JP2004332036A - 無電解めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラスセラミックス基体上に形成された、銀を含有した導電膜上への無電解めっき方法であって、該ガラスセラミックス基体を王水若しくは硝酸を用いて処理することにより該導電膜の表面を粗化させる表面粗化工程と、酸活性化工程と、パラジウム析出工程と、無電解ニッケル合金めっき工程と、置換金めっき工程と、無電解金めっき工程と、を含むことを特徴とする無電解めっき方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスセラミックからなる基体上に形成された、銀を含有した導電膜への無電解めっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック、セラミックス、ガラス若しくはガラスセラミックス等の基板表面、又は、コンデンサー若しくは抵抗体等の端子部分の成形体表面を部分的に導電化する方法としては、例えば、金、銀、ニッケル、銅、白金、パラジウム若しくは酸化ルテニウム等の金属若しくは金属酸化物又は有機金属化合物等を含む導電ペーストを、主に印刷法やフォトリソグラフィー法等により該表面にパターニング施工し、それを焼成若しくは熱硬化する方法等が採用されてきた。
【0003】
これらの方法で用いられる導電ペーストは、基板表面若しくは成形体表面との密着性を向上させるために、及び/又は、印刷解像性を高めるために、通常、熱硬化タイプの導電ペーストについては絶縁性を有するエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂類を、焼成タイプの導電ペーストについては、やはり絶縁性を有する低融点ガラス粉末を、それぞれ1〜10質量%程度の範囲で含有している。そしてこれらの絶縁性を有する成分は、導電ペーストを熱硬化若しくは焼成することにより得られる導電膜中に残存する。そのため、該導電膜は、通常の導電体としての使用には問題ないが、該導電膜が形成された基板等を大電流回路若しくは高電圧回路の基板等として用いる場合、或いは該基板等に高い信頼性を要求されたはんだ接合を行う場合等には不具合が生じるおそれがある。
【0004】
従って、通常、これらの導電ペーストを用いて形成された導電膜で形成される導体パターン上には、何らかの方法で純金属に近い金属を用いて皮膜を形成することにより、大電流回路若しくは高電圧回路への要求を満たし、或いは信頼性の高いはんだ接合を提供している。
【0005】
上述のような金属皮膜の形成方法としては、一般的にめっき方法が採用されており、このめっき方法は大別して電解めっき方法及び無電解めっき方法に分けられる。このうち電解めっき方法は、電源リードに対する設計上の制約があり、また、孤立パターン上へのめっき皮膜の形成が比較的困難であるため、近年増加傾向にある、半導体デバイス等の配線基板への電子回路の実装をより高集積化及び/又は極微細化する必要性を満たすことが困難である。従って、今後はこのような点で有利である無電解めっき方法に対する必要性が高まるものと予想される。
【0006】
上記無電解めっき方法のうち、配線基板上に形成された銅を含有した導体パターン上にニッケル−金めっきを施す場合は、ニッケル−金めっきを容易に析出させるために、通常該導体パターン上に上記のめっき反応の触媒となるパラジウム(金属パラジウム)を析出させる。
【0007】
一方、銀又は銀化合物などを含有した導電ペーストを処理して銀などを含有した導体パターンが得られる場合、理論上はその銀などの金属成分がめっき反応に対する触媒能(自己触媒能)を有するので、上記パラジウムのような触媒となる金属を析出させる必要はなく、該導体パターン上に直接ニッケル−金めっきを施すことができるはずである。しかしながら、実際には、導体パターン中の金属以外の成分の影響により、或いは、熱硬化処理若しくは焼成処理による金属成分の変質により、或いは、ガスかぶり(導電ペーストを焼結する際にその中に含まれるバインダー等が反応して発生したガスが、その周辺の導体と反応してしまい、該導体表面へのめっき析出を阻害する現象)等の影響により、該導体パターンの表面にめっきむらが生じたり、又は、全くめっきが析出しなかったりする問題点、更には、該表面にめっきが析出してもその密着性が低いため、容易に該めっきが剥離してしまうという問題点が発生してしまう。
【0008】
このような問題点を解決するために、例えば特許文献1では、上述した銅を含有した導体パターンの場合と同様に、銀を含有した導体パターンの表面に酸性処理液並びに中性処理液を用いてパラジウムを析出させた後に無電解ニッケル−金めっき工程を行う無電解めっき方法が提案されている。
【0009】
また、特許文献2においては、銀を含有した導体パターンの表面をヨウ素を含有した溶液と接触させた後、更にヨウ化物を溶解できる溶液と接触させる前処理を行うことにより、パラジウムを析出させることなく該導体パターン表面に無電解めっき皮膜を選択的に形成させることを意図し、上記問題点を解決することをも意図した無電解めっき方法が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−297380号公報
【特許文献2】
