JP2005163153A - 無電解ニッケル置換金めっき処理層、無電解ニッケルめっき液、および無電解ニッケル置換金めっき処理方法 - Google Patents

無電解ニッケル置換金めっき処理層、無電解ニッケルめっき液、および無電解ニッケル置換金めっき処理方法 Download PDF

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羽 健 児 吉
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Abstract

【課題】 はんだ接続信頼性が高い無電解ニッケル置換金めっき処理層、無電解ニッケル液、及び無電解ニッケル置換金めっき処理方法の提供。
【解決手段】 表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことによって得られたものであることを特徴とする、無電解ニッケル置換金めっき処理層。
前記ニッケルめっき層の形成の際に使用される無電解ニッケルめっき液あって、ニッケル塩、還元剤、錯化剤および安定剤を必須成分として含有してなることを特徴とする、無電解ニッケルめっき液。
被めっき基板上に、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層を形成させ、次いでこのニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことを特徴とする、無電解ニッケル置換金めっき処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、所定の酸化還元電位を有するニッケル層を形成させる無電解ニッケルめっき液、前記のニッケル層に金めっき処理を施すことによって得られる無電解ニッケル置換金めっき処理層、および無電解ニッケル置換金めっき処理の方法に関するものである。
従来より、電子デバイスの接続端子には、銅または銅合金などの金属が広く用いられている。この電子デバイスの接続端子は、はんだ接合信頼性を高める為に、銅または銅合金上にニッケルめっきを施され、更に金めっきを施されることが多い。
電子デバイスの小型化、高集積化が進む中で、最近、無電解めっきの需要が増えてきている。
無電解めっきにて、先ずニッケルめっきを行い、次いで金めっき処理を行なうプロセスは、Electroless Nickel & Immersion Gold(以下、「ENIG」と表記する)といわれ、半導体のパッケージの接続端子部のめっき処理として広く知られている。
このようなENIG処理によって形成された無電解ニッケル置換金めっき処理層を有する端子部には、はんだがボールまたはペーストなどの形態で搭載され、このはんだを介して他の電子デバイスとの接続(実装)が行われる。
このような電子デバイスの実装分野で、最近問題になっているのがはんだ接続の信頼性である。近年、電子装置がポータブルになり、持ち運びが自由になった代わりに、電子装置が落下されたり、他の物体に衝突されたりする機会が増加し、はんだ接続部が断線するトラブルが指摘されるようになり、この問題がクローズアップされてきた。
電子デバイスが高密度化するにつれ、接続端子部(パッド)は小型化する一方、端子部への衝撃頻度は高くなるので、はんだ接続信頼性を向上を図ることは重要な技術課題である。
現在、電子デバイスに用いられているENIG用の無電解ニッケルめっき液は、次亜リン酸塩を用いて、めっき浴中に溶解しているニッケル塩を還元し、ニッケル金属皮膜を析出させるものが大部分であるが、このタイプのめっき浴では次亜リン酸塩の副反応として同時にリンもニッケル層中に共析することになり、通常数%のリンが層中に混入している。
ニッケル層中のリン濃度は、ENIG処理されためっき表面に於いて局部的に特に高い値を示し、リンリッチ(rich)層と呼ばれる層が形成される。このリンリッチ層がはんだ接続不良に関与しているとの説がある。
また、ENIGプロセスにおける置換金めっき工程(ニッケルを溶出させ、代わりに金を析出させる工程)中に、ニッケルめっき層の表面が酸化されることがあり、これもはんだ接続不良に関与しているとの説もある。
また、置換金めっき工程で、下地のニッケルめっき表面が不均一に溶出し、結果としてニッケル下地にピットまたはクラックが発生することがある。このようなニッケルめっき層のピットやクラックなどの侵食が、はんだ接続不良に関与しているという説もある。
しかしながら、いずれの説もはんだ接合特性を統一的に説明するには至っていないようである。
本発明は、無電解ニッケル置換金めっき処理層を得るときに、表面の酸化還元電位が制御された無電解ニッケル層を形成させることによって、前記無電解ニッケル置換金めっき処理層とはんだとの接合強度が増大して接続信頼性が向上するという知見に基づくものである。
したがって、本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことによって得られたものであること、を特徴とするものである。
このような本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、好ましくは、その深さ分析プロファイルにおいてリン濃度に極大点が見られないものである。
そして、このような本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、好ましくは、前記ニッケルめっき層をリン濃度8%以上のものとすることができる。
また、本発明による無電解ニッケルめっき液は、前記ニッケルめっき層の形成の際に使用される無電解ニッケルめっき液あって、ニッケル塩、還元剤、錯化剤および安定剤を必須成分として含有してなること、を特徴とするものである。
このような本発明による無電解ニッケルめっき液は、好ましくは、前記還元剤が次亜りん酸塩であるものである。
