JP2013189339A - 電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディップ方式によってガラス素板からガラス基板を分離させる手法を確立し、ガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させる。
【解決手段】本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状をした区画116を加工パターン120によって形成された耐エッチング層112が一対の主表面に設けられたガラス素板110に対して、区画の内側を支持する支持ステップと、ガラス素板を支持した状態でエッチング液220に浸漬して、ガラス素板110の主表面をエッチング処理することにより、加工パターン120に沿ってガラス素板110を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板100をガラス素板110から分離する分離ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状をした区画116を加工パターン120によって形成された耐エッチング層112が一対の主表面に設けられたガラス素板110に対して、区画の内側を支持する支持ステップと、ガラス素板を支持した状態でエッチング液220に浸漬して、ガラス素板110の主表面をエッチング処理することにより、加工パターン120に沿ってガラス素板110を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板100をガラス素板110から分離する分離ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスと、例えばポインティングデバイス等のタッチセンサのカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスとを含む電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置に関する。
スマートフォンを含む携帯電話や、スレートPC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯機器では、液晶などの表示装置を保護するために、表示装置の外側にカバーガラスが配置される。また、タッチセンサにおいても、センサ基板やタッチパネル用の透明導電膜(ITO:Indium-tin-oxide)を保護するためにカバーガラスが配置される。
一般に、カバーガラスは、大きい一枚板のガラス素板から任意の形状のガラス基板を分離させ(外形加工)、この分離させたガラス基板にさらに印刷などの加工をすることにより製造される。ガラス素板からガラス基板を分離させる方法としては、機械加工だけでなく、エッチング処理を用いた方法が知られている。
特許文献1では、レジストパターンを主表面に形成したガラス素板をエッチング処理して、ガラス素板から所望の形状のガラス基板を分離させている。このようにエッチング処理で外形を形成することにより、端面は鏡面となって非常に高い平滑性を有し、機械加工では必ず生じるマイクロクラックが生じない。このため、携帯端末用カバーガラスに求められる高い強度を得ることができる。また、機械加工では困難な複雑な形状であっても、エッチング処理であれば容易に加工することができるという利点もある。
特許文献2は、電子装置用ガラス基板(携帯機器用カバーガラス)をエッチングによって外形加工(分離)する製造方法に関するものである。特許文献2には、下面が網目状になっている収納ケースに、ガラス素板をレジスト層で被覆された面を下面にして収容し、ガラス素板を水平に保持した状態で上下両面にシャワーエッチングを施すことが記載されている(段落0032)。なお、下面からのエッチングは外形加工であり、上面のエッチングはスリミングである。このように収納ケースに収容することにより、小片化後のガラス基板の散乱を抑制できるとしている(段落0033)。
エッチングの方式としてはシャワー方式のほか、エッチング液にワーク全体を浸漬させるディップ方式が知られている。このディップ方式は、複数のワークを同時にエッチング処理できる点で、シャワー方式に比べて生産性が高い方式である。しかしながら大きなガラス素板から小片のガラス基板を取り出すというエッチング処理においてディップ方式を採用した例はなく、現時点において手法は確立されていない。このようなエッチング処理においてディップ方式を採用することの困難性としては、ガラス素板を支持した状態でエッチング液に浸漬すると、分離したガラス基板がエッチング液の中で移動してしまう点にある。この移動により、ガラス基板が散逸して回収効率が低下したり、ガラス基板同士が衝突して欠けや傷を生じて品質が低下したりしてしまうおそれがある。
特に電子機器用のカバーガラスは、携帯機器であれば軽量化のために、薄さが求められる。このため、ガラス基板が薄くなるほどエッチング液の流れに伴って移動しやすく、また縁に欠けを生じやすい。またさらに、多数枚のガラス基板、および多数枚のガラス素板を一度に処理して生産効率を向上させることが望まれる。
ここで特許文献2に示されているように、収納ケースに収容してエッチング液に浸漬することも考えられる。しかし収納ケースに収容してあったとしても、分離して小片となったガラス基板の移動を抑制することはできない。特にエッチング液の流通が良くなるように下面を網目状にしたりすると、エッチング液の対流により、または収納ケースを引き上げる際のエッチング液の乱流により、ガラス基板が大きく移動してしまう。