特開2001−49445号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の銀を含有した導体パターンを用いる電子部品は多層化が急激に進行しており、下記のような新たな問題点が生じている。すなわち、多層配線板の製造において、銀若しくは銀化合物を含有した導電ペーストを形成した配線板の熱硬化処理若しくは焼成処理を行う際に、銀イオンが絶縁層間を拡散した結果、該配線板上の導体パターン領域以外の領域に銀イオン由来の析出物が形成されるという問題点が生じている。この銀イオン由来の析出物は、その後のめっき工程においてニッケル合金めっき及び/又は金めっきで被覆されてしまうため、導体パターン間の短絡(配線ブリッジ)が生じる場合もあり好ましくない。
【0012】
そして、本発明者らは、前述の特許文献1,2に記載されている無電解めっき方法について詳細に検討を行った結果、これらの無電解めっき方法は、いずれも上述したような導体パターン領域以外の領域への銀イオン由来の析出物の形成を防止できず、且つ、析出した該銀イオン由来の析出物を除去できないことを見出した。従って、特許文献1,2に記載されている無電解めっき方法では、基板上の導体パターン領域以外の領域に無電解めっきが析出することとなり(以下、このことを「異常析出」という。)、導体パターン間の短絡を防ぐことはできない。
【0013】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、銀を含有した導電膜上へ無電解めっきを施す際に、無電解めっきの析出むらを十分に防止することができ、無電解めっき皮膜とその下側に配置される導電膜との間の良好な密着性を得ることができて、しかも、無電解めっきの異常析出を十分に防止することができる無電解めっき方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、該無電解めっき方法において、特定の性質を有する溶液を用いて銀を含有した導電膜を形成した基体を処理することによって、導電膜領域以外の領域に析出した銀イオン由来の析出物を除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明の無電解めっき方法は、ガラスセラミックス基体上に形成された、銀を含有した導電膜上への無電解めっき方法であって、ガラスセラミックス基体を王水若しくは硝酸を用いて処理することにより導電膜の表面を粗化させる表面粗化工程と、表面粗化工程によって得られた第一中間基体を3以下のpHを有する活性化液を用いて処理することにより導電膜の粗化された表面を活性化させる酸活性化工程と、酸活性化工程によって得られた第二中間基体を0.5〜7.5のpHを有するのパラジウム含有液を用いて処理することにより第二中間基体の表面上にパラジウムを析出させるパラジウム析出工程と、パラジウム析出工程によって得られた第三中間基体を4.5〜9.5のpHを有する無電解ニッケル合金めっき液を用いて処理することによりパラジウムを析出させた導電膜の表面上に無電解ニッケル合金めっき皮膜を形成させる無電解ニッケル合金めっき工程と、無電解ニッケル合金めっき工程によって得られた第四中間基体を3.5〜8.5のpHを有する置換金めっき液を用いて処理することにより無電解ニッケル合金めっき皮膜上に置換金めっき皮膜を形成させる置換金めっき工程と、置換金めっき工程によって得られた第五中間基体を6.0〜13.5のpHを有する自己触媒型無電解金めっき液を用いて処理することにより置換金めっき皮膜上に無電解金めっき皮膜を形成させる無電解金めっき工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の無電解めっき方法は、表面粗化工程において王水若しくは硝酸を用いて、例えばガラスセラミック基板を処理することにより、該ガラスセラミックス基板上の導電膜領域以外の領域に形成された銀イオン由来の析出物を選択的に除去することができるので、その後に行われる各めっき工程においてめっきの異常析出が発生することはない。
【0017】
上述の銀イオン由来の析出物のみを選択的に除去できる理由は、現在のところ詳細には解明されていないが、本発明者らは以下のように考えている。すなわち、該銀イオン由来の析出物は、導電膜を形成したガラスセラミックス基板を製造する際に、該ガラスセラミックス基板などの絶縁体中を拡散移動してきた銀イオンに由来するから、それぞれの析出物の大きさは非常に小さい。一方、導電膜中に含有された銀粒子は通常数十μm程度の粒径を有するから、該銀イオン由来の析出物と比較して十分に大きい。加えて、該銀粒子はその周囲を王水等の酸に不溶な樹脂に包囲されている場合もある。従って、銀イオン由来の析出物は容易に王水若しくは硝酸中に溶解除去されるのに対し、導電膜中に含有された銀粒子は、王水若しくは硝酸によってもその粒子表面を浸食される程度であり、粒子全体が溶解除去されることはないものと、本発明者らは考えている。
【0018】
