JP5349723B2 - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

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    • C08F20/06Acrylic acid; Methacrylic acid; Metal salts or ammonium salts thereof

Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、残存モノマーや水可溶分の少ない、吸水性樹脂の製造方法に関する。
【従来の技術】
吸水性樹脂は、綿、パルプ、紙、海綿などの繊維基体と複合化されて、紙おむつ、生理用ナプキンなどの吸収物品として汎用されている。
吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体等のアクリル酸および/またはその塩を単量体として用いたアクリル酸系架橋重合体がその吸水性能の高さから最も工業的に多く用いられている(特開昭62−54751号公報、特開平3−31306号公報、特開平6−211934号公報、米国特許4654039号、米国特許5338810号、米国特許5574121号、米国特許5562646号、欧州特許第574260号明細書、欧州特許第942014号明細書など)。
【発明が解決しようとする課題】
アクリル酸系重合体は、その吸水性能の高さから上述したように最も多く使用されているが、その用途が上述のような衛生材料方面が多いことから、この面での問題のないことが当然求められている。アクリル酸系重合体は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を重合することにより得られ、重合体中には極く僅かではあるが未反応のアクリル酸モノマーが残存するため、その量の低減が求められている。吸水性樹脂の場合はさらに、水膨潤性と水不溶性であることが必要であるが、吸水性樹脂中には水溶性重合体である水可溶分も極く僅か含まれており、この水可溶分は吸水特性に悪影響を与えることから、やはり、その量の低減が求められている。さらに、吸水性樹脂では、加圧下吸水倍率や加圧下通液量などの加圧下での物性が求められている。
そこで、本発明の課題は、残存モノマーや水可溶分の少ない、吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する、本発明にかかる、吸水性樹脂の製造方法は、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を重合することにより、中和塩である吸水性樹脂を製造する方法において、前記アクリル酸として、プロピレンおよび/またはプロパンの気相接触酸化で得られたアクリル酸であって、プロトアネモニンの含有量が10ppm以下のアクリル酸を用い、かつ、前記吸水性樹脂の中和率50モル%以上であることを特徴とする。
本発明の方法で得られた吸水性樹脂は、上記において、加圧下吸水倍率(約1.96kPa)が25g/g以上であることが出来る。
本発明にかかる、吸水性樹脂の製造方法は、また、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を重合することにより、中和塩である吸水性樹脂を製造する方法において、プロピレンおよび/またはプロパンの気相接触酸化で得られたアルデヒド分含有のアクリル酸を原料として用い、かつ、前記アクリル酸原料を強アルカリ処理してから、重合することを特徴とする。
【発明の実施の形態】
上に見たように、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、プロトアネモニンの含有量が(好ましくはフルフラールの含有量も、より好ましくは両者の合計含有量も)10ppm以下のアクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を原料に用いて重合を行うようにするか、または、アルデヒド分含有のアクリル酸をアルカリ処理してから重合を行うようにすることを特徴としているので、以下に、この原料であるアクリル酸の製造方法と、アクリル酸からフルフラールおよび/またはプロトアネモニン含有量の少ないアクリル酸を得る方法について、まず、詳しく説明する。
アクリル酸を製造する方法としては、プロピレンおよび/またはプロパンの気相酸化法、エチレンシアンヒドリン法、高圧レッペ法、改良レッペ法、ケテン法、アクリロニトリル加水分解法等が工業的製造法として知られており、中でもプロピレンおよび/またはプロパンの気相酸化法が最も多く採用されている。そして、本発明はかかる気相酸化法で得られたアクリル酸を用いる吸水性樹脂の製造方法の改良に好適に使用される。なお、プロパンは本質的にはプロピレンと同様に挙動するので、以下においては、プロピレンに代表させて上記気相酸化法を説明する。
プロピレン気相酸化法とは、プロピレンから気相接触酸化法によりアクロレインを経てアクリル酸を得る方法である。反応は水蒸気、不活性ガスなどを希釈剤として通常、2段階で行われる。プロピレンの転化率はほぼ100%であり、高収率であるという利点がある。プロピレン気相酸化法では、通常、反応ガスを溶剤で捕集することでアクリル酸溶液を得る。このとき用いる溶剤としては、水、有機酸含有水、高沸点の不活性疎水性有機液体(ジフェニルエーテル、ジフェニルなど)等の公知の溶剤を挙げることが出来る。このアクリル酸溶液は、溶剤を多量に含んでいるので、溶剤分離塔で溶剤を除去し、脱溶剤アクリル酸を得る。このとき、溶剤の主成分が水である場合には、水と共沸する溶剤を用いる共沸蒸留により、水を実質的に含まないアクリル酸を蒸留塔缶出液として得る。溶剤の主成分が高沸点不活性疎水性有機液体である場合には、この溶剤を実質的に含まないアクリル酸を蒸留塔中部または頂部から得る。
上記アクリル酸は、酢酸、ホルムアルデヒド、アクロレイン、プロピオン酸、マレイン酸、アセトン、フルフラール、ベンズアルデヒド等の副生成物や不純物を含んでいるので、次に、このアクリル酸を精製することによってこれらの副生成物や不純物を除去し、普通は、この段階で得た実質的にアルデヒドを含まない精製アクリル酸を吸水性樹脂の原料として使用するようにしている(特開平9−124546号公報など参照)。
しかし、本発明者が経験したところによれば、このようにして精製しても、その精製アクリル酸から得られる吸水性樹脂の特性は満足できないことがあった。
そこで、本発明者は、その原因をいろいろ探ったところ、この精製アクリル酸には前述のようにフルフラールおよび/またはプロトアネモニンという不純物が含まれていて、これらの不純物、特にプロトアネモニンが吸水特性に悪影響を与えていることが分かった。しかも、この影響はアクリル酸系重合体が中和塩である場合に特に大きいことも分かった。すなわち、従来のアクリル酸は、フルフラールおよび/またはプロトアネモニンを多量に含んでいて、その観点からみたとき吸水性樹脂の原料とするには、いまだ「粗製アクリル酸」であり、さらなる精製が必要であることがわかったのである。
前記脱溶剤アクリル酸、さらにその精製物である精製アクリル酸に対して、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法の原料となるアクリル酸、すなわち特定不純物に着目してその量を低減させたアクリル酸を以下では超精製アクリル酸と呼ぶ。
そこで、上記アクリル酸の精製方法に工夫を施してアクリル酸中のプロトアネモニン含有量、フルフラール含有量、およびプロトアネモニンとフルフラールの合計含有量を低減して、アクリル酸中のプロトアネモニンおよび/またはフルフラールの含有量とアクリル酸系重合体の吸水特性との関係を深く探ったところ、アクリル酸系重合体が中和塩である場合において、その原料であるアクリル酸中のプロトアネモニン含有量、好ましくはフルフラール含有量、そしてより好ましくはプロトアネモニンとフルフラールの合計含有量を10ppm以下の範囲にまで下げると、吸水特性の向上が見受けられることが分かった。つまり、従来の精製アクリル酸以上の精製を施した「超精製アクリル酸」とすれば良いことを見いだしたのである。
しかし、本発明においては、もちろん、製造直後の段階でプロトアネモニン含有量(好ましくはフルフラール含有量も、より好ましくは両者の合計含有量も)がすでに10ppm以下の範囲になっているアクリル酸および/またはその塩であれば、これを精製することなく、そのまま使用した吸水性樹脂であっても良い。
