JPH07188979A - 印刷回路用銅箔及びその製造方法 - Google Patents

印刷回路用銅箔及びその製造方法

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JPH07188979A JP34699793A JP34699793A JPH07188979A JP H07188979 A JPH07188979 A JP H07188979A JP 34699793 A JP34699793 A JP 34699793A JP 34699793 A JP34699793 A JP 34699793A JP H07188979 A JPH07188979 A JP H07188979A
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俊雄 黒澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境問題を呈さずしかも樹脂基板と充分な接
着強度を発現しそして粉落ちを生じない印刷回路用銅箔
の被接着面粗化処理技術を確立すること。 【構成】 銅箔1の被接着面にルテニウムを含有する多
数の突起状銅電着物からなる粗化処理層3を備え、好ま
しくはルテニウムを含有する多数の突起状銅電着物の脱
落を防止する銅薄層4と、銅薄層を被覆する銅、クロ
ム、ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛からなる群から選
択される1種乃至2種以上の金属または合金からなるト
リート層5とトリート層を被覆する防錆層6とを有する
印刷回路用銅箔。酸性銅電解浴においてルテニウムイオ
ンを0.001〜10g/l存在せしめる。デンドライ
トの発達を抑えた丸みのある銅電着物が形成されるの
で、接着強度は向上しまたエッチング後の基板の電気的
特性や粉落ちの問題がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷回路用銅箔及びそ
の製造方法に関するものであり、特には銅箔と樹脂基板
との接着強度を高めるために銅箔の被接着面にルテニウ
ム(Ru)を含有する多数の突起状(粒状又は節こぶ
状、以下単に突起状と記載する)銅電着物からなる粗化
処理層を形成した印刷回路用銅箔及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】印刷回路用銅箔は一般に、合成樹脂等の基
材に高温高圧下で積層接着され、その後目的とする回路
を形成するべくレジストを用いて所定の回路パターンを
スクリーン印刷した後、不要部を除去するために塩化第
二銅溶液等のエッチング液を使用してエッチング処理が
施される。最終的に、所要の素子が半田付けされて、エ
レクトロニクスデバイス用の種々の印刷回路板を形成す
る。印刷回路板用銅箔に対する品質要求は、樹脂基材と
接着される被接着面(粗化面)と光沢面とで異なる。
【0003】本発明が関与する粗化面に対する要求とし
ては、主として、 基材との引きはがし強さが高温加熱、湿式処理、半田
付け、薬品処理等の後でも充分なこと(剥離強度)、 保存時における酸化変色のないこと(防錆性)、 基材との積層、エッチング後に生じる所謂積層汚点の
ないこと(耐塩酸性) エッチングに際して粉落ちのないこと(粉落ち防止) 等が挙げられる。中でも、充分に高い引きはがし強度を
有することは被接着面の最も重要な基本的事項である。
【0004】銅箔と樹脂基板との接着強度を高めるため
に、銅箔の被接着面には、多数の突起状銅電着物からな
る粗化処理層が形成される。こうして、圧延銅箔の場合
には、突起状銅電着物からなる凸部が形成される。電解
銅箔に粗化処理が施される場合には、生箔自体がすでに
凸部を有しており、その凸部の頂上部付近に突起状銅電
着物が多数電着して凸部を更に増強することになる。
【0005】有効な粗化処理として、特公昭54−38
053号、特公昭53−39327号等に砒素、アンチ
モン、ビスマス、セレンまたはテルルを含む酸性銅電解
浴中で限界電流密度前後で電解することが記載されてい
る。実用的には、砒酸が電解浴に添加されることが多