また、本発明の無電解めっき方法は、銀ペーストを処理することにより得られる導電膜を用いることが好ましい。このような導電膜を用いることにより、基板との密着性を高めることができ、さらには印刷解像性を高めることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明の無電解めっき方法は、ガラスセラミックス基体上に形成された、銀を含有した導電膜上への無電解めっき方法であって、ガラスセラミックス基体を王水若しくは硝酸を用いて処理することにより導電膜の表面を粗化させる表面粗化工程と、表面粗化工程によって得られた第一中間基体を酸性の活性化液を用いて処理することにより導電膜の粗化された表面を活性化させる酸活性化工程と、酸活性化工程によって得られた第二中間基体を酸性若しくは中性のパラジウム含有液を用いて処理することにより第二中間基体の表面上にパラジウムを析出させるパラジウム析出工程と、パラジウム析出工程によって得られた第三中間基体を弱酸性若しくは中性の無電解ニッケル合金めっき液を用いて処理することによりパラジウムを析出させた導電膜の表面上に無電解ニッケル合金めっき皮膜を形成させる無電解ニッケル合金めっき工程と、無電解ニッケル合金めっき工程によって得られた第四中間基体を弱酸性若しくは中性の置換金めっき液を用いて処理することにより無電解ニッケル合金めっき皮膜上に置換金めっき皮膜を形成させる置換金めっき工程と、置換金めっき工程によって得られた第五中間基体を弱酸性若しくは中性の自己触媒型無電解金めっき液を用いて処理することにより置換金めっき皮膜上に無電解金めっき皮膜を形成させる無電解金めっき工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、「自己触媒型無電解金めっき液」とは、無電解金めっきのうち、めっき反応に還元剤を利用する「化学還元めっき」に使用される液であって、以下の触媒作用を有する金(めっき層を形成する金)の原料となる金イオンが含有されているものを示す。すなわち、上記の金とは、還元剤により原料の金イオンが還元されることにより被めっき物の表面に金として析出した際に、還元剤と金イオンとの反応に対して触媒作用(自己触媒作用)を有するものである。
【0022】
なお、本発明の無電解めっき方法においては、先に行われた工程で用いられた液を次の工程に持ち込まないようにするために、従来行われている水洗処理が上記各工程間で行われる。
【0023】
まず、本発明において用いられるガラスセラミックス基体は、通常の無電解めっきが施されるガラスセラミックス基体であれば限定されることなく用いることができる。この中で、基体が多層配線基板であると、銀イオンが絶縁性基板中を拡散し、銀イオン由来の析出物が基板上に析出しやすくなるので、本発明の効果が一層顕著なものとなる。
【0024】
本発明においては基体の材料がガラスセラミックス、すなわち結晶化ガラスであるので、その効果を顕著なものと認めることができる。多層配線基板は、通常、スクリーン印刷法などにより表面に導電ペーストを塗布された絶縁体基板を積層し、それらを熱圧着してから切断して焼成或いは熱硬化することによって得られる。従って、絶縁体基板と導電ペーストとは同時に焼成等されることとなるので、絶縁体基板の材料は、銀の融点より焼成温度が低いものを選択する必要がある。この点において、通常のガラス或いはセラミックスの焼成温度(融点)は銀の融点より高いため、基体が多層配線基板である場合はそれらの材料を採用することはできない。一方、絶縁体基板としてガラスセラミックスからなるものを用いると、該ガラスセラミックスは銀の融点より焼成温度が低い傾向にあるため、焼成等によっても銀が溶融することは少ない。
【0025】
そして、銀を含有した導電膜は、銀ペーストを処理することにより得られることが好ましい。ここで「銀ペースト」とは銀若しくは銀化合物を含有する導電ペーストをいい、熱硬化若しくは焼成によって銀を含有した導電膜を形成するものをいう。従って、上記「処理」とは熱硬化処理若しくは焼成処理をいう。
【0026】
銀ペーストを処理することにより得られる導電膜に含有される導電材料としては、銀、銀―パラジウム系合金、あるいは銀―白金合金などを挙げることができる。
【0027】
(表面粗化工程)
本発明の無電解めっき方法においては、銀を含有した導電膜が形成された前記基体を、王水若しくは硝酸を用いて、例えば浸漬処理することにより、該導電膜の表面を粗化させる。なお、本明細書において「王水」とは、濃硝酸と濃塩酸とを略1:3の体積比で混合して得られる混酸をいう。
【0028】
表面粗化工程で使用する王水は市販の濃硝酸と濃塩酸を混合したものでもよく、この王水若しくは硝酸は市販の原液でも使用可能である。しかし、原液を用いた場合は、表面粗化工程時の酸性ガスの発生が著しく、めっき設備に腐食を与えることが懸念される。また、該酸性ガスは下地である銀を含有した導電膜を著しく腐食する。従って、これらの酸の濃度が10〜80%程度になるように純水を用いて調整することが好ましく、さらに、該酸の濃度が30〜50%となるように調整されることが好ましい。酸の濃度が10%未満であると、本工程における効果が得られないか得られたとしても長時間を要する傾向にあり、作業効率の観点から好ましくない。
【0029】
また、表面粗化処理工程時の上記酸の温度は、20〜60℃に調整することが好ましく、室温付近の20〜30℃に調整することがさらに好ましい。該酸の温度が20℃未満であると本工程における効果が得られないか得られたとしても長時間を要する傾向にあり、作業効率の観点から好ましくない。該酸の温度が60℃を越えると、酸の揮発若しくは分解を防止する観点及び銀を含有した導電膜の酸腐食を防止する観点から好ましくない。
