JP2004149824A - 金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び電子部品の製造方法、並びに電子部品 - Google Patents
金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び電子部品の製造方法、並びに電子部品 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】浴安定性を損なうこともなく、耐薬品性の低い被めっき物に対しても均一で析出ムラが生じず、緻密性が良好で所望のはんだ濡れ性を有し、密着性に優れた金皮膜を形成する。
【解決手段】ガラスセラミック基板6の表面に形成された銅電極7上にニッケル皮膜8を形成し、該ニッケル皮膜8上に金皮膜9を形成する。そして、該金皮膜9の形成に使用される金めっき液が、(1)非シアン金源、(2)金の錯化剤として亜硫酸塩、(3)金の安定剤としてアミノカルボン酸類、(4)隠蔽剤としてオキシカルボン酸類、(5)析出促進剤としてアンチモン化合物、及び/又はビスマス化合物、(6)析出調整剤としてチオール化合物及びその誘導体、及び/又は含窒素複素環式化合物を含有している。
【選択図】 図2
【解決手段】ガラスセラミック基板6の表面に形成された銅電極7上にニッケル皮膜8を形成し、該ニッケル皮膜8上に金皮膜9を形成する。そして、該金皮膜9の形成に使用される金めっき液が、(1)非シアン金源、(2)金の錯化剤として亜硫酸塩、(3)金の安定剤としてアミノカルボン酸類、(4)隠蔽剤としてオキシカルボン酸類、(5)析出促進剤としてアンチモン化合物、及び/又はビスマス化合物、(6)析出調整剤としてチオール化合物及びその誘導体、及び/又は含窒素複素環式化合物を含有している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び電子部品の製造方法、並びに電子部品に関し、より詳しくは置換型の無電解金めっきに好適な金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び該めっき方法を使用した電子部品の製造方法、及び該製造方法を使用して製造されるセラミック多層基板等の電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品関連の技術分野では、コネクタやリードフレームなどの機能性薄膜として金皮膜が使用されている。また、プリント配線基板の高密度化、表面実装基板(独立回路基板)の増加に伴い、無電解金めっきの需要が増大している。例えば、一般に独立回路基板では、予めレジストで微細回路を形成した後、はんだレベラー処理を施したり、或いは前記微細回路上に所定の前処理を施し、この後Cu等の導電部上にニッケル皮膜及び金皮膜を形成している。
【0003】
ところで、前記金皮膜は、通常、還元剤を使用することなく下地金属との間で置換反応を生じさせ、これにより金を析出させる置換型の無電解金めっきにより形成される。したがって、斯かる無電解金めっきに使用される金めっき液には、浴安定性、金析出の均一性、はんだ濡れ性、及び下地金属であるニッケル皮膜との密着性に優れていることが要求される。
【0004】
そして、従来の置換型無電解金めっき液には人体に有害なシアン化合物が含有されていたため、作業性が悪く、このため環境保全上の観点から、近年、シアン化合物を含有しない無電解金めっき液が開発されてきている(特許文献1〜4)。
【0005】
このうち、特許文献1は、非シアン金源、亜硫酸塩、窒素及びカルボン酸(又はカルボン酸塩)を含む金属錯化剤を含有し、アンモニウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンが所定濃度となるように調製したものであり、特許文献2は、亜硫酸金や塩化金等の非シアン金源と、所定のメルカプトカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩等の安定化錯化剤と、所定のオキシカルボン酸や多価カルボン酸等の隠蔽錯化剤を含有している。
【0006】
また、特許文献3は、水溶性亜硫酸金化合物、亜硫酸塩、水溶性ポリアミノカルボン酸又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ホスホン酸類、並びにアンチモン化合物及びテルル化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有している。
【0007】
さらに、特許文献4は、メルカプト基とカルボキシル基を含む有機化合物と金化合物とを含む置換金めっき液が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−228761号公報
【特許文献2】
特開平10−317157号公報
【特許文献3】
特開平7−34258号公報
【特許文献4】
特開平5−156460号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、浴温が30〜95℃とされているものの、その実施例では浴温を85℃の高温に設定して金めっきを施したものが記載されており、また、上記特許文献2でも、浴温を50〜95℃に設定して金めっきを施している。すなわち、これら特許文献1及び2では、いずれも浴温が高く、析出速度が遅いため、所望膜厚の金皮膜を得るには長時間のめっき処理を行なう必要があり、したがって耐薬品性に劣る被めっき物、例えば、ガラス成分を含有したセラミックス基板(以下、「ガラスセラミック基板」という)に無電解金めっきを施した場合、金めっき液中に被めっき物が溶解してしまい、その結果電子部品の特性が劣化したり、金めっき液の浴安定性や浴寿命が低下して金皮膜の特性が劣化するという問題点があった。
【0010】
また、上記特許文献3では、析出促進剤としてのアンチモン化合物やテルル化合物を金めっき液に添加することにより、析出速度を向上させているが、ホスホン酸類を金めっき液に添加しても十分な浴安定性を得ることができず、このためシアン化合物を含有した金めっき液に比べ、置換析出した金皮膜は緻密性に欠け、はんだ濡れ性に劣るという問題点があった。
【0011】
すなわち、金ははんだ接合時には速やかにはんだ中に拡散し、下地金属であるニッケル皮膜の酸化を抑制する作用を奏するので、金皮膜が緻密であれば、前記ニッケル皮膜の酸化や拡散を効果的に抑制することができ、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
【0012】
しかしながら、上記特許文献3では、上述したように金皮膜が緻密性を欠くため、下地金属であるニッケル皮膜の拡散が生じ易くなり、このためはんだ濡れ性が低下するという問題点があった。
【0013】
さらに、上記特許文献4では、メルカプト基とカルボキシル基とを含む有機化合物を金めっき液に添加することによりニッケル皮膜との密着性に優れた置換金皮膜を得ようとしているが、該特許文献4では、浴温が70〜90℃と高く、しかも析出促進剤も含まれていないため、上記特許文献1及び2と同様、長時間のめっき処理を要するという問題点があった。すなわち、はんだ接合を目的として金めっき皮膜を形成する場合、金めっき皮膜は、通常、約0.1μmの膜厚が必要となるが、該特許文献4では、浴温が高くしかも析出速度も遅いため、30分程度のめっき処理時間を要し、その結果、ガラスセラミックス基板に無電解金めっきを施した場合、金めっき液中に被めっき物が溶解してしまい、電子部品の特性劣化を招来するという問題点があった。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、浴安定性を損なうこともなく、耐薬品性の低い被めっき物に対しても均一で析出ムラが生じず、緻密性が良好で所望のはんだ濡れ性を有し、密着性に優れた金皮膜を形成することができる金めっき液と、該金めっき液を使用しためっき方法、及び該めっき方法を使用した電子部品の製造方法、並びに該製造方法により製造された電子部品を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明者は鋭意研究した結果、金の供給源として非シアン系化合物、金の錯化剤として亜硫酸塩、安定剤としてアミノカルボン酸類、ニッケルイオンの隠蔽剤としてオキシカルボン酸類を含有しためっき液に、さらに、析出促進剤としてアンチモン化合物及び/又はビスマス化合物、析出調整剤としてメルカプト基(−SH)を含有した化合物及びその誘導体、及び/又は含窒素複素環式化合物を添加することにより、比較的低温で金めっき処理を行なうことができ、析出速度を速めると共に、金皮膜の緻密性を向上させることができるという知見を得た。
【0016】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る金めっき液は、非シアン系金源と、亜硫酸塩と、アミノカルボン酸類と、オキシカルボン酸類とが含有された金めっき液において、アンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出促進剤と、メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出調整剤とが添加されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の金めっき液は、前記メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体には、チオグリコール酸又はチオジグリコール酸の内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴とし、また、前記含窒素複素環式化合物には、ピリジン、ビピリジル又はフェナントロリンの内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴としている。
【0018】
上記金めっき液によれば、所定の析出促進剤と析出調製剤とが金めっき液に添加され、金の析出を調整することにより適度な析出速度で金を析出させることができ、析出外観が均一で緻密性の良好な金皮膜を形成することが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るめっき方法は、上記金めっき液と被めっき物とを接触させて前記被めっき物上に置換反応を生じさせ、前記被めっき物上に金めっき皮膜を形成することを特徴としている。
【0020】
上記めっき方法によれば、上記金めっき液を使用してめっき処理することにより、被めっき物の表面に均一で緻密性の良好な金皮膜を置換析出させることが可能となる。
【0021】
また、本発明のめっき方法は、前記金めっき皮膜の形成に先立ち、前記被めっき物の表面にはニッケル皮膜を形成することを特徴としている。
【0022】
上記めっき方法によれば、下地金属としてのニッケル皮膜上に均一で緻密性の良好な金皮膜を形成することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明のめっき方法は、前記金皮膜を形成した後、還元剤を含有した無電解金めっき液を使用して前記被めっき物に無電解金めっきを施し、前記金皮膜上にさらに金皮膜を重層することを特徴としている。
【0024】
上記めっき方法によれば、置換析出して形成された金皮膜上に還元剤を使用した自己触媒型の無電解金めっきを施すことにより、均一で緻密性の良好な所望膜厚の金皮膜を形成することができる。
【0025】
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上記めっき方法を使用し、部品素体上に形成された導電部にめっき処理を施すことを特徴としている。
【0026】
上記製造方法によれば、上記めっき方法により、導電部上に所望の均一で緻密性に優れた金皮膜を有する電子部品を容易に製造することができる。
【0027】
また、本発明に係る電子部品は、上記製造方法により製造されていることを特徴としている。
【0028】
上記電子部品によれば、均一で緻密な金皮膜を有し、はんだ濡れ性が良好で、且つ下地金属との密着性も良好で、信頼性に優れた電子部品を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
【0030】
本発明の一実施の形態としての金めっき液は、(1)金を析出させるための非シアン系金源、(2)金の錯化剤として亜硫酸塩、(3)金の安定剤としてアミノカルボン酸類、(4)隠蔽剤としてのオキシカルボン酸類を含有し、さらに(5)析出促進剤としてアンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上、及び(6)析出調整剤としてメルカプト基(−SH)を含有した化合物(以下、「チオール化合物」という)及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上が添加されており、これにより浴温を低く抑制することができ、短時間で均一且つ緻密な金めっき皮膜を形成することができる。
【0031】
以下、上記(1)〜(6)について詳述する。
【0032】
(1)非シアン系金源
本実施の形態では、良好な作業環境を確保する観点から、人体に有害なシアン化合物を含有していない非シアン系金源を使用している。
【0033】
しかしながら、金めっき液中の非シアン系金源の濃度が金換算で0.2kg/m3未満の場合は、金の析出速度が極端に遅くなって金皮膜が不均一となる虞がある。一方、前記非シアン系金源の濃度が金換算で10kg/m3を超えると、逆に析出速度が速くなり過ぎて金皮膜の緻密性が低下したり、或いはニッケル等の下地金属との密着性が低下し、まためっき液の浴安定性も低下する虞がある。
【0034】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中の金濃度が0.2〜10kg/m3、好ましくは0.5〜5kg/m3となるように非シアン金源を金めっき液に添加している。
【0035】
尚、非シアン金源としては、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金カリウム、塩化金ナトリウム等を使用することができる。
【0036】
(2)錯化剤
金めっき液中で金イオンとの間で安定な可溶性錯体を形成するために、本実施の形態では、錯化剤として亜硫酸塩を添加している。
【0037】
しかしながら、金めっき液中の亜硫酸塩濃度が5kg/m3未満の場合は、析出速度が速くなり過ぎてニッケル等の下地金属との密着性が低下し易くなり、また、めっき液の浴安定性が低下する虞がある。一方、金めっき液中の亜硫酸塩濃度が150kg/m3を超えると析出速度が遅くなり、めっき皮膜(金皮膜)が不均一となる虞がある。
【0038】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中の亜硫酸塩濃度を5〜150kg/m3、より好ましくは、10〜120kg/m3としている。
【0039】
尚、亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等を使用することができる。
【0040】
(3)安定剤
金めっき液中で金−亜硫酸錯体を安定的に保持するために、本実施の形態では、安定剤としてアミノカルボン酸類を添加している。
【0041】
しかしながら、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度が2kg/m3未満の場合は、溶解した下地金属イオン(銅イオンやニッケルイオン等)などの不純物の影響を受け易くなってめっき液の浴安定性が低下し、また、置換対象となる下地金属(ニッケル等)の溶解が遅くなって析出速度が低下する虞がある。一方、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度が75kg/m3を超えて添加しても析出速度が稍低下する程度で、安定剤としての顕著な作用効果を奏することができず、経済的観点から過剰な添加は好ましくない。しかも被めっき物が耐薬品性に劣るガラスセラミック基板のような場合は、該被めっき物を溶解させてしまう虞も生じる。
【0042】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度を2〜75kg/m3、好ましくは4〜40kg/m3としている。
【0043】
尚、アミノカルボン酸類としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等の遊離酸或いはこれらのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0044】
(4)隠蔽剤
被めっき物から溶出した下地金属イオン(銅イオンやニッケルイオン等)が錯体を形成してこれら下地金属イオンが金めっき液中で安定的に保持するために、本実施の形態では、隠蔽剤としてオキシカルボン酸類を添加している。
【0045】
しかしながら、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度が3kg/m3未満の場合は、上記安定剤と同様、溶解した下地金属(銅イオンやニッケルイオン等)の影響を受け易くなってめっき液の安定性が低下する。一方、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度が100kg/m3を超えて添加しても、上記安定剤と同様、析出速度が稍低下する程度であり、隠蔽剤としての顕著な作用効果を奏することができず、経済的観点から過剰に添加するは好ましくない。しかも被めっき物が耐薬品性に劣るガラスセラミック基板のような場合は、該被めっき物を溶解させてしまう虞がある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度を3〜100kg/m3、好ましくは5〜50kg/m3としている。
【0047】
尚、アミノカルボン酸類としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ギルコン酸等の遊離酸或いはこれらのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0048】
(5)析出促進剤
析出促進剤としてのアンチモン化合物及び/又はビスマス化合物を、後述するチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物からなる析出調整剤と共に、金めっき液中に添加することにより、所望の均一で緻密な金皮膜を被めっき物表面に形成することができ、このため本実施の形態では上記析出調整剤と共に、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物を金めっき液に添加している。
【0049】
しかしながら、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度が1.0×10−3kg/m3未満となると、析出速度が遅くなり、析出外観が不均一となってムラが発生する。一方、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度が1.0×10−1kg/m3を超えると、析出速度が速くなって金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性の劣化を招来したり、下地金属との密着性が低下する。
