JP5344695B2 - めっき基板の製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明のめっき基板の製造方法の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。
Znを含む化合物よりなる基板実際を硫酸銅溶液に浸漬してこの基板上にCu薄膜を形成することにより得られる密着性向上について、実際にZnS基板を硫酸銅処理後、表面にNiめっきを4μm厚、形成させた後、Niめっき膜の厚み方向に対して引張試験を行ったところ、6.6MPa以上の引張強度が得られた。この数値は引張試験に使用した接着剤の引張強度によるものであり、実際のZnS界面とめっき膜との密着強度は、この数値よりも高いと考えられる。一方、従来法をZnS基板に適用してNiめっきを形成した場合、すなわち、触媒化工程にHClベースのキャタリストを用いた場合には、めっき膜がテープ試験で剥がれた。この場合のZnS界面とめっき膜との密着強度は、テープの規格から0.1MPa以下である。したがって、本実施形態のめっき基板の製造方法は、従来法に比べて160倍以上の強度向上が確認できた。
従来法では、Niめっき膜形成工程前に行う触媒層の形成工程は、中和、キャタリスト、アクセレータの3工程からなり、それらの工程間のそれぞれに水洗工程が入るのに比べて、本実施形態の方法では、硫酸銅溶液に浸漬して水洗するだけで済み、大幅に工程数が減る。また、従来法におけるPd触媒はμmサイズでの厚みで形成する必要があり、キャタリストを含む液を繰り返し使用していると、液中でのPdの濃度が下がってくる。そのため、液の可能処理枚数はある程度制限される。一方、本実施形態の方法では、基板上に形成されるCu触媒の厚さは1nm以下であり、硫酸銅溶液液を繰り返し使用しても、Cu消費量が少ないために液成分の変化は極めて少ないと考えられる。また、従来法の触媒であるPdと本実施形態の方法の触媒であるCuの原価、液の構成を比較しても本実施形態のほうが単純な構成になっており、大幅な低コスト化が可能と考えられる。
ZnS+2Cu2+ →Cu2S+Zn2+
次に、浸漬後の基材を水洗・乾燥する過程で以下の反応が起こる。
2Cu2S+4O2 →2Cu2O+2SO3 (固)
2CuS+5/2O2 →Cu2O+2SO2 (気)
Cu2S+3/2 O2 →Cu2O+SO2 (気)
銅触媒が形成された基材の上に無電解Ni−Pめっき膜が形成される反応は、以下の式に示すものと考えられる。
Cu2O+2H+ →2Cu+H2O (Cu2Oが還元されCuとなる。)
上記の反応により金属Cuが形成ざれることで、以下の反応が起こる。
Ni2+ +ZnS→NiS+Zn2+ (界面における結合)
Ni2+ +2e- →Ni (Ni膜の堆積)
次に、浸漬後の基材を水洗・乾燥する過程でめっき膜表面では以下の反応が起こる。
一般に、CuやNiの大気中での酸化反応は、表面の数原子層から数十原子層程度で起こると考えられる。本分析で用いた測定試料のめっき膜の膜厚はいずれも数nmであった。それらの事実から、CuやNiの酸化物が観察されたと考えられる。
Znを含む化合物よりなる無電解めっき膜を形成する工程の後、この無電解めっき膜上に電解Cuめっき膜を形成する工程を行うことができる。Znを含む化合物よりなる基板に無電解めっきを施したものを製品としてのめっき基板とすることができるが、この無電解めっき上に電解めっきを施したものを製品としてのめっき基板とすることもできる。
めっき液中に浸漬した基板を、めっき液の流動により揺動させるのに適した治具の一例を図6〜8に示す。なお、図6〜8では同一部材については同一符号を付している。図6(a)は治具50の上面図、図6(b)は治具50の正面図、図6(c)は治具50の斜視図である。治具50は、無電解めっきが形成された基板41を保持する治具であって、絶縁性素材からなり基板41に当接する基板担持部51と、めっき液の流動による可撓性を有する筒状部52と、この筒状部52内に挿通され基板担持部51を通じて基板41と電気的に接続するとともに電源(図示せず)と接続する導体53とを備えている。基板担持部51及び導体53は、図8に断面を示すように、基板41の一部を挟み込む形状を有していて、基板41の両面がめっき液と接触可能になっている。このような治具50を用いることによって、基板41の揺動を発現させる効果がある。
次に、本発明のめっき基板製造方法を適用した半導体装置の製造方法について説明する。
実施例1では、ZnS基板を硫酸銅溶液に浸漬してこの基板上にCu薄膜を形成し、その後にCu薄膜が形成された基板上に無電解めっき膜を形成した。
CuSO4・5H2O: 0.6モル/リットル
