JP2007243036A - 配線基板の製造方法およびめっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電特性の良好な配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる配線基板の製造方法は、第1の金属が露出している第1の基板10と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属が露出している第2の基板12とを導線16で接続して、前記第1の基板および前記第2の基板を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液14に浸漬することにより、前記第1の基板に前記第2の金属を析出させて金属層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板の製造方法およびめっき方法に関する。
近年の電子機器の高速化・高密度化に伴い、配線基板の製造方法として無電解めっき法が注目されている。無電解めっき法は、無電解めっき液中の金属イオンを還元剤の働きで金属を析出させるものであるため、電流を流す必要がなく、絶縁性の基板上にも金属を析出させることができる。
しかしながら、無電解めっき法を用いて金属を析出させる際、脱脂、表面粗化、触媒吸着等の前処理工程が必要である。
特開平10−65315号公報
本発明の目的は、触媒吸着等の前処理工程の必要のない配線基板の製造方法およびめっき方法を提供することにある。
本発明にかかる配線基板の製造方法は、
第1の金属が露出している第1の基板と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属が露出している第2の基板とを導線で接続して、
前記第1の基板および前記第2の基板を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液に浸漬することにより、前記第1の基板に前記第2の金属を析出させて金属層を形成する。
本発明にかかる配線基板の製造方法によれば、第1の金属と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属との導通を保ちながら、第1の基板および第2の基板を、第2の金属および還元剤を含む溶液に浸漬する。このとき、第1の基板と第2の基板との間に電位差が生じて、電子が導線を介して移動する。この電子と無電解めっき液中の還元剤とによって大きな還元力が生じることから、無電解めっき液中の第2の金属が還元され、イオン化傾向の小さい第1の金属表面に第2の金属が析出する。第2の金属で第1の金属が覆われた後は、析出した第2の金属が自己触媒機能を果たして無電解めっき反応が開始、継続して第2の金属を厚くすることができる。これにより、所望の膜厚の第2の金属からなる金属層を形成することができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の基板における前記第1の金属の露出面積は、前記第2の基板における第2の金属の露出面積より小さいことができる。
これにより、上述した電子の移動量および無電解めっき液の第2の金属濃度を増加させることができ、ひいては第2の金属の析出速度を向上させることができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の金属の露出面積は、第2の金属の露出面積の4分の1以下であることができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の金属は、銅であり、前記第2の金属は、ニッケルであることができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第2の金属は、ニッケルであり、
前記無電解めっき液は、還元剤としての次亜リン酸塩を含むことができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の基板は、前記非導電性基板と、当該基板上に形成されたパターン状の金属層とを有することができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の基板および前記第2の基板を前記無電解めっき液に浸漬し、所与の時間経過後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出すことができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の金属の全面が前記2の金属で覆われた後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出すことができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法において、
前記第1の基板に気泡が付着し始めた後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出すことができる。
本発明にかかる配線基板の製造方法は、
第1の金属が露出している第1の基板と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属が露出している第2の基板とを導線で接続して、
前記第1の基板および前記第2の基板を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液に浸漬することにより、前記第1の基板に前記第2の金属を析出させて金属層を形成する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.めっき方法および配線基板の製造方法
図1は、本実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図である。