【0050】
そこで、本実施の形態では、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度を、1.0×10−3〜1.0×10−1kg/m3、好ましくは2.0×10−3〜5.0×10−2kg/m3としている。
【0051】
尚、アンチモン化合物としては、具体的には酒石酸アンチモニルナトリウム、酒石酸アンチモニルカリウム、オキシ硫酸アンチモン、塩化アンチモンを使用することができ、ビスマス化合物としては、クエン酸ビスマス、塩化ビスマス、硝酸ビスマス等を使用することができ、これらアンチモン化合物及びビスマス化合物をそれ単独で又は適宜組み合わせて添加することができる。
【0052】
(6)析出調整剤
析出促進剤は、金の析出速度を速くする作用を有するが、析出促進剤のみを金めっき液に添加しても析出皮膜の緻密性や密着性が低下し易くなるため、上述したように、析出調製剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物を前記析出促進剤と併用する必要がある。
【0053】
すなわち、上記析出調整剤は下地金属や金皮膜上に吸着して金の析出を抑制し、これにより下地金属への析出作用を緩和することができ、したがって上記析出促進剤の作用と相俟って、適度な析出速度を維持した状態で緻密性に優れた密着性の良い金皮膜を形成することができる。しかも、斯かる作用は、下地金属の種類によって差異が生じ難く、金の析出性も均一なものとなる。
【0054】
しかしながら、析出調整剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度が1.0×10−4kg/m3未満になると析出速度が速くなり過ぎて金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性が劣化したり、下地金属との密着性が低下する。一方、チオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度が1.0×10−2kg/m3を超えると析出速度が遅くなり、析出外観が不均一となってムラの発生する虞がある。
【0055】
そこで、本実施の形態では、上述した析出促進剤と同様、析出調製剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度を、1.0×10−4〜1.0×10−2kg/m3、好ましくは2.0×10−4〜5.0×10−3kg/m3としている。
【0056】
尚、チオール化合物及びその誘電体としては、例えば、チオグリコール酸(CH2(SH)COOH)、チオジグリコール酸(S(CH2COOH)2等を使用することができ、また、含窒素複素環式化合物としては、化学構造式(1)で示されるピリジン、化学構造式(2)で示されるビピリジル(2,2−ピピリジル)、化学構造式(3)で示されるフェナントロリン(1,10−フェナントロリン)等を使用することができ、これらチオール化合物及びその誘電体、又は含窒素複素環式化合物をそれ単独で又はこれらの組み合わせを適宜添加することができる。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【化3】
このように本実施の形態では、上記析出促進剤と上記析出調整剤とを併用することにより、適度な析出速度を維持することができ、浴温を35〜70℃、好ましくは40〜60℃の範囲に制御しながら金めっきを施すことができる。すなわち、金めっき液の浴温が35℃未満になると、析出速度が遅くなって析出外観が不均一となり析出ムラの発生する虞があり、また、金めっき液の浴温が70℃を超えると被めっき物が溶出する虞があるが、本実施の形態では、上記析出促進剤と上記析出調整剤とを併用することにより、めっき液の浴温を35℃〜70℃、好ましくは40℃〜60℃の範囲に設定して無電解金めっきを行なうことができ、これにより被めっき物の溶出が生じることもなく、析出外観が均一で析出ムラが生じないようにしている。
【0059】
また、本実施の形態では、亜硫酸水、硫酸、塩酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等のpH調製剤を使用することにより、金めっき液の水素イオン指数pHが5.0〜9.0に調製される。
【0060】
すなわち、水素イオン指数pHが5.0未満の低い値になると、錯化剤として添加されている亜硫酸塩が分解してめっき液の浴安定性を損なう虞があり、一方、水素イオン指数pHが9.0を超えて高くなると、析出速度が速くなって金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性が劣化したり、下地金属との密着性が低下する虞がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、上述したpH調整剤を金めっき液に添加することにより、水素イオン指数pHを5.0〜9.0、好ましくは6.0〜8.0に調製している。
【0062】
次に、上記金めっき液を使用して製造された電子部品について詳述する。
【0063】
図1は上記金めっき液を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図であって、該セラミック多層基板は、複数のセラミックシート(第1〜第5のセラミックシート1a〜1e)が積層されてセラミック素体6を形成している。
【0064】
そして、セラミック素体6の表面には外部導体4(4a〜4c)が形成されると共に、該セラミック素体6の内部には所定パターンの内部導体3(3a〜3h)が埋設されており、ビアホール5(5a〜5k)を介して各内部導体間3、又は内部導体3と外部導体4とが電気的に接続されている。そして、本実施の形態では、第4のセラミックシート1dを介して内部導体3gと内部導体3eとが対向状に配されてコンデンサ部を形成し、外部導体4c及び内部導体3h、3f、3d、3bはビアホール5k、5g、5e、5cを介して電気的に接続されインダクタ部を形成している。
【0065】
また、外部導体4は、図2に示すように、銅電極7の表面にNi−P皮膜やNi−B皮膜等のニッケル皮膜8が形成され、該ニッケル皮膜8の表面に金皮膜9が形成されている。
【0066】
次に、上記セラミック多層基板の製造方法を説明する。
【0067】
まず、所定形状に成形されたセラミックシート1に対し、必要に応じてビアホール5を形成し、次いで、導電性ペーストを使用し、所定の配線パターンをセラミックシート1a〜1d上にスクリーン印刷して内部導体3を形成し、その後、第1〜第5のセラミックシート1a〜1eを積層し、所定温度で焼成処理してセラミック素体6を形成する。
【0068】
次いで、セラミック素体6の表面に銅を主成分とする導電性ペーストを塗布して焼付処理を行ない、所定パターンの銅電極7を形成して被めっき物を作製する。
【0069】
そしてこの後、被めっき物に一連の前処理を行なった後、無電解めっき処理を行なう。
【0070】
すなわち、まず、被めっき物に脱脂処理を施し、被めっき物から有機物質や無機物質による汚染を除去すると共にめっき液と銅電極7との濡れ性を向上させる。次いで、被めっき物を硫酸塩やクエン酸等の酸性水溶液に浸漬して銅電極7の表面に固着している酸化物をエッチング除去し、また表面形状を適度に平滑化或いは粗化等して表面形状の微調整を行い、さらに、エッチング処理時に銅電極7の表面に形成されたスマットを酸性処理液で除去し、銅電極7とめっき皮膜との密着性を向上させ、この後、無電解ニッケルめっきを行う。
【0071】
すなわち、ホスフィン酸塩やホウ素化合物等の所定の還元剤が添加されたニッケルめっき液に被めっき物を浸漬し、酸化還元反応を生じさせて銅電極7の表面にNi−PやNi−B等のニッケルを主成分としたニッケル皮膜8を形成する。
【0072】
尚、ニッケルめっき液には、上記還元剤の他、硫酸ニッケルなどのニッケル塩、コハク酸やグリシン、クエン酸などの錯化剤、その他微量の添加剤が含有され、水素イオン指数pHが4.5〜8.0に調製されている。
【0073】
次に、浴温が35〜70℃、水素イオン指数pHが5.0〜9.0に調製された上記金めっき液に被めっき物を浸漬し、金めっきを施す。
【0074】
すなわち、ニッケル皮膜8が形成された被めっき物を金めっき液に浸漬すると、電気化学的に卑な金属であるNiが溶出して電子(e−)を放出し、該放出された電子(e−)によって貴なAu+或いはAu3+が還元され、金がニッケル皮膜8上に析出し、これにより金皮膜9が形成される。
【0075】
このように本実施の形態では、析出促進剤としてアンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上、及び析出調整剤としてチオール化合物及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上が添加された金めっき液を使用してニッケル皮膜8上に金皮膜9を形成しているので、上記析出調整剤がニッケル皮膜8や金皮膜9上に吸着して金の析出を抑制することができ、これにより適度な析出速度を維持しつつ金めっきを施すことができ、均一で析出ムラがなく、緻密性に優れ、はんだ濡れ性が良好で、且つ密着性の良好な金皮膜9を形成することができる。
【0076】
しかも、適度な析出速度を維持しつつ金皮膜を形成しているので、Ni−P皮膜やNi−B皮膜等のニッケルめっき皮膜の種類に限定されることもなく、例えば、P含有率に差異のあるNi−P皮膜上に金めっきを施した場合であっても均一で緻密性に優れた金皮膜9を形成できる。
