JP2009191285A - めっき層構造とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造として、簡便な工程で形成することが可能なめっき層構造を提供する。
【解決手段】めっき層構造100は、電子部品200の外部電極300の表面を被覆するために形成されるめっき層構造であって、外部電極300の側に形成されたニッケルめっき層110と、ニッケルめっき層110よりも外側に形成された金めっき層とを備え、金めっき層が、不連続な界面を介して接するように形成された複数の金めっき層部121、122からなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、一般的にはめっき層構造とその製造方法に関し、特定的には、チップコンデンサ等の電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造とその製造方法に関するものである。
近年、電子部品の外部電極の表面を仕上げるためには、大量処理によるコスト低減、電極の性能向上等の理由により、外部電極の表面を被覆するようにめっき層を形成することが多くなっている。
図4は、従来のめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、めっき層構造としては、電子部品200の外部電極300の表面を被覆するようにニッケル等からなる下地めっき層として、たとえば、ニッケルめっき層110が形成される。ニッケルめっき層110の上には、スズや金などのはんだ付けされやすい金属層として、たとえば、金めっき層120が形成される。特に高周波対応が必要な場合には、表面層として金めっき層が形成される。
表面層として形成される金めっき層は、金が貴金属であるため酸化し難く、はんだ濡れ性のよい金属層である。また、金めっき層は、外部電極に配線を接続するために用いられる金ワイヤーとのボンディングにも適している。
しかしながら、従来の金/ニッケルめっき層構造においては、特に熱処理が施された場合等に、下地めっき層を構成するニッケル成分が表面層を構成する金めっき層の表面に拡散することがある。これにより、金めっき層のボンディング性能が低下することがある。
たとえば、特開2000−216111号公報(以下、特許文献1という)に開示されためっき層構造では、ニッケル成分の拡散を防止するために、ニッケルめっき層と金めっき層との間にパラジウムめっき層が介在するように形成されている。
特開2000−216111号公報
上記の特許文献1に開示されためっき層構造を形成するためには、3種類の金属めっき液が必要になるだけでなく、各めっき処理工程の間で洗浄工程を行う必要がある。このため、製造ラインが大規模になり、煩雑になる。
また、パラジウムめっき層を形成するためのパラジウムめっき浴では、めっき層の膜質を安定させるための処理条件(濃度、温度、pH等)の管理を厳密にする必要がある。
そこで、この発明の目的は、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造として、簡便な工程で形成することが可能なめっき層構造を提供することである。
この発明に従っためっき層構造は、電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造であって、外部電極の側に形成されたニッケルめっき層と、このニッケルめっき層よりも外側に形成された金めっき層とを備え、金めっき層が、不連続な界面を介して接するように形成された複数の金めっき層部からなる。ここでいう「不連続な界面」とは、結晶子の配列が不連続になる面のことである。
この発明のめっき層構造においては、金めっき層が複数の金めっき層部に分割されて形成されており、複数の金めっき層部の間には不連続な界面が形成されている。このため、下地層としてのニッケルめっき層からニッケル成分が金めっき層表面に向かって拡散する場合、ニッケルが上記の不連続な界面にトラップされる。これにより、ニッケルの金めっき層表面への拡散現象が抑制され、または、遅延される。したがって、この発明のめっき層構造では、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することができる。
この発明のめっき層構造において、複数の金めっき層部の各々の厚みは、0.04μm以上であることが好ましい。金めっき層を構成する各金めっき層部の厚みが0.04μm以上であれば、ニッケルの拡散を抑制することができる。
また、この発明のめっき層構造において、複数の金めっき層部の各々の出発材料は、同じであることが好ましい。この場合、製造工程が簡便になるので、製造コストを低減することができる。
この発明のめっき層構造において、複数の金めっき層部の各々の出発材料は、異なっていてもよい。この場合、複数の金めっき層部の間に形成される不連続な界面によって、ニッケル成分の拡散をより効果的に抑制することができる。
