JP2006049485A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体装置の生産性向上を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】半導体装置1の製造において、半導体装置1に当接される吸着面34bの角度が前記吸着面34bに対して斜めの圧力が加わった時に変化し、前記吸着面34bを持つ吸着パット34が低弾性の材料からなる構造の吸着治具30を使用する。前記吸着面34bの角度は、前記半導体装置1に前記吸着治具30を吸着固定する時の吸引力によって変化し、前記吸着パット部材34は、前記半導体装置1に前記吸着治具30を吸着固定する時の吸引力によって変形しない低弾性の材料で形成する。
【選択図】図10
【解決手段】半導体装置1の製造において、半導体装置1に当接される吸着面34bの角度が前記吸着面34bに対して斜めの圧力が加わった時に変化し、前記吸着面34bを持つ吸着パット34が低弾性の材料からなる構造の吸着治具30を使用する。前記吸着面34bの角度は、前記半導体装置1に前記吸着治具30を吸着固定する時の吸引力によって変化し、前記吸着パット部材34は、前記半導体装置1に前記吸着治具30を吸着固定する時の吸引力によって変形しない低弾性の材料で形成する。
【選択図】図10
Description
本発明は、半導体装置の製造技術に関するものである。
携帯電話、携帯型情報処理端末機器、携帯型パーソナル・コンピュータ等の小型電子機器に組み込まれる半導体装置においては、薄型化、小型化及び多ピン化が要求されている。このような要求に好適な半導体装置として、例えばCSP(Chip Size Package)型と呼称される半導体装置が知られている。このCSP型半導体装置においては、様々な構造のものが提案され、製品化されているが、その中の1つに、ウエハ・プロセスとパッケージ・プロセスとを一体化し、ウエハ状態でパッケージング工程を完了する技術によって製造されるCSP型半導体装置(以下、ウエハ・レベルCSP型半導体装置と呼ぶ)が知られている。このウエハ・レベルCSP型半導体装置は、パッケージの平面サイズが半導体基板の平面サイズとほぼ同一となるため、半導体ウエハを個片化して形成された半導体チップ毎にパッケージ・プロセスを施すことによって製造されるCSP型半導体装置(チップ・レベルCSP型半導体装置と呼ぶ)と比較して小型化及び低コスト化を図ることができる。
ウエハ・レベルCSP型半導体装置は、主に、半導体チップに対応するチップ層と、このチップ層の主面上に設けられた再配線層(2次配線形成層)と、この再配線層上に外部接続用端子として設けられた半田バンプ(突起状電極)とを有する構成になっている。前記チップ層は、半導体基板と、この半導体基板の主面上に絶縁層、配線層の夫々を複数段積み重ねて形成された多層配線層(1次配線形成層)と、この多層配線層を覆うようにして形成された表面保護膜とを有する構成になっている。チップ層において、1次配線形成層の中の最上層の配線層には電極パッド(ボンディングパッド)が形成され、表面保護膜には、この電極パッドを露出するためのボンディング開口が形成されている。
2次配線形成層は、半導体装置が実装される配線基板(実装基板)の電極パッドの配列ピッチに対応して、1次配線形成層の電極パッドよりも配列ピッチが広い電極パッドを再配置するための層(インターポーザ)である。2次配線形成層の電極パッドは、1次配線形成層の電極パッドと電気的に接続され、半田バンプは、2次配線形成層の電極パッドに電気的にかつ機械的に接続されている。
なお、ウエハ・レベルCSP型半導体装置については、例えば特開2002−305285号公報(特許文献1)に開示されている。
ウエハ・レベルCSP型半導体装置の製造では、半導体ウエハを個片化して半導体装置(スクライブラインに沿って前記半導体ウエハを分割することにより、各々が集積回路、複数の第1の電極パッド及び複数の第2の電極パッドを有する複数の半導体チップ)を形成した後、バーンイン(エージング)工程が施される。バーンイン工程は、顧客での使用条件に比べて過酷な使用条件下(負荷を与えた状態)で半導体装置の回路を動作させ、顧客での使用中に欠陥になるもの、ある意味では欠陥を加速的に発生させ、顧客に出荷する前の初期段階において不良品を排除する(固有欠陥及び潜在的不良要因を持ったデバイスを除去するための)スクリーニング試験である。