【0077】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では上記金めっき液を使用した置換めっき処理によりめっき工程を完了させているが、ワイヤーボンディング実装が必要な場合には、チオ尿素、アスコルビン酸などの還元剤を使用して自己触媒型めっき反応を生じさせ、前記置換金めっきで形成された金皮膜9の表面に金薄膜を重層し、所望厚膜の金皮膜を形成することができる。
【0078】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0079】
〔第1の実施例〕
本発明者は、まず、縦30mm、横10mm、板厚0.3mmの無酸素銅板を用意し、該無酸素銅板に無電解ニッケルめっきを施し、該無酸素銅板の表面全域に膜厚約5μmのNi−P皮膜(P含有率7wt%)を形成した。そして、該Ni−P皮膜の形成された無酸素銅板に下記めっき組成及びめっき条件下で置換金めっきを施し、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、実施例試験片を作製した。
【0080】
また、比較例として、上記めっき組成中、析出調整剤(チオジグリコール酸)を含有していない金めっき液を作製し、上記実施例試験片と同様の方法・手順でNi−P皮膜上に金皮膜を形成し、比較例試験片を作製した。
【0081】
次に、本発明者は、上記実施例及び比較例について、膜厚、析出外観、金の析出状態、密着性、めっき液の安定性、はんだ濡れ性を測定した。
【0082】
ここで、膜厚は、蛍光X線膜厚計により測定し、析出外観及び金の析出状態は目視で判定した。
【0083】
また、密着性は、実施例試験片及び比較例試験片を各5個づつ用意し、各試験JISZ−1522に準拠し、セロハン粘着テープを使用した剥離試験で評価した。
【0084】
また、めっき液の安定性は、2MTO(Metal Turn Over)連続使用時のめっき液の安定性を目視で評価した。すなわち、本第1の実施例では金換算で2kg/m3の亜硫酸金ナトリウム溶液が金めっき液中に含有されており、金めっき液中の金イオンは金めっき処理を施すことにより減少する。したがって、めっき液の品質や特性を安定的に保持するためには、金めっき液中の金イオン濃度を一定の範囲に制御する必要があり、本第1の実施例では、金換算で1.5〜2.0kg/m3の範囲で制御した。すなわち、亜硫酸金ナトリウムが1.5kg/m3まで減少すると0.5kg/m3の亜硫酸金ナトリウムを補給して2.0kg/m3とし、亜硫酸金ナトリウムが2.0kg/m3となった時点を1MTOとして2MTO連続使用時で金めっき液中に沈殿物や濁りの生成の有無、めっき浴槽の壁面への析出物(金)の付着有無によりめっき液の浴安定性を評価した。
【0085】
また、はんだ濡れ性は、実施例試験片及び比較例試験片を各5個づつ用意し、高温高湿下、試験片を所定時間放置した後、メニスコグラフ法によりはんだの引張力とはんだの排斥力とが等しくなるゼロクロス時間で評価した。
【0086】
すなわち、温度85℃、湿度85%の高温高湿条件で、各試験片を試験槽に100時間放置し、次いで、浸漬速度25mm/sec、浸漬深さ3mm、浸漬時間20secで浴温235℃のはんだ溶融槽(60%Sn−40%Pb)に浸漬し、前記ゼロクロス時間を測定し、はんだ濡れ性を評価した。
【0087】
実施例試験片は、金皮膜の膜厚は0.08μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、無酸素銅板上には未析出箇所は確認されなかった。また、剥離試験でも金皮膜がNi−P皮膜又は無酸素銅板から剥離する試験片はなく、また金皮膜が緻密であるためゼロクロス時間も1sec以下と短く、したがってはんだ濡れ性も良好であり、さらにめっき液中に沈殿物等も生じず、めっき液の浴安定性も良好であることが確認された。
【0088】
これに対して比較例試験片は、金皮膜の膜厚は0.40μm、析出外観は少し赤味を帯びたイエローであり、無酸素銅板上には未析出箇所は確認されなかったが、密着性及びはんだ濡れ性が悪化していることが確認された。
【0089】
すなわち、剥離試験で比較例試験片中3個の試験片が、Ni−P皮膜又は無酸素銅板から金皮膜が剥離し、素地との密着性が悪いことが分かった。
【0090】
また、ゼロクロス時間も約2secと長く、金皮膜の緻密性も悪くはんだ濡れ性に劣ることが分かった。
【0091】
〔第2の実施例〕
本発明者は、縦30mm、横10mm、板厚0.3mmのガラスセラミック基板を用意した。
【0092】
そして、ガラスセラミック基板の表面に膜厚約20μmの厚膜銅電極パターンをスクリーン印刷し、焼付処理を行い、次いで、上記第1の実施例と同様、無電解ニッケルめっきを施した後、下記めっき組成及びめっき条件下で置換金めっきを施し、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、実施例試験片を作製した。
【0093】
また、比較例として、上記めっき組成で析出促進剤(塩化アンチモン)及び析出調整剤(ピピリジル)を含有していない金めっき液を作製し、該金めっきの水素イオン指数pHを7.0、浴温を80℃に調製し、めっき処理時間25分で、上記実施例試験片と同様、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、比較例試験片を作製した。
【0094】
次に、本発明者は、上記実施例及び比較例について、上記第1の実施例と同様の方法で、膜厚、析出外観、金の析出状態、密着性、めっき液の浴安定性を測定した。
【0095】
また、本第2の実施例では、はんだ濡れ広がり試験を行ってはんだ濡れ性を評価した。すなわち、各試験片にクリームはんだ印刷を施し、リフロー炉を通過させてはんだの濡れ広がり面積を測定し、はんだ濡れ性を評価した。
【0096】
実施例試験片は、金めっきで形成された金皮膜の膜厚は0.07μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、ガラスセラミック基板上に未析出箇所は確認されなかった。また、剥離試験でも金皮膜がNi−P皮膜又は無酸素銅板から剥離する試験片はなく、ゼロクロス時間も1sec以下と短く、したがってはんだ濡れ性も良好であり、まためっき液中に沈殿物等も生じず、めっき液の安定性も良好であることが確認された。
【0097】
これに対して比較例試験片は金膜厚が0.08μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、ガラスセラミック基板上に未析出箇所は確認されず、また、剥離試験でも金皮膜が下地金属(銅電極、Ni−P皮膜)やガラスセラミック基板から剥離する試験片はなく、密着性は良好であり、またゼロクロス時間も1sec以下と短く、金皮膜も緻密であり、はんだ濡れ性も良好であった。
【0098】
しかしながら、本比較例試験片では、金めっき液に析出促進剤としての塩化アンチモン及び析出調整剤としてのピピリジルが添加されていないので、金めっき液中に沈殿物が生じたり濁りが生じ、液安定性が悪化することが分かった。
【0099】
また、浴温80℃でめっき処理を行ったので、耐薬品性に劣るガラスセラミックス基板が溶解し、このため銅電極のガラスセラミック基板への固着力が低下したり、抗折強度の低下を招来し、電気的特性が劣化する虞のあることが分かった。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る金めっき液は、非シアン系金源と、亜硫酸塩と、アミノカルボン酸類と、オキシカルボン酸類とが含有された金めっき液において、アンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出促進剤と、チオグリコール酸やチオジグリコール酸等のチオール化合物及びその誘導体、或いはビピリジルやフェナントロリン等の含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出調整剤が添加されているので、析出調整剤が下地金属や金皮膜上に吸着して金の析出を抑制し、下地金属への析出作用を緩和することができ、適度な析出速度を維持した状態で金皮膜を形成することができ、均一で緻密性に優れた密着性の良い金皮膜を形成することができる。しかも、耐薬品性に劣るガラスセラミック基板の場合であっても被めっき物が溶解するのを回避することができる。
【0101】
本発明に係るめっき方法は、上記金めっき液と被めっき物とを接触させて前記被めっき物上に置換反応を生じさせ、前記被めっき物上に金めっき皮膜を形成し、また、前記金めっき皮膜の形成に先立ち、前記被めっき物の表面にはニッケル皮膜を形成するので、ニッケル皮膜上に緻密で析出外観も均一な金皮膜を形成することができる。
【0102】
また、本発明のめっき方法は、前記金めっき皮膜を形成した後、還元剤を含有した金めっき液を使用して前記被めっき物に無電解金めっきを施し、前記金皮膜上にさらに金皮膜を重層することにより、所望の厚膜を有する緻密な金皮膜をニッケル皮膜上に形成することができ、ワイヤーボンディング実装等を容易に行うことができる。
【0103】
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上記めっき方法を使用し、部品素体上に形成された導電部にめっき処理を施すので、導電部上に所望の均一で緻密性に優れた金皮膜を有する電子部品を容易に製造することができる。
【0104】
また、本発明に係る電子部品は、上記製造方法により製造されているので、金皮膜が均一で良好な緻密性を有しており、信頼性に優れた電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金めっき液を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
6 セラミック素体(部品素体)
7 銅電極(導電部)
8 ニッケル皮膜
