JP5345265B1 - 電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置 - Google Patents

電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス素板から分離されたガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させ、歩留まりを改善させることのできる電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターン114が形成された耐エッチング層112が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板110に対して、他方の主表面における加工パターン114で囲まれた区画116の内側を、他方の主表面における加工パターン114をガラス素板110の板厚方向へ投影した領域と支持体140とが非接触となるように支持体140により支持する支持ステップと、ガラス素板110の一方の主表面をエッチング処理することにより、加工パターン114に沿ってガラス素板110を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板100をガラス素板110から分離する分離ステップとを含むことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスと、タッチセンサのカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスとを含む電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置に関する。
スマートフォンを含む携帯電話や、スレートPC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯機器では、液晶などの表示装置を保護するために、表示装置の外側にカバーガラスが配置される。また、タッチセンサにおいても、センサー基板を保護するためにカバーガラスが配置される。
一般に、カバーガラスは、大きい一枚板のガラス素板から任意の形状のガラス基板を分離させ(外形加工)、この分離させたガラス基板にさらに印刷などの加工をすることにより製造される。ガラス素板からガラス基板を分離させる方法としては、機械加工だけでなく、エッチング処理を用いた方法が知られている。
エッチング処理にはドライエッチング処理とウェットエッチング処理があり、ウェットエッチング処理にはシャワー方式とディップ方式がある。ウェットエッチング処理によりガラス基板の外形加工を行う場合、シャワー方式の方が、ディップ方式に比べて、析出物管理及びエッチングレート管理を容易に行うことができるため、寸法精度が要求される電子機器用カバーガラスの外形加工に好適である。
特許文献1では、レジストパターンを主表面に形成したガラス素板をエッチング処理して、ガラス素板から所望の形状のガラス基板を分離させている。このようにエッチング処理で外形を形成することにより、端面は鏡面となって非常に高い平滑性を有し、機械加工では必ず生じるマイクロクラックが生じない。このため、携帯端末用カバーガラスに求められる高い強度を得ることができる。また、機械加工では困難な複雑な形状であっても、エッチング処理であれば容易に加工することができるという利点もある。
特許文献2は、電子装置用ガラス基板(電子機器用カバーガラス)をエッチングによって外形加工(分離)する製造方法に関するものである。特許文献2には、下面が網目状になっている収納ケースに、ガラス素板をレジスト層で被覆された面を下面にして収容し、ガラス素板を水平に保持した状態で上下両面にシャワーエッチングを施すことが記載されている(段落0032)。なお、下面からのエッチングは外形加工であり、上面のエッチングはスリミングである。このように収納ケースに収容することにより、小片化後のガラス基板の散乱を抑制できるとしている(段落0033)。
特許文献3は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板に凹部(セル用キャップ)を形成する製造方法に関するものである。特許文献3には、下面に開口を設けたガラス板収納ユニット(底のない箱のような形状の枠体)にガラス板を収容し、ガラス板の下面にエッチング液を吹き付けて(シャワーリング)エッチングを行う構成が記載されている(片面エッチング)。なお、特許文献3に示された技術は、ガラス基板に凹部を形成するためのものであり、ガラスの切断を前提としない技術である。
特開2009−167086号公報 特開2010−254551号公報 特開2005−298314号公報
しかしながら先行文献2の構成では、下面が網目状の収納ケースに収容して下面をエッチングしているため、網目状のガラス支持部分によって、エッチング液の噴き付けが阻害される。また端縁においては、網目状のガラス支持部分とガラス素板との間に表面張力によってエッチング液が滞留するため、他の箇所よりも多くエッチングされることになる。このため、エッチング処理による溶解量が部分的に不均一となり、ガラス基板におけるエッチング処理された面に凹凸が形成されてしまう。この結果、ガラス基板の寸法精度が低下するとともに、外力が加わった際に凹凸部分で応力集中が発生し、機械的強度が低下するという問題がある。
また先行文献2の構成では網目状の下面で支持しているが、網目状の部材では剛性が不足するため撓んでしまう。網目状の下面が撓むとき中央部が下がるため、これに伴ってガラス基板が移動してガラス素板の残部に衝突して欠けや傷を生じて不良となり、歩留まりが低下してしまうという問題がある。なおエッチング液は主成分が強酸性のフッ酸であるため網目状の下面の材質が、耐フッ酸性をもつ樹脂製となるために、材質によって剛性を得ることは難しい。これに対して、網目状の下面をハニカムのように厚みを持たせれば樹脂材料であっても剛性を得ることはできるが、さらにエッチング液の吹きつけが不均一になってしまうため不都合である。
