JPH07202367A - 印刷回路用銅箔の表面処理方法 - Google Patents

印刷回路用銅箔の表面処理方法

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JPH07202367A
JPH07202367A JP34950493A JP34950493A JPH07202367A JP H07202367 A JPH07202367 A JP H07202367A JP 34950493 A JP34950493 A JP 34950493A JP 34950493 A JP34950493 A JP 34950493A JP H07202367 A JPH07202367 A JP H07202367A
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copper foil
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treatment
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JP34950493A
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Hiroo Tsuchiya
弘雄 土屋
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硝酸イオンを含む電解液で高電流密度条件で
も金属微細粒子の密着性が良く外観不良のない銅箔粗化
処理を安定して行う方法の確立。 【構成】 銅酸性溶液にNO3 -及びCl- を添加し、更にM
o、W 、Asの水溶性化合物の一種以上を添加した電解液
を用いて、銅箔1上に銅を主成分とする金属微細粒子3
を銅箔の被接着面に形成することを特徴とする印刷回路
用銅箔の表面処理方法。NO3 -:0.5-10g/l 、Cl- :0.5-
50mg/l、Mo化合物:Moとして0.01-5g/l 、W化合物:W
として0.1-300mg/l そしてAs化合物:Asとして0.1-5g/l
添加。粒子の脱落防止のための銅薄層4、銅、クロム、
ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛から選択される1種乃
至2種以上の金属または合金からなるトリート層5び防
錆層6を形成可能。NO3 -の粒密着性改善効果、Cl- の粒
発生頻度の調節効果、Mo、W 、As化合物のデンドライト
成長抑制・外観均質化効果を組合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷回路用銅箔の表面
処理方法に関するものであり、特には硝酸イオン及び塩
素イオンを添加し、更にモリブデン、タングステン及び
砒素の水溶性化合物のいずれか一種以上を添加した電解
液を用いて銅箔の被接着面に銅を主成分とする金属微細
粒子を電気めっきにより形成する印刷回路用銅箔の表面
処理方法並びにその後所要の処理層を更に形成する印刷
回路用銅箔の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷回路用銅箔は一般に、合成樹脂等の
基材に高温高圧下で積層接着され、その後目的とする回
路を形成するべくレジストを用いて所定の回路パターン
をスクリーン印刷した後、不要部を除去するために塩化
第二銅溶液等のエッチング液を使用してエッチング処理
が施される。最終的に、所要の素子が半田付けされて、
エレクトロニクスデバイス用の種々の印刷回路板を形成
する。印刷配線板用銅箔に対する品質要求は、樹脂基材
と接着される被接着面(粗化面)と光沢面とで異なる。
【0003】本発明が関与する被接着面に対する要求と
しては、主として、 基材との引きはがし強さが高温加熱、湿式処理、半田
付け、薬品処理等の後でも充分なこと(剥離強度)、 保存時における酸化変色のないこと(防錆性)、 基材との積層、エッチング後に生じる所謂積層汚点の
ないこと(耐塩酸性) エッチングに際して粉落ちのないこと(粉落ち防止) 外観不良のないこと 等が挙げられる。中でも、充分に高い引きはがし強度を
有することは被接着面の最も重要な基本的事項である。
外観不良のないことも重要である。
【0004】上述した通り、印刷回路用銅箔は、絶縁性
の樹脂基板上に貼り付けて銅張積層板とした後に回路を