9 金皮膜
【発明の属する技術分野】
本発明は金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び電子部品の製造方法、並びに電子部品に関し、より詳しくは置換型の無電解金めっきに好適な金めっき液と該金めっき液を使用しためっき方法、及び該めっき方法を使用した電子部品の製造方法、及び該製造方法を使用して製造されるセラミック多層基板等の電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品関連の技術分野では、コネクタやリードフレームなどの機能性薄膜として金皮膜が使用されている。また、プリント配線基板の高密度化、表面実装基板(独立回路基板)の増加に伴い、無電解金めっきの需要が増大している。例えば、一般に独立回路基板では、予めレジストで微細回路を形成した後、はんだレベラー処理を施したり、或いは前記微細回路上に所定の前処理を施し、この後Cu等の導電部上にニッケル皮膜及び金皮膜を形成している。
【0003】
ところで、前記金皮膜は、通常、還元剤を使用することなく下地金属との間で置換反応を生じさせ、これにより金を析出させる置換型の無電解金めっきにより形成される。したがって、斯かる無電解金めっきに使用される金めっき液には、浴安定性、金析出の均一性、はんだ濡れ性、及び下地金属であるニッケル皮膜との密着性に優れていることが要求される。
【0004】
そして、従来の置換型無電解金めっき液には人体に有害なシアン化合物が含有されていたため、作業性が悪く、このため環境保全上の観点から、近年、シアン化合物を含有しない無電解金めっき液が開発されてきている(特許文献1〜4)。
【0005】
このうち、特許文献1は、非シアン金源、亜硫酸塩、窒素及びカルボン酸(又はカルボン酸塩)を含む金属錯化剤を含有し、アンモニウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンが所定濃度となるように調製したものであり、特許文献2は、亜硫酸金や塩化金等の非シアン金源と、所定のメルカプトカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩等の安定化錯化剤と、所定のオキシカルボン酸や多価カルボン酸等の隠蔽錯化剤を含有している。
【0006】
また、特許文献3は、水溶性亜硫酸金化合物、亜硫酸塩、水溶性ポリアミノカルボン酸又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ホスホン酸類、並びにアンチモン化合物及びテルル化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有している。
【0007】
さらに、特許文献4は、メルカプト基とカルボキシル基を含む有機化合物と金化合物とを含む置換金めっき液が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−228761号公報
【特許文献2】
特開平10−317157号公報
【特許文献3】
特開平7−34258号公報
【特許文献4】
特開平5−156460号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、浴温が30〜95℃とされているものの、その実施例では浴温を85℃の高温に設定して金めっきを施したものが記載されており、また、上記特許文献2でも、浴温を50〜95℃に設定して金めっきを施している。すなわち、これら特許文献1及び2では、いずれも浴温が高く、析出速度が遅いため、所望膜厚の金皮膜を得るには長時間のめっき処理を行なう必要があり、したがって耐薬品性に劣る被めっき物、例えば、ガラス成分を含有したセラミックス基板(以下、「ガラスセラミック基板」という)に無電解金めっきを施した場合、金めっき液中に被めっき物が溶解してしまい、その結果電子部品の特性が劣化したり、金めっき液の浴安定性や浴寿命が低下して金皮膜の特性が劣化するという問題点があった。
【0010】
また、上記特許文献3では、析出促進剤としてのアンチモン化合物やテルル化合物を金めっき液に添加することにより、析出速度を向上させているが、ホスホン酸類を金めっき液に添加しても十分な浴安定性を得ることができず、このためシアン化合物を含有した金めっき液に比べ、置換析出した金皮膜は緻密性に欠け、はんだ濡れ性に劣るという問題点があった。
【0011】
すなわち、金ははんだ接合時には速やかにはんだ中に拡散し、下地金属であるニッケル皮膜の酸化を抑制する作用を奏するので、金皮膜が緻密であれば、前記ニッケル皮膜の酸化や拡散を効果的に抑制することができ、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
【0012】
しかしながら、上記特許文献3では、上述したように金皮膜が緻密性を欠くため、下地金属であるニッケル皮膜の拡散が生じ易くなり、このためはんだ濡れ性が低下するという問題点があった。
【0013】
さらに、上記特許文献4では、メルカプト基とカルボキシル基とを含む有機化合物を金めっき液に添加することによりニッケル皮膜との密着性に優れた置換金皮膜を得ようとしているが、該特許文献4では、浴温が70〜90℃と高く、しかも析出促進剤も含まれていないため、上記特許文献1及び2と同様、長時間のめっき処理を要するという問題点があった。すなわち、はんだ接合を目的として金めっき皮膜を形成する場合、金めっき皮膜は、通常、約0.1μmの膜厚が必要となるが、該特許文献4では、浴温が高くしかも析出速度も遅いため、30分程度のめっき処理時間を要し、その結果、ガラスセラミックス基板に無電解金めっきを施した場合、金めっき液中に被めっき物が溶解してしまい、電子部品の特性劣化を招来するという問題点があった。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、浴安定性を損なうこともなく、耐薬品性の低い被めっき物に対しても均一で析出ムラが生じず、緻密性が良好で所望のはんだ濡れ性を有し、密着性に優れた金皮膜を形成することができる金めっき液と、該金めっき液を使用しためっき方法、及び該めっき方法を使用した電子部品の製造方法、並びに該製造方法により製造された電子部品を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明者は鋭意研究した結果、金の供給源として非シアン系化合物、金の錯化剤として亜硫酸塩、安定剤としてアミノカルボン酸類、ニッケルイオンの隠蔽剤としてオキシカルボン酸類を含有しためっき液に、さらに、析出促進剤としてアンチモン化合物及び/又はビスマス化合物、析出調整剤としてメルカプト基(−SH)を含有した化合物及びその誘導体、及び/又は含窒素複素環式化合物を添加することにより、比較的低温で金めっき処理を行なうことができ、析出速度を速めると共に、金皮膜の緻密性を向上させることができるという知見を得た。
【0016】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る金めっき液は、非シアン系金源と、亜硫酸塩と、アミノカルボン酸類と、オキシカルボン酸類とが含有された金めっき液において、アンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出促進剤と、メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出調整剤とが添加されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の金めっき液は、前記メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体には、チオグリコール酸又はチオジグリコール酸の内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴とし、また、前記含窒素複素環式化合物には、ピリジン、ビピリジル又はフェナントロリンの内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴としている。
【0018】
上記金めっき液によれば、所定の析出促進剤と析出調製剤とが金めっき液に添加され、金の析出を調整することにより適度な析出速度で金を析出させることができ、析出外観が均一で緻密性の良好な金皮膜を形成することが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るめっき方法は、上記金めっき液と被めっき物とを接触させて前記被めっき物上に置換反応を生じさせ、前記被めっき物上に金めっき皮膜を形成することを特徴としている。
【0020】
上記めっき方法によれば、上記金めっき液を使用してめっき処理することにより、被めっき物の表面に均一で緻密性の良好な金皮膜を置換析出させることが可能となる。
【0021】
また、本発明のめっき方法は、前記金めっき皮膜の形成に先立ち、前記被めっき物の表面にはニッケル皮膜を形成することを特徴としている。
【0022】
上記めっき方法によれば、下地金属としてのニッケル皮膜上に均一で緻密性の良好な金皮膜を形成することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明のめっき方法は、前記金皮膜を形成した後、還元剤を含有した無電解金めっき液を使用して前記被めっき物に無電解金めっきを施し、前記金皮膜上にさらに金皮膜を重層することを特徴としている。
【0024】
上記めっき方法によれば、置換析出して形成された金皮膜上に還元剤を使用した自己触媒型の無電解金めっきを施すことにより、均一で緻密性の良好な所望膜厚の金皮膜を形成することができる。
【0025】
