JP2002016111A - Tab用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたtab用キャリアテープ及びtab用テープキャリア - Google Patents

Tab用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたtab用キャリアテープ及びtab用テープキャリア

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JP2002016111A JP2001125838A JP2001125838A JP2002016111A JP 2002016111 A JP2002016111 A JP 2002016111A JP 2001125838 A JP2001125838 A JP 2001125838A JP 2001125838 A JP2001125838 A JP 2001125838A JP 2002016111 A JP2002016111 A JP 2002016111A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅リードパターン作成後の工程増加や変更を
必要とせず、信頼性の高いSnホイスカ及びカーケンド
ールボイドの抑制効果を有するTAB用テープキャリア
に用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリア
テープ及びTAB用テープキャリアを提供する。 【解決手段】 銅箔の少なくとも光沢面側にニッケル、
コバルト及びモリブデンからなる合金層を有するTAB
用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いた
TAB用キャリアテープ及びTAB用テープキャリア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TAB(Tape
Automated Bonding)用テープキャ
リアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャ
リアテープ及びTAB用テープキャリアに関し、更に詳
しくは、優れたSnホイスカ抑制効果とカーケンドール
ボイド抑制効果を有するTAB用テープキャリアに用い
る銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ
及びTAB用テープキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の実装技術の自動化及
び高速化を図ることを目的として、長尺の可撓性絶縁フ
ィルムに銅リードパターンを形成したテープキャリア
に、ワイヤレスボンディングによりICやLSIなどの
半導体素子を組み込んでいくTAB方式が広く採用され
ている。
【0003】従来、優れた耐食性、はんだ付け性を持つ
ことから銅リードパターンにAuめっき皮膜の代用とし
てSnめっき皮膜が施されている。しかし、Snめっき
皮膜は時間経過と共にその表面からSnホイスカと呼ば
れるヒゲのような針状結晶が発生することが知られてお
り、このSnホイスカの成長は回路間の短絡原因とな
る。この防止のためSnめっき後に100〜150℃−
1〜2hrの加熱処理が必要とされてきた。だが、加熱
することで、Snめっき皮膜と銅箔のCuとの間で急激
な相互拡散が起き、Sn原子よりCu原子の拡散速度が
速いことから、Snめっき皮膜と接している銅箔側にカ
ーケンドールボイドと呼ばれる空孔ができる。このた
め、Snめっき皮膜の密着性が低下し、はんだ付け時に
剥離する原因となる。
【0004】特に近年における銅リードパターンのファ
インピッチ化に伴い、Snホイスカ及びカーケンドール
ボイドの抑制は早急に解決しなくてはならない重要な課
題となっている。
【0005】従来から、Snホイスカ発生並びにカーケ
ンドールボイド発生を抑制する種々の対策は講じられて
いる。例えばSnホイスカ発生を抑制する手段として
は、スズめっき浴中にインジウムや鉛、ビスマス又はア
ンチモンの低融点金属塩を添加し、その析出皮膜中の低
融点金属の組成が0.1〜3.0重量%となるように濃
度調整したスズめっき浴を用いることが提案されてい
る。また、下地はんだめっきや下地ニッケル−銅二層め
っきのように、スズめっきの下地としてスズ以外の金属
をめっきする方法が提案されている。
【0006】更に、カーケンドールボイド発生を抑制す
る手段としては、銅箔のはんだと接合される部分にZn
層又はZnを10重量%以上含む銅合金層を形成するこ
とでCuとSnの相互拡散を抑えることが提案されてい
る。
【0007】しかしながら、これらの方法においては
Snめっき工程の前に新たな工程が加わり、コストアッ
プ及び生産性の低下が問題となる、銅箔そのものは改