吸水性樹脂の物性や特性向上と言う観点からは、アクリル酸中のプロトアネモニン含有量(好ましくはフルフラール含有量も、より好ましくは両者の合計含有量も)は10ppm以下の範囲であれば良いが、0.01〜5ppmの範囲が好ましく、0.05〜2ppmの範囲がより好ましく、0.1〜1ppmの範囲が特に好ましい。
なお、後述の強アルカリ処理を行う場合には、プロトアネモニンやフルフラールの含有量は10ppmを超えても、さらに20ppmを超えても使用可能であるが、より低減することが好ましい。
普通一般に用いられている原料アクリル酸たる前述の「精製アクリル酸」以上の「超精製アクリル酸」を得るための精製方法としては、精製能力をさらに高めた蒸留法や晶析法がある。精製方法として蒸留法を採用する場合はアルデヒド処理剤であるヒドラジン化合物(ヒドラジンヒドラート、フェニルヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンなど)の添加量増加や、理論段数の増加(例えば6〜20段増加すること)や還流比の増加等により、また、精製方法として晶析法を採用する場合は晶析回数の増加(例えば3〜10回増加すること)等により、それぞれ精留度を上げることである。蒸留法と晶析法は組み合わせて用いられることもある。このようにして行う超精製により、従来レベルの精製アクリル酸中のプロトアネモニン含有量(好ましくはフルフラール含有量も、より好ましくは両者の合計含有量も)は10ppm以下の範囲に下げることができ、優れた吸水性樹脂を得ることに使用できるのである。
これとは別に、脱溶剤アクリル酸に窒素酸化物またはニトロソベンゼンなどを加えてプロトアネモニンを除去する(特公昭56−41614号公報参照)ことにより、アクリル酸中のプロトアネモニン含有量を10ppm以下の範囲に下げることも出来る。
本発明の第1の方法では、上述のようにしてプロトアネモニンやフルフラールの含有量を意図的に低減させたのち、さらに、アルカリ処理を行うことが好ましい。すなわち、本発明の第1の方法ではアルカリ処理、特に強アルカリ処理によって、プロトアネモニン、さらにはフルフラールの含有量を低減させたアクリル酸を用いることが好ましいが、その好ましい態様は以下の(1)〜(3)である。
(1)特定不純物を低減させてさらに強アルカリ処理して重合
特定不純物の含有量は20ppm以下なら上記特定の強アルカリ処理で吸水性樹脂に使用可能であり、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm、さらに好ましくは3ppm以下、さらにより好ましくは2ppm以下、特に好ましくは1ppm以下とさせる。
(2)特定不純物を低減させてさらにアルカリ処理して重合
弱塩基や中和率100%未満でアルカリ処理する場合、より不純物は低減する必要が有り、特定不純物の含有量は10ppm以下、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは3ppm以下、さらにより好ましくは2ppm以下、特に好ましくは1ppm以下とさせる。
(3)特定不純物を低減させてアルカリ処理なしに重合
実質的に未中和ないし極少量(30モル%以下)の中和でアクリル酸を重合する方法であり、一般に酸重合後中和と呼ばれている。かかる酸重合の場合、さらに厳密に特定不純物を制御する必要があることが見出され、特定不純物は好ましくは5ppm、さらに好ましくは3ppm以下、さらにより好ましくは2ppm以下、特に好ましくは1ppm以下とされる。
本発明において、アクリル酸の強アルカリ処理は、フルフラールやベンズアルデヒドなどのアルデヒド分、特にフルフラール分を含有するアクリル酸の処理にも好適に使用できる。すなわち、従来、アクリル酸の不純物としてアルデヒド分が重合阻害を引き起こすことは知られていたが、本発明の強アルカリ処理によって、アルデヒド分を含有するアクリル酸の吸水性樹脂としての重合性が飛躍的に改善させることが見出された。
すなわち、本発明の第2の方法では、アクリル酸中のアルデヒド分、特にフルフラール分は1ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上、さらには20〜500ppm、多いときには100〜400ppm含有するアクリル酸が上記の強アルカリ処理によって吸水性樹脂としての重合性が改善され、物性や着色も向上するのである。
本発明の第2の方法では、上記アルデヒド分を含有するアクリル酸を中和率100モル%を超える状態でアルカリ処理、特に苛性ソーダなどで強アルカリ処理を、好ましくは上記温度や時間で行うことが好ましい。中和率100モル%を超える状態で、下記時間下記温度で処理されたアクリル酸は重合性が改善され、物性も向上することが見出された。すなわち、本発明の強アルカリ処理は、好ましくは中和率100モル%以上、さらには105モル%以上でなされ、温度は20℃以上、さらには30℃以上、特に40℃以上、その時間は30分以上、さらには1時間以上、5時間以上でなされる。
本発明でいうアルカリ処理とは、処理すべきアクリル酸を多量のアルカリに添加するか、または処理すべきアクリル酸とアルカリを一時に合体する処理をいい、前記不純物を含むアクリル酸をアルカリ条件下、特に、強アルカリ条件下、一定温度以上で処理することであり、かかるアルカリ処理によってアクリル酸の重合が飛躍的に促進されるのである。また、上記アルカリ処理は第2の方法で必須に適用されるが、第1の方法においても、同様にアクリル酸の重合性や吸水性樹脂の物性の改良に好適である。
以下、プロトアネモニンおよび/またはフルフラールを特定不純物と称する。アルカリ処理では重合させるアクリル酸の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらには65モル%以上、特に70モル%以上がアルカリ処理さる。
本発明の第1の方法ないし第2の方法において、アルカリ処理に用いられる塩基性物質としては、例えば、炭酸(水素)塩、アルカリ金属の水酸化部、アンモニア、有機アミンなどが例示されるが、より重合性を改善し且つより高物性の吸水性樹脂を得るためには、強アルカリ処理、すなわち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。これらアルカリ処理において、アクリル酸の中和率が100モル%を超える状態、すなわち、アルカリ過剰でアルカリ処理がなされることが好ましく、一定量のアルカリ物質に徐々にアクリル酸を添加して強アルカリ領域を経ることや、アクリル酸と強アルカリをラインミキシングで混合して中和と同時にアルカリ処理を行う方法が例示される。また、逆に、大過剰のアクリル酸にアルカリを徐々に添加する方法では、アクリル酸が常にアルカリより過剰に存在するため中和率は100%未満であり、重合性が不十分となり易い場合があり、一般にアクリル酸の中和に多用されている炭酸(水素)塩など弱塩基も、そのアルカリ処理後の重合性の改善に不十分な場合ある。
アルカリ処理においては、特に強アルカリ処理においては、濃度は10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%、さらには30〜50重量%の水溶液ないし水分散液となるようにアクリル酸が処理されることが好ましく、その時間、特に中和率100モル%を超える時間は1秒〜48時間、1分〜36時間、さらには5分〜24時間、特に30分〜24時間の範囲で適宜決定される。また、高アルカリ領域、好ましくは中和率100モル%以上、さらには105モル%以上で長時間貯蔵、特に10時間以上、さらには20時間以上、特に40時間以上ないし熟成するアルカリ処理を併用してもよい。
アルカリ処理においてのアクリル酸やその水溶液の温度は20℃以上、さらには30℃以上、さらには40℃以上、特に50℃以上に保たれることが好ましい。アルカリ処理において、温度が低い場合や強アルカリを用いない場合、さらには、未中和の場合には前記超精製アクリル酸を用いても重合性が非常に低く、物性的にも劣ったものになる。さらに、アルカリ処理は安定性のため酸素存在下で行なわれ、好ましくは0.5〜20ppm、より好ましくは1〜15ppm、1.5〜10ppmの酸素をアクリル酸(塩)水溶液が含有した状態で行なわれる。酸素が少ないとアルカリ処理で単量体の安定性に問題があり、酸素ないし空気雰囲気下、好ましくは、酸素ないし空気が吹き込まれ/巻き込まれてアルカリ処理がなされる。なお、酸素量は溶存酸素計で測定できる。
本発明において、吸水性樹脂とは、アクリル酸やその塩をそのまま単量体として用いて得られた吸水性樹脂であっても良いし、アクリル酸(塩)をエステル化しておいて得られた吸水性樹脂であっても良いが、前者がより好ましい。