形成するため、銅箔の被接着面は基板上に強く密着した
接着状態を保つ必要がある。銅箔と樹脂との密着性や接
着強度を高めるため、圧延銅箔表面に微細な銅又は銅を
主成分とする金属微細粒子を形成して表面形状を複雑な
凹凸がついたものとする、所謂粗化処理とよばれる処理
が用いられる。電解銅箔に粗化処理が施される場合に
は、生箔自体がすでに凸部を有しており、その凸部の頂
上部付近に突起状電着物が多数電着して凸部を更に増強
することになる。通常、粗化処理には銅イオンを主成分
として含む電解液中で限界電流密度付近での電解によ
り、陰極とした銅箔表面に銅または銅合金の粒子をめっ
きする方法が用いられる。この時、粗化処理で形成する
金属微細粒子は、銅箔表面に密着するとともに樹脂基板
との最良の接着強度が得られるような適切な形状を有し
ている必要がある。こうした粒の形状が安定して得られ
るようにするため、粗化処理の電解液には銅以外の種々
の添加剤が加えられている。
【0005】これらの添加剤の一つとして、硝酸イオン
を用いる例が報告されている。例えば、特公昭45−3
4245号では、5g/l以上の硝酸イオンを加えるこ
とで粗化粒の密着性を高めている。また、特公昭57−
56558号では3〜50g/lの硝酸を加えた電解液
が報告されている。また、これらの改良として、硝酸イ
オンの他に塩素イオンを加えることで粒の発生頻度を調
節し、粒の数や分布を改良する方法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした粗化処理で生
産性を高めるには、ある程度の形状効果を挙げるに充分
な大きさの金属微細粒子をできるだけ短時間で析出させ
ること、すなわち粗化処理めっきでの電流密度を高める
ことが要求される。しかし、上記の硝酸イオンを含む浴
では、電流密度を高めるとカソード上での硝酸イオンの
分解が急増して銅電着効率が低下し、電流が無駄に消費
される。その一方で硝酸イオン濃度を下げれば、電着効
率は改善するものの、粒の密着性が劣ってくる他、局部
的にデンドライトが成長しこれを核として銅箔表面に黒
色の斑点状の外観不良が発生することが問題として認識
されるようになった。
【0007】本発明の課題は、上記の硝酸イオンを含む
電解液でより生産性の優れた高電流密度条件でも金属微
細粒子の密着性が良く外観の均一なそして外観不良のな
い銅箔粗化処理を安定して行う方法を確立することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら電着効
率の低下や処理後の外観不良発生の問題点を解決するべ
く検討を重ねた結果、電解液として銅の酸性溶液に硝酸
イオン及び塩素イオンを含み、更にモリブデン、タング
ステン及び砒素の水溶性化合物のいずれか一種以上を添
加したものを使用するとよいことが見出された。この知
見に基づいて、更には従来から実施されている方法を勘
案して、本発明は、銅の酸性溶液に硝酸イオン及び塩素
イオンを添加し、更にモリブデン、タングステン及び砒
素の水溶性化合物のいずれか一種以上を添加した電解液
を用いて、銅箔を陰極としての電気めっきにより銅を主
成分とする金属微細粒子を銅箔の被接着面に形成するこ
とを特徴とする印刷回路用銅箔の表面処理方法を提供す
る。硝酸イオン濃度を0.5〜10g/lそして塩素イ
オン濃度を0.5〜50mg/lとし、更に水溶性モリ
ブデン化合物の濃度をモリブデンとして0.01〜5g
/l、水溶性タングステン化合物の濃度をタングステン
として0.1〜300mg/lそして砒素化合物の濃度
を砒素として0.1〜5g/lの範囲で添加することが
推奨される。更に、形成された金属微細粒子上に金属微
細粒子の脱落を防止するための銅薄層を形成することが
できる。また。銅薄層上に銅、クロム、ニッケル、鉄、
コバルト及び亜鉛からなる群から選択される1種乃至2
種以上の金属または合金からなるトリート層を電解によ
り形成し、必要に応じ更に防錆処理することができる。
【0009】
【作用】本発明においては、酸性銅水溶液の中に添加剤
として硝酸イオン及び塩素イオンを添加し、更にモリブ
デン、タングステン及び砒素のいずれか一種以上の水溶
性化合物を加えた電解液を用いる。ここでモリブデン・
タングステン及び/又は砒素を用いるのは、粗化時にこ
れら成分の一部が銅とともに電着するため核発生・成長
状態が変化する結果として、局部的なデンドライトの発
生が抑えられ、粗化処理後の表面外観が均一化する作用