善されていない、などの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銅リ
ードパターン作成後の工程増加や変更を必要とせず、信
頼性の高いSnホイスカ及びカーケンドールボイドの抑
制効果を有するTAB用テープキャリアに用いる銅箔並
びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ及びTA
B用テープキャリアを提供することにある。
【0009】また、本発明は銅リードの形成に必要とさ
れる耐熱性、はんだ濡れ性などの特性を良好に保つこと
ができるTAB用テープキャリアに用いる銅箔を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記する目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、TAB用テ
ープキャリアに用いる銅箔として銅箔の光沢面(S面)
にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層
(ニッケル−コバルト−モリブデン層)を有する銅箔を
用いると、銅リード形成後のSnめっき皮膜におけるS
nホイスカの発生及びCuとSnの相互拡散によるカー
ケンドールボイドの発生が格段に抑制されることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】本発明は、銅箔の少なくとも光沢面(S
面)側にニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合
金層(ニッケル−コバルト−モリブデン層)を有するT
AB用テープキャリアに用いる銅箔を提供するものであ
る。
【0012】本発明はまた、可撓性の絶縁フィルムに、
上記の銅箔を、マット面(M面)を貼り付け面として貼
り付けてなるTAB用キャリアテープを提供するもので
ある。
【0013】本発明はまた、上記のTAB用キャリアテ
ープの銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成し
たTAB用テープキャリアを提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のTAB用テープキャリア
に用いる銅箔は、銅箔の少なくとも光沢面(S面)側に
ニッケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層(ニ
ッケル−コバルト−モリブデン層)を有することを特徴
とする。このニッケル−コバルト−モリブデン層を有す
る銅箔の該ニッケル−コバルト−モリブデン層について
説明すると、金属ニッケル、コバルト及びモリブデンを
主体とする合金薄膜であり、素地の銅箔表面に強固に密
着している。このニッケル−コバルト−モリブデン層の
表層部付近にはニッケルとコバルト及びモリブデンの酸
化物、水酸化物が混在していてもよい。このニッケル−
コバルト−モリブデン層を有する銅箔は、銅リードパタ
ーンを形成した後にSnめっきを行う際に問題となるS
nホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発生が少
なく、これを原因とした短絡事故やはんだ剥離事故を防
止することができ、かつ銅リードの形成に必要とされる
エッチング性、耐熱性、はんだ濡れ性などの特性を良好
に保つことができる。
【0015】このニッケル−コバルト−モリブデン層を
構成するニッケル、コバルト及びモリブデンの金属量と
して換算した被着量とその比率について説明すると、ニ
ッケル、コバルト及びモリブデンの各被着量は共に30
〜1,000μg/dm2の範囲にあることが好まし
い。それぞれ30μg/dm2未満の場合は、膜厚が薄
いこともあってSnホイスカ及びカーケンドールボイド
抑制効果を十分に発揮できないこともあり、一方、1,
000μg/dm2を超える場合は、Snホイスカ及び
カーケンドールボイド抑制効果は十分に発揮できるが、
それぞれの比率にもよるが銅リードパターン形成時のエ
ッチング性に影響を与えることがある。特に好ましいそ
れぞれの被着量は50〜500μg/dm2である。
【0016】本発明において、銅箔としては、光沢面
(S面)とマット面(M面)を有する電解銅箔が用いら
れる。銅箔の厚みについては特に制限はなく、TAB用
テープキャリアに通常用いられる厚さの銅箔が用いら
れ、好ましい厚さは3〜70μmである。更に好ましく
は5〜18μmである。
【0017】また、銅箔のS面側の表面粗さはRaで
0.1〜0.5μmであることが好ましく、M面側の表
面粗さはRaで0.2〜0.7μmであることが好まし
い。本発明においてはM面側の表面粗さが通常の銅箔よ
り小さい銅箔を用いることが好ましく、微細な銅リード
パターンの形成が可能となる。より好ましいM面側の表
