JPH0826085B2 - 耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法

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JPH0826085B2
JPH0826085B2 JP31767389A JP31767389A JPH0826085B2 JP H0826085 B2 JPH0826085 B2 JP H0826085B2 JP 31767389 A JP31767389 A JP 31767389A JP 31767389 A JP31767389 A JP 31767389A JP H0826085 B2 JPH0826085 B2 JP H0826085B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法に関す
るものである。更に詳しくは、吸水倍率、吸水速度、膨
潤時の耐久性に優れ、膨潤ゲルのベトツキが少なく通液
性に優れた吸水性樹脂の製造方法に関するものである。
かかる吸水性樹脂は安価に簡便に製造でき安全性に優
れているだけでなく、優れた吸水能を持っているため、
生理用品、紙オムツなどの衛生材料として、農園芸、緑
化用の保水剤として、更にその広範な吸収性物品の材料
として広く使用できる。
〔従来の技術〕
近年、自重の数10倍から数100倍の水を吸収する吸水
性樹脂が開発され、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛材
分野をはじめとして農林業分野、土木分野等に幅広く用
いられている。
この様な吸水性樹脂としては、例えばポリアクリル酸
部分中和物架橋体(特開昭55−84304号)、澱粉−アク
リロニトリルグラフト重合体の加水分解物(特公昭49−
43395号)、澱粉−アクリル酸エステル共重合体の中和
物(特開昭51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体の鹸化物(特開昭52−14689号)、アク
リロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体
の加水分解物(特公昭53−15959号)またはこれらの架
橋体などが知られている。
これら吸水性樹脂に望まれる特性としては、水性液体
に接した際の高い吸収倍率や優れた吸水速度、水性液体
を含んだ基材から液を吸い上げるための優れた吸引力な
どが求められる。
しかしながら、吸水性樹脂の用途によっては、特に膨
潤ゲルの耐久性、経時安定性が上記特性に加えて必要と
なってくる。例えば、従来の吸水性樹脂を衛生材料用と
して紙オムツなどに用いた場合、尿を吸収した吸水性樹
脂の膨潤ゲルが経時的に劣化した分解を起こしたり、ま
た農園芸用などの長期間の使用で劣化し分解を起こすこ
とがあった。
これまでに知られている吸水性樹脂の膨潤ゲルの劣
化、分解の防止方法としては吸水性樹脂に含酸素還元性
無機塩やラジカル連鎖禁止剤などを含有させる方法(特
開昭63−118375号、特開昭63−152667号)、酸化剤を含
有させる方法(特開昭63−153060号)、硫黄含有還元剤
を含有させる方法(特開昭63−272349号)などがある。
しかしながら、これらの方法はいずれも吸水性樹脂に劣
化防止のための添加剤を加える方法であり、他の添加剤
を加えるということは、それら吸水性樹脂が衛生材料な
どに使用されることを考えると、安全性の面から必ずし
も好ましいものではなかった。
そこで架橋剤量を多く用いて吸水性樹脂の架橋密度を
高めることで、ゲル強度を高め耐久性を向上させる方法
もあるが、これらの吸水性樹脂は充分な耐久性を持たせ
るには、高架橋のため吸水倍率が極端に低くなってしま
うのが実情であった。この様に現在、安全性に優れ、吸
水倍率が高く、且つ耐久性に優れた吸水性樹脂は得られ
ていない。
また、上記の耐久性に加えて、オムツなどに組み込ん
だ際に膨潤ゲルのベトツキや通液性の低下などが問題に
なることがあった。吸水性樹脂には水溶性となる部分
(以下、これを水可溶分と呼ぶ。)が存在し、これら水
可溶分のため、吸水後の膨潤ゲルがベトツイたり、オム
ツなどの吸収物品に組み込んだ際にはこのベトツキのた
め通液性が低下し、新たな尿が排出された際にモレを起
こすことがある。水可溶分量は一般に吸水倍率と正の相
関関係にあり、水可溶分低減のためには吸水性樹脂の架
橋密度を上げなければならず、その為に可溶分の少ない
吸水性樹脂は吸水倍率も低下してしまうのが実情であっ
た。
しかして、この様な吸水性樹脂において架橋剤の配合
量を増加すればするほど耐久性が向上することは公知で
あるが、架橋剤の量が増えればそれだけ吸水倍率が低下
するという問題があった。また吸水性樹脂の製造時に連
鎖移動剤を使用することにより吸水倍率を向上させる技
術が開示されている。(USP4698404)。しかしこの場
合、水や生理食塩水に対する吸水倍率は確かに向上する
が人尿に対しては吸水倍率の増加は殆ど認められていな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記現状に鑑みなされたものである。従って
本発明の目的は耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法を
提供することにある。