バーンイン工程では、ソケットに半導体装置を装着し、このソケットを仲介して半導体装置とバーンインボートとの電気的な接続が行われるため、トレイからソケットへ、ソケットからトレイへ半導体装置を搬送する必要がある。半導体装置の搬送は、半導体装置を吸着治具に吸引作用(真空引き作用)によって吸引固定し、吸着治具を移動させて自動的に行うことが生産性向上に有効であるが、吸着治具として従来から使用されているフレア型パット、オーリング型パット、樹脂パットを用いて半導体装置のハンドリングを行った結果、以下の問題点が生じた。
フレア型パットの場合、吸引を解除した時(真空破壊時)に、パットから半導体装置が離れる離脱性が安定せず、半導体装置の装着位置がずれたり、半導体装置が離脱されないといった不具合が発生し易い。ウエハ・レベルCSP型半導体装置の場合、主面に半田バンプが設けられているため、主面と反対側の裏面を吸引するが、裏面は半導体面(例えばシリコン面)であり、チップ・レベルCSP型半導体装置のように半導体チップを樹脂封止した半導体装置と比較して、吸着面が鏡面状態になっている。また、ウエハ・レベルCSP型半導体装置は、チップ・レベルCSP型半導体装置と比較して重量が軽い。フレア型パットの吸着面は、例えばゴムのような変形しやすい材料からなる。このようなことから、吸引を解除してもパットから半導体装置が離れ難いと考える。
オーリング型パット、及び樹脂パットの場合、吸着面は剛性のある材料で作られており、バーンインボードの反りを吸収できず、ソケットに装着された半導体装置の裏面(吸着面)とパットの吸着面との平行度が合わず、密着性低下によって吸引力(真空度)が低下し、半導体装置がパットに固定されない(安定した保持ができない)といった不具合が発生し易い。
このような不具合は、ウエハ・レベルCSP型半導体装置の生産性を低下させる要因となる。そこで、本発明者は、フレア型パットでは吸着性が安定する点、オーリング型パッド及び樹脂パットでは離脱性が安定する点に着目し、本発明を成した。
本発明の目的は、半導体装置の生産性向上を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
上記目的は、半導体装置の吸着面に吸着パットの吸着面を吸引固定する時、前記吸着パットの吸着面の角度が、前記半導体装置の吸着面の傾きに合わせて変化し、前記吸着パットが低弾性の材料からなる構造の吸着治具を使用することにより達成される。
前記吸着面の角度は、前記半導体装置に前記吸着治具を吸着固定する時の吸引力によって変化することが望ましい。
また、前記吸着パットは、前記半導体装置に前記吸着治具を吸着固定する時の吸引力によって変形しない低弾性の材料で形成することが望ましい。
また、前記吸着パットは、前記半導体装置に前記吸着治具を吸着固定する時の吸引力によって変形しない低弾性の材料で形成することが望ましい。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、半導体装置の生産性向上を図ることができる。
本発明によれば、半導体装置の生産性向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本実施形態では、ウエハ・レベルCSP型半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
本実施形態では、ウエハ・レベルCSP型半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
図1乃至図10は、本実施形態の半導体装置に係る図であり、
図1は、半導体装置の主面(実装面)側を示す模式的平面図、
図2は、半導体装置の内部構造の一部を示す模式的断面図、
図3は、半導体装置の製造工程を示すフローチャート、
図4及び図5は、半導体装置の製造工程を示す模式的平面図、
図6及び図7は、前記半導体装置の製造工程を示す模式図、
図8は、半導体装置の製造に使用される吸着治具の概略構成を示す模式的断面図、
図9は、半導体装置を前記吸着治具に吸着する前の状態を示す模式図である。
図10は、半導体装置を前記吸着治具に吸着した状態を示す模式図である。
図1は、半導体装置の主面(実装面)側を示す模式的平面図、
図2は、半導体装置の内部構造の一部を示す模式的断面図、
図3は、半導体装置の製造工程を示すフローチャート、
図4及び図5は、半導体装置の製造工程を示す模式的平面図、
図6及び図7は、前記半導体装置の製造工程を示す模式図、
図8は、半導体装置の製造に使用される吸着治具の概略構成を示す模式的断面図、
