JP3187370B2 - 耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法

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JP3187370B2 JP16722198A JP16722198A JP3187370B2 JP 3187370 B2 JP3187370 B2 JP 3187370B2 JP 16722198 A JP16722198 A JP 16722198A JP 16722198 A JP16722198 A JP 16722198A JP 3187370 B2 JP3187370 B2 JP 3187370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐久性の優れた吸水
性樹脂の製造方法に関するものである。更に詳しくは、
吸水倍率、吸水速度、膨潤時の耐久性に優れ、膨潤ゲル
のベタツキが少なく通液性に優れた吸水性樹脂の製造方
法に関するものである。
【0002】かかる吸水性樹脂は安価に簡便に製造でき
安全性に優れているだけでなく、優れた吸水能を持って
いるため、生理用品、紙オムツなどの衛生材料として、
農園芸、緑化用の保水剤として、更にその広範な吸収性
物品の材料として広く使用できる。
【0003】
【従来の技術】近年、自重の数10倍から数100倍の
水を吸収する吸水性樹脂が開発され、紙おむつ、生理用
ナプキン等の衛材分野をはじめとして農林業分野、土木
分野等に幅広く用いられている。
【0004】このような吸水性樹脂としては、例えばポ
リアクリル酸部分中和物架橋体(特開昭55−8430
4号)、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水
分解物(特公昭49−43395号)、澱粉−アクリル
酸エステル共重合体の中和物(特開昭51−12546
8号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸
化物(特開昭52−14689号)、アクリロニトリル
共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物
(特公昭53−15969号)またはこれらの架橋体な
どが知られている。
【0005】これら吸水性樹脂に望まれる特性として
は、水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸水速
度、水性液体を含んだ基材から液を吸い上げるための優
れた吸引力などが求められる。
【0006】しかしながら、吸水性樹脂の用途によって
は、特に膨潤ゲルの耐久性、経時安定性が上記特性に加
えて必要となってくる。例えば、従来の吸水性樹脂を衛
生材料用として紙オムツなどに用いた場合、尿を吸収し
た吸水性樹脂の膨潤ゲルが経時的に劣化した分解を起こ
したり、また農園芸用などの長時間の使用で劣化し分解
を起こすことがあった。
【0007】これまでに知られている吸水性樹脂の膨潤
ゲルの劣化、分解の防止方法としては吸水性樹脂に含酸
素還元性無機塩やラジカル連鎖禁止剤などを含有させる
方法(特開昭63−118375号、特開昭63−15
2667号)、酸化剤を含有させる方法(特開昭63−
153060号)、硫黄含有還元剤を含有させる方法
(特開昭63−272349号)などがある。しかしな
がら、これらの方法はいずれも吸水性樹脂に劣化防止の
ための添加剤を加える方法であり、他の添加剤を加える
ということは、それら吸水性樹脂が衛生材料などに使用
されることを考えると、安全性の面から必ずしも好まし
いものではなかった。
【0008】そこで架橋材量を多く用いて吸水性樹脂の
架橋密度を高めることで、ゲル強度を高め耐久性を向上
させる方法もあるが、これらの吸水性樹脂は充分な耐久
性を持たせるには高架橋のため吸水倍率が極端に低くな
ってしまうのが実情であった。このように現在、安全性
に優れ、吸水倍率が高く、且つ耐久性に優れた吸水性樹
脂は得られていない。
【0009】また、上記の耐久性に加えて、オムツなど
に組み込んだ際に膨潤ゲルのベトツキや通液性の低下な
どが問題になることがあった。吸水性樹脂には水溶性と
なる部分(以下、これを水可溶分と呼ぶ。)が存在し、
これらの水可溶分のため、吸水後の膨潤ゲルがベトツイ
たり、オムツなどの吸収物品に組み込んだ際にはこのベ
トツキのための通液性が低下し、新たな尿が排出された
際にモレを起こすことがある。水可溶分量は一般に吸水
倍率と正の相関関係にあり、水可溶分低減のためには吸
水性樹脂の架橋密度を上げなければならず、その為に可
溶分の少ない吸水性樹脂は吸水倍率も低下してしまうの
が実情であった。
【0010】しかして、この様な吸水性樹脂において架
橋剤の配合量を増加すればするほど耐久性が向上するこ
とは公知であるが、架橋剤の量が増えればそれだけ吸水
倍率が低下するという問題点があった。また吸水性樹脂
の製造時に連鎖移動剤を使用することにより吸水倍率を
向上させる技術が開示されている(USP469840
4)。しかしこの場合、水や生理食塩水に対する吸水倍
率は確かに向上するが人尿に対しては吸水倍率の増加は