そして、このような本発明による無電解ニッケルめっき液は、好ましくは、前記安定剤が非イオウ化合物であるものである。
そして、このような本発明による無電解ニッケルめっき液は、好ましくは、前記錯化剤が、乳酸、りんご酸、グリシン、クエン酸、プロピオン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であるものである。
また、本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理方法は、被めっき処理基板上に、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層を形成させ、次いでこのニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すこと、を特徴とするもである。
本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことによって得られたものであることから、はんだ接続信頼性が高いものである。尚、ここで、はんだ接続信頼性が高いとは、無電解ニッケル置換金めっき処理層とはんだとの接合強度が高くて、例えば電子デバイスに適用した際の外部から機械的衝撃に対して単に信頼性が高いということのみを意味するものではなく、無電解ニッケル置換金めっき処理層とはんだとの接合強度を長期にわたって維持すること、並びに使用環境における熱や湿気あるいは電気・電子的な衝撃に対してもはんだ接続信頼性が高いということを意味する。
<無電解ニッケル置換金めっき処理層>
本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことによって得られたものであること、を特徴とするものである。
ここで、「無電解ニッケル置換金めっき処理層」とは、先ず無電解めっき法にてニッケルめっきを行い、次いで置換めっき法にて前記ニッケルめっき層上に金を析出させることからなる金処理に付して得られた処理層を意味する。このような一連の工程自体は、従来公知であって、Electroless Nickel & Immersion Gold(「ENIG」)法として、当該技術分野において広く認識されているものである。
このような無電解ニッケル置換金めっき処理層は、広範な用途において用いられている。代表的な用途としては、電気・電子部品材料としての用途があって、例えば絶縁性基板あるいは電子デバイスの接続端子の表面に形成させ、はんだの接合表面として利用することが行われている。
本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、そのニッケルめっき層の表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるという条件が満足される限りにおいて、種々の方法によって製造することができる。
代表的な製造法としては、被めっき対象物上に、無電解ニッケルめっきを行って必要量のニッケル層を形成させ、その後、これを金めっき溶液に浸漬して、前記ニッケル層の表面部のニッケルを溶出させ換わりに金を析出させることからなる方法を挙げることができる。なお、本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層におけるニッケル層は、従来のこの種のニッケル層と同様に、ニッケルないしニッケル合金(例えば、コバルト、タングステン、モリブデン等の金属との合金)によって形成することができ、また、ニッケルないしニッケル合金上に析出させる金も、金ないし金合金(例えば、銀、パラジウム等の金属との合金)であることができる。すなわち、本発明におけるニッケルあるいは金とは、純粋な「ニッケル」または「金」のみを意味するものではなく、ニッケルおよび/または金と合金化が可能な他の合目的的な金属種との合金をも意味するものである。
被めっき対象物としては、本発明の趣旨に反しない限りにおいて従来からこの種の無電解めっきの対象とされてきた各種の無機材料(例えばセラミック焼結体、ガラス等の無機材料)および有機材料(好ましくは、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)を使用することができる。
被めっき対象物が電気絶縁性材料である場合には、常法に従い、置換ニッケルめっきに先だって被めっき対象物表面を所謂触媒化しておくことができる。触媒化に利用できる触媒粒子としては、パラジウム、金、銀、白金等を例示することができるが、パラジウムを使用することが好ましい。
特に好ましい製造方法としては、図9に示されるように、「プリント基板」→「酸性脱脂」→「水洗」→「ソフトエッチング」→「水洗」→「酸活性化」→「水洗」→「パラジウム触媒化」→「水洗」→「無電解ニッケルめっき」→「水洗」→「フラッシュ置換金めっき」→「水洗」の工程によるものを挙げることができる。なお、この図9には、各処理における特に好ましい薬剤および処理条等も付記されている。
本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層において、そのニッケルめっき層の厚さおよびその表面に形成される置換金めっき処理層の厚さは、具体的用途に応じて適宜決定することができる。通常のプリント配線板に適用される場合、ニッケルめっき層の厚さは好ましくは1〜10μm、特に好ましくは3〜6μm、であり、一方、置換金めっき処理層の厚さは0.02〜0.2μm、特に好ましくは0.03〜0.1μm、である。
本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、本発明の目的を達成を図るうえでは、ニッケル層が、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるもの、であることが重要である。表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV未満では、十分なはんだ接合強度を得ることが難しい。酸化還元電位の上限値は、−480mV程度、好ましくは−500mV、である。