図9は、半導体装置を前記吸着治具に吸着する前の状態を示す模式図である。
図10は、半導体装置を前記吸着治具に吸着した状態を示す模式図である。
図1及び図2に示すように、ウエハ・レベルCSP型半導体装置1は、厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、本実施形態1では例えば11.0[mm]×11.0[mm]の正方形になっている。半導体装置1は、図2に示すように、主に、半導体チップに対応するチップ層1aと、このチップ層1aの主面(回路形成面)上に設けられた再配線層(2次配線形成層)1bと、この再配線層1b上に外部接続用端子として設けられた複数の半田バンプ(突起状電極)9とを有する構成になっている。
チップ層1aは、半導体基板2と、この半導体基板2の主面上に絶縁層、配線層の夫々を複数段積み重ねて形成された多層配線層(1次配線形成層)3と、この多層配線層3を覆うようにして形成された表面保護膜5とを有する構成になっている。半導体基板2は例えば単結晶シリコンで形成され、1次配線形成層3の絶縁層は例えば酸化シリコン膜で形成され、1次配線形成層3の配線層は例えばアルミニウム(Al)、又はアルミニウム合金、又は銅(Cu)、又は銅合金等の金属膜で形成されている。表面保護膜5は、例えば、酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜等の無機絶縁膜及び有機絶縁膜を積み重ねた多層膜で形成されている。
チップ層1aの主面には、接続部として例えば複数の電極パッド4(ボンディングパッド)が形成されている。この複数の電極パッド4は、例えばチップ層1a(半導体装置1)の各辺に沿って配置されている。複数の電極パッド4の夫々は、1次配線形成層3の最上層の配線層に形成されている。1次配線形成層3の最上層の配線層は、その上層に形成された表面保護膜5で覆われ、この表面保護膜5には、電極パッド4の表面を露出するボンディング開口5aが形成されている。
複数の電極パッド4の夫々は、厚さ方向と交差する平面形状が方形状になっており、例えば50[μm]×50[μm]の四角形状になっている。また、複数の電極パッド4の夫々は、主に、40〜65[μm]程度の配列ピッチで配置されている。
2次配線形成層1bは、主に、表面保護膜5上に設けられた絶縁層6と、この絶縁層6上を延在する複数の再配線7と、この絶縁層6上に設けられた複数の電極パッド7aと、この複数の再配線7を覆うようにして絶縁層6上に設けられた絶縁層8とを有する構成になっている。
複数の再配線7の一端側は、絶縁層6に形成されたボンディング開口6a及び表面保護膜5に形成されたボンディング開口5aを通して、対応する複数の電極パッド4と電気的に接続されている。複数の再配線7の夫々の一端側と反対側の夫々の他端側は、対応する複数の電極パッド7aと一体に形成され、電気的に接続されている。
複数の電極パッド7aは、複数の電極パッド4で囲まれた領域内において、行列状に配置されている。この複数の電極パッド7aは、厚さ方向と交差する平面形状が例えば円形状で形成され、本実施形態1では例えば直径がΦ0.2[mm]程度の大きさで形成されている。また、複数の電極パッド7aは、電極パッド4よりも大きい配列ピッチで配置され、本実施形態1では例えば0.5[mm]程度の配列ピッチで配置されている。
複数の電極パッド7aには、絶縁層8に形成されたボンディング開口8aを通して、複数の半田バンプ9が夫々電気的にかつ機械的に接続されている。半田バンプ9は、例えばSn−Ag−Cu組成の金属材(Pbフリー材)で形成されている。
2次配線形成層1bは、半導体装置が実装される配線基板(実装基板)の電極パッドの配列ピッチに対応して、1次配線形成層3の電極パッド4よりも配列ピッチが広い電極パッド7aを再配置するための層(インターポーザ)である。
2次配線形成層1bにおいて、絶縁層6及び8は、半導体装置を配線基板に実装した後、配線基板との熱膨張係数差によって発生する応力が半田バンプ9に集中するのを緩和するため、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜と比較して弾性率が低い材料で形成され、更に表面保護膜よりも厚い厚さで形成されている。本実施形態1において、絶縁層6及び8は、例えばポリイミド系の樹脂で形成されている。
