以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。本実施形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。それぞれの飾り図柄表示エリアにて可変表示される複数種類の飾り図柄には、例えば「1」〜「9」のいずれかといった、互いに異なる図柄番号が付されていればよい。このような飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5R、5Cにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄の可変表示が同期するとは、可変表示の開始と終了が同程度(同一または近似)のタイミングにて行われ、可変表示の期間が同程度(同一または近似)となることである。飾り図柄を示す演出画像は、識別情報画像ともいう。したがって、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の可変表示が行われ、表示結果となる確定飾り図柄を示す演出画像が導出される。
例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような飾り図柄の表示状態は、飾り図柄の仮停止表示ともいい、飾り図柄の可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、飾り図柄の仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HRと、第2保留表示部5HLとが配置されている。第1保留表示部5HRは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HLは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が未だ成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1保留表示部5HRでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HLでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶に対応する保留表示が行われる。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HRは、例えば左詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HRには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HRに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HRに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第1保留表示部5HRに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第1保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(左側)に移動(シフト)させる。このように、第1保留表示部5HRは、未だ開始されていない第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留表示が行われるように構成されている。
第2保留表示部5HLは、例えば右詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留記憶部5HLには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HLに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HLに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第2保留表示部5HLに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第2保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(右側)に移動(シフト)させる。このように、第2保留表示部5HLは、未だ開始されていない第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する保留表示が行われるように構成されている。
第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、あるいは第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の画面の左上方部には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rよりも小さい小図柄表示エリア5Vが設けられている。小図柄表示エリア5Vでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示と同期して、小図柄の可変表示が行われる。小図柄を示す演出画像は、報知情報画像ともいう。したがって、画像表示装置5の画面上に設けられた小図柄表示エリア5Vでは、報知情報画像となる小図柄を示す演出画像の可変表示が行われ、表示結果となる確定小図柄を示す演出画像が導出される。
このように、画像表示装置5の画面上では、飾り図柄とは異なる小図柄の可変表示が行われる。飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでの期間では、小図柄の可変表示が一定の表示態様で継続して行われ、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることがない。したがって、小図柄表示エリア5Vは、常に視認可能となるように構成され、遊技者は、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の可変表示を、常に視認することができる。小図柄表示エリア5Vにて可変表示される小図柄は、常時小図柄あるいは演出用小図柄ともいう。小図柄表示エリア5Vでは、例えば飾り図柄において数字を示す部位と同様に数字を示す図柄といった、複数種類の飾り図柄のそれぞれと一部または全部が共通する表示態様で、各々が識別可能な複数種類の小図柄を示す演出画像が、報知情報画像として可変表示されてもよい。なお、小図柄は、飾り図柄が非表示のときのみ表示されるようにしてもよい。小図柄の可変表示は、後述の全画面予告演出の実行期間において視認困難または視認不可能としてもよい。
なお、特別図柄と飾り図柄、さらには普通図柄とに次ぐ第4図柄が設けられ、特別図柄や飾り図柄の可変表示と同期して、第4図柄の可変表示が行われることがある。第4図柄の可変表示は、例えば画像表示装置5の画面上または画面外に設けられた第4図柄表示エリアにて、特定の表示色(例えば青色)で一定の時間間隔にて表示と非表示とを繰り返す表示制御を継続することによって実現される。ただし、第4図柄の可変表示における表示結果と比べた場合に、小図柄の可変表示における表示結果は、遊技者が認識しやすい態様で表示されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、例えば図1に示すパチンコ遊技機1における遊技領域の右側方といった、画像表示装置5の表示画面とは離れた位置に設けられている。そのため、画像表示装置5における表示による演出に注目している遊技者は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示状態を確認しにくくなり、特別図柄の可変表示が進行中であるか否かや、表示結果が導出されたか否かを認識することが困難になる場合がある。これに対し、画像表示装置5の画面上に設けられた小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の可変表示を行い、その表示結果を導出することで、可変表示が進行中であるか否かや、表示結果が導出されたか否かを、遊技者が認識しやすい態様で表示することができる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、図2のゲートスイッチ21を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器25Cが設けられている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などに対し点灯と消灯の制御を行い第1特図と第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20に対し点灯と消灯と発色の制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯する動作と消灯する動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯および消灯するための駆動電流などを供給するランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。また、演出制御コマンドには、異常の報知を指示する異常入賞報知コマンドも含まれる。異常報知コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して伝送されると、後述のように、演出制御基板12の制御の下でエラー報知処理(S57)が実行される(図12参照)。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。こうして、演出制御用CPU120は、主基板11から演出制御コマンドとして伝送された各種情報に基づいて、パチンコ遊技機1が備える演出用の電気部品としての演出装置を制御する。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御パターンに含まれる演出制御実行データにおいて、表示制御データは、例えば画像表示装置5の画面上における各種画像の表示態様を示している。より具体的に、表示制御データは、画像表示装置5の画面上に表示される各フレーム(フレーム周期で切替表示される単位となる画像)を構成する背景、飾り図柄や小図柄などの各種図柄、キャラクタ等を示す演出画像の種類、位置、サイズなどを指定するデータや、複数の演出画像を重畳して表示させる場合の表示順序(優先度)を指定するデータなどを含んでいればよい。演出画像の表示順序(優先度)を示すデータは、複数の演出画像のうち、いずれの演出画像を遊技者からみて前方側に配置するかを示すデータであればよい。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成された画像データメモリであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えばI/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2のゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間または0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「2」または「15」など)に達するまで繰返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれていればよい。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29.5秒間など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒間など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。したがって、大当り種別が「突確」となったことに基づく大当り遊技状態(第2特定遊技状態)は、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づく大当り遊技状態(第1特定遊技状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態となる。こうして、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、大当り種別が「突確」となったことに基づいて、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(信頼度、あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ)とスーパーのリーチ演出(スーパーリーチ)が予め設定されている。そして、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。なお、スーパーリーチとなるリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が高くなる特定のリーチ演出を実行するスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出があってもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回)まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、再変動演出となる画像表示などの所定演出が実行されてもよい。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上にて画像表示を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出のさらなる一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。このとき、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出用模型(可動部材)の動作態様が変化するように制御されてもよいし、複数の演出用模型(可動部材)のうちで動作するものが変化するように制御されてもよい。
「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。
この実施の形態では、先読み予告演出の一例として、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示の表示部位や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示の表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色のいずれかなど)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、第1保留表示や第2保留表示における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、第1保留表示や第2保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知(示唆)できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留表示変化演出ともいう。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(または非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
保留表示変化演出が実行されるときには、保留表示の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがある。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様が変化する演出は、保留表示変化成功演出ともいう。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様が変化しない演出は、保留表示変化失敗演出ともいう。その他、保留表示変化演出には、保留表示変化共通演出が含まれている。保留表示変化演出が実行されるときには、まず、保留表示の表示態様を変化させるときと変化させないときとで共通で実行される保留表示変化共通演出が実行される。保留表示変化共通演出は、例えば予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ:例えば後述の図15(B)に示すキャラクタCH1)を示す演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出を含んでいればよい。
保留表示変化共通演出におけるキャラクタCH1を示す演出画像は、特定演出画像の一例である。なお、後述する図32(C)に示す促進表示画像Pなども特定演出画像の一例である。キャラクタCH1を示す演出画像は、保留表示変化演出を実行する決定結果に応じた設定に基づいて、複数回の可変表示にわたり継続して画像表示装置5の画面上に表示されてもよい。特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像は、少なくとも識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の一部よりも遊技者からみて前方側の重複する位置に配置可能であればよい。この場合、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出される期間において、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置では、特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を静止態様とする。
保留表示変化共通演出における作用演出は、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示のいずれかに作用を及ぼすことにより、その保留表示の表示態様が変化する可能性があることを示唆する表示演出であればよい。このような表示演出に伴い、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の一部または全部を所定の点灯態様で点灯させたり、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させたりしてもよい。
保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化成功演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させる。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行された後、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化する演出は、第1成功演出としての保留変化演出ともいう。一方、保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化失敗演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させない。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行されたものの、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化しない演出は、第1失敗演出としての保留変化ガセ演出ともいう。
保留表示の表示色を変化させる演出は、表示色変化演出ともいう。保留表示の表示態様を、所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様に変化させる演出は、特殊表示変化演出ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。非リーチ組合せやリーチ組合せを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄とともに、非特定表示結果に含まれればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部または全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(S202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(S203)。