本発明の他の目的は、生理食塩水に対しても、また特
に人尿に対しても高い吸水倍率を示し、使い捨てオムツ
に使用した際に優れた耐久性を示し、且つ該オムツでの
戻り量も少なく、ゲルのベトツキ感が少なく通液性に優
れた吸水性樹脂の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、 (1)特定量の架橋剤(B)と水溶性連鎖移動剤(C)
を含有した水溶性エチレン性不飽和単量体(A)水溶液
を特定の濃度範囲で逆相懸濁重合することにより、吸水
倍率を高く保ちつつ、耐久性が向上し、水可溶分の分子
量の低下に伴いゲルのベトツキ感や通液性も改善された
良好な吸水性樹脂(D)が生産性よく得られること、 (2)さらに上記(1)の製造方法で得られた吸水性樹
脂(D)の表面近傍を親水性架橋剤(E)で架橋させる
ことにより、更に優れた吸水特性の改善効果を示し、高
い吸水倍率を保ちつつ、より耐久性、ゲルのベトツキ感
や通液性が向上し、吸水特性に優れた吸水性樹脂(F)
が得られること、 を見い出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、 水溶性エチレン性不飽和単量体(A)および該単量体
(A)に対し、架橋剤(B)0.005〜5モル%、水溶性
連鎖移動剤(C)0.001〜1モル%を含有する30重量%
〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を分散剤の存在下、
逆相懸濁重合させることを特徴とする耐久性の優れた吸
水性樹脂(D)の製造方法。
並びに、 水溶性エチレン性不飽和単量体(A)および該単量体
(A)に対し、架橋剤(B)0.005〜5モル%、水溶性
連鎖移動剤(C)0.001〜1モル%を含有する30重量%
〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を分散剤の存在下、
逆相懸濁重合させて得た吸水性樹脂(D)の表面近傍を
吸水性樹脂(D)中の官能基と反応しうる親水性架橋剤
(E)で架橋させることを特徴とする耐久性の優れた吸
水性樹脂(F)の製造方法。
に関すものである。
本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に用いる水溶性エチレン性不飽和単量体(A)
(以下、単量体(A))としては官能基を有するもので
あり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルベンゼン
スルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタン
スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホ
ン酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、及びそれらの四級塩など
を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくと
も1種のものが使用できる。
なかでも上記の単量体(A)の内、得られる吸水性樹
脂の性能やコストの点からアクリル酸を主成分として用
いることが好ましく、その際はアクリル酸及びそのアル
カリ金属塩および/またはアンモニウム塩の含有率は単
量体(A)の内で50重量%以上とすることが好ましく、
更に好ましくは75重量%以上とすることである。
また本発明において耐久性の優れた吸水性樹脂を得る
には分子内に2個以上の重合性不飽和基や反応性官能基
を有する架橋剤(B)を特定量用いることが必須であ
る。これら架橋剤(B)として例えば、分子内に2個以
上の重合性不飽和基を有する化合物として、例えばN,
N′−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタク
リレート、(メタ)アクリル酸多価金属塩、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルア
ミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルホスフェート等を挙げることができ
る。また反応性官能基を有するものとしては、例えば、
単量体(A)がカルボキシル基を有する場合には、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類;(ポリ)エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロール
ポリグリシジルエーテル等の多価グリシジル化合物;エ
チレンジアミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン;
その他、多価オキサゾリン化合物、ハロエポキシ化合
物、多価イソシアネート、多価金属塩等があり、また分
子内に重合性不飽和基と反応性官能基を合わせ持つもの
としてはグリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド等を例示することが出来
る。これらの架橋剤(B)のなかでは、分子内に2個以
上の重合性不飽和基を有する化合物を用いることが得ら
れる吸水性樹脂の耐久性や吸水特性の点から特に好まし
い。
これら架橋剤(B)の本発明に於ける使用量は、目的