2次配線形成層1bの再配線7として、1次配線形成層の配線よりも低抵抗、低容量、低インピーダンスの配線を用いることで、電極パッド7aの配置をより自由に設定することができる。本実施形態1において、再配線7は、例えば導電率が高いCu膜で形成されており、また、1次配線形成層3の配線よりも厚い導電膜で形成することが望ましく、更に再配線7を覆う絶縁層8は1次配線形成層3に用いられる無機層間絶縁膜と比較して誘電率の低い有機絶縁膜を使用することが望ましい。
なお、図示していないが、再配線7には、プローブ検査工程において使用される検査用電極パッドが設けられ、絶縁層8には、この検査用電極パッドの表面を露出するための開口が設けられている。
チップ層1aの主面側には、集積回路が形成されている。この集積回路は、主に、半導体基板の主面に形成されたトランジスタ素子、及び1次配線形成層3に形成された配線によって構成されている。
半導体装置1の主面(回路形成面)と反対側の裏面1y(基板の裏面2y)は、半導体基板2の主面と反対側の裏面2yの半導体面(本実施例ではシリコン面)であり、鏡面状態になっている。
次に、本実施形態の半導体装置1の製造について、図3乃至図7を用いて説明する。
本実施形態の半導体装置1の製造では、図3に示すように、ウエハ準備工程〈101〉〜プロープ検査工程〈105〉までを前工程〈100〉と呼び、個片化工程〈111〉〜出荷工程〈118〉までを後工程〈110〉と呼ぶ。
本実施形態の半導体装置1の製造では、図3に示すように、ウエハ準備工程〈101〉〜プロープ検査工程〈105〉までを前工程〈100〉と呼び、個片化工程〈111〉〜出荷工程〈118〉までを後工程〈110〉と呼ぶ。
まず、半導体ウエハとして、例えば単結晶シリコンからなる半導体ウエハ(10)を準備する(図3のウエハ準備工程〈101〉)。
次に、図4に示すように、半導体ウエハ10の主面(回路形成面)に、回路及び複数の電極パッド4を有する複数の製品形成領域(チップ形成領域)12を行列状に形成する(図3の回路形成工程〈102〉)。複数の製品形成領域12は、分離領域(スクライブライン,ダイシング領域)11によって区画され、互いに離間された状態で配置されている。複数の製品形成領域12は、半導体ウエハ10の主面に、主として、トランジスタ素子、電極パッド4を含む1次配線形成層(多層配線層)3、表面保護膜5、ボンディング開口5a等を形成することによって形成される。
次に、各製品形成領域12に2次配線形成層(再配線層)1bを形成する(図3の再配線工程〈103〉)。
具体的には、まず、表面保護膜5上の全面に例えばポリイミド系の樹脂からなる絶縁層6を回転塗布法で形成し、その後、図2に示すように、絶縁層6に電極パッド4の表面を露出するボンディング開口6aを形成する。
具体的には、まず、表面保護膜5上の全面に例えばポリイミド系の樹脂からなる絶縁層6を回転塗布法で形成し、その後、図2に示すように、絶縁層6に電極パッド4の表面を露出するボンディング開口6aを形成する。
次に、ボンディング開口6a内を含む絶縁層6上の全面に導電膜として例えば銅(Cu)膜を低圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法又はスパッタ法で形成し、その後、銅膜にパターンニングを施して、図2に示すように、再配線7及び電極パッド7aを形成する。
次に、再配線7上を含む絶縁層6上の全面に例えばポリイミド系の樹脂からなる絶縁層8を回転塗布法で形成し、その後、絶縁層8に電極パッド7aの表面を露出するボンディング開口8aを形成する。
次に、ボンディング開口8aから露出する電極パッド7aの表面上に例えばAu膜をメッキ法で形成する。これにより、2次配線形成層1bが形成されると共に、電極パッド4の配列ピッチよりも広い配列ピッチの電極パッド7aが形成される。
次に、半導体ウエハ1の各製品形成領域12の電極パッド7a上に半田バンプ9を形成する(図3のバンプ形成工程〈104〉)。半田バンプ9の形成は、これに限定されないが、例えば、電極パッド7a上にフラックス材を塗布し、その後、電極パッド7a上に半田ボールをボール供給法で供給し、その後、半田ボールを赤外線リフロー法で溶融して行う。また、半田バンプ9の形成は、例えば、電極パッド7a上にスクリーン印刷法で半田ペースト材を設け、その後、半田ペースト材を赤外線リフロー法で溶融して行ってもよい。
次に、半田バンプ形成工程〈104〉において使用したフラックスを洗浄にて除去し、その後、各製品形成領域12の回路機能を電気的に検査するためのテストを、プローブカードを用いて行う(図3のプローブ検査〈105〉)。プローブ検査は、再配線7に設けられたテスト用電極パッドにプローブカードのプローブ針を圧接して行う。
