すように第2特図保留記憶数が「2」となる。この場合、図21に示すステップS605の処理では、先読み予告の残り実行回数である「2」が、第2特図保留記憶数である「2」と同一(等しい)であると判定される。そして、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行されることから、予告対象の可変表示が開始されるより前に、第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が開始されることになり、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生する。
一方、図22(A3)に示すように、第1特図保留記憶数が「3」であり第2特図保留記憶数が「2」であるときには、第2特図を用いた特図ゲームのうち保留番号「2」となる2番目の特図ゲームに対応する可変表示が、先読み予告演出による予告対象の可変表示となる。このとき、図22(B3)に示すように第2始動入賞が発生すると、図22(C3)に示すように第2特図保留記憶数が「3」となる。この場合、図21に示すステップS605の処理では、先読み予告の残り実行回数である「2」が、第2特図保留記憶数である「3」よりも少ないと判定される。そして、第2特図を用いた特図ゲームは第2始動入賞が発生した順番に従って実行が開始されることから、予告対象の可変表示が実行されてから、図22(B3)に示した第2始動入賞の発生に基づく第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が開始されることになり、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みは発生しない。
なお、図22(B1)または(B2)に示すような第2始動入賞が3回以上連続して発生したときには、第2特図保留記憶数が「3」以上となり、図21に示すステップS605の処理にて先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数よりも多いと判定される可能性がある。一方、ステップS605の処理は、演出制御基板12の側におけるタイマ割込みの発生に基づいて、演出制御用CPU120が図18に示す演出制御プロセス処理を実行するごとに、新たな受信コマンドなどに対応して実行することができる。したがって、例えば3回の第2始動入賞のうち、最初に発生した第2始動入賞に対応してステップS605の処理を実行したときには、第2特図保留記憶数が「1」なので、先読み予告の総実行回数が第2特図保留記憶数以上であり、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生したと判定することができる。
このように、図21に示すステップS605の処理にて先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数より少ないと判定されたときには(ステップS605;Yes)、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生しないことから、第2始動入賞割込み判定処理を終了する。一方、先読み予告の残り実行回数が第2特図保留記憶数以上であると判定されたときには(ステップS605;No)、第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生することに対応して、第2始動入賞割込みフラグをオン状態にセットする(ステップS606)。最初に発生した第2始動入賞に対応して第2始動入賞割込みフラグをオンにしておけば、その後に第2始動入賞が何回発生したかにかかわらず、可変表示の割込みが発生したことを特定できる。
ステップS606の処理に続いて、予め定められたモード変更条件が成立したか否かを判定する(ステップS607)。モード変更条件は、「モード移行」の先読み予告演出を実行することで既に移行している演出モードを、他の演出モードに変更するための条件である。この実施の形態では、「モード移行」の先読み予告演出を実行することで移行可能な演出モードである複数種類の先読み予告モードとして、突確予告モードと、15R予告モードと、共通予告モードとが、予め用意されている。突確予告モードは、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることで、短期開放ラウンドが実行される短期開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆する演出モードである。15R予告モードは、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることで、通常開放ラウンドが実行される通常開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆する演出モードである。共通予告モードは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれにもなる可能性があり、短期開放大当り状態に制御される可能性と通常開放大当り状態に制御される可能性の双方があることを示唆する演出モードである。なお、突確予告モードは、短期開放大当り状態に制御される可能性だけでなく、可変表示結果が「小当り」となることで小当り遊技状態に制御される可能性があることも示唆できる。
図23は、モード変更条件の設定例を示している。図23に示す設定例では、先読み予告モードが突確予告モードまたは15R予告モードのいずれかであるときに、始動入賞時の通知内容が所定内容であることに対応して、モード変更条件が成立する。ここでの通知内容は、新たな受信コマンドに含まれる第2始動口入賞指定コマンドで示される通知内容である。より具体的に、突確予告モードであるときには、始動入賞時の通知内容が「通常開放大当り判定あり」、「ハズレ時特定パターン判定あり」、「ハズレ時特定パターン判定なし」のいずれかであれば、モード変更条件が成立する。一方、15R予告モードであるときには、始動入賞時の通知内容が「短期開放大当り判定あり」、「小当り判定あり」、「ハズレ時特定パターン判定あり」、「ハズレ時特定パターン判定なし」のいずれかであれば、モード変更条件が成立する。
このように、短期開放大当り状態や小当り遊技状態となる可能性があることを示唆する突確予告モードであるときには、第2始動入賞の発生に基づく始動入賞時の通知内容が、突確予告モードによる示唆内容に対応した「短期開放大当り判定あり」や「小当り判定あり」とは異なる通知内容であるときに、モード移行条件を成立させる。また、通常開放大当り状態となる可能性があることを示唆する15R予告モードであるときには、第2始動入賞の発生に基づく始動入賞時の通知内容が、15R予告モードによる示唆内容に対応した「通常開放大当り判定あり」とは異なる通知内容であるときに、モード変更条件が成立する。
図21に示すステップS607にてモード変更条件が成立したときには(ステップS607;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられたモード変更フラグをオン状態にセットする(ステップS608)。そして、所定の入賞時モード変更報知を実行するための制御を行ってから(ステップS609)、第2始動入賞割込み判定処理を終了する。ステップS609の処理では、例えば入賞時モード変更報知用としてROM121の所定領域に予め記憶されている演出制御パターンを読み出して使用パターンに設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせて実行させる。
ステップS602にてモード移行予告実行設定がなく、「特殊図柄」の先読み予告演出を実行する設定としての特殊図柄予告実行設定があると判定されたときには(ステップS602;No)、「特殊図柄」の先読み予告演出について、実行内容を変更可能とする設定を行ってから(ステップS610)、第2始動入賞割込み判定処理を終了する。例えばステップS610の処理では、ステップS604、S605と同様の処理により第2始動入賞に基づく可変表示の割込みが発生したか否かを判定し、発生した場合には、「特殊図柄」の先読み予告演出を中止するための設定や、総実行回数を増加するための設定といった、所定の設定が行われればよい。
図24は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、例えばステップS524と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、先読み予告演出設定処理を実行する(ステップS528)。先読み予告演出設定処理は、「特殊図柄」や「モード移行」の先読み予告演出を実行することに決定された場合に、これらの先読み予告演出を実行するための設定を行う処理である。図25は、ステップS528にて実行される先読み予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示す先読み予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に先読み予告実行設定情報の記憶があるか否かを判定する(ステップS701)。このとき、先読み予告実行設定情報の記憶がなければ(ステップS701;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告実行設定情報の記憶がある場合には(ステップS701;Yes)、先読み予告カウント値を1加算するように更新する(ステップS702)。先読み予告カウンタには、図19に示すステップS515の処理が実行されたときに、カウント初期値となる「0」が設定される。その後、ステップS702の処理が実行されるごとに、先読み予告カウント値が1ずつ加算されていくことになる。
ステップS702の処理に続いて、例えば先読み予告実行設定情報から特定される先読み予告種別に対応して、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行されるか否かを判定する(ステップS703)。このとき、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行されると判定した場合には(ステップS703;Yes)、開始条件が成立した今回の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄に、差し替える(ステップS704)。これにより、「特殊図柄」の先読み予告演出が実行される可変表示では、最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、特殊な飾り図柄またはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄とすることができる。
ステップS704の処理を実行した後には、先読み予告カウント値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否かを判定する(ステップS705)。先読み予告演出の総実行回数は、図19に示すステップS514の処理により予め設定されている。ステップS705にて先読み予告カウント値が先読み予告演出の総実行回数に達していなければ(ステップS705;No)、先読み予告演出設定処理を終了する。一方、先読み予告カウント値が先読み予告演出の総実行回数に達したときには(ステップS705;Yes)、「特殊図柄」の先読み予告演出を終了させるための設定として、先読み予告実行設定情報の記憶を消去させる(ステップS706)。これにより、先読み予告種別の記憶が消去されとともに、先読み予告演出の総実行回数の記憶が消去される。また、先読み予告カウンタがクリアされて、そのカウント値が「0」に初期化される。