【0030】
そして、表面粗化処理工程における処理時間については、適宜設定することができるが、上述した酸濃度或いは温度が比較的高い場合は、1〜5分であることが好ましい。処理時間が1分より短いと、本工程による効果を得られない傾向にあり、5分を超えると、銀を含有した導電膜を著しく腐食させる傾向にある。
【0031】
この表面粗化工程により、銀を含有した導電膜の表面を均一に粗化することができるので、その後の酸活性化工程により表面を均一に活性化することができる。
【0032】
さらに、この表面粗化工程においては、熱硬化若しくは焼成により導体パターンを得る際に、導電ペーストに含有される銀などの金属成分が酸化されて生成した金属酸化物を溶解除去することもできる。
【0033】
そして、この表面粗化工程においては、銀イオンの拡散により基体表面に形成された銀イオン由来の析出物を溶解除去することができ、その後のめっき工程においてめっきの異常析出を防止することができる。
【0034】
(酸活性化工程)
次に、上述した表面粗化工程によって得られた第一中間基体を、pH=3以下の活性化液を用いて、例えば浸漬処理することにより、導電膜の粗化された表面を活性化させる。ここで「活性化」とは、この後に行われるパラジウム析出反応に対する活性化のことであり、本工程により導電膜の表面上へのパラジウムの析出を容易ならしめる。pHが3を越える場合は銀等の導電ペーストに水酸化物が生成されるため、後に行われるパラジウム析出反応を阻害する傾向にある。
【0035】
本工程で行われる酸活性化方法は、従来行われているものであれば、特に限定されることなく採用することができる。従って、上記酸性の活性化液としては、例えば10質量%濃度の硫酸を用いることができる。
【0036】
本工程により、本工程より前に行われた水洗処理中に発生したと推定される導電膜上の脆弱な錆などを除去することができ、これ以降の工程において、導電膜の酸化の進行をある程度抑制することができる。
【0037】
(パラジウム析出工程)
続いて、上述した酸活性化工程によって得られた基体(以下、第二中間基体という。)をpH=0.5〜7.5のパラジウム含有液を用いて、例えば浸漬処理することにより、該第二中間基体の表面上に置換反応によりパラジウムを析出させる。
【0038】
本工程において用いるパラジウム含有液は、導電膜を含む第二中間基体を損傷させないために、そのpHを0.5〜7.5の範囲に調整する必要がある。なお、処理するガラスセラミックス基体によっては、パラジウム含有液のpH=1〜3に調整することが好ましい。
【0039】
パラジウム含有液の成分組成については、pHが上述の数値範囲内にあって、従来の無電解めっき法に用いられているパラジウム析出反応のためのパラジウム含有液と同様の成分組成であれば、特に限定されない。従って、例えば、塩化パラジウム、無機酸、有機酸及びパラジウムのキレート剤などを適量組み合わせたパラジウム含有液を用いることができる。なお、前記塩化パラジウムの代わりに、硫酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム四塩化物、エチレンジアミンパラジウム塩化物などを用いることもできる。
【0040】
本工程においてパラジウム含有液の温度は15〜40℃であることが好ましい。この温度が15℃より低いとパラジウムの析出速度が遅くなりすぎる傾向にあり、作業効率が低下する。この温度が40℃より高いとパラジウム含有液の液安定性が低下する傾向にある。
【0041】
また、本工程における処理時間は適宜設定することができるが、好ましくは1〜20分に設定することがよい。1分より短いと、本工程による効果、すなわちパラジウムの析出が不十分である傾向にある。処理時間が20分より長くても、置換反応はそれ以上進行しないため、作業効率の低下に繋がり好ましくない。
【0042】
本工程により、パラジウムを導電膜上に析出できる。従って、該パラジウムと導電膜表面の銀とが、無電解ニッケル合金めっき工程において無電解ニッケル合金めっき析出のための核となるので、該ニッケル合金めっきの析出むらが発生しない傾向となり、無電解ニッケル合金めっき析出速度は速まる傾向となる。
【0043】
(無電解ニッケル合金めっき工程)
次に、上述したパラジウム析出工程によって得られた基体(以下、第三中間基体という。)を、pH=4.5〜9.5の無電解ニッケル合金めっき液を用いて、例えば浸漬処理することにより、パラジウムを析出させた導電膜の表面上に無電解ニッケル合金めっき皮膜を形成させる。
【0044】
無電解ニッケル合金めっき液の成分組成については、pHが上述の数値範囲内にあって、従来の無電解ニッケル合金めっき液と同様の成分組成であれば、特に限定されない。従って、例えば、該無電解ニッケル合金めっき液は、塩化ニッケル若しくは硫酸ニッケル等のニッケルイオン源及び次亜りん酸塩若しくはアミンホウ素化合物等の還元剤に加えて、クエン酸、マロン酸若しくは酒石酸等の有機酸或いはその塩等の錯化剤、又はその他のpH調整剤等の通常用いる各種添加剤を適量含むことができ、還元剤として次亜りん酸塩を用いることが好ましい。
【0045】