また下面が網目状の収納ケースを用いると、網目状の部材では剛性が不足するため撓んでしまう。網目状の下面が撓むとき中央部が下がるため、これに伴ってガラス基板が移動してガラス素板の残部に衝突して欠けや傷を生じて不良となり、歩留まりが低下してしまうという問題がある。なおエッチング液は主成分が強酸性のフッ酸であるため、網目状の下面の材質が耐フッ酸性をもつ樹脂製となるために、材質によって剛性を得ることは難しい。
そこで本発明は、ディップ方式によってガラス素板からガラス基板を分離させる手法を確立し、ガラス素板から分離されたガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させることのできる電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造方法の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状をした区画を加工パターンによって形成された耐エッチング層が一対の主表面に設けられたガラス素板に対して、区画の内側を支持する支持ステップと、ガラス素板を支持した状態でエッチング液に浸漬して、ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板をガラス素板から分離する分離ステップと、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、分離されるガラス基板が直接支持されているために、ディップ方式において分離されたガラス基板の移動を抑えることができ、ガラス基板の回収作業効率を向上させることができる。また分離したガラス基板同士が衝突することがないため、ガラス素板に欠けや傷が生じないことから、寸法精度や強度などの品質を向上させることができる。
耐エッチング層には複数の電子機器用カバーガラスとなる複数の区画が加工パターンによって形成され、支持ステップでは複数の区画をそれぞれ支持することが好ましい。複数の区画をそれぞれ支持するように構成したことにより、一枚のガラス素板から複数枚のガラス基板を分離させる場合に、ガラス基板の移動を抑制することができる。このためガラス基板同士がぶつかって欠けてしまうことを抑制し、品質の向上を図ることができ、歩留まりを改善することができる。また、分離されたガラス基板の移動を抑えることができるため、複数のガラス基板の回収作業効率を向上させることができる。
支持ステップにおいて、支持体と、支持体と磁力によって引き合うブロックによってガラス素板を挟むことによって支持することが好ましい。これにより、エッチングすべき加工パターンが支持体によって覆われないため、加工パターンにエッチング液を均一に接触させる(行き渡らせる)ことができる。このため、ガラス基板の端面におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板の寸法精度および強度を向上させることができる。なお支持体とブロックは、両方が磁石であってもよく、一方が磁性体で他方が磁石(永久磁石または電磁石)であってもよい。
支持ステップにおいて、ブロックと磁力によって引き合うブロックを用いてガラス素板を挟むことにより、ガラス素板を積層して支持することが好ましい。これにより複数枚のガラス素板を一度に処理することが可能となり、処理効率を向上させることができる。
支持ステップにおいて、支持体は上方からガラス素板を吊下して支持することが好ましい。これにより、ガラス素板の下方には支持構造がないため、分離して落下した枠体を回収するための機構を簡略化することができる。
耐エッチング層において、区画はガラス素板の縁を含まないように形成されていて、区画の外周にガラス素板の縁を含む枠部が形成されていて、かつ枠部には区画から縁まで至る複数の加工パターンが形成されていることが好ましい。これにより枠部はエッチングによって分断されて枠の形状を構成しなくなるため、支持されているガラス基板にひっかかることなく円滑に落下させることができる。
ガラス素板は、分離ステップよりも前に化学強化されていることが好ましい。またガラス素板は、分離ステップよりも前に区画に印刷が施されていることが好ましい。またガラス素板は、分離ステップよりも前に区画にタッチパネル用の透明導電膜が形成されていることが好ましい。
ガラス素板の状態で各種の処理を行うことにより、ガラス基板の端縁をチャックによって傷つける機会が減少するため、不良率を減らして歩留まりを改善させることができる。またガラス素板に複数枚のガラス基板を区画する場合には、複数枚のガラス基板に同時に処理を施すことになるため、生産効率を向上させることができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器用カバーガラスの製造装置の代表的な構成は、電子機器用カバーガラスの形状をした区画を加工パターンによって形成された耐エッチング層が一対の主表面に設けられたガラス素板に対して、区画の内側を支持する支持体と、ガラス素板を支持した状態でエッチング液に浸漬して、ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板をガラス素板から分離するエッチング処理部と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、エッチングすべき加工パターンは支持体によって覆われないため、ガラス素板の主表面における加工パターンの形成領域にエッチング液を均一に接触させることができる。このため、ガラス基板の端面におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板の寸法精度および強度を向上させることができる。またガラス基板が支持されているために分離されたガラス基板の移動を抑えることができ、ガラス基板の回収作業効率を向上させることができる。またエッチング液中でガラス基板とその周囲の枠部とが分離することから、枠部がエッチング液から浮力を受けて自重が軽減されるために、溶解が進んで残りわずかな部位でガラス素板と繋がっている状態においても、その繋がっている部位が枠部の重量によって割れてしまうことを抑制することができる。ガラス基板の端縁に割れが生じないことから、不良率を減らして、歩留まりを改善することができる。またガラス基板の端縁の割れに起因するクラックによる強度低下を抑制することができ、割れた箇所が突出することによる寸法精度の低下を抑制することができるため、ガラス基板の品質を向上させることができる。
