JPH05101973A - セラミツクスへの電極形成方法 - Google Patents

セラミツクスへの電極形成方法

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JPH05101973A
JPH05101973A JP3245599A JP24559991A JPH05101973A JP H05101973 A JPH05101973 A JP H05101973A JP 3245599 A JP3245599 A JP 3245599A JP 24559991 A JP24559991 A JP 24559991A JP H05101973 A JPH05101973 A JP H05101973A
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JP
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ceramic
electrode
organic metal
metal
substrate
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JP3245599A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Izumi
泰博 泉
Kazunori Takada
和典 高田
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Hiromitsu Tagi
宏光 多木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極端面の剥離の恐れがある電極を取り除く
研磨工程なしにセラミックス電子部品の電極を所望の形
状に形成する。 【構成】 セラミックス表面に有機金属層を形成し、そ
の後に非酸化雰囲気で熱処理を行い、然る後、形成した
有機金属層の一部を溶解させた後、活性化処理工程、金
属層の析出よりなる無電解鍍金を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体共振器、セラミ
ックスコンデンサ等の基体として用いられるセラミック
スへの電極形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミックスを用いたプリント基
板あるいはセラミックスコンデンサや誘電体共振器素子
などの電子部品に所望の形状に電極を形成するには、従
来よりセラミックス上に所望とする形状に硝子フリット
の入った銀ペーストをスクリ−ン印刷法で塗布し、然る
後、該基板を加熱処理する事で、導電性銀を焼き付ける
という工法が用いられてきた。
【0003】これに対し近年、セラミックスへの導電性
電極を形成させる方法として無電解鍍金法により銀、
銅、ニッケル等の金属をセラミックス表面に析出させる
方法が用いられるようになってきた。この電極形成法に
ついて、チタン酸バリウム系からなるセラミックス基板
への電極形成法を例にとり、以下に詳細に述べる。
【0004】先ずチタン酸バリウムを主体とするセラミ
ックス基板をアルカリにより脱脂を行い、該基板を充分
洗浄後、フッ酸でその表面をエッチング処理する事によ
りセラミックス表面の粗面化を行う。その後、エッチン
グ液がセラミックス表面に存在する多孔内にフッ酸が残
存しないよう充分に洗浄を行った後、塩化錫によりセン
シタイジング(感受性化)処理を行い、続いて、塩化パ
ラジウムによりセラミックス表面のアクティベーティン
グ(活性化)処理を行い、触媒を付着させる。この後、
水洗し、無電解鍍金液中に該セラミックス基板を浸漬さ
せ、金属を析出させ電極としている。
【0005】こうして作成した電極は当然、セラミック
スの全面に形成されるものとなる。ここで、所望とする
電極形状に金属を析出させるには、スクリ−ン印刷法に
よりペイントなどの樹脂をセラミックス表面に印刷する
か、あるいはホトレジストを使用しセラミックス基板に
所望のパタ−ンとなるよう予め形成し、前述の無電解鍍
金により金属を全面に析出させた後、樹脂をアセトン、
トルエンなど樹脂を溶解させ得る適当な有機溶媒中に浸
漬させ、樹脂上に析出した金属をリフトオフさせること
により所望のパタ−ン形状の電極を作成している。
【0006】また別な方法として、セラミックスの全面
に電極を形成した後、上記手法により樹脂をパタ−ン状
に電極表面に形成した後、金属エチング液に、これら基