アクリル酸系重合体は、アクリル酸、アクリル酸塩を重合して得られるポリアクリル酸、ポリアクリル酸の一部(25〜95モル%程度)または全部のカルボキシル基が塩になっている中和ポリアクリル酸のほか、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性不飽和単量体等を共重合成分とするものも含まれる。本発明において、アクリル酸以外の単量体を用いる場合には、このアクリル酸以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸およびその塩との合計量に対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下で用いることが好ましい。
アクリル酸系重合体としては、前記アクリル酸を用いる場合、部分中和のアクリル酸系重合体が好ましい。部分中和アクリル酸系重合体としては、物性面からアクリル酸部分の50モル%以上、50〜95モル%が中和されている重合体が好ましく、60〜90モル%が中和されている重合体がより好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などを例示することができるが、金属塩、特に、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩のうちでもナトリウム塩やリチウム塩が好ましい。この中和は、重合前の単量体で行っても良いし、重合中や重合後に重体に対して行っても良い。さらには、単量体の中和と重合体の中和を併用しても良いが、好ましくはアクリル酸に対して前記アルカリ処理がなされる。
アクリル酸系重合体を得るに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、上記単量体成分を水溶液とすることによる水溶液重合または逆相懸濁重合を行うことが好ましい。なお、逆相懸濁重合とは、不活性疎水性溶媒中に単量体水溶液の液滴を分散させる重合方法であり、水溶液重合とは、単量体水溶液を不活性溶媒に分散させることなく直接重合させる方法である。さらに、これらの重合は、好ましくは、窒素やアルゴンなどの不活性気体雰囲気で行われ、また、単量体成分は、その溶解酸素が不活性気体で十分に置換された後に重合に用いられる。本発明では、高生産性で高物性だが、プロトアネモニンの影響が大きいことが見出された水溶液重合に好適に適用され、重合制御が困難であった水溶液重合に特に好適である。
上記逆相懸濁重合や水溶液重合で、単量体成分を水溶液とする場合、この水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体成分の濃度は、特に限定されるものではないが、物性面から、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、15〜65重量%がより好ましく、30〜45重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合または逆相懸濁重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
上記単量体水溶液を重合する際には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−ヒドロキシ−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル等の重合開始剤の1種または2種以上を用いることができる。
さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。すなわち、本発明の方法では、重合はラジカル重合開始剤および/または紫外線重合開始剤を用いた水溶液重合に顕著に効果を示し、その重合開始温度は0〜70℃、好ましくは10〜60℃、さらには20〜50℃の際により効果を示すので、かかる重合方法に好適に使用される。
これらの重合開始剤や還元剤の使用量は、単量体成分に対して、通常0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.5モル%である。これらの重合開始剤や還元剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体成分が多くなり、従って、得られるアクリル酸系重合体中の残存モノマーが増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤や還元剤の使用量が2モル%を越える場合には、得られるアクリル酸系重合体に水可溶分や着色が増加するので好ましくない。
なお、重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより重合反応を行ってもよいし、紫外線重合開始剤や重合開始剤と活性エネルギー線を併用してもよい。なお、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものでないが、開始温度とピーク温度でみて15〜130℃、好ましくは15〜120℃、さらには20〜110℃の範囲内が好ましい。また、重合の連続・回分、静置または攪拌、反応時間や圧力も特に限定されるものではなく、単量体成分や重合開始剤の種類、反応温度などに応じて適宜決定すればよい。
重合に際しては、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、窒素、アゾ化合物、不活性有機溶媒などの各種発泡剤;澱粉、セルロース、それらの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%添加してもよい。
水溶液重合した場合、得られたゲル状重合体は、必要により細分化された後、好ましくは乾燥され、必要により粉砕や分級、さらには造粒する。
上記乾燥の程度は、その乾燥減量(粉末1gを180℃で3時間加熱)から求められる樹脂固形分が通常80重量%以上、さらに前記特定不純物を加熱分解のため、または得られる吸水性樹脂の物性面から、好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは93重量%以上、さらには94〜99重量%とされる。乾燥温度は、特に限定されるものではないが、例えば、100〜300℃の範囲内、より好ましくは150〜250℃の範囲内とすればよい。また、乾燥時間は、特に限定されるものではないが、長時間の放置は着色をまねく恐れがあり、よって、重合後なるべく短時間、好ましくは5時間以内、さらには3時間以内、特に1時間以内に上記固形分にまで乾燥される。乾燥方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、熱風乾燥や高湿乾燥がより好ましい。
本発明の方法で得られる吸水性樹脂の形状については、特に制限がなく、不定形破砕状や球状等の粉末、ゲル状、シート状、棒状、繊維状、フィルム状であってもよく、また、繊維基材などに複合化や担持させてもよい。
吸水性樹脂が粉末の場合、その重量平均粒子径としては、通常10〜2000μm、物性面から好ましくは100〜1000μm、さらに好ましくは200〜600μmの範囲であり、さらに150μm以下の微粉末の含有量は少ないほど、10重量%以下、さらには5重量%以下が好ましい。実質上、上限は850μm以下であり、300〜850μmの粒子を50重量%以上、さらには70重量%以上、特に80重量%以上含むことが好ましい。
なお、本発明に言う吸水性樹脂とは、重合体に架橋構造を導入して水膨潤性・水不溶性とした親水性樹脂を言い、典型的には、単量体成分を重合し、かつ、架橋することにより得られ、無荷重下、イオン交換水中において自重の10〜3000倍、生理食塩水中において自重の5〜200倍、好ましくは20〜100倍という多量の水を吸収し、水不溶性ヒトロゲルを形成するものである。また、上記吸水性樹脂としては、水可溶分が25重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の実質水不溶性を示すものが挙げられる。これら測定法は実施例で規定される。
用いられる架橋方法としては特に制限なく、例えば、(A)アクリル酸および/またはアクリル酸塩を重合して、必要により上記水溶性または疎水性不飽和単量体を共重合成分として、親水性重合体を得た後、重合中や重合後に架橋剤を添加して後架橋する方法、(B)ラジカル重合開始剤によるラジカル架橋、(C)電子線等による放射線架橋する方法等も挙げられるが、(D)予め所定量の内部架橋剤をアクリル酸および/またはアクリル酸塩、または共重合成分としての上記水溶性または疎水性不飽和単量体に添加して重合を行い、重合と同時または重合後に架橋反応させることが好ましい。勿論、(D)の架橋方法と、(A)〜(C)を併用してもよい。
