JP3833493B2 - Tab用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたtab用キャリアテープ及びtab用テープキャリア - Google Patents

Tab用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたtab用キャリアテープ及びtab用テープキャリア Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TAB(Tape Automated Bonding)用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ及びTAB用テープキャリアに関し、更に詳しくは、優れたSnホイスカ抑制効果とカーケンドールボイド抑制効果を有するTAB用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ及びTAB用テープキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の実装技術の自動化及び高速化を図ることを目的として、長尺の可撓性絶縁フィルムに銅リードパターンを形成したテープキャリアに、ワイヤレスボンディングによりICやLSIなどの半導体素子を組み込んでいくTAB方式が広く採用されている。
【0003】
従来、優れた耐食性、はんだ付け性を持つことから銅リードパターンにAuめっき皮膜の代用としてSnめっき皮膜が施されている。しかし、Snめっき皮膜は時間経過と共にその表面からSnホイスカと呼ばれるヒゲのような針状結晶が発生することが知られており、このSnホイスカの成長は回路間の短絡原因となる。この防止のためSnめっき後に100〜150℃−1〜2hrの加熱処理が必要とされてきた。だが、加熱することで、Snめっき皮膜と銅箔のCuとの間で急激な相互拡散が起き、Sn原子よりCu原子の拡散速度が速いことから、Snめっき皮膜と接している銅箔側にカーケンドールボイドと呼ばれる空孔ができる。このため、Snめっき皮膜の密着性が低下し、はんだ付け時に剥離する原因となる。
【0004】
特に近年における銅リードパターンのファインピッチ化に伴い、Snホイスカ及びカーケンドールボイドの抑制は早急に解決しなくてはならない重要な課題となっている。
【0005】
従来から、Snホイスカ発生並びにカーケンドールボイド発生を抑制する種々の対策は講じられている。例えばSnホイスカ発生を抑制する手段としては、スズめっき浴中にインジウムや鉛、ビスマス又はアンチモンの低融点金属塩を添加し、その析出皮膜中の低融点金属の組成が0.1〜3.0重量%となるように濃度調整したスズめっき浴を用いることが提案されている。また、下地はんだめっきや下地ニッケル−銅二層めっきのように、スズめっきの下地としてスズ以外の金属をめっきする方法が提案されている。
【0006】
更に、カーケンドールボイド発生を抑制する手段としては、銅箔のはんだと接合される部分にZn層又はZnを10重量%以上含む銅合金層を形成することでCuとSnの相互拡散を抑えることが提案されている。
【0007】
しかしながら、これらの方法においては▲1▼Snめっき工程の前に新たな工程が加わり、コストアップ及び生産性の低下が問題となる、▲2▼銅箔そのものは改善されていない、などの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、銅リードパターン作成後の工程増加や変更を必要とせず、信頼性の高いSnホイスカ及びカーケンドールボイドの抑制効果を有するTAB用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ及びTAB用テープキャリアを提供することにある。
【0009】
また、本発明は銅リードの形成に必要とされる耐熱性、はんだ濡れ性などの特性を良好に保つことができるTAB用テープキャリアに用いる銅箔を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記する目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、TAB用テープキャリアに用いる銅箔として銅箔の光沢面(S面)にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層(ニッケル−コバルト−モリブデン層)を有する銅箔を用いると、銅リード形成後のSnめっき皮膜におけるSnホイスカの発生及びCuとSnの相互拡散によるカーケンドールボイドの発生が格段に抑制されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、可撓性の絶縁フィルムに、TAB用テープキャリアに用いる銅箔を、マット面(M面)を貼り付け面として貼り付けてなるTAB用キャリアテープであって、銅箔が少なくとも光沢面(S面)側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる、表面にSnめっきをするための合金層(ニッケル−コバルト−モリブデン層)を有するものであるTAB用キャリアテープを提供するものである。