そこで本発明は、ガラス素板から分離されたガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させ、歩留まりを改善させることのできる電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板に対して、他方の主表面における加工パターンで囲まれた区画の内側を、他方の主表面における加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と支持体とを非接触とした状態で支持体により支持する支持ステップと、ガラス素板の一方の主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板をガラス素板から分離する分離ステップとを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、他方の主表面における前記加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と支持体とを非接触とした状態で前記支持体により支持し、ガラス素板における支持される面に対する裏面をエッチングすることにより、ガラス素板における支持される面側で支持体によるエッチング材料の滞留が生じないため、ガラス基板の端面におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板の寸法精度および強度を向上させることができる。
分離ステップにおいては、上方の主表面にエッチング液をガラス素板に向けてエッチング液をシャワーリングしてエッチング処理し、支持ステップにおいては、上方に向かって突出しガラス素板の下方の主表面側にエッチング液流動用の空間を形成するための複数の突出部を有し、支持体としての板状の支持体によってガラス素板を下方から支持することが好ましい。これにより、ガラス基板の質量のみでなく、シャワーリングによる圧力によって支持体の突出部に圧接させることによって、ガラス基板を支持体に簡単かつ確実に固定することができる。また複数の突出部によってガラス素板の下方の主表面側にエッチング液流動用の空間が形成されることから、ガラス素板及びガラス基板からのエッチング液の排出効率を高めることができ、ガラス基板の端縁にエッチング液が溜まることがない。このため端縁を均一にエッチングすることができ、寸法精度の低下を抑制することができる。
耐エッチング層には複数の電子機器用カバーガラスとなる複数の区画が加工パターンによって形成され、支持ステップでは複数の区画の内側をそれぞれ支持することが好ましい。複数の区画をそれぞれ支持するように構成したことにより、一枚のガラス素板から複数枚のガラス基板を分離させる場合に、ガラス基板の移動を抑制することができる。このためガラス基板同士がぶつかって欠けてしまうことを抑制し、品質の向上を図ることができ、歩留まりを改善することができる。また、分離されたガラス基板の移動を抑えることができるため、複数のガラス基板の回収作業効率を向上させることができる。
ガラス素板のうち加工パターンの形成領域には、分離ステップより前に窪みが形成されていることが好ましい。これにより、分離のために片面からエッチングする深さを浅くすることができるため、端縁の厚み方向の寸法の偏りを低減させることができる。
ガラス素板の両方の主表面には加工パターンが形成された耐エッチング層が設けられていて、窪みは両面エッチングによって形成されることが好ましい。これにより、窪みを形成するステップと分離ステップを連続的に行うことができ、生産効率を向上させることができる。なお両面エッチングの方式としては、シャワー方式でも良いし、ディップ方式でもよい。
支持ステップにおいては、上方に向かって突出する突起を有する板状の支持体を支持位置で待機させ、両面エッチングが完了したガラス素板を支持体の上に搬送及び載置して支持することが好ましい。これにより、両面エッチングの際には支持体が下面のエッチング処理を邪魔することなく、かつ分離ステップで円滑にガラス素板を支持体で支持して上面を片面エッチングすることができる。
窪みは、機械加工またはレーザー加工によって形成されていてもよい。
ガラス素板は、分離ステップより前に化学強化されていることが好ましい。またガラス素板は、分離ステップより前に区画に印刷が施されていることが好ましい。またガラス素板は、分離ステップより前に区画にタッチパネル用の透明電極が形成されていることが好ましい。
ガラス素板の状態で処理を行うことにより、ガラス基板の端縁をチャックによって傷つける機会が減少するため、不良率を減らして歩留まりを改善させることができる。またガラス素板に複数枚のガラス基板を区画する場合には、複数枚のガラス基板に同時に処理を施すことになるため、生産効率を向上させることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造装置の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板に対して、他方の主表面における加工パターンで囲まれた区画の内側を、他方の主表面における加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と非接触とした状態で支持する支持体と、ガラス素板の一方の主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板をガラス素板から分離する片面エッチング処理部とを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、他方の主表面における前記加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と非接触とした状態でガラス素板を支持し、ガラス素板における支持される面に対する裏面を片面エッチング処理部によってエッチングすることにより、ガラス基板の端面におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板の寸法精度および強度を向上させることができる。
