JP2768451B2 - セラミック電子部品用電極の形成方法 - Google Patents

セラミック電子部品用電極の形成方法

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JP2768451B2 JP2335924A JP33592490A JP2768451B2 JP 2768451 B2 JP2768451 B2 JP 2768451B2 JP 2335924 A JP2335924 A JP 2335924A JP 33592490 A JP33592490 A JP 33592490A JP 2768451 B2 JP2768451 B2 JP 2768451B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はセラミックコンデンサ及びマイクロ波素子な
どのセラミック電子部品用電極の形成方法に関するもの
である。
[従来の技術] 一般にセラミックコンデンサやマイクロ波素子などセ
ラミック電子部品用電極の形成はセラミック表面への無
電解メッキ法により銅、ニッケル等の金属をセラミック
表面に析出させ電極とする技術が広く用いられている。
従来のこの種の電極形成法について、セラミックスと
して代表的なものの1つであるチタン酸バリウムを例に
とって説明すると次の様である。
先ずチタン酸バリウムを主体とするセラミック基板を
アルカリで脱脂を行い、充分洗浄後フッ酸でその表面を
エッチングを行い粗面化を行う。その後エッチング液が
残存しないよう充分に洗浄を行った後、センシタイジン
グ(感受性化)処理とアクティベーティング(活性化)
処理の2段階の触媒付与工程を行い、水洗した後無電解
メッキ処理を施し、セラミック表面に金属を析出させ電
極としている。最初の触媒付与工程(センシタイジン
グ)では塩化錫/塩酸水溶液が、2段目の触媒付与工程
(アクティベーティング)では塩酸パラジウム/塩酸溶
液が使用される。この工程ではセラミック表面に存在し
ている2価の錫が酸化され4価の錫イオンとなると同時
に、2価のパラジウムイオンが還元を受けパラジウム金
属となって表面に吸着すると考えられている。
また、パラジウム金属が析出したセラミック表面での
無電解メッキによる銅、ニッケル、その他の金属の析出
状態、特にセラミック表面への密着強度はセラミックへ
の塩化錫付着状態により大きく左右される。従って、そ
の強度を上げるためセラミック表面をフッ酸等でエッチ
ング粗面化する必要性がある。この処理工程は電極の密
着強度を増大させると共に、製造されるコンデンサ、マ
イクロ波素子の電気的特性を均一化する働きを示し、こ
れら素子の生産工程には必要欠くべくからざるものとな
っている。
[発明が解決しようとする課題] セラミック基板への電極形成には、セラミック表面を
脱脂、粗面化処理を必要とする。この粗面化処理におい
て過剰な処理を行うとセラミック自体が脆くなり、また
セラミックが荒され過ぎると、その表面の孔内には処理
液が残存し、密着強度を低下させると共に析出させた電
極金属の腐食を発生させ製造する素子の信頼性に大きい
影響を持つ事から、これらの処理をする事なく密着強度
を増大させると共に電気的特性を安定化させる必要があ
った。またエッチングンには、危険なフッ酸による処理
が行われていた。本発明はこれらの処理を無くし、且つ
これら素子の電気的特性を従来と同等以上の素子を提供
し、電極金属の腐食による素子の特性劣化、信頼性の低
下の危惧のないセラミック電子部品の電極形成法を提供
しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するために次の構成を有する
ものである。
(1)誘電性セラミック材料と電極を備えて成るセラミ
ック電子部品の無電解メッキによる電極形成方法におい
て、セラミック材料表面に予め金属酸化物半導体を主体