い。これにより生箔の凸部に多数の突起状銅電着物が形
成され、それにより接着強度が高まり、粗化処理方法と
して有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、砒素が
関与する場合、電解時に銅電着物中に砒素が数100p
pm取り込まれるため、銅箔の再生その他の処理時にま
たエッチング時に砒素が溶出したエッチング液の処分時
に存在する砒素が環境上また健康上重大な問題となる。
こうした毒性元素を含まない粗化処理法としてベンゾキ
ノリン類を微量添加した浴を使用する方法(特公昭56
−41196号)、モリブデン、バナジウム或いは両者
を添加した浴での処理(特公昭62−56677号、特
公昭62−56678号)、或いはパルスめっきでの粗
化処理(特開昭63−17597号、特開昭58−16
4797号)等が提唱されているが、剥離強度、粉落ち
その他の面でいまだ必ずしも充分ではない。
【0007】本発明の課題は、印刷回路用銅箔の被接着
面について、環境問題を呈さず、しかも樹脂基板との間
で充分な接着強度を発現しそしてエッチングに際して粉
落ちを生じない粗化処理技術を確立することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、課題解決に
向けての検討の結果、ルテニウムイオンを含有する銅電
解浴を用いて銅箔の被接着面に多数の突起状銅電着物か
らなる粗化処理層を形成すると、デンドライト(樹枝状
の結晶)の発生を抑制しそして丸みを帯びた突起が良好
に電着し、銅箔と樹脂基板との接着強度を向上しそして
粉落ちを回避するのに有用であることを見出すに至っ
た。Ruを銅箔表面処理の添加剤として使用するこれま
で技術は存在しない。この知見に基づいて、本発明は、
(1)銅箔の被接着面にルテニウムを含有する多数の突
起状銅電着物からなる粗化処理層を有することを特徴と
する印刷回路用銅箔を提供するものである。
【0009】更に、この粗化処理層の上に従来通り更に
処理層を形成することができ、この観点から、本発明は
(2)銅箔の被接着面にルテニウムを含有する多数の突
起状銅電着物からなる粗化処理層と、ルテニウムを含有
する多数の突起状銅電着物の脱落を防止する銅薄層とを
有することを特徴とする印刷回路用銅箔及び(3)銅箔
の被接着面にルテニウムを含有する多数の突起状銅電着
物からなる粗化処理層と、ルテニウムを含有する多数の
突起状銅電着物の脱落を防止する銅薄層と、該銅薄層を
被覆する銅、クロム、ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛
からなる群から選択される1種乃至2種以上の金属また
は合金からなるトリート層と、必要に応じ該トリート層
を被覆する防錆層とを有することを特徴とする印刷回路
用銅箔を提供する。
【0010】更に、印刷回路用銅箔を製造する方法とし
て(4)酸性銅電解浴において銅箔を陰極として限界電
流密度付近で電解して銅箔の被接着面に多数の突起状銅
電着物からなる粗化処理層を形成する印刷回路用銅箔の
製造方法において、電解浴中にルテニウムイオンを0.
001〜5g/l存在せしめることを特徴とする印刷回
路用銅箔の製造方法及び(5)形成された粗化処理層上
に多数の突起状銅電着物の脱落を防止する銅薄層を更に
形成することを特徴とする上記(4)の印刷回路用銅箔
の製造方法及び(6)形成された粗化処理層上に多数の
突起状銅電着物の脱落を防止する銅薄層を形成し、その
後銅、クロム、ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛からな
る群から選択される1種乃至2種以上の金属または合金
からなるトリート層を電解により形成し、更に必要に応
じ防錆処理することを特徴とする上記(4)の印刷回路
用銅箔の製造方法を提供する。
【0011】
【作用】本発明に従えば、酸性銅電解浴中にルテニウム
イオンを0.001〜10g/l存在せしめて粗化処理
層を構成することにより、突起状銅電着物が微量のルテ
ニウムを含有し、また銅電着時の核発生を抑制してデン
ドライトの形成を抑制しまた電着突起状粒子を丸めて、
接着強度の向上に有用となり、またエッチング時の粉落