この発明の一つの局面に従っためっき層構造の製造方法は、電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造の製造方法であって、外部電極の側にニッケルめっき層を形成する工程と、ニッケルめっき層よりも外側に金めっき層を形成する工程とを備える。金めっき層を形成する工程が、第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部を形成する工程と、第1の金めっき層部を形成した後、第1の金めっき層部の表面を水で洗浄する工程と、洗浄工程の後、第1の金めっき液と同じ第2の金めっき液を用いて第1の金めっき層部の上に第2の金めっき層部を形成する工程とを含む。
この発明の一つの局面に従っためっき層構造の製造方法においては、一種類の金めっき浴を準備するだけでよいので、簡便な工程で、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造を形成することができる。
この発明のもう一つの局面に従っためっき層構造の製造方法は、電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造の製造方法であって、外部電極の側にニッケルめっき層を形成する工程と、ニッケルめっき層よりも外側に金めっき層を形成する工程とを備える。金めっき層を形成する工程が、第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部を形成する工程と、第1の金めっき層部を形成した後、第1の金めっき液と異なる第2の金めっき液を用いて第1の金めっき層部の上に第2の金めっき層部を形成する工程とを含む。
この発明のもう一つの局面に従っためっき層構造の製造方法においては、複数種類の金めっき浴を準備する必要があるが、ニッケルめっき層と金めっき層との間にパラジウムめっき層を介在させる従来のめっき層構造を形成するために金めっき浴とパラジウムめっき浴という異種金属のめっき浴を準備する場合に比べて、簡便な工程で、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造を形成することができる。
この発明の一つの局面またはもう一つの局面に従っためっき層構造の製造方法において用いられる金めっき液は、電解めっき液でも無電解めっき液でもよい。
金めっき液として無電解めっき液を用いる場合には、置換めっき液ではなく、還元剤を含む化学還元めっき液であることが好ましい。無電解めっき液として置換めっき液を用いると、形成される金めっき層は厚みが薄く、また均質性に欠けるので、たとえ、複数の金めっき層部の間に不連続な界面が形成されても、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制し難い。無電解めっき液として、還元剤を含む化学還元めっき液を用いると、置換めっき液を用いる場合に比べて、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散をより効果的に抑制することができる。
以上のようにこの発明によれば、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造として、簡便な工程で形成することが可能なめっき層構造を得ることができる。
以下、この発明の一つの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、めっき層構造100がチップコンデンサ等の電子部品200の電極パッド等の外部電極300の表面を被覆するために形成される。めっき層構造100は、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側に形成されたニッケルめっき層110と、ニッケルめっき層110よりも外側に形成された金めっき層(121、122)とを備える。金めっき層は、不連続な界面を介して接するように形成された第1の金めっき層部121と第2の金めっき層部122とからなる。第1と第2の金めっき層部121、122は、同種の金めっき層からなる。たとえば、第1と第2の金めっき層部121、122は、その出発材料としてのめっき液とめっき条件が同じである。
図2は、この発明のもう一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、めっき層構造101がチップコンデンサ等の電子部品200の電極パッド等の外部電極300の表面を被覆するために形成される。めっき層構造101は、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側に形成されたニッケルめっき層110と、ニッケルめっき層110よりも外側に形成された金めっき層(121、122、123)とを備える。金めっき層は、互いに不連続な界面を介して接するように形成された第1の金めっき層部121と第2の金めっき層部122と第3の金めっき層部123からなる。第1と第2と第3の金めっき層部121、122、123は、同種の金めっき層からなる。たとえば、第1と第2と第3の金めっき層部121、122、123は、その出発材料としてのめっき液とめっき条件が同じである。