面粗さはRaで0.2〜0.4μmである。また、本発
明においては、TAB用テープキャリアのハンドリング
性の点から抗張力の大きい銅箔を用いることが好まし
く、抗張力が400〜700N/mm2の銅箔が好まし
く用いられる。またM面を粗面化処理して粗面化処理層
を設けた銅箔を用いることが望ましい。M面に粗面化処
理層を設けることにより、銅箔を、マット面(M面)を
貼り付け面としてポリイミドフィルム、ポリエステルフ
ィルム等の可撓性絶縁フィルムに積層して接着したとき
に、銅箔と可撓性絶縁フィルムとの間の剥離強度を高め
ることができる。粗面化処理は例えば、銅イオン及びニ
ッケルイオンを含有するめっき浴を用いて陰極電解処理
により微細粒状粗面を形成して実施することができる。
【0018】銅箔上にニッケル−コバルト−モリブデン
層を形成して本発明の銅箔を製造する手段としては、公
知の電気めっき法、化学めっき法、真空蒸着法、スパッ
タリング法などを用いることができる。これらの中で
は、電気めっき法によって陰極電解処理により実施する
ことが量産性、経済性の点で実用上望ましい。電気めっ
き法は、ニッケルイオン、コバルトイオン及びモリブデ
ン酸イオンを含むめっき浴を用いて、該めっき浴中で銅
箔を陰極電解処理し、該銅箔のS面にニッケル−コバル
ト−モリブデン層を形成する。
【0019】次に、ニッケル−コバルト−モリブデン層
を形成する陰極電解処理に用いられるめっき浴について
述べると、めっき浴中に含まれる金属イオンはニッケル
イオンとコバルトイオン及びモリブデン酸イオンであ
る。ニッケルイオン供給源として例示すると、NiSO
4、NiCl2、NiCO3又はこれらの水化物などが好
適である。コバルトイオン供給源としては、CoS
4、CoCl2、又はこれらの水化物などが好適であ
る。モリブデン酸イオン供給源としては、Na2Mo
4、(NH46Mo724、K2MoO4又はこれらの水
化物などが好適である。
【0020】ニッケルイオン供給源、コバルトイオン供
給源及びモリブデン酸イオン供給源の少なくともそれぞ
れ1種を水に溶解してめっき浴がつくられる。めっき浴
中の金属イオンの含有量を設定するにあたっては、前記
めっき金属被着量と電流密度、通電時間などを勘案して
決められるが、各金属イオン含有量は、通常それぞれ
0.1〜50g/lの範囲から選択することができる。
好ましくは、それぞれ5.0〜40g/lである。例え
ば、ニッケルイオン供給源にNiSO4・6H2O、コバ
ルトイオン供給源にCoSO4・7H2O、モリブデン酸
イオン供給源にNa2MoO4・2H2Oを用いた場合、
それぞれ2.0〜40g/lの範囲で用いることが特に
好ましい。
【0021】また、めっき浴のpHは酸性からアルカリ
性の広範囲な領域に調整して用いることも可能である
が、通常は酸性として用いることが好ましい。好ましく
は4.0〜6.0である。更に、このめっき浴中の金属
イオンの沈殿を防止する目的に、スルファミン酸等の錯
化剤を添加してもよい。また、このめっき浴に通電性を
付与する目的で、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウムの
ような塩類を添加してもよい。めっき浴の液温について
は通常常温でよい。
【0022】このめっき浴に銅箔を浸漬し、銅箔のS面
に不溶性陽極を対向配置させ通電することにより、銅箔
のS面上にニッケル−コバルト−モリブデン層を形成す
る。電流密度及び通電時間については前記金属イオン
量、めっき金属被着量とその比率など他の条件に関係す
るため一概には規定できないが、通常、電流密度0.1
〜10A/dm2、好ましくは0.2〜2.0A/d
2、通電時間1〜60秒、好ましくは1〜30秒の範
囲から適宜選択することが望ましい。
【0023】また、必要に応じ、M面に同様の陰極電解
処理を施すことによりニッケル−コバルト−モリブデン
層を形成し、本発明のTAB用テープキャリアに用いる
銅箔が製造される。
【0024】また、必要に応じ、上記のようにしてニッ
ケル−コバルト−モリブデン層を形成した銅箔のM面側
又は両面にクロメート処理層を設けることができ、防錆
性や耐化学薬品性を高めることができる。また、ニッケ
ル−コバルト−モリブデン層を形成した銅箔、あるい
は、更にクロメート処理層を設けた銅箔のM面側又は両
面にシランカップリング剤処理層を設けることができ、
接着強度特性を向上させることができる。
【0025】本発明の銅箔を製造するにあたっては、例
えば、所定の厚みと幅を有するコイル状に巻き取られた
銅箔を、必要に応じて設けられる脱脂槽、酸洗槽、水洗
槽、粗面化処理槽、水洗槽に次いで、ニッケル−コバル
ト−モリブデン層を形成するめっき槽、水洗槽、必要に
応じて設けられるクロメート処理層、必要に応じて設け
られるシランカップリング剤処理層及び乾燥装置等を連
結した構造からなる銅箔処理装置内を定速走行させ、連
続的に巻き取って製造することが好ましい。