とする吸水倍率の吸水性を得るために水溶性連鎖移動剤
(C)を用いない他は同一条件で行う場合の架橋剤の使
用量に比べて、2〜100倍モル、更に好ましくは4〜10
倍モルである。具体的には、架橋剤(B)の使用量は単
量体(A)に対して0.005〜5モル%である。これら架
橋剤(B)の使用量が0.005モル%未満では得られた吸
水性樹脂の吸水倍率は高いものが得られるが、耐久性に
劣り且つ水可溶分が多くその分子量も高いためゲルのベ
トツキ感や通液性に劣ったものとなる。また5モル%を
越えて多く使用すると吸水倍率が非常に低いものとなっ
てしまう。また架橋剤の使用量は後述する水溶性連鎖移
動剤(C)の使用量にもよるが、好ましくは0.02〜1モ
ル%であり、更に好ましくは0.02〜0.4モル%であり、
更により好ましくは0.04〜0.2モル%である。
また上記架橋剤(B)の他に、グラフト重合によって
架橋を形成させる方法を併用してもよい。この様な方法
として、セルロース、澱粉、ポリビニルアルコール等の
親水性高分子の存在下に単量体(A)水溶液を重合さ
せ、重合時にグラフト重合に起因する架橋を形成させる
方法が挙げられ、これらの水溶性高分子は単量体(A)
に対して1〜50重量%の範囲で用いるのが好ましい。
本発明は特定量の水溶性連鎖移動剤(C)を用いるこ
とが必須である。
本発明の製造方法に於て、特定量の水溶性連鎖移動剤
(C)を選び、且つ通常の製造方法に比べて2〜100倍
モルと多量の架橋剤を使用し高架橋として重合を行うこ
とで初めて、耐久性が非常に優れ、生理食塩水のみなら
ず人尿に対しても高い吸水倍率を示し、また水可溶分の
分子量が低いため、ゲルのベトツキ感や通液性の低下な
どの悪影響が少ない等と言う、優れた吸水性樹脂が得ら
れる。
本発明に使用する水溶性連鎖移動剤(C)としては、
水または水溶性エチレン性不飽和単量体に溶解するもの
であれば特に制限されず、チオール類、チオール酸類、
2級アルコール類、アミン類、次亜燐酸塩類などを挙げ
ることができ、具体的にはメルカプトエタノール、メル
カプトプロパノール、ドデシルメルカプタン、チオグリ
コール酸、チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピオン
酸、イソプロパノール、次亜燐酸ナトリウム、蟻酸、お
よびそれらの塩類が使用され、これら群から選ばれる1
種または2種以上が用いられるが、その効果から次亜燐
酸ナトリウムなどの次亜燐酸塩を用いることが好まし
い。
水溶性連鎖移動剤(C)の使用量は水溶性連鎖移動剤
の種類や使用量、単量体(A)水溶液の濃度にもよる
が、単量体(A)に対して0.001〜1モル%であり、好
ましくは0.005〜0.3モル%である。この使用量が0.001
モル%未満では、本発明に用いる架橋剤(B)の使用量
では架橋密度が高く吸水倍率が低くなりすぎて好ましく
ない。また1モル%を越えて多く使用すると水可溶分が
増加し、耐久性がかえって低下するので好ましくない。
本発明に用いられる単量体(A)水溶液の濃度としては
30重量%〜飽和濃度、より好ましくは35重量%〜飽和濃
度の範囲である。30重量%未満の濃度では単位反応容積
当りの生産性が下がり、また乾燥工程にも時間を要し、
生産性が低下して工業的観点から好ましくない。従来の
重合方法では生産性向上のため飽和濃度付近で重合を行
うと自己架橋などの不要な反応が起こり吸水倍率が低下
するため、重合時に使用できる架橋剤(B)の量が限ら
れ、そのため耐久性に乏しい吸水性樹脂しか得られなか
った。しかし本発明の方法によれば、水溶性連鎖移動剤
(C)の使用量を選ぶことによって自己架橋反応が抑制
され、架橋剤(B)の使用量が増やせるので耐久性に優
れた高吸水倍率の吸水性樹脂を高濃度で生産性よく製造
することができる。
また必要に応じて単量体(A)水溶液に増粘剤を使用
してもよい。この様な増粘剤としては、例えばポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができ
る。
本発明に於て、上記単量体(A)水溶液を重合させ吸
水性樹脂を得る方法として、該単量体(A)水溶液を分
散剤の存在下、重合不活性な疎水性有機溶剤中に分散し
て逆相懸濁重合が行われる。水溶性連鎖移動剤(C)に
よる均一な連鎖移動反応や架橋剤(B)による均一な架
橋反応を進行させ、より性能の優れた吸水性樹脂を得る
ためには重合熱が均一に除去されることが好ましい。そ
のためには重合ゲルが一体となる重合法ではなく、有機
溶剤中での逆相懸濁重合によると、重合ゲルは細かく均
一に撹拌され重合熱が均一に除去されるため、均一な連
鎖移動反応や架橋反応が進行し、より性能の優れた吸水
性樹脂を得ることが出来る。
本発明に使用される分散剤としては、ソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、セルロースエ
ステル、セルロースエステル、セルロースエーテル等の
繊維系誘導体、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重
合体またはそれらの誘導体等のカルボキシル基含有高分
子等を挙げることができ、これらの群から1種または2
種以上を用いることができる。好ましくは、HLB2〜7の
非イオン系界面活性剤、更に好ましくはHLB2〜7のソル
ビタン脂肪酸エステルである。