S201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S201;No)、S202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(S205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(S206)。
S203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(S207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。こうして、第1始動条件が成立したときには第1特図保留記憶数が1増加するように更新され、第2始動条件が成立したときには第2特図保留記憶数が1増加するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(S208)。
S208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(S209)。一例として、S209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(S210)。
S210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)について保留記憶として記憶する。第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)について保留記憶として記憶する。
第1特図保留記憶部は、例えば第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。このように、第1特図保留記憶部は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件は成立したが、未だ開始されていない第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームの保留記憶情報を記憶する。
第2特図保留記憶部は、例えば第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。このように、第2特図保留記憶部は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件は成立したが、未だ開始されていない第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームの保留記憶情報を記憶する。
S210の処理に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S211)。続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S212)。その後、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(S213)。さらに、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(S214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(S214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(S214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S216)、S204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5は、入賞時乱数値判定処理として、図4のS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のS110、図8)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする変動パターンに決定される乱数値MR3であるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かや、飾り図柄の可変表示中にリーチ状態となるか否かを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図5に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(S402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(S403)。S402にて大当り中であると判定されたときや(S402;Yes)、S403にて高ベース中であると判定されたときには(S403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(S404)。
S403にて高ベース中ではないと判定されたときや(S403;No)、S404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(S404;Yes)、図4に示されたS209の処理で抽出した乱数値を用いて、各種の可変表示内容を判定する。この実施の形態において、始動入賞時に判定する可変表示内容には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。
CPU101は、可変表示内容が「大当り」であるか否かを判定するために、大当り判定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特定表示結果決定テーブルから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り判定範囲として設定されればよい。この大当り判定範囲は、S209の処理で抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であれば、可変表示内容が「大当り」と判定される。
乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲外であることに対応して、可変表示内容が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定する。ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲は、特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定することができる乱数値(変動パターン決定用の乱数値MR3)の範囲として、予め定められていればよい。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、変動パターン決定用の乱数値MR3と、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルとを用いて、予め用意された複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示で使用される変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数の変動パターンのいずれかに割り当てられている。CPU103は、乱数値MR3と合致する決定値が割り当てられた変動パターンを、今回の可変表示で使用される変動パターンに決定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に用いられる変動パターン決定テーブルでは、複数の変動パターンに対する決定値の割当てが、図11(B1)や図11(B2)に示すように、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて異なっている。ただし、一部の決定値は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず同一(あるいは同一種)の変動パターンに割り当てられている。こうした変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、スーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、スーパーリーチ確定範囲として予め定められていればよい。また、変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、リーチ確定範囲として予め定められていればよい。
図6は、可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時における変動パターンの判定例を示している。パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御のない通常状態である通常時には、図11(B1)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数に応じてスーパーリーチを伴うか否かは不確定であるものの、少なくとも第1特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定する。
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御を伴う確変状態や時短状態である時短中には、図11(B2)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。
始動入賞が発生したときの特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数)は、実際に可変表示が開始されるときの特図保留記憶数と一致するとはかぎらず、始動入賞が発生した後に可変表示の実行や新たな始動入賞の発生により変化することがある。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターンの決定とで、特図保留記憶数の相違により選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。一方、この実施の形態における変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値は、特図保留記憶数にかかわらず共通の決定値を含んでいる。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かや、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを、判定することができる。
時短制御が行われていない通常時において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。時短制御が行われている時短中において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数知MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。
図5に示すS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(S404;No)、S405の処理における入賞時判定を制限するための設定を行う(S406)。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく可変表示内容の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
その後、S405の処理による判定結果やS406の処理による設定に応じた始動入賞時の通知内容を設定する(S407)。こうした通知内容に応じて、予め用意された入賞時判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図7は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したときには、図4に示すS202の処理で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、図4に示すS203の処理で始動口バッファ値を「1」に設定してからS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに図4に示すS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドが送信される。
普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したときには、図4に示すS205の処理で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、図4に示すS206の処理で始動口バッファ値を「2」に設定してからS211の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すS408の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「2」であるときに図4に示すS213の処理による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドが送信される。
演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時や、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、乱数回路104等から抽出した遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)を、演出制御基板12の側に対して通知する。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。図7(B)に示す入賞時判定結果コマンドのうち、コマンドC402H、コマンドC403H、コマンドC404Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合に送信されることがあり、可変表示結果が「ハズレ」に決定されて大当り遊技状態には制御されないとの入賞時判定結果を通知する。一方、コマンドC401Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合に送信され、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「大当り」)を通知する。コマンドC402Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」)を通知する。コマンドC403Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にリーチ演出を伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」)を通知する。コマンドC404Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内でもリーチ確定範囲内でもない場合に送信され、リーチ演出を伴う変動パターンに決定されない可能性があるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時一般」)を通知する。このように、入賞時判定結果コマンドは、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。
図3に示すS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。確定特別図柄を停止表示させるときには、可変表示における表示結果が導出されることを特定可能な演出制御コマンドとして、図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「2」または「15」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図3のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(S232)。これにより、図4に示すS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(S234)。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S235の処理は、S231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
S236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(S239)。一例として、S239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。S239の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、特図ゲームにおいて導出される特別図柄の表示結果が特定表示結果としての大当り図柄になるとともに、飾り図柄の可変表示において導出される表示結果が大当り組合せの確定飾り図柄になった後、パチンコ遊技機1における遊技状態が、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御される。このように、CPU103がS239の処理を実行することにより、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定することができる。
S239の処理において、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図3に示すS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれかであった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
CPU103は、S239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(S240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(S242)。一例として、S242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
S242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(S243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
S240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(S240;No)、S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(S244)。一例として、S240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、S240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
S244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(S245)、特別図柄通常処理を終了する。S245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すS111の変動パターン設定処理が実行される。
S235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(S246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図9は、変動パターン設定処理として、図3のS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(S261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(S262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(S261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(S263)。