支持体は、上方に向かって突出し前記ガラス素板の下方の主表面側にエッチング液流動用の空間を形成するための複数の突出部を有し、前記複数の突出部によって前記ガラス素板を支持することが好ましい。複数の突出部によってガラス素板の下面側に空間が形成されることから、ガラス素板及びガラス基板からのエッチング液の排出効率を高めることができ、ガラス基板の端縁にエッチング液が溜まることがない。このため端縁を均一にエッチングすることができ、寸法精度の低下を抑制することができる。
支持体は、加工パターンによる1または複数の区画のそれぞれに対して3以上の突起を有していることが好ましい。これにより、突起によって各ガラス基板を安定して支持することができる。したがって、ガラス基板がガラス素板から分離する前後において同じ位置に支持される。
片面エッチング処理部は、ガラス基板の分離が完了した後に支持体を回収可能位置まで搬送する搬送部を備えていることが好ましい。これにより、支持体の単位でガラス基板を回収することができるため、枚葉方式ではなくバッチ方式とすることができ、集中的に処理を行うことができ、回収作業を容易にすることができる。
電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が両方の主表面に設けられたガラス素板に対して、片面エッチング処理部より前に、ガラス素板の両方の主表面にエッチング処理を施して加工パターンの形成領域に窪みを形成する両面エッチング処理部を含むことが好ましい。加工パターンの形成領域にあらかじめ窪みを形成することにより、分離のために片面からエッチングする深さを浅くすることができるため、端縁の厚み方向の寸法の偏りを低減させることができる。また窪みを両面エッチングで形成することにより、窪みを形成するステップと分離ステップを連続的に行うことができ、生産効率を向上させることができる。
本発明によれば、ガラス素板から分離されたガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させ、歩留まりを改善させることのできる電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置を提供することができる。
電子機器用カバーガラスのガラス基板およびガラス素板を説明する図である。 エッチング装置について説明する図である。 支持体について説明する図である。 支持体にガラス素板を載置した状態を説明する図である。 エッチングによってガラス基板を分離させる際の断面を段階的に説明する図である。 ガラス基板が分離された後のエッチング液の流れを説明する図である。 第2実施形態に係るガラス素板を説明する図である。 第2実施形態に係るエッチング装置を説明する図である。 受渡部について説明する図である。 エッチングによってガラス基板を分離させる際の断面を段階的に説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[第1実施形態]
電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスの製造方法および製造装置の第1実施形態について説明する。本実施形態でいう携帯機器とは、スマートフォンを含む携帯電話や、スレートPC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯機器(携帯型電子機器)である。
図1は携帯機器用カバーガラスのガラス基板およびガラス素板を説明する図であって、図1Aはガラス基板を示す図、図1Bはガラス素板を示す図、図1Cは耐エッチング領域を説明する図であって図1BのA−A断面図である。図1Aに示すように、ガラス基板100は、例えば携帯端末の表示画面を保護するカバーガラスとして用いられる。ガラス基板100の外周部102はおおむね矩形状である。また、ガラス基板100には、例えばスピーカやマイクの音声入出力等に用いられる開口部104が設けられている。
図1Bに示すように、ガラス基板100は、大板のガラス素板110からエッチング処理によって分離される。図1Bでは、エッチング後に各ガラス基板100となる領域を、区画116として示している。なお本実施形態ではガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる例について説明するが、1枚だけを分離させる場合であっても本発明を同様に適用することができる。
ガラス素板110は、溶融ガラスから直接シート状に成型したもの、あるいは、ある厚さに成型されたガラス体を所定の厚さに成型し、主表面を研磨して所定の厚さに仕上げたものを使用することができる。特に、ガラス素板110として溶融ガラスから直接シート状に成型したものを用いる場合には、ガラス素板110の主表面がマイクロクラックのない表面状態を有するため好ましい。溶融ガラスから直接シート状に成型する方法としては、ダウンドロー法、フロート法などが挙げられる。
ガラス素板110は、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、透明な結晶化ガラスなどで構成されていることが好ましい。中でも、SiO2及びAl2O3と、Li2O及び/又はNa2Oとを含有したアルミノシリケートガラスであることが好ましい。Al2O3は、後述する化学強化においてイオン交換性能を向上させるため有用である。Li2Oは、化学強化においてNa+イオンとイオン交換させるための成分である。Na2Oは、化学強化においてK+イオンとイオン交換させるための成分である。