とした層を有機金属化合物の熱電解法により形成して設
けた後、パラジウム触媒溶液中で化学的にパラジウムを
析出させ、然る後、無電解メッ液中で金属を析出させる
ことを特徴とするセラミック電子部品用電極の形成方
法。
(2)金属酸化物半導体を主体とした層が、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化タングステンから選ばれた少なくとも
1種を主体とした層である前記1項に記載のセラミック
部品用電極の形成方法。
(3)誘電性セラミック材料と電極を備えて成るセラミ
ック電子部品の無電解メッキによる電極形成方法におい
て、セラミック材料表面に予め金属酸化物半導体を主体
とした層を有機金属化合物の熱分解法により形成して設
けた後、パラジウム触媒溶液中で該金属酸化物半導体を
主体とした層の表面に光を照射する事により金属酸化物
半導体/パラジウム触媒溶液界面で光電器化学反応を起
こさせパラジウムを光照射部位に析出させ、然る後、無
電解メッキ液中で金属を析出させることを特徴とするセ
ラミック電子部品用電極の形成方法。
(4)金属酸化物半導体を主体とした層が、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化タングステンから選ばれた少なくとも
1種を主体とした層である前記4項に記載のセラミック
部品用電極の形成方法。
[作用] 本発明においては、セラミック材料の上にあらかじめ
酸化物半導体を主体とする層が有機金属化合物の熱分解
法により形成して設けられているので、この酸化物半導
体がいわゆるアクティベータと称されてるパラジウム触
媒溶液(例えば塩化パラジウム/塩酸水溶液)中に浸漬
されると半導体層が金属錯体となって溶解すると同時に
表面に形成される電子によって2価のパラジウムイオン
が還元を受けパラジウム金属となって析出する。その
後、無電解メッキ液中で金属を析出させ電極形成を行わ
せることが出来る。従って、こうした処理工程にはフッ
酸等強い腐食性溶液を使用することが無いため、セラミ
ックな微細孔にこれら酸が残存する危惧が無く、析出さ
れた金属が経時的に腐食すると言う現象が全く無いた
め、高い信頼性を有する電子部品が提供できる。しか
も、本発明においては、センシタイザとして形成する酸
化物半導体材料の形成に際し、有機金属化合物(例え
ば、酢酸亜鉛/エタノール溶液など)を用いることで、
セラミック表面への濡れが改良され、セラミック表面に
存在する微細な孔内に、これら有機金属化合物が挿入さ
れ、この基板を大気中で加熱酸化する事により多孔性セ
ラミック表面に酸化物半導体を主体とした層が形成され
る。この酸化物半導体を主体とした層の形成がセラミッ
ク表面の微細な孔内に形成が可能であることより、析出
する電極金属のセラミックへのアンカー効果を高めるこ
とができ、より密着性に優れた金属電極の形成が可能と
なる。
また、本発明の第3番目の発明においては、セラミッ
ク材料表面に予め金属酸化物半導体を主体とした層を有
機金属化合物の熱分解法により形成して設けた後、パラ
ジウム触媒溶液中で該金属酸化物半導体を主体とした層
の表面に光を照射する事により金属酸化物半導体/パラ
ジウム触媒溶液界面で光電気化学反応を起こさせパラジ
ウムを光照射部位に析出させ、然る後、無電解メッキ液
中で金属を析出させるので、光を照射した部位のみにパ
ラジウムが析出する。従って、電極のパターンを容易に
任意の形にすることが可能となる。
すなわち、セラミック表面に形成した酸化物半導体は
光感応性材料として働く。この半導体にはp型およびn
型半導体があり、該半導体にバンドギャップ以上の光を
照射すると、照射された光エネルギーは半導体内部でホ
ールとエレクトロンに分かれる(電荷分解)。アクティ
ベータ液中でこの反応を起こさせると、半導体界面で生
成したホールまたはエレクトロンにより、光電気化学酸
化反応あるいは還元反応をp型あるいはn型半導体表面