【0026】このようにして得られる本発明のTAB用
テープキャリアに用いる銅箔を、可撓性の絶縁フィルム
に、銅箔のM面を貼り付け面として貼り合わせることに
より、本発明のTAB用キャリアテープとする。絶縁フ
ィルムの厚みとしては、通常、40〜125μmが好ま
しい。銅箔を絶縁フィルムに貼り付ける方法としては、
例えば、接着剤を用いることができ、また、接着剤付き
の絶縁フィルムを用いて貼り付けてもよい。本発明のT
AB用テープキャリアは、本発明のTAB用キャリアテ
ープの銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成す
ることにより得られる。例えば、本発明のTAB用キャ
リアテープに所定のパターン形状のフォトレジスト層を
形成し、このフォトレジスト層をマスクとしてエッチン
グを行って銅リードパターンを形成する。
【0027】本発明のTAB用テープキャリアは、半導
体装置をボンディングする際に銅リードの表面にSnめ
っきを行っても、Snホイスカ及びカーケンドールボイ
ドの発生を抑制することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0029】実施例1 NiSO4・6H2O 30g/lと、CoSO4・7H2
O 8g/lと、Na 2MoO4・2H2O 3g/l
と、クエン酸三ナトリウム2水化物 30g/lを水に
溶解して、pH5.0、液温30℃に調整しためっき浴
をつくった。このめっき浴を用い、予めM面側を粗面化
処理した厚み18μmの電解銅箔(M面表面粗さRa=
0.55μm、S面表面粗さRa=0.2μm、抗張力
=580N/mm2)を浸漬し、銅箔のS面側を1.0
A/dm2、通電時間3秒で陰極電解処理し、ニッケル
−コバルト−モリブデン層を形成した。陰極電解処理
後、直ちに銅箔をめっき浴中から取り出して水洗した
後、温度100℃に保持した乾燥器中で乾燥した。この
ニッケル−コバルト−モリブデン層のめっき金属被着量
をICP(誘導結合プラズマ発光)分析装置で定量した
ところ、ニッケル金属量は100μg/dm2、コバル
ト金属量は300μg/dm2、モリブデン金属量は1
00μg/dm2であった。
【0030】次に、下記の特性試験を行うために、得ら
れたニッケル−コバルト−モリブデン層付銅箔を、接着
剤付ポリイミド基材(厚み75μmのポリイミドフィル
ム、接着剤:エポキシ系接着剤)に、粗面化処理した面
を基材面に接して張り付け、接着剤硬化のために160
℃、6時間の条件下で加熱後、縦100mm、横70m
mの試験片を必要数作製した。下記特性試験の結果を一
括して表1及び表2に示した。
【0031】(1)Snホイスカ試験 試験片でライン幅30μm、ラインスペース30μm、
長さ1mmのライン250本のテスト回路をエッチング
により作製し、10%硫酸で10秒間酸洗した後、浴温
70℃の無電解Snめっき浴で約1μmの厚みのめっき
を行い、続いて湯温80℃の温水で湯洗し乾燥させた。
この試験片を温度100℃に保持した乾燥器中で2時間
加熱した後、常温で約1ケ月放置し、ライン250本す
べてを金属顕微鏡(倍率500倍)で、Snホイスカの
発生状況を観察し、○:5μm以上のSnホイスカの発
生数が5本未満、△:5〜30本、×:31本以上、と
して評価した。
【0032】(2)カーケンドールボイド試験 試験片でライン幅50μm、ラインスペース50μm、
長さ1mmのライン15本のテスト回路をエッチングに
より作製し、10%硫酸で10秒間酸洗した後、浴温7
0℃の無電解Snめっき浴で約1μmの厚みのSnめっ
きを行い、続いて湯温80℃の温水で湯洗し乾燥させ
た。このSnメッキした試験片を温度125℃に保持し
た乾燥器中で2時間加熱し取出し、常温に戻した。次い
で、ひとつの条件としては温度160℃に保持した乾燥
機中で2時間加熱し、もうひとつの条件としては温度1
70℃に保持した乾燥器中で2時間加熱した。この後、
試験片を埋め込み樹脂に埋め込み、断面が観察できるよ
うに研磨し、ライン幅50μmのライン15本のSn層
とCu層の境を電子顕微鏡(倍率10000倍)で、カ
ーケンドールボイドの発生状況を観察し、○:発生がみ
られないもの、△:ラインの一部分に0.1μm未満の
カーケンドールボイド発生がみられるもの、×:0.1
μm以上のカーケンドールボイド発生がみられるもの、
として評価した。
【0033】(3)耐熱性試験 試験片の積層直後の銅箔面の変色度合と、200℃で1
時間、240℃で10分間加熱処理した時の銅箔面の変
色度合を目視で比較観察し、○:変色なし、△:少し変
色、×:著しく変色、として評価した。
【0034】(4)はんだ濡れ性試験 試験片を、前処理として化学研磨により1μm研磨した
後、IPC−TM−650.2.4.12に準拠して評
価を行った。
【0035】実施例2〜4 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示すめっき浴組