本発明によれば、ガラス素板から分離されたガラス基板の回収効率を向上させつつ、寸法精度や強度などの品質を向上させることのできる電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスの製造方法および製造装置の実施形態について説明する。本実施形態でいう携帯機器とは、スマートフォンを含む携帯電話や、スレートPC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯機器(携帯型電子機器)である。
図1は携帯機器用カバーガラスのガラス基板100およびガラス素板110を説明する図であって、図1(a)はガラス基板100を示す図、図1(b)はガラス素板110を示す図、図1(c)は耐エッチング層112を説明する図であって図1(b)のA−A断面図である。図1(a)に示すように、ガラス基板100は、例えば携帯端末の表示画面を保護するカバーガラスとして用いられる。ガラス基板100はおおむね矩形状である。また、ガラス基板100には、例えばスピーカやマイクの音声入出力等に用いられる開口部104が設けられている。
図1(b)に示すように、ガラス基板100は、大板のガラス素板110からエッチング処理によって分離される。図1(b)では、エッチング後に各ガラス基板100となる領域を、区画116として示している。なお本実施形態ではガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる例について説明するが、ガラス素板110から1枚だけを分離させる場合であっても本発明を同様に適用することができる。
ガラス素板110は、溶融ガラスから直接シート状に成型したもの、あるいは、ある厚さに成型されたガラス体を所定の厚さに成型し、主表面を研磨又はエッチングして所定の厚さに仕上げたものを使用することができる。特に、ガラス素板110として溶融ガラスから直接シート状に成型したものを用いる場合には、ガラス素板110の主表面がマイクロクラックのない表面状態を有するため好ましい。溶融ガラスから直接シート状に成型する方法としては、ダウンドロー法、フロート法などが挙げられる。
ガラス素板110は、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、透明な結晶化ガラスなどで構成されていることが好ましい。中でも、SiO2、Al2O3、Li2O及び/又はNa2Oを含有したアルミノシリケートガラスであることが好ましい。Al2O3は、後述する化学強化においてイオン交換性能を向上させるため有用である。Li2Oは、化学強化においてNa+イオンとイオン交換させるための成分である。Na2Oは、化学強化においてK+イオンとイオン交換させるための成分である。ZrO2は、機械的強度を高めるために有用である。
図1(c)に示すように、ガラス素板110の一対の主表面上に耐エッチング層112(レジスト層)が形成されている。耐エッチング層112はレジスト材を塗布した上で露光・現像して形成される。耐エッチング層112には、ガラス基板100の区画116を形成する加工パターン114が形成される。加工パターン114とは、例えば、ガラス素板110の主表面が外部に露出しているパターンや、他の部分よりも層が薄いパターン等であって、エッチング液(エッチャント)によって食刻される領域である。本実施形態では、加工パターン114としてガラス素板110の主表面が外部に露出しているパターンを用いるものとして説明する。また、本実施形態では、加工パターン114において露出しているガラス素板110の領域を「加工パターンの形成領域」と称する。
また図1(a)に示すように、区画116はガラス素板110の縁を含まないように形成されていて、区画116の外周には、ガラス素板110の縁を含む枠部118が形成されている。枠部118は製品にならない領域である。そして枠部118には、区画116からガラス基板100の縁まで至る複数の加工パターン120が形成されている。加工パターン120は、後述するように、枠部118を分断するために設けられる。
(支持ステップ)
図2はガラス素板110の支持ステップについて説明する図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は要部斜視図である。本発明においてガラス素板の支持ステップにおいては、区画116の内側を支持する。その具体例として本実施形態では、支持体132と、磁力によって支持体132と引き合うブロック130によってガラス素板110を挟むことによって支持する。
図2はガラス素板110の支持ステップについて説明する図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は要部斜視図である。本発明においてガラス素板の支持ステップにおいては、区画116の内側を支持する。その具体例として本実施形態では、支持体132と、磁力によって支持体132と引き合うブロック130によってガラス素板110を挟むことによって支持する。