図1Cに示すように、ガラス素板110の上には耐エッチング層112(レジスト層)が形成されている。本実施形態では、一方の主表面(上面)のみに耐エッチング層112が形成される。耐エッチング層112はレジスト材を塗布した上で露光・現像して形成される。耐エッチング層112には、ガラス基板100の区画116を形成する加工パターン114が形成される。加工パターン114とは、例えば、ガラス素板110の主表面が外部に露出しているパターンや、他の部分よりも層が薄いパターン等であって、エッチング液(エッチャント)によって食刻される領域である。本実施形態では、加工パターン114としてガラス素板110の主表面が外部に露出しているパターンを用いるものとして説明する。また、本実施形態では、加工パターン114において露出しているガラス素板110の領域を「加工パターンの形成領域」と称する。
図2はエッチング装置200について説明する図、図3は支持体140について説明する図であって、図3Aは平面図、図3Bは図3AのB−B断面図である。図4は支持体140にガラス素板110を載置した状態を説明する図であって、図4Aは平面図、図4Bは図4AのC−C断面図である。ガラス素板110は、図3に示す支持体140上に載置されて、図2に示すエッチング装置200の中をローラーコンベアからなる搬送部202によって搬送されながらエッチングされる。
図3A、図3Bに示すように、支持体140は、板状の基体142と、ガラス素板110または小片となったガラス基板100を支持する複数の突出部としての複数の突起144と、エッチング液を排出するための多数の孔146を備えている。本実施形態では、突起144と孔146は交互に、かつ千鳥状に配置されている。なお、支持体140から孔146を省略し、支持体140に突起のみを設けてもよい。
図4A、図4Bに示すように、突起144のピッチは区画116の大きさよりも狭く設定されている。したがって、1つの区画116(エッチング後は1枚のガラス基板100)は、3以上の突起144で支持される。これにより、分離後の各ガラス基板100を突起144によって安定して支持することができる。これに加えて、ガラス基板100は、ガラス素板110から分離する前後において同じ位置に支持される。なお図4においてガラス基板100の耐エッチング層112は透過して表示している。また、ガラス基板100をより安定して支持するために、突起144のピッチは区画116の短辺の1/2以下であることが好ましい。
ここで、突起144は、ゴムなどの弾性体によって構成されており、ガラス基板100及びガラス素板110との接触部での摩擦係数が比較的大きくなり、エッチング処理中のガラス基板100及びガラス素板110の移動が抑えられる。このため、ガラス基板100がガラス素板から分離する前後において突起144によって同じ位置に支持されるため、分離されたガラス基板100の移動を抑えることができ、ガラス基板100の回収作業効率を向上させることができる。これに加えて、ガラス基板100がガラス素板110から分離する前後において同じ位置に支持されるため、溶解が進んで残りわずかな部位でガラス素板110と繋がっている状態においても、その繋がっている部位がガラス基板100の自重によって割れてしまうことを抑制し、完全にエッチング処理の溶解のみによって分離することができる。ガラス基板100の端縁に割れが生じないことから、不良率を減らして、歩留まりを改善することができる。またガラス基板100の端縁の割れに起因するクラックによる強度低下を抑制することができ、割れた箇所が突出することによる寸法精度の低下を抑制することができるため、ガラス基板100の品質を向上させることができる。
エッチング装置200は、搬送部202の進行方向に沿って、投入領域240、片面エッチング処理部250、水洗処理部270、取出領域290を備えている。また、エッチング装置200は、例えばコンピュータ等を含む制御盤からなる制御部(図示せず)を有している。エッチング装置200の動作(搬送部202の搬送速度、ノズル252から噴出するエッチング液の流量、ノズル252の往復速度など)は、制御部によって制御される。
投入領域240では、搬送部202上に支持体140を載置し、その上にガラス素板110を載置する(図4A参照)。このとき耐エッチング層112が上面になるように配置する。すなわち、耐エッチング層112が一方の主表面に設けられたガラス素板110に対して、他方の主表面における加工パターン114で囲まれた区画116の内側を、ガラス素板110における支持される面(下面)の加工パターン114の投影領域と支持体140の突起144とが非接触になるように支持する(支持ステップ)。そして搬送部202によって、片面エッチング処理部250に搬送する。
片面エッチング処理部250には、上方にエッチング液をシャワーリングするノズル252が設置されている。なお、エッチング方法は、エッチング速度が速い点で、乾式エッチング(ドライエッチング)よりも、湿式エッチング(ウェットエッチング)であることが好ましい。ウェットエッチングに使用するエッチング液は、ガラス素板を食刻できるものであればよい。例えば、フッ酸を主成分とする酸性溶液や、フッ酸に硫酸、硝酸、塩酸、ケイフッ酸のうち少なくとも一つの酸を含む混酸などを用いることができる。
片面エッチング処理部250は、ガラス素板110における耐エッチング層112が設けられた面をエッチング処理する。ノズル252はエッチング液を勢いよく噴出しながら、進行方向(搬送方向)に対する直交方向へ往復するように首振りを行う。このようなシャワー方式のエッチング方法を用いることにより、搬送中のガラス素板110の上面部に対して均一となるように、エッチング液を供給することができる。これとともに、新しいエッチング液が常にガラス素板110に供給されるため、ガラスのエッチングに伴って生じる反応性生物(スケール)を流し、反応性生物のガラス素板110又はガラス基板100への付着を抑えることができる。なお、エッチング液のシャワーリングの水圧は、反応性生物を流しうる程度の圧力であればよい。