ステップS703にて「特殊図柄」の先読み予告演出ではなく「モード移行」の先読み予告演出であると判定されたときには(ステップS703;No)、所定のモード移行予告設定処理を実行してから(ステップS707)、先読み予告演出設定処理を終了する。
図24に示すステップS528にて先読み予告演出設定処理を実行した後には、開始条件が成立した今回の可変表示における表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する単独予告演出について、実行するか否かや、実行する場合における演出態様(単独予告パターン)を決定する(ステップS529)。一例として、ステップS529の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される単独予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された単独予告決定テーブルを参照することなどにより、単独予告演出を実行するか否かや、実行する場合における単独予告パターンなどを、決定すればよい。
ステップS529の処理を実行した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、先読み予告モードの設定、単独予告演出の決定結果などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図26は、モード移行予告設定処理として、図25のステップS707にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すモード移行予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2始動入賞割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS721)。第2始動入賞割込みフラグは、先読み予告演出の実行中に第2始動入賞が発生したことなどにより、図21に示すステップS606の処理にてオン状態にセットされる。こうした第2始動入賞割込みフラグがオフである場合には(ステップS721;No)、「モード移行」の先読み予告演出の実行を開始させる可変表示に対応したモード移行予告開始時であるか否かを判定する(ステップS722)。例えば、ステップS722の処理では、先読み予告実行設定情報から特定される先読み予告種別に対応して、「モード移行」の先読み予告演出が実行されるか否かを判定する。このとき、「モード移行」の先読み予告演出が実行されると判定した場合に、先読み予告カウント値が「1」であるか否かを判定する。そして、先読み予告カウント値が「1」であると判定した場合に、モード移行予告開始時であると判定すればよい。「モード移行」の先読み予告演出が実行されないと判定した場合や、先読み予告カウント値が「1」以外であると判定した場合には、モード移行予告開始時ではないと判定すればよい。
ステップS722にてモード移行予告開始時であると判定された場合には(ステップS722;Yes)、「モード移行」の先読み予告演出を実行して移行させる演出モードを、複数種類の先読み予告モードのいずれかに決定する(ステップS723)。一例として、ステップS723の処理では、先読み予告モードを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告モード決定テーブルを選択してセットする。先読み予告モード決定テーブルでは、先読み予告モード決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、突確予告モード、15R予告モード、共通予告モードといった複数種類の先読み予告モードに割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告モード決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告モード決定テーブルを参照することにより、移行先の演出モードとなる先読み予告モードを決定すればよい。
図27(A)は、ステップS723の処理による先読み予告モードの決定例を示している。この決定例では、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示に対応して伝送された始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)による通知内容(入賞時判定結果の指定内容)や、第2特図保留記憶数に応じて、先読み予告モードが決定される割合を異ならせている。予告対象となる可変表示に対応する通知内容(予告対象変動通知内容)や、第2特図保留記憶数は、始動入賞時コマンドバッファ(第1始動入賞時コマンドバッファ190Aと第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの一方または双方)におけるコマンドの記憶内容などから特定すればよい。
図27(A)に示す決定例において、「予告対象変動通知内容」が「通常開放大当り判定あり」である場合には、所定割合で15R予告モードまたは共通予告モードに決定される一方、突確予告モードには決定されないように制限される。また、「予告対象変動通知内容」が「短期開放大当り判定あり」である場合には、所定割合で突確予告モードまたは共通予告モードに決定される一方、15R予告モードには決定されないように制限される。「予告対象変動通知内容」が「小当り判定あり」である場合にも、所定割合で突確予告モードまたは共通予告モードに決定される一方、15R予告モードには決定されないように制限される。
「予告対象変動通知内容」が「上記以外(ハズレ)」である場合には、第2特図保留記憶数に応じて異なる所定割合で、突確予告モード、15R予告モード、共通予告モードのいずれかに決定される。一例として、第2特図保留記憶数が「0」であるときには、共通予告モードには決定されない(決定割合が0/100)のに対して、第2特図保留記憶数が「1」または「2」であるときには、20/100の割合で共通予告モードに決定され、第2特図保留記憶数が「3」または「4」であるときには、40/100の割合で共通予告モードに決定される。これにより、突確予告モードや15R予告モードに移行する先読み予告演出の実行が開始されていないときには、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、共通予告モードに移行する先読み予告演出を実行するか否かを決定することができる。
こうした設定において、15R予告モードに移行したときには、「モード移行」の先読み予告演出で予告対象となる可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性がある一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可能性はない。また、突確予告モードに移行したときには、予告対象となる可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる可能性や可変表示結果が「小当り」となる可能性がある一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる可能性はない。共通予告モードに移行したときには、予告対象となる可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」いずれにもなる可能性があるし、可変表示結果が「小当り」となる可能性もある。
このように、「モード移行」の先読み予告演出により演出モードが15R予告モードに移行したときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となることで通常開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆できる。一方、15R予告モードに移行したときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることで短期開放大当り状態に制御される可能性があることは示唆されない。また、突確予告モードに移行したときには、短期開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆できる一方、通常開放大当り状態に制御される可能性があることは示唆されない。共通予告モードに移行したときには、短期開放大当り状態と通常開放大当り状態のいずれにも制御される可能性があることを示唆できる。
ステップS723の処理を実行した後には、決定された先読み予告モードが共通予告モードであるか否かを判定する(ステップS724)。このとき、共通予告モードであると判定された場合には(ステップS724;Yes)、先読み予告演出の総実行回数が、共通予告モード判定値として予め定められた「3」以上であるか否かを判定する(ステップS725)。そして、総実行回数が「3」未満であるときには(ステップS725;No)、複数種類の共通予告モードのうちで共通予告Aモードを移行先の演出モードに決定する(ステップS726)。これに対して、総実行回数が「3」以上であるときには(ステップS725;Yes)、複数種類の共通予告モードのうちで共通予告Bモードを移行先の演出モードに決定する(ステップS727)。こうして、先読み予告モードを共通予告モードとする場合には、先読み予告演出の総実行回数に応じて、複数種類の共通予告モードのうちで異なる共通予告モードを移行先の演出モードに決定すればよい。
なお、先読み予告演出の総実行回数に応じて異なる共通予告モードに決定するものに限定されず、例えば先読み予告演出の総実行回数に応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで移行先の演出モードを決定してもよい。あるいは、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで移行先の演出モードを決定してもよい。あるいは、現在の遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態であるかに応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで移行先の演出モードを決定してもよい。
ステップS721にて第2始動入賞割込みフラグがオンであるときには(ステップS721;Yes)、第2始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶内容をチェックする(ステップS728)。このときには、第2始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶内容から、第2特図保留記憶数や、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御される旨の判定結果を通知する始動口入賞指定コマンドの有無などを、特定すればよい。こうしたチェック結果に基づいて、先読み予告演出の実行回数を変更するように設定を行う(ステップS729)。また、第2始動入賞割込みフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS730)。