板を浸漬させ電極をエッチングした後、適当な有機溶媒
中で樹脂を溶解させ、パタ−ン状の電極を形成してい
る。このような樹脂をパタ−ン状に残し電極を形成する
方法は、実際プリント基板の作成に際して広く応用され
ている。
【0007】また別な方法としてはセラミックスの全面
に電極を形成した後、電極として必要な部分を残すよう
に機械的切削し、所望の形状の電極としている。この方
法はセラミックスコンデンサの電極形成において、ある
いはセラミックス空洞共振器の電極作成に用いられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の方法ではコンデンサ、空洞共振器などの電極形成にお
いては、先ずセラミックス表面を危険なフッ酸により粗
面化を行い、無電解鍍金法により電極をセラミックス表
面に一様に形成した後、所望の形状の電極となるようそ
の一部を切削し電極を取り除く必要があった。
【0009】またこの電極を切削し削除する際に、機械
的な衝撃のために電極端面がセラミックスから剥離する
恐れがあった。空洞共振器の場合、このような電極端面
の剥離は共振器の長さを変化させてしまい所望の共振周
波数が得られないばかりか、共振器の長さがその接線方
向で一様とならないためそのフィルター特性が悪くなる
といった課題を有していた。また、セラミックスコンデ
ンサの場合には電極端面の剥離が電極面積の変化を引き
起こすため、その容量等にばらつきが生じるといった課
題を有していた。
【0010】さらにこうして作成したセラミックス電子
部品に共通した問題として、セラミックスの粗面化の際
に用いられるフッ酸に関し、水洗では完全に除去する事
は困難であり、若干の微量のフッ酸がセラミックスの多
孔内に残存する事がある。この残存フッ酸は作成したセ
ラミックス電子部品の電極金属を腐食させるものとな
り、セラミックス電子部品の電気的特性について経時的
な変化をもたらすものとなる。
【0011】以上のことから、電子部品用セラミックス
へ所望の形状の電極を形成するには、フッ酸などの危険
な溶媒でセラミックス表面を粗面化せずに電極を形成
し、かつ形成した電極のセラミックスへの密着強度を向
上させる必要があった。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するも
ので電極を取り除く工程をなくし、部品の品質特性を等
の劣化を防止する事ができるセラミックスへの電極形成
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、予めセラミックス表面に有機金属を塗布し、その後
に非酸化雰囲気で熱処理を行い、セラミックス表面に有
機金属を主体とする層を形成後、塩化パラジウムあるい
は塩化白金酸などの触媒溶液中で活性化処理を行い無電
解鍍金を行う。ここで、所望の形状の電極を得る為に
は、セラミックス表面に形成された有機金属層を必要な
電極形状となるよう予め溶解除去した後、触媒により活
性化処理を行い無電解鍍金法により電極を形成する。
【0014】ここで、有機金属の熱処理温度としては1
00℃〜600℃の温度範囲が好ましく、さらに、前記
有機金属として金属アルコキシドあるいは金属アセテー
トの単独あるいはこれらの混合物を用いる。
【0015】また、前記非酸化雰囲気として少なくとも
Ar、He、N2より選ばれる1種類以上のガス雰囲気
が用いられる。
【0016】
【作用】この構成により無電解鍍金を行う前に、予めセ
ラミックス表面に有機金属を塗布し、非酸化雰囲気中で
熱処理することで、塩化パラジウムあるいは塩化白金酸
等の活性化処理(アクティベ−ティング)において、こ
れら溶液の濡れ性が改良され、セラミックス表面に存在
する細孔内部に触媒を析出させる事が可能となる。その
結果、無電解鍍金によって析出した金属はセラミックス
の微細孔内から析出する状態となり、セラミックスへ強
いアンカー効果を持つこととなる。従って、従来、必須
工程であったセラミックス表面の粗面化処理工程を省略
させると共に形成した電極のセラミックスへの密着強度
を優れたものとする事が出来る。
【0017】ここで、有機金属の加熱処理を非酸化雰囲
気中で行うと、セラミックス表面の有機金属層は金属酸
化物とはならなず、有機金属を主体とする層が形成され
た状態となる。該金属層は塩化パラジウム等の触媒溶液
中に浸漬すると、パラジウムイオンを容易に還元し、そ
の表面で有機金属層と触媒を容易に置換させる事が出来
る。即ち、従来の無電解鍍金法に於いて必要とされてい
た塩化錫によるセンシタイジング工程を省くことができ
る。