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上記めっき方法を使用し、部品素体上に形成された導電部にめっき処理を施すことを特徴としている。
【0026】
上記製造方法によれば、上記めっき方法により、導電部上に所望の均一で緻密性に優れた金皮膜を有する電子部品を容易に製造することができる。
【0027】
また、本発明に係る電子部品は、上記製造方法により製造されていることを特徴としている。
【0028】
上記電子部品によれば、均一で緻密な金皮膜を有し、はんだ濡れ性が良好で、且つ下地金属との密着性も良好で、信頼性に優れた電子部品を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
【0030】
本発明の一実施の形態としての金めっき液は、(1)金を析出させるための非シアン系金源、(2)金の錯化剤として亜硫酸塩、(3)金の安定剤としてアミノカルボン酸類、(4)隠蔽剤としてのオキシカルボン酸類を含有し、さらに(5)析出促進剤としてアンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上、及び(6)析出調整剤としてメルカプト基(−SH)を含有した化合物(以下、「チオール化合物」という)及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上が添加されており、これにより浴温を低く抑制することができ、短時間で均一且つ緻密な金めっき皮膜を形成することができる。
【0031】
以下、上記(1)〜(6)について詳述する。
【0032】
(1)非シアン系金源
本実施の形態では、良好な作業環境を確保する観点から、人体に有害なシアン化合物を含有していない非シアン系金源を使用している。
【0033】
しかしながら、金めっき液中の非シアン系金源の濃度が金換算で0.2kg/m3未満の場合は、金の析出速度が極端に遅くなって金皮膜が不均一となる虞がある。一方、前記非シアン系金源の濃度が金換算で10kg/m3を超えると、逆に析出速度が速くなり過ぎて金皮膜の緻密性が低下したり、或いはニッケル等の下地金属との密着性が低下し、まためっき液の浴安定性も低下する虞がある。
【0034】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中の金濃度が0.2〜10kg/m3、好ましくは0.5〜5kg/m3となるように非シアン金源を金めっき液に添加している。
【0035】
尚、非シアン金源としては、亜硫酸金ナトリウム、亜硫酸金カリウム、塩化金ナトリウム等を使用することができる。
【0036】
(2)錯化剤
金めっき液中で金イオンとの間で安定な可溶性錯体を形成するために、本実施の形態では、錯化剤として亜硫酸塩を添加している。
【0037】
しかしながら、金めっき液中の亜硫酸塩濃度が5kg/m3未満の場合は、析出速度が速くなり過ぎてニッケル等の下地金属との密着性が低下し易くなり、また、めっき液の浴安定性が低下する虞がある。一方、金めっき液中の亜硫酸塩濃度が150kg/m3を超えると析出速度が遅くなり、めっき皮膜(金皮膜)が不均一となる虞がある。
【0038】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中の亜硫酸塩濃度を5〜150kg/m3、より好ましくは、10〜120kg/m3としている。
【0039】
尚、亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等を使用することができる。
【0040】
(3)安定剤
金めっき液中で金−亜硫酸錯体を安定的に保持するために、本実施の形態では、安定剤としてアミノカルボン酸類を添加している。
【0041】
しかしながら、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度が2kg/m3未満の場合は、溶解した下地金属イオン(銅イオンやニッケルイオン等)などの不純物の影響を受け易くなってめっき液の浴安定性が低下し、また、置換対象となる下地金属(ニッケル等)の溶解が遅くなって析出速度が低下する虞がある。一方、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度が75kg/m3を超えて添加しても析出速度が稍低下する程度で、安定剤としての顕著な作用効果を奏することができず、経済的観点から過剰な添加は好ましくない。しかも被めっき物が耐薬品性に劣るガラスセラミック基板のような場合は、該被めっき物を溶解させてしまう虞も生じる。
【0042】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中のアミノカルボン酸類濃度を2〜75kg/m3、好ましくは4〜40kg/m3としている。
【0043】
尚、アミノカルボン酸類としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等の遊離酸或いはこれらのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0044】
(4)隠蔽剤
被めっき物から溶出した下地金属イオン(銅イオンやニッケルイオン等)が錯体を形成してこれら下地金属イオンが金めっき液中で安定的に保持するために、本実施の形態では、隠蔽剤としてオキシカルボン酸類を添加している。
【0045】
しかしながら、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度が3kg/m3未満の場合は、上記安定剤と同様、溶解した下地金属(銅イオンやニッケルイオン等)の影響を受け易くなってめっき液の安定性が低下する。一方、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度が100kg/m3を超えて添加しても、上記安定剤と同様、析出速度が稍低下する程度であり、隠蔽剤としての顕著な作用効果を奏することができず、経済的観点から過剰に添加するは好ましくない。しかも被めっき物が耐薬品性に劣るガラスセラミック基板のような場合は、該被めっき物を溶解させてしまう虞がある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、金めっき液中のオキシカルボン酸類濃度を3〜100kg/m3、好ましくは5〜50kg/m3としている。
【0047】
尚、アミノカルボン酸類としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ギルコン酸等の遊離酸或いはこれらのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0048】
(5)析出促進剤
析出促進剤としてのアンチモン化合物及び/又はビスマス化合物を、後述するチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物からなる析出調整剤と共に、金めっき液中に添加することにより、所望の均一で緻密な金皮膜を被めっき物表面に形成することができ、このため本実施の形態では上記析出調整剤と共に、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物を金めっき液に添加している。
【0049】
しかしながら、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度が1.0×10−3kg/m3未満となると、析出速度が遅くなり、析出外観が不均一となってムラが発生する。一方、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度が1.0×10−1kg/m3を超えると、析出速度が速くなって金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性の劣化を招来したり、下地金属との密着性が低下する。
【0050】
そこで、本実施の形態では、アンチモン化合物及び/又はビスマス化合物の濃度を、1.0×10−3〜1.0×10−1kg/m3、好ましくは2.0×10−3〜5.0×10−2kg/m3としている。
【0051】
尚、アンチモン化合物としては、具体的には酒石酸アンチモニルナトリウム、酒石酸アンチモニルカリウム、オキシ硫酸アンチモン、塩化アンチモンを使用することができ、ビスマス化合物としては、クエン酸ビスマス、塩化ビスマス、硝酸ビスマス等を使用することができ、これらアンチモン化合物及びビスマス化合物をそれ単独で又は適宜組み合わせて添加することができる。
【0052】
(6)析出調整剤
析出促進剤は、金の析出速度を速くする作用を有するが、析出促進剤のみを金めっき液に添加しても析出皮膜の緻密性や密着性が低下し易くなるため、上述したように、析出調製剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物を前記析出促進剤と併用する必要がある。
【0053】
すなわち、上記析出調整剤は下地金属や金皮膜上に吸着して金の析出を抑制し、これにより下地金属への析出作用を緩和することができ、したがって上記析出促進剤の作用と相俟って、適度な析出速度を維持した状態で緻密性に優れた密着性の良い金皮膜を形成することができる。しかも、斯かる作用は、下地金属の種類によって差異が生じ難く、金の析出性も均一なものとなる。
【0054】
しかしながら、析出調整剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度が1.0×10−4kg/m3未満になると析出速度が速くなり過ぎて金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性が劣化したり、下地金属との密着性が低下する。一方、チオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度が1.0×10−2kg/m3を超えると析出速度が遅くなり、析出外観が不均一となってムラの発生する虞がある。