かかる手法(D)で用いられる内部架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(β−アクリロイルオキシプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(β−アクリロイルオキシプロピオネート)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の内部架橋剤の1種または2種以上が用いられる。なお、1種以上の内部架橋剤を使用する場合には、得られる吸水性樹脂の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
内部架橋剤の使用量としては、前記単量体成分に対して、0.005〜2モル%とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜1モル%、さらに好ましくは0.05〜0.2モル%の範囲である。上記内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、または、2モル%よりも多い場合には、所望の吸収特性が得られない恐れがある。
本発明の方法で得られる吸水性樹脂は表面架橋されていてもよい。吸水性樹脂としては表面架橋されていることが特に好ましい。本発明にかかる吸水性樹脂は水可溶分が少なく、また吸収倍率が高いため、優れた表面架橋効果が得られ、さらに高い物性や特性を発揮することが出来る。
ここに、表面架橋とは、樹脂内部の均一な架橋構造の他にさらに表面層に架橋密度の高い部分を設けることであり、後述の表面架橋剤を用いて行われる。表面架橋剤が樹脂表面に浸透したり樹脂表面を被覆したりするのでもよい。樹脂を表面架橋することによって、加圧下吸水倍率が高まる。本発明にかかる吸水性樹脂は、生理食塩水に対する加圧下吸水倍率(50g/cm、約4.90kPaに相当)が20g/g以上である。表面架橋後の吸水性樹脂の加圧下吸水倍率は、通常20g/g以上、好ましくは23g/g以上、さらに好ましくは25g/g以上である。また、生理食塩水に対する加圧下吸収倍率(20g/cm,約1.96kPaに相当)も通常20g/g以上、好ましくは25g/g以上、さらに好ましくは28g/g以上、特に好ましくは32g/g以上であり、無荷重下での吸水倍率も25g/g以上、さらには好ましくは28g/g以上、特に好ましくは32g/g以上という高物性の吸水性樹脂を、本発明の方法では容易且つ安定的に製造することができる。また、加圧下通液量は100g/g以上、好ましくは300g/g以上、さらに好ましくは500g/g以上とされる。なお、これら測定法は実施例で規定する。
上記表面架橋を行うための架橋剤としては、種々のものがあるが、物性や着色の観点から、一般的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ、ジ、またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物等が用いられている。本発明の効果を最大限にするために、これらの架橋剤の中でも少なくとも多価アルコールを用いることが好ましく、炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜8の多価アルコールが用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;ポリアミドアミン、エピクロロヒドリン付加物、2−オキサゾリジノン、1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン2−オン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、アルミニウム塩などが例示される。表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、樹脂の固形分100重量部に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好ましい。
本発明において、表面架橋には水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、通常、吸水性樹脂100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。また、本発明において、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。吸水性樹脂に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜3重量部の範囲である。架橋剤溶液の温度は混合性や安定性から0℃〜沸点、好ましくは5〜50℃、さらには10〜30℃にさせる。また、混合前の吸水性樹脂粉末の温度は、混合性から好ましくは0〜80℃、さらには40〜70℃の範囲である。さらに、本発明では種々の混合方法のうち、必要により水及び/または親水性有機溶媒とを予め混合した後、次いで、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。また混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲で水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
前記混合に用いられる好適な混合装置は、均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せることが必要である。本発明に用いることのできる混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
このようにして吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、必要に応じて加熱処理を行い、樹脂の表面近傍を架橋させ、好ましくは、生理食塩水に対する50g/cm(約4.90kPa)での加圧下吸収倍率が20g/g以上、ないし約1.96kPaでの加圧下吸収倍率が25g/g以上の吸水性樹脂を得る。上記加熱処理を行う際の条件としては、加熱温度は、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜250℃であり、加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲である。温度と時間の組み合わせの好適例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。加熱処理は、通常の乾燥機又は加熱炉を用いて行うことができる。乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
上記表面架橋では、表面架橋剤や加熱処理条件(温度や時間)を調整することで、加圧下吸収倍率(約4.90kPa)が20g/g以上ないし、加圧下吸収倍率(約1.96kPa)が25g/g以上、また、無荷重下での吸収倍率が好ましくは25g/g以上とすることができる。
本発明の方法で得られる吸水性樹脂には、必要に応じ、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機または有機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、キレート剤、水、塩類や、本発明の吸水性樹脂を構成するポリアクリル酸以外の各種親水性樹脂や疎水性樹脂等を添加し、これにより、種々の機能を付与させることもできる。これらの添加量は、目的に応じて適宜決定されるが、たとえば、吸水性樹脂に対して0.001〜400重量%、好ましくは0.005〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%である。
本発明の方法によれば、無加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、可溶分のバランスに優れた良好な吸収特性を備えた吸水性樹脂を簡便に製造することができ、農園芸保水剤、工業用保水剤、吸湿剤、除湿剤、建材、などで広く用いられるが、その吸水剤は紙おむつ、生理用ナプキンなどの衛生材料に特に好適に用いられる。さらに、本発明の吸水性樹脂は上記3つの物性にバランスよく優れるため、衛生材料は一般に吸水性樹脂の濃度(吸水性樹脂および繊維基材の合計に対する吸水性樹脂の重量比)として高濃度、例えば30〜100重量%、好ましくは40〜100重量%の範囲、さらに好ましくは50〜95重量%で使用可能である。