ちを防止する。ルテニウムイオンが電解浴に存在しない
と、限界電流付近で電解すると、銅電着物は樹枝状とな
り、接着強度を改善するよりむしろ損なうことになる。
粉落ちが生じると、エッチング処理後銅の微粉が残るた
め電気的特性を損なう危険がある。
【0012】
【発明の具体的な説明】本発明は、圧延銅箔及び電解銅
箔いずれをも対象としうるが、特には電解銅箔が対象と
される。粗化処理層は電解銅箔に固有に存在する多数の
凸部を個々に更に増強するのに有用である。従来のよう
に砒素に代表される有毒元素を含む銅電解浴を使用して
の限界電流前後の電解によりこうした粗化処理層が効果
的に形成されるが、砒素が数100ppm粗化処理層に
とり込まれるために環境及び健康問題を呈したのであ
る。
【0013】図1は、電解銅箔の被接着面側の処理層の
例を概略的に示す。生箔1の被接着面には電解銅箔であ
るために、その表面全体にわたって凸部2が分布してい
る。この生箔上に粗化処理が行なわれる。本発明に従う
粗化処理により、凸部2の頂上部付近を主体として多数
のルテニウムを含む銅の微細粒子から成る突起状電着物
から構成される粗化処理層3が形成されて凸部を増強す
る。圧延銅箔のような平滑な銅箔に粗化処理が施された
場合には電着物自体が突起部を構成する。この後、多数
の処理態様があるが、例えば突起状電着物の脱落を防止
するために薄い銅めっきの銅薄層4が形成され、そして
後耐熱性その他の特性を付与するために銅、クロム、ニ
ッケル、鉄、コバルト及び亜鉛等の金属乃至合金、例え
ば黄銅等のめっきによるトリート層5が形成され、最後
にクロメート処理等に代表される防錆処理による防錆層
6が形成される。こうして処理された銅箔被接着面が樹
脂基板等に接着される。以下、各工程について詳述す
る。
【0014】本発明に従う粗化処理用銅電解浴のめっき
条件は次の通りである: 〔粗化処理用銅電解浴めっき条件〕 Cuイオン:5〜50g/l H2 SO4 :10〜200g/l Ruイオン:0.001〜10g/l 温度:室温〜50℃ 陰極電流密度(Dk ):5〜80A/dm2 時間:1〜30秒 銅電解浴中に存在させるルテニウムイオンの濃度は0.
001〜10g/lが適当であり、好ましくは0.00
5〜1g/lである。添加量が0.001g/l未満で
は粒子を丸める効果及び粉落ちを防止する効果が充分で
はなく、他方10g/lを超えると、粉落ちを抑え過
ぎ、充分なピール値を得ることができない。また、Ru
は高価な金属なので、経済的負担が増大する。ルテニウ
ムの供給源として、ナトリウム塩、カリウム塩、酸化物
等の使用が可能である。例えば、無水ルテニウム酸(V
I)やルテニウム酸ナトリウム(2水塩)等が使用され
る。
【0015】上記のような粗化処理後、粗化面にルテニ
ウム含有銅微細粒子の脱落を防止するために薄い銅めっ
きからなる銅薄層を形成することが望ましい。この銅薄
層めっき条件は次の通りである: [銅薄層めっき条件] Cu濃度:30〜100g/l 硫酸濃度:10〜200g/l 温度:室温〜75℃ 陰極電流密度(Dk ):5〜60A/dm2 時間:1〜30秒
【0016】その後、銅、クロム、ニッケル、鉄、コバ
ルト及び亜鉛からなる群から選択される1種乃至2種以
上の金属層または合金層を形成するトリート処理を行う
ことが好ましい。例えば、薄銅層の上にクロム、ニッケ
ル、鉄、コバルト或いは亜鉛の金属層、或いは銅−ニッ
ケル、銅−コバルト、銅−ニッケル−コバルト、銅−亜
鉛等に代表され得る合金層が形成されうる(例えば、特
公昭56−9028号、特開昭54−13971号、特
開平2−292894号、特開平2−292895号、
特公昭51−35711号、特公昭54−6701号参
照)。こうしたトリート処理層は銅箔の最終性状を決定
するものとしてまた障壁層としての役割を果たす。
【0017】例えば、亜鉛被膜を例にとると、亜鉛電気
めっきおよび無電解めっきいずれでも行いうるが、粗化
面片面にのみ被膜を形成するためには亜鉛電解操作によ
る方が便宜である。また、厚さの精確な制御、厚さの一
様性、付着層の緻密化等の観点からも電解操作が好まし
い。亜鉛電解操作は、硫酸亜鉛めっき浴や塩化亜鉛めっ