図5はエッチングによってガラス基板100を分離させる際の断面を段階的に説明する図である。図5Aはエッチング前の状態を示していて、耐エッチング層112の間に加工パターン114が形成されている。加工パターン114の形成領域では、ガラス素板110が露出している。
図5Bに示すように、片面エッチング処理部250においてエッチングが行われると、加工パターン114に沿ってガラス素板110が溶解されて、加工パターン114の形成領域に窪み114aが形成される。ウェットエッチングでは、ガラスは等方的にエッチングされる。したがって窪み114aは深さが深まると同時に幅が広がっていく。
このように、ガラス素板110における支持される面(下面)に対する裏面(上面)をエッチングすることにより、支持体140がエッチング液のシャワーリングを阻害することがない。つまり、支持体140は、ガラス素板110のシャワーリングによる片面エッチングを阻害しないようガラス素板110の一方の面を支持する構成である。また、ガラス素板110における支持される面(下面)の加工パターン114の投影領域と支持体140の突起144とが非接触である。このため、ガラス基板100の端面となる加工パターン114周辺でエッチング液が滞留することなく流動することから、ガラス基板100の端面となる加工パターン114におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板の寸法精度および強度を向上させることができる。
また、ガラス素板110における支持される面(下面)に対する裏面(上面)をエッチングすることにより、ガラス基板100がガラス素板110から分離する前後において同じ位置に支持される。特に、上方に向かって突出する突起144によってガラス素板110を下方から支持し、上方からエッチング液をシャワーリングしてエッチング処理することにより、ガラス基板100の質量のみでなく、シャワーリングによる圧力によって支持体140の突起144に圧接させることになる。この結果、ガラス基板100を支持体140に簡単かつ確実に固定することができる。
このため、溶解が進んで残りわずかな部位でガラス素板110と繋がっている状態においても、その繋がっている部位がガラス基板100の自重によって割れてしまうことを抑制し、完全にエッチング処理の溶解のみによって分離することができる。ガラス基板100の端縁に割れが生じないことから、不良率を減らして、歩留まりを改善することができる。またガラス基板の端縁の割れに起因するクラックによる強度低下を抑制することができ、割れた箇所が突出することによる寸法精度の低下を抑制することができるため、ガラス基板100の品質を向上させることができる。
さらに、突起144によって複数の区画116をそれぞれ支持するように構成したことにより、一枚のガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる場合に、各ガラス基板100の移動を抑制することができる。このためガラス基板同士がぶつかって欠けてしまうことを抑制し、品質の向上を図ることができ、歩留まりを改善することができる。
図5Cに示すように、さらにエッチングが進行すると、やがて窪み114aはガラス素板110の下面に至り、ガラス基板100が分離される(分離ステップ)。そして、図5Dに示すように、さらにエッチングが進行すると、分離ステップで分離した際にガラス基板100に形成された先端部の一部(又は全部)が除去され、先端部の形状が非尖鋭状とされる。
図6はガラス基板100が分離された後のエッチング液の流れを説明する図である。図6に示すように、ガラス素板110の上にシャワーリングされたエッチング液は加工パターン114に形成された溝から落下し、さらに支持体140の孔146から下方に落下する。ガラス素板110に当接する部位が突起144であることから、加工パターン114の背面側には空間が形成されるため、ガラス素板110及びガラス基板100からのエッチング液の排出効率を高めることができ、ガラス基板100の端縁にエッチング液が溜まることがない。このため端縁を均一にエッチングすることができ、寸法精度の低下を抑制することができる。
水洗処理部270では、上方と下方にそれぞれ水をシャワーリングするノズル272、274が設置されている。これにより、ガラス基板100に付着したエッチング液は全て除去される。
取出領域290は回収可能位置(ガラス基板100を回収できる位置)であって、搬送部202は支持体140を取出領域290まで搬送する。作業員又はロボットハンド等を有する回収装置(図示せず)が支持体140の上からガラス基板100を取り上げて回収する。このように支持体140の単位でガラス基板を回収することにより、回収作業を枚葉方式ではなくバッチ方式とすることができ、集中的に処理を行うことができ、回収作業を容易にすることができる。また、ガラス基板100がガラス素板110から分離する前後において同じ位置に支持されるため、分離されたガラス基板100の移動が抑えられている。特にガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる場合には、各ガラス基板100をそれぞれ支持することにより、各ガラス基板100の移動を抑えられている。このため分離後のガラス基板100が散乱することがなく、ガラス基板100の回収作業効率を向上させることができる。
なお上記第1実施形態においては加工パターン114の形成領域をエッチングのみによって溶解させて分離するように説明したが、分離ステップより前に機械加工またはレーザー加工によって加工パターン114にあらかじめ窪みを形成してもよい。これにより、分離のために片面からエッチングする深さを浅くすることができるため、エッチング処理時間を短縮することができるとともに、エッチャントの使用量を低減することができる。