殆ど認められていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたものである。従って本発明の目的は耐久性の
優れた吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、生理食塩水に対して
もまた特に人尿に対しても高い吸水倍率を示し、使い捨
てオムツに使用した際に優れた耐久性を示し、且つ該オ
ムツでの戻り量も少なく、ゲルのベトツキ感が少なく通
液性に優れた吸水性樹脂の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、(1)特定量の架橋剤
(B)と水溶性連鎖移動剤(次亜燐酸化合物を除く)
(C)を含有した水溶性エチレン性不飽和単量体(A)
水溶液を特定の濃度範囲で水溶液重合することにより、
吸水倍率を高く保ちつつ、耐久性が向上し、水可溶分の
分子量の低下に伴いゲルのベトツキ感や通液性も改善さ
れた良好な吸水性樹脂(D)が生産性よく得られるこ
と、(2)さらに上記(1)の製造方法で得られた吸水
性樹脂(D)の表面近傍を親水性架橋剤(E)で架橋さ
せることにより、更に優れた吸水特性の改善効果を示
し、高い吸水倍率を保ちつつ、より耐久性、ゲルのベト
ツキ感や通液性が向上し、吸水特性に優れた吸水性樹脂
(F)が得られることを見い出し本発明を完成するに至
った。
【0014】即ち本発明は、水溶性エチレン性不飽和単
量体(A)および該単量体(A)に対して、架橋剤
(B)0.005〜5モル%、水溶性連鎖移動剤(次亜
燐酸化合物を除く)(C)0.001〜1モル%を含有
する30重量%〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を、
水溶液重合させることを特徴する耐久性の優れた吸水性
樹脂(D)の製造方法に関するものである。本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いる水溶性エチレン性
不飽和単量体(A)(以下、単量体(A)としては、官
能基を有するものであり、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン
酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)
アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロ
イルプロパンスルホン酸、及びそれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メト
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、 N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリ
アミド、及びこれらの四級塩等を挙げることができ、こ
れらの群から選ばれる少なくとも1種のものが使用でき
る。
【0016】中でも、上記単量体(A)の内、得られる
吸水性樹脂の性能やコストの点からアクリル酸を主成分
として用いることが好ましく、その際はアクリル酸およ
びそのアルカリ金属塩及び/またはアンモニウム塩の含
有率は、単量体(A)の内で50重量%以上とすること
が好ましく、更に好ましくは75重量%以上とすること
である。
【0017】また、本発明において耐久性の優れた吸水
性樹脂を得るには、分子内に2個以上の重合性不飽和基
や反応性官能基を有する架橋剤(B)を特定量用いるこ
とが必須である。これらの架橋剤(B)として例えば、
分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物とし
て、例えばN,N’−ジメチレンビスアクリルアミド、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリルアミ
ド、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリ
ンアクリレートメタクリレート、(メタ)アクリル酸多
価金属塩、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアネート、トリアリルホスフェート等
を挙げることができる。また、反応性官能基を有するも
のとしては、例えば、単量体(A)がカルボキシル基を
有する場合には、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチエングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価
アルコール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテルなど
の多価グリシジル化合物;エチレンジアミン、ポリエチ
レンイミンなどの多価アミン;その他、多価オキサゾリ
ン化合物、ハロエポキシ化合物、多価イソシアネート、
多価金属塩等があり、また分子内に重合性不飽和基と反
応性官能基を合わせ持つものとしては、グリシジル(メ
タ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド等を例示することができる。これらの架橋剤(B)