S262の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、S263の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
図11は、大当り変動パターンやハズレ変動パターンの決定例を示している。図9に示すS262の処理では、例えば図11(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図11(A)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。図9に示すS263の処理では、時短制御が行われていない通常時であるときに、例えば図11(B1)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図9に示すS263の処理では、時短制御が行われている時短中であるときに、例えば図11(B2)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。S263の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図11(A)に示す例では、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図11(B1)や図11(B2)に示す例では、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図11(B1)に示す決定例では、第1特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。具体的な一例として、「151」〜「180」の範囲の決定値は、第1特図保留記憶数が0であれば変動パターンPA1−1に割り当てられ、第1特図保留記憶数が1であれば変動パターンPA1−2に割り当てられ、第1特図保留記憶数が2以上であれば変動パターンPA1−3に割り当てられている。このような設定により、第1特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第1特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときの第2特図保留記憶数にかかわらず、その時点における第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、第2特図保留記憶数にかかわらず図11(B1)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B1)に示す「第1特図保留記憶数」を「第2特図保留記憶数」に読み替えて、第2特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
図11(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、第2特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われている時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図を用いた特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が0になっている。そのため、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図保留記憶数にかかわらず図11(B2)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B2)に示す「第2特図保留記憶数」を「第1特図保留記憶数」に読み替えて、第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
S262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(S264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、S262、S263の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
S264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(S266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドは、単に変動開始コマンドともいう。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
S266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(S267)、変動パターン設定処理を終了する。S267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図12に示す演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行し(S51)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S52)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S52;No)、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(S52;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する(S54)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに入賞時判定結果コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S55)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S56)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
続いて、主基板11から演出制御コマンドに含まれる異常報知コマンドを受信した場合には、当該コマンドに応じて異常の発生を報知するエラー報知処理(S57)が実行される。エラー報知処理では、例えば、演出制御用CPU120の制御の下で、異常の発生を報知するエラー画像を画像表示装置5に表示させたり、異常の発生を報知するための音声をスピーカ8L、8Rから出力させたりする。エラー報知処理の実行後はS52に戻る。
エラー画像は、後述の図17(D1)に示すように、画像表示装置5の表示領域の全面に渡って表示されるもの(全画面表示)であってもよいし、図17(D2)に示すように、画像表示装置5の表示領域の一部に表示されるもの(部分表示)であってもよい。また、例えば、異常報知コマンドが異常入賞を示す場合であればエラー画像を全画面表示の態様にて表示し、異常報知コマンドが玉抜きエラー(下皿に貯留されている遊技球が規定量を超えた場合のエラー)を示す場合であれば部分表示の態様にて表示するといったように、エラーの種類(重大度)に応じてエラー画像の表示態様を変更させてもよい。
この実施の形態においては、エラー画像は、異常報知コマンドが示すエラーが解消されるまでは画像表示装置5から消去されない。したがって、可変表示結果の導出表示中(図17(D2)参照)もエラー画像は消去されず、また、後述する調整結果画像Rの表示よりもエラー画像の表示が優先されるようになっている。また、この実施の形態においては、後述のように演出効果としての音量が、遊技者の操作によって調整可能となっているが、エラー音については初期設定のままで調整不能となっている。これにより、なんらかのエラーが発生したにも関わらず遊技者や遊技店店員がエラー発生に気付かないといったことを防止できる。
図13は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す演出制御プロセス処理では、まず、変化演出用キャラクタ表示処理を実行する(S162)。変化演出用キャラクタ表示処理は、保留表示変化演出を実行する決定結果に応じた設定に基づいて、保留表示変化共通演出におけるキャラクタを示す演出画像を、画像表示装置5の画面上に表示するための処理を含んでいる。また、変化演出用キャラクタ表示処理は、主基板11から伝送される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)や図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する処理や、これらの判定結果に応じてキャラクタを示す演出画像の表示制御を行うための処理などを含んでいる。
図14は、図13のS162にて実行される変化演出用キャラクタ表示処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す変化演出用キャラクタ表示処理において、演出制御用CPU120は、まず、キャラクタ表示中であるか否かを判定する(S601)。例えば演出制御用CPU120は、保留表示変化共通演出で用いられる図15(B)に示すキャラクタCH1(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像が表示されている場合に、キャラクタ表示中であると判定すればよい。
S601にてキャラクタ表示中ではない場合には(S601;No)、変化演出の設定があるか否かを判定する(S602)。例えば演出制御用CPU120は、保留表示データ記憶部における保留表示変化パターンや変化演出タイミングパターンの記憶内容を特定して、保留表示変化演出を実行する決定結果に対応する情報が記憶されていれば、変化演出の設定があると判定すればよい。変化演出の設定がない場合には(S602;No)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。
S602にて変化演出の設定がある場合には(S602;Yes)、変化演出用キャラクタを示す演出画像について、画像表示装置5の画面上にて表示を開始させる制御を行ってから(S603)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S603の処理において、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示中であるか否かの判定結果に応じて、変化演出用キャラクタの表示態様を異ならせてもよい。飾り図柄の可変表示中であるか否かは、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値から特定すればよい。より具体的に、演出プロセスフラグの値が“2”のときには、飾り図柄の可変表示中であると判定すればよい。これに対し、演出プロセスフラグの値が“2”以外のときには、飾り図柄の可変表示中ではないと判定すればよい。飾り図柄の可変表示中であると判定したときには、変化演出用キャラクタの表示態様をアクション態様とすることを指示する表示制御指令を、例えば表示制御部123のVDPに対して出力する。一方、飾り図柄の可変表示中ではないと判定したときには、変化演出用キャラクタの表示態様を静止態様とすることを指示する表示制御指令を、例えば表示制御部123のVDPに対して出力する。
アクション態様は、予め用意されたアニメーションパターンに従って、変化演出用キャラクタの表示位置、大きさ、回転量、移動方向、移動速度、移動量、あるいは変化演出用キャラクタにおける形状、模様、色彩の一部または全部が、時間経過に伴い変化する変化表示(動作表示)の表示態様であればよい。アニメーションパターンに従った変化演出用キャラクタの変化は、所定周期で繰り返されてもよい。このようなアクション態様に対し、静止態様は、変化演出用キャラクタが時間経過によっても変化しない静止表示の表示態様であればよい。静止態様との対比において、アクション態様は、非静止態様あるいは行動態様ともいう。
S603の処理が実行されることにより表示が開始される変化演出用キャラクタを示す演出画像は、保留表示変化演出における作用演出などで用いられるキャラクタ(例えば図15(B)に示すようなキャラクタCH1)を示す画像である。S603の処理が実行されることで、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、保留表示変化演出が実行される可変表示が開始されるより前でも、その表示を開始することができる。この場合、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、複数回の可変表示にわたり画像表示装置5の画面上に表示することができる。
S601にてキャラクタ表示中である場合には(S601;Yes)、予め定められた表示終了タイミングであるか否かを判定する(S604)。表示終了タイミングは、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときや、スーパーリーチにおけるリーチ演出の実行が開始されたとき、保留表示変化パターンによる保留表示変化演出の実行が終了したときのいずれかといった、予め定められた変化演出用キャラクタの表示終了条件が成立するタイミングであればよい。表示終了タイミングである場合には(S604;Yes)、変化演出用キャラクタとなるキャラクタCH1を示す演出画像について、画像表示装置5の画面上における表示を終了させる制御を行ってから(S605)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。
変動終了タイミングではない場合には(S604;No)、主基板11から伝送される変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(S606)。S606の処理では、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときに、変動開始コマンドの受信があったと判定すればよい。変動開始コマンドの受信があった場合には(S606;Yes)、変動中表示制御を開始させる設定を行ってから(S607)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S607の処理では、例えばS603の処理において飾り図柄の可変表示中であると判定されたときと同様に、変化演出用キャラクタの表示態様をアクション態様とすることを指示する表示制御指令を、表示制御部123のVDPに対して出力すればよい。これにより、可変表示の開始を特定可能な変動開始コマンドの受信を契機として、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様を、アクション態様にすることができる。
S606にて変動開始コマンドの受信がない場合には(S606;No)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S608)。図柄確定コマンドの受信がない場合には(S608;No)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。これに対し、図柄確定コマンドの受信があった場合には(S608;Yes)、図柄確定時表示制御を開始させる設定を行ってから(S609)、変化演出用キャラクタ表示処理を終了する。S609の処理では、例えばS603の処理において飾り図柄の可変表示中ではないと判定されたときと同様に、変化演出用キャラクタの表示態様を静止態様とすることを指示する表示制御指令を、表示制御部123のVDPに対して出力すればよい。これにより、可変表示における表示結果が導出される期間において、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様を、静止態様にすることができる。
図15は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図15(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割り当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図15(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。この実施の形態において、複数のレイヤには、エラー表示レイヤ、小図柄表示レイヤ、調整結果画像表示レイヤ、全画面予告表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、飾り図柄表示レイヤ、図柄予告表示レイヤが含まれている。エラー表示レイヤには、エラー表示の演出画像が描画される。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリア5Vにて可変表示される小図柄を示す演出画像が描画される。調整結果画像表示レイヤには、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが描画される。全画面予告表示レイヤには、全画面予告演出で用いられる全画面予告表示の画像が描画される。変化演出表示レイヤには、保留表示変化演出で用いられるキャラクタなどを示す演出画像が描画される。飾り図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄を示す演出画像が描画される。図柄予告表示レイヤには、図柄予告演出で用いられる図柄予告表示の画像が描画される。図柄予告表示の画像は、飾り図柄に関連する予告表示であればよく、この実施の形態では、例えば飾り図柄の周囲に位置し、飾り図柄のオーラ(後光)のような表示態様の画像Gとしている。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図15(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、エラー表示レイヤ、小図柄表示レイヤ、調整結果画像表示レイヤ、全画面予告表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、飾り図柄表示レイヤ、図柄予告表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
例えば表示制御部123のVDPは、CGROMから読み出した画像データをVRAMのフレームバッファなどに書き込むときに、Z値の比較演算を行うことで、優先度の判定を行えばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書き込まれる。これにより、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図15(B)に示すように、エラー画像表示レイヤは、最も前方側に配置されるようにZ値を設定することで、エラー画像(図17(D1)、(D2)参照)の優先度を他の演出画像よりも高くするようにしている。また、小図柄表示レイヤは、遊技者からみて、エラー表示レイヤの次に前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、画像表示措置5の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の可変表示は、エラー画像に重ならない限り、常に遊技者が視認可能となる。また、調整結果画像表示レイヤは、小図柄表示レイヤの次に前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、音量の調整結果を示す調整結果画像Rは、全画面予告表示の画像や飾り図柄を示す演出画像などよりも前方側の重複する位置に配置することができる。また、全画面予告表示レイヤは、飾り図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、全画面予告演出で用いられる全画面予告画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができ、飾り図柄を隠すことができる。なお、全画面予告表示レイヤは、調整結果画像表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定されるようにしてもよい。また、変化演出表示レイヤは、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、飾り図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出で用いられる演出画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。また、図柄予告表示レイヤは、飾り図柄表示レイヤの次に配置されるように、Z値が設定される。これにより、図柄予告演出で用いられる図柄予告画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側の重複する位置に配置することができ、飾り図柄を背後から装飾する表示(例えば飾り図柄のオーラ表示)を行うことができる。