で起こさせることが出来る。この反応を利用することに
より、各種形状のパラジウム金属を析出させることが可
能となる。その結果各種タイプ形状の電極を形成するこ
とも可能となる。
例えば、n型半導体を用いた場合についてさらに詳細
に説明すると次のようである。
先ず、セラミック基板上に形成させた光半導体層例え
ばn型半導体である酸化亜鉛を有機金属化合物の熱分解
法により形成して形成した後、該基板をアクティベータ
溶液中(例えば硫酸パラジウム水溶液)で所望のパター
ンとなるよう光を照射すると、露光された半導体部位に
おいてホールとエレクトロンが発生(電荷分解)する。
ここで発生したホールにより、ほとんどの半導体自身の
酸化がおこり溶液中で溶け出す(光電気化学反応により
溶解する)、と同時に発生するエレクトロンにより、即
ち露光部にのみパラジウムイオンが還元され触媒が付着
した状態となる。しかる後、無電解メッキ溶液中で銅あ
るいはニッケル等の金属を析出させる事により容易に所
望の形状電極を形成する事が出来る。
しかも、本発明の第3の発明においても、センシタイ
ザとして形成する酸化物半導体材料の形成に際し、有機
金属化合物(例えば、酢酸亜鉛/エタノール溶液など)
を用いることで、セラミック表面への濡れが改良され、
セラミック表面に存在する微細な孔内に、これら有機金
属化合物が挿入され、この基板を大気中で加熱酸化する
事により多孔性セラミック表面に酸化物半導体を主体と
した層が形成される。この酸化物半導体を主体とした層
の形成がセラミック表面の微細な孔内形成が可能である
ことより、析出する電極金属のセラミックへのアンカー
効果を高めることができ、より密着性に優れた金属電極
の形成が可能となる。また、本発明の第2ないし第4の
発明においては、金属酸化物半導体を主体とした層が、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化タングステンから選ばれた
少なくとも1種を主体とした層であるので、アクティベ
ーティング処理においてパラジウムの析出が良好にな
る。
[実施例] 本発明方法において、セラミックス上に金属酸化物半
導体を主体とした層を形成する場合、金属酸化物半導体
として酸化亜鉛の場合を例にとって説明すると、例え
ば、ジメチル亜鉛とかジエチル亜鉛、その他の有機亜鉛
化合物を用いてCVD法などでセラミックス上へ酸化亜鉛
を形成してもよいし、特に好ましくは、有機亜鉛化合物
の液状物、すなわち、酢酸亜鉛のエタノール溶液、ジメ
チル亜鉛あるいはジエチル亜鉛のヘキサン溶液とか、あ
るいはまた、例えばジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの
液状の有機亜鉛化合物を用いてその中にセラミックスを
浸漬したり、セラミックス上にこれらの溶液あるいは液
状化合物などの液状物を塗布した後、加熱して分解させ
酸化亜鉛を形成させる手段とか、例えば、ジメチル亜
鉛、ジエチル亜鉛、その他の有機亜鉛化合物の蒸気中に
セラミックスを曝して付着させ加熱して酸化亜鉛を形成
させる方法は、酸化亜鉛を主体とする層がセラミックス
の微細孔中に少なくとも一部入り込んで形成されるの
で、その後に無電解メッキにより析出した金属電極層
は、アンカー効果が発揮され密着強度がより大きくなる
ので好ましい。
この場合の加熱温度は、用いる亜鉛化合物の種類によ
って異なり、100℃以下の低温でも酸化亜鉛層を形成で
きるものもあるが、一般には100℃以上にする方が、結
晶性の点からは有利である。
酸化亜鉛を主体とする層には、酸化亜鉛のみでなく、
他の金属の酸化物や他の亜鉛化合物ないしはその分解残
渣などが本発明の目的を阻害しない範囲で含まれていて
もよい。
金属酸化物半導体としては上述の酸化亜鉛に限らず、
各種のP型ないしはn型金属酸化物半導体が使用でき、
特に酸化亜鉛のほか、酸化チタンや酸化タングステンな
どが好ましい。
酸化チタンや酸化タングステンなどの金属酸化物半導