の中では、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する
化合物を用いることが得られる吸水性樹脂の耐久性や吸
水特性の点から特に好ましい。
【0018】これら架橋剤(B)の本発明における使用
量は、目的とする吸水倍率の吸水性を得る為に水溶性連
鎖移動剤(C)を用いない他は同一条件で行う場合の架
橋剤の使用量に比べて、2〜100倍モル、更にこのま
しは4〜10倍モルである。具体的には、架橋剤(B)
の使用量は、単量体(A)に対して0.005〜5モル
%である。これら架橋剤(B)の使用量が0.005モ
ル%未満では、得られた吸水性樹脂の吸水性倍率は高い
ものが得られるが、耐久性に劣り且つ水可溶分が多く、
その分子量も高いためゲルのベトツキ感や通液性に劣っ
たものとなる。また、5モル%を越えて多く使用すると
吸水倍率が非常に低いものとなってしまう。また架橋剤
の使用量は後述する水溶性連鎖移動剤(C)の使用量に
もよるが、好ましくは0.02〜1モル%であり、更に
好ましくは0.04〜0.4モル%であり、更により好
ましくは0.08〜0.2モル%である。
【0019】また、上記架橋剤(B)の他に、グラフト
重合によって架橋を形成させる方法を併用してもよい。
この様な方法として、セルロース、澱粉、ポリビニルア
ルコール等の親水性高分子の存在下に単量体(A)水溶
液を重合させ、重合時にグラフト重合に起因する架橋を
形成させる方法が挙げられ、これらの水溶性高分子は単
量体(A)に対して1〜50重量%の範囲で用いるのが
望ましい。
【0020】本発明は特定量の水溶性連鎖移動(C)を
用いることが必須である。
【0021】本発明の方法によると、特定量の水溶性連
鎖移動剤(C)を選び、且つ通常の製造方法に比べて2
〜100倍モルと多量の架橋剤を使用し高架橋として重
合を行うことで初めて、耐久性が非常に優れ、生理食塩
水のみならず人尿に対しても高い吸水倍率を示し、また
水可溶分の分子量が低いため、ゲルのベトツキ感や通液
性の低下などの悪影響が少ない等という、優れた吸水性
樹脂が得られる。
【0022】本発明に使用する水溶性連鎖移動剤(C)
としては、次亜燐酸化合物を除いて、水または水溶性エ
チレン性不飽和単量体に溶解するものであれば特に制限
されず、チオール類、チオール酸類、2級アルコール
類、アミン類類などが挙げることができ、具体的にはメ
ルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、ドデシ
ルメルカプタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、3
−メルカプトプロピオン酸、イソプロパノール、蟻酸、
およびそれらの塩類が使用され、これら群から選ばれる
1種または2種以上が用いられるが、その効果から、チ
オグリコール酸、チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピ
オン酸等のチオール類が好ましく、特にはチオリンゴ酸
が好ましい。
【0023】水溶性連鎖移動剤(C)の使用量は水溶性
連鎖移動剤の種類や使用量、単量体(A)水溶液の濃度
にもよるが、単量体(A)に対して0.001〜1モル
%であり、好ましくは0.005〜0.3モル%であ
る。この使用量が0.001モル%未満では、本発明に
用いる架橋剤(B)の使用量では架橋密度が高く吸水倍
率が低くなりすぎて好ましくない。また1モル%を越え
て多く使用すると水可溶分が増加し、耐久性がかえって
低下するので好ましくない。
【0024】本発明に用いられる単量体(A)水溶液の
濃度としては30重量%〜飽和濃度、より好ましくは3
5重量%〜飽和濃度の範囲である。30重量%未満の濃
度では単位反応容積当りの生産性が下がり、また乾燥工
程にも時間を要し、生産性が低下して工業的観点から好
ましくない。従来の重合方法では生産性向上のため飽和
濃度付近で重合を行うと自己架橋などの不要な反応が起
こり吸水倍率が低下するため、重合時に使用できる架橋
剤(B)の量が限られ、そのため耐久性に乏しい吸水性
樹脂しか得られなかった。しかし本発明の方法によれ
ば、水溶性連鎖移動剤(C)の使用量を選ぶことによっ
て自己架橋反応が抑制され、架橋剤(B)の使用量が増
やせるので耐久性に優れた高吸水倍率の吸水性樹脂を高
濃度で生産性よく製造することができる。
【0025】また必要に応じて単量体(A)水溶液に増
粘剤を使用してもよい。この様な増粘剤としては、例え
ばポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げるこ
とができる。
【0026】本発明において単量体(A)水溶液を重合
させ吸水性樹脂を得る重合方法としては、公知の重合技
術、例えば水溶液重合、逆相懸濁重合、沈殿重合、塊状
重合、紫外線や電子線などの活性エネルギーによる重合
などの中で、性能面や生産性やコスト面で優れた吸水性
樹脂を得る方法として水溶性重合が採用される。水溶液
重合を行う方法としては、例えば型枠の中で行う注型重
合(特公昭48−42466)、ベルトコンベアー上で
重合する方法(特開昭58−49714)、含水ゲル状
重合体を細分化できるような撹拌羽根を有するニーダー
などの中で重合する方法(特開昭57−34101)な
どが例示できる。
【0027】この様な水溶液重合が行われる場合、水溶