無電解ニッケル合金めっき液の温度及び本工程における処理時間は、所望の膜厚のニッケル合金めっき皮膜を得ることができるように、適宜設定することができる。すなわち、ニッケル合金めっき皮膜を比較的厚くしたい場合は、該めっき液の温度を高めに設定し、及び/又は、配線板の浸漬時間を長くすればよい。逆に、ニッケル合金めっき皮膜を比較的薄くしたい場合は、該めっき液の温度を低めに設定し、及び/又は、配線板の浸漬時間を短くすればよい。但し、ニッケル合金めっき皮膜の膜厚はその下側にある導体部が露出しない程度の膜厚である必要がある。かかる観点から、無電解ニッケル合金めっき液の温度は70〜90℃であることが好ましく、本工程における処理時間は20〜60分に設定することが好ましい。
【0046】
(置換金めっき工程)
続いて、上述した無電解ニッケル合金めっき工程によって得られた基体(以下、第四中間基体という。)を、pH=3.5〜8.5の置換金めっき液を用いて、例えば浸漬処理することにより、上述したニッケル合金めっき皮膜中のニッケル等と置換金めっき液中の金イオンとの置換反応により、ニッケル合金めっき皮膜上に置換金めっき皮膜を形成させる。
【0047】
本工程において用いる置換金めっき液は、無電解ニッケル合金皮膜が酸化することによりはんだ濡れ性が低下することを防止するため、及び導電膜を含む第四中間基体を損傷させないために、そのpHを3.5〜8.5の範囲に調整する必要がある。
【0048】
置換金めっき液の成分組成については、pHが上述の数値範囲内にあって、従来の置換金めっき液と同様の成分組成であれば、特に限定されない。従って、例えば、該置換金めっき液は、シアン化金ナトリウム若しくはシアン化金カリウム等のシアン系金イオン源(シアン化金塩)或いは亜硫酸金塩、チオ硫酸金塩若しくは塩化金塩等の非シアン系金イオン源、亜硫酸塩若しくはカルボン酸塩等の錯化剤、又はその他の置換金めっき液に通常用いる各種添加剤を適量含むことができる。
【0049】
置換金めっき液の温度は、所望の膜厚の置換金めっき皮膜を得ることができるように適宜設定することができるが、80〜90℃程度であることが好ましい。置換金めっき液の温度が80℃より低いと、金の析出速度が遅くなりすぎる傾向にあり、90℃より高いと、置換金めっき液が速やかに揮発してしまう、又は該めっき液中の成分が熱分解してしまうため、該液中の金イオンの安定性が著しく低下する傾向にある。
【0050】
本工程における処理時間は、所望の膜厚の置換金めっき皮膜を得ることができるように、適宜設定することができるが、5〜20分であることが好ましい。処理時間が5分より短いと置換金めっき皮膜が十分に形成されず、下地の無電解ニッケル合金めっき皮膜が多く露出する傾向にある。また、処理時間が20分より長くても、ある程度の膜厚(0.05〜0.2μm程度)の金めっき皮膜が形成された後は、それ以上の時間処理しても該皮膜の膜厚はほとんど変化しない傾向にあるため、製造コスト削減の観点から好ましくない。
【0051】
(無電解金めっき工程)
そして、上述した置換金めっき工程によって得られた基体(以下、第五中間基体という。)を、pH=6.0〜13.5の自己触媒型無電解金めっき液を用いて、例えば浸漬処理することにより、上述した置換金めっき皮膜上に無電解金めっき皮膜を形成させる。
【0052】
本工程において用いる自己触媒型無電解金めっき液は、導電膜を含む第五中間基体を損傷させないために、そのpHを6.0〜8.0の範囲に調整すると好ましい。
【0053】
該自己触媒型無電解金めっき液は、従来用いられていたものであれば特に限定されない。従って、例えば、該自己触媒型無電解金めっき液は、シアン化金カリウム、亜硫酸金ナトリウム、塩化金酸ナトリウム等の水溶性金イオン源、シアン化物イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、塩化物イオン等の水溶性イオン源を供給する錯化剤、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、チオ尿素、アスコルビン酸ナトリウム等の還元剤、又はその他のpH調整剤等の通常用いる各種添加剤を適量含むことができ、特に亜硫酸系の成分を含有するものが好ましい。
【0054】
自己触媒型無電解金めっき液の温度は、所望の膜厚の無電解金めっき皮膜を得ることができるように適宜設定することができるが、60〜70℃程度であることが好ましい。該自己触媒型無電解金めっき液の温度が60℃より低いと、金の析出速度が遅くなりすぎる傾向にあり、70℃より高いと、該めっき液の液安定性が著しく低下する傾向にある。
【0055】
また、本工程における処理時間は、半導体作製時にワイヤーボンディング実装に対応できるような膜厚を有する無電解金めっき皮膜を得るために必要な処理時間を適宜設定することができるが、5〜20分であることが好ましい。処理時間が5分より短いとワイヤーボンディング実装に対応できるだけの膜厚を有する無電解金めっき皮膜を形成できない傾向にある。また、処理時間が20分あれば、必要な膜厚を有する無電解金めっき皮膜を形成できる傾向にあるので、それ以上の時間処理することは単なる時間の浪費となり、製造コスト削減の観点から好ましくない。
【0056】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例においては、銀ペーストを印刷法により塗布した後に焼成することにより表面に導体パターンを形成した多層配線基板(1.8cm×6cm×1.0mm)を用いた。