効果を利用するためである。すなわち、本発明は、
(1)硝酸イオンの粒密着性改善効果、(2)塩素イオ
ンの粒発生頻度の調節効果、(3)モリブデン・タング
ステンあるいは砒素化合物のデンドライト成長抑制・外
観均質化効果を組み合わせることで、既知の電解液に比
べより幅広い電解条件範囲で金属微細粒子の密着性や均
一性のよい表面粗化処理を可能とするものである。
【0010】モリブデンの使用に関しては、モリブデン
化合物のみを酸性銅溶液に添加する方法が特公昭62−
56677に紹介されている。しかし、モリブデンだけ
を添加した場合は電流密度が高くなった場合に微細な粉
状の銅粒子が析出して粉落ちしやすくなる。印刷回路用
途においては、粉落ちは回路の破損、短絡等の問題を呈
するので重大な問題である。
【0011】
【発明の具体的な説明】本発明は、圧延銅箔及び電解銅
箔いずれをも対象としうるが、特には電解銅箔が対象と
される。電解銅箔に固有に存在する多数の凸部を個々に
更に増強するのに有用である。
【0012】図1は、電解銅箔の被接着面側の処理層の
例を概略的に示す。生箔1の被接着面には電解銅箔であ
るために、その表面全体にわたって凸部2が分布してい
る。この生箔上に粗化処理が行なわれる。本発明に従う
粗化処理により、凸部2の頂上部付近を主体として多数
の銅又は銅を主成分とする金属微細粒子から成る突起状
電着物から構成される粗化処理層3が形成されて凸部を
増強する。圧延銅箔のような平滑な銅箔に粗化処理が施
された場合には電着物自体が突起部を構成する。この
後、多数の処理態様があるが、例えば突起状銅電着物の
脱落を防止するために薄い銅めっきの銅薄層4が形成さ
れ、そして後耐熱性その他の特性を付与するために銅、
クロム、ニッケル、鉄、コバルト及び亜鉛等の金属乃至
合金、例えば黄銅等のめっきによるトリート層5が形成
され、最後にクロメート処理等に代表される防錆処理に
よる防錆層6が形成される。こうして処理された銅箔被
接着面が樹脂基板等に接着される。以下、各工程につい
て詳述する。
【0013】粗化処理効果を実現するための各成分の適
切な濃度は、操業条件、例えば電流密度・電着量・液の
撹拌状態によって異なるが、実用的な条件の範囲では以
下の条件が有効である: [粗化処理電解条件] (A)電流密度:80A/dm2 以下、80A/dm2
を超えると粉落ちが多くなる。高電流密度とは:本発明
においては40A/dm2 以上を云う。 (B)酸性硫酸銅溶液の組成: Cu2+:5〜50g/l、 遊離硫酸:10〜150g/l、 硝酸イオン:0.5〜10g/l 塩素イオン:0.5〜50mg/l 水溶性モリブデン化合物:モリブデンとして0.01〜
5g/l、 水溶性タングステン化合物:タングステンとして0.1
〜300mg/l 砒素化合物:砒素として0.1〜5g/l (C)温度:室温から50℃ (D)陰極電流密度(Dk ):5〜80A/dm2 (E)時間:1〜30秒
【0014】硝酸イオンは、硝酸または硝酸ナトリウム
などの水溶性硝酸塩として加えることができるが、粗化
処理で分解し消費される硝酸イオンを追加補給しても液
中に塩類を蓄積させないために、硝酸が適当である。硝
酸イオンの濃度は、0.5〜10g/l、好ましくは1
〜6g/lが適当である。0.5g/l未満では粉落ち
防止効果が弱く、実用性に乏しい。10g/lを超える
と電着効率が著しく低下し、電解時間を調節しても充分
な形状効果のある粒子を成長させることが困難となる。
【0015】塩素イオンは、塩酸または水溶性塩化物と
して加えることができるが、これも濃度調節のため追加
補給しても液中に塩類を蓄積させないためには、塩酸が
適当である。塩素イオンの濃度は、0.5〜50mg/
l、好ましくは2〜10mg/lが適当である。0.5
mg/l未満では、粗化粒の成長が抑制され、アンカー
効果のある丸みのある形になりにくい。50mg/lを
超えると、粗化粒が極端に微細化し、ピール強度の向上
がみられず、塩素による効果が飽和する。
【0016】水溶性モリブデン化合物としては、モリブ
デン酸およびその塩、さらには珪素・砒素・リンを含む
ヘテロポリモリブデン酸イオンや有機酸との錯化合物が
利用できるが、溶解度や安定性の点でモリブデン酸およ
びそのナトリウム塩・カリウム塩・アンモニウム塩が適
当である。モリブデン化合物の濃度はモリブデン単独に
換算して0.01〜5g/l、好ましくは0.1〜1g