なお、上記第1実施形態では、ガラス素板110における支持される面(下面)の加工パターン114の投影領域と支持体140の突起144とが非接触になるように、ガラス素板110を支持体140に載置した構成について説明した。しかしながら、ガラス素板110における支持される面(下面)に、耐エッチング層112と同様の層を形成し、その層に加工パターン114を形成した場合には、突起144と加工パターン114の水平方向の位置関係によらずに、ガラス素板110における支持される面(下面)の加工パターン114の投影領域と支持体140の突起144とが非接触となり、本発明の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態1では、突出部として突起144が形成された支持体140を用いる構成について説明した。しかしながら、突出部の形状は、ガラス素板110における支持される面(下面)に空間を形成するような形状であればよい。
なお、通常は、ガラス素板からガラス基板を分離させた後に、化学強化を施し、印刷を行い、タッチパネル用の透明電極(ITO:Indium-tin-oxide)を形成する。しかし、上記の分離ステップより前に、具体的には耐エッチング層112を形成する前に、ガラス素板の状態で化学強化を行ったり、区画116に印刷を施したり、区画116にタッチパネル用の透明電極を形成したりしてもよい。
化学強化を施す際には、ラックにガラス基板100を載置する必要がある。また印刷や透明電極の形成には、ガラス基板100の端縁をチャックして、それぞれの装置に複数回通す必要がある。このため、ガラス基板100の端縁に欠けやクラックなどの損傷を与える可能性がある。これに対して、ガラス素板の状態で処理を行うことにより、ガラス基板の端縁をチャックによって傷つける機会が減少するため、不良率を減らして歩留まりを改善させることができる。また特にガラス素板に複数枚のガラス基板を区画する場合には、複数枚のガラス基板に同時に処理を施すことになるため、生産効率を向上させることができる。
[第2実施形態]
本実施形態に係る電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスの製造方法および製造装置の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態は片面のみをエッチングする構成であったが、第2実施形態は分離ステップである片面エッチングの前に両面エッチングを行って、加工パターンの形成領域にあらかじめ窪みを設ける例である。第1実施形態においてした説明と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図7は第2実施形態に係るガラス素板を説明する図である。図7に示すように、ガラス素板110の両方の主表面(上下面)には耐エッチング層112が形成されている。両面のレジストパターンは一致していて、加工パターン114は対向する位置に形成されている。
図8は第2実施形態に係るエッチング装置300を説明する図であって、図8Aはエッチング装置300の全体構成図、図8Bは両面エッチング処理部220の断面図である。エッチング装置300は、前段と後段との2段に分かれている。エッチング装置300の前段は両面エッチングを行う部分である。エッチング装置300の後段は、第1実施形態で説明したエッチング装置200と同様の片面エッチングを行う部分である。エッチング装置300の前段は、投入領域210、両面エッチング処理部220及び受渡部230を備え、後段の片面エッチング処理部250へと続いている。また、エッチング装置300は、エッチング装置200と同様に制御部を有している。エッチング装置300における制御部は、搬送部202、302の搬送速度、ノズル252、222、224から噴出するエッチング液の流量や往復速度、および後述する受渡部230の動作の制御などを行う。
投入領域210から受渡部230までは、ローラーコンベアからなる搬送部302によってガラス素板110が搬送される。ただし投入領域210から受渡部230までは支持体140を用いずに、ガラス素板110が搬送部302によって直接支持される。
両面エッチング処理部220は、片面エッチング処理部250より前に、ガラス素板110の両方の主表面にエッチング処理を施して加工パターン114の形成領域に窪みを形成する。両面エッチング処理部220では、上方にノズル222が、下方にノズル224が設置されていて、ガラス素板110の両主表面にエッチング液をシャワーリングする。なお図8Bに示すように、搬送部302は側端に大径のローラ302aを備えていて、ガラス素板110の端部を支持している。ローラ302aの軸は細く、またガラス素板110から離れているため、下方のノズル224から噴射されたエッチング液は支障なくガラス素板110の下面全体に到達することができる。
受渡部230は、両面エッチング処理部220を通過したガラス素板110を、支持体140に支持させる部分である。
図9は受渡部230について説明する図である。受渡部230は、前段の搬送部302と搬送レベル(搬送高さ)が同じタイミング調整部232と、支持体140を支持位置で待機させる待機部234とを備えている。受渡部230における各動作は、制御部によって制御される。タイミング調整部232と待機部234は、いずれもローラーコンベアによる搬送機能を備えている。
図9Aに示すように、搬送部302を搬送されてきたガラス素板110はタイミング調整部232に到達する。タイミング調整部232では、ガラス素板110の端部がセンサ(図示せず)を介して制御部に検知されて、制御部がガラス素板110の現在位置を取得する。この際に、制御部は、必要に応じて搬送部302に指令を送り、ガラス素板110の搬送速度を減速させる、又は搬送を停止させる。ここで、待機部234にはあらかじめ支持体140が設置されており、制御部は、ガラス素板110が到着するまで支持体140を待機部234で待機させる。