図3は、この発明のさらにもう一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、めっき層構造102がチップコンデンサ等の電子部品200の電極パッド等の外部電極300の表面を被覆するために形成される。めっき層構造102は、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側に形成されたニッケルめっき層110と、ニッケルめっき層110よりも外側に形成された金めっき層(121、124)とを備える。金めっき層は、互いに不連続な界面を介して接するように形成された第1の金めっき層部121と第2の金めっき層部124からなる。第1と第2の金めっき層部121、124は、異種の金めっき層からなる。たとえば、第1と第2の金めっき層部121、124は、その出発材料としてのめっき液とめっき条件の少なくともいずれかが異なる。
なお、図1〜図3に示されるめっき層構造において、下地層としてのニッケルめっき層110と外部電極300の間に別の層が介在していてもよい。また、表面層としての金めっき層(121、122、123、124)とニッケルめっき層110との間に別の層が介在していてもよい。めっき層構造において、表面層が少なくとも2層以上の複数の金めっき層部121、122、123、124から構成され、各金めっき層部121、122、123、124の間には異種の金属等の層が介在せず、少なくとも2層以上の複数の金めっき層部121、122、123、124が不連続な界面を介して接するように形成されていればよい。
以上のように構成される図1〜図3に示されためっき層構造100、101、102においては、金めっき層が複数の金めっき層部121、122、123、124に分割されて形成されており、複数の金めっき層部121、122、123、124の間には不連続な界面が形成されている。このため、下地層としてのニッケルめっき層110からニッケル成分が金めっき層表面に向かって拡散する場合、ニッケルが上記の不連続な界面にトラップされる。これにより、ニッケルの金めっき層表面への拡散現象が抑制され、または、遅延される。したがって、この発明のめっき層構造100、101、102では、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することができる。
この発明のめっき層構造100、101、102において、複数の金めっき層部121、122、123、124の各々の厚みは、0.04μm以上であることが好ましい。金めっき層を構成する各金めっき層部121、122、123、124の厚みが0.04μm以上であれば、ニッケルの拡散を抑制することができる。
また、この発明のめっき層構造100、101、102において、複数の金めっき層部121、122、123、124の各々の出発材料が同じである場合、製造工程が簡便になるので、製造コストを低減することができる。
この発明のめっき層構造100、101、102において、複数の金めっき層部121、122、123、124の各々の出発材料が異なっている場合、複数の金めっき層部121、122、123、124の間に形成される不連続な界面によって、ニッケル成分の拡散をより効果的に抑制することができる。
図1に示すこの発明の一つの実施の形態のめっき層構造100の製造方法は、外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成する工程と、ニッケルめっき層110よりも外側に金めっき層(121、122)を形成する工程とを備える。金めっき層(121、122)を形成する工程が、第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部121を形成する工程と、第1の金めっき層部121を形成した後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄する工程と、洗浄工程の後、第1の金めっき液と同じ第2の金めっき液を用いて第1の金めっき層部121の上に第2の金めっき層部122を形成する工程とを含む。
この発明の一つの実施の形態に従っためっき層構造100の製造方法においては、一種類の金めっき浴を準備するだけでよいので、簡便な工程で、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造を形成することができる。
図3に示すこの発明のさらにもう一つの実施の形態に従っためっき層構造102の製造方法は、外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成する工程と、ニッケルめっき層110よりも外側に金めっき層(121、124)を形成する工程とを備える。金めっき層(121、124)を形成する工程が、第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部121を形成する工程と、第1の金めっき層部121を形成した後、第1の金めっき液と異なる第2の金めっき液を用いて第1の金めっき層部の上に第2の金めっき層部124を形成する工程とを含む。この場合、第1の金めっき層部121を形成した後、第2の金めっき層部124を形成する前に、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄してもよく、洗浄しなくてもよい。
