JP5351164B2 - 半導体装置、プローブウエハおよび製造方法 - Google Patents

半導体装置、プローブウエハおよび製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置および製造方法に関する。より詳細には、基板を貫通するビアホールを有する半導体装置と、その製造方法とに関する。
プロセスの微細化に伴い、スケーリング効果によりデバイスの動作は高速化する。しかしながら、集積化された半導体装置においては、配線および配線間隔も微細化されるので、配線の寄生抵抗および寄生容量に起因する配線遅延が顕在化している。
配線間絶縁材料の実効誘電率keffを低くすれば、寄生容量Cを小さくして配線遅延を低減できる。しかしながら、層間絶縁層に用いられる材料に固有の比誘電率を変えることはできない。このため、フッ素、炭素等のドープ等により改質された材料でも、所要の低誘電率が達成できない。そこで、絶縁層を多孔質にして誘電率を低くする技術がある(特許文献1参照)。ただし、多孔質の低誘電材料は水分等を透過させやすいので、低誘電材料に埋設された回路をガードリングで包囲して、水分等への障壁とすることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−014949号公報 特開2004−304124号公報
しかしながら、回路毎にガードリングを設けることは、半導体装置の設計の自由度を制限する。一方、多孔質材料に匹敵する低誘電率を有する材料は見いだされていない。そこで、多孔質低誘電率材料を用いた、より合理的な半導体装置の構造が求められている。
そこで、上記課題を解決すべく、基板と、基板上に積層された絶縁層と、少なくとも絶縁層を貫通する貫通穴と、基板の表面において貫通穴から離間して配置され、絶縁層の透湿性よりも低い透湿性を有する材料で形成されたガードリングと、基板の表面において、ガードリングを挟んで、貫通穴と反対側の領域に形成された半導体素子とを備え、ガードリングは、基板の表面から絶縁層の表面まで連続する半導体装置が提供される。
また、本発明の第2の形態として、基板と、基板に形成された半導体素子と基板上に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通する貫通穴とを備える半導体装置を製造する方法であって、基板に半導体素子を形成する素子形成段階と、基板の表面を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、基板の表面において半導体素子から離間した領域に、絶縁層の透湿性よりも低い透湿性を有する低誘電体材料により、基板の表面から、絶縁層の表面まで連続したガードリングを形成するガードリング形成段階と、基板の表面において、ガードリングを挟んで、半導体素子と反対側の領域に、基板および絶縁層を貫通する貫通穴を形成する貫通穴形成段階とを含む製造方法が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
試験システム10の構造を模式的に示す図である。 プローブ装置100の構成要素を模式的に示す図である。 プローブ装置100の構造を模式的に示す図である。 半導体ウエハ200の形状を示す斜視図である。 ウエハユニット500の構造を模式的に示す図である。 プローブウエハ300を見下ろした様子を示す斜視図である。 プローブウエハ300を見上げた様子を斜視図である。 プローブウエハ300の製造過程を示す図である。 プローブウエハ300の製造過程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造過程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 ガードリング370のレイアウトを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 プローブウエハ300の製造工程の続きを示す図である。 異方性導電膜400の形状を示す斜視図である。 異方性導電膜400の構造を示す断面図である。 メンブレン550の構造を示す図である。 ウエハユニット500の動作を模式的に示す図である。 異方性導電膜400の形状を示す平面図である。 重ねた異方性導電膜400およびプローブウエハ300の断面図である。
符号の説明