ステップS729における設定の一例として、第2始動入賞の発生に基づき割り込んで実行される可変表示での可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、その割り込んで実行される可変表示の回数を、先読み予告演出の総実行回数に加算すればよい。割り込んで実行される可変表示の回数は、割込可変表示カウント値などから特定すればよい。これにより、「モード移行」の先読み予告演出で予告対象となる可変表示より前に第2始動入賞の発生に基づく可変表示が割り込んで実行されることに対応して、先読み予告演出が実行される可変表示回数を増加させて、予告対象となる可変表示まで先読み予告演出を延長することができる。他の一例として、第2始動入賞の発生に基づき割り込んで実行される可変表示のうちに可変表示結果が「大当り」となるものがある場合には、その可変表示を先読み予告演出の新たな予告対象となるように、先読み予告演出の総実行回数を変更すればよい。より具体的には、ステップS728の処理によるチェック結果に基づいて、可変表示結果が「大当り」となるまでに実行される可変表示回数を特定する。その特定された可変表示回数を、新たな先読み予告演出の総実行回数に設定すればよい。
ステップS730の処理を実行した後には、モード移行予告開始時であるか否かを判定する(ステップS731)。そして、モード移行予告開始時であると判定されたときには(ステップS731;Yes)、ステップS723の処理に進んで、先読み予告モードの決定などが行われる。一方、モード移行予告開始時ではないと判定されたときには(ステップS731;No)、モード変更フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS732)。モード変更フラグは、第2始動入賞が発生したときに所定のモード変更条件が成立したことに基づいて、図21に示すステップS608の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS732にてモード変更フラグがオンであると判定された場合には(ステップS732;Yes)、モード変更フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS733)、第2特図保留記憶数が、変更後予告モード判定値として予め定められた「3」以上であるか否かを判定する(ステップS734)。そして、第2特図保留記憶数が「3」未満であるときには(ステップS734;No)、複数種類の共通予告モードのうちで共通予告Aモードを変更後の演出モードに設定する(ステップS735)。これに対して、第2特図保留記憶数が「3」以上であるときには(ステップS734;Yes)、複数種類の共通予告モードのうちで共通予告Bモードを変更後の演出モードに設定する(ステップS736)。こうして、先読み予告モードを共通予告モードに変更する場合には、第2特図保留記憶数に応じて、複数種類の共通予告モードのうちで異なる共通予告モードを変更後の演出モードに決定すればよい。
なお、第2特図保留記憶数に応じて異なる共通予告モードに決定するものに限定されず、例えば第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで変更後の演出モードを決定してもよい。あるいは、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで変更後の演出モードを決定してもよい。あるいは、現在の遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態であるかに応じて異なる割合で、複数種類の共通予告モードのうちで変更後の演出モードを決定してもよい。
その後、それぞれの先読み予告モードに応じて所定演出を実行するための設定を行う(ステップS737)。このときには、例えば現在の先読み予告モードや先読み予告カウント値、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となるか否か、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む任意の先読み予告パターン決定条件に基づく所定割合で、それぞれの先読み予告モードにて所定演出を実行するための予告演出パターンが決定されてもよい。あるいは、現在の先読み予告モードに対応して、背景画像となる演出画像や効果音出力、発光体の点灯態様、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む任意の演出態様を、先読み予告演出の実行回数にかかわらず所定の演出態様とする設定が行われてもよい。
具体的な一例として、図27(B)は、先読み予告モードが共通予告Bモードであるときに、予告演出パターンを複数パターンのいずれかに決定する決定例を示している。図27(B)に示す決定例では、第2特図保留記憶数や可変表示結果に応じて異なる所定割合で、予告演出パターンが複数パターンのいずれかに決定される。例えば第2特図保留記憶数が「0」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」であれば予告演出パターンB0Xの決定割合が最も高く、可変表示結果が「小当り」であれば予告演出パターンB0Yの決定割合が最も高く、可変表示結果が「大当り」であれば予告演出パターンB0Zの決定割合が最も高くなる。第2特図保留記憶数が「1」の場合には、第2特図保留記憶数が「0」の場合とは異なる予告演出パターンB1X、B1Y、B1Zのいずれかに決定される。こうした設定により、共通予告Bモードであるときには、第2特図保留記憶数に応じて、先読み予告演出における一部または全部の演出態様を異ならせることができる。
なお、ステップS737の処理が実行されたときの第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で予告演出パターンを決定するものに限定されず、例えば共通予告Bモードといった、所定の先読み予告モードにおける先読み予告演出を開始する決定が行われたときの第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、予告演出パターンを決定するものであってもよい。より具体的には、第2始動入賞に基づく可変表示を予告対象とする先読み予告演出が実行される場合に、その先読み予告演出の総実行回数に応じて異なる割合で、予告演出パターンが決定されてもよい。また、先読み予告演出の総実行回数だけでなく、先読み予告カウント値にも応じて異なる割合で、予告演出パターンが決定されてもよい。あるいは、ステップS737の処理が実行されたときにおける先読み予告の残り実行回数に応じて異なる割合で予告演出パターンを決定するものであってもよい。
すなわち、ステップS737の処理では、同一の先読み予告モードであっても、先読み予告演出の実行が開始されるときの特図保留記憶数に応じて演出内容(演出態様)が異なる予告演出が実行されるように予告演出パターンが決定されてもよい。例えば、先読み予告演出の実行が開始されるときの特図保留記憶数が「1」であるときには、次回の可変表示において可変表示結果が「大当り」となる可能性を今回の可変表示のみにおいて示唆する一発告知予告のような、1回実行すれば足りる演出を実行するための予告演出パターンを決定してもよい。一方、先読み予告演出の実行が開始されるときの特図保留記憶数が「2」以上であるときには、複数回の可変表示にわたり一連の物語が進行することで、予告対象の可変表示における可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆するストーリー演出予告のような、複数回実行することで完結する演出を実行するための予告演出パターンを決定してもよい。あるいは、先読み予告演出の実行が開始されてからの可変表示ごとに演出内容(演出態様)が変化する予告演出が実行されるように予告演出パターンが決定されてもよい。
ステップS737の処理を実行した後には、先読み予告カウント値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否かを判定する(ステップS738)。このとき、先読み予告演出の総実行回数に達していなければ(ステップS738;No)、モード移行予告設定処理を終了する。一方、先読み予告演出の総実行回数に達したときには(ステップS738;Yes)、所定のモード移行予告終了フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS739)、先読み予告実行設定情報の記憶を消去させてから(ステップS740)、モード移行予告設定処理を終了する。
図28は、可変表示中演出処理として、図18のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、先読み予告演出を実行するための先読み予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。先読み予告演出実行期間は、例えば図26に示すステップS737の処理による先読み予告モードに応じた演出の実行設定に対応して、図24に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて先読み予告演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、例えば先読み予告モードへと移行することを認識可能に報知する演出画像の表示といった、先読み予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図26に示すステップS737の処理による先読み予告モードに応じた演出の実行設定に対応して、図24に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて先読み予告演出を実行できればよい。
ステップS553の処理における演出動作制御によりパチンコ遊技機1における演出状態が先読み予告モードに移行したときには、例えば演出モードバッファの記憶データを更新することなどにより、先読み予告モードであることを特定可能に記憶させてもよい。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、移行前の演出モード(通常演出モードなど)に対応した記憶アドレスから、先読み予告モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。
ステップS552にて先読み予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、単独予告演出を実行するための単独予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。単独予告演出実行期間は、例えば図20に示すステップS529の処理による単独予告演出の決定結果に対応してステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にて単独予告演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、単独予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。
ステップS554にて単独予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS556にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS556;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS557)。