本発明に使用される疎水性有機溶剤としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族
炭化水素類;シクロヘキサン、シクロオクタン、メチル
シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素類;ベン
ゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類等が挙げられ、これらの群から選ばれる1種
または2種以上が使用できる。特に好ましくは、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、トルエン、キシレンである。疎水性有機溶剤
と単量体(A)水溶液の比率は、重合熱の除去、温度の
コントロールまたは分散液の安定性の点から一般に1:1
〜4:1が適当である。
本発明に使用されるラジカル重合開始剤としては水溶
性であれば特に制限されず、例えば過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過
酸化水素;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の
アゾ化合物;その他、第二セリウム塩、過マンガン酸塩
等が挙げられる。中でも得られた吸水性樹脂の性能面や
分解生成物の安全性等の点から、過硫酸塩、過酸化水
素、アゾ化合物よりなる群から選ばれる1種または2種
以上が好ましい。
またラジカル重合開始剤が酸化性ラジカル重合開始剤
の場合、還元剤を併用してレドックス系開始剤として用
いても良い。用いられる還元剤としては、例えば亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸(水素)
塩;チオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸塩;亜二チオン酸
塩;硫酸第一銅、硫酸第一鉄等の金属塩;l−アスコルビ
ン酸等の有機還元剤;アニリン、モノエタノールアミン
等のアミン類が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は広い範囲とすることが
できるが、通常、単量体(A)に対して0.001〜2モル
%の範囲とするのが好ましく、更に好ましくは0.01〜0.
5モル%の範囲である。この使用量が0.001モル%未満で
は重合時間や誘導期間が長くなり、また残存モノマーも
多くなり易く好ましくない。また従来の重合方法では、
残存モノマー低減や誘導期間、重合時間の短縮のため、
重合開始剤量を増加させると自己架橋などの不要な反応
が起こり吸水倍率が低下するため、使用できる開始剤量
も限られてきていたが、本発明の方法によれば、かかる
欠点は改善され開始剤量は増加させても高性能の吸水性
樹脂が得られる。しかし2モル%より多く使用しても、
添加量に見合った効果が少ないばかりか、重合反応の制
御が困難となってしまうので好ましくない。
本発明の方法により逆相懸濁重合を行った後、重合後
の含水率によっては、得られた含水ゲル状物を更に乾燥
することによって吸水性樹脂として使用される。乾燥方
法としては公知の乾燥方法を用いることができ、例えば
重合に用いた疎水性有機溶剤中での共沸脱水による方法
や、含水ゲル状物を濾過後、通常の強制通風炉、減圧乾
燥器、マイクロ波乾燥器、赤外線乾燥器、流動床乾燥器
等を用いる乾燥方法が挙げられ、またそれらの方法を組
み合わせて乾燥を行ってもよい。
さらに本発明は、前記製造方法によって得られる吸水
性樹脂(D)の表面近傍を特定の親水性架橋剤(E)で
架橋させた吸水性樹脂(F)の製造方法をも提供する。
本発明の前記製造方法によって得られた吸水性樹脂
(D)は、従来の吸水性樹脂に比べて著しい吸水特性の
改善効果を示し、表面近傍を架橋した吸水性樹脂(F)
は表面近傍を架橋する前の吸水性樹脂(D)に比べ、さ
らに耐久性に優れ吸水特性に優れたものになる。
本発明に於て使用される親水性架橋剤(E)としては
カルボキシル基と反応しうる官能基を1分子中に2個以
上有する化合物(E−1)及び/または多価金属塩(E
−2)である。例えば吸水性樹脂(D)がカルボキシル
基を有する場合には、化合物(E−1)としてはエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、,1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ソリビトール、ポリビニルアルコール等の多価アルコー
ル化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグ
リシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多
価グリシジルエーテル化合物;エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチ
レンイミン等の多価アミン化合物;1,2−エチレンビスオ
キサゾリン、ポリイソプロペニルオキサゾリン等の多価
オキサゾリン化合物;エピクロロヒドリンなどのハロエ
ポキシ化合物;その他の多価アジリジン化合物、多価イ
ソシアネート化合物などが挙げられ、多価金属塩(E−
2)としては亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミ
ニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物など
が挙げられる。これらの群より1種または2種以上を用
いることが好ましく、中でも化合物(E−1)を必須に
用いることが好ましく、特に多価アルコール類、多価グ
リシジル化合物類、多価アミン類を親水性架橋剤(E)
として用いることが表面架橋効果の点から好ましい。ま
た親水性架橋剤(E)として、化合物(E−1)と多価
金属塩(E−2)を併用して用いて混合性を向上させて
も構わない。
本発明に於て使用された親水性架橋剤(E)の量は上
記、製造方法によって得られた吸水性樹脂(D)100重
量部に対して、0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜1
重量部の範囲の割合であり、この範囲内の量であれば諸
特性に優れた表面架橋された吸水性樹脂(F)が得られ
る。親水性架橋剤(E)の量が5重量部を越える場合、
不経済となるばかりか、未反応の親水性架橋剤(E)が
得られた吸水性樹脂(F)に残存する可能性がある上
に、適正な架橋効果を達成する上で過剰量となり得られ
る吸水性樹脂(F)の吸水倍率は小さくなり好ましくな
い。また0.005重量部未満の少ない量では本発明の効果
が得られにくい。
本発明に於て、吸水性樹脂(D)と親水性架橋剤
(E)とを混合する際、水及び/または親水性有機溶剤
(G)を用いてもよい。
本発明に於て、水の使用量は吸水性樹脂(D)100重
量部当り0〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範
囲の割合である。
また親水性有機溶剤(G)として例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノー
ル、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノー
ル等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルブチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類を挙げることができ、その使用量は吸水性樹脂
(D)100重量部に対して0〜20重量部、好ましくは0
〜8重量部の範囲の割合である。
本発明に於て、吸水性樹脂(D)を親水性架橋剤
(E)と混合し、吸水性樹脂の表面近傍を架橋する方法
としては、以下の様な方法が例示される。
(I)吸水性樹脂(D)に親水性架橋剤(E)および必
要により、水(水蒸気)及び/または親水性有機溶剤
(G)の混合液を噴霧、あるいは滴下混合する方法。
または、 (II)吸水性樹脂(D)を重合不活性な疎水性有機溶剤
中に分散・懸濁させ、親水性架橋剤(E)および必要に
より、水及び/または親水性有機溶剤(G)を撹拌下に
添加する方法。
この場合、親水性架橋剤(E)を特定の界面活性剤を
用いて、予め疎水性有機溶剤に乳化、懸濁させその乳化
液を吸水性樹脂(D)の分散懸濁液中に添加する方法が
好ましい。
または、 (III)吸水性樹脂(D)を水と親水性有機溶剤(G)
の混合溶剤中に分散させ、親水性架橋剤(E)を添加す
る方法。
などが挙げられる。
以上の様にして、本発明の方法によって得られる吸水
性樹脂(D)と親水性架橋剤(E)および必要により、
水及び/または親水性有機溶剤(G)を混合して得られ
た混合物を加熱処理するには、通常の加熱器や加熱炉を
用いることができる。例えば溝型撹拌乾燥器、回転乾燥
器、円盤乾燥器、ねつ和乾燥器、流動層乾燥器、気流乾
燥器、赤外線乾燥器、誘電加熱乾燥機などである。又
(II)の方法で吸水性樹脂(D)に有機溶剤中で親水性
架橋剤(E)を添加した後、有機溶剤中でそのまま加熱
し反応させてもよい。
加熱処理温度は用いられる親水性架橋剤(E)の種類
などにもよるが、40〜250℃が好ましく、より好ましく
は70〜220℃の範囲である。40℃未満では反応に時間が
かかり生産性の低下を起こすのみならず、親水性架橋剤
(E)の一部が未反応となり得られた吸水性樹脂(F)
に残存する恐れがあり好ましくない。250℃を越える高
温では、吸水性樹脂(D)の種類によっては熱劣化が起
こる場合があるので注意が必要である。
〔発明の効果〕
本発明により得られる吸水性樹脂は従来の方法では得
られなかった、膨潤ゲルの耐久性に優れ、生理食塩水や
特に人尿に対しても高吸水倍率で、しかも水可溶分の分
子量が低く、膨潤ゲルのベトツキや通液性が大幅に改善
された、安全な吸水性樹脂である。本発明の方法によれ
ばこの様な優れた吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽
和単量体(A)を特定量の架橋剤(B)及び特定量の水
溶性連鎖移動剤(C)の存在下で逆相懸濁重合を行うだ
けで簡便に製造でき、更に得られた吸水性樹脂(D)の
表面近傍を特定の親水性架橋剤(E)で架橋させ、吸水
速度や耐久性の格段に向上された吸水性樹脂(F)が得
られる。かかる吸水性樹脂(D)および(F)は、安価
に製造でき従来にない優れた吸水特性を有しているた
め、衛生材料、食品用、土木、農業などの分野に幅広く
利用できる。
この様に本発明により得られた吸水性樹脂は、 (1)従来、高吸水倍率の吸水性樹脂を得るために架橋
剤量を減らして重合を行っていたため、膨潤ゲルの耐久