10 試験システム、11 チャンバ、12 メインフレーム、14 搬送装置、16 ケーブル、100 プローブ装置、110 テストヘッド本体、111 チャック、112、122、132 筐体、113、123 ケーブル、114、124、134 ピンエレクトロニクス、118、126、128、136 コネクタ、119 マザーボード、120 パフォーマンスボード、121 固定部、129 内部回路、130 テストヘッド、200 半導体ウエハ、202 半導体基板、210 半導体チップ、220、350 入出力端子、300 プローブウエハ、302 基板、304 低誘電率層、306 素子領域、310 境界、320 ウエハ側接続端子、330 ビア、340 配線、331 貫通穴、360、460、551 通気孔、370 ガードリング、371、372 パッド、373 導体層、382、384 絶縁膜、394 導電膜、396、397 配線、400 異方性導電膜、401 上側異方性導電膜、402 下側異方性導電膜、403 異方性導電部材、410 絶縁性母材、420 導電性繊維、430 フレーム、440 絶縁性母材、500 ウエハユニット、510 支持基板、520 ハンガ、530 上側シール部、540 固定リング、550 メンブレン、552 フレキシブル基材、554 バンプ、555 通気孔、560 下側シール部、571、581 減圧源、572、582 制御バルブ、573、583 吸気孔
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、プローブ装置100を含む試験システム10の全体の構造を模式的に示す図である。同図に示すように、試験システム10は、半導体ウエハを搬送する搬送装置14と、搬送装置14により搬送された半導体ウエハに対して試験を実行するプローブ装置100と、搬送装置14およびプローブ装置100の動作を総合的に制御するメインフレーム12とを含む。搬送装置14、メインフレーム12およびプローブ装置100は、ケーブル16により相互に結合される。
プローブ装置100は、テストヘッド本体110、パフォーマンスボード120およびテストヘッド130を順次積層して形成される。プローブ装置100は、半導体ウエハに対する電気的な接続を形成して、メインフレーム12からの指示の下に、半導体ウエハに送信する試験信号を発生する。また、半導体ウエハに送信して処理された試験信号を受信して、半導体ウエハ上の素子等の機能および特性を評価する。
上記のような試験システム10おいて、試験に供される半導体ウエハの仕様が変更された場合、あるいは、半導体ウエハを他の品種に切り替える等の要求があった場合、パフォーマンスボード120を交換することにより、プローブ装置100を仕様の異なる半導体ウエハに対応させて試験できる。これにより、試験システム10およびプローブ装置100の利用効率を向上させることができる。
図2は、プローブ装置100の構成要素を分離して模式的に示す図である。テストヘッド本体110は、筐体112に収容された、チャック111、ピンエレクトロニクス114およびマザーボード119を有する。チャック111は、筐体112の上面から僅かに突出して、試験を実行する場合に、被試験デバイスである半導体ウエハ200を保持する。
ピンエレクトロニクス114は、筐体112の上部に配され、一端を筐体112の上面に露出させたコネクタ118を支持する。また、ピンエレクトロニクス114は、ケーブル113を介して、コネクタ118をマザーボード119に電気的に接続される。マザーボード119は、このプローブ装置100の動作を統括的に制御する。
パフォーマンスボード120は、筐体122に収容された、ピンエレクトロニクス124および固定部121を有する。ピンエレクトロニクス124は、複数のコネクタ126を上面に有する。また、ピンエレクトロニクス124は、ケーブル123を介して、筐体122の下面に露出したコネクタ128に接続される。更に、ピンエレクトロニクス124には、内部回路129が実装される。
固定部121は、筐体122の下面から、上方にややオフセットして固定される。プローブ装置100において試験が実行される場合、パフォーマンスボード120の固定部121にはウエハユニット500が装着される。ウエハユニット500については、図5を参照して後述する。
テストヘッド130は、複数のピンエレクトロニクス134を収容する筐体132を有する。ピンエレクトロニクス134は、それぞれの下端にコネクタ136を備える。
このように、テストヘッド130、パフォーマンスボード120、テストヘッド本体110およびウエハユニット500は、相互に分離することができる部品として供給される。このような構造により、半導体ウエハ200の種類、実行すべき試験の内容等に応じて、ウエハユニット500、パフォーマンスボード120およびピンエレクトロニクス134を任意に組み合わせて広範な試験を実行できる。
また、仕様が異なる半導体ウエハ200の試験も、ウエハユニット500等の一部の部品を交換することにより対応できる。従って、プローブ装置100の稼働率を向上させて試験に係るコストを圧縮できる。
図3は、半導体ウエハ200を試験するにあたって組み立てられたプローブ装置100の構造を模式的に示す図である。なお、図1と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
組み立てられたプローブ装置100においては、パフォーマンスボード120に対して、テストヘッド130が装着される。このとき、コネクタ136、126が相互に結合されるのでパフォーマンスボード120のコネクタ128は、テストヘッド130を介して、固定部121のウエハユニット500に結合される。