ステップS556にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS556;No)、ステップS557の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS558)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS559)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS559;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS559にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS559;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS560)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS561)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS562)。その後、モード移行予告終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS563)。モード移行予告終了フラグは、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示が実行されることに対応して、図26に示すステップS739の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。
ステップS563にてモード移行予告終了フラグがオフであるときには(ステップS563;No)、可変表示中演出処理を終了する。一方、モード移行予告終了フラグがオンであるときには(ステップS563;Yes)、通常演出モードに復帰させる設定を行ってから(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。例えばステップS564の処理では、演出モードバッファの記憶データを初期化して、先読み予告モードではないことを特定可能に記憶させてもよい。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、通常演出モードに対応した記憶アドレスへと変更(初期化)することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。
図29は、普図連動演出制御処理として、図18のステップS162にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す普図連動演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、普図連動演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS801)。例えば、ステップS801の処理では、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた普図連動演出フラグがオンであるときに、普図連動演出を実行中であると判定すればよい。普図連動演出フラグは、普図連動演出となる所定演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
ステップS801にて普図連動演出を実行中ではないと判定された場合には(ステップS801;No)、主基板11から伝送される普図変動開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS802)。普図変動開始コマンドは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示が開始されることに対応して、図16(A)に示すステップS140の普通図柄通常処理に含まれる普通図柄判定処理での送信設定などにより、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。こうした普図変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS802;Yes)、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS803)。例えば、ステップS803の処理では、演出プロセスフラグの値がアタッカー通常開放時処理(図18を参照)に対応した“5”であるときに、大当り中であると判定する一方、“5”以外であれば大当り中ではないと判定すればよい。演出プロセスフラグの値がアタッカー短期開放時処理に対応した“4”であるときには、大当り種別が“突確”の場合に大当り中であると判定してもよいし、大当り種別が“突確”であるか小当り遊技状態であるかにかかわらず大当り中ではないと判定してもよい。大当り種別が“突確”の場合を含めた大当り遊技状態と、小当り遊技状態とのいずれかであるときに、当り中であると判定して、この実施の形態において大当り中であると判定された場合と同様の処理を実行してもよい。
ステップS803にて大当り中ではないと判定された場合には(ステップS803;No)、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS804)。時短制御中であるか否かは、例えば主基板11から伝送される所定の演出制御コマンド(遊技状態指定コマンドなど)のEXTデータを読み取ることなどにより特定すればよい。時短制御中ではないと判定されたときには(ステップS804;No)、第2特図保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS805)。第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおけるコマンドの記憶数などから特定すればよい。
ステップS805にて第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定された場合には(ステップS805;No)、普図連動演出を実行するか否かという普図連動演出の有無を決定する(ステップS806)。一例として、ステップS806の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される普図連動演出実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された普図連動演出実行決定テーブルを参照することなどにより、普図連動演出の有無を決定すればよい。
図30(A)は、ステップS806の処理により普図連動演出の有無を決定する決定例を示している。この決定例では、パチンコ遊技機1における演出状態(演出モード)が通常演出モードであるか先読み予告モードであるかや、普図表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるかに応じて異なる所定割合で、普図連動演出を実行するか否かが決定される。より具体的には、先読み予告モードであるときには、普図表示結果が「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとなる場合でも、通常予告モードであるときよりも高い割合で、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定される。このような設定により、先読み予告モードであるときには、通常演出モードであるときよりも、普図連動演出の実行頻度が高くなることで、遊技者は普通図柄の可変表示結果(普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が開放状態または拡大開放状態となること)を把握しやすくなる。したがって、先読み予告モードでは遊技者が安心して遊技をできるという有利な演出モードとなる。
なお、先読み予告モードであるときに、普図表示結果が「普図当り」となる場合に限り、通常予告モードであるときよりも高い割合で、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定されてもよい。例えば、通常演出モードであるか先読み予告モードであるかにかかわらず、普図表示結果が「普図ハズレ」となる場合に、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定される割合は1/100となるように設定する。一方、普図表示結果が「普図当り」となる場合に、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定される割合は、通常演出モードであれば50/100となり先読み予告モードであれば70/100となるように設定する。このような設定により、先読み予告モードにて普図連動演出が実行されたときには、通常演出モードにて普図連動演出が実行されたときに比べて、普図表示結果が「普図当り」となる可能性が高くなる。したがって、先読み予告モードであるときには、通常演出モードであるときよりも、普図連動演出が実行されたときに普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となる期待度が高くなるという、遊技者の有利度を高めて遊技を促進することができる。
あるいは、演出モードが通常演出モードであるか先読み予告モードであるかに応じて異なる割合で普図連動演出の有無を決定するものに限定されず、例えば第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、普図連動演出の有無を決定してもよい。例えば先読み予告モードであるときに、第2特図保留記憶数が「0」であり普図表示結果が「普図当り」となる場合には、普図連動演出の実行割合を100%(100/100)としてもよい。これにより、先読み予告モードであるときに第2始動入賞が発生していない場合には、遊技者が普通図柄の可変表示結果をより把握しやすくなり、遊技者の有利度を高めて遊技を促進することができる。あるいは、パチンコ遊技機1における特図ゲームなどの可変表示において、可変表示結果が「大当り」や「小当り」とならずに可変表示の実行回数が所定回数に達したときには、所定回数に達していないときよりも高い割合で、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定されてもよい。これにより、長期間にわたり「大当り」や「小当り」とならない場合に、遊技者が普通図柄の可変表示結果を把握しやすくなり、遊技者の有利度を高めて遊技を促進することができる。
図29に示すステップS806の処理による決定に基づいて、普図連動演出を実行しない「実行なし」であるか否かを判定する(ステップS807)。このとき、普図連動演出を実行する「実行あり」と判定された場合には(ステップS807;No)、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」であるか否かを判定する(ステップS808)。
ステップS808にて普通図柄の可変表示結果が「普図当り」であると判定された場合には(ステップS808;Yes)、「普図当り」となることを報知するために予め用意された普図連動演出パターンAによる普図連動演出を開始するための設定を行ってから(ステップS809)、普図連動演出制御処理を終了する。ステップS809の処理では、普図連動演出パターンAに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて普図連動演出を開始させればよい。
ステップS808にて普通図柄の可変表示結果が「普図当り」ではなく「普図ハズレ」であると判定された場合には(ステップS808;No)、「普図ハズレ」となることを報知するために予め用意された普図連動演出パターンBによる普図連動演出を実行するための設定を行う(ステップS810)。ステップS810の処理では、普図連動演出パターンBに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて普図連動演出を開始させればよい。
ステップS810の処理に続いて、変動パターンなどに応じた可変表示内容を特定する(ステップS811)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンと、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果との組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「非確変/確変(大当り)」、「突確(大当り)/小当り」のいずれであるかを特定すればよい。