【0057】
(実施例1)
まず、上記多層配線基板を、30%に希釈した25℃の王水に3分間浸漬することにより表面粗化処理を行った。次に1分間の水洗処理(室温、以下同じ。)後、表面の防錆を目的として、表面を粗化された該多層配線基板を25℃の10%硫酸に1分間浸漬することにより酸活性化処理を行った。
【0058】
続いて1分間の水洗処理後、銀を含有した導体パターンの触媒活性を向上させるために、酸活性化処理後の多層配線基板を25℃の置換パラジウムめっき液(SA−100:日立化成工業株式会社製、製品名)に5分間浸漬することにより、パラジウム析出処理を行った。そして1分間の水洗処理後、銀を含有した導体パターンを保護するために、表面にパラジウムを析出させた多層配線基板を、85℃の無電解ニッケル−リン合金めっき液(NIPS−100:日立化成工業株式会社製、製品名)に30分間浸漬することにより、導体パターン領域上に無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜を形成した。
【0059】
更に1分間の水洗処理後、自己触媒型無電解金めっきの下地形成、及び該金めっき皮膜とニッケル−リン合金めっき皮膜との密着性の向上を目的として、無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜を形成した多層配線基板を、85℃の置換金めっき液(HGS−100:日立化成工業株式会社製、製品名)に10分間浸漬することにより、上記導体パターン領域上に置換金めっき皮膜を形成した。
【0060】
そして1分間の水洗処理後、ワイヤーボンディング実装に対応可能な膜厚を有する無電解金めっき皮膜を形成するために、置換金めっき皮膜を形成した多層配線基板を、65℃の自己触媒型無電解金めっき(HGS−5400:日立化成工業株式会社製、製品名)に40分間浸漬することにより、上記導体パターン領域上に無電解金めっき皮膜を形成した。
【0061】
無電解金めっき皮膜形成後の多層配線基板を5分間水洗処理した後、85℃、大気雰囲気条件の下、乾燥機中で乾燥することにより、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。
【0062】
[めっき析出評価]
上記実施例1の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板について、▲1▼導体パターン上でのニッケル−リン合金めっきの析出の程度、▲2▼ニッケル合金めっきによる導体パターンの短絡(ブリッジ)の程度、及び▲3▼金めっきの異常析出の程度、を実体顕微鏡(100倍)での視認により調べた。その結果を、ニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表1に示す。なお、表中にある評価記号の意味(判定基準)は表2に示すとおりである。また、表1〜3中にある「ニッケルめっき」とはニッケル−リン合金めっきのことをいう。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
実施例1の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は5.4μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.56μmであった。また、たとえ該多層プリント配線基板の製造工程の際の焼成により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生していたとしても、その影響により導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきが析出しなくなることはなかった。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンの影響を受けなくなったため、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡、或いは拡散してきた銀イオンによる無電解金めっきの異常析出(金降り)の発生もなく、無電解めっきが良好な状態で施された多層配線基板を製造できることが確認された。
【0066】
(実施例2)
実施例2については、表面粗化工程において王水の濃度を30%から50%に変更した以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表1に示す。
【0067】
実施例2の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は4.8μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.52μmであった。また、たとえ該多層プリント配線基板の製造工程の際の焼成により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生していたとしても、その影響により導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきが析出しなくなることはなかった。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンの影響を受けなくなったため、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡、或いは拡散してきた銀イオンによる無電解金めっきの異常析出の発生もなく、無電解めっきが良好な状態で施された多層配線基板を製造できることが確認された。