性連鎖移動剤(C)による均一な連鎖移動反応や架橋剤
(B)による均一な架橋反応を進行させ、より性能の優
れた吸水性樹脂を得るためには、重合熱が均一に除去さ
れることが好ましい。そのためには重合ゲルが一体とな
る重合法ではなく、重合の開始から終了までの全時間あ
るいは一部で、好ましくは全時間で反応系の重合ゲルが
撹拌され重合熱の均一な除去がなされることが好まし
く、よって重合反応は回転撹拌翼を有する反応容器内で
行われることが好ましい。回転撹拌翼を有する反応容器
としては、特に制限はないが、重合ゲルに対する撹拌力
が大きいものが好ましく、重合の進行に伴い生成する重
合ゲルを回転撹拌翼によって剪断力を与える反応機など
も例示でき、また撹拌力を大きくするためには回転撹拌
翼は複数であることがより好ましい。反応機としては例
えば一軸の混練機、一軸の押出機、双腕型ニーダーおよ
び三軸ニーダーなどが挙げられる。また双腕型ニーダー
を用いると、重合ゲルを細かく細分化し重合の全時間に
わたり均一に撹拌ができ重合熱の均一な除去を行えるの
で、より性能の優れた吸水性樹脂が得られるので好まし
い。
【0028】本発明に於いて、水溶液重合に使用される
ラジカル重合開始剤としては水溶性であれば特に制限さ
れず、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム等の過硫酸塩:過酸化水素:t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド等のハイドロパーオキサイド:2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ化合物:
その他、第二セリウム塩、過マンガン酸塩等が挙げられ
る。中でも得られた吸水性樹脂の性能面や分解生成物の
安全性等の点から、過硫酸塩、過酸化水素、アゾ化合物
よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好まし
い。
【0029】またラジカル重合開始剤が酸化性ラジカル
重合開始剤の場合、還元剤を併用してレドックス系開始
剤として用いても良い。用いられる還元剤としては、例
えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫
酸(水素)塩:チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩:亜
二チオン酸塩:硫酸第一銅、硫酸第一鉄等の金属塩:l
−アスコルビン酸等の有機還元剤:アニリン、モノエタ
ノールアミン等のアミン類が挙げられる。
【0030】ラジカル重合開始剤の使用量は広い範囲と
することができるが、通常、単量体(A)に対して0.
001〜2モル%の範囲とするのが好ましく、更に好ま
しくは0.01〜0.5モル%の範囲である。この使用
量が0.001モル%未満では重合時間や誘導時間が長
くなり、また残存モノマーも多くなり易く好ましくな
い。また従来の重合方法では、残存モノマー低減や誘導
時間、重合時間の短縮のため、重合開始剤量を増加させ
ると自己架橋などの不要な反応が起こり吸水倍率が低下
するため、使用できる開始剤量も限られてきていたが、
本発明の方法によれば、かかる欠点は改善され開始剤量
は増加させても高性能の吸水性樹脂が得られる。しかし
2モル%より多く使用しても、添加量に見合った効果が
少ないばかりか、重合反応の制御が困難となってしまう
ので好ましくない。
【0031】本発明で得られる吸水性樹脂は高濃度で重
合させその重合熱により乾燥と重合を同時に行っても良
いし、重合後の含水率によっては得られた含水ゲルを更
に乾燥することによって吸水性樹脂として使用してもよ
い。乾燥方法としては公知の乾燥方法を用いることがで
き、例えば有機溶剤中での共沸脱水による方法、強制通
風炉、減圧乾燥器、マイクロ波乾燥器、赤外線乾燥器、
所低温度に加熱されたベルトまたはドラムドライヤー等
を用いる乾燥方法が挙げられる。これらの乾燥方法を用
い、重合後の含水ゲルを80℃以上で、より好ましくは
80〜230℃で乾燥することが好ましい。80℃未満
では乾燥に時間がかかり生産性の点から好ましくない。
また230℃を超えると、吸水性樹脂の劣化が起こる場
合があるので注意を要する。
【0032】また以上の様に重合、乾燥して得られた吸
水性樹脂は、必要により粉砕およびまた分級して使用さ
れる。
【0033】さらに前記製造方法によって得られる吸水
性樹脂(D)の表面近傍を特定の親水性架橋剤(E)で
架橋させた吸水性樹脂(F)を製造することができる。
本発明の前記製造方法によって得られた吸水性樹脂
(D)は、従来の吸水性樹脂に比べて著しい吸水特性の
改善効果を示し、表面近傍を架橋した吸水性樹脂(F)
は表面近傍を架橋する前の吸水性樹脂(D)に比べ、さ
らに耐久性に優れ吸水特性に優れたものになる。
【0034】本発明に於て使用される親水性架橋剤
(E)としてはカルボキシル基と反応しうる官能基を1
分子中に2個以上有する化合物(E−1)及び/または
多価金属塩(E−2)である。例えば吸水性樹脂(D)
がカルボキシル基を有する場合には、化合物(E−1)
としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリビニル
アルコール等の多価アルコール化合物:エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
クリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエー
テル、ジグセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリ
セロールポリグリシジエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル等の多価グリシジルエーテル化合物:
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合
物:1,2−エチレンビスオキサゾリン、ポリイソプロ
ペニルオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物:エピ
クロロヒドリンなどのハロエポキシ化合物:その他の多
価アジリジン化合物、多価イソシアネート化合物などが
挙げられ、多価金属塩(E−2)としては亜鉛、カルシ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジコニウム等
の水酸化物及び塩化物などが挙げられる。これらの群よ
り1種または2種以上を用いることが好ましく、中でも
化合物(E−1)を必須に用いることが好ましく、特に
多価アルコール類、多価グリシジル化合物類、多価アミ
ン類を親水性架橋剤(E)として用いることが表面架橋
効果の点から好ましい。また親水性架橋剤(E)とし
て、化合物(E−1)と多価金属塩(E−2)を併用し
て用いて混合性を向上させても構わない。
【0035】親水性架橋剤(E)の量は上記、製造方法
によって得られた吸水性樹脂(D)100重量部に対し
て、0.005〜5重量部、好ましくは0.001〜1
重量部の範囲の割合であり、この範囲内の量であれば諸
特性に優れた表面架橋された吸水性樹脂(F)が得られ
る。親水性架橋剤(E)の量が5重量部を越える場合、
不経済となるばかりか、未反応の親水性架橋剤(E)が
得られた吸水性樹脂(F)に残存する可能性がある上
に、適正な架橋効果を達成する上で過剰量となり得られ
る吸水性樹脂(F)の吸水倍率は小さくなり好ましくな
い。また0.005重量部未満の少ない量では本発明の
効果が得られにくい。
【0036】吸水性樹脂(D)と親水性架橋剤(E)と
を混合する際、水及び/または親水性有機溶剤(G)を
用いてもよい。
【0037】水の使用量は吸水性樹脂(D)100重量
部当り0〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部
の範囲の割合である。
【0038】また親水性有機溶剤(G)として例えば、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−
プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、
t−ブタノール等の低級アルコール類:アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類:ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類:N,N
−ジメチルホルムアミド等のアミド類:ジメチルスルホ
キシド等のスルホキシド類を挙げることができ、その使
用量は吸水性樹脂(D)100重量部に対して0〜20
重量部、好ましくは0〜8重量部の範囲の割合である。
【0039】吸水性樹脂(D)を親水性架橋剤(E)と
混合し、吸水性樹脂の表面近傍を架橋する方法として
は、以下のような方法が例示される。
【0040】(I)吸水性樹脂(D)に親水性架橋剤
(E)および必要により、水(水蒸気)及び/または親
水性有機溶剤(G)の混合液を噴霧、あるいは滴下混合
する方法がある。
【0041】または、(II)吸水性樹脂(D)を重合
不活性な疎水性有機溶剤中に分散、懸濁させ、親水性架
橋剤(E)および必要により、水及び/または親水性有
機溶剤(G)を撹拌下に添加する方法がある。この場
合、親水性架橋剤(E)を特定の界面活性剤を用いて予
め疎水性有機溶剤に乳化、懸濁させその乳化液を吸水性
樹脂(D)の分散懸濁液中に添加する方法が好ましい。
【0042】または、(III)吸水性樹脂(D)を水
と親水性有機溶剤(G)の混合液剤中に分散させ、親水
性架橋剤(E)を添加する方法などが挙げられる。
【0043】以上の様にして、本発明の方法によって得
られる吸水性樹脂(D)と親水性架橋剤(E)および必
要により、水及び/または親水性有機溶剤(G)を混合
して得られた混合物を加熱処理するには、通常の加熱器
や加熱炉を用いることができる。例えば溝型撹拌乾燥
器、回転乾燥器、円盤乾燥器、ねつ和乾燥器、流動層乾
燥器、気流乾燥器、赤外線乾燥器、誘電加熱乾燥器など
である。又(II)の方法で吸水性樹脂(D)に有機溶
剤中で親水性架橋剤(E)を添加した後、有機溶剤中で
そのまま加熱し反応させてもよい。
【0044】加熱処理温度は用いられる親水性架橋剤
(E)種類などにもよるが、40〜250℃が好まし
く、より好ましくは90〜220℃の範囲である。40
℃未満では反応に時間がかかり生産性の低下を起こすの