【実施例】
以下に実施例と比較例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔アクリル酸およびアクリル酸塩の製造〕
−製造例1−
プロピレンの気相酸化で得られた反応ガスを吸収塔で水捕集し、アクリル酸水溶液を得た。ついで、このアクリル酸水溶液を溶剤分離塔に供給し、共沸溶剤を用いて水と酢酸等の低沸点不純物とを蒸留除去し、プロトアネモニン含有量250ppm、フルフラール260ppmの粗製アクリル酸を得た。
この粗製アクリル酸を、無堰多孔板50段を有する高沸点不純物分離塔の塔底に供給して、還流比を1として蒸留し、マレイン酸やアクリル酸からなる二量体(アクリル酸ダイマー)などの高沸点不純物と共にプロトアネモニンを除去した。その結果、塔頂からはプロトアネモニン含有量1ppm、フルフラール含有量240ppmのフルフラール分含有のアクリル酸を得た。
つぎに、このアクリル酸にアルデヒド処理剤としてヒドラジンヒドラートを400ppm添加しておいて、単蒸留装置で蒸留することにより、フルフラール含有量を1ppmに低減させた超精製アクリル酸(1)(プロトアネモニン含有量1ppm)を得た。
そして、この超精製アクリル酸を以下のようにアルカリ処理することによって、原料アクリル酸塩を水溶液の形で得た。
攪拌機を備えた蒸留フラスコにイオン交換水2744gを空気雰囲気下で仕込んだ。フラスコ内の中和反応系の温度を20〜40℃に保ち攪拌しながら、超精製アクリル酸(1)1390gおよび48重量%水酸化ナトリウム水溶液1480gを、水酸化ナトリウム/アクリル酸=0.9〜0.95の滴下比で100分間かけて、このフラスコ内に同時に滴下した。滴下終了後、更に48重量%の水酸化ナトリウム水溶液160gを供給して、フラスコ内の中和反応系の中和率を102モル%にした。そして、中和反応系の温度を40℃に調整し、30分間の熟成を行った。熟成終了後、中和反応系にアクリル酸499gを10分間にわたって供給することで、中和率75モル%で濃度37重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液(原料アクリル酸のプロトアネモニン含有量は1ppm、フルフラール含有量は1ppm)を得た。なお、溶存酸素量は8ppmであった。
なお、プロトアネモニンおよびフルフラールの含有量はガスクロマトグラフィーで分析した。
−製造例2−
高沸点不純物分離塔の無堰多孔板を40段、および、還流比を1.5に変更した以外は、製造例1と同様にして、フルフラール含有量を1ppmに低減させた超精製アクリル酸(2)(プロトアネモニン含有量3ppm)を得た。
−製造例3−
高沸点不純物分離塔の無堰多孔板を40段、および、還流比を1に変更した以外は、製造例1と同様にして、フルフラール含有量を1ppmに低減させた超精製アクリル酸(3)(プロトアネモニン含有量9ppm)を得た。
−比較製造例1−
高沸点不純物分離塔の無堰多孔板を20段に変更するとともに還流比を2に変更する以外は、製造例1と同様することで、フルフラール含有量を1ppmに低減させた精製アクリル酸(4)(プロトアネモニン含有量30ppm)を得た。
−比較製造例2−
高沸点不純物分離塔の無堰多孔板を30段に変更する以外は、製造例1と同様にすることで、フルフラール含有量を1ppmに低減させた精製アクリル酸(5)(プロトアネモニン含有量13ppm)を得た。
−比較製造例3−
高沸点不純物分離塔の無堰多孔板を30段、および、還流比を0.9に変更した以外は、製造例1と同様にして、フルフラール含有量を1ppmに低減させた精製アクリル酸(6)(プロトアネモニン含有量17ppm)を得た。
造例4‐
製造例1において、高沸点不純物分離塔の塔頂から得られた粗製アクリル酸(プロトアネモニン含有量1ppm、フルフラール含有量240ppm)に対し、ヒドラジンヒドラートを添加することなく、単蒸留を行い、精製を試みたが、得られた精製アクリル酸(7)は、フルフラール含有量230ppm、プロトアネモニン含有量1ppmのものであった。
〔吸水性樹脂の製造〕
上のようにして得られた種々の原料アクリル酸塩(アクリル酸ナトリウム水溶液)を用い、以下のようにして、吸水性樹脂を製造した。
−実施例1−
製造例1の手法で得られたアクリル酸ナトリウム水溶液(原料アクリル酸のプロトアネモニン含有量1ppm、フルフラール含有量1ppm)7700gに、内部架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.05モル%(対モノマー)溶解させることで、水溶性不飽和単量体水溶液(モノマー水溶液(1))を得た(濃度37%、中和率75モル%)。
窒素ガスで30分脱気後の水溶性不飽和単量体水溶液(溶存酸素0.5ppm未満)を内容積10リットルでシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋をつけた反応器に供給し、水溶性不飽和単量体水溶液を25℃の温度に保ち反応系を窒素置換した。次いで、25℃の温水を通じて加熱しながら、重合開始剤として過硫酸カリウム0.12モル%(対単量体モル)とL−アスコルビン酸0.005g/モル(対単量体モル)を添加し攪拌した。
重合開始剤を添加して5分後に重合が開始し、23分後にはピーク温度に達して含水ゲル重合体が5mm以下の径に細分化されたが、ピーク温度後も更に攪拌を続けて20分熟成したのち、含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。次に、得られた含水ゲル重合体の細粒化物を50メッシュ(目開き300μm)の金網に広げて、150℃で3時間、熱風乾燥した。乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、更にJIS標準篩850μm通過物を分級して、平均粒径約420μm、150μm以下が3重量%の吸水性樹脂粉末(1)を得た。
−実施例2−
製造例2で得られた超精製アクリル酸(2)(プロトアネモニン含有量3ppm、フルフラール含有量1ppm)1418gをイオン交換水1944gに溶解させ、次いで、冷却したフラスコ中で20〜40℃で攪拌しながら、空気雰囲気下、48重量%水酸化ナトリウム水溶液1640gを2時間かけて滴下することで、溶存酸素6ppmのアクリル酸ナトリウム(中和率100モル%)の37重量%水溶液を得た。次いで、このアクリル酸ナトリウム(原料アクリル酸のプロトアネモニン含有量3ppm、フルフラール含有量1ppm)水溶液1611gと、製造例2で得られた超精製アクリル酸(2)(プロトアネモニン含有量3ppm、フルフラール含有量1ppm)184gとに、架橋剤のポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量478)0.10モル%(対モノマー)と水186gを十分混合してモノマー水溶液(2)を得た。
得られた水溶液を、長さ320mm×幅220mm×高さ50mmで内表面をテフロンコーティングしたステンレス製バット内に注入した。このときの水溶液厚みは25mmであった。このステンレス製バットの開口面を、窒素導入口、排気口および重合開始剤投入口を持つポリエチレンフィルムでシールして25℃のウオーターバスに漬けることにより、水溶液温度を25℃に調整しつつ、バット内に窒素ガスを導入して液中の溶存酸素を0.5ppm未満まで除去した。そののちは、6L/分(108cm/分)の流入速度で窒素ガスをバットの長さ方向に沿い導入し、反対側から排気を続けた。重合開始剤として過硫酸カリウム0.13g/単量体モルおよびL−アスコルビン酸0.001g/単量体モルを注入し、マグネチックスターラーで十分に攪拌混合した。重合開始剤投入後1分で重合が開始し、8分後に96℃の重合ピーク温度が見られた。重合ピーク後さらに20分間熟成した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(2)を9.5mmの孔径を有するダイスを付けたミートチョッパーで粉砕し、170℃で60分間、乾燥して、粗粒を得たのち、これをさらに粉砕し、JIS標準篩850μm(上限)〜150μm(下限)で分級して、平均粒径約500μmの吸水性樹脂粉末(2)を得た。
−比較例1−
比較製造例1で得られたアクリル酸(プロトアネモニン含有量30ppm、フルフラール含有量1ppm)を用いるほかは、製造例1と同様にアクリル酸のアルカリ処理を行い、ついで実施例1と同様にして、比較吸水性樹脂粉末(1)を得た。