体を主体とした層を有機金属化合物の熱分解法により形
成する場合には、例えば、テトラエトキシチタン、テト
ライソプロポキシチタンなど低級アルコキシチタン類
や、ペンタエトキシタングステン、その他、それ自体常
温で液体の化合物とか、通常で固体であっても適宜の溶
媒を用いて溶液の形にして使用でき、加熱分解で酸化物
が形成できるものであれば、特にこれらに限定されな
い。
また、炭酸亜鉛のアンモニア水溶液とか、四塩化チタ
ンの加水分解物とか、WBr,WClの水溶液とかの無機溶液
も使用できる。
パラジウム触媒溶液としては、従来無電解メッキのア
クティベータとして用いられているパラジウム触媒溶液
であれば何でもよく、代表的には塩化パラジウムの水溶
液とか、硫酸パラジウムの水溶液等が挙げられる。
パラジウム触媒溶液中で該金属酸化物半導体を主体と
した層の表面に光を照射する事により金属酸化物半導体
/パラジウム触媒溶液界面で光電気化学反応を起こさせ
パラジウムを光照射部位に析出させる場合に用いる光源
としては、通常、形成されている酸化物半導体のバンド
ギャップエネルギー以上の光を発生する光源であればな
んでもよく、代表的にはキセノンランプや水銀ランプ等
があげられる。
本発明で用いる誘電性セラミック材料としては、各種
電子部品で使用される誘電性セラミック材料であれば特
に限定は無く、例えば低誘電率材料としては(Mg1-xC
ax)TiO3を主成分としPd,Mn,Ni等を添加したもの、比誘
電率40付近の材料としてはBaO−TiO2や、BaZn1/3Ta2/3O
3などで代表されるBa(Zn,Ta)O3系化合物などの複合ペ
ロブスカイト型酸化物など、また比誘電率70〜90の材料
としては希土類酸化物を含むBaO・TiO2の3成分系の酸
化物などが代表的な例である。特にコンデンサやマイク
ロ波素子の中ではチタン酸バリウム用いたものが好まし
い。
また、本発明で用いるセラミックスの形状は特に限定
はなく、電子部品に応じた種々の形の成型品が用いられ
る。
また、無電解メッキ層上に更に必要に応じて電気メッ
キ金属層など適宜、他の層を設けてもよい。
以下、本発明について具体的な実施例をもとに、更に
詳細に説明する。
実施例1 第1図は、本発明の一実施例によるセラミックスコン
デンサ素子の形成工程概略図である。第1図(a)中、
1はチタン酸バリウムを主体として成る厚さ約1mm、直
径10mmφのセラミック基板である。この基板を0.05モル
酢酸亜鉛/エタノール溶液に浸漬後、280℃で加熱酸化
処理を行い、第1図(b)に示したごとく、その表面に
酸化亜鉛を主体とした酸化物半導体層2を設けた(ここ
では、酢酸亜鉛は完全に熱分解を行わせ酸化亜鉛として
も、また、150℃の比較的低い温度で加熱処理を行い未
反応状態の亜鉛としても、次の工程であるパラジウム置
換処理は可能である。) 続いて、酸化亜鉛を主体として形成したセラミック基
板を5×10-4モル塩化パラジウム/塩酸水溶液よりなる
アクティベータ溶液中に浸漬し、酸化亜鉛を主体とした
層2を第1図(c)に示したごとく、パラジウム金属3
に置換させた。
このようにしてパラジウム置換したセラミック基板を
無電解メッキ液(奥野製薬工業製、商品名“OPCカッパ
ーT")中に浸漬し、第1図(d)に示すごとく、その表
面に金属銅を化学的に析出させたのち、ピロ燐酸銅を主
体とした電気メッキ液中で電解により銅金属4を更に厚
く析出させた。その後、セラミック基板の端面を切削研
磨することにより、一対の銅電極の中間にセラミックを
サンドイッチ状としたセラミックコンデンサ素子を作成
した。
この電極のセラミック基板への密着強度を調べたとこ
ろ、10mm2当り20kgの引っ張り強度を示すことが判っ
た。
比較のために、従来の作製法により形成した電極の密
着強度は15kgの値を示し、さらにフッ酸によりセラミッ
ク表面を疎面化しないで塩化錫をつけパラジウム置換し