次に、図5に示すように、半導体ウエハ10を複数の個片に分割する(図3の個片化工程〈111〉)。この分割は、半導体ウエハ10の分離領域(スクライブライン,ダイシング領域)11に沿って半導体ウエハ10を例えばダイシングすることによって行われる。この工程により、図1に示す本実施形態1の半導体装置1がほぼ完成する。
次に、個片化された半導体装置1をトレイに詰め込み、(図3の治具詰め工程〈112〉)、その後、トレイに詰め込んだ状態で半導体装置1をマーキング工程に搬送し、その後、半導体装置1の実装面(実装時に基板と向かい合う面)と反対側の面に、例えば品名、社名、品種、製造ロット番号等の識別マークを形成する(図3のマーキング工程〈113〉)。識別マークの形成は、インクジェットマーキング法、ダイレクト印刷法、レーザマーキング法等を用いて行う。
次に、トレイに詰め込んだ状態で半導体装置1をバーンイン工程に搬送し、その後、半導体装置1にバーンインを施す(図3のバーンイン工程〈114〉)。バーンイン工程では、図6に示すように、トレイ20の収納部20aに収納された半導体装置1を吸引作用(真空引き作用)によって吸着治具30に吸着固定し、その後、半導体装置1を吸着した状態で吸着治具30をトレイ20からソケット22に移動してソケット22の収納部22aに半導体装置1を装着し、その後、吸引を解除して吸着治具30から半導体装置1を離脱させる。ソケット22は、バーンインボード21に搭載されており、半導体装置1はソケット22を介してバーンインボード21と電気的に接続される。バーンインを施した後、図7に示すように、ソケット22に装着された半導体装置1を吸引作用(真空引き作用)によって吸着治具30に吸着固定し、その後、半導体装置1を吸着した状態で吸着治具30をソケット22からトレイ20に移動してトレイ20の収納部20aに半導体装置1を装着し、その後、吸引を解除して吸着治具30から半導体装置1を離脱させる。
次に、半導体装置1が正常に動作するか否かの電気的な特性を評価する特性評価試験を施して、半導体装置1の特性を選別する(図3の選別工程〈115〉)。この特性評価試験においても、半導体装置1は、吸着治具に吸着されて、トレイからソケットへ、ソケットからトレイへと搬送される。ソケットは、パフォーマンスボード(検査用配線基板)に搭載されており、半導体装置1はソケットを介してパフォーマンスボードと電気的に接続される。
次に、図3に示すように、半導体装置1を洗浄した後、半導体装置1の最終外観検査〈116〉を行い、その後、半導体装置1を梱包し〈117〉、その後、半導体装置1は製品として出荷される〈118〉。
次に、吸着治具30について、図8乃至図9について説明する。
図8に示すように、吸着治具30は、シャフト部材31、ホルダ部材32、独泡パット部材(結合部材)33、吸着パット部材34等を有する構成になっている。シャフト部材31は、吸引孔31aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材32は、吸引孔32aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。独泡パット部材33は、吸引孔33aを有し、吸着パッド部材34よりも高弾性の材料(例えば導電性のスポンジ)で形成されている。吸着パット部材34は、吸引孔34aとこの吸引孔34aに連なる吸着面34bとを有する構成になっており、独泡パッド部材33よりも低弾性の材料(例えば導電性のMCナイロン)で形成されている。
図8に示すように、吸着治具30は、シャフト部材31、ホルダ部材32、独泡パット部材(結合部材)33、吸着パット部材34等を有する構成になっている。シャフト部材31は、吸引孔31aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材32は、吸引孔32aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。独泡パット部材33は、吸引孔33aを有し、吸着パッド部材34よりも高弾性の材料(例えば導電性のスポンジ)で形成されている。吸着パット部材34は、吸引孔34aとこの吸引孔34aに連なる吸着面34bとを有する構成になっており、独泡パッド部材33よりも低弾性の材料(例えば導電性のMCナイロン)で形成されている。