ステップS811の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを報知する特図表示結果報知を実行するか否かという特図表示結果報知の有無を決定する(ステップS812)。一例として、ステップS812の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特図表示結果報知実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された特図表示結果報知決定テーブルを参照することなどにより、特図表示結果報知の有無を決定すればよい。
図30(B)は、ステップS812の処理により特図表示結果報知の有無を決定する決定例を示している。この決定例では、可変表示内容に応じて異なる割合で、特図表示結果報知を実行するか否かが決定される。なお、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示とは連動していないため、主基板11から変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドを受信していない場合もある。この場合には、特図表示結果報知を実行しないことに決定すればよい。
図30(B)に示す決定例では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、特図表示結果報知を実行する旨の「報知あり」に決定される。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合には、リーチ態様とならない「非リーチ(ハズレ)」の場合よりも高い割合で、特図表示結果報知を実行する旨の「報知あり」に決定される。このような設定により、特図表示結果報知が実行されたか否かに応じて、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性(リーチ期待度)や、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)などを、異ならせることができる。より具体的には、特図表示結果報知が実行されることにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性が高いことを示唆したり、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆したりできる。
図29に示すステップS812の処理による決定に基づいて、特図表示結果報知を実行しない「報知なし」であるか否かを判定する(ステップS813)。このとき、特図表示結果報知を実行する「報知あり」と判定された場合には(ステップS813;No)、特図表示結果報知における報知態様を示す特図表示結果報知パターンを複数パターンのいずれかに決定する(ステップS814)。一例として、ステップS814の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特図表示結果報知パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された特図表示結果報知パターン決定テーブルを参照することなどにより、特図表示結果報知パターンを決定すればよい。
図30(C)は、ステップS814の処理による特図表示結果報知パターンの決定例を示している。この決定例では、可変表示内容に応じて異なる所定割合で、特図表示結果報知パターンが複数パターンのいずれかに決定される。例えば、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示結果が「大当り」や「小当りとなる場合よりも高い割合で、特図表示結果報知パターンHPAに決定される。一方、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、特図表示結果報知パターンHPBに決定される。このような設定により、特図表示結果報知における報知態様に応じて、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性(リーチ期待度)や、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)などを、異ならせることができる。より具体的には、特図表示結果報知パターンHPBにより特図表示結果報知が実行される場合に、特図表示結果報知パターンHPAにより特図表示結果報知が実行される場合と比べて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性が高いことを示唆できる。
図29に示すステップS814の処理を実行した後には、特図表示結果報知パターンの決定結果に応じた特図表示結果報知を実行するための設定を行ってから(ステップS815)、普図連動演出制御処理を終了する。ステップS815の処理では、ステップS814の処理により決定された特図表示結果報知パターンに対応した演出制御データを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた普図連動演出実行エリア5Fにて特図表示結果報知を開始させればよい。
ステップS801にて普図連動演出を実行中であると判定されたときには(ステップS801;Yes)、普図連動演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS816)。普図連動演出時間は、例えばステップS809、S810の処理のいずれかにより決定された普図連動演出パターンなどに対応して、予め定められていればよい。普図連動演出時間が経過していない場合には(ステップS816;No)、普図連動演出を実行するための演出動作制御を行ってから(ステップS817)、普図連動演出制御処理を終了する。一方、普図連動演出時間が経過したときには(ステップS816;Yes)、普図連動演出の実行を終了するための設定を行ってから(ステップS818)、普図連動演出制御処理を終了する。
ステップS806の処理では、例えば図30(A)に示すように、先読み予告モードであるときには、普図表示結果が「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとなる場合でも、通常予告モードであるときよりも高い割合で、普図連動演出を実行する旨の「実行あり」に決定される。ここで、例えば図20に示すような割合で先読み予告が決定されることにより、先読み予告モードに移行する先読み予告演出が実行されたときには、このような先読み予告演出が実行されていないときよりも、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性が高くなる。一方、図29に示すステップS812の処理では、例えば図30(B)に示すような割合で特図表示結果報知の有無が決定されることにより、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合には、十分に高い割合で特図表示結果報知を実行する旨の「報知あり」に決定される。また、ステップS814の処理では、例えば図30(C)に示すような割合で特図表示結果報知パターンが決定されることにより、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合には、十分に高い割合で特図表示結果報知パターンHPBに決定される。このような設定により、先読み予告モードであるときには、たとえ普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる場合でも、通常演出モードであるときよりも高い割合で普図連動演出を実行することで、特図表示結果報知演出が実行される割合や、特図表示結果報知パターンHPBとなる割合が高くなる。したがって、先読み予告モードであるときには、通常演出モードであるときよりも、普図連動演出において特図表示結果報知が実行されて可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる期待度が高くなるという、遊技者にとって有利度の高い演出モードとなる。
図29に示す普図連動演出制御処理では、ステップS802の処理にて普図変動開始コマンドを受信したと判定されたときに、ステップS803の処理にて大当り中ではないと判定されたことや、ステップS804の処理にて時短制御中ではないと判定されたこと、ステップS805の処理にて第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定されたことを条件に、ステップS806以降の処理により普図連動演出を実行可能にする。すなわち、普図連動演出を実行しないように制限する普図連動演出制限条件として、大当り中であること、時短制御中であること、第2特図保留記憶数が上限値であることのうち、いずれかに該当するときに成立するものを設定している。一方、普図連動演出制限条件はこれに限定されず、普図連動演出を実行することによる問題を解決するために予め定められた任意の条件であればよい。一例として、スーパーリーチのリーチ演出といった、可変表示結果が「大当り」となることを示唆する特定演出が実行されるときに行われる飾り図柄の可変表示中であるときに成立する普図連動演出制限条件を設けてもよい。これにより、特定演出に対する遊技者の注目度の低下を防止して、特定演出の演出効果を低減させないようにすることができる。この場合、飾り図柄の可変表示が開始されてから所定時間(例えば11.5秒)が経過したときに特定演出を開始する一方、飾り図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過した後に、普図連動演出制限条件を成立させて、普図連動演出を実行しないように制限(禁止)してもよい。こうして、より確実に、特定演出の演出効果を低減させないようにすることができる。スーパーリーチのリーチ演出といった特定演出が画像表示装置5の画面上といった所定の演出装置で行われる場合に、普図連動演出制限条件が成立して普図連動演出の実行が制限されているときには、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることなどを条件として、第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となる旨の報知を、例えばスピーカ8L、8Rや遊技効果ランプ9、装飾用LED、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、特定演出が実行される演出装置とは異なる演出用装置を用いて行うようにしてもよい。これにより、特定演出の演出効果を低減させないようにすることができるとともに、第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となって遊技球が通過(進入)しやすくなることを遊技者に報知することができる。普図連動演出において普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる旨の報知が行われるときには、遊技者に所定の特典が付与されるようにしてもよい。特典の一例として、「擬似連」の可変表示演出において飾り図柄の再変動回数が2回の擬似連演出を実行したかのような演出を行った後、遊技者を救済するような演出を行ってから再度飾り図柄を変動させるような演出(救済演出)が実行されてもよい。これにより、再変動回数が増えることで可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められたかのような印象を遊技者に与えて遊技の興趣を向上させることができる。なお、遊技者に付与される特典は、救済演出を実行するものに限定されず、飾り図柄の可変表示中に可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を報知する任意の演出を実行するものであってもよい。また、特典を付与するために予め定められた特典付与条件が成立したときに、特典を付与するか否かの決定を、所定割合で行うようにしてもよい。