性が乏しかったが、本発明の方法では多くの架橋剤を用
いても、高吸水倍率なため、膨潤ゲルが優れた耐久性を
示す。
(2)従来の吸水性樹脂では得られなかった、人尿に対
する高い吸水倍率を示す。
(3)用いる単量体を飽和濃度近くの高い濃度で重合さ
せても、自己架橋など不要な反応が抑えられた高性能の
吸水性樹脂が得られる為、高濃度で重合が可能で高い生
産性で製造ができる。
(4)本発明により得られた吸水性樹脂は高い吸水倍率
は示すが、付随する水可溶分はその分子量が低いため、
水可溶分による膨潤ゲルのベトツキや通液性の低下など
の悪影響を及ぼさない。
(5)表面近傍を架橋することで、従来の吸水性樹脂の
表面架橋で得られなかった吸水特性の改善効果を示し、
更に優れた耐久性や吸水速度を示す。
(6)従来、残存モノマー低減や誘導期間、重合時間の
短縮のため重合開始剤量を増加させると、自己架橋など
の不要な反応が起こり高吸水倍率のものが得られなかっ
たが、重合開始剤量を増やしても高吸水率のものが得ら
れ低い残存モノマー量となる。
等の優れた長所を有するものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の範
囲はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
尚、実施例に記載の吸水性樹脂の諸物性は下記の試験方
法によって測定した値を示す。また、部は重量部を示
す。
(1)生理食塩水の吸水倍率 吸水性樹脂1.0gを150mlの0.9重量%塩化ナトリウム水
溶液中の入ったビーカーに浸漬し、ゆっくりマグネチッ
クスターラーで撹拌した。6時間後に膨潤ゲルを金網で
濾過し、十分に水切りをした後の膨潤ゲルの重さを測定
し、以下の式で吸水倍率を算出した。
(2)人尿の吸水倍率 (1)の生理食塩水に代えて、成人男子10人からサン
プリングした人尿を用いる以外は同様に行い、人尿での
吸水倍率を測定した。
(3)水可溶分 吸水性樹脂0.5gを1000mlの脱イオン水中に分散し、12
時間後、濾紙で濾過し、濾液中の固形分を測定して次式
に従って水可溶分を求めた。
(4)水可溶分の分子量 分子量が既知の種々のポリアクリル酸ナトリウムを標
準にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よって、(3)の方法でサンプリングした水可溶分の分
子量を求めた。
(5)膨潤ゲルの耐久性 不織布、綿状パルプ、吸水紙および防水フィルムから
なる市販の子供用オムツ(重量72g)を半分に切り、ポ
リマー2.5gを綿状パルプと吸水紙の間に均一に散布し、
成人の人尿120mlを加えて37℃に放置し、6時間、12時
間、18時間後にオムツを開いて中の膨潤ゲルの様子を観
察した。劣化状態の判定は、○〜△〜×の3段階評価と
した。
○;膨潤ゲルの形状が保持されている。
△;一部、膨潤ゲルの形状が崩れている。
×;膨潤ゲルの形状が崩れ、ドロドロの流動状となっ
ている。
(6)もどり量 上記膨潤ゲルの耐久性試験に用いた18時間後の子供用
オムツの不織布の上に2つ折りにした23cm*23cmのペー
パータオルを10枚かぶせ、40g/cm2の圧力を1分間かけ
てペーパータオルに戻ってきた尿の量を測定した。
(7)膨潤ゲルのベトツキ (1)で吸水倍率を測定した後の膨潤ゲルのベトツキ
(ドライ感)を手触りにて測定した。ドライ感の判定
は、○〜△〜×の3段階評価とした。
○;膨潤ゲルはかなりサラサラしてドライ感がある。
△;一部、膨潤ゲルがベトツク。
×;膨潤ゲルがベトツキ、手がヌベヌベしている。
(8)膨潤ゲルの通液性 第1図に示すように内径53mmのシャーレ1に吸水性樹
脂1.0gを入れ、人尿10mlを注ぎ膨潤ゲル2を得る。膨潤
ゲル2の上に直径53mmのペーパータオル3を置き、更に
第1図に示すように、中央に突出した筒状部を有する円
板状のアクリル樹脂製試験器4を置く。1時間室温に放
置した後、人尿6mlを注入口5より注ぎ、人尿が全てポ
リマーの中に吸収されるまでの時間を測定し、それをも
って、膨潤ゲルの通液性とする。
(実施例1) アクリル酸21.6g及びアクリル酸ナトリウムの37重量
%水溶液228.6g、架橋剤(B)としてN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド0.0925g(対モノマー0.05モル
%)、水溶性連鎖移動剤(C)として次亜燐酸ナトリウ
ム1水和物0.064g(0.05モル%対単量体(A))、イオ
ン交換水53gを用いてモノマー濃度35%、中和率75%の
単量体水溶液を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム
0.15gを溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追
い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および
滴下漏斗を付けた2lの四つ口セパラブルフラスコにシク
ロヘキサン1.0lを取り、分散剤としてソルビタンモノス
テアレート(HLB4.7)3.0gを加えて溶解させ、窒素ガス
を吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次いで、単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに加