この発明のさらにもう一つの実施の形態に従っためっき層構造102の製造方法においては、第1の金めっき層部121と第2の金めっき層部124を形成するために複数種類の金めっき浴を準備する必要があるが、ニッケルめっき層と金めっき層との間にパラジウムめっき層を介在させる従来のめっき層構造を形成するために金めっき浴とパラジウムめっき浴という異種金属のめっき浴を準備する場合に比べて、簡便な工程で、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を防止することが可能な金/ニッケルめっき層構造を形成することができる。
以上のように、この発明のめっき層構造の製造方法においては、金めっき層を構成する各金めっき層部121、122、124を形成するための工程を不連続に行うことにより、各金めっき層部121、122、124の間に異種の金属等の層を介在させずに、各金めっき層部121、122、124が結晶性の不連続な界面を介して接するように金めっき層を形成することができる。
この発明のめっき層構造100〜102の製造方法において用いられる金めっき液は、電解めっき液でも無電解めっき液でもよい。
金めっき液として無電解めっき液を用いる場合には、置換めっき液ではなく、還元剤を含む化学還元めっき液であることが好ましい。無電解めっき液として置換めっき液を用いると、形成される金めっき層は厚みが薄く、また均質性に欠けるので、たとえ、複数の金めっき層部の間に不連続な界面が形成されても、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制し難い。無電解めっき液として、還元剤を含む化学還元めっき液を用いると、置換めっき液を用いる場合に比べて、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散をより効果的に抑制することができる。
(実施例1)
以下の試料番号1〜6の試料として、図1〜4に示すように、電子部品200としてのチップコンデンサの外部電極300の表面を被覆するようにニッケルめっき層110と金めっき層(121〜124、120)とからなるめっき層を形成した。
ニッケルめっき層110を形成するためのニッケルめっき浴は、電解めっき液として一般的なワット浴を用いた。ニッケルめっき層110の厚みは3μmであった。
下記に示すように、金めっき層を形成するための金めっき液は市販の2種類の電解金めっき液を用い、使用条件はメーカー推奨の条件に従った。
[金(Au)めっき液1]
日本高純度化学株式会社製の商品名オーロブライトHSB
使用条件:金2g/L、40℃、pH4.2。
[金(Au)めっき液2]
日本高純度化学株式会社製の商品名テンペレジストBL
使用条件:金5g/L、65℃、pH6.2。
[試料番号1](比較例)
図4に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて金めっき層120を形成した。Auめっき層の厚みは表1に示すとおりである。
[試料番号2〜3](本発明例)
図1に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液1を用いて第2の金めっき層部122を形成した。各Auめっき層部の厚みは表1に示すとおりである。
[試料番号4](本発明例)
図2に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液1を用いて第2の金めっき層部122を形成した。さらに、第2の金めっき層部122の表面を水で洗浄した後、Auめっき液1を用いて第3の金めっき層部123を形成した。さらにまた、図示していないが、第3の金めっき層部123の表面を水で洗浄した後、Auめっき液1を用いて第4の金めっき層部を形成した。各Auめっき層部の厚みは表1に示すとおりである。
[試料番号5〜6](本発明例)
図3に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液2を用いて第2の金めっき層部124を形成した。各Auめっき層部の厚みは表1に示すとおりである。
以上のようにして得られた各試料番号のめっき層構造において下地層としてのニッケルめっき層110中のニッケル成分の拡散を促進させるために、各試料をピーク温度が265℃の条件のリフロー炉内に通過させた。その後、各試料のめっき層構造の金めっき層表面におけるニッケル原子濃度をX線光電子分光法(XPS)で測定し、Ni/Au原子濃度比を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2009191285
表1に示す結果から、Ni/Au原子濃度比は、試料番号2の方が試料番号1に比べて小さい値を示したので、本発明例の試料番号2のめっき層構造では、熱処理後のニッケルの拡散量が少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制することができることがわかる。
また、Ni/Au原子濃度比は、試料番号3の方が試料番号1に比べて小さい値を示したので、Auめっき層の全体厚みを低減した本発明例の試料番号3のめっき層構造でも、熱処理後のニッケルの拡散量が少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制することができることがわかる。