銅電極を形成したものでは0〜1kgの引っ張り強度しか
持たない事が判明した。
電気特性を調べるために作成したコンデンサを第1図
(e)に示した。銅金属4の電極にスズメッキ引き導線
5、6を半田合金により接合した後、熱硬化型エポキシ
樹脂7を用い全体を封止しコンデンサとした。上記比較
例についても同様にしてコンデンサを作成した。
このコンデンサの重要な電気特性として知られている
tanδ(誘電正接)およびその静電容量について調べた
結果、25℃、周波数1kHzにおけるtanδはそれぞれ0.5
1、0.85、1.1となり、また静電容量はそれぞれ239、23
5、237とほぼ一定であり、特に本発明の電極形成法を用
いたコンデンサが最も優れた特性(tanδ)を示す事が
判明した。
実施例2 光電気化学手法を用い電極形成したセラミックコンデ
ンサについて第2図、第3図を参照しながら詳細に説明
する。
第2図は光電気化学手法を用い酸化亜鉛を主体とする
層をパラジウムで置換する際に用いた光電気化学反応セ
ルの主要部で、第2図(a)が水平方向断面図であり、
第2図(b)が正面図である。8,9がホトマスク、10が
パラジウム触媒溶液(アクティベータ)である硫酸パラ
ジウム溶液、11が透明溶器、12が紫外光である。第3図
はさらに引き続いて作成されるセラミックスコンデンサ
素子の形成工程概略図であり、第3図(a)がセラミッ
ク基板1上にパラジウム金属3からなる金属触媒が析出
した段階の断面図、第3図(b)が更にその上に金属銅
4の電極が形成された状態の断面図である。
実施例1にて用いたチタン酸バリウムを主体とする基
板1を用い、この基板1を酢酸亜鉛エタノール溶液(0.
05mol/dm3)中に浸漬し、大気中で400℃に加熱し、酢酸
亜鉛を分解させn型光半導体である酸化亜鉛層2をその
表面に形成させた。
つづいて所望の電極形状のホスマスク2枚8、9を用
い、第2図のようにPd触媒溶液(硫酸パラジウム溶液)
10中で酸化亜鉛を形成したセラミック基板に紫外線ラン
プ(図示せず)によりセラミック基板両側の面に紫外光
12を照射した。その結果、光照射部のみの亜鉛が溶出し
て無くなり、第3図(a)のように露光部にのみPd金属
3が付着した形態となる。
つづいて、無電解銅メッキ溶液中に該基板を浸漬さ
せ、第3図(b)に示されるごとく、銅を所望の電極形
状とするパターンに析出させ、実施例1と同様に電気メ
ッキ液中で電解により銅金属4を更に厚く析出させた。
こうして得たセラミックコンデンサについて実施例1
と同様電極の密着強度試験及び電気特性について調べた
結果、実施例1と殆ど変わらない特性を示し本発明によ
る電極形成方法を用いたコンデンサが優れた特性を示す
ことが判明した。
実施例3 実施例2で用いた酸化物半導体(酸化亜鉛)に変えて
n型半導体である酸化タングステンを用いた以外実施例
2と同様にしてセラミックコンデンサを形成した。
先ず、実施例2で使用したセラミック基板をペロキソ
ポリタングステン酸溶液中に浸漬し、該基板を大気下18
0℃のもので加熱しn型光半導体である酸化タングステ
ン層をその表面に形成させた。
次に、所望の電極形状を持つホトマスクを用い第2図
のようにパラジウム触媒中で酸化タングステンを形成し
たセラミック基板に紫外線ランプにより紫外光を照射し
た。その結果、光照射部のタングステンのみが溶出して
なくなり、未露光部にのみPdが付着した形態となった。
つづいて、無電解銅メッキ溶液中に該基板を浸漬させ銅
をパターン状に析出させ、更に電解メッキで銅金属を更
に厚く析出させた。これらのセラミックコンデンサにつ
いて実施例1と同様に各種性能試験を行った結果、実施
例2と同様の結果を示した。
実施例4 本実施例では酸化物半導体としてn型半導体である酸
化チタンを用い、導電性電極として銅金属を用いてコン
デンサを形成した。
先ず、実施例1、2、3と同様のセラミック基板を用
い該基板を50%チタンテトライソプロポキシド/イソプ