【0068】
(実施例3)
実施例3については、表面粗化工程において30%王水を30%硝酸に代えた以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表1に示す。
【0069】
実施例3の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は6.2μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.57μmであった。また、たとえ該多層プリント配線基板の製造工程の際の焼成により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生していたとしても、その影響により導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきが析出しなくなることはなかった。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンの影響を受けなくなったため、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡、或いは拡散してきた銀イオンによる無電解金めっきの異常析出の発生もなく、無電解めっきが良好な状態で施された多層配線基板を製造できることが確認された。
【0070】
(実施例4)
実施例4については、表面粗化工程において30%王水を50%硝酸に代えた以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表1に示す。
【0071】
実施例4の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は5.2μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.48μmであった。また、たとえ該多層プリント配線基板の製造工程の際の焼成により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生していたとしても、その影響により導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきが析出しなくなることはなかった。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンの影響を受けなくなったため、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡、或いは拡散してきた銀イオンによる無電解金めっきの異常析出の発生もなく、無電解めっきが良好な状態で施された多層配線基板を製造できることが確認された。
【0072】
(比較例1)
比較例1については、表面粗化工程を省略した以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
比較例1の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は5.0μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.45μmであった。また、該多層プリント配線基板の製造工程の際に行った焼成の影響により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生したことが原因と考えられるが、導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきの未析出部分が確認された。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンが原因と考えられるが、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡が確認され、更に無電解金めっきの異常析出の発生も部分的に認められた。
【0075】
(比較例2)
比較例2については、表面粗化工程において30%王水を50%硫酸に代えた以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表3に示す。
【0076】
比較例2の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は4.5μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.51μmであった。また、該多層プリント配線基板の製造工程の際に行った焼成の影響により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生したことが原因と考えられるが、導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきの未析出部分が確認された。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンが原因と考えられるが、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡が僅かではあるが確認され、更に無電解金めっきの異常析出の発生も部分的に認められた。