ここで、搬送部202の搬送レベル(搬送高さ)は搬送部302の搬送レベルに対して低くなっていて、支持体140の脇から搬送ローラ236が上方に突出している。搬送ローラ236の上端はタイミング調整部232のローラの上端と同じ高さにあり、図9Bに示すように、ガラス素板110はタイミング調整部232から待機部234の搬送ローラ236上へと移動する。
図9Cに示すように、ガラス素板110の全体が支持体140の上に移動すると、制御部はセンサ(図示せず)を介してガラス素板110の到着を検出し、搬送ローラ236を下降させる。これによりガラス素板110は支持体140に載置される(支持ステップ)。そして図9Dに示すように、制御部は待機部234に搬送を開始させて、搬送部202へと支持体140を送り出す。以後は、第1実施形態で説明したように片面エッチング処理部250においてエッチング処理が行われて、各ガラス基板100が分離される。
このように、両面エッチングの際には支持体140を用いずに、片面エッチングに際しては支持体140で支持した状態でエッチング処理を行う。これにより、両面エッチングの際には支持体140が下面のエッチング処理を邪魔することなく、かつ分離ステップで円滑にガラス素板を支持体で支持して上面を片面エッチングすることができる。
図10はエッチングによってガラス基板100を分離させる際の断面を段階的に説明する図である。図10Aはエッチング前の状態を示していて、耐エッチング層112の間に加工パターン114が形成されている。加工パターン114の形成領域では、ガラス素板110が露出している。
図10Bに示すように、両面エッチング処理部220においてエッチングが行われると、加工パターンにそってガラス素板110が溶解されて、両方の主表面の加工パターン114の形成領域に窪み114a、114bが形成される。
図10Cに示すように、さらに片面エッチング処理部250においてエッチングが行われると、さらに窪み114aが深くなり、やがて図10Dに示すように窪み114a、114bが連続することによって各ガラス基板100が分離される。本実施形態では、まず両面エッチング処理によって窪み114a、114bを形成し、さらに窪み114aを掘り下げている。これにより、図10Dに示すようにガラス基板100を抜き出すと、その端面には境界部114cと、境界部114cを中心に厚さ方向で対称な形状(又は厚さ方向でほぼ対称な形状)の傾斜面114d及び傾斜面114eとが形成される。これにより、エッチング処理時間を短縮することができるとともに、エッチャントの使用量を低減することができる。
上記のように、加工パターン114の形成領域にあらかじめ窪み114a、114bを形成することにより、分離のために片面からエッチングする深さを浅くすることができるため、エッチング処理時間を短縮することができるとともに、エッチャントの使用量を低減することができる。これに加えて、ガラス基板の端面における厚さ方向の形状の偏りを抑えることができる。また窪み114a、114bを両面エッチングで形成することにより、窪みを形成するステップと分離ステップを連続的に行うことができ、生産効率を向上させることができる。
なお第2実施形態においては両面エッチング処理をシャワーリングによって行うように説明したが、ディップ方式によってエッチングを行ってもよい。
また上記第1、第2実施形態においては、支持ステップにおいてはガラス素板110を下方から支持して、分離ステップにおいては上方の主表面をエッチングするように説明した。しかしながら、支持ステップにおいて上方から支持して、分離ステップにおいて下方の主表面をエッチングしてもよい。上方から支持する手段としては、例えばエア吸引による吸着支持が挙げられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、実施形態1、2では、電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスを製造する場合について説明した。しかしながら、本発明は、電子機器用カバーガラスとしてのタッチセンサ用カバーガラスの製造にも適用することができる。
なお、本願の他の発明は、次の構成である。
(第1の構成)
電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板に対して、他方の主表面における前記加工パターンで囲まれた区画の内側を支持する支持ステップと、前記ガラス素板の前記一方の主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って前記ガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を前記ガラス素板から分離する分離ステップとを含むことを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法。
(第2の構成)
前記支持ステップにおいては上方に向かって突出する突起を有する板状の支持体によって前記ガラス素板を下方から支持し、前記分離ステップにおいては上方の主表面にエッチング液をシャワーリングしてエッチング処理する前記第1の構成の電子機器用カバーガラスの製造方法。
本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスと、タッチセンサのカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスとを含む電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置として利用することができる。