成と電解条件によりニッケル−コバルト−モリブデン層
を形成した後、実施例1と同様の水洗、乾燥を施した。
得られた銅箔を試験片とし、実施例1と同様に金属含有
量測定及び特性試験を実施し、その結果を表1及び表2
に示した。
【0036】比較例1 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、ニッケル層を形成した後、実施例1と同様
の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実
施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、
その結果を表1及び表2に示した。
【0037】比較例2 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、コバルト層を形成した後、実施例1と同様
の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実
施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、
その結果を表1及び表2に示した。
【0038】比較例3 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、ニッケル−コバルト層を形成した後、実施
例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験
片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験
を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0039】比較例4 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、コバルト−モリブデン層を形成した後、実
施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試
験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試
験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0040】比較例5 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、ニッケル−モリブデン層を形成した後、実
施例1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試
験片とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試
験を実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0041】比較例6 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、錫層を形成した後、実施例1と同様の水
洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実施例
1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、その
結果を表1及び表2に示した。
【0042】比較例7 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、錫−亜鉛層を形成した後、実施例1と同様
の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片とし、実
施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実施し、
その結果を表1及び表2に示した。
【0043】比較例8 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、インジウム−亜鉛層を形成した後、実施例
1と同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片
とし、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を
実施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0044】比較例9 実施例1と同様の銅箔を用いて、表1に示す組成濃度の
めっき浴及び電解条件を用いたほかは実施例1と同様の
操作を行い、クロム−亜鉛層を形成した後、実施例1と
同様の水洗、乾燥を施した。得られた銅箔を試験片と
し、実施例1と同様に金属含有量測定及び特性試験を実
施し、その結果を表1及び表2に示した。