また、特図表示結果報知が実行されるか否かに応じて異なる割合で、先読み予告演出を実行するか否かが決定されてもよい。一例として、図19に示すステップS509の処理では、普図連動演出において特図表示結果報知が実行されるときに、特図表示結果報知が実行されないときよりも高い割合で、先読み予告演出を実行することに決定する。あるいは、先読み予告演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、特図表示結果報知を実行するか否かが決定されてもよい。一例として、図29に示すステップS812の処理では、先読み予告演出が実行されるときに、先読み予告演出が実行されないときよりも高い割合で、特図表示結果報知を実行することに決定する。このように、先読み予告演出が実行されるときには、実行されないときよりも高い割合で、普図連動演出における特図表示結果報知が実行されてもよい。あるいは、普図連動演出における特図表示結果報知が実行されるときには、実行されないときよりも高い割合で、先読み予告演出が実行されてもよい。これにより、普図連動演出における特図表示結果報知が実行されないときでも、先読み予告演出によって可変表示結果が「大当り」となる期待感などを高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図31は、普図連動演出の実行例を示している。この実行例では、まず、図31(A)に示すように、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示が行われている。このとき、図29に示すステップS806の処理により普図連動演出を実行することに決定された場合には、図31(B)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fにおいて、スロットあるいはルーレットの回転が開始されるような表示がなされる。
普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる場合には、図29に示すステップS809の処理が実行されて、普図連動演出パターンAによる普図連動演出が行われる。これにより、例えば図31(C)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fには「○」を示す図柄が停止表示される。このような普図連動演出パターンAによる普図連動演出が実行されることで、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となることを、遊技者が認識可能に報知できる。
一方、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる場合には、図29に示すステップS810の処理が実行されて、普図連動演出パターンBによる普図連動演出が行われる。これにより、例えば図31(D)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fには「×」を示す図柄が停止表示される。このような普図連動演出パターンBによる普図連動演出が実行されることで、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となることを、遊技者が認識可能に報知できる。
図29に示すステップS812の処理により特図表示結果報知を実行しない「報知なし」に決定された場合には、ここで普図連動演出が終了する。一方、特図表示結果報知を実行する「報知あり」に決定された場合には、図29に示すステップS814の処理による特図表示結果報知パターンの決定結果に応じた報知態様で、特図表示結果報知が行われる。一例として、特図表示結果報知パターンHPAに決定された場合には、図31(E)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fに「チャンス」の文字を表示する。他の一例として、特図表示結果報知パターンHPBに決定された場合には、図31(F)に示すように、普図連動演出実行エリア5Fに「激アツ」の文字を表示する。これにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる可能性があることを示唆できる。特に、図31(F)に示すように「激アツ」と表示される特図表示結果報知パターンHPBによる特図表示結果報知が実行された場合には、図31(E)に示すように「チャンス」と表示される特図表示結果報知パターンHPAによる特図表示結果報知が実行された場合よりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」となる。
普図連動演出による特図表示結果報知は、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となることを報知する普図連動演出が実行された後に行われる。したがって、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となることが報知されて遊技者が落胆した後に、遊技者にとってより好ましい「大当り」となる可能性があることを示唆できる。これにより、普図連動演出に対する遊技者の注目度を高めるとともに、演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることを報知する普図連動演出が実行された後や、普通図柄の可変表示結果を報知する普図連動演出が実行されないときに、特図表示結果報知を実行可能にしてもよい。この場合、図29に示すステップS811〜S815の処理を、ステップS809の処理を実行した後や、ステップS807の処理にて「実行なし」と判定されたときに、実行すればよい。また、ステップS802の処理にて普図変動開始コマンドの受信があったと判定されたときに、ステップS811〜S815の処理を実行してから、ステップS803以降の処理を実行してもよい。すなわち、普図連動演出の決定より先に特図表示結果報知の決定が行われてもよい。このように、特図表示結果報知は、普通図柄の可変表示に連動して実行されるものであればよい。
図32は、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合の演出実行例を示している。
この場合、例えば図32(A)に示すように、飾り図柄の可変表示が行われているときに、第1特図保留記憶数が「1」で第2特図保留記憶数が「0」に対応した保留記憶表示が、始動入賞記憶表示エリア5Hにて行われているものとする。このとき、例えば図32(B)に示すように、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したとする。これにより、第1特図保留記憶数が「2」となり、例えば図32(C)に示すように始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示が更新される。また、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「短期開放大当り判定あり」であることに基づいて、図19に示すステップS509の処理により「モード移行」の先読み予告種別に決定される。そして、ステップS514の処理にて先読み予告演出の総実行回数が「2」に設定される。その後、例えば図32(D)に示すような確定飾り図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
続いて、第1特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、「モード移行」の先読み予告演出を実行するための先読み予告実行設定情報が記憶されていることから、図25に示すステップS707にて、図26に示すようなモード移行予告設定処理が実行される。ここでは、ステップS721の処理により第2始動入賞割込みフラグがオフであると判定されたことなどに基づいて、ステップS723の処理により先読み予告モードが突確予告モードに決定される。そして、ステップS737の処理による演出実行設定に応じて、例えば図32(E)に示すように、トンボのキャラクタMC1を示す演出画像MC1とカエルのキャラクタMC2を示す演出画像とを表示する演出動作を含んだ突確予告モードにおける先読み予告演出が開始される。その後、例えば図32(F)に示すような確定飾り図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
この場合、第1特図保留記憶数が「1」であることに対応して、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる新たな可変表示が開始される。このときには、図26に示すステップS737の処理による演出実行設定などに応じて、例えば図32(G)に示すように、カエルのキャラクタMC2がトンボのキャラクタMC1を食べるような演出画像を表示する。これにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当り」となる可能性があることを、遊技者が認識可能に示唆する。その後、例えば図32(H)に示すような短期開放チャンス目として予め定められた確定飾り図柄などが導出される。こうして可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当り」となったことに基づいて、図32(I)に示すような演出画像の表示などにより短期開放大当り状態となる旨の報知が行われる。なお、短期開放大当り状態となる旨の報知は行われず、任意の演出が実行されてもよい。そして、短期開放大当り状態におけるラウンド遊技が実行されて、例えば図32(J)に示すように、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口が短期間にわたり開放状態となる。
図33および図34は、「モード移行」の先読み予告演出が開始された後、第2始動入賞の発生に基づき割り込んで実行される可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合の演出実行例を示している。
この場合、図33(A)〜(E)では、図32(A)〜(E)と同様に、第1始動入賞の発生に基づいて「モード移行」の先読み予告演出が開始され、突確予告モードにおける先読み予告演出が開始される。一方、この実行例では、図33(F)に示すように、開放状態となった第2始動入賞口を3個の遊技球が通過(進入)して、第2始動入賞が3回連続して発生する。これにより、第2特図保留記憶数が「3」となり、例えば図33(G)に示すように始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示が更新される。また、図19に示すステップS503の処理により先読み予告演出を実行中であると判定されたことに基づいて、ステップS503Aの第2始動入賞割込み判定処理として、図21に示すような処理が実行される。ここでは、先読み予告演出の残り実行回数が「1」であり、第2特図保留記憶数が「3」であることから、ステップS606の処理が実行されて第2始動入賞割込みフラグがオン状態にセットされる。また、ステップS607の処理では、突確予告モードであるときに、主基板11から伝送された第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「通常開放大当り判定あり」となり、モード変更条件が成立したと判定される。