【0013】
本発明はまた、上記のTAB用キャリアテープの銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成したTAB用テープキャリアを提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のTAB用テープキャリアに用いる銅箔は、銅箔の少なくとも光沢面(S面)側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層(ニッケル−コバルト−モリブデン層)を有することを特徴とする。このニッケル−コバルト−モリブデン層を有する銅箔の該ニッケル−コバルト−モリブデン層について説明すると、金属ニッケル、コバルト及びモリブデンを主体とする合金薄膜であり、素地の銅箔表面に強固に密着している。このニッケル−コバルト−モリブデン層の表層部付近にはニッケルとコバルト及びモリブデンの酸化物、水酸化物が混在していてもよい。このニッケル−コバルト−モリブデン層を有する銅箔は、銅リードパターンを形成した後にSnめっきを行う際に問題となるSnホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発生が少なく、これを原因とした短絡事故やはんだ剥離事故を防止することができ、かつ銅リードの形成に必要とされるエッチング性、耐熱性、はんだ濡れ性などの特性を良好に保つことができる。
【0015】
このニッケル−コバルト−モリブデン層を構成するニッケル、コバルト及びモリブデンの金属量として換算した被着量とその比率について説明すると、ニッケル、コバルト及びモリブデンの各被着量は共に30〜1,000μg/dm2の範囲にあることが好ましい。それぞれ30μg/dm2未満の場合は、膜厚が薄いこともあってSnホイスカ及びカーケンドールボイド抑制効果を十分に発揮できないこともあり、一方、1,000μg/dm2を超える場合は、Snホイスカ及びカーケンドールボイド抑制効果は十分に発揮できるが、それぞれの比率にもよるが銅リードパターン形成時のエッチング性に影響を与えることがある。特に好ましいそれぞれの被着量は50〜500μg/dm2である。
【0016】
本発明において、銅箔としては、光沢面(S面)とマット面(M面)を有する電解銅箔が用いられる。銅箔の厚みについては特に制限はなく、TAB用テープキャリアに通常用いられる厚さの銅箔が用いられ、好ましい厚さは3〜70μmである。更に好ましくは5〜18μmである。
【0017】
また、銅箔のS面側の表面粗さはRaで0.1〜0.5μmであることが好ましく、M面側の表面粗さはRaで0.2〜0.7μmであることが好ましい。本発明においてはM面側の表面粗さが通常の銅箔より小さい銅箔を用いることが好ましく、微細な銅リードパターンの形成が可能となる。より好ましいM面側の表面粗さはRaで0.2〜0.4μmである。また、本発明においては、TAB用テープキャリアのハンドリング性の点から抗張力の大きい銅箔を用いることが好ましく、抗張力が400〜700N/mm2の銅箔が好ましく用いられる。またM面を粗面化処理して粗面化処理層を設けた銅箔を用いることが望ましい。M面に粗面化処理層を設けることにより、銅箔を、マット面(M面)を貼り付け面としてポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等の可撓性絶縁フィルムに積層して接着したときに、銅箔と可撓性絶縁フィルムとの間の剥離強度を高めることができる。粗面化処理は例えば、銅イオン及びニッケルイオンを含有するめっき浴を用いて陰極電解処理により微細粒状粗面を形成して実施することができる。
【0018】
銅箔上にニッケル−コバルト−モリブデン層を形成して本発明の銅箔を製造する手段としては、公知の電気めっき法、化学めっき法、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いることができる。これらの中では、電気めっき法によって陰極電解処理により実施することが量産性、経済性の点で実用上望ましい。電気めっき法は、ニッケルイオン、コバルトイオン及びモリブデン酸イオンを含むめっき浴を用いて、該めっき浴中で銅箔を陰極電解処理し、該銅箔のS面にニッケル−コバルト−モリブデン層を形成する。
【0019】
次に、ニッケル−コバルト−モリブデン層を形成する陰極電解処理に用いられるめっき浴について述べると、めっき浴中に含まれる金属イオンはニッケルイオンとコバルトイオン及びモリブデン酸イオンである。ニッケルイオン供給源として例示すると、NiSO4、NiCl2、NiCO3又はこれらの水化物などが好適である。コバルトイオン供給源としては、CoSO4、CoCl2、又はこれらの水化物などが好適である。モリブデン酸イオン供給源としては、Na2MoO4、(NH46Mo724、K2MoO4又はこれらの水化物などが好適である。
【0020】