−比較例2−
比較製造例2で得られたアクリル酸(プロトアネモニン含有量13ppm、フルフラール含有量1ppm)を用いるほかは実施例2と同様にして、比較吸水性樹脂粉末(2)を得た。
以上のようにして得られた各吸水性樹脂粉末について、無荷重下吸水倍率、水可溶分量および残存モノマー量を測定した結果は表1のとおりであった。
表1に見るように、プロトアネモニン含有量を10ppm以下に低減した超精製アクリル酸を原料として用いた実施例1の吸水性樹脂粉末(1)は、普通一般に用いられているアクリル酸(プロトアネモニン含有量30ppm、フルフラール含有量1ppm)を用いて得た比較例1の比較吸水性樹脂粉末(1)に比べて、同等の吸収倍率を持ちながら、残存モノマー量も水可溶分量も大幅に少ない。原料アクリル酸のプロトアネモニン含有量が13ppm、フルフラール含有量1ppmの比較例2の比較吸水性樹脂粉末(2)は、同じ重合条件で比較したプロトアネモニン含有量3ppm、フルフラール含有量1ppmの吸水性樹脂粉末(2)に比べて、残存モノマー量や水可溶分量が大きく劣っていることが分かる。
−実施例3−
48重量%の苛性ソーダ水溶液208.33gおよびイオン交換水246.8gからなるアルカリ水溶液に対して、製造例1で得られた超精製アクリル酸(1)(プロトアネモニン含有量1ppm、フルフラール含有量1ppm)180gを1時間かけて順次滴下することで、温度20〜25℃の範囲で1時間の強アルカリ処理を行い、中和率100モル%、濃度37重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液(3)(溶存酸素6ppm)を得た。
こうしてアルカリ処理して得られたアクリル酸ナトリウム水溶液228.77g、超精製アクリル酸(1)21.62g、イオン交換水51.06gおよび架橋剤ポリエチレングリコールジアクリレート(平均n=8)を0.05モル%溶解させることで、濃度35重量%で中和率75モル%(アルカリ処理率75モル%)のモノマー水溶液(3)を得た。次いで、該モノマー水溶液(3)を20℃に保ち、窒素ガスで溶存酸素0.5ppm未満にまで脱気した後に内容積約500mlの円筒形ポリプロピレン製容器に入れた。該重合容器は蓋をして窒素雰囲気下、断熱状態で保温され、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.12g/モル(対単量体)およびL−アスコルビン酸0.008g/モル(対単量体)を水溶液としてモノマー水溶液(3)に添加した。
上記開始剤を添加1分後に重合が開始(誘導時間1分)し、重合熱で昇温し添加後18.5分でピーク温度温度(100℃)を示し、ピーク温度後さらに10分間熟成を行った。得られた含水ゲル状架橋重合体(3)を数mmに裁断し、170℃の熱風で30分間加熱乾燥を行った後、実施例1と同様に粉砕して分級することで吸水性樹脂粉末(3)を得た。結果を表1に示す。
−実施例4−
上記実施例3において、超精製アクリル酸(1)を製造例2で得られたプロトアネモニン3ppm、フルフラール1ppmの超精製アクリル酸(2)とする以外は同様にアルカリ処理およびモノマー水溶液の調製を行った。すなわち、超精製アクリル酸(2)のアルカリ処理で得られたアクリル酸ナトリウム水溶液(4)、イオン交換水、超精製アクリル酸(2)、架橋剤を実施例3と同様に溶解させることで、濃度35重量%で中和率75モル%のモノマー水溶液(4)を得た。
以下、モノマー水溶液(4)を実施例3と同様に重合を行ったところ、上記開始剤を添加1.5分後に重合が開始(誘導時間1.5分)し、得られた含水ゲル状架橋重合体(4)を実施例3と同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(4)を得た。結果を表1に示す。
−実施例5−
上記実施例3において、超精製アクリル酸(1)を製造例3で得られたプロトアネモネン9ppm、フルフラール1ppmの超精製アクリル酸(3)とする以外は同様にアルカリ処理およびモノマー水溶液の調製を行った。すなわち、超精製アクリル酸(3)のアルカリ処理で得られたアクリル酸ナトリウム水溶液(5)、イオン交換水、超精製アクリル酸(3)、架橋剤を実施例3と同様に溶解させることで、濃度35重量%で中和率75モル%のモノマー水溶液(5)を得た。
以下、モノマー水溶液(5)を実施例3と同様に重合を行ったところ、上記開始剤を添加1.5分後に重合が開始(誘導時間1.5分)し、得られた含水ゲル状架橋重合体(5)を実施例3と同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(5)を得た。結果を表1に示す。
−比較例3−
実施例3において、超精製アクリル酸(1)を比較製造例3で得られたプロトアネモネン17ppm、フルフラール1ppmの精製アクリル酸(6)とする以外は同様にアルカリ処理およびモノマー水溶液の調製を行った。すなわち、精製アクリル酸(6)のアルカリ処理で得られた比較アクリル酸ナトリウム水溶液(3)、イオン交換水、精製アクリル酸(6)、架橋剤を実施例4と同様に溶解させることで、濃度35重量%で中和率75モル%の比較モノマー水溶液(3)を得た。
以下、モノマー水溶液(3)を実施例3と同様に重合を行ったところ、上記開始剤を添加1.5分後に重合が開始(誘導時間1.5分)し、得られた比較含水ゲル状架橋重合体(3)を実施例3と同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、比較吸水性樹脂粉末(3)を得た。結果を表1に示す。
−比較例4−
実施例5において、プロトアネモニン17ppm、フルフラール1ppmの精製アクリル酸(6)のアルカリ処理を苛性ソーダに代えて炭酸ナトリウムで行った。こうしてアルカリ処理して得られた比較アクリル酸ナトリウム水溶液(4)を用いて、実施例4と同様に超精製アクリル酸(2)および架橋剤を溶解させて、濃度35重量%で中和率75モル%の比較モノマー水溶液(4)を得た。以下、実施例3と同様に重合開始剤水溶液として添加したが、重合が開始しなかった。
−比較例5−
実施例5において、プロトアネモニン17ppm、フルフラール1ppmの精製アクリル酸(6)をアルカリ処理を行うことなく未中和のまま重合に用いることで、架橋剤0.05モル%を含む中和率0モル%で濃度35重量%の比較モノマー水溶液(5)を得た。以下、実施例3と同様と同様に重合開始剤水溶液として添加したが、重合が開始しなかった。
−実施例6−
比較例5において、プロトアネモニン17ppm、フルフラール1ppmのアクリル酸(6)に代えて、プロトアネモニン3ppm、フルフラール1ppmのアクリル酸(2)を用いる以外は比較例5と同様に行うことで、架橋剤0.05モル%を含む中和率0%で濃度35重量%のモノマー水溶液(6)を得た。以下、実施例3と同様に架橋剤を溶解させたのちに、実施例3と同様に重合開始剤水溶液として添加したが、6.5分で重合が開始して、ピークまで47分を要した。得られた含水ゲル状架橋重合体(6)を1mm程度に裁断し、さらに、炭酸ナトリウム粉末を混合することで75モル%中和としたのち、さらに、実施例3と同様に乾燥・粉砕・分級することで吸水性樹脂粉末(6)を得た。
【表1】
表1より同一重合条件で比較した実施例3から5、および、比較例3から5で分かるように、プロトアネモニン含有量が1ppmから17ppmへと増加するに従って重合時間(ピークまでの時間)が伸びて残存モノマーが増加するのみならず、吸水倍率の若干の増加に比べて水可溶分が大きく増加して相対的に物性が低下している。また、比較例3から5での比較、および、実施例2と実施例6での比較でも分かるように、同じアクリル酸でもアルカリ処理、特に強アルカリ処理により重合性が飛躍的に改善されることが分かる。
表1には、実施例・比較例で吸水性樹脂粉末を得るための重合時において、重合ピーク温度を示すまでの時間も併記している。その結果に見るように、プロトアネモニン含有量が10ppmを越えるアクリル酸塩を用いて重合を行った場合、重合遅延が起きており、重合ピーク温度の上昇も見られ、重合の制御も困難であった。
表1に関する物性や特性の測定方法は、以下のとおりである。
無荷重下吸水倍率
吸水性樹脂粉末0.2gを不織布製の袋(60×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離器で250G(250×9.8ms−2の遠心加速度)を掛けて3分間、水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。吸水性樹脂粉末を用いないで同様の操作を行い、そのときの袋の重量W0(g)を求めて、次式に従い、無荷重下での吸水倍率(g/g)を算出した。