/lが適当である。0.01g/l未満ではデンドライ
ト抑制効果が弱く実用性に乏しい。5g/lを超えると
微細な粒を生じやすくなり、かえって粉落ちを助長す
る。
【0017】水溶性タングステン化合物としては、タン
グステン酸およびその塩、さらには珪素・砒素・リンを
含むヘテロポリタングステン酸イオンや有機酸との錯化
合物が利用できるが、溶解度や安定性の点でタングステ
ン酸およびそのナトリウム塩・カリウム塩・アンモニウ
ム塩が適当である。タングステン化合物の濃度は、タン
グステン単独に換算して0.1〜300mg/l、好ま
しくは1〜30mg/lが適当である。0.1mg/l
未満ではデンドライト抑制効果が弱く実用性に乏しい。
300mg/lを超えると微細な粒を生じやすくなり、
かえって粉落ちを助長するほか、添加するタングステン
化合物の種類によってはタングステン酸が沈澱する。
【0018】水溶性砒素化合物としては、砒酸あるいは
亜砒酸およびこれらの塩などが利用できるが、溶解度や
安定性の点で砒酸およびそのナトリウム塩・カリウム塩
・アンモニウム塩が適当である。砒素化合物の濃度は砒
素単独に換算して0.1〜5g/l、好ましくは0.5
〜2g/lが適当である。0.1g/l未満ではデンド
ライト抑制効果が弱く実用性に乏しい。5g/lを超え
ると微細な粒を生じやすくなり、かえって粉落ちを助長
する。
【0019】上記のような粗化処理後、粗化面に金属微
細粒子の脱落を防止するために薄い銅めっきからなる銅
薄層を形成することが望ましい。この銅薄層めっき条件
は次の通りである: [銅薄層めっき条件] Cu濃度:30〜100g/l 硫酸濃度:10〜200g/l 温度:室温〜75℃ 陰極電流密度(Dk ):5〜60A/dm2 時間:1〜30秒
【0020】その後、銅、クロム、ニッケル、鉄、コバ
ルト及び亜鉛からなる群から選択される1種乃至2種以
上の金属層または合金層を形成するトリート処理を行う
ことが好ましい。例えば、薄銅層の上にクロム、ニッケ
ル、鉄、コバルト或いは亜鉛の金属層、或いは銅−ニッ
ケル、銅−コバルト、銅−ニッケル−コバルト、銅−亜
鉛等に代表され得る合金層が形成されうる(例えば、特
公昭56−9028号、特開昭54−13971号、特
開平2−292894号、特開平2−292895号、
特公昭51−35711号、特公昭54−6701号参
照)。こうしたトリート処理層は銅箔の最終性状を決定
するものとしてまた障壁層としての役割を果たす。
【0021】例えば、亜鉛被膜を例にとると、亜鉛電気
めっきおよび無電解めっきいずれでも行いうるが、粗化
面片面にのみ被膜を形成するためには亜鉛電解操作によ
る方が便宜である。また、厚さの精確な制御、厚さの一
様性、付着層の緻密化等の観点からも電解操作が好まし
い。亜鉛電解操作は、硫酸亜鉛めっき浴や塩化亜鉛めっ
き浴に代表される酸性亜鉛めっき浴、シアン化亜鉛めっ
き浴のようなアルカリ性亜鉛めっき浴、あるいはピロリ
ン酸亜鉛めっき浴が使用しうるが、もっとも一般的に使
用される硫酸亜鉛浴で充分である。硫酸亜鉛浴を使用し
た場合の好ましい亜鉛電解条件は下記の通りである: [トリート処理亜鉛電解条件] ZnSO4 ・7H2 O:50〜350g/l pH(硫酸):2.5〜4.5 浴温度:40〜60℃ 陰 極:銅箔 陽 極:亜鉛または不溶性陽極 陰極電流密度:0.05〜0.4A/dm2 時 間:10〜30秒 亜鉛被覆量は、15〜1500μg /dm2 とすることが
好ましく、特に好ましくは15〜400μg /dm2 であ
る。亜鉛被覆量は、積層時の樹脂基板の種類によって異
なる。例えばフェノール樹脂基板用は、15〜60μg
/dm2 とし、ガラスエポキシ樹脂基板用は60〜150
0μg /dm2 、特に好ましくは60〜400μg /dm2
とする。
【0022】合金層の一例としてCu−Znトリート処
理の電解液組成及び条件例を挙げておく: [トリート処理Cu−Zn電解条件] NaCN :10〜30g/l NaOH :40〜100g/l CuCN :60〜120g/l Zn(CN)2 :1〜10g/l pH :10〜13 温度 :60〜80℃ Dk :1〜10A/dm2
【0023】更に、好ましくは、このトリート処理層表
面上に防錆層が形成される。公知の防錆処理の任意のも
のが適用可能である。クロメート処理液は現在使用され
ている様々の処理液いずれも使用しうるが、好ましいク