【0055】
そこで、本実施の形態では、上述した析出促進剤と同様、析出調製剤としてのチオール化合物及びその誘電体、及び/又は含窒素複素環式化合物の濃度を、1.0×10−4〜1.0×10−2kg/m3、好ましくは2.0×10−4〜5.0×10−3kg/m3としている。
【0056】
尚、チオール化合物及びその誘電体としては、例えば、チオグリコール酸(CH2(SH)COOH)、チオジグリコール酸(S(CH2COOH)2等を使用することができ、また、含窒素複素環式化合物としては、化学構造式(1)で示されるピリジン、化学構造式(2)で示されるビピリジル(2,2−ピピリジル)、化学構造式(3)で示されるフェナントロリン(1,10−フェナントロリン)等を使用することができ、これらチオール化合物及びその誘電体、又は含窒素複素環式化合物をそれ単独で又はこれらの組み合わせを適宜添加することができる。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【化3】
このように本実施の形態では、上記析出促進剤と上記析出調整剤とを併用することにより、適度な析出速度を維持することができ、浴温を35〜70℃、好ましくは40〜60℃の範囲に制御しながら金めっきを施すことができる。すなわち、金めっき液の浴温が35℃未満になると、析出速度が遅くなって析出外観が不均一となり析出ムラの発生する虞があり、また、金めっき液の浴温が70℃を超えると被めっき物が溶出する虞があるが、本実施の形態では、上記析出促進剤と上記析出調整剤とを併用することにより、めっき液の浴温を35℃〜70℃、好ましくは40℃〜60℃の範囲に設定して無電解金めっきを行なうことができ、これにより被めっき物の溶出が生じることもなく、析出外観が均一で析出ムラが生じないようにしている。
【0059】
また、本実施の形態では、亜硫酸水、硫酸、塩酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等のpH調製剤を使用することにより、金めっき液の水素イオン指数pHが5.0〜9.0に調製される。
【0060】
すなわち、水素イオン指数pHが5.0未満の低い値になると、錯化剤として添加されている亜硫酸塩が分解してめっき液の浴安定性を損なう虞があり、一方、水素イオン指数pHが9.0を超えて高くなると、析出速度が速くなって金皮膜の緻密性が低下し、はんだ濡れ性が劣化したり、下地金属との密着性が低下する虞がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、上述したpH調整剤を金めっき液に添加することにより、水素イオン指数pHを5.0〜9.0、好ましくは6.0〜8.0に調製している。
【0062】
次に、上記金めっき液を使用して製造された電子部品について詳述する。
【0063】
図1は上記金めっき液を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図であって、該セラミック多層基板は、複数のセラミックシート(第1〜第5のセラミックシート1a〜1e)が積層されてセラミック素体6を形成している。
【0064】
そして、セラミック素体6の表面には外部導体4(4a〜4c)が形成されると共に、該セラミック素体6の内部には所定パターンの内部導体3(3a〜3h)が埋設されており、ビアホール5(5a〜5k)を介して各内部導体間3、又は内部導体3と外部導体4とが電気的に接続されている。そして、本実施の形態では、第4のセラミックシート1dを介して内部導体3gと内部導体3eとが対向状に配されてコンデンサ部を形成し、外部導体4c及び内部導体3h、3f、3d、3bはビアホール5k、5g、5e、5cを介して電気的に接続されインダクタ部を形成している。
【0065】
また、外部導体4は、図2に示すように、銅電極7の表面にNi−P皮膜やNi−B皮膜等のニッケル皮膜8が形成され、該ニッケル皮膜8の表面に金皮膜9が形成されている。
【0066】
次に、上記セラミック多層基板の製造方法を説明する。
【0067】
まず、所定形状に成形されたセラミックシート1に対し、必要に応じてビアホール5を形成し、次いで、導電性ペーストを使用し、所定の配線パターンをセラミックシート1a〜1d上にスクリーン印刷して内部導体3を形成し、その後、第1〜第5のセラミックシート1a〜1eを積層し、所定温度で焼成処理してセラミック素体6を形成する。
【0068】
次いで、セラミック素体6の表面に銅を主成分とする導電性ペーストを塗布して焼付処理を行ない、所定パターンの銅電極7を形成して被めっき物を作製する。
【0069】
そしてこの後、被めっき物に一連の前処理を行なった後、無電解めっき処理を行なう。
【0070】
すなわち、まず、被めっき物に脱脂処理を施し、被めっき物から有機物質や無機物質による汚染を除去すると共にめっき液と銅電極7との濡れ性を向上させる。次いで、被めっき物を硫酸塩やクエン酸等の酸性水溶液に浸漬して銅電極7の表面に固着している酸化物をエッチング除去し、また表面形状を適度に平滑化或いは粗化等して表面形状の微調整を行い、さらに、エッチング処理時に銅電極7の表面に形成されたスマットを酸性処理液で除去し、銅電極7とめっき皮膜との密着性を向上させ、この後、無電解ニッケルめっきを行う。
【0071】
すなわち、ホスフィン酸塩やホウ素化合物等の所定の還元剤が添加されたニッケルめっき液に被めっき物を浸漬し、酸化還元反応を生じさせて銅電極7の表面にNi−PやNi−B等のニッケルを主成分としたニッケル皮膜8を形成する。
【0072】
尚、ニッケルめっき液には、上記還元剤の他、硫酸ニッケルなどのニッケル塩、コハク酸やグリシン、クエン酸などの錯化剤、その他微量の添加剤が含有され、水素イオン指数pHが4.5〜8.0に調製されている。
【0073】
次に、浴温が35〜70℃、水素イオン指数pHが5.0〜9.0に調製された上記金めっき液に被めっき物を浸漬し、金めっきを施す。
【0074】
すなわち、ニッケル皮膜8が形成された被めっき物を金めっき液に浸漬すると、電気化学的に卑な金属であるNiが溶出して電子(e−)を放出し、該放出された電子(e−)によって貴なAu+或いはAu3+が還元され、金がニッケル皮膜8上に析出し、これにより金皮膜9が形成される。
【0075】
このように本実施の形態では、析出促進剤としてアンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上、及び析出調整剤としてチオール化合物及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上が添加された金めっき液を使用してニッケル皮膜8上に金皮膜9を形成しているので、上記析出調整剤がニッケル皮膜8や金皮膜9上に吸着して金の析出を抑制することができ、これにより適度な析出速度を維持しつつ金めっきを施すことができ、均一で析出ムラがなく、緻密性に優れ、はんだ濡れ性が良好で、且つ密着性の良好な金皮膜9を形成することができる。
【0076】
しかも、適度な析出速度を維持しつつ金皮膜を形成しているので、Ni−P皮膜やNi−B皮膜等のニッケルめっき皮膜の種類に限定されることもなく、例えば、P含有率に差異のあるNi−P皮膜上に金めっきを施した場合であっても均一で緻密性に優れた金皮膜9を形成できる。
【0077】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では上記金めっき液を使用した置換めっき処理によりめっき工程を完了させているが、ワイヤーボンディング実装が必要な場合には、チオ尿素、アスコルビン酸などの還元剤を使用して自己触媒型めっき反応を生じさせ、前記置換金めっきで形成された金皮膜9の表面に金薄膜を重層し、所望厚膜の金皮膜を形成することができる。
【0078】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0079】
〔第1の実施例〕
本発明者は、まず、縦30mm、横10mm、板厚0.3mmの無酸素銅板を用意し、該無酸素銅板に無電解ニッケルめっきを施し、該無酸素銅板の表面全域に膜厚約5μmのNi−P皮膜(P含有率7wt%)を形成した。そして、該Ni−P皮膜の形成された無酸素銅板に下記めっき組成及びめっき条件下で置換金めっきを施し、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、実施例試験片を作製した。
【0080】
また、比較例として、上記めっき組成中、析出調整剤(チオジグリコール酸)を含有していない金めっき液を作製し、上記実施例試験片と同様の方法・手順でNi−P皮膜上に金皮膜を形成し、比較例試験片を作製した。
【0081】
次に、本発明者は、上記実施例及び比較例について、膜厚、析出外観、金の析出状態、密着性、めっき液の安定性、はんだ濡れ性を測定した。
【0082】
ここで、膜厚は、蛍光X線膜厚計により測定し、析出外観及び金の析出状態は目視で判定した。
【0083】
また、密着性は、実施例試験片及び比較例試験片を各5個づつ用意し、各試験JISZ−1522に準拠し、セロハン粘着テープを使用した剥離試験で評価した。
【0084】