みならず、親水性架橋剤(E)の一部が未反応となり得
られた吸水性樹脂(F)に残存する恐れがあり好ましく
ない。250℃を越える高温では、吸水性樹脂(D)の
種類によっては熱劣化が起こる場合があるので注意が必
要である。
【0045】なお、表面架橋した吸水性樹脂(F)や、
表面架橋していない吸水性樹脂(D)を必要により破砕
造粒してもよい。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の範囲はこれらの実施例にのみ限定されるものでは
ない。尚、実施例に記載の吸水性樹脂の諸物性は下記の
試験方法によって測定した値を示す。また、部は重量部
を示す。
【0047】(1)生理食塩水の吸水倍率 吸水性樹脂1.0gを150mlの0.9重量%塩化ナ
トリウム水溶液中の入ったビーカーに浸漬し、ゆっくり
マグネッチックスターラーで撹拌した。6時間後に膨潤
ゲルを金網で濾過し、十分に水切りした後の膨潤ゲルの
重さを測定し、以下の式で吸水倍率を算出した。
【0048】
【数1】
【0049】(2)人尿の吸水倍率 (1)の生理食塩水に代えて、成人男子10人からサン
プリングした人尿を用いる以外は同様に行い、人尿での
吸水倍率を測定した。
【0050】(3)水可溶分 吸水性樹脂0.5gを1000mlの脱イオン水中に分
散し、12時間後、濾紙で濾過し、濾液中の固形分を測
定して次式に従って水可溶分を求めた。
【0051】
【数2】
【0052】(4)水可溶分の分子量 分子量が既知の種々のポリアクリル酸ナトリウムを標準
にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
って、(3)の方法でサンプリングした水可溶分の分子
量を求めた。
【0053】(5)膨潤ゲルの耐久性 不織布、線状パルプ、吸水紙および防水フィルムからな
る市販の子供用オムツ(重量72g)を半分に切り、ポリ
マー2.5gを線状パルプと吸水紙の間に均一に散布
し、成人の人尿120mlを加えて37℃に放置し、6
時間、12時間、18時間後にオムツを開いて中の膨潤
ゲルの様子を観察した。劣化状態の判定は、○〜△〜×
の3段階評価とした。
【0054】○:膨潤ゲルの形状が保持されている。
【0055】△:一部、膨潤ゲルの形状が崩れている。
【0056】×:膨潤ゲルの形状が崩れ、ドロドロの流
動状となっている。
【0057】(6)もどり量 上記膨潤ゲルの耐久性試験に用いた18時間後の子供用
オムツの不織布の上にに2つ折りした23cm×23c
mのペーパータオルを10枚かぶせ、40g/cm
圧力を1分間かけてペーパータオルに戻ってきた尿の量
を測定した。
【0058】(7)膨潤ゲルのベトツキ (1)で吸水倍率を測定した後の膨潤ゲルのベトツキ
(ドライ感)を手触りにて測定した。ドライ感の判定は、
○〜△〜×の3段階評価した。
【0059】○:膨潤ゲルはかなりサラサラしてドライ
感がある。
【0060】△:一部、膨潤ゲルがベトツク。
【0061】×:膨潤ゲルがベトツキ、手がヌベヌベし
ている。
【0062】(8)膨潤ゲルの通液性 第1図に示すように内径53mmのシャーレ1に吸水性
樹脂1.0gを入れ、人尿10mlを注ぎ膨潤ゲル2を
得る。膨潤ゲル2の上に直径53mmのペーパータオル
3を置き、更に第1図に示すように、中央に突出した筒
状部を有する円板状のアクリル樹脂製試験器4を置く。
1時間室温に放置した後、人尿6mlを注入口5より注
ぎ、人尿がすべてポリマー中に吸収されるまでの時間を
測定し、それをもって、膨潤ゲルの通液性とする。
【0063】(参考例1)アクリル酸414g及びアクリ
ル酸ナトリウムの37重量%水溶液4380g、および
架橋剤(B)としてトリメチロールプロパントリアクリレ
ート6.815g(対単量体(A)0.1モル%)、水溶
性連鎖移動剤(C)として次亜燐酸ナトリウム1水和物
0.195g(対単量体(A)0.008モル%)、イオン
交換水670gを用いて濃度37%、中和率75%の単
量体水溶液を得た後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を
追い出した。
【0064】内容積10リットルのシグマ型羽根を2本
有するジャケット付きステンレス製双腕型ねっか機(ニ
ーダー)に蓋をつけ、この反応器に上記の単量体(A)水
溶液を送入し、窒素ガスを吹き込んで反応系内を窒素置
換した。ついで2本のシグマ型羽根を回転させると共
に、ジャケットに35℃の温水を通じて加熱しながら重
合開始剤として過硫酸アンモニウム2.62gと亜硫酸
水素ナトリウム0.12gを添加することにより重合を
開始させた。重合ピーク時に含水ゲル重合体は約5mm
の径に細分化されており、更に撹拌を続け重合を開始し
て60分後に蓋をはずし、ゲルを取り出した。得られた
含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシュの金網上に
広げ、170℃の温度で50分間熱風乾燥した。この乾
燥物をハンマー型粉砕機で粉砕し、20メッシュ金網で
ふるい分けして20メッシュ通過物の参考吸水性樹脂を
得た。この参考吸水性樹脂の諸物性を評価し、結果を第
1表に示す。
【0065】(実施例1)参考例1に於て、用いられる架
橋剤(B)をN,N’−メチレンビスアクリルアミド2.