ニッケルイオン供給源、コバルトイオン供給源及びモリブデン酸イオン供給源の少なくともそれぞれ1種を水に溶解してめっき浴がつくられる。めっき浴中の金属イオンの含有量を設定するにあたっては、前記めっき金属被着量と電流密度、通電時間などを勘案して決められるが、各金属イオン含有量は、通常それぞれ0.1〜50g/lの範囲から選択することができる。好ましくは、それぞれ5.0〜40g/lである。例えば、ニッケルイオン供給源にNiSO4・6H2O、コバルトイオン供給源にCoSO4・7H2O、モリブデン酸イオン供給源にNa2MoO4・2H2Oを用いた場合、それぞれ2.0〜40g/lの範囲で用いることが特に好ましい。
【0021】
また、めっき浴のpHは酸性からアルカリ性の広範囲な領域に調整して用いることも可能であるが、通常は酸性として用いることが好ましい。好ましくは4.0〜6.0である。更に、このめっき浴中の金属イオンの沈殿を防止する目的に、スルファミン酸等の錯化剤を添加してもよい。また、このめっき浴に通電性を付与する目的で、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウムのような塩類を添加してもよい。めっき浴の液温については通常常温でよい。
【0022】
このめっき浴に銅箔を浸漬し、銅箔のS面に不溶性陽極を対向配置させ通電することにより、銅箔のS面上にニッケル−コバルト−モリブデン層を形成する。電流密度及び通電時間については前記金属イオン量、めっき金属被着量とその比率など他の条件に関係するため一概には規定できないが、通常、電流密度0.1〜10A/dm2、好ましくは0.2〜2.0A/dm2、通電時間1〜60秒、好ましくは1〜30秒の範囲から適宜選択することが望ましい。
【0023】
また、必要に応じ、M面に同様の陰極電解処理を施すことによりニッケル−コバルト−モリブデン層を形成し、本発明のTAB用テープキャリアに用いる銅箔が製造される。
【0024】
また、必要に応じ、上記のようにしてニッケル−コバルト−モリブデン層を形成した銅箔のM面側又は両面にクロメート処理層を設けることができ、防錆性や耐化学薬品性を高めることができる。また、ニッケル−コバルト−モリブデン層を形成した銅箔、あるいは、更にクロメート処理層を設けた銅箔のM面側又は両面にシランカップリング剤処理層を設けることができ、接着強度特性を向上させることができる。
【0025】
本発明の銅箔を製造するにあたっては、例えば、所定の厚みと幅を有するコイル状に巻き取られた銅箔を、必要に応じて設けられる脱脂槽、酸洗槽、水洗槽、粗面化処理槽、水洗槽に次いで、ニッケル−コバルト−モリブデン層を形成するめっき槽、水洗槽、必要に応じて設けられるクロメート処理層、必要に応じて設けられるシランカップリング剤処理層及び乾燥装置等を連結した構造からなる銅箔処理装置内を定速走行させ、連続的に巻き取って製造することが好ましい。
【0026】
このようにして得られる本発明のTAB用テープキャリアに用いる銅箔を、可撓性の絶縁フィルムに、銅箔のM面を貼り付け面として貼り合わせることにより、本発明のTAB用キャリアテープとする。絶縁フィルムの厚みとしては、通常、40〜125μmが好ましい。銅箔を絶縁フィルムに貼り付ける方法としては、例えば、接着剤を用いることができ、また、接着剤付きの絶縁フィルムを用いて貼り付けてもよい。
本発明のTAB用テープキャリアは、本発明のTAB用キャリアテープの銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成することにより得られる。例えば、本発明のTAB用キャリアテープに所定のパターン形状のフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をマスクとしてエッチングを行って銅リードパターンを形成する。
【0027】
本発明のTAB用テープキャリアは、半導体装置をボンディングする際に銅リードの表面にSnめっきを行っても、Snホイスカ及びカーケンドールボイドの発生を抑制することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
NiSO4・6H2O 30g/lと、CoSO4・7H2O 8g/lと、Na2MoO4・2H2O 3g/lと、クエン酸三ナトリウム2水化物 30g/lを水に溶解して、pH5.0、液温30℃に調整しためっき浴をつくった。このめっき浴を用い、予めM面側を粗面化処理した厚み18μmの電解銅箔(M面表面粗さRa=0.55μm、S面表面粗さRa=0.2μm、抗張力=580N/mm2)を浸漬し、銅箔のS面側を1.0A/dm2、通電時間3秒で陰極電解処理し、ニッケル−コバルト−モリブデン層を形成した。陰極電解処理後、直ちに銅箔をめっき浴中から取り出して水洗した後、温度100℃に保持した乾燥器中で乾燥した。このニッケル−コバルト−モリブデン層のめっき金属被着量をICP(誘導結合プラズマ発光)分析装置で定量したところ、ニッケル金属量は100μg/dm2、コバルト金属量は300μg/dm2、モリブデン金属量は100μg/dm2であった。
【0030】
次に、下記の特性試験を行うために、得られたニッケル−コバルト−モリブデン層付銅箔を、接着剤付ポリイミド基材(厚み75μmのポリイミドフィルム、接着剤:エポキシ系接着剤)に、粗面化処理した面を基材面に接して張り付け、接着剤硬化のために160℃、6時間の条件下で加熱後、縦100mm、横70mmの試験片を必要数作製した。下記特性試験の結果を一括して表1及び表2に示した。
【0031】