ブロック130は磁石である。本実施形態のように1枚のガラス素板110に複数の区画116を形成するとき、図2(a)に示すように、ブロック130はそれぞれの区画116の内側に配置される。支持ステップの段取りとしては、図2(b)に示すように、まずブロック130を区画116に対応する位置に並べて、その上に1枚目の(一番下の)ガラス素板110を載置する。そして各区画116の内側に、次の段のブロック130を並べる。このとき上下のブロック130は、ガラス基板100を挟んだ状態で磁力によって引き合って吸着する。一枚だけエッチング処理する場合はこれで完了であるが、複数枚を同時にエッチング処理する場合には必要な枚数(段数)に応じて積層する。
支持体132は、昇降機140(図4参照)によって吊下された状態で移動する構造体である。支持体132は複数の保持棒134を上方から垂下していて、区画と対応する位置に配置されている。複数の保持棒134は、互いに平行となるように、フレーム138によって連結されている。
図3はブロック130と保持棒134の構成の例を説明する図である。図3(a)は図2(b)と同じ構成であって、ガラス素板110の両面をブロック130で挟み、ブロック130に保持棒134を吸着させている。
保持棒134はエッチング液で溶解しない樹脂によって形成されていて、下端に磁石136aが埋め込まれている。ブロック130は、磁石(永久磁石)をエッチング液で溶解しない樹脂によってモールド(被覆)して形成している。なお保持棒134の磁石136aは、磁石に変えて磁性体であってもよい。また、保持棒134全体を磁性体で構成し、樹脂によってモールドしてもよい。
なお保持棒134は、柔軟性(可撓性)を有することが好ましい。これにより多数の保持棒134を同時に複数のブロック130に吸着させる際に、若干の位置や寸法の誤差を吸収することができ、作業を容易にすることができる。
図3(b)は、最上層のブロック130を用いずに、ガラス素板110に保持棒134を直接吸着させる構成である。図3(c)は、保持棒134の磁石136aに代えて、電磁石136bを備えた構成である。電磁石136bを用いると強い磁力を得やすく、またエッチング処理後に容易に保持棒134とブロック130を容易に分離させることができる。
このように、支持体132とブロック130によってガラス素板110を挟んで支持することにより、エッチングすべき加工パターン114、120が支持体132によって覆われないため、ガラス素板110における加工パターン114、120の形成領域にエッチング液を均一に接触させる(行き渡らせる)ことができる。このため、ガラス基板100の端面におけるエッチング処理のむらを抑えることができ、ガラス基板100の寸法精度および強度を向上させることができる。また支持体132はガラス素板の上下一方のみにあればよく、装置構成を簡略化することができる。またガラス素板110の外周を回り込むアーム等が必要ないため、支持構造を小型化することができる。
(分離ステップ)
図4はエッチング処理部200について説明する図である。本実施形態の分離ステップにおいては、各区画116の内側を支持した状態でエッチング液に浸漬して、ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、加工パターン120に沿ってガラス素板110を溶解し、ガラス基板100をガラス素板110から分離する。ここで、複数の保持棒134は、互いに平行状態を維持するように連結されている。このため、複数のガラス基板100がガラス素板110から分離した際に、互いに隣り合うガラス基板100同士の間には、間隔が空けられており、互いに隣り合うガラス基板100同士の接触が回避される。
図4はエッチング処理部200について説明する図である。本実施形態の分離ステップにおいては、各区画116の内側を支持した状態でエッチング液に浸漬して、ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、加工パターン120に沿ってガラス素板110を溶解し、ガラス基板100をガラス素板110から分離する。ここで、複数の保持棒134は、互いに平行状態を維持するように連結されている。このため、複数のガラス基板100がガラス素板110から分離した際に、互いに隣り合うガラス基板100同士の間には、間隔が空けられており、互いに隣り合うガラス基板100同士の接触が回避される。
図4(a)に示すように、エッチング処理部200は、分離ステップにおいてエッチング処理を行う処理槽210と、エッチング液220の温度を調節する温度調節層230を備えている。処理槽210には、落下した枠部118を捕獲するネット212と、気泡を放出してバブリングを行うノズル214が備えられている。ノズル214には、エアポンプ216によって空気が送り込まれる。また、エッチング液としては、フッ酸そのものや、フッ酸に硫酸や塩酸等を添加剤として加えた混酸を用いることができる。
温度調節層230には、不図示のヒーター及びチラーに接続された熱交換器232が備えられていて、一定の処理温度に維持される。温度調節層230内のエッチング液220はポンプ234によって送り出されて、フィルタ236によって塵埃を回収された後に処理槽210へと送り出される。処理槽210に増えた分のエッチング液220は、連通管238によって温度調節層230へと戻される。
処理槽210の上方には、支持体132およびガラス素板110を吊下して移動および昇降するための昇降機140が備えられている。昇降機140はレール142に沿って水平方向への移動が可能であり、またベルト144を駆動して支持体132を昇降させることができる。なお昇降機構はこの例に限定するものではなく、既知の様々な構成を利用することができる。例えばベルトに替えてチェーンを用いたり、ラックとピニオンの組み合わせを用いたり、母ネジとボール軸受を用いたりしてもよい。