無荷重下での吸水倍率(g/g)=
〔W1(g)−W0(g)〕/〔吸水性樹脂粉末重量(g)〕
水可溶分量と残存モノマー量
吸水性樹脂粉末0.50gを1000gの脱イオン水中に分散させ、マグネチックスターラーで3時間攪拌した後、濾紙で膨潤ゲルを分離濾過した。このとき得られる濾液には吸水性樹脂粉末から溶出した水溶性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム)が含まれている。そこで、得られた濾液50gを100mlビーカーに採り、この濾液に、0.1N水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200メチルグリコールキトサン水溶液10mlおよび0.1重量%トルイジンブルー水溶液4滴を添加した。このようにしてコロイド滴定することで、吸水性樹脂粉末中の水可溶分(水溶性ポリマー)の量(対吸水性樹脂重量%)を求めた。
別途、2時間攪拌後の吸水性樹脂粉末の濾液を液体クロマトクラフィーでUV分析することで、吸水性樹脂中の残存モノマー量(残存アクリル酸)(ppm/対吸水性樹脂粉末)も求めた。
つぎに、以下のように表面架橋処理した吸水性樹脂粉末についても、性能評価をして見た。
−実施例7−
実施例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)500gに対し、1,4−ブタンジオール/プロピレングリコール/水/イソプロパノール=0.32/0.50/2.73/0.45(重量%/対吸水性樹脂粉末)からなる架橋剤水溶液を混合し、オイル温度210℃のバス中で45分、加熱攪拌することで、吸水性樹脂粉末(7)を得た。
−比較例6−
比較例2で得られた比較吸水性樹脂粉末(2)を用い、実施例7と同様に表面架橋処理することにより、比較吸水性樹脂粉末(6)を得た。
−実施例8−
実施例1で得られた吸水性樹脂粉末(1)500gに、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03/プロピレングリコール3/水1(重量%/対吸水性樹脂粉末)の混合液を噴霧添加して、オイルバス中で30分加熱攪拌することで、吸水性樹脂粉末(8)を得た。
−比較例7−
実施例8と同様な操作を比較例1で得られた吸水性樹脂粉末(1)で行うことで、比較吸水性樹脂粉末(7)を得た。結果を表2に示す。
−実施例9−
実施例3で得られた吸水性樹脂粉末(3)500gに、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03/プロピレングリコール3/水1(重量%/対吸水性樹脂粉末)の混合液を噴霧添加して、オイルバス中で35分加熱攪拌することで、吸水性樹脂粉末(9)を得た。
−比較例8−
実施例9と同様な操作を比較例3で得られた比較吸水性樹脂粉末(3)で行うことで、比較吸水性樹脂粉末(8)を得た。なお、比較吸水性樹脂粉末(3)は吸水性樹脂粉末(2)に比べて、混合時の凝集や混合機への付着が多かった。結果を表2に示す。
上記各吸水性樹脂粉末について、無荷重下吸水倍率、加圧下吸水倍率および加圧下通液量を測定した結果は表2のとおりであった。
表2に見るように、本発明にかかる吸水性樹脂は、比較例6の吸水性樹脂と比べて、表面架橋しても、吸収倍率は同程度であったが、加圧下通液量が465gから525gに飛躍的に向上している等、吸水特性の高いものであった。すなわち、本発明の実施例7の吸水性樹脂は水可溶分が大きく低減しているためか、表面架橋効果が高く現れていることが分かる。
【表2】
表2に関する測定方法は、以下のとおりである
加圧下吸水倍率
ヨーロッパ特許第885917号および同第811636号、米国特許6207772Bの各実施例に開示されている方法に順じて、すなわち、下記のようにして、吸水性樹脂粉末の生理食塩水に対する50g/cm(約4.90kPa)、ないし20g/cm(約1.96kPa)での加圧下吸水倍率を測定した。
吸水性樹脂粉末0.900gに対して50g/cm(約4.90kPa)、ないし20g/cm(約1.96kPa)の荷重を均一に加え、この状態で60分間にわたって吸水性樹脂粉末が吸収した生理食塩水の重量W2(g)を天秤で測定した。上記重量W2に基づき次式に従い、加圧下吸水倍率(g/g)を算出した。
加圧下吸水倍率(g/g)=〔W2(g)/吸水性樹脂粉末重量(g)〕
加圧下通液量
図1に示す測定装置において、セル41に吸水性樹脂粉末0.900gを入れて人工尿(1)で膨潤させておいて、0.3psi(約2.07kPa)の加圧下、10分間で、この膨潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33の量を測定して、加圧下通液量(g)とした。
人工尿(1)は、塩化カルシウム2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウム6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15gおよび純水994.25gからなる。
上記測定装置において、タンク31にはガラス管32が挿入されており、このガラス管32は、その下端が、セル41中の膨潤ゲル44の底部から5cm上の高さに維持できるよう位置決めされている。液33はコック付きL字管34を通じてセル41中に供給される。セル41の下方には、膨潤ゲル44を通過した液を捕集する容器48が上皿天秤49に載せられて配置されている。セル41の内径は6cmであり、底面はNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42からなっている。ピストン46の押圧部には液33が通過するのに十分な大きさの穴47があり、この穴47の下面には吸水性樹脂粉末やその膨潤ゲルが入り込まないよう透過性の良いフィルター45が設けられている。セル41は、台43の上に置かれていて、この台43のセル41に接する面は液の透過を妨げないステンレス製金網となっている。
コック35を開いてから10分間に流れる液量(g)を上皿天秤49で読み取り、加圧下通液量(g)とした。
勿論、加圧下通液量(g)が多い程、かかる吸水性樹脂はオムツ中でも高い通液性を示し、漏れの少ない、高いポリマー濃度のオムツにも適した、優れた吸水性樹脂として働く。
参考例10−
フルフラールを230ppm含有する精製アクリル酸(7)を用いて強アルカリ処理を行った。すなわち、48重量%苛性ソーダ208.33gおよびイオン交換水246.8gからなる水溶液に対して、空気雰囲気下、フルフラールを230ppm含有するアクリル酸(7)180gを冷却下で滴下して液温20〜30℃に保ち、中和率100モル%でアクリル酸のアルカリ処理を行った。こうしてアルカリ処理して得られたアクリル酸ナトリウム水溶液(10)(溶存酸素量6ppm)228.77g、超精製アクリル酸(1)21.62g、イオン交換水51.06gおよび架橋剤ポリエチレングリコールジアクリレート(平均n=8)を0.05モル%溶解させることで、濃度35重量%で中和率75モル%のモノマー水溶液(10)を得た。
以下、モノマー水溶液(10)を実施例3から8と同様に重合を行ったところ、上記開始剤を添加1.5分後に重合が開始(誘導時間0.5分)し、得られた含水ゲル状架橋重合体(10)を実施例3と同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(10)を得た。結果を表3に示す。
参考例11−
参考例10において、アルカリ処理のアクリル酸の使用量を180gから171.36gに変更することで、中和率105モル%でアクリル酸の強アルカリ処理を20〜30℃で行った。こうして得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液に、製造例1の超精製アクリル酸(1)8.64gを添加することで、37重量%で中和率100モル%アクリル酸ナトリウム水溶液(11)を得た。
以下、アクリル酸ナトリウム水溶液(11)を用いて参考例10と同様にモノマー水溶液(11)を得て、さらに、モノマー水溶液(11)を参考例10と同様に重合して得られた含水ゲル状架橋重合体(11)を同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(11)を得た。残存モノマーは960ppmであり、結果を表3に示す。
参考例12−
参考例11において、得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液(溶存酸素量6ppm)をさらに室温で16時間攪拌熟成することで、アルカリ処理を16時間行った。