図16は、図13のS163にて実行される演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中(図17(A1)、(A2)参照)や客待ちデモンストレーション表示中(図17(B)参照)に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、画像表示装置5の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、図17(A1)、(A2)、(B)、(C2)などに示すように、例えば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者などに現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様などであってもよい。
なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面(図17(C1)参照)から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中(図17(C2)参照)となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図16に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(S701)。例えば、演出制御用CPU120は、メニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。なお、メニューモード実行中フラグは、後述のS662でオン状態にセットされ、S661でオフ状態にクリアされる(図19参照)。
メニューモード実行中でない場合(S701;No)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(S702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のS708やS715でオン状態にセットされ、S704、S712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(S702;Yes)、演出制御用CPU120は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(S703)。ここで、調整操作(調整動作)は、例えばスティックコントローラ31Aなどの操作手段を用いて遊技者によってなされる操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、例えば、スティックコントローラ31Aを左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内(例えば、1〜6の6段階)から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタン31Bを押下操作したりすることによってなされてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ31Aに限られず、図示しない十字ボタンやダイヤル式の操作手段などであってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサ(例えばフォトセンサなど)を用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施の形態では、数秒程度(例えば2〜10秒)に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、例えば、後述のS706で調整操作あり(S706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作(調整動作)は、演出効果としての画像表示装置5や演出効果ランプの表示輝度(光量)を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
S703において、調整操作受付時から所定期間T1が経過していた場合(S703;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像Rを画像表示装置5から消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(S704)。このS704の処理により、遊技中や、デモ表示中の場合には、調整操作から所定期間T1が経過すると、調整結果画像Rが消去されることになる。S704の処理に続いて、演出制御用CPU120は、S706の処理を実行する。また、S702やS703の処理でNo判定の場合にも、S706の処理を実行する。
S701において、メニューモード実行中である場合には(S701;Yes)、音量調整モード選択中であれば(S705;Yes)、S706の処理を実行する。例えば、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択中フラグがオン状態であれば音量調整モード選択中であると判定し、オフ状態であれば音量調整モード選択中でないと判定する。なお、音量調整モード選択中フラグは、後述のS664でオン状態にセットされ、所定の場合にオフ状態にクリアされる。例えば、メニューモード実行中に音量調整以外のモード選択がなされた場合や、メニューモード実行中フラグがオフされるのに伴って、音量調整モード選択中フラグはオフ状態にクリアされる。また、音量調整モードが選択されている場合には(S705;Yes)、S704の処理を経ず、調整結果画像Rが常に表示される。また、デモ表示中の場合にも調整結果画像Rは所定期間T1を経過しても消去されないようにしてもよい。メニューモード実行中であっても(S701;Yes)、音量調整モード選択中でない場合は(S705;No)、演出効果設定処理を終了する。
S706では、演出制御用CPU120は、調整操作があったか否かを判定する。演出制御用CPU120は、例えばスティックコントローラ31Aからの操作信号(例えば左右方向の傾倒操作を示す操作信号)が入力されている場合には、調整操作ありと判定し(S706;Yes)、調整操作に応じた音量設定値をRAM122に設けられた設定値格納領域に格納する(S707)。なお、S707の処理においても、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納された、エラー音についての音量設定値は変更されず、初期設定値のままである。
続いて、演出制御用CPU120は、調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを画像表示装置5に表示させ、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(S708)。なお、既に調整結果画像Rが表示中である場合(S702でYes、S703でNo、S706でYesと処理が推移した場合)は、今回の調整操作に応じた音量設定値を報知する調整結果画像Rを画像表示装置5に表示させ(前回の調整操作に応じた調整結果画像Rから更新表示し)、調整結果画像表示中フラグをオン状態のまま保つ。
S708の処理の実行後や、S706の処理で調整操作なしと判定した場合は(S706;No)、S710の処理を実行する。
S710では、演出制御用CPU120は、可変表示結果導出表示期間T2(以下、単に「導出表示期間」とも言う)であるか否かを判定する。例えば、演出制御用CPU120は、後述の可変表示中演出処理において、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理を開始した際にオン状態にセットされ、当該処理を終了した際にオフ状態にクリアされるフラグに基づいて、導出表示期間T2であるか否かを判定する。導出表示期間T2は、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄の表示期間に相当するものであり、数秒程度(例えば、0.5〜1秒)に設定されている。したがって、この実施の形態では、導出表示期間T2は、前述の所定期間T1よりも短くなる。なお、導出表示期間T2は一定でなくともよく、例えば、通常状態のときよりも時短状態のときの方が短くなるように設定するなどしてもよい。
可変表示結果の導出表示期間T2である場合(S710;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定し(S711)、オンであれば(S711;Yes)、調整結果画像Rを消去し、調整結果画像表示中フラグをオフ状態にクリアする(S712)。これにより、調整操作から所定期間T1が経過していなくとも、導出表示期間T2であれば、調整結果画像Rが消去されることになる(後述の図18(A)、(B)参照)。
一方で、可変表示結果の導出表示期間T2でない場合(S710;No)、演出制御用CPU120は、調整結果画像表示中フラグがオンであるか否かを判定する(S713)。オフであれば、つまり、調整結果画像Rが表示されていなければ(S713;No)、S714の処理を実行する。
S714の処理では、演出制御用CPU120は、可変表示の導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内であるか否か(所定期間T1が経過していないか否か)を判定する。導出表示期間T2が経過し、且つ、所定期間T1内である場合(S714;Yes)、演出制御用CPU120は、調整結果画像Rを復帰表示(再び表示)し、調整結果画像表示中フラグをオン状態にセットする(S715)。これにより、S712の処理で調整結果画像Rが消去されていたとしても、導出表示期間T2でなく(S710;No)、導出表示期間T2が経過したが所定期間T1内である場合(S714;Yes)には、図18(B)に示すように、調整結果画像Rが復帰して表示される。
S713でYes判定であった場合や、S705、S711、S714でNo判定であった場合や、S712、S715の実行後は、演出制御用CPU120は、演出効果設定処理を終了する。
なお、導出表示期間T2において調整結果画像Rが消去されている場合は、S706あるいはS707の処理を経ないようにして、調整操作を無効としたり、調整操作に応じた音量設定を無効としたりしてもよい。また、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納された音量設定値を、所定のタイミングでデフォルト(初期設定値)に戻るように構成してもよい。当該所定のタイミングとしては、例えば、特定の変動後や、変動を特定回数実行後や、客待ちデモ表示復帰タイミングや、パチンコ遊技機1の再起動時などであればよい。また、所定期間T1は、互いに長さの異なる複数種類用意され、例えば遊技状態ごとに使い分けてもよい。例えば、時短状態では所定期間を10秒とし、通常状態では所定期間を5秒とするなどしてもよい。
ここで、導出表示期間T2に調整結果画像Rが消去される場合の主な例を、図18(A)、(B)のタイミングチャートを参照して説明する。図18(A)、(B)に示すように、直近の調整操作があった時点から所定期間T1は調整結果画像Rの表示期間となるが、所定期間T1と導出表示期間T2の少なくとも一部が重なる場合には、調整結果画像Rは消去される(S712に相当)。図18(A)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1の後端部と重なる場合であり、この場合は次回の調整操作があるまで調整結果画像Rは表示されない。一方で、図18(B)に示す例は、導出表示期間T2が所定期間T1内にある場合であり、この場合は導出表示期間T2が終了すると、調整結果画像Rが再び表示され(S715に相当)、所定期間T1が経過するまで表示が継続される。なお、図示しないが、導出表示期間T2が所定期間T1の前端部と重なる場合は、導出表示期間T2の終了を待って、調整結果画像Rが表示されることになる。このように、この実施の形態によれば、導出表示期間T2においては調整結果画像Rが消去されるため、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
図17(A1)は、遊技中における調整結果画像Rの表示例である。遊技中においては、調整結果画像Rは画像表示装置5の右下端部に表示される。そして、この実施の形態においては、調整結果画像Rの表示領域は、図17(A1)に示すように、飾り図柄の表示領域Ar(前記の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rを含む領域)の一部と重なるようになっている。また、図17(A2)は、特に全画面予告中における調整結果画像Rの表示例であり、全画面予告表示上に調整結果画像Rが重なって表示される。なお、全画面予告中は、調整結果画像Rを表示しないようにしてもよい。このような演出期間にて調整結果画像Rを表示すると全画面予告演出の興趣が低下することも考えられるため、全画面予告中は調整結果画像Rを表示しないが調整可能としてもよいし、表示も調整も不可能としてもよい。
図17(B)は、デモ表示中(客待ちデモンストレーション表示中)における調整結果画像Rの表示例である。デモ表示中は、同図に示すように、例えば「デモ表示中」などの客待ちデモンストレーション中であることを示す画像が画像表示装置5に表示されると共に、調整操作が行われた場合には、デモ表示画像に調整結果画像Rが重畳表示される。
図17(C1)は、メニューモード中におけるメニュー画面の表示例である。この実施の形態では、メニューモード中においては、遊技者による音量調整モード選択操作があり、図17(C2)に表示例を示す音量調整モード選択中の画面に切り替わった際にのみ音量調整が可能となっている。メニューモードにおける項目の選択は、例えばスティックコントローラ31Aの傾倒操作により可能となっており、「音量調整」の項目を選択した状態でスティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したり、プッシュボタン31Bを押下操作したりすることによって、図17(C2)に示すような音量調整モード選択中の画面に遷移する。なお、項目選択のための操作手段はスティックコントローラ31Aに限られず、図示しない十字ボタンなどであってもよい。なお、図17(A1)、(A2)に示す遊技中と、図17(C2)に示す音量調整モード選択中とで、調整結果画像Rの表示態様を異ならせてもよい。例えば、音量調整モード選択中の場合は、遊技中に比べて調整結果画像Rを大きく表示したり、画像表示装置5の中央に表示したりなどしてもよい。
図17(D1)、(D2)は、前述したようにエラー報知処理(S57)において表示可能なエラー画像の例であり、この実施の形態においては、エラー画像は、(i)可変表示結果の導出表示中も消去されず、(ii)調整結果画像Rよりも優先して表示される。
図13に示すS163にて演出効果設定処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出プロセスフラグの値をアタッカー開放時演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー開放時演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー開放時演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図19は、可変表示開始待ち処理として、図13のS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始待ち処理において、まず演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否かを判定する(S651)。変動パターン指定コマンド受信フラグがオンであれば(S651;Yes)、変動パターン指定コマンド受信フラグをオフ状態にクリアする(S652)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(S171)に対応した値“1”に更新する(S653)。
変動パターン指定コマンド受信フラグがオンでない(すなわち、変動パターン指定コマンドを受信していない)場合(S651;No)には、演出制御用CPU120は、客待ちデモンストレーション(客待ちデモ)表示中であるか否かを判定する(S654)。なお、客待ちデモ表示中であるか否かは、例えば、後述するS658の実行に伴ってオン状態にセットされる客待ちデモ表示中フラグに基づいて判定すればよい。
客待ちデモ表示中でなければ(S654;No)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオンであるか否かを判定する(S655)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオンの場合(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信している)(S655;Yes)には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かを判定する(S656)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かは、例えば、図12に示すコマンド解析処理(S54)内にて客待ちデモ指定コマンド受信フラグをオン状態にセットしたときに、所定のタイマに30秒に相当する値をセットするようにし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒が経過していれば(S656;Yes)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをオフする(S657)とともに、画像表示装置5において所定の客待ちデモンストレーション表示を開始する(S658)。客待ちデモ表示としては、図17(B)に示したように「デモ表示中」などの文字列を表示する態様に限られず任意であり、例えば、所定の初期出目(例えば、「123」などの図柄の組み合わせや、「777」などの大当りを連想させる図柄の組み合わせ)を表示したり、所定のキャラクタを表示させたり、遊技機メーカのロゴタイプを表示させたりしてもよい。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信してから(可変表示が途切れたときに相当)30秒を経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始する場合を示しているが、このような態様に限定されない。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから20秒や1分が経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信すると直ちに客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。
S658の処理に続いて、あるいは客待ちデモ表示中であった場合(S654;Yes)、演出制御用CPU120は、メニュー切替操作があったか否かを判定する(S659)。メニュー切替操作は、例えば、客待ちデモ表示中に受け付け可能なプッシュボタン31Bの押下操作であり、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bからの操作信号が入力されている場合にはメニュー切替操作があったと判定する。なお、メニュー切替操作を受け付け可能な操作手段は任意であり、プッシュボタン31Bに限られない。