ロピルアルコール溶液中に浸漬した後、蒸留水中に浸漬
させた後、450℃で焼成しn型光半導体である酸化チタ
ン層をその表面に形成させた。
該基板に実施例3で使用したホトマスクを用いパラジ
ウム触媒中で紫外光線を照射する事により、紫外光が照
射されている部位にのみ金属パラジウムが析出した。こ
の際、酸化チタンの溶出はなく、パラジウムは酸化チタ
ンの上に析出が見られた。この後、実施例1から3と同
様金属銅を無電解メッキ法さらに電解メッキ法で形成し
セラミックコンデンサを作成した。
得られたコンデンサの特性を調べた結果、実施例2と
同様の結果を得た。
実施例5 実施例1から4ではセラミックコンデンサの例を示し
たが、本実施例ではマイクロ波用誘電体共振器の作成に
ついて示す。
まずマイクロ波用誘電体共振器に使用したセラミック
材料としてMgTiO3−CaTiO3系の誘電率25のものを使用
し、第4図に示した構造の物を用いた。第4図はマイク
ロ波用誘電体共振器に使用したセラミック材料の斜視図
である。このセラミック表面の21、22、23面に実施例1
記載の無電解メッキ法により銅を析出させ、更に銅を電
気メッキ法により厚く析出させた。この際、端面24は銅
を析出させた後、その表面を切削研磨し銅を除き、チュ
ーニングを行いフィルタとなるように共振器を組み立て
た。こうして組み立てた共振器のQ値は975という高い
値を示した。銅電極のセラミックにたいする密着強度は
2.5kg/mm2の値を示した。
本発明の効果を確認するため、従来の電極形成による
確認実験を行った。
先ず、本実施例で用いた共振器用セラミック材料をア
ルカリ(10%NaOH溶液)脱脂を行い、次に、フッ酸溶液
(HF−HNO3混合溶液)でセラミック表面を粗面化した
後、充分水洗後、塩化第1錫溶液(SnCl2・2H2O 40gr
にHCl 70mlを加え1lの水で希釈したもの)中に浸漬し
シンセタイジング処理を行った後、塩化パラジウム溶液
(300mg/l塩化パラジウム水溶液を塩酸にてpH5に調整)
中に1分間浸漬し、次いで10%ホルマリン溶液中に浸漬
しパラジウムを還元、活性化した後、実施例1にて用い
た無電解メッキ液にて銅を析出させた後、ピロリン酸銅
液で銅を電気メッキ法にてさらに析出させ電極を形成し
た後、共振器を組み立てた。
この共振器のQ値は860の値を示した。また電極の密着
強度は約1.25kg/mm2を示した。以上の結果、本発明によ
り形成した電極は共振器用電極として優れた性能を示す
事が判明した。尚、上記各実施例で用いた光感応性材料
としてはn型のものを用いたがp型を用いたても、基本
的には同様に利用できるものであり、本発明の範疇に属
することはいうまでもない。
また、上記各実施例ではセラミック上にメッキする金
属として銅を用いたが、ニッケル、銀、コバルトなど必
要に応じて他のメッキ可能な金属を用いてもよい。
以上の各実施例から分かるように、セラミック表面に
酸化物半導体をセンシタイジング層として用い、パラジ
ウムを析出させ無電解メッキにより金属電極を形成させ
たセラミックコンデンサ及びマイクロ波用誘電体共振器
は極めて優れた電気性能を示す事が判明した。
更に、本発明ではセラミックコンデンサならびにマイ
クロ波用誘電体共振器について述べたが、その電気的特
性、密着強度より、これら素子に限らず高周波用回路基
板、マイクロ波集積回路用素子などセラミック電子部品
一般に等しく適用出来る。
[発明の効果] 本発明においては、セラミック材料の上にあらかじめ
酸化物半導体を主体とする層が有機金属化合物の熱分解
法により設けられているので、フッ酸等強い腐食性溶液
を使用する粗面化処理などの前処理を必要としない。そ
のため、形成された電極が経時的に腐食する恐れがな
く、信頼性高い電子部品が得られる。しかも酸化物半導
体を主体とする層が有機金属化合物の熱分解法により設
けられているので析出する電極金属のセラミックへのア