シャフト部材31はホルダ部材32に固定されている。吸着パット部材34は、吸着面34bと反対側が独泡パット部材33を介してホルダ部材32のシャフト固定側と反対側に固定されている。これらの各部材(31,32,33,34)は、各々の吸引孔(31a,32a,33a,34a)が、吸着治具30の長手方向の中心軸a(シャフト部材31の長手方向の中心軸)に沿うようにして組み立てられおり、各部材間は気密に固定されている。吸着面34bは、中心軸aに対してほぼ垂直になっている。
このように構成された吸着治具30は、吸着面34bにこの吸着面34bを傾ける押圧力(モーメント力)が加わった時、長手方向の中心軸aに対する吸着面34bの角度θが独泡パット部材33の変形により変化する構造になっている。つまり、独泡パッド部材33を支点に吸着面34aが傾く。
次に、バーンイン工程での半導体装置1のハンドリングについて、図9及び図10を用いて説明する。
図9に示すように、ソケット22に装着された半導体装置1の裏面1yは、バーンインボード21の反りの影響で吸着治具30の吸着面34aに対して斜めになっていることがある。更に説明すると、バーンインボード21は高温処理によりその形状が反ってしまう。この反ったバーンインボード21のソケット22に半導体装置1を装着するため、バーンインボード21の反りに倣って半導体装置1が吸着面34aに対して傾いてしまう。しかしながら、図10に示すように、半導体装置1の裏面1yに吸着治具30の吸着面34bを圧接すると、独泡部材33の変形により半導体装置1の裏面1yに合わせて吸着治具30の吸着面34bの角度が変化し、半導体装置1の裏面1yと吸着治具30の吸着面34bとの平行度を保つことができる。このため、ソケット22に装着された半導体装置1の裏面(吸着面)1yと吸着治具30の吸着面34bとの平行度が合わず、密着性低下によって吸引力(真空度)が低下し、半導体装置1が吸着治具30に固定されないといった不具合の発生を抑制することができる。
図9に示すように、ソケット22に装着された半導体装置1の裏面1yは、バーンインボード21の反りの影響で吸着治具30の吸着面34aに対して斜めになっていることがある。更に説明すると、バーンインボード21は高温処理によりその形状が反ってしまう。この反ったバーンインボード21のソケット22に半導体装置1を装着するため、バーンインボード21の反りに倣って半導体装置1が吸着面34aに対して傾いてしまう。しかしながら、図10に示すように、半導体装置1の裏面1yに吸着治具30の吸着面34bを圧接すると、独泡部材33の変形により半導体装置1の裏面1yに合わせて吸着治具30の吸着面34bの角度が変化し、半導体装置1の裏面1yと吸着治具30の吸着面34bとの平行度を保つことができる。このため、ソケット22に装着された半導体装置1の裏面(吸着面)1yと吸着治具30の吸着面34bとの平行度が合わず、密着性低下によって吸引力(真空度)が低下し、半導体装置1が吸着治具30に固定されないといった不具合の発生を抑制することができる。
一方、半導体装置1の裏面1yは半導体面(例えばシリコン面)であり、半導体装置1の裏面1yは鏡面状態になっている。吸着パット34は低弾性の材料で形成されているため、半導体装置1を吸着治具30に吸引作用によって吸着固定しても、吸着パッド34は変形しない。従って、吸引を解除した時に、吸着治具30から半導体装置1が離れる離脱性が安定するため、半導体装置1の装着位置がずれたり、半導体装置1が離脱されないといった不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、半導体装置1を吸着治具30に吸着固定する時の吸着性が安定し、吸着治具30から半導体装置1を離脱させる時の離脱性が安定するため、半導体装置の生産性向上を図ることができる。
また、吸着治具30の各部材を導電性材料で形成することにより、半導体装置の静電破壊を抑制することができる。
また、吸着治具30の各部材を導電性材料で形成することにより、半導体装置の静電破壊を抑制することができる。
なお、独泡パット部材33としては、半導体装置1を吸着治具30で吸着固定する時の吸引力によって容易に変形する高弾性の材料で形成することが望ましい。
また、吸着パット部材34としては、半導体装置1を吸着治具30で吸着固定する時の吸引力によって容易に変形しない低弾性の材料で形成することが望ましい。
また、吸着パット部材34としては、半導体装置1を吸着治具30で吸着固定する時の吸引力によって容易に変形しない低弾性の材料で形成することが望ましい。
図11は、半導体装置1の製造に使用される他の吸着治具の概略構成を示す模式的断面図である。