(1)まず、第1の基板10を用意する。第1の基板10は、第1の金属が露出していれば、その材質は特に限定されないが、たとえば絶縁基板であってもよいし、第1の金属からなる導電性基板であってもよい。具体的に第1の基板10は、有機系基板(例えばプラスチック材、樹脂基板)であってもよいし、無機系基板(例えば石英ガラス、シリコンウエハ、酸化物層)であってもよい。プラスチック材としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。あるいは、第1の基板10は、光透過性基板(例えば透明基板)であってもよい。第1の基板10は、単層のみならず、ベース基板上に少なくとも1層の絶縁層が形成されている多層のものも含む。
第1の基板10が第1の金属からなる導電性基板でない場合には、第1の基板10上には、第1の金属を含む第1の金属層が第1の基板10上に形成されている。第1の金属層は、第1の基板10全面に形成されていてもよいし、パターン状に形成されていてもよい。第1の金属層は、第1の金属の単層からなってもよいし、第1の金属と他の金属との積層であってもよい。第1の金属は、後述する第2の金属よりイオン化傾向が小さければよく、たとえば、銅、銀、金、白金等であることができる。
(2)第2の基板12を用意する。第2の基板12は、第2の金属が露出していれば、その材質は特に限定されないが、たとえば第2の金属からなる導電性基板であることが好ましい。第2の金属は、第1の金属よりイオン化傾向が大きく、無電解めっきに適用できる金属であれば特に限定されないが、たとえば、ニッケルであることができる。
第2の基板12は、図1に示すように、第1の基板10より大きいことが好ましい。具体的には、第2の基板12における第2の金属の露出面積は、第1の基板10における第1の金属の露出面積の4倍以上であることが好ましい。
(3)次に、第1の基板10と、第2の基板12とを導線16により接続し、図1に示すように、第1の基板10および第2の基板12を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液14に浸漬する。ここで導線16は、第1の基板10上の第1の金属層および第2の基板12の第2の金属と導通するように設けられる。還元剤は、第2の金属に対して還元力を有するものであればよく、たとえば、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン、ジブチルアミンボラン、ホルマリン、ヒドラジン、水酸化ホウ素ナトリウム等の水酸化ホウ素塩等であることができる。第2の金属がニッケルの場合には、還元剤として、たとえば次亜リン酸塩、ジメチルアミンボラン等を用いることができる。また、無電解めっき液中において、第1の基板10と第2の基板12との距離は、特に限定されないが、約1cm〜3cmであることが好ましい。
このように第1の基板10および第2の基板12を上述した無電解めっき液14に浸漬すると、第1の基板10上に第2の金属が析出する。これは、以下の反応が起こるためと考えられる。
まず、第1の金属と第2の金属のイオン化傾向の違いから、第1の基板10と第2の基板12との間に電位差が生じ、第2の金属Mが第2の基板12から溶け出してイオン化する。
→M +e
ここで生じた電子eが導線16を介して第1の基板10に送られる。第1の基板10付近では、第2の基板12から送られた電子eと、無電解めっき液14中の還元剤とによって、イオン化された第2の金属M が還元され、第2の金属が第1の基板10上に析出する。
+e→M
無電解めっき液中において第1の基板10上の第1の金属の全面が第2の金属で覆われると、第1の基板10と第2の基板12との間に電位差がなくなるため、通常の無電解めっき反応により、第1の基板10の第2の金属上にさらに第2の金属が積層する。この後、第2の金属によって形成された第2の金属層が所望の膜厚になるまで、第1の基板10を無電解めっき液14に浸漬する。
(4)次に、図2に示すように、第1の基板10上の第1の金属の全面が第2の金属で覆われた後に、第2の基板12を無電解めっき液14から取り出してもよい。上述したように、第1の基板10上の第1の金属の全面が第2の金属で覆われると、第1の基板10と第2の基板12との間に電位差がなくなる。したがって、第2の基板12上においても第2の金属が無電解めっき反応により析出する場合がある。そこで、第2の基板12を無電解めっき液14から取り出すことにより、その後の第1の基板10上における第1の金属の析出速度を高めることができる。
なお、無電解めっき反応が始まると、第1の基板10に気泡が付着する場合がある。このような場合には、気泡が第1の基板10上に付着し始めた後に、第2の基板12を無電解めっき液14から取り出してもよい。また、第2の基板12を無電解めっき液14から取り出すのと同時に導線16を断線してもよい。
以上のめっき方法により配線基板を形成することができる。通常、無電解めっき反応の際、第1の基板10上に触媒がなければ、反応は開始しない。しかしながら、本実施の形態にかかる配線基板の製造方法によれば、通常の無電解めっき反応のときに比べて、多くの電子が第1の基板10に供与されるため、第1の基板10上に触媒の存在がなくても、無電解めっき反応を開始させることができる。したがって、第1の金属上に直接第2の金属を析出させることができ、製造工程を削減することができる。
また、本実施の形態にかかる配線基板の製造方法において第2の基板12は、第1の基板10より大きい。これによれば、第2の基板12で生じる電子の数を多くすることができ、その結果、第2の金属の析出反応速度を高めることができる。また、第2の金属の析出反応が遅いと、第1の金属が無電解めっき液14に長時間曝されることになり、第1の金属と無電解めっき液14の材質によっては、第1の金属が溶け出す場合がある。よって、第2の金属の析出反応を速めることにより、このような現象を回避することもできる。
2.電子デバイス
図3は、本実施の形態にかかる配線基板の製造方法によって製造される配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す。電子デバイス1000は、配線基板100と、集積回路チップ90と、他の基板92とを含む。