H2SO4: 1.8モル/リットル
そして上記の水溶液に基板を浸漬し、水溶液温度25℃で80分間浸漬処理を行い、基板11上に銅触媒であるCu薄膜12を形成した(図1(b)参照)。
NiSO4・6H2O: 0.1モル/リットル
H2NaO2P・H2O: 0.3モル/リットル
NaOOCCH2CH2COONa・6H2O: 0.1モル/リットル
HOOCCHOHCH2COOH: 0.1モル/リットル
C7H4NNaO3S・2H2O: 0.006モル/リットル
pH: 4.8
図3に示すように、銅触媒を形成した基板21は、厚さ10μm以上のニッケル皮膜が表面に形成された治具31により保持される。図3に示した治具31は基板21の一部を両面から挟み込む形状を有しており、基板21に直接接触させ、基板21の担持と共にCuよりもイオン化傾向の大きい異種金属であるニッケルを銅触媒に接触させた。
実施例2では、上記実施例1により無電解Ni-Pめっき膜13を形成したZnS基板に電気銅めっきを実施した。
CuSO4・5H2O: 0.6モル/リットル
H2SO4: 1.8モル/リットル
HCl: 100ppm
ビス(3−スルフォプロピル)ジスルフィド(SPS): 5ppm
ポリエチレングリコール(PEG4000): 600ppm
図6に示すように、銅触媒及び無電解Ni−Pめっき膜を形成した基板41は、治具50により保持される。図6のように治具50は絶縁性素材である基板担持部51及び銅である導体53とを有し、この導体53により基板41に対する電気的導通を確保した。また、治具50の筒状部52はめっき液の流れにより変形させられる可撓性を持つ。図8に示すように治具50の基板担持部51及び導体53は基板41の一部を挟みこむ形状とし、基板41の両面がめっき液と触れるようにした。
実施例3は、実施例2の電気Cuめっきの条件を10mA/cm2、めっき時間を90分とした以外は実施例2と同様にして電気めっきを行った。
比較例1は、基板をZnSからガラスに変えた他は、実施例1と同様な硫酸銅水溶液を用い、実施例1と同様に浸漬処理を行った。
比較例2は、実施例1の無電解Ni−Pめっきで用いる治具を非金属であるプラスティック製に変えた他は、実施例1と同様な無電解めっき浴を用い、実施例1と同様に無電解Ni−Pめっきを行った。
比較例3は、Ni膜により覆われた鉄線による接触を行った他は、実施例1と同様な無電解めっき浴を用い、比較例2と同様にプラスティック製の治具を用いて無電解Ni−Pめっきを行った。
比較例4は、硫酸銅溶液への基板の浸漬を行わず、よって銅触媒の形成を行わなかった他は、実施例1と同様な無電解めっき浴を用い、実施例1と同様に無電解Ni−Pめっきを行った。
比較例5は、無電解Ni−Pめっきを行わなかった他は、実施例2と同様な電気めっき浴を用い、実施例2と同様に電気Cuめっきを行った。
比較例6は、従来法(中和、キャタリスト、アクセレータの3工程でそれぞれの工程間に水洗が入る)により無電解めっき膜の形成を行った。
実施例4は、図9に示す基材が揺動しない治具を用いて電気Cuめっきを行った他は、実施例3と同様なめっき浴を用い、実施例3と同様に電気Cuめっきを行った。
12 Cu薄膜
13 無電解Niめっき膜
14 電解Cuめっき膜
50 治具
52 筒状部52(可撓性部材)
100、260 素子基板(第1基板)
110、210 窓基板(第2基板)
225 貫通孔
Claims (3)
- ZnS、ZnSe、ZnO及びZnTeのいずれか一種の化合物よりなる基板を、硫酸:0.1〜2.0モル/リットル及び硫酸銅:0.1〜1.0モル/リットルの少なくとも一方を含有する硫酸銅溶液に浸漬してこの基板上にCu薄膜を形成する工程と、
その後に、Cuよりもイオン化傾向の大きい金属を備える治具で基板を保持することにより、基板にCuよりもイオン化傾向の大きい金属を接触させ、接触させたまま無電解めっき膜の形成を開始し、Cu薄膜が形成された基板上に無電解めっき膜を形成する工程と
を有することを特徴とするめっき基板の製造方法。 - 無電解めっき膜を形成する工程の後、この無電解めっき膜上に電解Cuめっき膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のめっき基板の製造方法。
- 無電解めっき膜を形成する工程及び電解Cuめっき膜を形成する工程時の少なくとも一方の工程時に、めっき液中に浸漬した基板を、めっき液の流動により揺動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のめっき基板の製造方法。
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