えて、230rpmで撹拌することにより分散させた。その
後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2
時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了
後、共沸脱水して大部分の水分を取り除いた後、濾過し
更に100℃で減圧乾燥させ吸水性樹脂(1)を得た。
この様にして得られた吸水性樹脂(1)の生理食塩水
の吸水倍率、人尿の吸水倍率、水可溶分、水可溶分の分
子量、膨潤ゲルの耐久性、戻り量、ゲルのベトツキ、通
液性を測定し、性能評価結果を第1表に示す。
(実施例2) 実施例1に於て、用いられる水溶性連鎖移動剤(C)
次亜燐酸ナトリウム1水和物の量を0.032g(対単量体
(A)0.025モル%)とする以外、同様に行い、吸水性
樹脂(2)を得た。
この吸水性樹脂(2)を同様に評価し、結果を第1表
に示す。
(実施例3) 実施例1に於て、用いられるイオン交換水の量を3gに
変更し、単量体(A)の濃度を42%とした以外は同様に
行い、吸水性樹脂(3)を得た。
この吸水性樹脂(3)を同様に評価し、結果を第1表
に示す。
(実施例4) アクリル酸21.6g及びアクリル酸ナトリウムの37重量
%水溶液228.6g、架橋剤(B)としてN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド0.37g(対単量体(A)0.2モル
%)、水溶性連鎖移動剤(C)としてチオリンゴ酸0.27
0g(対単量体(A)0.15モル%)、イオン交換水15.5g
を用いて単量体濃度40%、中和率75%のモノマー水溶液
を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.2gを溶解さ
せ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および
滴下漏斗を付けた2lの四つ口セパラブルフラスコにn−
ヘキサン1.0lを取り、分散剤としてショ糖脂肪酸エステ
ル(第一工業製薬(株)DK−エステルF−50,HLB=6)
4.0gを加えて溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素
を追い出した。
次いで、該単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに
加えて、230rpmで撹拌することにより分散させた。その
後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2
時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了
後、共沸脱水して大部分の水分を取り除いた後、濾過し
更に100℃で減圧乾燥させ吸水性樹脂(4)を得た。
この吸水性樹脂(4)を同様に評価し、結果を第1表
に示す。
(実施例5) 実施例1で得られた吸水性樹脂(1)100部にグリセ
リン1部、水6部及びメタノール4部からなる混合組成
物を混合した。得られた混合物を190℃の温度で1時間
加熱処理することにより吸水性樹脂(5)を得た。
この様にして得られた吸水性樹脂(5)の分析結果を
第1表に示す。
(実施例6) 実施例2で得られた吸水性樹脂(2)100部をシクロ
ヘキサン200部に撹拌下懸濁させた。別にシクロヘキサ
ン20部にソルビタンモノラウレート0.5部、親水性架橋
剤(E)としてポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル0.07部、水2部を加え、撹拌することにより、親
水性架橋剤の分散液を調整し、上記吸水性樹脂(2)の
懸濁液中に添加した後、72℃で2時間保ちその後濾過し
て吸水性樹脂(6)を得た。
この様にして得られた吸水性樹脂(6)の分析結果を
第1表に示す。
(実施例7) 実施例3で得られた吸水性樹脂(3)100部にエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル0.1部、水5部、イ
ソプロピルアルコール1部を混合し、得られた混合物を
乾燥機中に100℃、30分間加熱処理を行い、吸水性樹脂
(7)を得た。
この様にして得られた吸水性樹脂(7)の分析結果を
第1表に示す。
(実施例8) 実施例4で得られた吸水性樹脂(4)100部にグリセ
リン1部、水6部、アセトン2部を加え、ジャケットを
熱媒で230℃に加熱したブレンダーに投入し、混合と加
熱処理を行い吸水性樹脂(8)を得た。
この様にして得られた吸水性樹脂(8)の分析結果を
第1表に示す。
(比較例1) 実施例1において、架橋剤(B)を使用しない以外は
同様に行い、比較吸水性樹脂(1)を得た。
この様にして得られた比較吸水性樹脂(1)の分析結
果を第1表に示す。
(比較例2) 実施例1において、架橋剤(B)の使用量を0.0056g
(対単量体(A)0.003モル%)とする以外は同様に行
い、比較吸水性樹脂(2)を得た。
この様にして得られた比較吸水性樹脂(2)の分析結
果を第1表に示す。
(比較例3〜5) 実施例1において、水溶性連鎖移動剤(C)を使用せ
ず、架橋剤(B)の使用量をそれぞれ0.0148g(対単量
体(A)0.008モル%)、0.0925g(同0.05モル%)、0.