【0018】また、前記有機金属として金属アルコキシ
ドあるいは金属アセテートあるいはこれらの混合物を用
いることにより容易にセラミックス表面に塗布でき
る。。
【0019】さらにセラミックス表面から有機金属層を
溶解し取り除いた部分は感受化が行われていない状態と
なっているため、その後に行う塩化パラジウムなどによ
る活性化処理工程において触媒金属の析出は有機金属層
の存在する部分にのみ行われる。その結果、無電解鍍金
工程において析出する金属電極は所望とする形状の電極
とする事が可能となる。
【0020】また、セラミックス表面に形成される有機
金属として、その金属が加水分解した際に前記金属の酸
性酸化物を生じる場合、除去溶媒としては塩基性溶液が
好ましく用いられる。
【0021】また、前記有機金属が加水分解した際に前
記金属の塩基性酸化物を生じる場合には、酸性溶液によ
り溶解工程を行うことで、除去溶媒としては酸性溶液が
好ましく用いられる。
【0022】また、前記有機金属が加水分解した際に前
記金属の両性酸化物を生じる場合には、除去溶媒として
酸性溶液または塩基性溶液が好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて詳細に
説明する。
【0024】(実施例1)BaTi49系の誘電体基板
を用いたセラミックスコンデンサの電極形成を例にとっ
て以下に詳細に述べる。
【0025】図1(a)(b)(c)は本発明の一実施
例におけるセラミックスへの電極形成方法をセラミック
スへの電極形成を例にとって説明した側面図である。図
1(a)において1はBaTi49系の誘電体基板で厚
さ約1mm、直径10mmのディスク状の基板である。
この基板1を1mol/lの酢酸亜鉛(Zn(CH3
OO)2・2H2O)のエタノール溶液に浸漬による塗布
後、非酸化雰囲気としてArガス雰囲気中で400℃で
10分間加熱処理を行い、図1(b)に示すように表面
に酢酸亜鉛を主体とした有機金属層2を形成する。
【0026】その後、基板1の周囲の端面3をシュウ酸
の1mol/l水溶液に浸漬し、酢酸亜鉛を主体とした
層の一部を取り除き、続いて、基板1を塩化パラジウム
溶液(300mg/l塩化パラジウム水溶液を塩酸にて
pH5に調整)中に1分間浸漬した後、基板1を無電解
鍍金液中に浸漬し、その表面に金属銅を化学的に析出さ
せた。ここで、用いた無電解鍍金液は、硝酸銅29g/
l、ロッセル塩40g/l、カ性ソーダ40g/l、ホ
ルムアルデヒド166g/lとし、pH=11.5とな
るよう調整したものを用いた。この無電解鍍金の後、図
1(c)に示すようにピロ燐酸銅を主体とした電気鍍金
液中で電解により銅金属を更に厚く析出させ金属銅電極
4を形成した。その後にそれぞれの電極に錫鍍金引き導
線を半田合金により接合し、セラミックス部位全体を熱
硬化型エポキシ樹脂を用いて封止しセラミックスコンデ
ンサとした。
【0027】この様にして形成した金属銅の電極のセラ
ミックスへの密着強度を調べた結果、9mm2当り24
kgの引っ張り強度を示すことが判った。
【0028】一方、比較例として、上記で用いたものと
同じBaTi49系の誘電体基板を用い、従来の無電解
無電解法でその表面に金属銅の電極を形成したコンデン
サを作成した。以下にその電極形成方法を説明する。
【0029】先ず、BaTi49系誘電体基板をアルカ
リ(10%NaOH溶液)脱脂を行い、次に、フッ酸溶
液(HF−HNO3混合溶液)でセラミックス表面を粗
面化した。その後、塩化錫によるシンセタイジング処理
を行い、更に塩化パラジウムによりアクティベーティン
グ処理を行った後、無電解鍍金法によりその表面に金属
銅を化学的に析出させた。次に、ピロ燐酸銅を主体とし
た電気鍍金液中で電解により銅金属を更に厚く析出させ
金属銅電極を形成した。その後、セラミックス基板の端
面を機械的に研磨し、セラミックス端面に析出していた
電極を削除し、セラミックスを中間に介在させた形状の
一対の銅電極を備えた素子を形成した。次に、それぞれ
の電極に錫鍍金引き導線を半田合金により接合し、セラ
ミックス部位全体を熱硬化型エポキシ樹脂を用いて封止
しセラミックスコンデンサとした。 此の様にして形成
した金属銅の電極とセラミックスへの密着強度は、6k
gの値を示した。
【0030】以上作成したコンデンサについて、重要な
電気特性として知られているtanδ(誘電正接)およ
びその静電容量について調べた。その結果、25℃、周
波数1kHzにおけるtanδは本発明による実施例と
比較例によるコンデンサについて、各々、1.0、1.