メニュー切替操作があった場合は、演出制御用CPU120は、メニューモード実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(S660)。メニューモード実行中フラグがオフであれば(S660;No)、客待ちデモ表示を消去してメニュー表示を開始し(画像表示装置5における表示を、図17(B)から図17(C1)のような態様に切り替え)、メニューモード実行中フラグをオン状態にセットする(S662)。一方、メニューモード実行中フラグがオンであれば(S660;Yes)、メニュー表示を消去して客待ちデモ表示を復帰させ(画像表示装置5における表示を、図17(C1)から図17(B)のような態様に切り替え)、メニューモード実行中フラグをオフ状態にクリアする(S661)。
S662の処理に続き、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択操作があったか否かを判定する(S663)。音量調整モード選択操作があったか否かは、例えば、当該操作を受け付ける操作手段(前記のようにスティックコントローラ31Aのトリガボタンや、プッシュボタン31Bなど)からの操作信号が入力されているか否かを判定すればよい。音量調整モード選択操作があった場合(S663;Yes)、演出制御用CPU120は、音量調整モード選択中フラグをオン状態にセットする(S664)。S653、S661、S664の実行後や、S655、S656、S659、S663でNo判定の場合は、可変表示開始待ち処理を終了する。
図20は、可変表示開始設定処理として、図13のS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。S321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
このように、S321の処理により可変表示内容に応じた最終停止図柄を決定することで、特図ゲームにおける確定特別図柄の決定結果に基づいて、遊技状態を大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に関連する飾り図柄の可変表示結果を決定することができる。また、S321の処理では、確定飾り図柄に対応する小図柄を、小図柄の可変表示における表示結果として決定すればよい。
なお、S321の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。S321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
S321の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。なお、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かなどに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322の処理に続いて、演出制御用CPU120は、所定の予告演出としての全画面予告演出を設定する全画面予告演出設定処理(S322A)を実行する。全画面予告演出設定処理では、例えば図27(B2)に示すように変動開始時に画像表示装置5の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して飾り図柄の表示態様を視認困難とするブラックアウト演出といった全画面を覆う予告演出(全画面予告演出)の実行設定などが行われる。なお、被覆画像は、暗転画像DGや黒画像に限るものではなく、発光態様の画像やフリーズ態様の画像など、所定の色や模様などの画像であってもよく、飾り図柄の表示形態(特に飾り図柄の表示内容)が視認困難または視認不可能になる画像であればよい。また、所定の予告演出は、パネル型(パネル表示形式)のステップアップ予告、カットイン予告、ストーリー予告、ミニゲーム予告、発展予告などであってもよく、表示画面の全域または部分(少なくとも飾り図柄を隠すことが可能な部分)に表示される予告演出であって、少なくとも飾り図柄(例えば、飾り図柄の表示形態または表示内容など)が全く見えない(透過性がゼロ)などの視認不可能とする予告演出や、表示画面や飾り図柄が透けて見える(透過性が低い)などの視認困難とする予告演出であってもよい。また、S322Aの処理を「予告演出設定処理」とし、前記の全画面予告演出以外の他の予告演出、つまり、可変表示中の他の予告演出(ステップアップ予告やセリフ予告など)についても同時に決定するようにしてもよい。
S322Aの処理に続いて、図柄予告演出設定処理(S322B)を実行する。図柄予告演出設定処理では、例えば図27(B1)、(D2)に示すように飾り図柄の周囲に所定色(例えば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出(図柄予告演出)の実行設定などが行われる。なお、図柄予告演出は、オーラ表示に限らず、飾り図柄に関連または付帯して行われる予告(例えばキャラクタが登場するキャラクタ予告、背景の表示態様が変わる背景予告など)であればよく、飾り図柄自体の表示態様(例えば、色や形状など)を通常の飾り図柄とは異なる表示態様に変化させる予告としてもよい。例えばキャラクタ予告であれば、キャラクタの衣装、大きさ、ポーズ、種類などが異なる複数のキャラクタ予告を備えるようにしたり、背景の表示態様が異なる複数の背景予告を備えるようにしたりしてもよい。
S322Bの処理に続いて、図柄逆方向始動表示設定処理(S322C)を実行する。図柄逆方向始動表示設定処理では、例えば図27(B1)に示すように、変動開始時に画像表示装置5の表示画面の所定方向(例えば順方向(下方向)など)とは異なる特定方向(例えば、順方向とは反対の逆方向(上方向)など)に飾り図柄が始動する(変動または変位などを始める)といった図柄逆方向始動表示の実行設定などが行われる。なお、この実施の形態では、飾り図柄が可変(変動)表示される所定方向は下方向としているが、上方向、左方向、右方向、斜め方向、前方向、後方向などであってもよい。この所定方向としては、例えば、基本的な変動方向、可変表示において識別情報を主として変位させる方向、予告演出が無しのときの変動方向、遊技者が最も目(専ら目する)にする変動方向、導出表示するときの変動方向などの通常方向が含まれる。また、特定方向としては、逆方向(上方向)としているが、上方向以外で順方向とは異なる方向(例えば、左方向、右方向、斜め方向、前方向、後方向など)としてもよい。なお、図20では、全画面予告演出設定処理(S322A)、図柄予告演出設定処理(S322B)、図柄逆方向始動表示設定処理(S322C)の順番で実行されているが、この順番以外の順番であってもよい。
S322Cの処理に続いて、図柄予告演出タイミング調整処理(S322D)を実行する。図柄予告演出タイミング調整処理では、全画面予告演出が無い場合には、図26(A)に示すように図柄予告演出タイミングを変動開始時に設定しているが、全画面予告演出がある場合には、図26(B)に示すように図柄予告演出タイミングを全画面予告実行期間後に変更するといった調整が行われる。
S322Dの処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
また、S325の処理では、飾り図柄の変動を開始させるとともに、小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の変動を開始させるための設定を行う。これにより、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームのそれぞれに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときに、小図柄の可変表示も開始させることができる。なお、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して可変表示が開始される小図柄(第1小図柄)と、第2特図を用いた特図ゲームに同期して可変表示が開始される小図柄(第2小図柄)とが、別個に配置されてもよい。一例として、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示される第1小図柄を小図柄表示エリア5Vにおける右側に配置し、第2特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示される第2小図柄を小図柄表示エリア5Vにおける左側に配置してもよい。こうして、第1小図柄と第2小図柄のいずれが可変表示されるかを確認することで、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームのいずれが実行されているかを遊技者などが特定できればよい。第1小図柄と第2小図柄を別個に配置した場合には、例えば主基板11から伝送された変動開始コマンドなどに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームと、第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれの特図ゲームにおける可変表示が開始されるかを判定すればよい。そして、第1特図を用いた特図ゲームが開始される場合には第1小図柄の可変表示を開始させる一方、第2特図を用いた特図ゲームが開始される場合には第2小図柄の可変表示を開始させればよい。このように、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して第1報知情報画像となる第1小図柄を示す演出画像の可変表示を行い表示結果が導出され、第2特図を用いた特図ゲームに同期して第2報知情報画像となる第2小図柄を示す演出画像の可変表示を行い表示結果が導出されてもよい。
S325の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HRの第1保留表示や第2保留表示部5HLの第2保留表示などを更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留表示部5HRにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図21は、全画面予告演出設定処理として、図20のS322Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す全画面予告演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであるかを判定する(S501)。スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであると判定された場合(S501;Yes)には、全画面予告演出の有無を決定する(S502)。
詳しくは、S502の処理では、演出制御用CPU120は、全画面予告決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図21(B)に示す全画面予告決定用テーブルとを用いて、全画面予告演出を実行するか否かを決定する。例えば、図21(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも全画面予告演出が実行され易くなっており、全画面予告演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、スーパーリーチ変動パターンには、図10に示すような擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
S502の処理の実行後、全画面予告演出が有りに決定されたか否かを判定する(S503)。全画面予告演出が有りに決定された場合(S503;Yes)には、全画面予告フラグをオン状態にセットする(S504)。S504の処理の実行後、飾り図柄の順方向(下方向)変動開始タイミングを全画面予告演出の終了後の第2タイミング(タイミングT03)に変更する(S505)。例えば、図26(B)、図28(B)に示すように変動開始時に図柄逆方向始動表示(逆変動)がある場合には、順方向変動の開始タイミングが、タイミングT01(第1タイミング)ではなく、全画面予告演出の終了後のタイミングT03(第2タイミング)に変更される。また、図30(B)に示すように変動開始時に図柄逆方向始動表示(逆変動)が無い場合にも、順方向変動の開始タイミングが全画面予告演出の終了後のタイミングT03(第2タイミング)に変更される。
S501にてスーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンの何れでもないと判定された場合(S501;No)や、S503にて全画面予告演出が無しの場合や、S505の処理の実行後には、全画面予告演出設定処理を終了する。
図22は、図柄予告演出設定処理として、図20のS322Bにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す図柄予告演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであるかを判定する(S511)。スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであると判定された場合(S511;Yes)には、図柄予告演出の有無を決定する(S512)。
詳しくは、S512の処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図22(B)に示す図柄予告決定用テーブルとを用いて、図柄予告演出を実行するか否かを決定する。例えば、図22(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも図柄予告演出が実行され易くなっており、図柄予告演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、スーパーリーチ変動パターンには、図10に示すような擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
S512の処理の実行後、図柄予告演出が有りに決定されたか否かを判定する(S513)。図柄予告演出が有りに決定された場合(S513;Yes)には、図柄予告フラグをオン状態にセットする(S514)。S514の処理の実行後、図柄予告の種別を決定する(S515)。
詳しくは、S515の処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告演出種別決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図22(C)に示す図柄予告演出種別決定用テーブルとを用いて、図柄予告演出の種別、つまり飾り図柄のオーラの色(オーラの画像Gの色)を決定する。例えば、図22(C)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「青色」に決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「青色」が50%、「緑色」が40%、「赤色」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「青色」が10%、「緑色」が30%、「赤色」が60%の確率で決定される。大当り期待度は、オーラが青色<緑色<赤色の順に大きくなっており、図柄予告演出の種別(オーラの色の違い)について大当りの期待感を持つことができ、図柄予告演出についての面白みを持たすことができ、遊技の興趣が向上する。なお、図22(C)に示すスーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合における「赤色」を0%に設定してもよい。この場合には、オーラの「赤色」を、大当り確定となるプレミアム図柄予告とすることができる。
S511にてスーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンの何れでもないと判定された場合(S511;No)や、S513にて図柄予告演出が無しの場合や、S515の処理の実行後には、図柄予告演出設定処理を終了する。
図23は、図柄逆方向始動表示設定処理として、図20のS322Cにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す図柄逆方向始動表示設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであるかを判定する(S521)。スーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンであると判定された場合(S521;Yes)には、図柄逆方向始動表示の有無を決定する(S522)。
詳しくは、S522の処理では、演出制御用CPU120は、図柄逆方向始動表示決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図23(B)に示す図柄逆方向始動表示決定用テーブルとを用いて、図柄逆方向始動表示を実行するか否かを決定する。例えば、図23(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「実行なし」が90%、「実行あり」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が60%、「実行あり」が40%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が30%、「実行あり」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも図柄逆方向始動表示が実行され易くなっており、図柄逆方向始動表示について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
S522の処理の実行後、図柄逆方向始動表示が有りに決定されたか否かを判定する(S523)。図柄逆方向始動表示が有りに決定された場合(S523;Yes)には、図柄逆方向始動表示制御設定を行う(S524)。例えば、図26(A)、(B)に示すように、逆変動期間(つまり、変動開始時のタイミングT01から逆方向変動終了タイミングT03までの期間)において飾り図柄の逆方向変動を実行させる表示制御設定を行う。一方、図柄逆方向始動表示が無しに決定された場合(S523;No)には、全画面予告フラグがオンか否かを判定する(S525)。
全画面予告フラグがオンであれば(S525;Yes)、全図柄予告演出期間中は図柄揺動に設定する(S526)。図30(B)に示すように、全図柄予告演出期間(変動開始タイミングT01から全画面予告有料タイミングT03までの期間)中は飾り図柄が基準位置Refのままで横方向に揺動する表示設定が行われる。かかる飾り図柄の揺動は、図31(B2)、(B3)に示すブラックアウト演出(全画面予告)によって隠れているために遊技者からは視認できないが、後述の変形例1のように飾り図柄の変動開始から順方向変動の開始前までの期間よりも全画面予告演出の期間が短い場合には、タイミングT11〜T12の期間やタイミングT13〜T14の期間において飾り図柄の揺動が視認可能となる。一方、全画面予告フラグがオンでなければ(S525;No)、図30(A)に示すように、飾り図柄の順方向変動開始タイミングを変動開始時のタイミングT01(第1タイミング)に設定する(S527)。
S521にてスーパーリーチ変動パターンまたは非リーチ変動パターンの何れでもないと判定された場合(S521;No)や、S524、S526、S527の処理の実行後には、図柄逆方向始動表示設定処理を終了する。
図24は、図柄予告演出タイミング調整処理として、図20のS322Dにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す図柄予告演出タイミング調整処理では、演出制御用CPU120は、図柄予告フラグがオンであるか否かを判定する(S531)。図柄予告フラグがオンであれば(S531;Yes)、全画面予告フラグがオンであるか否かを判定する(S532)。全画面予告フラグがオンであれば(S532;Yes)、図柄予告演出を全画面予告演出期間の終了後に設定する(S533)。一方、全画面予告フラグがオフであれば(S532;No)、図柄予告演出を変動開始時に設定する(S534)。S531にて図柄予告フラグがオフの場合(S531;No)や、S533、S534の処理の実行後には、図柄予告演出タイミング調整処理を終了する。