ロメート処理条件例を以下に示す: [クロメート処理条件] K2 Cr27 (或いはNa2 Cr27 、CrO
3 ):0.2〜20g/l酸:りん酸あるいは硫酸、有
機酸 pH:1.0〜3.5 浴温度:20〜40℃ 電流密度:0.1〜0.5A/dm2 時間:10〜60秒 陽極:鉛板、Pt−Ti板、ステンレス鋼板 クロム酸化物付着量はクロム量として50μg /dm2
下で充分であり、好ましくは15〜30μg /dm2 とさ
れる。クロム量が30μg /dm2 を超えると防錆力は向
上するがエッチング性が低下する。
【0024】有用な防錆方法として、本件出願人は、電
解亜鉛・クロム処理による亜鉛及び/又は酸化亜鉛とク
ロム酸化物との混合皮膜処理を提唱し(特公昭58−7
077号)、多くの成果を挙げてきた。更に、特開平2
−294490号は、長期間高温多湿条件下での黒点発
生を防止することを目的として、浸漬クロメート処理に
よりクロム酸化物皮膜を形成し、続いて電解亜鉛・クロ
ム処理により亜鉛及び/又は酸化亜鉛とクロム酸化物と
の混合皮膜を形成することを開示する。
【0025】最後に、必要に応じ、銅箔と樹脂基板との
接着力の改善を主目的として、防錆層上にシランカップ
リング剤を塗布するシラン処理が施される。塗布方法
は、シランカップリング剤溶液のスプレーによる吹付
け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等いずれでもよ
い。例えば、特公昭60−15654号は、銅箔の粗面
側にクロメート処理を施した後シランカップリング剤処
理を行なうことによって銅箔と樹脂基板との接着力を改
善することを記載している。詳細はこれを参照された
い。
【0026】こうして粗化面を被膜処理された銅箔は、
光沢面を必要に応じ処理した後、粗化面に接着剤を塗布
して樹脂基板に加熱圧着することにより印刷回路用銅張
り積層板とされ、所定の加工操作を経た後、印刷回路板
として使用に供される。光沢面の処理方法としては、ク
ロメート処理を含む各種化成処理、銅とのキレート化反
応を利用した有機剤処理、銅より卑な金属ないし合金の
被覆処理等その面において要求される特定水準に応じて
適当なものが選ばれる。
【0027】この後、必要に応じて、銅箔の延性を改善
する目的で焼鈍処理を施すこともある。
【0028】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示す。
【0029】(実施例1) 次の成分 Cu2+:25g/l、H2 SO4 :100g/l、NO
3 -:1.5g/l、Cl- :5mg/l、Na2 MoO
4 :Moとして1g/l を含む電解液中で、厚さ17μmの銅箔の被接着面であ
るつや消し面に液温40℃で電流密度を50又は60A
/dm2 とし、通電量として180A・s/dm2 の粗
化処理めっきを行った。更に、Cu2+:45g/l及び
2 SO4 :100g/lの液中で温度:40℃、電流
密度:30A/dm2 そして通電量:125A・s/d
2 として金属微細粒子脱落防止のための銅薄層めっき
を施した。処理後の表面外観は均一で粉落ちも生じなか
った。また、ガラス・エポキシ基板に積層してピール強
度を測定したところ、粗化電流密度50A/dm2 の場
合で1.35kg/cmそして粗化電流密度60A/d
2 の場合で1.32kg/cmであり、実用レベルの
強度であった。
【0030】(実施例2) 次の成分 Cu2+:25g/l、H2 SO4 :100g/l、NO
3 -:1.5g/l、Cl- :5mg/l、Na2 WO
4 :Wとして1mg/l を含む電解液中で、厚さ17μmの銅箔の被接着面であ
るつや消し面に液温40℃で電流密度50又は60A/
dm2 とし、通電量として180A・s/dm2の粗化
処理めっきを行った。更に、Cu2+:45g/l、H2
SO4 :100g/lの液中で温度:40℃,電流密度
30A/dm2 そして通電量:125A・s/dm2
して金属微細粒子脱落防止のための銅薄層めっきを施し
た。処理後の表面外観は均一で粉落ちも生じなかった。
また、ガラス・エポキシ基板に積層してピール強度を測
定したところ、粗化電流密度50A/dm2 の場合で
1.37kg/cmそして粗化電流密度60A/dm2
の場合で1.32kg/cmであり、実用レベルの強度
であった。
【0031】(実施例3) 次の成分 Cu2+:25g/l、H2 SO4 :100g/l、NO
3 -:1.5g/l、Cl- :5mg/l、H3 AsO