2となり、また静電容量は235、237とほぼ一定の
値を示した。
【0031】また、粗面化処理の残留処理液による金属
腐食を調べるため、本実施例による方法で作成したセラ
ミックスコンデンサ、および粗面化処理を必要とする従
来の方法により作成したコンデンサについて、各々10
0個を、80℃相対湿度90%で500時間の保存試験
を行った。
【0032】その結果、本実施例によるものについて
は、ほとんど電気的特性の劣化がみられなかったのに対
し、比較例によるものは26個に特性の劣化が見られ
た。この劣化原因を調べるため、試験後のコンデンサを
分解し、不良解析を行ったところ金属銅電極に明らかな
セラミックス側からの腐食の進行がみられた。
【0033】以上のことより本発明は、電極形成に於い
てセラミックス表面の粗面化処理を無くし、且つ、この
方法により作成した素子の電気的特性あるいは機会的密
着強度を従来以上のものとし、さらにセラミックスに存
在する孔内に粗面化処理の際に使われるフッ酸などの処
理液が残留する事が皆無となり、この残留酸による金属
電極の腐食による素子の電気的特性劣化の危惧のないセ
ラミックスコンデンサが得られることが判った。
【0034】更に、従来の方法ではセラミックスの周囲
にも電極が形成されるため、その周囲に存在する電極を
取り除く必要があったが、本発明ではその切削工程を必
要としないでセラミックスコンデンサが構成できること
が判った。 (実施例2)セラミックスとしてNb2Ti27系の誘
電体系の基板を用いた以外は実施例1と同様の方法でセ
ラミックスコンデンサを構成し、その特性を評価した。
【0035】また、比較のために実施例1中の比較例と
同様に基板表面をエッチング処理により粗面化したセラ
ミックスコンデンサを構成した。その結果、これらのセ
ラミックスコンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特
性を示した。 (実施例3)実施例1にて用いた有機金属層を溶解させ
るために用いたシュウ酸に代えて本実施例では酸性溶液
(酢酸の2mol/l水溶液)を用いた以外は実施例1
と同様の方法でセラミックスコンデンサを構成し、その
特性を評価した。その結果、本実施例によるセラミック
スコンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特性を示し
た。 (実施例4)実施例1にて用いた有機金属層を溶解させ
るために用いたシュウ酸に代えて本実施例では塩基性溶
液(水酸化ナトリウムの0.1mol/l水溶液)を用
いた以外は実施例1と同様の方法でセラミックスコンデ
ンサを構成し、その特性を評価した。その結果、本実施
例によるセラミックスコンデンサは実施例1とほぼ同等
の電気的特性を示した。 (実施例5)実施例1ではセラミックス表面に形成した
有機金属層として酢酸亜鉛を用いたが、本実施例ではこ
の酢酸亜鉛を酢酸錫(加水分解した際に両性酸化物を生
じる有機金属)を用いた以外は実施例1と同様の方法で
セラミックスコンデンサを構成し、その特性を評価し
た。
【0036】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特性を示した。 (実施例6)実施例1にて用いた有機金属層を溶解させ
るために用いたシュウ酸に代えて本実施例では塩基性溶
液(水酸化ナトリウムの0.1mol/l水溶液)を用
いた以外は実施例5と同様の方法でセラミックスコンデ
ンサを構成し、その特性を評価した。
【0037】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特性を示した。 (実施例7)実施例1ではセラミックス表面に形成した
有機金属層として酢酸亜鉛を用いたが、本実施例ではこ
の酢酸亜鉛をテトラ−i−プロポキシチタン(加水分解
した際、酸性酸化物(TiO2)を生じる有機金属)を
用い、Arガス中での加熱温度を600℃とした以外は
実施例4と同様の方法でセラミックスコンデンサを構成