図25は、可変表示中演出処理として、図13のS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示中演出処理では、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図20に示すS323の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
なお、保留表示変化演出のうちで保留表示変化共通演出におけるキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像は、図14に示されたS603の処理が実行されることで表示が開始され、S607、S609の処理が実行されることで可変表示中や図柄確定時における表示制御を行い、S605の処理が実行されることで表示が終了する。したがって、S343の処理では、変化演出用キャラクタに関する表示制御が行われなくてもよい。あるいは、保留表示変化演出における作用演出が実行される可変表示では、S343の処理にて変化演出用キャラクタの表示制御を行い、作用演出が実行されない可変表示では、S343の処理にて変化演出用キャラクタの表示制御が行われないようにしてもよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343の処理を実行した後には、全画面予告演出を実行するための全画面予告演出期間であるか否かを判定する(S344)。全画面予告演出期間である場合には(S344;Yes)、全画面予告演出を実行するための制御が行われる(S344A)。
S344にて全画面予告演出期間ではないと判定されたときや(S344;No)、S344Aの処理を実行した後には、図柄予告演出を実行するための図柄予告演出期間であるか否かを判定する(S344B)。図柄予告演出期間である場合には(S344B;Yes)、図柄予告演出を実行するための制御が行われる(S345)。
S344Bにて図柄予告演出期間ではないと判定されたときや(S344B;No)、S345の処理を実行した後には、図柄逆方向始動表示を実行するための図柄逆方向始動表示期間であるか否かを判定する(S345A)。図柄逆方向始動表示期間である場合には(S345A;Yes)、図柄逆方向始動表示を実行するための制御が行われる(S345B)。また、S345の直後、S345Bの直後などで、可変表示中の他の予告演出(ステップアップ予告やセリフ予告など)について実行するようにしてもよい。
S345Aにて図柄逆方向始動期間ではないと判定されたときや(S345A;No)、S345Bの処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。
S346にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(S346;No)、S347の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させるとともに、小図柄表示エリア5Vにおいて小図柄の変動を終了させる小図柄変動終了制御を行う。この小図柄変動終了制御では、小図柄の可変表示における表示結果として、図20に示すS321の処理で決定された確定飾り図柄に対応する小図柄を、小図柄表示エリア5Vにて停止表示させればよい。これにより、小図柄表示エリア5Vでは、第1特図を用いた特図ゲームと第2図柄を用いた特図ゲームのそれぞれに同期して飾り図柄の可変表示における表示結果となる確定飾り図柄が導出されて可変表示が終了するときに、小図柄の可変表示も終了させることができる。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。また、S351Aの処理では、全画面予告フラグと図柄予告フラグをオフ状態にリセットする(S351A)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
なお、例えば図25に示すS348の処理では、飾り図柄の可変表示状態にかかわらず、小図柄が常に一定の変動態様で可変表示されるように、小図柄表示エリア5Vにおける表示制御が行われるようにすればよい。例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合や、「擬似連」などの可変表示演出が実行される場合に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部または全部にて飾り図柄が仮停止表示されるときでも、小図柄表示エリア5Vでは、小図柄が仮停止表示などされることはなく、継続して一定速度で変動する可変表示が行われるようにすればよい。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄や小図柄の可変表示が行われる。
遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて第1始動条件が成立したときには、図4に示すS203、S207の処理が実行されることにより、第1特図保留記憶数が1加算される。遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて第2始動条件が成立したときには、図4に示すS206、S207の処理が実行されることにより、第2特図保留記憶数が1加算される。このときには、S209の処理により特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。そして、S212にて図5に示すような入賞時乱数値判定処理を実行することにより、可変表示結果が「大当り」になるか否かなどの可変表示内容を判定して、入賞時判定結果を示す入賞時判定結果コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
そして、入賞時判定結果コマンドを含めた始動入賞時に伝送される演出制御コマンドの受信があったか否かが判定される。そして、コマンド受信があると判定された場合には、特定した入賞時判定結果に基づいて保留表示変化演出の有無や種別が決定される。保留表示変化演出を実行することに決定されると、表示変化の有無が決定される。表示変化ありに決定された場合には保留表示変化パターンを決定し、表示変化なしに決定された場合には変化演出タイミングパターンが決定される。保留表示変化パターンや変化演出タイミングパターンの決定結果は、保留表示データ記憶部にて保留番号と関連付けて記憶される。
図14に示すS602では、保留表示データ記憶部における記憶内容に基づいて、保留表示変化演出といった変化演出を実行するための設定があるか否かが判定される。そして、設定があると判定された場合には、S603の表示開始制御によりキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像の表示が開始される。変化演出用キャラクタを示す演出画像は、S604にて表示終了タイミングであると判定されるまで、複数回の可変表示にわたり継続して表示することができる。各可変表示が開始されるときには、S606にて変動開始コマンドの受信があったと判定されることで、S607の制御開始設定が行われ、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様が飾り図柄の可変表示中(変動中)に対応したアクション態様となる。これに対し、各可変表示における表示結果が導出されるときには、S608にて図柄確定コマンドの受信があったと判定されることで、S609の制御開始設定が行われ、変化演出用キャラクタを示す演出画像の表示態様が飾り図柄の確定表示時に対応した静止態様となる。こうして、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像の表示結果が導出される期間では、キャラクタを示す演出画像の表示態様を静止態様とすることができる。
開始条件の成立に基づいて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図3に示すS111にて図9に示すような変動パターン設定処理を実行することにより、複数の変動パターンのいずれかを決定して、決定された変動パターンを特定可能に示す変動パターン指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図20に示すS321では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて最終停止図柄などが決定され、続いてS322の変化演出設定処理では、保留表示変化タイミングであると判定されたときに保留表示変化演出の実行設定が行われる。続いてS322Aの全画面予告演出設定処理では、全画面予告演出の有無を決定し、全画面予告演出が有りに決定された場合に全画面予告演出の実行設定が行われる。続いてS322Bの図柄告演出設定処理では、図柄予告演出の有無を決定し、図柄予告演出が有りに決定された場合に図柄予告演出の実行設定が行われる。続いてS322Cの図柄逆方向始動表示設定処理では、図柄逆方向始動表示の有無を決定し、図柄逆方向始動表示が有りに決定された場合に図柄逆方向始動表示の実行設定が行われる。続いてS322Dの図柄予告演出タイミング調整処理では、図柄予告演出タイミングの調整設定が行われる。そして、図25に示すS172では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて飾り図柄の可変表示(変動表示)が行われ、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)が行われる。この可変表示中における各演出期間には、全画面予告演出、図柄予告演出、図柄逆方向始動表示、リーチ演出などがそれぞれ実行可能となっている。
ここで、図26、図27を参照して、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出と逆変動が表示される場合の一例を説明する。図26は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出の実行が無く、(B)では全画面予告演出の実行が有る場合を示す。図27は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図26に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図27(A)、(B1)〜(E1)は図26(A)の場合の演出実行例であり、図27(A)、(B2)〜(E2)は図26(B)の場合の演出実行例である。
図26(A)に示すように、飾り図柄の変動表示についてみれば、その変動開始時(タイミングT01)に全ての飾り図柄の逆方向変動が開始され、逆方向変動の終了時(タイミングT03)に飾り図柄の順方向への変動が開始されてから高速変動となり、その後に左右の飾り図柄の変動が減速され、リーチの表示態様となり(リーチ成立)、リーチ演出が実行される。また、各予告演出などについてみれば、図26(A)では、全画面予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、逆方向変動はタイミングT03に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図27(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図27(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始されるとともに、図27(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(例えば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図26(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図27(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図27(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図27(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向の変動表示されていく。
これに対して、図26(B)では、全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図27(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図27(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図27(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図27(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図27(B1)に示す変動開始時ではなく、図27(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は変更なく実行されているが、図27(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。また、図27(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図27(D2)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から図柄予告演出を開始しているが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から図柄予告演出を実行するようにしてもよい。また、図柄予告演出の実行期間は、図26(A)に示すように逆方向変動の実行期間よりも短いが、逆方向変動の実行期間と同じまたはそれよりも長くしてもよい。図26(B)のように開始がタイミングT03に変更された場合も、前記と同様である。
次に、図28、図29を参照して、図柄予告演出の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合において逆変動が表示される場合の一例を説明する。図28は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では図柄予告演出と全画面予告演出との実行が無く逆変動が実行される場合、(B)では図柄予告演出の実行が無く全画面予告演出と逆変動が実行される場合を示す。図29は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図28に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図29(A)、(B1)、(C1)、(D)、(E)は図28(A)の場合の演出実行例、図29(A)、(B2)、(C2)、(D)、(E)は図28(B)の場合の演出実行例である。
図28(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図26(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図28(A)では、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示が開始され、逆方向変動はタイミングT03にて終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図29(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図29(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始され、図28(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図29(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図29(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図29(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向に変動表示されていく。
これに対して、図28(B)では、図柄予告演出の実行が無しに決定され、全画面予告演出と逆方向変動の実行が有りに決定されており、全画面予告演出と逆方向変動とが変動開始時(タイミングT01)に開始され、タイミングT03にて共に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図29(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図29(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図29(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図29(D)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されている。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は実行されているが、図29(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは逆方向変動が見えない。また、図29(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図29(D)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から順方向への変動表示が視認可能であるが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から順方向への変動表示が視認可能としてもよい。
ここで、図30、図31を参照して、逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出が実行される場合の一例を説明する。図30は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出と逆方向変動の実行が無く、(B)では逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が有る場合を示す。図31は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図30に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図31(A)、(B1)は図30(A)の場合の演出実行例であり、図31(A)、(B2)、(C2)、(D2)は図30(B)の場合の演出実行例である。
図30(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図26(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図30(A)では、全画面予告演出と飾り図柄の逆方向変動との実行が無しに決定されており、変動開始時(タイミングT01)において図柄予告演出が開始される。図柄予告演出はその後のタイミングT02にて終了する。なお、飾り図柄の順方向への変動も変動開始時(タイミングT01)に開始される。このときの演出実行例を見てみると、図31(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図31(B1)に示すように順方向(下方向)への変動が開始されるとともに、図31(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(例えば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。