このとき、図21に示すステップS609の処理で入賞時モード変更報知を実行するための制御が行われることで、例えば図33(G)に示すようなウィンドウWN1を示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示される。これにより、第2始動入賞が発生したときに、「モード移行」の先読み予告演出における演出モードが変更されることを、予め遊技者が認識可能に報知する。その後、例えば図32(H)に示すような確定飾り図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
続いて、第2特図保留記憶数が「3」であることから、第2特図を用いた特図ゲームが実行され、これに対応した新たな可変表示が開始される。このときには、図26に示すステップS721の処理により第2始動入賞割込みフラグがオンであると判定されたことに基づいて、ステップS728〜S730の処理が実行される。ここでは、3番目の第2始動入賞に基づく可変表示において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」になるものとする。この場合、ステップS729の処理により、先読み予告カウント値を保持して、先読み予告演出の総実行回数を「4」に変更すればよい。このように、図33(E)および(G)に示した1回目の先読み予告演出を含めて、合計で4回の先読み予告演出を実行するように設定を変更すればよい。
また、図26に示すステップS732の処理によりモード変更フラグがオンであると判定されたことに基づいて、ステップS734の処理を実行して、第2特図保留記憶数が「3」以上であるか否かを判定する。ここでは、今回の可変表示が開始されることに対応して1減算された第2特図保留記憶数が「2」となっていることから、ステップS735の処理により共通予告Aモードへの変更設定が行われる。これにより、例えば図33(I)に示すような演出画像を表示する演出動作を含んだ共通予告Aモードにおける先読み予告演出が開始される。その後、例えば図33(J)に示すような確定飾り図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。
続いて、第2特図保留記憶数が「2」であることから、新たな可変表示が開始され、図34(A)に示すような演出画像を表示する演出動作を含んだ共通予告Aモードにおける先読み予告演出を実行した後、例えば図34(B)に示すような確定飾り図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。この場合、第2特図保留記憶数が「1」であることに対応して、「モード移行」の先読み予告演出による予告対象となる新たな可変表示が開始される。このときには、図26に示すステップS737の処理による演出実行設定などに応じて、例えば図34(C)および(D)に示すような演出画像を表示する演出動作を含んだ先読み予告演出が実行される。その後、例えば図34(E)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄などが導出される。こうして可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となったことに基づいて、通常開放大当り状態におけるラウンド遊技が実行される。
このように、「モード移行」の先読み予告演出が開始された後に、予告対象となる可変表示が開始されるより前に第2始動入賞が発生したことに基づく可変表示が割り込んで実行されるときには、所定のモード変更条件が成立することにより、突確予告モードのような特定の大当り遊技状態(短期開放大当り状態)に制御される可能性があることを示唆する先読み予告モードから、共通予告モードのような複数の大当り遊技状態のいずれかに制御される可能性があることを示唆する先読み予告モードに変更できる。
また、図33および図34に示すように、突確予告モードとなる「モード移行」の先読み予告演出を開始して、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となって短期開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆した後、第2始動入賞の発生に基づく可変表示が割り込んで実行されることに基づくモード変更条件が成立したときに、短期開放大当り状態と通常開放大当り状態のいずれかに制御される可能性があることを示唆する共通予告モードに変更する。すなわち、共通予告モードによって示唆される大当り遊技状態には、短期開放大当り状態よりも遊技者にとって有利度の高い通常開放大当り状態が含まれている。こうして、突確予告モードから共通予告モードに変更されることで、短期開放大当り状態だけでなく通常開放大当り状態にも制御される可能性があると示唆して、遊技者にとってより有利度の高い大当り遊技状態に制御される期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、15R予告モードとなる「モード移行」の先読み予告演出を開始して、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となって通常開放大当り状態に制御される可能性があることを示唆した後でも、図21に示すステップS607の処理にてモード変更条件が成立したと判定されたときには、共通予告モードに変更して、短期開放大当り状態と通常開放大当り状態のいずれかに制御される可能性があることを示唆できる。
図10に示すステップS242の処理では、例えば図11(B)に示すような決定割合で大当り種別が複数種別のいずれかに決定される。したがって、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく変動特図が「第2特図」の可変表示に対応して、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく変動特図が「第1特図」の可変表示よりも高い割合で、大当り種別が「確変」に決定されることで、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御される。こうした決定割合の設定により、変動特図が「第1特図」の可変表示を予告対象とする「モード移行」の先読み予告演出では、先読み予告モードが突確予告モードに決定されることが多くなる一方、その後に第2始動入賞の発生によりモード変更条件が成立するときには、変動特図が「第2特図」の可変表示に対応して、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御される可能性が高くなる。こうして、突確予告モードから共通予告モードへと変更される頻度は、15R予告モードから共通予告モードへと変更される頻度よりも高くなる。これにより、先読み予告モードが変更されたときに、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御される期待感を高めることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、突確予告モードとなる「モード移行」の先読み予告演出を開始した後だけでなく、15R予告モードとなる「モード移行」の先読み予告演出を開始した後にも、図23に示すようなモード変更条件が成立したことに基づいて、共通予告モードに変更するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば突確予告モードであるときにはモード変更条件の成立に基づいて共通予告モードに変更可能とする一方で、15R予告モードであるときにはモード変更条件を成立させず、共通予告モードへの変更は行われないようにしてもよい。この場合、15R予告モードにて第2始動入賞の発生に基づく可変表示が割り込んで実行されるときには、15R予告モードとなる「モード移行」の先読み予告演出を中止して、通常演出モードに復帰させるようにしてもよい。このとき、15R予告モードにて通常開放大当り状態には制御されない旨を報知する所定演出を実行してから、通常演出モードに復帰させてもよい。このように、突確予告モードであるときにのみモード変更条件の成立に基づいて共通予告モードに変更可能とすることで、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御される可能性が示唆された後に、遊技者にとって有利度の低い大当り遊技状態にも制御される可能性が示唆される先読み予告演出が実行されることによる期待感の低下(いわゆる「成り下がり」)を防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
先読み予告モードとして、突確予告モードと共通予告モードとが設けられる一方で、15R予告モードが設けられないものであってもよい。この場合にも、突確予告モードであるときにモード変更条件が成立したことに基づいて、共通予告モードに変更することができればよい。
上記実施の形態では、先読み予告モードが突確予告モードや15R予告モードであるときに、第2始動入賞の発生に基づいて、その先読み予告モードにより示唆される大当り遊技状態に制御されないと判定した場合であれば、可変表示結果が「ハズレ」となる場合も含めて、モード変更条件が成立して共通予告モードに変更するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行される場合に、先読み予告モードにより示唆される大当り遊技状態とは異なる大当り遊技状態に制御されると判定した場合にのみ、モード変更条件が成立して共通予告モードに変更してもよい。すなわち、図21に示すステップS607の処理では、先読み予告モードが突確予告モードであるときに、始動入賞時の通知内容が「通常開放大当り判定あり」のみに対応して、モード変更条件が成立したと判定する。また、この処理では、先読み予告モードが15R予告モードであるときに、始動入賞時の通知内容が「短期開放大当り判定あり」のみに対応して、モード変更条件が成立したと判定する。この場合には、短期開放大当り状態または通常開放大当り状態といった、特定の大当り遊技状態(複数種類の大当り遊技状態の一部)に制御される可能性があることを示唆する先読み予告モード(突確予告モードまたは15R予告モード)であるときに、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行されることに対応して、共通予告モードに変更されたときには、変更前の先読み予告モードでは示唆されなかった他の大当り遊技状態(短期開放大当り状態または通常開放大当り状態)に制御されることが確定する。こうして、先読み予告モードの変更による遊技者の喜悦感と遊技や演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行される場合に、先読み予告モードにより示唆される大当り遊技状態と同一の大当り遊技状態に制御されると判定した場合でも、所定割合でモード変更条件が成立して共通予告モードに変更してもよい。例えば、図21に示すステップS607の処理では、先読み予告モードが突確予告モードであるときに、始動入賞時の通知内容が「短期開放大当り判定あり」に対応して、10/100の割合でモード変更条件が成立したと判定する。また、この処理では、先読み予告モードが15R予告モードであるときに、始動入賞時の通知内容が「通常開放大当り判定あり」に対応して、10/100の割合でモード変更条件が成立したと判定する。この場合には、短期開放大当り状態または通常開放大当り状態といった、特定の大当り遊技状態に制御される可能性があることを示唆する先読み予告モード(突確予告モードまたは15R予告モード)であるときに、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行されることに対応して、共通予告モードに変更されたときでも、変更前の先読み予告モードで示唆された特定の大当り遊技状態(短期開放大当り状態または通常開放大当り状態)に制御されることがある。こうして、先読み予告モードの変更による遊技や演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行される場合に、先読み予告モードを変更するか否かの決定が、大当り種別に応じて異なる割合で行われるようにしてもよい。すなわち、突確予告モードや15R予告モードといった先読み予告モードに対応して特定の大当り遊技状態(短期開放大当り状態または通常開放大当り状態)が示唆されているときに、始動入賞時の通知内容が先読み予告モードで示唆されている特定の大当り遊技状態とは異なる大当り遊技状態である場合には、常に(100/100の決定割合で)共通予告モードに変更することで、演出内容の整合性を保つ。一方、始動入賞時の通知内容が先読み予告モードで示唆されている特定の大当り遊技状態と同一の大当り遊技状態である場合には、共通予告モードに変更することもあれば、共通予告モードに変更しないこともあるように設定することで、先読み予告モードの変更による遊技や演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行される場合には、その第2始動入賞の発生に基づく可変表示結果(大当り遊技状態に制御されるか否かの判定結果)にかかわらず、常に(100/100の決定割合で)共通予告モードに変更することで、演出内容の整合性を保つようにしてもよい。