し、その特性を評価した。
【0038】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特性を示した。 (実施例8)実施例2と同様のNb2Ti27系の誘電
体系の基板を用い、かつセラミックス表面に形成する有
機金属層として酢酸マグネジウム(Mg(CH3CO
O)2)(加水分解した際に塩基性酸化物)を用いた以
外は実施例1と同様の方法でセラミックスコンデンサを
構成し、その特性を評価した。
【0039】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例2とほぼ同等の電気的特性を示した。 (実施例9)実施例1においてセラミックス表面に有機
金属層を形成させる加熱処理雰囲気として行ったAr雰
囲気をN2雰囲気に代えて行った以外は実施例1と同様
の方法で、セラミックスコンデンサを構成しその特性を
評価した。
【0040】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例1とほぼ同等の電気的特性を示した。 (実施例10)実施例1においてセラミックス表面に有
機金属層を形成させる加熱処理雰囲気として行ったAr
雰囲気を3%CO(Ar希釈)雰囲気に代えて行った以
外は実施例1と同様の方法で、セラミックスコンデンサ
を構成しその特性を評価した。
【0041】その結果、本実施例によるセラミックスコ
ンデンサは実施例1中の比較例とほぼ同等の電気的特性
を示した。 (実施例11)実施例1では銅を電極として用いたが、
本実施例では銅電極を銀電極に代えた以外は全く同様に
してセラミックスコンデンサを構成した。
【0042】ここで電極形成のために用いた無電解銀鍍
金浴としては、シアン化銀2g/l、シアン化カリウム
0.2g/l、次亜燐酸ナトリウム10g/lのものを
用いた。また電解鍍金のための銀鍍金液としては、金属
銀30g/l,遊離シアン化カリウム100g/l,炭
酸カリウム20g/lの鍍金浴を用いた。
【0043】得られたセラミックスコンデンサの特性は
実施例1と同様の方法で評価した。その結果、本実施例
によるセラミックスコンデンサは実施例1とほぼ同等の
電気的特性を示した。 (実施例12)セラミックス材料としてMgTiO3
CaTiO3系の誘電率25のものを用いたマイクロ波
用誘電体共振器の電極形成を本発明の方法で行った。そ
の構造を図2に示した。このセラミックス表面の5、
6、7、8面に実施例1と同様の方法で有機金属層(酢
酸亜鉛)を塗布し、非酸化雰囲気(Ar)中で400℃
で10分間加熱処理した。続いて、端面に相当する面8
をシュウ酸(1mol/l水溶液)に浸漬し、酢酸亜鉛
を主体とした層の一部をセラミックス表面から取り除い
た。その後、実施例1と同様にして、無電解鍍金法によ
り金属銅を形成し、さらに電解鍍金法により銅を厚付け
し電極を形成した。こうして組み立てた共振器の電気的
特性を測定した結果、そのQ値は386(f0=930
MHz)という高い値を示した。
【0044】本実施例の効果を確認するため、従来の電
極形成による比較実験を行った。先ず、ここで用いた誘
電体基板の脱脂および粗面化をアルカリ洗浄液、フッ酸
を用い行った後、塩化錫によりセンシタイジング処理、
塩化パラジウムによりアクティベーティング処理を行
い、更に無電解鍍金法によりその表面に金属銅を化学的
に析出させた。その後、電解鍍金液中で電解により金属
銅を更に厚く析出させ金属銅の電極層を形成した。こう
して作成したセラミックスの表面は銅金属で全体が覆わ
れている状態であるため、次にセラミックスの面8に析
出している銅金属を機械的に研磨削除した。こうして作
成した共振器の電気的特性を測定した結果、Q値は32
1の値を示した。
【0045】また、粗面化処理の残留処理液による金属
腐食を調べるため、本実施例による方法で作成した誘電
体共振器、および粗面化処理を必要とする従来の方法に
より作成した誘電体共振器について、各々100個を、