これに対して、図30(B)では、図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図31(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図31(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図31(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図31(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図31(B1)に示す変動開始時ではなく、図31(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、図30(B)に示すように図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定され、飾り図柄の逆方向変動の実行無しに決定されているので、図31(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の実行期間中では、図30(B)に示すように飾り図柄の揺動が実行されているが、全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは飾り図柄の揺動が見えない。飾り図柄の順方向への変動開始は、全図柄予告演出の実行期間の終了後に変更されている。また、図31(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。
ここで、図32を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図32は、スーパーリーチ変動パターンにおいて操作促進画像Pの表示と所定のカットイン演出を含む場合の演出実行例を示している。
飾り図柄の可変表示(変動)が実行され、図32(A)に示すように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図32(B)に示すような発展報知画像(図示例では「スーパーリーチ!」)を画像表示装置5に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行われる。変動中において、遊技者による調整操作がなされると、図32(B)に示すように画像表示装置5の右下端に調整結果画像Rが表示される(図16のS710に相当)。
このような発展報知に続いて、図32(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される(操作促進表示の開始)。そして、プッシュボタン31Bによる操作がなされると、図32(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン31Bによる操作がなされない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図32(E)に示すように、例えば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図32(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは画像表示装置5に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、可変表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図32(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(S712に相当)。これにより、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
図14に示す変化演出用キャラクタ表示処理では、S601にてキャラクタ表示中ではないと判定されたときに、S602にて変化演出を実行するための設定があるか否かが判定される。このとき、保留表示データ記憶部の記憶内容に基づいて変化演出を実行するための設定があると判定されることで、S603の処理が実行される。これにより、例えば図15(B)に示すキャラクタCH1の演出画像が画像表示装置5の画面に表示される。
その後、例えば図15(B)に示すキャラクタCH1の演出画像が所定の保留表示(例えば、保留番号「3」の保留表示)に作用するような作用演出を含む保留表示変化共通演出が実行される。続いて、表示変化の有無や保留表示変化パターンの決定結果に応じた保留表示変化演出が実行される。例えば、図示しない表示変化有無決定の処理にて「表示変化あり」に決定されているとともに図示しない保留表示変化パターン決定の処理にて第1の保留表示変化パターンに決定されている場合には、保留表示の表示態様として表示色が特定色のうち青色に変化する保留表示変化成功演出が実行される。これに対し、図示しない表示変化有無決定の処理にて「表示変化なし」に決定されていた場合には、保留表示の表示態様が変化しない保留表示変化失敗演出(保留変化ガセ演出)が実行される。
飾り図柄の可変表示における表示結果となる確定飾り図柄が導出されるときにも、図14に示すS604の処理にて表示終了タイミングと判定されるまでは、キャラクタCH1を示す演出画像が継続して表示される。このときには、S608の処理にて図柄確定コマンドの受信があったと判定されることで、S609の処理が実行される。これにより、確定飾り図柄が導出される期間において、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様となる。続いて、保留記憶数が「0」以外であることに基づいて特別図柄や飾り図柄などの可変表示が開始されるときには、図15に示すS606の処理にて変動開始コマンドの受信があったと判定されることで、S607の処理が実行される。これにより、可変表示が開始されることを特定可能な表示制御情報となる変動開始コマンドの受信を契機として、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様となる。
飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されるとともに、小図柄が停止表示されて、飾り図柄や小図柄の可変表示における表示結果が導出される期間では、変化演出用キャラクタとなるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が静止態様となる。図15(B)に示すような表示レイヤの設定により、キャラクタCH1を示す演出画像は、飾り図柄を示す演出画像よりも遊技者からみて前方側の重複する位置に配置可能であり、飾り図柄を示す演出画像よりも優先して表示される。このような飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置に配置されるキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を静止態様とすることにより、遊技者は、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出されたことを明確に認識することができ、表示結果の誤認を防止することができる。
以上、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、全画面予告演出(所定の予告演出)が実行される場合には、図26(B)、図28(B)、図30(B)に示すように、全画面予告演出の実行期間の経過後(例えば、タイミングT03)に、飾り図柄(識別情報)の順方向(所定方向)へ可変表示が開始されるので、飾り図柄の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
また、飾り図柄(識別情報)が可変表示される所定方向は、通常方向(下方向などの順方向)である。例えば、通常方向(順方向)としては、飾り図柄の可変表示(変動表示)についての基本的な変動方向、可変表示において識別情報を主として変位させる方向、予告演出が無しのときの変動方向、遊技者が最も目(専ら目する)にする変動方向、導出表示するときの変動方向などが含まれる。つまり、可変表示において飾り図柄(識別情報)の通常方向(順方向)への動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
また、全画面予告演出(所定の予告演出)は、有利状態となる期待度を示唆する演出であるので、かかる予告演出によって遊技の期待を高めることができる。また、全画面予告演出(所定の予告演出)の実行期間の経過後(例えば、図26(B)、図28(B)、図30(B)に示すタイミングT03)に、飾り図柄(識別情報)の所定方向へ可変表示(変動表示)が開始されるので、飾り図柄(識別情報)の動き出しがわかりにくくなってしまうことも防止できる。
また、画像表示装置5(可変表示手段)は、飾り図柄(識別情報)を所定方向(例えば順方向)とは異なる特定方向(例えば、図27(B1)、図29(B1)に示す逆方向など)へと可変表示することが可能であるので、可変表示の方向が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、画像表示装置5(可変表示手段)は、図26(B)、図28(B)に示すように少なくとも全画面予告演出(所定の予告演出)の実行期間において、飾り図柄(識別情報)を特定方向へ可変表示するので、識別情報を逆方向(特定方向)に可変表示させてから、逆方向とは異なる順方向(所定方向)に可変表示させることができ、逆方向(特定方向)の可変表示を順方向(所定方向)の可変表示ための準備演出(あるいは準備パターン)とすることができる。特に、本実施の形態のように特定方向を所定方向の逆方向とした場合には、逆方向(特定方向)に可変表示させてから勢いをつけて所定方向に可変表示させることができ、迫力のある可変表示を提供できる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、所定方向(順方向)への可変表示の開始時に、図27(B1)、図31(B1)に示すように図柄予告演出(識別情報予告)を実行することにより、遊技の興趣を向上できる。また、図柄予告演出を複数備える(例えば図22(C)に示す青色、緑色、赤色のオーラ表示)ので、複数の図柄予告演出が実行でき、遊技の興趣をさらに向上できる。
また、図柄予告演出(識別情報予告)と全画面予告演出(所定の予告演出)とを実行するときには、全画面予告演出の終了後(例えば、図26(B)、図30(B)に示すタイミングT03)に、図27(D2)、図31(D2)に示すように図柄予告演出を実行するので、図柄予告演出と全画面予告演とが同時期に重複して実行されることを防止できる。これにより、図柄予告演出が全図柄予告演出によって視認不可または視認困難になることを防止できる。言い換えれば、図柄予告演出を遊技者がはっきりと認識することができるなど、図柄予告演出の認識性を向上できる。
また、以上に説明したパチンコ遊技機1は、演出制御用CPU120が各部と協働して実現される調整手段と、調整画像表示手段とを備える。調整手段は、少なくとも可変表示の実行中に、遊技者による調整動作(調整操作)に応じて演出効果を調整可能であり、調整画像表示手段は、調整手段による調整に対応する調整結果画像R(調整画像の一例)を所定期間T1表示する。そして、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可とする。このようにしたから、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
なお、以上では、音量が調整可能な例を説明したが、調整可能な演出効果は、前述したように画像表示装置5などの表示輝度などであってもよい。また、調整可能な演出効果は、音量と輝度との少なくともいずれか一方であってもよい(つまり、音量及び輝度の双方を調整可能であってもよい)。また、調整画像は、調整操作によって音量などが変更された場合だけでなく、変更されない場合に表示されるものであってもよい。また、調整画像表示手段は、導出表示期間T2で調整画像を視認不可とするだけでなく、導出表示期間T2において、調整画像を半透明の態様で表示させたり、点滅表示させたりなどすることで、視認困難としてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。この場合、例えば、図16のS712の代わりに調整結果画像を視認困難な態様で表示する処理を実行し、S715にて視認困難な態様での表示から復帰する(所定期間T1内であれば調整画像が復帰する)といったように演出効果設定処理を変形して構成すればよい。
また、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可または視認困難とし、調整画像は、促進表示画像Pなどの特定演出画像とは重畳しない位置に表示されてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。また、特定演出画像の視認性を担保しつつも調整画像を表示することができるため、画像表示装置5に表示される情報の認識性が低下することを抑えることができる。なお、調整画像と重ならない位置に表示される特定演出画像は、促進表示画像Pや、発展報知画像(図32(B)参照)だけでなく、キャラクタCH1を示す画像や、前記した第4図柄を示す画像、保留表示を示す画像などであってもよい。
また、調整画像表示手段は、所定期間T1内に可変表示結果が導出表示される場合に、該所定期間T1のうち、可変表示結果の導出表示期間T2で調整結果画像Rを視認不可または視認困難とし、調整手段は、エラー報知に関する演出効果については調整しない、ようにしてもよい。このようにしても、導出表示される可変表示結果の認識性の低下を抑えることができる。また、エラー音や、エラー画像の表示輝度などは規定値のままとすることができるため、なんらかのエラーが発生したにも関わらず遊技者や遊技店店員がエラー発生に気付かないといったことを防止できる。なお、調整手段が調整しないエラー報知に関する演出効果は、エラー音量だけでなく、エラー画像が表示される際の輝度(光量)や、エラー発生時に点灯するランプ(遊技効果ランプ9など)の輝度などであってもよい。
また、調整画像の表示領域の少なくとも一部が、可変表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる(例えば図17(A1)参照)、ようにしてもよい。このようにすれば、可変表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる調整画像結果画像を消去するため、可変表示結果の視認性の低下を抑えることができる。なお、調整画像の表示領域の少なくとも一部が重なる可変表示結果の導出表示領域は、飾り図柄の表示領域Ar(図17(A1)参照)に限られず、小図柄を示す演出画像の可変表示が行われ表示結果が導出される小図柄表示エリア5Vなどであってもよい。
また、可変表示結果の導出表示中もエラー画像は消去しない(例えば図17(D2)参照)、ようにしてもよい。このようにすれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
また、調整画像の表示よりもエラー画像の表示を優先する(例えばS57の処理で、異常報知コマンドを受信した演出制御用CPU120が、当該コマンドが示すエラーが解消されるまでは図17(D1)、(D2)に示すようなエラー画像の表示を継続させることなど)、ようにしてもよい。このようにしても、エラー画像の視認性を確保することができる。
また、調整操作が行われた場合はデモ表示を視認可能に維持するが(例えば図17(B)参照)、メニュー表示操作が行われた場合はデモ表示を消去する(例えば演出制御用CPU120が、S659、S660、S662の処理を実行することなど)、ようにしてもよい。こうすれば、好適にデモ表示を行うことができる。
また、識別情報の可変表示の実行中に特定演出画像を表示可能な特定演出実行手段(例えばS162の変化演出用キャラクタ表示処理を実行する演出制御用CPU120など)を備え、特定演出画像は、少なくとも識別情報の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり(例えば図15(B)参照)、特定演出実行手段は、識別情報の可変表示結果が導出される期間において、該識別情報よりも前方側にて重複する位置では前記特定演出画像の表示態様を静止態様とする(例えば演出制御用CPU120がS609の処理を実行する部分など)、ようにしてもよい。このようにすれば、表示結果の誤認を防止することができる。
また、遊技機は、識別情報画像が表示される第1領域(例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rなど)よりも小さく常に視認可能な第2領域(例えば小図柄表示エリア5Vなど)にて、識別情報画像の可変表示に同期して報知情報画像の可変表示を行い表示結果を導出する常時表示手段(例えばS325、S350の処理を実行する演出制御用CPU120など)を備えてもよい。このような構成においては、表示結果の誤認を防止することができる。
また、決定手段の決定結果に応じて可変表示が開始されることを特定可能な表示制御情報(例えば第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドなど)を出力する情報出力手段(例えばS266の処理を実行するCPU103など)を備え、演出実行手段は、表示制御情報の受信を契機として、前記特定演出画像の表示態様を非静止態様としてもよい(例えば演出制御用CPU120がS607の処理を実行する部分など)。こうすれば、特定演出の違和感を抑制しつつ、表示結果の誤認を防止することができる。
また、前記特定演出画像は、少なくとも前記識別情報画像の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり(例えば図15(B)を参照)、前記特定演出実行手段は、前記識別情報画像の表示結果が導出される期間において、該識別情報画像よりも前方側にて重複する位置では前記特定演出画像の表示態様を仮停止態様としてもよい。このような構成によれば、表示結果の誤認を防止しつつ、演出の興趣を向上させることができる。
また、調整画像が視認不可または視認困難な期間は、可変表示結果の導出表示期間T2に限られない。リーチアクション(例えば全回転中)の期間などにおいて調整画像を視認不可または視認困難としてもよい。つまり、調整画像を視認不可などにする期間は、遊技者に認識させたい対象が報知される所定の期間であればよい。また、調整画像は、促進表示画像Pなどの特定演出画像と重畳する位置に表示されてもよい。また、エラー報知に関する演出効果は、調整手段によって調整可能としてもよい。また、調整画像の表示領域は、可変表示結果の導出表示領域と重なっていなくともよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示された全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で示された構成の一部を備えたものであってもよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、図26(B)、図28(B)に示すように、全画面予告演出の実行期間と逆方向変動の実行期間とが完全に一致している、つまり、全画面予告演出と逆方向変動とが同じタイミングで開始し、同じタイミングで終了しているが、図33に示すように全画面予告演出の実行期間が逆方向変動の実行期間よりも短くしてもよい。図33では、逆方向変動は、変動開始時のタイミング(つまり、タイミングT11)に開始し、タイミングT14で終了する。これに対して、全画面予告演出は、タイミングT11よりも遅いタイミングT12で開始し、タイミングT14になる前のタイミングT13で終了する。変形例1によれば、タイミングT11〜T12の期間やタイミングT13〜T14の期間において飾り図柄の逆方向(上方向)への変動(可変表示)が視認可能となる。タイミングT11〜T12の期間またはタイミングT13〜T14の期間のどちらか一方のみで飾り図柄の逆方向(上方向)への変動が視認可能としてもよい。
(変形例2)