テストヘッド130、パフォーマンスボード120およびウエハユニット500が一体化された組立体は、テストヘッド本体110の筐体112に上方から搭載されて、チャック111およびウエハユニット500を内包するチャンバ11を形成する。試験に供される半導体ウエハ200はチャック111の上に搭載される。
これにより、半導体ウエハ200はウエハユニット500に、コネクタ118はコネクタ128に、それぞれ結合される。従って、テストヘッド本体110のマザーボード119から、パフォーマンスボード120、テストヘッド130、ウエハユニット500を介した、半導体ウエハ200までの信号経路が形成される。
半導体ウエハ200の試験を実行する場合、1枚の半導体ウエハ200に対する試験が終了すると、パフォーマンスボード120およびウエハユニット500が一体化された組立体を持ち上げて、次の半導体ウエハ200が装入される。これを繰り返すことにより、複数の半導体ウエハ200に対する試験を順次実行できる。
また、被試験デバイスの仕様が変更になった場合、変更された仕様が、例えば半導体ウエハ200の接続パッドの配置が変更になった場合は、ウエハユニット500をそれに応じたものに変更することにより、試験を継続できる。また、試験内容が変更になった場合は、ピンエレクトロニクス134のいずれかを変更して対応することができる。
図4は、被試験デバイスである半導体ウエハ200の形状を模式的に例示する斜視図である。半導体ウエハ200は、半導体基板202の上面にマトリクス状に配された複数の半導体チップ210を有する。半導体チップ210の各々は、回路、素子等を有する。また、半導体チップ210の各々は、外部に対する電気的接続を形成する場合に使用される複数の入出力端子220を有する。
なお、実際には、一枚の半導体基板202に形成される半導体チップ210の数および密度は非常に高い。また、個々の半導体チップ210に形成される入出力端子220の数も非常に多い。
図5は、ウエハユニット500の構造を示す図である。ウエハユニット500は、支持基板510、ハンガ520、上側シール部530、固定リング540、メンブレン550下側シール部560を有する。
支持基板510は、下面に、プローブウエハ300の入出力端子350に対応したレイアウトの接続端子を有し、プローブ装置100に対して水平に固定される。ハンガ520は、支持基板510の縁部近傍から下方に向かって垂下され、支持基板510の下面に対向する水平面を下端に有する。
支持基板510の下面およびハンガ520の水平面の間には、上側シール部530および固定リング540が挟まれる。固定リング540は、剛性が高く、変形しない材料で形成される。一方、上側シール部530は、弾性材料により形成される。メンブレン550は、上側シール部530により固定リング540に向かって押しつけられて、支持基板510に平行に固定される。
メンブレン550および支持基板510の間には、下から順に、下側異方性導電膜402、プローブウエハ300および上側異方性導電膜401が積層して収容される。下側異方性導電膜402、プローブウエハ300および上側異方性導電膜401の各々は、互いに対応する位置に、通気孔460、360を有する。なお、図中では、配置が明瞭になるように離して描いたが、下側異方性導電膜402、プローブウエハ300および上側異方性導電膜401は、互いに積み重ねられる。
ウエハユニット500の下方には、テストヘッド本体110のピンエレクトロニクス114に支持されたチャック111が配置される。チャック111の上面には、半導体ウエハ200が搭載される。
チャック111は、上面に開口した2種類の吸気孔573、583を有する。吸気孔573は、制御バルブ572を介して減圧源571に連通する。これにより、制御バルブ572が開かれた場合に、吸気孔573の内部が減圧されるので、半導体ウエハ200は、チャック111に吸着される。
一方、吸気孔583は、半導体ウエハ200よりも外側に開口する。吸気孔583は、制御バルブ582を介して減圧源581に連通する。これにより、制御バルブ582が開かれた場合に、吸気孔583の内部が減圧されて、半導体ウエハ200の周囲雰囲気が排気される。
ここで、チャック111は、下側シール部560を備える。下側シール部560は、チャック111を包囲すると共に、チャック111およびメンブレン550の間を気密に封止する。従って、半導体ウエハ200の周囲を吸気孔583が排気した場合、下側シール部560の内部が減圧される。また、下側シール部560は柔軟な弾性材料により形成され、上側シール部530およびチャック111の間隔が変化した場合も、気密性を維持する。
更に、下側シール部560の内側は、メンブレン550の通気孔555を介して、上側シール部530の内側とも連通する。従って、下側シール部560の内側が減圧された場合、上側シール部530の内側も減圧される。これにより、支持基板510、上側異方性導電膜401、プローブウエハ300、下側異方性導電膜402およびメンブレン550の相互の間も排気される。また、後述するように、支持基板510を除くこれらの部材の各々は、表裏に貫通した通気孔460、360、551を有するので、部材相互の間は隈なく排気される。