き浴に代表される酸性亜鉛めっき浴、シアン化亜鉛めっ
き浴のようなアルカリ性亜鉛めっき浴、あるいはピロリ
ン酸亜鉛めっき浴が使用しうるが、もっとも一般的に使
用される硫酸亜鉛浴で充分である。硫酸亜鉛浴を使用し
た場合の好ましい亜鉛電解条件は下記の通りである: [トリート処理亜鉛電解条件] ZnSO4 ・7H2 O:50〜350g/l pH(硫酸):2.5〜4.5 浴温度:40〜60℃ 陰 極:銅箔 陽 極:亜鉛または不溶性陽極 陰極電流密度:0.05〜0.4A/dm2 時 間:10〜30秒 亜鉛被覆量は、15〜1500μg /dm2 とすることが
好ましく、特に好ましくは15〜400μg /dm2 であ
る。亜鉛被覆量は、積層時の樹脂基板の種類によって異
なる。例えばフェノール樹脂基板用は、15〜60μg
/dm2 とし、ガラスエポキシ樹脂基板用は60〜150
0μg /dm2 、特に好ましくは60〜400μg /dm2
とする。
【0018】合金層の一例としてCu−Znトリート処
理の電解液組成及び条件例を挙げておく: [トリート処理Cu−Zn電解条件] NaCN :10〜30g/l NaOH :40〜100g/l CuCN :60〜120g/l Zn(CN)2 :1〜10g/l pH :10〜13 温度 :60〜80℃ Dk :1〜10A/dm2
【0019】更に、好ましくは、このトリート処理層表
面上に防錆層が形成される。公知の防錆処理の任意のも
のが適用可能である。クロメート処理液は現在使用され
ている様々の処理液いずれも使用しうるが、好ましいク
ロメート処理条件例を以下に示す: [クロメート処理条件] K2 Cr27 (或いはNa2 Cr27 、CrO
3 ):0.2〜20g/l 酸:りん酸あるいは硫酸、有機酸 pH:1.0〜3.5 浴温度:20〜40℃ 電流密度:0.1〜0.5A/dm2 時間:10〜60秒 陽極:鉛板、Pt−Ti板、ステンレス鋼板 クロム酸化物付着量はクロム量として50μg /dm2
下で充分であり、好ましくは15〜30μg /dm2 とさ
れる。クロム量が30μg /dm2 を超えると防錆力は向
上するがエッチング性が低下する。
【0020】有用な防錆方法として、本件出願人は、電
解亜鉛・クロム処理による亜鉛及び/又は酸化亜鉛とク
ロム酸化物との混合皮膜処理を提唱し(特公昭58−7
077号)、多くの成果を挙げてきた。更に、特開平2
−294490号は、長期間高温多湿条件下での黒点発
生を防止することを目的として、浸漬クロメート処理に
よりクロム酸化物皮膜を形成し、続いて電解亜鉛・クロ
ム処理により亜鉛及び/又は酸化亜鉛とクロム酸化物と
の混合皮膜を形成することを開示する。
【0021】最後に、必要に応じ、銅箔と樹脂基板との
接着力の改善を主目的として、防錆層上にシランカップ
リング剤を塗布するシラン処理が施される。塗布方法
は、シランカップリング剤溶液のスプレーによる吹付
け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等いずれでもよ
い。例えば、特公昭60−15654号は、銅箔の粗面
側にクロメート処理を施した後シランカップリング剤処
理を行なうことによって銅箔と樹脂基板との接着力を改
善することを記載している。詳細はこれを参照された
い。
【0022】こうして粗化面を被膜処理された銅箔は、
光沢面を必要に応じ処理した後、粗化面に接着剤を塗布
して樹脂基板に加熱圧着することにより印刷回路用銅張
り積層板とされ、所定の加工操作を経た後、印刷回路板
として使用に供される。光沢面の処理方法としては、ク
ロメート処理を含む各種化成処理、銅とのキレート化反
応を利用した有機剤処理、銅より卑な金属ないし合金の
被覆処理等その面において要求される特定水準に応じて
適当なものが選ばれる。
【0023】この後、必要に応じて、銅箔の延性を改善
する目的で焼鈍処理を施すこともある。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示す。
【0025】(実施例1)硫酸銅(5水塩)50g/l
(Cu:25g/l)、硫酸100g/l及びルテニウ
ム酸ナトリウム(2水塩)0.02g/l(Ru:0.