370g(同0.2モル%)とする以外は同様に行い、比較吸
水性樹脂(3)〜(5)を得た。
この様にして得られた比較吸水性樹脂(3)〜(5)
の分析結果を第1表に示す。
(比較例6〜9) 比較例1〜4で得られた比較吸水性樹脂(1)〜
(4)をそれぞれ、実施例6と同様の操作を行い、比較
吸水性樹脂(6)〜(9)を得た。
この様にして得られた比較吸水性樹脂(6)〜(9)
の分析結果を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は膨潤ゲルの通液性試験器具を示したものであ
る。 1……シャーレ 2……膨潤ゲル 3……ペーパータオル 4……アクリル樹脂製試験器 5……注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−200102(JP,A)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性エチレン性不飽和単量体(A)およ
    び該単量体(A)に対し、架橋剤(B)0.005〜5モル
    %および水溶性連鎖移動剤(C)0.001〜1モル%を含
    有する30重量%〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を分
    散剤の存在下、重合不活性な疎水性有機溶剤中に分散し
    て逆相懸濁重合させることを特徴とする耐久性の優れた
    吸水性樹脂(D)の製造方法。
  2. 【請求項2】水溶性エチレン性不飽和単量体(A)およ
    び該単量体(A)に対し、架橋剤(B)0.005〜5モル
    %および水溶性連鎖移動剤(C)0.001〜1モル%を含
    有する30重量%〜飽和濃度の該単量体(A)水溶液を分
    散剤の存在下、重合不活性な疎水性有機溶剤中に分散し
    て逆相懸濁重合させて得た吸水性樹脂(D)の表面近傍
    を吸水性樹脂(D)中の官能基と反応しうる親水性架橋
    剤(E)で架橋させることを特徴とする耐久性の優れた
    吸水性樹脂(F)の製造方法。
  3. 【請求項3】水溶性連鎖移動剤(C)が次亜燐酸塩であ
    る請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】架橋剤(B)の使用量が水溶性エチレン性
    不飽和単量体(A)に対して0.02〜1モル%である請求
    項1または2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】水溶性エチレン性不飽和単量体(A)水溶
    液の濃度が35重量%〜飽和濃度である請求項1または2
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】水溶性エチレン性不飽和単量体(A)がア
    クリル酸およびアクリル酸アルカリ金属塩および/また
    はアンモニウム塩を少なくとも50重量%含んでなる請求
    項1または2記載の製造方法。
  7. 【請求項7】分散剤がHLB2〜7の非イオン系界面活性剤
    である請求項1または2記載の製造方法。
  8. 【請求項8】非イオン系界面活性剤がソルビタン脂肪酸
    エステルである請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】吸水性樹脂(D)100重量部に対して、水
    0〜20重量部および親水性有機溶剤(G)0〜20重量部
    の存在下、カルボキシル基と反応しうる2個以上の官能
    基を有する化合物(E−1)及び/または多価金属塩
    (E−2)からなる群から選ばれた少なくとも1種の親
    水性架橋剤(E)を0.005〜5重量部を混合し、40〜250
    ℃で加熱することよりなる請求項2記載の製造方法。
  10. 【請求項10】親水性架橋剤(E)が化合物(E−1)
    である請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】化合物(E−1)が多価アルコール化合
    物、多価グリシジルエーテル化合物、多価オキサゾリン
    化合物及び多価アミン化合物からなる群から選ばれる1
    種または2種以上のものである請求項10記載の製造方
    法。
  12. 【請求項12】水が吸水性樹脂(D)100重量部に対し
    て0.5〜10重量部の量で用いられてなる請求項9記載の
    製造方法。
  13. 【請求項13】親水性有機溶剤(G)が吸水性樹脂
    (D)100重量部に対して0〜8重量部の量で用いられ
    てなる請求項9記載の製造方法。
  14. 【請求項14】加熱が70〜220℃である請求項9記載の
    製造方法。
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