図6は、プローブウエハ300を上側から見下ろした様子を示す斜視図である。ここに描かれたプローブウエハ300の上面は、パフォーマンスボード120の固定部121に接して保持される。
当該上面において、プローブウエハ300は、固定部121における接続端子の配置に応じて配置された複数の入出力端子350を、基板302の上面に有する。これにより、プローブウエハ300が固定部121に吸着して保持された場合に、固定部121およびプローブウエハ300が電気的に接続される。また、入出力端子350は、配線340を介してビア330の上端に接続される。ビア330は、基板302を下面まで貫通する。
また、プローブウエハ300は、基板302を貫通して形成された複数の通気孔360を備える。通気孔360は、基板302の面方向について、基板302全体に、均等に分布して配置されてもよい。通気孔360の作用については後述する。なお、図中に点線で示す境界310は、プローブウエハ300に対面した半導体ウエハ200における、半導体チップ210の配置を示す。
図7は、プローブウエハ300の下面、即ち、プローブ装置100が試験を実行する場合に、半導体ウエハ200の上面側に対面する面の形状を示す。基板302の下面には、半導体ウエハ200の入出力端子220に対応した箇所に、ウエハ側接続端子320が形成される。ウエハ側接続端子320は、ビア330の下端に接続される。
図8から図13までは、プローブウエハ300の製造過程を、段階毎に示す図である。まず、図8に示すように、素子領域306を含む基板302を用意する。素子領域306は、半導体、導体等により形成され、トランジスタ、キャパシタ、レジスタ等の素子と配線を組み合わせた回路を含む場合もある。
次に、図9に示すように、素子領域306の内側と、素子領域306の外側とのそれぞれに、導体材料により形成されたパッド371、372が形成される。ここで、素子領域306に形成されたパッド371は、素子領域306と外部とを接続する場合の接続端子となる。素子領域306の外に形成されたパッド372は、後述するガードリングの下地となる。
次いで、図10に示すように、パッド371、372の上にはCu等の導体材料により形成された導体層373を、それ以外の領域には低誘電率層304を堆積させる。低誘電率層304は、例えば多孔質シリカであり、シリカ前駆体および界面活性剤の混合物を塗布した後に加熱することにより形成される。
続いて、図11に示すように、低誘電率層304の表面に露出した導体層373の上に再び導体材料によるパッド372を被着させる。以下、低誘電率層304および導体層373の積層を繰り返すことにより、図12に示すように、基板302上に、低誘電率層304に埋設された多層配線396が形成される。また、図12に併せて示すように、素子領域306の外に形成されたパッド372および導体層373は、低誘電率層304を厚さ方向に貫通するガードリング370を形成する。
次に、図13に示すように、ガードリング370に挟まれた領域であって、素子領域306とは別の領域に、貫通穴331が形成される。貫通穴331は、貫通穴331の形成は、レーザ加工、マイクロドリル加工等のドライプロセスの他、エッチング等のウェトプロセスも任意に選択できる。
図14は、図13に示した段階において形成した貫通穴331の周囲を示す平面図である。図示のように、ガードリング370は、貫通穴331を包囲して形成される。これにより、貫通穴331および素子領域306の間は、ガードリング370により気密に遮断される。
このように、貫通穴331の内面と素子領域306との間の低誘電率層304は、ガードリング370により遮断されて連続していない。従って貫通穴331の内面において低誘電率層304に浸入した水分等が、低誘電率層304の空孔を伝って素子領域306に入り込むことがない。
また、上記の例では、貫通穴331を形成する場合に、貫通穴331の内面にガードリング370が露出しない。従って、例えばレーザ加工により貫通穴331を形成する場合に、ガードリング370を形成する金属等がレーザ光を反射することがない。これにより、レーザ光のエネルギを貫通穴331の形成に効率よく利用できる。
図15および図16は、プローブウエハ300の製造工程の続きを、段階毎に示す図である。図15に示すように、基板302の下面における貫通穴331の周囲および貫通穴331の内面に、絶縁膜382を堆積させる。このとき、絶縁が確実になるように、絶縁膜382の膜厚は事情が許す限り厚いことが好ましい。絶縁膜382は印刷等により形成してもよい。
続いて、図16に示すように、貫通穴331の内面および基板302の下面において、絶縁膜382に重ねて、導電膜394を形成し、更に、基板302の表面においても、貫通穴331の周囲に導電膜394を堆積させる。これにより、基板302の表裏を電気的に導通させることもできる。