さらに、Ni/Au原子濃度比は、試料番号4の方が試料番号2に比べて小さい値を示したので、本発明例の試料番号2に対して、Auめっき層を構成するAuめっき層部の数を増加させた本発明例の試料番号4のめっき層構造では、熱処理後のニッケルの拡散量がより少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散をより効果的に抑制することができることがわかる。
さらにまた、Ni/Au原子濃度比は、試料番号5、試料番号6の方が試料番号2、試料番号3に比べて小さい値を示したので、同じ電解Auめっき液を用いて各Auめっき層部を形成した本発明例の試料番号2、試料番号3に対して、異なる電解Auめっき液を用いて各Auめっき層部を形成した本発明例の試料番号5、試料番号6のめっき層構造では、熱処理後のニッケルの拡散量がさらに少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散をさらに効果的に抑制することができることがわかる。
(実施例2)
以下の試料番号7〜9の試料として、図1、図3、図4に示すように、電子部品200としてのチップコンデンサの外部電極300の表面を被覆するようにニッケルめっき層110と金めっき層(121、122、124、120)とからなるめっき層を形成した。
ニッケルめっき層110を形成するためのニッケルめっき浴は、弱酸性の無電解ニッケル(Ni)−リン(P)めっき液を用いた。ニッケルめっき層110の厚みは3μmであった。
下記に示すように、金めっき層を形成するための金めっき液は市販の2種類の無電解金めっき液(還元剤を含む化学還元めっき液)を用い、使用条件はメーカー推奨の条件に従った。
[金(Au)めっき液3]
奥野製薬工業株式会社製の商品名フラッシュゴールド2000
使用条件:金1.5g/L、80℃、pH6.5。
[金(Au)めっき液4]
日本高純度化学株式会社製の商品名ネオゴールド
使用条件:金2.5g/L、60℃、pH7.5。
[試料番号7](比較例)
図4に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液4を用いて金めっき層120を形成した。Auめっき層の厚みは表2に示すとおりである。
[試料番号8](本発明例)
図1に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液4を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液4を用いて第2の金めっき層部122を形成した。各Auめっき層部の厚みは表2に示すとおりである。
[試料番号9](本発明例)
図3に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液3を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液4を用いて第2の金めっき層部124を形成した。各Auめっき層部の厚みは表2に示すとおりである。
以上のようにして得られた各試料番号のめっき層構造において下地層としてのニッケルめっき層110中のニッケル成分の拡散を促進させるために、各試料をピーク温度が265℃の条件のリフロー炉内に通過させた。その後、各試料のめっき層構造の金めっき層表面におけるニッケル原子濃度をX線光電子分光法(XPS)で測定し、Ni/Au原子濃度比を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2009191285
表2に示す結果から、Ni/Au原子濃度比は、試料番号8の方が試料番号7に比べて小さい値を示したので、本発明例の試料番号8のめっき層構造では、熱処理後のニッケルの拡散量が少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制することができることがわかる。
また、Ni/Au原子濃度比は、試料番号9の方が試料番号8に比べて小さい値を示したので、同じ無電解Auめっき液を用いて各Auめっき層部を形成した本発明例の試料番号8に対して、異なる無電解Auめっき液を用いて各Auめっき層部を形成した本発明例の試料番号9のめっき層構造では、熱処理後のニッケルの拡散量がさらに少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散をさらに効果的に抑制することができることがわかる。
(実施例3)
以下の試料番号1、10〜13の試料として、図1と図4に示すように、電子部品200としてのチップコンデンサの外部電極300の表面を被覆するようにニッケルめっき層110と金めっき層(121、122、120)とからなるめっき層を形成した。
ニッケルめっき層110を形成するためのニッケルめっき浴は、電解めっき液として一般的なワット浴を用いた。ニッケルめっき層110の厚みは3μmであった。
金めっき層を形成するための金めっき液は市販の1種類の電解金めっき液として上記の実施例1で用いたAuめっき液1を用い、使用条件はメーカー推奨の条件に従った。
[試料番号1](比較例)