152g(対単量体(A)0.06モル%)とし、かつ水溶
性連鎖移動剤(C)をチオリンゴ酸3.45g(対単量体
(A)0.1モル%)とする以外は同様に行い、吸水性樹
脂(1)を得た。この吸水性樹脂(1)を同様に評価し、結
果を第1表に示す。
【0066】(実施例2)参考例1に於て、用いられるイ
オン交換水の量を50gに変更し、単量体(A)水溶液の
濃度を42%とし、用いられる架橋剤(B)をポリエチレ
ングリコールジアクリレート(n=14)17.07g
(対単量体(A)0.1モル%)とし、かつ水溶性連鎖
移動剤(C)チオリンゴ酸の使用量を0.69g(対単
量体(A)0.02モル%)とする以外、同様に行い、
吸水性樹脂(2)を得た。
【0067】この吸水性樹脂(2)を同様に評価し、結
果を第1表に示す。
【0068】(実施例3)40gのトウモロコシ澱粉及
び600gのイオン交換水を撹拌棒と窒素ガス吹き込み
管と温度計を備えた反応器内に仕込み、55℃で1時間
撹拌後、30℃に冷却した。この澱粉水溶液にアクリル
酸300g、架橋剤(B)としてN,N’−メチレンビス
アクリルアミド1.92g(対単量体(A)0.3モル
%)、水溶性連鎖移動剤(C)としてチオリンゴ酸0.9
4g(対単量体(A)0.15モル%)を溶解させ、濃度3
3%、中和率0%の単量体水溶液を得た。
【0069】この単量体水溶液を35℃として、重合開
始剤として過硫酸ナトリウム0.20g、l−アスコル
ビン酸0.04gを加えて3時間、撹拌しながら重合せ
しめた。得られた含水ゲル状重合物に、30重量%の苛
性ソーダ水溶液を389g加え、中和率70%とし、更
に参考例1と同様に乾燥粉砕し吸水性樹脂(3)を得た。
【0070】この吸水性樹脂(3)を同様に評価し、結果
を第1表に示す。
【0071】(実施例4)アクリル酸72gに脱イオン水
22.2gを加え、更にこれを中和剤として純度85%
の水酸化カリウム49.5gおよび架橋剤(B)として
N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.1g(対単
量体(A)0.065モル%)、水溶性連鎖移動剤(C)と
してチオリンゴ酸0.225g(対単量体(A)0.15
モル%)を順次添加し、濃度70%、中和率75%の単
量体水溶液を調製した。
【0072】この単量体水溶液を70℃に保温し、約5
mmの厚みに窒素気流下に保った後、更に過硫酸アンモ
ニウム0.1gおよび亜硫酸水素ナトリウム0.2gを
添加し重合を行った。重合は即座に開始し、10分後に
殆ど乾燥した重合ゲルを取り出し、更に参考例と同様に
乾燥粉砕し吸水性樹脂(4)を得た。この吸水性樹脂(4)
を同様に評価し、結果を第1表に示す。
【0073】(比較例1)参考例1において、水溶性連鎖
移動剤(C)次亜燐酸ナトリウム1水和物を添加しない
以外は同様に行い、比較吸水性樹脂(1)を得た。この
様にして得られた比較吸水性樹脂(1)の分析結果を第
1表に示す。
【0074】(比較例2)参考例1において、水溶性連
鎖移動剤(C)次亜燐酸ナトリウム1水和物を添加せ
ず、架橋剤(B)の使用量を3.41g(対単量体
(A)0.05モル%)とする以外は同様に行い、比較
吸水性樹脂(2)を得た。このようにして得られた比較
吸水性樹脂(2)の分析結果を第1表に示す。
【0075】(比較例3)参考例1において、水溶性連
鎖移動剤(C)次亜燐酸ナトリウム1水和物を添加せ
ず、架橋剤(B)をN,N’−メチレンビスアクリルア
ミド17.73g(対単量体(A)0.5モル%)とす
る以外は同様に行い、比較吸水性樹脂(3)の分析結果
を第1表に示す。この様にして得られた比較吸水性樹脂
(3)の分析結果を第1表に示す。
【0076】(比較例4)実施例3において、架橋剤
(B)を添加しない以外は同様に行い、比較吸水性樹脂
(4)を得た。この様にして得られた比較吸水性樹脂
(4)の分析結果を第1表に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明により得られる吸水性樹脂は従来
の方法では得られなかった膨潤ゲルの耐久性に優れ、生