図11に示すように、吸着治具40は、シャフト部材31、ホルダ部材41、ホルダ部材42、摺動用ばね(結合部材)43、フレアパット部材(結合部材)44、吸着パット部材45等を有する構成になっている。シャフト部材31は、吸引孔31aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材41は、吸引孔42aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材42は、中心軸aに沿う断面がこの字形で形成され、底面部に吸着パット部材45を嵌め込むための貫通孔が設けられた構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。フレアパット部材44は、吸引孔を有する構成になっており、高弾性の材料で形成されている。吸着パット部材45は、吸引孔45aとこの吸引45aに連なる吸着面45bとを有する構成になっており、低弾性の材料(例えば導電性のMCナイロン)で形成されている。また、吸着パット部材45は、ホルダ部材42の貫通孔よりも幅が広い第1の部分と、ホルダ部材42の貫通孔よりも幅が狭い第2の部分とを有し、吸着面45bは第2の部分に設けられている。
図11に示すように、吸着治具40は、シャフト部材31、ホルダ部材41、ホルダ部材42、摺動用ばね(結合部材)43、フレアパット部材(結合部材)44、吸着パット部材45等を有する構成になっている。シャフト部材31は、吸引孔31aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材41は、吸引孔42aを有する構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。ホルダ部材42は、中心軸aに沿う断面がこの字形で形成され、底面部に吸着パット部材45を嵌め込むための貫通孔が設けられた構成になっており、例えばSUS又はAl合金等の導電性金属材で形成されている。フレアパット部材44は、吸引孔を有する構成になっており、高弾性の材料で形成されている。吸着パット部材45は、吸引孔45aとこの吸引45aに連なる吸着面45bとを有する構成になっており、低弾性の材料(例えば導電性のMCナイロン)で形成されている。また、吸着パット部材45は、ホルダ部材42の貫通孔よりも幅が広い第1の部分と、ホルダ部材42の貫通孔よりも幅が狭い第2の部分とを有し、吸着面45bは第2の部分に設けられている。
シャフト部材31はホルダ部材41に固定されている。ホルダ部材42は、ホルダ部材41とキャビティを形成するようにホルダ部材41に固定されている。吸着パッド部材45は、ホルダ部材41とホルダ部材42とで形成されたキャビティ側からホルダ部材42の貫通孔に第2の部分が嵌め込まれおり、吸着面45bがキャビティの外に位置している。吸着パッド部材45は、フレアパット部材44を介して第1の部分がホルダ部材41に固定され、かつ摺動用ばね43の反力によってホルダ部材42の底部に固定されている。これらの各部材は、各々の吸引孔が、吸着治具40の長手方向の中心軸a(シャフト部材31の長手方向の中心軸)に沿うようにして組み立てられおり、各部材間は気密に固定されている。吸着面45bは、中心軸aに対してほぼ垂直になっている。
このように構成された吸着治具40は、吸着面45bにこの吸着面45bを傾ける押圧力(モーメント力)が加わった時、長手方向の中心軸aに対する吸着面45bの角度θが摺動用バネ43の変形(収縮)により変化する構造になっている。
このように構成された吸着治具40を使用する場合においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、摺動ばね43としては、半導体装置1を吸着治具40で吸着固定する時の吸引力によって容易に収縮(変形)する高弾性の材料で形成することが望ましい。
なお、摺動ばね43としては、半導体装置1を吸着治具40で吸着固定する時の吸引力によって容易に収縮(変形)する高弾性の材料で形成することが望ましい。
また、吸着パット部材45としては、半導体装置1を吸着治具30で吸着固定する時の吸引力によって容易に変形しない低弾性の材料で形成することが望ましい。
なお、前述の実施形態では、バーンイン工程での半導体装置1のハンドリングについて説明したが、本発明は、半導体装置1を吸着治具でハンドリングする他の工程においても適用することができる。