(1)Snホイスカ試験
試験片でライン幅30μm、ラインスペース30μm、長さ1mmのライン250本のテスト回路をエッチングにより作製し、10%硫酸で10秒間酸洗した後、浴温70℃の無電解Snめっき浴で約1μmの厚みのめっきを行い、続いて湯温80℃の温水で湯洗し乾燥させた。この試験片を温度100℃に保持した乾燥器中で2時間加熱した後、常温で約1ケ月放置し、ライン250本すべてを金属顕微鏡(倍率500倍)で、Snホイスカの発生状況を観察し、○:5μm以上のSnホイスカの発生数が5本未満、△:5〜30本、×:31本以上、として評価した。
【0032】
(2)カーケンドールボイド試験
試験片でライン幅50μm、ラインスペース50μm、長さ1mmのライン15本のテスト回路をエッチングにより作製し、10%硫酸で10秒間酸洗した後、浴温70℃の無電解Snめっき浴で約1μmの厚みのSnめっきを行い、続いて湯温80℃の温水で湯洗し乾燥させた。このSnメッキした試験片を温度125℃に保持した乾燥器中で2時間加熱し取出し、常温に戻した。次いで、ひとつの条件としては温度160℃に保持した乾燥機中で2時間加熱し、もうひとつの条件としては温度170℃に保持した乾燥器中で2時間加熱した。この後、試験片を埋め込み樹脂に埋め込み、断面が観察できるように研磨し、ライン幅50μmのライン15本のSn層とCu層の境を電子顕微鏡(倍率10000倍)で、カーケンドールボイドの発生状況を観察し、○:発生がみられないもの、△:ラインの一部分に0.1μm未満のカーケンドールボイド発生がみられるもの、×:0.1μm以上のカーケンドールボイド発生がみられるもの、として評価した。
【0033】
(3)耐熱性試験
試験片の積層直後の銅箔面の変色度合と、200℃で1時間、240℃で10分間加熱処理した時の銅箔面の変色度合を目視で比較観察し、○:変色なし、△:少し変色、×:著しく変色、として評価した。
【0034】
(4)はんだ濡れ性試験
試験片を、前処理として化学研磨により1μm研磨した後、IPC−TM−650.2.4.12に準拠して評価を行った。
【0035】
実施例2〜4
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示すめっき浴組成と電解条件によりニッケル−コバルト−モリブデン層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0036】
比較例1
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、ニッケル層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0037】
比較例2
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、コバルト層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0038】
比較例3
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、ニッケル−コバルト層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0039】
比較例4
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、コバルト−モリブデン層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0040】
比較例5
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、ニッケル−モリブデン層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0041】
比較例6
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、錫層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0042】
比較例7
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、錫−亜鉛層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0043】
比較例8
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、インジウム−亜鉛層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0044】
比較例9
実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度のめっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の操作を行い、クロム−亜鉛層を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0045】