【0077】
(比較例3)
比較例3については、表面粗化工程において30%王水を50%塩酸に代えた以外は、実施例1と同じ方法により、銀を含有した導体パターン領域上に無電解めっきを施された多層プリント配線基板を得た。めっき析出評価の結果をニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚及び金めっき皮膜の膜厚の測定結果と併せて表3に示す。
【0078】
比較例3の方法で得られた無電解めっきを施された多層プリント配線基板のニッケル−リン合金めっき皮膜の膜厚は5.8μmであって、金めっき皮膜の膜厚は0.49μmであった。また、該多層プリント配線基板の製造工程の際に行った焼成の影響により金属成分の変質及びガスかぶり等が発生したことが原因と考えられるが、導体パターン領域上にニッケル−リン合金めっきの未析出部分が僅かではあるが確認された。更に、該多層プリント配線基板の製造工程の際に焼成により該基板表面に不均一に拡散してきた銀イオンが原因と考えられるが、ニッケル−リン合金めっきの異常析出による配線の短絡が僅かではあるが確認され、更に無電解金めっきの異常析出の発生も部分的に認められた。
【0079】
なお、本明細書では詳細に記載していないが、実施例1〜4並びに比較例1〜3の多層プリント配線基板を、熱硬化により導体パターンを形成した多層プリント配線基板に代えた場合のめっき析出評価は、それぞれ対応する実施例1〜4並びに比較例1〜3で得られためっき析出評価と同様の結果であった。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の無電解めっき方法によれば、銀を含有した導電膜上への無電解めっきの析出むらを十分に防止することができ、無電解めっき皮膜とその下側に配置される導電膜との間の良好な密着性を得ることもでき、更には、導電膜領域以外の領域に形成された銀イオン由来の析出物を十分に除去することができ、それにより無電解めっきの異常析出を十分に防止することができる。
Claims (2)
- ガラスセラミックス基体上に形成された、銀を含有した導電膜上への無電解めっき方法であって、
前記ガラスセラミックス基体を王水若しくは硝酸を用いて処理することにより前記導電膜の表面を粗化させる表面粗化工程と、
前記表面粗化工程によって得られた第一中間基体を3以下のpHを有する活性化液を用いて処理することにより前記導電膜の粗化された前記表面を活性化させる酸活性化工程と、
前記酸活性化工程によって得られた第二中間基体を0.5〜7.5のpHを有するパラジウム含有液を用いて処理することにより前記第二中間基体の表面上にパラジウムを析出させるパラジウム析出工程と、
前記パラジウム析出工程によって得られた第三中間基体を4.5〜9.5のpHを有する無電解ニッケル合金めっき液を用いて処理することにより前記パラジウムを析出させた前記導電膜の表面上に無電解ニッケル合金めっき皮膜を形成させる無電解ニッケル合金めっき工程と、
前記無電解ニッケル合金めっき工程によって得られた第四中間基体を3.5〜8.5のpHを有する置換金めっき液を用いて処理することにより前記無電解ニッケル合金めっき皮膜上に置換金めっき皮膜を形成させる置換金めっき工程と、
前記置換金めっき工程によって得られた第五中間基体を6.0〜13.5のpHを有する自己触媒型無電解金めっき液を用いて処理することにより前記置換金めっき皮膜上に無電解金めっき皮膜を形成させる無電解金めっき工程と、
を含むことを特徴とする無電解めっき方法。 - 前記導電膜が、銀ペーストを処理することにより得られることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき方法。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023324A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-02-01 | Kanto Chem Co Inc | 無電解硬質金めっき液 |
JP2007138218A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Hitachi Chem Co Ltd | 無電解めっき用触媒濃縮液とそれを用いためっき触媒付与方法 |
JP2009191285A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Murata Mfg Co Ltd | めっき層構造とその製造方法 |
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-
2003
- 2003-05-06 JP JP2003128290A patent/JP2004332036A/ja active Pending
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