80℃相対湿度90%で500時間の保存試験を行っ
た。
【0046】その結果、本発明によるものについては、
ほとんど電気的特性の劣化がみられなかったのに対し、
従来の方法によるものは25個に特性の劣化が見られ
た。この劣化原因を調べるため、試験後の素子を分解
し、不良解析を行ったところ金属銅電極に明らかなセラ
ミックス側からの腐食の進行がみられた。
【0047】以上のことより本発明は、電極形成に於い
てセラミックス表面の粗面化処理を無くし、且つ、個の
方法により作成した素子の電気的特性を従来以上のもの
とし、さらにセラミックスに存在する孔内に粗面化処理
の際に使われるフッ酸などの処理液が残留する事が皆無
となり、この残留酸による金属電極の腐食による素子の
電気的特性劣化の危惧のない誘電体共振器が得られるこ
とが判った。 (実施例13)実施例12においてセラミックス表面に
形成した酢酸亜鉛を酢酸錫に代えた以外実施例12と同
様の方法で誘電体共振器を構成した。その結果、得られ
た素子の電気的特性は実施例12とほぼ同等の特性を示
した。 (実施例14)実施例12においてセラミックス表面に
形成した酢酸亜鉛をテトラ−i−プロポキシチタンに代
えた以外実施例12と同様の方法で誘電体共振器を構成
した。テトラ−i−プロポキシチタン層の形成は実施例
7の方法を用いた。その結果、得られた素子の電気的特
性は実施例12とほぼ同等の特性を示した。 (実施例15)実施例12では銅を電極として用いた
が、本実施例では銅電極を銀電極に代えた以外は実施例
12と全く同様にして誘電体共振器を作成した。
【0048】銀電極の形成は実施例11と同様の方法で
形成した。また比較のために従来の粗面化を伴う工程
で、銀電極を形成した誘電体共振器を構成しその特性を
評価した。
【0049】その結果、いずれの誘電体共振器も実施例
12と同等の特性を示した。なお、本発明の実施例にお
いて、セラミックス表面に形成する有機金属層としてテ
トラ−i−プロポキシチタン、酢酸錫、酢酸マグネシウ
ムを用いたが、有機珪素、有機ニオブ等の他の有機金属
を用いても同様の効果が得られることはいうまでもな
く、本発明はセラミックス表面に形成される有機金属層
として実施例に挙げたものに限定されるものではない。
【0050】また、本実施例はセラミックス表面に形成
する有機金属層として実施例に挙げたように単一元素の
有機金属層に限定されるものではなく、これら金属の混
合物からなる複数の有機金属層からなっても、同様の効
果が期待される事は言うまでもない。
【0051】また更に、セラミックス上に形成する電極
として銅あるいは銀を本実施例では用いたが、他の銅電
体金属、例えば金、ニッケル、クロム、コバルトなど化
学鍍金可能なものであれば同様の効果が得られることも
いうまでもない。
【0052】さらに、本実施例ではセラミックスコンデ
ンサならびに誘電体共振器について述べたが、その電気
的特性、機械的密着強度より、これら素子に限らず高周
波用回路基板、マイクロ波集積回路用素子などセラミッ
クス電子部品一般に等しく適用出来る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、誘電性セラミックス材料
と電極を備えて成るセラミックス電子部品への無電解鍍
金法による電極形成において、セラミックス表面に有機
金属を塗布し、その後に非酸化雰囲気で加熱処理を行
い、続いてセラミックス表面に形成した有機金属層の一
部を溶解させた後、塩化パラジウム溶液中で活性化処理
を行い、無電解鍍金法により金属層の析出をさせる事
で、必要としない電極部分を機械的な研磨により取り除
くことなく誘電体共振器を作成する事が出来るので、部
品の品質特性を等の劣化を防止する事ができる。
【0054】また、セラミックス表面に形成させる有機
金属層の溶解工程に於いて用いる溶媒としては、該有機
金属層を加水分解させた際に前記有機金属の酸性酸化物
を生じる時には、塩基性溶媒により前記溶解工程を行う
ことで、所望とする形状の電極を備えた誘電体共振器を