100…ガラス基板、102…外周部、104…開口部、110…ガラス素板、112…耐エッチング層、114…加工パターン、114a…窪み、114b…窪み、114c…境界部、114d…傾斜面、114e…傾斜面、116…区画、140…支持体、142…基体、144…突起、146…孔、200…エッチング装置、202…搬送部、210…投入領域、220…両面エッチング処理部、222…ノズル、224…ノズル、230…受渡部、232…タイミング調整部、234…待機部、236…搬送ローラ、240…投入領域、250…片面エッチング処理部、252…ノズル、270…水洗処理部、272…ノズル、274…ノズル、290…取出領域、300…エッチング装置、302…搬送部、302a…ローラ

Claims (12)

  1. 電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板に対して、他方の主表面における前記加工パターンで囲まれた区画の内側を、他方の主表面における前記加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と支持体とが非接触となるように前記支持体により支持する支持ステップと、
    前記ガラス素板の前記一方の主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って前記ガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を前記ガラス素板から分離する分離ステップと
    を含むことを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法。
  2. 前記分離ステップにおいては、上方の主表面にエッチング液を前記ガラス素板に向けてエッチング液をシャワーリングしてエッチング処理し、
    前記支持ステップにおいては、上方に向かって突出し前記ガラス素板の下方の主表面側にエッチング液流動用の空間を形成するための複数の突出部を有し、前記支持体としての板状の支持体によって前記ガラス素板を下方から支持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  3. 前記耐エッチング層には複数の電子機器用カバーガラスとなる複数の区画が前記加工パターンによって形成され、
    前記支持ステップでは前記複数の区画の内側をそれぞれ支持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  4. 前記ガラス素板のうち前記加工パターンの形成領域には、前記分離ステップより前に窪みが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  5. 前記ガラス素板の両方の主表面には加工パターンが形成された耐エッチング層が設けられていて、
    前記窪みは両面エッチングによって形成されることを特徴とする請求項4に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  6. 前記支持ステップにおいては、上方に向かって突出する突出部を有する板状の支持体を支持位置で待機させ、前記両面エッチングが完了したガラス素板を前記支持体の上に搬送及び載置して支持することを特徴とする請求項5に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  7. 前記ガラス素板には、前記分離ステップより前に、化学強化、前記区画に対応する印刷、及び前記区画にタッチパネル用の透明電極の形成の少なくともいずれかの処理が施されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
  8. 電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が少なくとも一方の主表面に設けられたガラス素板に対して、他方の主表面における前記加工パターンで囲まれた区画の内側を、他方の主表面における前記加工パターンをガラス素板の板厚方向へ投影した領域と非接触となるように支持する支持体と、
    前記ガラス素板の前記一方の主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って前記ガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を前記ガラス素板から分離する片面エッチング処理部と
    を含むことを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造装置。
  9. 前記支持体は、上方に向かって突出し前記ガラス素板の下方の主表面側にエッチング液流動用の空間を形成するための複数の突出部を有し、前記複数の突出部によって前記ガラス素板を支持することを特徴とする請求項8に記載の電子機器用カバーガラスの製造装置。
  10. 前記支持体は、前記加工パターンによる1または複数の区画のそれぞれに対して3以上の突出部を有していることを特徴とする請求項9に記載の電子機器用カバーガラスの製造装置。
  11. 前記片面エッチング処理部は、ガラス基板の分離が完了した後に前記支持体を回収可能位置まで搬送する搬送部を備えていることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造装置。
  12. 電子機器用カバーガラスの形状を形成するための加工パターンが形成された耐エッチング層が両方の主表面に設けられたガラス素板に対して、
    前記片面エッチング処理部より前に、前記ガラス素板の両方の主表面にエッチング処理を施して前記加工パターンの形成領域に窪みを形成する両面エッチング処理部を含むことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造装置。
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