図4(b)はエッチング処理(分離ステップ)を説明する図である。昇降機140によって支持体132およびガラス素板110を下降させ、処理槽210内のエッチング液220内に浸漬する。エッチング処理中は、昇降機140を駆動させてガラス素板110を揺動させる。揺動は、例えば1〜5cm程度の距離を、1〜10秒間に1往復程度させればよい。揺動の方向としては、水平方向、垂直方向のいずれでもよく、また途中で方向を変更してもよい。またエアポンプ216からノズル214に空気を送り、バブリングすることによってエッチング処理の効率を向上させることができる。
図5はエッチングによってガラス素板110からガラス基板100を分離させる際の断面を段階的に説明する図である。図5(a)はエッチング前の状態を示していて、耐エッチング層112の間に加工パターン114が形成されている。加工パターン114の形成領域では、ガラス素板110が露出している。
図5(b)に示すように、処理槽210においてエッチングが行われると、加工パターンに沿ってガラス素板110が溶解されて、両方の主表面の加工パターン114の形成領域に窪み114a、114bが形成される。
そして図5(c)に示すように窪み114a、114bが連続することによって各ガラス基板100が分離される。ガラス基板100の端面には、厚さ方向の中央に形成された突出部114cと、突出部114cを中心に厚さ方向で対称な形状(又は厚さ方向でほぼ対称な形状)の傾斜面114d及び傾斜面114eとが形成される。
分離した後もさらにエッチング処理を継続することにより、図5(d)に示すように、突出部114cをなだらかにすることができる。
図6はガラス基板100が分離した際の状態を説明する図である。図6(a)に示すように、ガラス基板100が分離するとき、各ガラス基板100は保持棒134とブロック130によって挟まれて支持されている。このためガラス基板100は移動することがなく、図6(b)に示すように、分離前の位置関係を保ったままで処理槽210から引き上げることができる。
また図6(a)に示すように、ガラス基板100が分離すると同時に枠部118は脱落する。このとき、区画116からガラス基板100の縁まで至る複数の加工パターン120(図1(b)参照)が溶解することにより、枠部が複数のピースに分断される。これにより、枠の形状を構成しなくなるため、支持されているガラス基板にひっかかることなく円滑に落下させることができる。
落下した枠部118は、ネット212によって捕獲され、ネット212を引き上げることによって枠部118を回収することができる。なお枠部118を処理槽210の中に残しておくと不必要にエッチング液220を疲労させてしまうことから、1回ごとに取り出すことが好ましい。
処理槽210から引き出したガラス基板100は、昇降機140によって不図示の洗浄槽に移動および浸漬されて、エッチング液を除去される。そして昇降機140によって、回収可能位置(作業台)まで移動し、ブロック130とガラス基板100を順に取り外すことによって回収される。この段階までガラス基板100が直接支持されているために、ディップ方式において分離されたガラス基板の移動を抑えることができる。したがって分離したガラス基板100同士が衝突することがなく、ガラス素板に欠けや傷が生じないことから、寸法精度や強度などの品質を向上させることができる。
回収は作業員による手作業でもよく、ロボットハンドなどを有する回収装置を用いてもよい。このときもガラス基板の移動が抑えられているために、回収作業を効率的に行うことができる。
なお、上記実施形態では一度に複数枚のガラス素板110をエッチング処理し、かつ1枚のガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる例について説明した。しかしガラス素板110を1枚ずつ処理することでもよく(枚葉式)、また1枚のガラス素板110から1枚のガラス基板100を取り出す構成であっても、本発明を適用することができる。ただし、上記実施形態のように複数の区画116をそれぞれ支持するように構成することにより、一枚のガラス素板110から複数枚のガラス基板100を分離させる場合に、ガラス基板同士がぶつかって欠けてしまうことを抑制することができるため、特に高い効果を得ることができる。またガラス素板110を積層して支持することにより、複数枚のガラス素板110を一度に処理することが可能となり、処理効率を向上させることができる。
また、上記実施形態では、電子機器用カバーガラスとしての携帯機器用カバーガラスを製造する場合について説明した。しかしながら、本発明は、電子機器用カバーガラスとしてのタッチセンサ用カバーガラスの製造にも適用することができる。タッチセンサの例としては、ポインティングデバイス、カーナビゲーションシステム、銀行のATM、電子案内板や各種操作盤などに用いられるタッチセンサが挙げられる。
また、上記の分離ステップより前に、具体的には耐エッチング層112を形成する前に、ガラス素板の状態で化学強化を行ったり、区画116に印刷を施したり、区画116に透明導電膜を形成したりしてもよい。
ここで、化学強化を施す際には、ラックにガラス基板100を載置する必要がある。また印刷や透明導電膜の形成には、ガラス基板100の端縁をチャックして、それぞれの装置に複数回通す必要がある。このため、ガラス基板100の端縁に欠けやクラックなどの損傷を与える可能性がある。これに対して、ガラス素板の状態で処理を行うことにより、ガラス基板の端縁をチャックによって傷つける機会が減少するため、不良率を減らして歩留まりを改善させることができる。また特にガラス素板に複数枚のガラス基板を区画する場合には、複数枚のガラス基板に同時に処理を施すことになるため、生産効率を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスと、タッチセンサのカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスとを含む電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置として利用することができる。