更に、図17および図18は、プローブウエハ300の付加的な加工について説明する図である。図17に示すように、低誘電率層304の最表面において、導電膜394に隣接して、絶縁膜384を堆積させる。絶縁膜384は、最上層の配線396の一部に達する。
続いて、図18に示すように、絶縁膜384の上に配線397を堆積させる。これにより、素子領域306に含まれる素子を、基板302の下面まで接続させることができる。基板302の表裏につながる導電膜394および、導電膜394につながる配線396は、必須の要素ではなく用途に応じて適宜設けられる。
図19は、上側異方性導電膜401または下側異方性導電膜402として使用できる異方性導電膜400の形状を示す。図示のように、異方性導電膜400は、絶縁性母材410、導電性繊維420および通気孔460を有する。絶縁性母材410は、プローブウエハ300と略同じ形状を有する平坦な膜状をなす。導電性繊維420は、略全域にわたって絶縁性母材410に埋設される。
通気孔460は、プローブウエハ300の通気孔360のいずれかと同じ位置に配置される。従って、異方性導電膜400およびプローブウエハ300が積層された場合、異方性導電膜400の通気孔460は、プローブウエハ300の通気孔360と連通する。
図20は、異方性導電膜400の構造を示す。図示のように、通気孔460の各々は、絶縁性母材410の表裏を連通させる。また、導電性繊維420は、絶縁性母材410の厚さ方向に配向している。これにより、異方性導電膜400は、厚さ方向に電気信号を伝播させる一方で、面方向には絶縁性を有する。
従って、異方性導電膜400およびプローブウエハ300を積層した場合、プローブウエハ300の表面に配されたウエハ側接続端子320の位置に配された導電性繊維420が、当該ウエハ側接続端子320への信号の入出力を担う。また、絶縁性母材410は弾性を有して、自身に接するプローブウエハ300、支持基板510またはメンブレン550に対して導電性繊維420を密着させ、接触抵抗を低下させる。
図21は、メンブレン550の形状を示す斜視図である。メンブレン550は、フレキシブル基材552と、フレキシブル基材552に埋設されたバンプ554とを有する。
フレキシブル基材552は、図中に点線で示すように、上側シール部530に接した状態で、やはり図中に点線で示す半導体ウエハ200を内包する広さを有する。また、フレキシブル基材552は、通気孔551および通気孔555を有する。
通気孔551は、半導体ウエハ200に接する領域の内側において、プローブウエハ300、上側異方性導電膜401および下側異方性導電膜402の通気孔360、460に連通する。通気孔555は、半導体ウエハ200に接する領域の外側に配される。
バンプ554は、半導体ウエハ200の入出力端子220と、プローブウエハ300のウエハ側接続端子320とに対応した位置に配置される。バンプ554の各々は、フレキシブル基材552を貫通して、メンブレン550の表裏にわたる電気的経路を形成する。また、バンプ554の各々の上端および下端は、フレキシブル基材552の上面および下面から僅かに突出する。
図22は、ウエハユニット500の動作を説明する図である。なお、ここでは固定部121によるプローブウエハ300、異方性導電膜400および半導体ウエハ200の吸着を説明する目的で、入出力端子220、350、ウエハ側接続端子320、等の電気的な接続機構については図示を省いた。
図5を参照して前記したように、制御バルブ582を開いて上側シール部530および下側シール部560の内側を排気した場合、支持基板510、上側シール部530、下側シール部560およびチャック111により画成されて閉塞された空間が減圧される。支持基板510は、プローブ装置100に対して固定されているので、この減圧により、チャック111が、支持基板510に近づく方向に吸引される。
吸着されたチャック111に押し上げられた半導体ウエハ200がメンブレン550に当接した場合、メンブレン550は容易に変形するので、半導体ウエハ200は更に上昇する。また、半導体ウエハ200の入出力端子220の各々は、それぞれ対応するバンプに当接する。
半導体ウエハ200およびメンブレン550の中央部が更に上昇すると、下側異方性導電膜402、プローブウエハ300、上側異方性導電膜401が順次押し上げられ、互いに積層された状態で支持基板510の下面に押しつけられる。これにより、上側異方性導電膜401の導電性繊維420、プローブウエハ300の入出力端子350、ビア330およびウエハ側接続端子320、下側異方性導電膜402の導電性繊維420、並びに、メンブレン550のバンプ554を介して、支持基板510から半導体ウエハ200までの電気信号経路が形成され、半導体ウエハ200に試験信号を供給して試験をすることができる。
一方、制御バルブ582を閉じて、上側シール部530および下側シール部560の内側の減圧を解くことによりチャック111は自重により降下する。更に、制御バルブ572を閉じることにより吸気孔573の減圧を解き、半導体ウエハ200をチャック111から取り外すことができる。従って、次の半導体ウエハ200を装填して、試験を順次実行できる。