構成することができた。
【0055】また、セラミックス表面に形成させる有機
金属層の溶解工程に於いて用いる溶媒としては、該有機
金属層を加水分解させた際に前記有機金属の塩基性酸化
物を生じる時には、酸性溶媒により前記溶解工程を行う
ことで、所望とする形状の電極を備えた誘電体共振器を
構成することができた。
【0056】また、セラミックス表面に形成させる有機
金属層の溶解工程に於いて用いる溶媒としては、該有機
金属層を加水分解させた際に前記有機金属の両性酸化物
を生じる時には、両性溶媒により前記溶解工程を行うこ
とで、所望とする形状の電極を備えた誘電体共振器を構
成することができた。
【0057】
【図表の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)本発明の一実施例におけるセラミックス
への電極形成方法を示す側面図 (b)本発明の一実施例におけるセラミックスへの電極
形成方法を示す側面図 (c)本発明の一実施例におけるセラミックスへの電極
形成方法を示す側面図
【0059】
【図2】本発明の一実施例におけるセラミックスへの電
極形成方法で電極を形成した誘電体共振器を示す斜視図
【0060】
【符号の説明】
1 基板 2 有機金属層 3 端面 4 金属銅電極 5 面 6 面 7 面 8 面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】また、セラミックス表面に形成させる有機
金属層の溶解工程に於いて用いる溶媒としては、該有機
金属層を加水分解させた際に前記有機金属の両性酸化物
を生じる時には、両性溶媒により前記溶解工程を行うこ
とで、所望とする形状の電極を備えた誘電体共振器を構
成することができた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例におけるセラミックス
への電極形成方法を示す側面図 (b)本発明の一実施例におけるセラミックスへの電極
形成方法を示す側面図 (c)本発明の一実施例におけるセラミックスへの電極
形成方法を示す側面図
【図2】本発明の一実施例におけるセラミックスへの電
極形成方法で電極を形成した誘電体共振器を示す斜視図
【符号の説明】 1 基板 2 有機金属層 3 端面 4 金属銅電極 5 面 6 面 7 面 8 面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多木 宏光 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス表面に溶媒と有機金属を混合
    したものを塗布した後に非酸化雰囲気で熱処理を行い、
    前記セラミックス表面に有機金属層を形成し、前記有機
    金属層の不要部分を削除し、前記有機金属層の表面に活
    性化処理を施した後に、前記有機金属層の上に無電解鍍
    金により導電性金属を形成した事を特徴とするセラミッ
    クスへの電極形成方法。
  2. 【請求項2】有機金属として酸性金属化合物を用い、有
    機金属層の不要部分削除を塩基性溶液で溶解させた事を
    特徴とする請求項1記載のセラミックスへの電極形成方
    法。
  3. 【請求項3】有機金属として塩基性金属化合物を用い、
    有機金属層の不要部分削除を酸性溶液で溶解させた事を
    特徴とする請求項1記載のセラミックスへの電極形成方
    法。
  4. 【請求項4】有機金属として両性金属化合物を用い、有
    機金属層の不要部分削除を酸性溶液または塩基性溶液で
    溶解させた事を特徴とする請求項1記載のセラミックス
    への電極形成方法。
JP3245599A 1991-09-25 1991-09-25 セラミツクスへの電極形成方法 Pending JPH05101973A (ja)

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