100…ガラス基板、102…外周部、104…開口部、110…ガラス素板、112…耐エッチング層、114…加工パターン、114a…窪み、114b…窪み、114c…突出部、114d…傾斜面、114e…傾斜面、116…区画、118…枠部、120…加工パターン、130…ブロック、132…支持体、134…保持棒、136a…磁石、136b…電磁石、138…フレーム、140…昇降機、142…レール、144…ベルト、200…エッチング処理部、210…処理槽、212…ネット、212a…フック、214…ノズル、216…エアポンプ、220…エッチング液、230…温度調節層、232…熱交換器、234…ポンプ、236…フィルタ、238…連通管
Claims (10)
- 電子機器用カバーガラスの形状をした区画を加工パターンによって形成された耐エッチング層が一対の主表面に設けられたガラス素板に対して、前記区画の内側を支持する支持ステップと、
前記ガラス素板を支持した状態でエッチング液に浸漬して、前記ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って前記ガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を前記ガラス素板から分離する分離ステップと、
を含むことを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造方法。 - 前記耐エッチング層には複数の電子機器用カバーガラスとなる複数の区画が前記加工パターンによって形成され、
前記支持ステップでは前記複数の区画をそれぞれ支持することを特徴とする請求項1に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。 - 前記支持ステップにおいて、支持体と、該支持体と磁力によって引き合うブロックによって前記ガラス素板を挟むことによって支持することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記支持ステップにおいて、前記ブロックと磁力によって引き合うブロックを用いて前記ガラス素板を挟むことにより、該ガラス素板を積層して支持することを特徴とする請求項3に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記支持ステップにおいて、前記支持体は上方から前記ガラス素板を吊下して支持することを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記耐エッチング層において、前記区画は前記ガラス素板の縁を含まないように形成されていて、該区画の外周に前記ガラス素板の縁を含む枠部が形成されていて、かつ前記枠部には前記区画から縁まで至る複数の加工パターンが形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記ガラス素板は、前記分離ステップよりも前に化学強化されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記ガラス素板は、前記分離ステップよりも前に前記区画に印刷が施されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 前記ガラス素板は、前記分離ステップよりも前に前記区画に透明導電膜が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器用カバーガラスの製造方法。
- 電子機器用カバーガラスの形状をした区画を加工パターンによって形成された耐エッチング層が一対の主表面に設けられたガラス素板に対して、前記区画の内側を支持する支持体と、
前記ガラス素板を支持した状態でエッチング液に浸漬して、該ガラス素板の主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って前記ガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を前記ガラス素板から分離するエッチング処理部と、
を含むことを特徴とする電子機器用カバーガラスの製造装置。
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JP2012056257A JP2013189339A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 電子機器用カバーガラスの製造方法および製造装置 |
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---|---|---|---|---|
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JP6324599B1 (ja) * | 2017-09-28 | 2018-05-16 | 株式会社Nsc | カバーガラスの製造方法 |
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WO2023223716A1 (ja) * | 2022-05-17 | 2023-11-23 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置 |
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2012
- 2012-03-13 JP JP2012056257A patent/JP2013189339A/ja active Pending
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