こうして得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液に、製造例1の超精製アクリル酸(1)8.64gを添加して、中和率100モル%アクリル酸ナトリウム水溶液(12)を得た。以下、参考例11と同様にモノマー水溶液(12)を得て、さらに同様に重合を行い得られた含水ゲル状架橋重合体(12)を同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(12)を得た。結果を表3に示す。
参考例13−
参考例11において、強アルカリ処理の温度を液温20〜30℃から液温40〜50℃に変更した。こうして得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液に、製造例1の超精製アクリル酸(1)8.64gを添加して、中和率100モル%アクリル酸ナトリウム水溶液(13)を得た。以下、参考例11から12と同様にモノマー水溶液(13)を得て、さらに同様に重合を行い得られた含水ゲル状架橋重合体(13)を同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(13)を得た。結果を表3に示す。
参考例14−
参考例13において、強アルカリ処理の温度を液温20〜30℃から液温40〜50℃に変更後、さらに室温で16時間攪拌熟成を行った。こうして得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液に、製造例1の超精製アクリル酸(1)8.64gを添加して、中和率100モル%アクリル酸ナトリウム水溶液(14)を得た。以下、参考例11から13と同様にモノマー水溶液(14)を得て、さらに同様に重合を行い得られた含水ゲル状架橋重合体(14)を同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(14)を得た。残存モノマーは740ppmであり、結果を表3に示す。
参考例15−
参考例12において、室温で16時間攪拌熟成に代えて、50℃で16時間の熟成を行った。50℃で16時間のアルカリ処理で得られた中和率105モル%のアクリル酸ナトリウム水溶液を用いて、製造例1の超精製アクリル酸(1)8.64gを添加して、中和率100モル%アクリル酸ナトリウム水溶液(15)を得た。以下、参考例11から14と同様にモノマー水溶液(15)を得て、さらに同様に重合を行い得られた含水ゲル状架橋重合体(15)を同様に裁断し、乾燥・粉砕・分級を行うことで、吸水性樹脂粉末(15)を得た。残存モノマーは460ppmであり、結果を表3に示す。
−比較例9−
参考例10において、フルフラールを230ppm含有するアクリル酸をアルカリ処理することなく、中和率0モル%で濃度29重量%(参考例10と同じモル濃度)の比較モノマー水溶液(9)で同様に重合を行ったが、重合の開始に5分以上かかり、さらに、重合のピークまでに3時間以上を要した。
−比較例10−
参考例10において、フルフラールを230ppm含有するアクリル酸に対して48重量%苛性ソーダに代えて、炭酸ナトリウムを用いて同様にアルカリ処理を行い、えられた中和率75モル%で濃度35重量%の比較モノマー水溶液(10)で同様に重合を行ったが、重合の開始に5分以上かかり、さらに、重合のピークまでに3時間以上を要した。
参考例16−
参考例14で得られた吸水性樹脂粉末(14)500gに、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1/プロピレングリコール3/水1(重量%/対吸水性樹脂粉末)の混合液を噴霧添加して、オイルバス中で30分加熱攪拌することで、吸水性樹脂粉末(16)を得た。結果を表2に示す。
表3から分かるように、フルフラール230ppmのアクリル酸では、強アルカリ処理を行わない場合、重合の進行が非常に遅く生産に堪えない(比較例9および10)。
それに対して、強アルカリ処理を行った参考例10から15では1分程度で重合が進行(参考例10でピークまで145分)する。さらに、強アルカリ処理の温度や中和率を高めて、時間を延長することで重合時間が飛躍的に短縮(参考例14で37分/参考例15で22分)され、残存モノマーも低減し、参考例15ではほぼアルデヒド分10ppm未満のアクリル酸と同程度の重合性を示す。さらに、アルカリ処理を強めた参考例10から15に従って吸水倍率も向上し且つ得られた吸水性樹脂の着色も改善され、表面架橋後の物性も表2にあるように優れている。
【発明の効果】
本発明にかかる吸水性樹脂の新規な製造方法によれば、得られた吸水性樹脂は、残存モノマーが少なく、水可溶分も少ない。そのため、この吸水性樹脂は優れた吸水性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加圧下通液量の測定装置を示す断面図である。

Claims (12)

  1. アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を重合することにより、中和塩である吸水性樹脂を製造する方法において、
    前記アクリル酸として、プロピレンおよび/またはプロパンの気相接触酸化で得られたアクリル酸であって、プロトアネモニンの含有量が10ppm以下およびフルフラールが10ppm以下のアクリル酸を用い、前記アクリル酸の50モル%以上をアルカリ処理したのちに重合し、かつ、前記吸水性樹脂の中和率が50モル%以上である吸水性樹脂の製造方法。
  2. 前記アルカリ処理が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムからなる群から選択されるアルカリ金属の水酸化物で行われる、請求項1に記載の製造方法
  3. 前記アルカリ処理がアルカリ過剰でなされる、請求項1または2に記載の製造方法
  4. 前記アクリル酸を40℃以上の温度で強アルカリ処理したのちに重合する、請求項1か
    までのいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記アクリル酸を強アルカリ処理したのちに重合するものであり、前記強アルカリ処理
    において、濃度が10〜80重量%の水溶液ないし水分散液となるようにアクリル酸が処
    理される、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記アクリル酸をアルカリ処理したのちに重合するものであり、前記アルカリ処理を、
    0.5〜20ppmの酸素を含有した状態でアクリル酸(塩)水溶液を処理することによ
    り行う、請求項1からまでのいずれかに記載の製造方法。
  7. アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体成分を重合することにより、中和塩である吸水性樹脂を製造する方法において、
    前記アクリル酸として、プロピレンおよび/またはプロパンの気相接触酸化で得られたアクリル酸であって、プロトアネモニンの含有量が5ppm以下およびフルフラールが5ppm以下の未中和ないし中和率が30モル%以下のアクリル酸を用いて重合し、かつ、重合後に後中和して前記吸水性樹脂の中和率50モル%以上とする、吸水性樹脂の製造方法。
  8. 重合が単量体成分を水溶液とすることによる水溶液重合または逆相懸濁重合であり、前記水溶液中の前記単量体成分の濃度が10重量%〜70重量%の範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記吸水性樹脂は、さらに、表面近傍を架橋させてなるものとする、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(約1.96kPa)が25g/g以上である、請求項1〜9までのいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記アクリル酸が蒸留で精製され、かつ、アルデヒド処理剤としてヒドラジン化合物が使用される、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記アクリル酸が蒸留で精製され、無堰多孔板40段以上であり、理論段数に対して6〜20段増加される、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
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