4 :Asとして0.8g/l を含む電解液中で、厚さ17μmの銅箔の被接着面であ
るつや消し面に液温40℃で電流密度50A/dm2
し、通電量として180A・s/dm2 の粗化処理めっ
きを行った。更に、Cu2+:45g/l、H2 SO4
100g/lの液中で温度:40℃,電流密度30A/
dm2 そして通電量:125A・s/dm2 として金属
微細粒子脱落防止のための銅薄層めっきを施した。処理
後の表面外観は均一で粉落ちも生じなかった。また、ガ
ラス・エポキシ基板に積層してピール強度を測定したと
ころ、1.36kg/cmであり、実用レベルの強度で
あった。
【0032】(比較例1) 次の成分 Cu2+:25g/l、H2 SO4 :100g/l、NO
3 -:1.5g/l、Cl- :5mg/l を含む電解液中で、実施例と同一の箔について同じ条件
で粗化処理を行い、更に同一の条件で金属微細粒子脱落
防止用の銅薄層めっきをした。処理後の試料は、粗化電
流密度50A/dm2 では目立った粉落ちは無かった
が、60A/dm2では部分的に粉落ちが生じた。どち
らの場合も表面には微細な黒色の斑点が粗化のムラとな
って生じ、外観不良が発生した。ピール強度は粗化電流
密度50A/dm2 の場合で1.38kg/cmそして
粗化電流密度60A/dm2 の場合で1.37kg/c
mであった。
【0033】(比較例2) 次の成分 Cu2+:25g/l、H2 SO4 :100g/l、Na
MoO4 :Moとして1g/l を含む電解液中で、実施例と同一の箔について同じ条件
で粗化処理を行い、更に同一の条件で金属微細粒子脱落
防止用の銅薄層めっきをした。処理後の試料は、粗化電
流密度50及び60A/dm2 のどちらの場合も表面の
外観は均一であったが、粉落ちは多量に発生した。この
粗化処理の電解液で粉落ちを起さないためには、粗化電
流密度を35A/dm2 まで下げる必要があった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の処理によ
り、既知の組成の電解液に比べて、粉落ちが少なく外観
不良のないまた外観の均一な、充分な接着強度を持った
表面処理銅箔を、生産性に優れたより幅広い条件領域で
安定して製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解銅箔の被接着面側の処理層の例を概略的に
示す断面図である。
【符号の説明】
1 生箔 2 凸部 3 粗化処理層 4 銅薄層 5 トリート処理めっき層 6 防錆層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅の酸性溶液に硝酸イオン及び塩素イオ
    ンを添加し、更にモリブデン、タングステン及び砒素の
    水溶性化合物のいずれか一種以上を添加した電解液を用
    いて、銅箔を陰極としての電気めっきにより銅を主成分
    とする金属微細粒子を銅箔の被接着面に形成することを
    特徴とする印刷回路用銅箔の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 硝酸イオン濃度を0.5〜10g/lそ
    して塩素イオン濃度を0.5〜50mg/lとし、更に
    水溶性モリブデン化合物の濃度をモリブデンとして0.
    01〜5g/l、水溶性タングステン化合物の濃度をタ
    ングステンとして0.1〜300mg/lそして砒素化
    合物の濃度を砒素として0.1〜5g/lの範囲で添加
    することを特徴とする請求項1の印刷回路用銅箔の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 形成された金属微細粒子上に金属微細粒
    子の脱落を防止するための銅薄層を形成する請求項1乃
    至2の印刷回路用銅箔の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 銅薄層上に銅、クロム、ニッケル、鉄、
    コバルト及び亜鉛からなる群から選択される1種乃至2
    種以上の金属または合金からなるトリート層を電解によ
    り形成し、必要に応じ更に防錆処理することを特徴とす
    る請求項3の印刷回路用銅箔の表面処理方法。
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