また、めっき液の安定性は、2MTO(Metal Turn Over)連続使用時のめっき液の安定性を目視で評価した。すなわち、本第1の実施例では金換算で2kg/m3の亜硫酸金ナトリウム溶液が金めっき液中に含有されており、金めっき液中の金イオンは金めっき処理を施すことにより減少する。したがって、めっき液の品質や特性を安定的に保持するためには、金めっき液中の金イオン濃度を一定の範囲に制御する必要があり、本第1の実施例では、金換算で1.5〜2.0kg/m3の範囲で制御した。すなわち、亜硫酸金ナトリウムが1.5kg/m3まで減少すると0.5kg/m3の亜硫酸金ナトリウムを補給して2.0kg/m3とし、亜硫酸金ナトリウムが2.0kg/m3となった時点を1MTOとして2MTO連続使用時で金めっき液中に沈殿物や濁りの生成の有無、めっき浴槽の壁面への析出物(金)の付着有無によりめっき液の浴安定性を評価した。
【0085】
また、はんだ濡れ性は、実施例試験片及び比較例試験片を各5個づつ用意し、高温高湿下、試験片を所定時間放置した後、メニスコグラフ法によりはんだの引張力とはんだの排斥力とが等しくなるゼロクロス時間で評価した。
【0086】
すなわち、温度85℃、湿度85%の高温高湿条件で、各試験片を試験槽に100時間放置し、次いで、浸漬速度25mm/sec、浸漬深さ3mm、浸漬時間20secで浴温235℃のはんだ溶融槽(60%Sn−40%Pb)に浸漬し、前記ゼロクロス時間を測定し、はんだ濡れ性を評価した。
【0087】
実施例試験片は、金皮膜の膜厚は0.08μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、無酸素銅板上には未析出箇所は確認されなかった。また、剥離試験でも金皮膜がNi−P皮膜又は無酸素銅板から剥離する試験片はなく、また金皮膜が緻密であるためゼロクロス時間も1sec以下と短く、したがってはんだ濡れ性も良好であり、さらにめっき液中に沈殿物等も生じず、めっき液の浴安定性も良好であることが確認された。
【0088】
これに対して比較例試験片は、金皮膜の膜厚は0.40μm、析出外観は少し赤味を帯びたイエローであり、無酸素銅板上には未析出箇所は確認されなかったが、密着性及びはんだ濡れ性が悪化していることが確認された。
【0089】
すなわち、剥離試験で比較例試験片中3個の試験片が、Ni−P皮膜又は無酸素銅板から金皮膜が剥離し、素地との密着性が悪いことが分かった。
【0090】
また、ゼロクロス時間も約2secと長く、金皮膜の緻密性も悪くはんだ濡れ性に劣ることが分かった。
【0091】
〔第2の実施例〕
本発明者は、縦30mm、横10mm、板厚0.3mmのガラスセラミック基板を用意した。
【0092】
そして、ガラスセラミック基板の表面に膜厚約20μmの厚膜銅電極パターンをスクリーン印刷し、焼付処理を行い、次いで、上記第1の実施例と同様、無電解ニッケルめっきを施した後、下記めっき組成及びめっき条件下で置換金めっきを施し、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、実施例試験片を作製した。
【0093】
また、比較例として、上記めっき組成で析出促進剤(塩化アンチモン)及び析出調整剤(ピピリジル)を含有していない金めっき液を作製し、該金めっきの水素イオン指数pHを7.0、浴温を80℃に調製し、めっき処理時間25分で、上記実施例試験片と同様、Ni−P皮膜上に金皮膜を形成し、比較例試験片を作製した。
【0094】
次に、本発明者は、上記実施例及び比較例について、上記第1の実施例と同様の方法で、膜厚、析出外観、金の析出状態、密着性、めっき液の浴安定性を測定した。
【0095】
また、本第2の実施例では、はんだ濡れ広がり試験を行ってはんだ濡れ性を評価した。すなわち、各試験片にクリームはんだ印刷を施し、リフロー炉を通過させてはんだの濡れ広がり面積を測定し、はんだ濡れ性を評価した。
【0096】
実施例試験片は、金めっきで形成された金皮膜の膜厚は0.07μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、ガラスセラミック基板上に未析出箇所は確認されなかった。また、剥離試験でも金皮膜がNi−P皮膜又は無酸素銅板から剥離する試験片はなく、ゼロクロス時間も1sec以下と短く、したがってはんだ濡れ性も良好であり、まためっき液中に沈殿物等も生じず、めっき液の安定性も良好であることが確認された。
【0097】
これに対して比較例試験片は金膜厚が0.08μm、析出外観は綺麗なレモンイエローであり、ガラスセラミック基板上に未析出箇所は確認されず、また、剥離試験でも金皮膜が下地金属(銅電極、Ni−P皮膜)やガラスセラミック基板から剥離する試験片はなく、密着性は良好であり、またゼロクロス時間も1sec以下と短く、金皮膜も緻密であり、はんだ濡れ性も良好であった。
【0098】
しかしながら、本比較例試験片では、金めっき液に析出促進剤としての塩化アンチモン及び析出調整剤としてのピピリジルが添加されていないので、金めっき液中に沈殿物が生じたり濁りが生じ、液安定性が悪化することが分かった。
【0099】
また、浴温80℃でめっき処理を行ったので、耐薬品性に劣るガラスセラミックス基板が溶解し、このため銅電極のガラスセラミック基板への固着力が低下したり、抗折強度の低下を招来し、電気的特性が劣化する虞のあることが分かった。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る金めっき液は、非シアン系金源と、亜硫酸塩と、アミノカルボン酸類と、オキシカルボン酸類とが含有された金めっき液において、アンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出促進剤と、チオグリコール酸やチオジグリコール酸等のチオール化合物及びその誘導体、或いはビピリジルやフェナントロリン等の含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出調整剤が添加されているので、析出調整剤が下地金属や金皮膜上に吸着して金の析出を抑制し、下地金属への析出作用を緩和することができ、適度な析出速度を維持した状態で金皮膜を形成することができ、均一で緻密性に優れた密着性の良い金皮膜を形成することができる。しかも、耐薬品性に劣るガラスセラミック基板の場合であっても被めっき物が溶解するのを回避することができる。
【0101】
本発明に係るめっき方法は、上記金めっき液と被めっき物とを接触させて前記被めっき物上に置換反応を生じさせ、前記被めっき物上に金めっき皮膜を形成し、また、前記金めっき皮膜の形成に先立ち、前記被めっき物の表面にはニッケル皮膜を形成するので、ニッケル皮膜上に緻密で析出外観も均一な金皮膜を形成することができる。
【0102】
また、本発明のめっき方法は、前記金めっき皮膜を形成した後、還元剤を含有した金めっき液を使用して前記被めっき物に無電解金めっきを施し、前記金皮膜上にさらに金皮膜を重層することにより、所望の厚膜を有する緻密な金皮膜をニッケル皮膜上に形成することができ、ワイヤーボンディング実装等を容易に行うことができる。
【0103】
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、上記めっき方法を使用し、部品素体上に形成された導電部にめっき処理を施すので、導電部上に所望の均一で緻密性に優れた金皮膜を有する電子部品を容易に製造することができる。
【0104】
また、本発明に係る電子部品は、上記製造方法により製造されているので、金皮膜が均一で良好な緻密性を有しており、信頼性に優れた電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金めっき液を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
6 セラミック素体(部品素体)
7 銅電極(導電部)
8 ニッケル皮膜
9 金皮膜
Claims (8)
- 非シアン系金源と、亜硫酸塩と、アミノカルボン酸類と、オキシカルボン酸類とが含有された金めっき液において、
アンチモン化合物及びビスマス化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出促進剤と、メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体、又は含窒素複素環式化合物の中から選択された少なくとも1種以上の析出調整剤とが添加されていることを特徴とする金めっき液。 - 前記メルカプト基を含有した化合物及びその誘導体には、チオグリコール酸又はチオジグリコール酸の内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴とする請求項1記載の金めっき液。
- 前記含窒素複素環式化合物には、ピリジン、ビピリジル又はフェナントロリンの内の少なくとも1種以上が含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金めっき液。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の金めっき液と被めっき物とを接触させて前記被めっき物上に置換反応を生じさせ、前記被めっき物上に金皮膜を形成することを特徴とするめっき方法。
- 前記金皮膜の形成に先立ち、前記被めっき物の表面にニッケル皮膜を形成することを特徴とする請求項4記載のめっき方法。
- 前記金皮膜を形成した後、還元剤を含有した金めっき液を使用して前記被めっき物に無電解金めっきを施し、前記金皮膜上にさらに金皮膜を重層することを特徴とする請求項4又は請求項5記載のめっき方法。
- 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のめっき方法を使用し、部品素体上に形成された導電部にめっき処理を施すことを特徴とする電子部品の製造方法。
- 請求項7記載の製造方法により製造されていることを特徴とする電子部品。
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