ンカー効果を高めることができ、より密着性に優れた電
極を形成することができる。
また、本発明の第3番目の発明においては、電極のパ
ターンを容易に任意の形にすることが可能となる。
また、本発明の第2ないし第4の発明においては、金
属酸化物半導体を主体とした層が、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化タングステンから選ばれた少なくとも1種を主
体とした層であるので、アクティベーティングでのパラ
ジウムの析出が良好になる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例によるセラミックコンデンサ
の形成工程概略図であり、第1図(a)はセラミック基
板の断面図、第1図(b)は酸化物半導体を主体とする
層が設けられた状態のセラミック基板の断面図、第1図
(c)はパラジウム金属が析出した状態のセラミック基
板の断面図、第1図(d)は、第1図(c)のパラジウ
ム金属の上に銅金属が形成された状態の断面図、第1図
(e)はコンデンサの断面図、第2図は光電気化学反応
セルの概略図であり、第2図(a)が水平方向断面図、
第2図(b)が正面図、第3図は本発明の別の実施例に
よるセラミックコンデンサ形成工程概略図であり、第3
図(a)がパラジウムが析出した状態のセラミックス基
板の断面図、第3図(b)は、第3図(a)のパラジウ
ムの上に銅金属が形成された状態の断面図、第4図は本
発明の一実施例によるマイクロ波用誘電体共振器に使用
したセラミック材料の斜視図である。 1……セラミック基板、2……酸化物半導体、3……パ
ラジウム金属、4……銅金属、5、6……スズメッキ引
き導線、7……熱硬化型エポキシ樹脂、8、9……ホト
マスク、10……パラジウム触媒溶液、11……透明容器、
12……紫外光、21、22、23……セラミック表面、24……
端面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 18/31 C23C 18/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電性セラミック材料と電極を備えて成る
    セラミック電子部品の無電解メッキによる電極形成方法
    において、セラミック材料表面に予め金属酸化物半導体
    を主体とした層を有機金属化合物の熱分解法により形成
    して設けた後、パラジウム触媒溶液中で化学的にパラジ
    ウムを析出させ、然る後、無電解メッキ液中で金属を析
    出させることを特徴とするセラミック電子部品用電極の
    形成方法。
  2. 【請求項2】金属酸化物半導体を主体とした層が、酸化
    亜鉛、酸化チタン、酸化タングステンから選ばれた少な
    くとも1種を主体とした層である請求項1記載のセラミ
    ック部品用電極の形成方法。 形成方法。
  3. 【請求項3】誘電性セラミック材料と電極を備えて成る
    セラミック電子部品の無電解メッキによる電極形成方法
    において、セラミック材料表面に予め金属酸化物半導体
    を主体とした層を有機金属化合物の熱分解法により形成
    して設けた後、パラジウム触媒溶液中で該金属酸化物半
    導体を主体とした層の表面に光を照射する事により金属
    酸化物半導体/パラジウム触媒溶液界面で光電気化学反
    応を起こさせパラジウムを光照射部位に析出させ、然る
    後、無電解メッキ液中で金属を析出させることを特徴と
    するセラミック電子部品用電極の形成方法。
  4. 【請求項4】金属酸化物半導体を主体とした層が、酸化
    亜鉛、酸化チタン、酸化タングステンから選ばれた少な
    くとも1種を主体とした層である請求項4記載のセラミ
    ック部品用電極の形成方法。
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