なお、前述の実施形態では、バーンイン工程での半導体装置1のハンドリングについて説明したが、本発明は、半導体装置1を吸着治具でハンドリングする他の工程においても適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
1…半導体装置、1a…チップ層、1b…2次配線形成層、2…半導体基板、3…1次配線形成層、4…電極パッド(ボンディングパッド)、5…表面保護膜、5a…ボンディング開口、6…絶縁層、6a…ボンディング開口、7…再配線、7a…電極パッド(バンプランド)、8‥絶縁層、8a…ボンディング開口、9…半田バンプ、10…半導体ウエハ、11…分離領域(スクライブライン)、12…製品形成領域、20…トレイ、20a…収納部、21…バーンインボード、22…ソケット、22a…収納部、30…吸着治具、31…シャフト、32…ホルダ部材、33…独泡パット部材、34…吸着パット部材、40…吸着治具、41,42…ホルダ部材、43…摺動用ばね、44…フレアパット部材、45…吸着パット部材
Claims (11)
- 半導体装置の製造方法において、
(a)スクライブラインによって区画された複数の領域を有し、前記複数の領域の各々に集積回路が形成された半導体ウエハを準備する工程と、
(b)前記スクライブラインに沿って前記半導体ウエハを分割することにより、各々が前記集積回路を有する複数の半導体チップを形成する工程と、
(c)前記半導体チップを吸着治具に吸着固定し、第1の地点から第2の地点に前記吸着治具を移動させて前記半導体チップを搬送する工程と、
(d)前記第2の地点で前記吸着治具から前記半導体チップを離脱させる工程とを有し、
前記吸着治具は、吸着面を持つ吸着パットと、前記吸着面に対して垂直方向に沿って延びる中心軸とを有し、前記吸着面に前記吸着面を傾ける圧力が加わった時、前記中心軸に対する前記吸着面の角度が変化する構造になっており、
前記半導体チップと前記吸着治具との吸着固定は、前記半導体チップの前記集積回路が形成された主面と反対側の裏面に前記吸着治具の吸着面を圧接して行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップの裏面は半導体面であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップを前記吸着治具に吸着固定する時、前記半導体チップは、ボードに搭載されたソケットに装着されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ボードは、バーンインボードであることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体ウエハは、前記複数の領域の各々に、複数の第1の電極パッドと、前記複数の第1の電極パッドに接続され、かつ前記第1の電極パッドよりも配列ピッチが広い複数の第2の電極パッドとを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記吸着治具は、さらに前記吸着パッドを支持するホルダ部材と、前記吸着パッドと前記ホルダ部材とを結合する結合部材を有し、
前記結合部材の弾性率は、前記吸着パッドより高いことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記吸着面は、前記結合部材を支点に角度が変化することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体チップの裏面に吸引作用によって吸着固定させる吸着治具であって、
前記半導体チップの裏面に圧接される吸着面を持つ吸着パットを有し、前記吸着面に前記吸着面を傾ける圧力が加わった時、前記吸着面の角度が変化する構造になっていることを特徴とする吸着治具。 - 請求項8に記載の吸着治具において、
前記吸着治具は、さらに前記吸着パッドを支持するホルダ部材と、前記吸着パッドと前記ホルダ部材とを結合する結合部材を有し、
前記結合部材の弾性率は、前記吸着パッドより高いことを特徴とする吸着治具。 - 請求項9に記載の吸着治具において、
前記結合部材は、独泡パットからなることを特徴とする吸着治具。 - 請求項9に記載の吸着治具において、
前記結合部材は、ばねからなることを特徴とする吸着治具。
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-
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