【0045】実施例1〜4は本発明のニッケル−コバル
ト−モリブデン層を形成した銅箔であるが、金属量を好
適な範囲に保つことにより、Snホイスカの発生を抑制
し、カーケンドールボイドの発生を抑制することがで
き、さらに、耐熱性、はんだ濡れ性についても良好な結
果を示している。一方、比較例1はニッケル層を形成し
た銅箔であるが、Snホイスカの発生は抑制している
が、カーケンドールボイドの発生を抑制することはでき
ていない。比較例2はコバルト層を形成した銅箔である
が、Snホイスカの発生及びカーケンドールボイドの発
生を抑制することはできていない。比較例3はニッケル
−コバルト層を形成した銅箔であるが、Snホイスカの
発生及びカーケンドールボイドの発生を抑制する傾向に
はあるが、完全に抑制するまでに至っていない。比較例
4はコバルト−モリブデン層を形成した銅箔であるが、
カーケンドールボイドの発生は抑制しているが、Snホ
イスカの発生を抑制することはできていない。比較例5
はニッケル−モリブデン層を形成した銅箔であるが、S
nホイスカの発生は抑制しているが、カーケンドールボ
イドの発生を抑制することはできていない。比較例6は
錫層を形成した銅箔であるが、カーケンドールボイドの
発生を抑制することはできていない。比較例7は錫−亜
鉛層を形成した銅箔であり、比較例8はインジウム−亜
鉛層を形成した銅箔であるが、いずれも、Snホイスカ
の発生及びカーケンドールボイドの発生を抑制すること
はできていない。比較例9はクロム−亜鉛層を形成した
銅箔であるが、Snホイスカの発生を抑制することがで
きず、カーケンドールボイドの発生の抑制も不充分であ
る。
【0046】したがって、上記、本発明のニッケル−コ
バルト−モリブデン層を形成する銅箔は、各特性試験の
結果において優れていることが判明した。このことは、
ニッケルとコバルト及びモリブデンの相乗作用から、ニ
ッケル単独の層、コバルト単独の層を形成した場合及び
ニッケル、コバルト、モリブデンそれぞれの二成分系の
層を形成した場合とは全く異なった性質が発現し、特
に、Snホイスカ発生とカーケンドールボイド発生の双
方の抑制効果に有益をもたらせているものと考えられ
る。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明のTAB用テープキャリアに用い
る銅箔並びにこの銅箔を用いたTAB用キャリアテープ
及びTAB用テープキャリアは極めて優れたSnホイス
カ及びカーケンドールボイド発生の双方の抑制効果を持
つとともに、本発明のTAB用テープキャリアに用いる
銅箔は耐熱性、はんだ濡れ性など銅リード形成に不可欠
とされる特性も良好である。更に、Snホイスカ及びカ
ーケンドールボイド発生の双方の抑制効果を銅箔に持た
せているため、後の銅リード作製工程の変更、増加を必
要としないため、この工業的価値は極めて大である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔の少なくとも光沢面側にニッケル、
    コバルト及びモリブデンからなる合金層を有するTAB
    用テープキャリアに用いる銅箔。
  2. 【請求項2】 銅箔の光沢面側とマット面側にニッケ
    ル、コバルト及びモリブデンからなる合金層を有する請
    求項1記載のTAB用テープキャリアに用いる銅箔。
  3. 【請求項3】 銅箔の光沢面側にニッケル、コバルト及
    びモリブデンからなる合金層を有し、マット面側にニッ
    ケル、コバルト及びモリブデンからなる合金層、該合金
    層上にクロメート処理層を有するTAB用テープキャリ
    アに用いる銅箔。
  4. 【請求項4】 銅箔の光沢面側にニッケル、コバルト及
    びモリブデンからなる合金層を有し、マット面側に粗面
    化処理層、該粗面化処理層上にニッケル、コバルト及び
    モリブデンからなる合金層、該合金層上にクロメート処
    理層を有するTAB用テープキャリアに用いる銅箔。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4何れか記載のTAB用テー
    プキャリアに用いる銅箔の片面又は両面にシランカップ
    リング剤処理層を有するTAB用テープキャリアに用い
    る銅箔。
  6. 【請求項6】 可撓性の絶縁フィルムに、請求項1〜5
    何れか記載のTAB用テープキャリアに用いる銅箔を、
    マット面を貼り付け面として貼り付けてなるTAB用キ
    ャリアテープ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のTAB用キャリアテープ
    の銅箔をエッチングして銅リードパターンを形成したT
    AB用テープキャリア。
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