配線基板100に形成された配線パターンは、電子部品同士を電気的に接続するためのものであってもよい。配線基板100は、上述した製造方法によって製造される。図3に示す例では、配線基板100には、集積回路チップ90が電気的に接続され、配線基板100の一方の端部は、他の基板92(例えば表示パネル)に電気的に接続されている。電子デバイス1000は、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、EL(Electro luminescence)ディスプレイ装置などの表示装置であってもよい。
3.実験例
本実施の形態にかかる配線基板の製造方法により配線基板を形成した。
まず、第1の金属としての銅がパターン状に形成された第1の基板の脱脂洗浄を行った。ここで第1の基板上には、銅の各パターンを延長して設けられた予備パターン部が形成されている。次に、当該予備パターン部と導線とが導通するように、ワニ口クリップを用いて第1の基板に導線の一端を取り付けた。同様にワニ口クリップを用いてニッケル板からなる第2の基板に導線の他端を取り付けた。このとき、第1の基板における銅の露出面積(約1cm)は、ニッケル板の露出面積(約4cm)の4分の1程度であった。第1の基板と第2の基板とを、双方の基板面が間隔2cmをおいて平行になるようにして、無電解めっき液中に固定した。無電解めっき液は、テクニックジャパン(株)製FPDニッケルを、液温82℃、pH4.0〜pH4.4として使用した。
数秒〜数10秒経過後、第1の基板上にニッケルが析出し、気泡が発生し始めた。ニッケルの析出開始直後に導線を第1の基板10から一時的にはずしたところ、ニッケルの析出は停止した。さらに、導線を取り付けてしばらくした後、第1の基板上のニッケルの厚みが増した。このとき、再び導線を第1の基板からはずしたが、ニッケルの析出は継続した。
銅にかえて、第2の金属として金、銀、白金を用いて上記実験を行ったが、同様にニッケルが析出した。
以上の実験により、ニッケルめっき反応の初期には、導線からの電子供与に起因してニッケルの析出反応が起こり、ある程度ニッケルが析出した後には通常の無電解めっき反応によりニッケルが析出していることが確認された。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、さらなる種々の変形が可能である。また本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。 本実施の形態にかかる配線基板の製造方法を示す図。 本実施の形態にかかる配線基板を適用した電子デバイスの一例を示す図。
符号の説明
10 第1の基板、12 第2の基板、14 無電解めっき液、16 導線、90 集積回路チップ、92 他の基板、100 配線基板、1000 電子デバイス

Claims (10)

  1. 第1の金属が露出している第1の基板と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属が露出している第2の基板とを導線で接続して、
    前記第1の基板および前記第2の基板を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液に浸漬することにより、前記第1の基板に前記第2の金属を析出させて金属層を形成する、配線基板の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1の基板における前記第1の金属の露出面積は、前記第2の基板における第2の金属の露出面積より小さい、配線基板の製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記第1の金属の露出面積は、第2の金属の露出面積の4分の1以下である、配線基板の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記第1の金属は、銅であり、前記第2の金属は、ニッケルである、配線基板の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記第2の金属は、ニッケルであり、
    前記無電解めっき液は、還元剤としての次亜リン酸塩を含む、配線基板の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記第1の基板は、前記非導電性基板と、当該基板上に形成されたパターン状の金属層とを有する、配線基板の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記第1の基板および前記第2の基板を前記無電解めっき液に浸漬し、所与の時間経過後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出す、配線基板の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記第1の金属の全面が前記2の金属で覆われた後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出す、配線基板の製造方法。
  9. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記第1の基板に気泡が付着し始めた後に、前記第2の基板のみを前記無電解めっき液から取り出す、配線基板の製造方法。
  10. 第1の金属が露出している第1の基板と、当該第1の金属よりイオン化傾向の大きい第2の金属が露出している第2の基板とを導線で接続して、
    前記第1の基板および前記第2の基板を、第2の金属および還元剤を有する無電解めっき液に浸漬することにより、前記第1の基板に前記第2の金属を析出させて金属層を形成する、めっき方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011012332A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Nissan Motor Co Ltd めっき基板の製造方法
JP2012172162A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Toyota Central R&D Labs Inc 置換メッキ前駆体の製造方法

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