図23は、異方性導電膜400に換えて用いることができる異方性導電部材403の構造を模式的に示す平面図である。図示のように、異方性導電部材403は、薄板状のフレーム430に保持された複数の絶縁性母材440と、絶縁性母材440の各々を厚さ方向に貫通して配された複数の導電性繊維420とを有する。
図24は、図23に示した異方性導電部材403の断面構造と作用を示す図であり、一対の異方性導電部材403と、それに挟まれたプローブウエハ300を併せて示す。図示のように、異方性導電部材403においては、導電性繊維420の厚さが最も大きく、絶縁性母材440、フレーム430と順次厚さが小さくなる。
このため、異方性導電部材403およびプローブウエハ300の間には間隙が生じる。従って、異方性導電部材403の通気孔460と、プローブウエハ300の通気孔360は、殊更同じ位置に配置しなくても連通する。
以上、発明を実施の形態を用いて説明したが、発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。

Claims (12)

  1. 基板と、
    空孔を含む低誘電材料により形成され、前記基板上に積層された絶縁層と、
    少なくとも前記絶縁層を貫通し、内面にメッキにより形成された導体層を有する貫通穴と、
    前記絶縁層の透湿性よりも低い透湿性を有する、前記基板上に形成された配線と共通の材料で形成され、前記基板の表面から前記絶縁層の表面まで連続して、前記基板の表面において前記貫通穴から離間して前記貫通穴を包囲するガードリングと
    前記基板の表面において、前記ガードリングを挟んで、前記貫通穴と反対側の領域に形成された半導体素子と
    を備え、前記基板を含めて表裏を貫通する通気孔を備える半導体装置。
  2. 前記通気孔は、前記貫通穴に形成される請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記絶縁層の表面に沿って前記ガードリングを越えて形成され、前記貫通穴および前記半導体素子の間に介在する配線を更に備える請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ガードリングが、複数の前記貫通穴の各々に対応して設けられる請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された半導体装置を備えるプローブウエハ。
  6. 基板と、前記基板に形成された半導体素子と、前記基板上に積層された絶縁層と、前記絶縁層を貫通する貫通穴と、前記基板を含めて表裏を貫通する通気孔とを備える半導体装置を製造する製造方法であって、
    前記基板に半前記導体素子を形成する素子形成段階と、
    空孔を含む低誘電材料により前記基板の表面を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成段階と、
    前記基板の表面において前記半導体素子から離間した領域に、前記絶縁層の透湿性よりも低い透湿性を有する、前記基板上に形成された配線と共通の材料により、前記基板の表面から、前記絶縁層の表面まで連続して、前記基板の表面において前記貫通穴から離間して前記貫通穴を包囲するガードリングを形成するガードリング形成段階と、
    前記基板の表面において、前記ガードリングを挟んで、前記半導体素子と反対側の領域に、前記基板および前記絶縁層を貫通する貫通穴を形成する貫通穴形成段階と
    前記貫通穴の内面にメッキにより形成された導体層を形成する段階と、
    を含む製造方法。
  7. 前記通気孔は、前記貫通穴に形成される請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記ガードリング形成段階は、前記貫通穴形成段階よりも前に実行される請求項6また請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記貫通穴形成段階は、レーザを照射して前記基板および前記絶縁層を穿孔する請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記貫通穴形成段階よりも後に、前記絶縁層の表面に向かって液滴状の導電材料を吐出して付着させることにより、前記貫通穴および前記半導体素子の少なくとも一方に電気的に接続された配線層を形成する配線層形成段階を更に含む請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記ガードリング形成段階は、複数の前記貫通穴の各々に対応して前記ガードリングを設ける請求項6から請求項10までのいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 請求項6から請求項11までのいずれか一項に記載された製造方法により半導体装置を製造する段階を含むプローブウエハを製造する製造方法。
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