01g/l)を含む水溶液を30℃で電解浴として使用
し、厚さ18μmの電解銅箔の被接着面に電流密度40
A/dm2 で5秒間めっきした。この後、硫酸銅(5水
塩)100g/l(Cu:50g/l)及び硫酸100
g/lを含む水溶液を50℃で電解浴として使用し、粗
化処理層上に電流密度30A/dm2 で7秒間めっきす
ることによりルテニウムを含有する銅粒子の脱落を防止
する銅薄層を形成した。このようにして得られた銅箔を
分析したところ、箔全体に対するルテニウムの含有量は
約10ppm(突起状銅電着物中のRuの含有量は、約
0.013wt%)であった。得られた銅箔の粗化面の
突起状銅電着物の電着状況を示す電子顕微鏡写真を図2
(1000倍)及び図3(3000倍)に示す。また、
ガラス布基材エポキシ樹脂で加熱・加圧して銅張り積層
板を作製し、引き剥し強さ及び粉落ち特性を測定した。
状態ピール強度は1.40kg/cmであり、また粉落
ちは発生しなかった。
【0026】(比較例1)ルテニウムを含有しないこと
を除いて、実施例1と同様にして粗化処理層及び銅薄層
を形成した。得られた銅箔の粗化面の突起状銅電着物の
電着状況を示す電子顕微鏡写真を図4(1000倍)及
び図5(3000倍)に示す。また、ガラス布基材エポ
キシ樹脂で加熱・加圧して銅張り積層板を作製し、引き
はがし強さ及び粉落ち特性を測定した。状態ピール強度
は1.30kg/cmであり、粉落ちが発生した。
【0027】
【発明の効果】本発明によるルテニウムを含有する銅電
解浴で粗化した銅箔は、その処理は均一であり、ムラも
なく優秀な基板特性を示す。銅箔とガラス布基材基材エ
ポキシ樹脂で積層板を作製した場合、良好な接着性及び
耐熱性を示し、デンドライトの発達を抑えた丸みのある
電着物が形成されるので、接着強度は向上しまたエッチ
ング後の基板の電気的特性や粉落ちの問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解銅箔の被接着面側の処理層の例を概略的に
示す断面図である。
【図2】実施例1において得られた銅箔の粗化面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である(倍率:1000
倍)。
【図3】実施例1において得られた銅箔の粗化面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である(倍率:3000
倍)。
【図4】比較例1において得られた銅箔の粗化面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である(倍率:1000
倍)。
【図5】比較例1において得られた銅箔の粗化面の粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である(倍率:3000
倍)。
【符号の説明】
1 生箔 2 凸部 3 粗化処理層 4 銅薄層 5 トリート層 6 防錆層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅箔の被接着面にルテニウムを含有する
    多数の突起状銅電着物からなる粗化処理層を有すること
    を特徴とする印刷回路用銅箔。
  2. 【請求項2】 銅箔の被接着面にルテニウムを含有する
    多数の突起状銅電着物からなる粗化処理層と、ルテニウ
    ムを含有する多数の突起状銅電着物の脱落を防止する銅
    薄層とを有することを特徴とする印刷回路用銅箔。
  3. 【請求項3】 銅箔の被接着面にルテニウムを含有する
    多数の突起状銅電着物からなる粗化処理層と、ルテニウ
    ムを含有する多数の突起状銅電着物の脱落を防止する銅
    薄層と、該銅薄層を被覆する銅、クロム、ニッケル、
    鉄、コバルト及び亜鉛からなる群から選択される1種乃
    至2種以上の金属または合金からなるトリート層と、必
    要に応じ該トリート層を被覆する防錆層とを有すること
    を特徴とする印刷回路用銅箔。
  4. 【請求項4】 酸性銅電解浴において銅箔を陰極として
    限界電流密度付近で電解して銅箔の被接着面に多数の突
    起状銅電着物からなる粗化処理層を形成する印刷回路用
    銅箔の製造方法において、電解浴中にルテニウムイオン
    を0.001〜10g/l存在せしめることを特徴とす
    る印刷回路用銅箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 形成された粗化処理層上に多数の突起状
    銅電着物の脱落を防止する銅薄層を更に形成することを
    特徴とする請求項4の印刷回路用銅箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 形成された粗化処理層上に多数の突起状
    銅電着物の脱落を防止する銅薄層を形成し、その後銅、
    クロム、ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛からなる群か
    ら選択される1種乃至2種以上の金属または合金からな
    るトリート層を電解により形成し、更に必要に応じ防錆
    処理することを特徴とする請求項4の印刷回路用銅箔の
    製造方法。
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