あるいは、第2始動入賞の発生に基づいて可変表示が割り込んで実行される場合に、その可変表示における可変表示結果が「ハズレ」になると判定した場合でも、所定割合でモード変更条件を成立させるか否かを決定してもよい。例えば、図21に示すステップS607の処理では、先読み予告モードが突確予告モードや15R予告モードであるときに、始動入賞時の通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」または「ハズレ時特定パターン判定あり」に対応して、50/100の割合でモード変更条件が成立したと判定する。あるいは、始動入賞時の通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」に対応して5/100の割合でモード変更条件が成立したと判定する一方で、始動入賞時の通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」に対応して50/100の割合でモード変更条件が成立したと判定してもよい。このように、例えばスーパーリーチのリーチ演出が実行されるといった、「ハズレ時特定パターン判定あり」の場合には、「ハズレ時特定パターン判定なし」の場合よりも高い割合で、モード変更条件が成立して先読み予告モードの変更が行われてもよい。この場合には、突確予告モードや15R予告モードから共通予告モードに変更されることで、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となってスーパーリーチのリーチ演出が実行されるといった、特定の表示態様となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。可変表示結果が「ハズレ」になると判定した場合で、モード変更条件が成立しないと判定したときには、上記実施の形態における図26に示すステップS729の処理と同様に、割り込んで実行される可変表示の回数を、先読み予告演出の総実行回数に加算すればよい。あるいは、「モード移行」の先読み予告演出を中止して、通常演出モードに復帰させるようにしてもよい。
したがって、実行が開始された先読み予告演出で示唆される大当り遊技状態に制御される旨の判定結果とは異なる判定結果である場合として、少なくとも、その先読み予告演出で示唆される大当り遊技状態とは異なる大当り遊技状態に制御される旨の判定結果である場合が含まれていればよく、大当り遊技状態に制御されない旨の判定結果である場合が含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
通常開放大当り状態や短期開放大当り状態といった特定の大当り遊技状態となる可能性があることを報知する先読み予告演出は、15R予告モードや突確予告モードといった「モード移行」の先読み予告演出に限定されず、例えば画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタを示す演出画像を表示することによる「キャラクタ表示」の先読み予告演出や、上記実施の形態でも示した「特殊図柄」の先読み予告演出、複数回の可変表示にわたり所定の物語が進行する「ストーリー演出」の先読み予告演出といった、予告対象となる可変表示が開始されるより前に実行可能な任意の先読み予告演出であればよい。また、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することによる先読み予告演出に代えて、あるいは、演出画像の表示による先読み予告演出とともに、スピーカ8L、8Rからの効果音出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含めた任意の演出装置による先読み予告演出が実行されてもよい。通常開放大当り状態や短期開放大当り状態といった複数種類の大当り遊技状態のいずれかとなる可能性があることを報知する先読み予告演出も、共通予告モードといった「モード移行」の先読み予告演出に限定されず、予告対象となる可変表示が開始されるより前に実行可能な任意の先読み予告演出であればよい。
上記実施の形態では、図10に示すステップS242の処理にて、図11(B)に示すような決定割合で大当り種別が複数種別のいずれかに決定されることで、変動特図が「第2特図」の可変表示に対応して、変動特図が「第1特図」の可変表示よりも高い割合で、大当り種別が「確変」に決定されて、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。また、図11(B)に示す決定割合によると、変動特図が「第2特図」の可変表示において、大当り種別が「確変」に決定される割合は、大当り種別が「確変」以外に決定される割合よりも高くなる一方、変動特図が「第1特図」の可変表示において、大当り種別が「確変」に決定される割合は、大当り種別が「確変」以外に決定される割合よりも低くなる。しかしながら、この発明はこれに限定されず、少なくとも変動特図が「第2特図」の可変表示では、変動特図が「第1特図」の可変表示よりも高い割合で、遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に制御されるものであればよい。すなわち、変動特図が「第2特図」の可変表示において、大当り種別が「確変」に決定される割合のような遊技者にとって有利度の高い所定の大当り遊技状態に決定される割合は、所定の大当り遊技状態以外に決定される割合より低くてもよい。あるいは、変動特図が「第1特図」の可変表示において、大当り種別が「確変」に決定される割合のような遊技者にとって有利度の高い所定の大当り遊技状態に決定される割合は、所定の大当り遊技状態以外に決定される割合より高くてもよい。
上記実施の形態では、図26に示すステップS723の処理にて、図27(A)に示す「予告対象変動通知内容」が「上記以外(ハズレ)」の場合に、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、共通予告モードとするか否かが決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「予告対象変動通知内容」にかかわらず、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、共通予告モードとするか否かが決定されてもよい。すなわち、「予告対象変動通知内容」の一部または全部と、第2特図保留記憶数とに応じて異なる割合で、共通予告モードとするか否かが決定されればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、突確予告モードや15R予告モード、共通予告モードといった複数種類の演出モードのうちいずれかに移行する「モード移行」の先読み予告演出、「モード移行」以外の先読み予告演出などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えば図26に示すステップS723の処理による決定に基づいて、突確予告モードや15R予告モードといった特定の大当り遊技状態となる可能性を示唆する先読み予告モードに移行する「モード移行」の先読み予告演出を実行することができる。このような先読み予告演出の実行を開始してから、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、第2始動入賞の発生に基づいて図23に示すようなモード変更条件が成立した場合に、突確予告モードや15R予告モードにおける演出の実行を停止して、共通予告モードといった複数種類の大当り遊技状態のいずれかとなる可能性を示唆する先読み予告モードに変更する。こうして先読み予告モードを変更することにより、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される場合でも、先読み予告演出の開始時における演出内容と、予告対象となる可変表示における可変表示結果との整合性を保ち、遊技の興趣を向上させることができる。
図21に示すステップS607の処理にてモード変更条件が成立したと判定されたときには、ステップS609の処理が実行されることで、第2始動入賞が発生したときに、先読み予告モードが変更されることを予め遊技者が認識可能に報知する。こうして、先読み予告モードが突然に変更されることによる遊技者の混乱を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
図26に示すステップS723の処理では、例えば図27(A)に示す「予告対象変動通知内容」が「上記以外(ハズレ)」の場合のように、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、共通予告モードとするか否かが決定される。このように、第2特図保留記憶数に応じて共通予告モードとなる先読み予告演出の実行割合を異ならせることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図26に示すステップS734〜S736の処理では、モード変更条件が成立したときに、第2特図保留記憶数に応じて、共通予告Aモードまたは共通予告Bモードといった、共通予告モードに含まれる複数の演出モードのうちで異なる演出モードに変更するための設定が行われる。このように、第2特図保留記憶数に応じて異なる演出モードに移行させる先読み予告演出を実行することにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図10に示すステップS242の処理では、例えば図11(B)に示すような決定割合で大当り種別を決定する。これにより、「確変」の大当り種別といった遊技者にとって有利度の高い大当り遊技状態に決定される割合は、第1始動入賞の発生に基づき変動特図が「第1特図」の可変表示を実行する場合に比べて、第2始動入賞の発生に基づき変動特図が「第2特図」の可変表示を実行する場合に、より高い割合となる。このように設定することで、モード変更条件が成立して先読み予告モードが変更されたときに有利度の高い大当り遊技状態となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。