上記実施の形態では、飾り図柄の逆方向変動は、図27(C1)に示すように、飾り図柄が約1個分逆方向に変動するものとしているが、変形例2では、図34に示すように図柄逆方向始動表示の種別を選択可能に構成されている。具体的には、変形例2では、図34(A)に示すように図柄逆方向始動の種別を決定する処理(S523A)を有し、複数の種別(例えば図34(B)に示すように「小」、「中」、「大」の3つの種別)を具備する。「小」の種別では飾り図柄を1個分逆変動させ、「中」の種別では飾り図柄を2個分逆変動させ、「大」の種別では飾り図柄が3個分逆変動させる。S523Aの処理により、これら3つの種別の中から一の種別の逆方向変動が選択される。詳しくは、S523Aの処理では、演出制御用CPU120は、図柄逆方向始動表示種別決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図34(B)に示す図柄逆方向始動表示種別決定用テーブルとを用いて、図柄逆方向始動表示の種別、つまり飾り図柄の逆方向変動の態様を決定する。例えば、図34(B)に示すように、非リーチ変動パターンの場合は、「小」に決定され、スーパーリーチ(ハズレ)変動パターンの場合は、「小」が50%、「中」が40%、「大」が10%の確率で決定され、スーパーリーチ(大当り)変動パターンの場合は、「小」が10%、「中」が30%、「大」が60%の確率で決定される。大当り期待度は、飾り図柄の逆戻り量が小<中<大の順に大きくなっており、飾り図柄の逆方向変動の種別(図柄の逆戻り量の違い)について大当りの期待感を持つことができ、図柄逆方向始動表示についての面白みを持たすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、複数種類の全画面予告演出を備え、全画面予告の種類を選択可能としてもよい。例えば、全画面予告演出の種類としては、全画面予告演出の実行期間が異なるものや、透明度が異なるもの、図27(C2)に示す報知内容が異なるもの、これらの表示に際して出力される出力音(効果音、楽曲など)が異なるもの、これらの2以上を組合せたものなどがあり、大当り期待度が異なるようにしてもよい。実行期間が長い程、透明度が低い程、図27(C2)に示す報知内容の中で演出効果の高い報知程、出力音が大きいまたは特定の出力音になる程、大当り期待度が高いとしてもよい。
(変形例3)
上記実施の形態では、図26に示すように飾り図柄の逆方向変動(図27(B1)、(C1)に示す逆方向始動)が可能であるが、図35、図36に示すように逆方向変動に替えて揺動可能としてもよい(変形例3)。変形例3では、図20、図23に示すS322Cにおける逆方向を揺動に置き換え、図25に示すS345A、S345Bにおける逆方向を揺動に置き換えればよい。図35(A)では、全画面予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の揺動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、揺動表示はタイミングT03に終了する。この揺動表示の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図36(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図36(B1)に示すように揺動表示が開始されるとともに、図36(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(例えば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図35(A)に示す揺動表示の終了時(タイミングT03)にて、図36(D1)に示すように基準位置Refにある飾り図柄の順方向への変動が開始される。
これに対して、図35(B)では、全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図36(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図36(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図36(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図36(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図36(B1)に示す変動開始時ではなく、図36(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の揺動表示は変更なく実行されているが、図36(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。
上記実施の形態では、図20〜図23に示すように全図柄予告演出、図柄予告演出および図柄逆方向始動表示を抽選決定しているが、図10に示す変動パターンのように、全図柄予告演出、図柄予告演出および図柄逆方向始動表示のうち少なくとも一つを備える変動パターン(例えば特殊変動パターンと呼ぶ)を備えるようにしてもよい。
上記実施の形態では、画像表示装置5の画面上に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられて飾り図柄の可変表示が行われるとともに、小図柄表示エリア5Vが設けられて小図柄の可変表示が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば小図柄表示エリア5Vが設けられていないパチンコ遊技機1において、画像表示装置5の画面上に飾り図柄を示す演出画像を表示することで、飾り図柄の可変表示を実行可能なものであってもよい。この場合でも、特定演出画像となるキャラクタなどを示す演出画像を、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置可能とし、飾り図柄の可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側にて重複する位置で表示される特定演出画像の表示態様を静止態様とすればよい。これにより、飾り図柄の可変表示における表示結果の誤認を防止することができる。
また、飾り図柄を示す演出画像を可変表示することに代えて、あるいは、このような可変表示とともに、予め用意された演出画像をアニメーション表示することにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応した表示演出を行い、特別図柄の可変表示における表示結果が導出されるときには、演出画像のアニメーション表示を中断あるいは一時停止して、可変表示の表示結果を認識可能な表示を行うことで、可変表示とは別個に表示結果を導出するものであってもよい。こうして、有利状態(例えば大当り遊技状態など)に制御するか否かの決定結果に関連して表示結果を導出する関連表示を実行可能とし、この関連表示における演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像を配置可能とした場合に、関連表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様とするものであってもよい。
上記実施の形態では、「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される場合に、特定演出画像として、保留表示変化演出で用いられるキャラクタを示す演出画像を、複数回の可変表示にわたり表示可能であるものとして説明した。これに対し、例えば「保留表示変化」の先読み予告演出とともに、これとは異なる先読み予告演出を複数回の可変表示にわたり同時に実行可能とし、一部または全部の先読み予告演出で用いられるキャラクタなどを示す演出画像を、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置可能としてもよい。この場合には、先読み予告演出で用いられる演出画像のうち、識別情報画像よりも前方側の重複する位置に配置される演出画像を特定演出画像として、可変表示中であるか表示結果が導出される期間であるかに応じて、表示態様をアクション態様にするか静止態様にするかを異ならせてもよい。
上記実施の形態では、特定演出画像の一例として、保留表示変化演出で用いられるキャラクタを示す演出画像が表示されるものとして説明した。これに対し、特定演出画像として、飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中または可変表示の開始前に表示が開始され、可変表示における表示結果が導出される期間でも継続して表示される任意の演出画像が用いられてもよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確率高ベース状態または高確率低ベース状態)である期間に対応して、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタなどを示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示されてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1における演出状態が通常演出モードとは異なる特別演出モードである期間に対応して、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタなどを示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示されてもよい。このように、特定演出画像として、複数回の可変表示にわたり特別なキャラクタなどを示す演出画像が、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置にも配置可能に表示され、可変表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様にしてもよい。
キャラクタを示す演出画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい。飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中には、特定演出画像として動画像を再生表示することで、特定演出画像の表示態様をアクション態様としてもよい。この場合、可変表示における表示結果が導出される期間では、動画像の再生を一時停止することで、特定演出画像の表示態様を静止態様としてもよい。
1の飾り図柄を示す演出画像が識別情報画像となる場合に、特定演出画像となる演出画像は、その1の飾り図柄のうち一部分を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよいし、1の飾り図柄の全体を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよい。複数の飾り図柄を示す演出画像が識別情報画像となる場合に、特定演出画像となる演出画像は、それら複数の飾り図柄のうち一部の飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよいし、全部の飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置されるものであってもよい。
特定演出画像となる演出画像が前方側に配置可能な識別情報画像の種類や部分は、パチンコ遊技機1における遊技状態と演出状態のうち、少なくともいずれか一方に応じて異ならせてもよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(低確率低ベース状態)であるときには、飾り図柄が通常図柄であるか確変図柄であるかにかかわらず、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする。これに対し、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確率高ベース状態または高確率低ベース状態)であるときには、複数の飾り図柄のうち通常図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする一方、複数の飾り図柄のうち確変図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置には特定演出画像となる演出画像が配置されないようにしてもよい。この場合には、遊技状態が確変状態であるときに、確変図柄が大当り組合せで導出されて確変状態が継続することに対する遊技者の注目が特定演出画像の表示によって妨げられてしまうことを防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えばパチンコ遊技機1における演出状態が通常演出モードであるときには、飾り図柄の図柄番号にかかわらず、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像となる演出画像を配置可能とする。これに対し、パチンコ遊技機1における演出状態が複数回の可変表示にわたり通常演出モードとは異なる特別演出モードであるときには、例えば特定の人物と関連する特定の図柄番号が付された飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置には特定演出画像となる演出画像が配置されないようにしてもよい。このように、特定演出画像は、少なくとも識別情報画像の一部よりも前方側の重複する位置に配置できるものであればよい。
上記実施の形態では、識別情報画像となる飾り図柄などの可変表示における表示結果が導出される期間にて、特定演出画像となる演出画像の全部について表示態様を静止態様にするものとして説明した。これに対し、少なくとも飾り図柄の演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像の一部について、表示態様を静止態様にできるものであればよい。
上記実施の形態では、飾り図柄などの可変表示における表示結果が導出される期間にて、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像となる演出図柄の表示態様を、静止態様にするものとして説明した。これに対し、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側に配置される演出画像(後方配置画像)がある場合に、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中と同様の表示態様で、後方配置画像が表示されてもよい。例えば図15(B)に示された飾り図柄表示レイヤに描画される演出画像のZ値よりも大きい値が割り当てられて表示の優先度が低くなる表示レイヤとして、背景画像表示レイヤが設けられてもよい。背景画像レイヤには、背景画像となる演出画像が描画される。背景画像表示レイヤは、遊技者からみて最も後方側に配置されるように、Z値が設定されてもよい。この場合、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも後方側の重複する位置または重複しない位置に配置された背景画像となる演出画像の表示態様を、可変表示中と同様の表示態様としてもよい。これにより、特定演出画像のように表示結果に誤認を生じさせ得る演出画像については静止態様とする一方、背景画像のように表示結果の誤認を生じさせない演出画像については可変表示中と同様の表示態様とすることで、演出画像の表示に対する違和感を低減できる。
上記実施の形態では、飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中において、特定演出画像となる演出画像の表示態様をアクション態様とする一方、可変表示における表示結果が導出される期間にて、識別情報画像となる飾り図柄を示す演出画像よりも前方側に配置された特定演出画像となる演出画像の表示態様を、静止態様にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置された特定演出画像となる演出画像の表示態様を、静止態様とは異なるアイドリング態様にしてもよい。アイドリング態様として、表示結果の誤認が生じない範囲で、上記実施の形態におけるアクション態様のときとは特定演出画像の表示態様が異なるように設定された仮停止態様にしてもよい。
その他、飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中において、例えば「図柄変動中」のメッセージをキャラクタのセリフとして報知する演出画像が、特定演出画像として表示されてもよい。これに対し、飾り図柄の可変表示などにおける表示結果が導出される期間では、例えば「図柄確定」のメッセージをキャラクタのセリフとして報知する演出画像が、特定演出画像として表示されてもよい。このように、可変表示中であるか表示結果が導出される期間であるかに応じて、キャラクタのセリフとして報知されるメッセージの内容を異ならせることにより、特定演出画像の表示態様を異ならせてもよい。
特定演出画像として複数部位からなるキャラクタを示す演出画像(キャラクタ画像)が表示される場合に、可変表示における表示結果が導出される期間では、飾り図柄の可変表示などが実行される可変表示中とは異なる表示態様で特定演出画像が表示されてもよい。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるように構成されたものであってもよい。このような構成において、始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、可変入賞装置を第1状態に変化させるか否かの決定結果や、第1状態に変化させるときの変化態様を複数態様のいずれかとする決定結果、あるいは、可変入賞装置の内部における遊技球の通過状況に応じて大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果の少なくともいずれかに関連して、表示結果を導出する関連演出を実行可能とし、この関連表示における演出画像よりも前方側の重複する位置に特定演出画像を配置可能とした場合に、関連表示における表示結果が導出される期間では、特定演出画像の表示態様を静止態様とするものであってもよい。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、確変状態などの特別遊技状態を有利状態としてもよいし、複数の大当り遊技状態のうちで実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となる大当り遊技状態を有利状態としてもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる時短状態を有利状態としてもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる確変状態を有利状態としてもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態を有利状態としたものであればよい。
保留表示変化演出が実行されるときには、保留表示に制限を設ける制限演出が実行されてもよい。制限演出は、例えば画像表示装置5の表示領域に表示制限用の演出画像を表示すること、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLにて半透明表示や透明表示や縮小表示を行うこと、あるいは演出用模型(可動部材)を退避状態から進出状態に移行させて進出状態のときに保留表示を隠蔽することなどにより、保留表示の一部または全部を遊技者が視認不可能または視認困難となるように制限するものであればよい。
上記実施の形態では、図8に示すS242の処理にて決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
特別図柄や飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄や確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄や飾り図柄の可変表示中には、可変表示結果としては停止表示されない図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、以上では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信した例を示したが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの前面側に設けられた演出可動機構を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、識別情報となる図柄が可変表示される表示面よりも前方側の重複する位置にて特定演出を実行可能に構成されたものにおいて、識別情報の可変表示における表示結果が導出される期間にて、識別情報よりも前方側の重複する位置では、特定演出の演出態様を、例えば静止態様や仮停止態様といった、可変表示中における演出態様とは異なる態様とするものであればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。