実施例1〜4は本発明のニッケル−コバルト−モリブデン層を形成した銅箔であるが、金属量を好適な範囲に保つことにより、Snホイスカの発生を抑制し、カーケンドールボイドの発生を抑制することができ、さらに、耐熱性、はんだ濡れ性についても良好な結果を示している。一方、比較例1はニッケル層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの発生は抑制しているが、カーケンドールボイドの発生を抑制することはできていない。比較例2はコバルト層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発生を抑制することはできていない。比較例3はニッケル−コバルト層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発生を抑制する傾向にはあるが、完全に抑制するまでに至っていない。比較例4はコバルト−モリブデン層を形成した銅箔であるが、カーケンドールボイドの発生は抑制しているが、Snホイスカの発生を抑制することはできていない。比較例5はニッケル−モリブデン層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの発生は抑制しているが、カーケンドールボイドの発生を抑制することはできていない。比較例6は錫層を形成した銅箔であるが、カーケンドールボイドの発生を抑制することはできていない。比較例7は錫−亜鉛層を形成した銅箔であり、比較例8はインジウム−亜鉛層を形成した銅箔であるが、いずれも、Snホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発生を抑制することはできていない。比較例9はクロム−亜鉛層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの発生を抑制することができず、カーケンドールボイドの発生の抑制も不充分である。
【0046】
したがって、上記、本発明のニッケル−コバルト−モリブデン層を形成する銅箔は、各特性試験の結果において優れていることが判明した。このことは、ニッケルとコバルト及びモリブデンの相乗作用から、ニッケル単独の層、コバルト単独の層を形成した場合及びニッケル、コバルト、モリブデンそれぞれの二成分系の層を形成した場合とは全く異なった性質が発現し、特に、Snホイスカ発生とカーケンドールボイド発生の双方の抑制効果に有益をもたらせているものと考えられる。
【0047】
【表1】
Figure 0003833493
【0048】
【表2】
Figure 0003833493
【0049】
【発明の効果】
本発明のTAB用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ及びTAB用テープキャリアは極めて優れたSnホイスカ及びカーケンドールボイド発生の双方の抑制効果を持つとともに、本発明のTAB用テープキャリアに用いる銅箔は耐熱性、はんだ濡れ性など銅リード形成に不可欠とされる特性も良好である。更に、Snホイスカ及びカーケンドールボイド発生の双方の抑制効果を銅箔に持たせているため、後の銅リード作製工程の変更、増加を必要としないため、この工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. 可撓性の絶縁フィルムに、TAB用テープキャリアに用いる銅箔を、マット面を貼り付け面として貼り付けてなるTAB用キャリアテープであって、銅箔が少なくとも光沢面側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる、表面にSnめっきをするための合金層を有するものであるTAB用キャリアテープ。
  2. 銅箔が、光沢面側とマット面側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層を有するものである請求項1記載のTAB用キャリアテープ。
  3. 銅箔が、光沢面側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層を有し、マット面側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層、該合金層上にクロメート処理層を有するものである請求項1記載のTAB用キャリアテープ。
  4. 銅箔が、光沢面側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層を有し、マット面側に粗面化処理層、該粗面化処理層上にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層、該合金層上にクロメート処理層を有するものである請求項1記載のTAB用キャリアテープ。
  5. 銅箔が、片面又は両面に更にシランカップリング剤処理層を有するものである請求項1〜4何れか記載のTAB用キャリアテープ。
  6. 請求項5記載のTAB用キャリアテープの銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成したTAB用テープキャリア。
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