図4に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて金めっき層120を形成した。Auめっき層の厚みは表3に示すとおりである。
[試料番号10〜13](本発明例)
図1に示すように、外部電極300の表面を被覆するように外部電極300の側にニッケルめっき層110を形成し、ニッケルめっき層110を被覆するようにAuめっき液1を用いて第1の金めっき層部121を形成した。その後、第1の金めっき層部121の表面を水で洗浄した後、Auめっき液1を用いて第2の金めっき層部122を形成した。各Auめっき層部の厚みは表3に示すとおりである。
以上のようにして得られた各試料番号のめっき層構造において下地層としてのニッケルめっき層110中のニッケル成分の拡散を促進させるために、各試料をピーク温度が265℃の条件のリフロー炉内に通過させた。その後、各試料のめっき層構造の金めっき層表面におけるニッケル原子濃度をX線光電子分光法(XPS)で測定し、Ni/Au原子濃度比を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 2009191285
表3に示す結果から、Ni/Au原子濃度比は、試料番号12、13の方が試料番号1、10、11に比べてかなり小さい値を示したので、Auめっき層を構成する各Auめっき層部の厚みが0.04μm以上であれば、熱処理後のニッケルの拡散量が少なく、ニッケル成分の金めっき層表面への拡散を抑制する作用効果を発揮することができることがわかる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであることが意図される。
この発明のめっき層構造は、チップコンデンサ等の電子部品の外部電極の表面を被覆して仕上げるために利用することができる。
この発明の一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。 この発明のもう一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。 この発明のさらにもう一つの実施の形態としてめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。 従来のめっき層構造の断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100,101,102:めっき層構造、110:ニッケルめっき層、121,122,123,124:金めっき層部、120:金めっき層、200:電子部品、300:外部電極。

Claims (8)

  1. 電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造であって、
    前記外部電極の側に形成されたニッケルめっき層と、
    前記ニッケルめっき層よりも外側に形成された金めっき層とを備え、
    前記金めっき層が、不連続な界面を介して接するように形成された複数の金めっき層部からなる、めっき層構造。
  2. 複数の前記金めっき層部の各々の厚みは、0.04μm以上である、請求項1に記載のめっき層構造。
  3. 複数の前記金めっき層部の各々の出発材料は、同じである、請求項1または請求項2に記載のめっき層構造。
  4. 複数の前記金めっき層部の各々の出発材料は、異なる、請求項1または請求項2に記載のめっき層構造。
  5. 電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造の製造方法であって、
    前記外部電極の側にニッケルめっき層を形成する工程と、
    前記ニッケルめっき層よりも外側に金めっき層を形成する工程とを備え、
    前記金めっき層を形成する工程が、
    第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部を形成する工程と、
    前記第1の金めっき層部を形成した後、前記第1の金めっき層部の表面を水で洗浄する工程と、
    前記洗浄工程の後、前記第1の金めっき液と同じ第2の金めっき液を用いて前記第1の金めっき層部の上に第2の金めっき層部を形成する工程とを含む、めっき層構造の製造方法。
  6. 電子部品の外部電極の表面を被覆するために形成されるめっき層構造の製造方法であって、
    前記外部電極の側にニッケルめっき層を形成する工程と、
    前記ニッケルめっき層よりも外側に金めっき層を形成する工程とを備え、
    前記金めっき層を形成する工程が、
    第1の金めっき液を用いて第1の金めっき層部を形成する工程と、
    前記第1の金めっき層部を形成した後、前記第1の金めっき液と異なる第2の金めっき液を用いて前記第1の金めっき層部の上に第2の金めっき層部を形成する工程とを含む、めっき層構造の製造方法。
  7. 前記金めっき液は、電解めっき液である、請求項5または請求項6に記載のめっき層構造の製造方法。
  8. 前記金めっき液は、還元剤を含む化学還元めっき液である、請求項5または請求項6に記載のめっき層構造の製造方法。
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