理食塩水や特に人尿に対しても高吸水倍率で、しかも水
可溶分の分子量が低く、膨潤ゲルのベトツキや通液性が
大幅に改善された、安全な吸水性樹脂である。本発明の
方法によれば、この様な優れた吸水性樹脂は、水溶性エ
チレン性不飽和単量体(A)を特定量の架橋剤(B)及び特
定量の水溶性連鎖移動剤(C)の存在下で水溶液重合を行
うだけで簡便に製造でき、更に得られた吸水性樹脂(D)
の表面近傍を特定の親水性架橋剤(E)で架橋させ、吸水
速度や耐久性の格段に向上された吸水性樹脂(F)が得ら
れる。かかる吸水性樹脂(D)および(F)は、安価に製
造でき従来にない優れた吸水性を有しているため、衛生
材料、食品用、土木、農業などの分野に幅広く利用でき
る。
【0079】この様に本発明の製造方法により得られた
吸水性樹脂は、以下の優れた効果を有する。
【0080】(1) 従来、高吸水倍率の吸水性樹脂を
得るために架橋剤量を減らして重合を行っていたため、
膨潤ゲルの耐久性が乏しかったが、本発明の方法では多
くの架橋剤を用いても、高吸水倍率なため膨潤ゲルが優
れた耐久性を示す。
【0081】(2) 従来の吸水性樹脂では得られなか
った、人尿に対する高い吸水倍率を示す。
【0082】(3) 用いる単量体を飽和濃度近くの高
い温度で重合させても、自己架橋など不要な反応が抑え
られた高性能吸水性樹脂が得られる為、高濃度で重合が
可能で高い生産性で製造ができる。
【0083】(4) 本発明の吸水性樹脂は高い吸水倍
率は示すが、付随する水可溶分はその分子量が低いた
め、水可溶分による膨潤ゲルのベトツキや通液性の低下
などの悪影響を及ぼさない。
【0084】(5) 表面近傍を架橋することで、従来
の吸水性樹脂の表面架橋で得られなかった吸水特性の改
善効果を示し、更に優れた耐久性や吸水速度を示す。
【0085】(6) 従来、残存モノマー低減や誘導期
間、重合時間の短縮のため重合開始剤量を増加させる
と、自己架橋などの不要な反応が起こり高吸水倍率のも
のが得られなかったが、重合開始剤量を増やしても高吸
水率のものが得られ低い残存モノマー量となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、膨潤ゲルの通液性試験器具を示したもので
ある。
【符号の説明】
1 シャーレ 2 膨潤ゲル 3 ペーパータオル 4 アクリル樹脂製試験器 5 注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−141901(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性エチレン性不飽和単量体(A)お
    よび該単量体(A)に対し、架橋剤(B)0.005〜
    5モル%および水溶性連鎖移動剤(次亜燐酸化合物を除
    く)(C)0.001〜1モル%を含有する30重量%
    〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を、水溶液重合させ
    ることを特徴とする耐久性の優れた吸水性樹脂(D)の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性連鎖移動剤(C)がチオール類で
    ある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性連鎖移動剤(C)がチオリンゴ酸
    である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 架橋剤(B)の使用量が水溶性エチレン
    性不飽和単量体(A)に対して0.02〜1モル%であ
    る請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性エチレン性不飽和単量体(A)水
    溶液を回転撹拌軸を有する反応器内で水溶液重合させる
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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