なお、本発明において、ニッケル層の表面の酸化還元電位は、金置換処理を行うの前の状態のニッケル層についてポテンショスタット測定を行うことによって求めたものである。
ニッケル層の表面の酸化還元電位の測定のために用いられるアルカリ水溶液としては、市販のニッケル剥離液(好ましくは、例えばST−410、荏原ユージライト社製)を使用することが出来る。pHが13.5〜13.8のアルカリ性水溶液であり、このアルカリ水溶液を用いて測定した酸化還元電位とははんだ接合強度とは明瞭な相関が認められるるが、塩水噴霧耐食性テストではよく用いられる食塩水では相関性は認められない。従って、電位測定は上記アルカリ水溶液を使用することが重要である。
そして、この特定の表面酸化還元電位を有するニッケル層は、好ましくはリン濃度が8%以上、特に好ましくはリン濃度が8.5%以上、のものである。リン濃度が8%未満であると、耐食性の点で好ましくない。リン濃度の上限値は、好ましくは13%、特に好ましくは12%、である。ここでのリン濃度は、ニッケル層全体の平均リン濃度を重量%基準で示したものである。リン濃度の測定は、ニッケル層を硝酸によって溶解し、その溶液を化学分析することによって容易に行うことができる。
そして、本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層は、この特定の表面酸化還元電位を有するニッケル層が、好ましくは、その深さ分析プロファイルにおいてリン濃度に極大点が見られないものである。ここで、「その深さ分析プロファイルにおいてリン濃度に極大点が見られない」とは、無電解ニッケル置換金めっき処理層を、真空中でエッチングしながら、Augerを用いて露出した表面のリン分析を行い、各深さでのリン濃度の変化を求めてリン濃度に極大点の出現が見られないこと、即ち、無電解ニッケル置換金めっき処理層中にリンリッチ層が見られないこと、をいう。
このような特定の表面酸化還元電位を有するニッケル層は、ニッケル塩、還元剤、錯化剤および安定剤を必須成分として含有してなる本発明による無電解ニッケルめっき液(詳細後記)によって容易に形成することができる。
本発明のように金処理を施す前のニッケル層の表面酸化還元電位を特定することによってはんだ信頼性が顕著に向上する理由は現在検討中であるが、本発明の要件を充足するニッケル層と、そうでないニッケル層とでは、金処理を施した後にその金めっき層を溶出させて除去したニッケル層表面を電子顕微鏡で観察した場合に、そのニッケル層の構造、性状に顕著な相違が認められる(図8)ことから、ニッケル層の表面酸化還元電位の特定化によって金置換処理に伴うニッケル表面の金属の不均一かつ不安定の溶出が制御されて微小ホールならびにクラックの発生が有効に防止された結果によるものと推定されている。従来、金処理前のニッケル層のアルカリ溶液中での表面酸化還元電位と金処理後のニッケル表面性状との関連性ならびにはんだ接続信頼性については必ずしも明確にされていなかったことから、本発明は思いがけなったものであると言える。
<無電解ニッケル置換金めっき処理層>
本発明による無電解ニッケルめっき液は、前記ニッケルめっき層の形成の際に使用される無電解ニッケルめっき液あって、ニッケル塩、還元剤、錯化剤および安定剤を必須成分として含有してなること、を特徴とするものである。
ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケルなどがあげられ、特に硫酸ニッケルが好ましい。めっき浴中のニッケル塩濃度は、1〜100g/Lが使用可能であり、特に10〜40g/Lが好ましい。
還元剤としては、次亜りん酸塩、ジメチルアミンボラン、ヒドラジンなどがあげられ、特に次亜りん酸塩が好ましい。めっき浴中の還元剤濃度としては1〜100g/Lが使用可能であり、特に10〜40g/Lが好ましい。
錯化剤としては、乳酸、りんご酸、グリシン、クエン酸、プロピオン酸などがあげられ、特にDL−りんご酸および乳酸が好ましい。めっき浴中の錯化剤濃度は、1〜100g/Lが使用可能であり、特に5〜50g/Lの範囲が好ましい。
安定剤としては、イオウを含有しないものが使用可能である。イオウを含有する安定剤は、はんだ接合特性を低下させるので好ましくない。本発明において特に好ましいものは、鉛、ビスマス、テルル、アンチモン、タリウムなどの元素を含有した非イオウ化合物であり、特にビスマスを含有したものが好ましい。例えば、硝酸鉛、酸化鉛、塩化鉛、硝酸ビスマス、亜テルル酸、酒石酸アンチモニルカリウム、硫酸タリウムなどが挙げられる。これらの化合物はめっき反応の安定剤として有用であるだけでなく、めっき表面の酸化還元電位が卑にならないようにする効果もある。めっき浴中の安定剤濃度は、0.01〜10mg/Lが使用可能であり、特に0.1〜3mg/Lの範囲が好ましい。
本発明によるニッケルめっき浴は上記の成分以外に、必要に応じて、pHを安定化させる緩衝材、基板上へのめっき液の拡がりを助ける界面活性剤、外部より混入してくる各種金属イオンの浴中への沈殿を防止するキレート剤などを適宜含有させることが可能である。
<置換金めっき処理>
無電解ニッケルめっき処理に続いて置換金めっき処理が施される。置換金めっき処理は、合目的的な任意の方法によって行うことができる。使用される無電解金めっき液の特に好ましい具体例としては、市販の置換タイプの無電解金めっき液(例えば、日本高純度化学社製の「IM-GOLD IB」あるいは「IM-GOLD PN」など)を使用することが出来る。
<実施例1〜3、比較例1〜3>
表1に記載された各めっき浴によって無電解ニッケルめっきの後に置換金処理を行うことからなる無電解ニッケル置換金めっき処理(ENIG処理)を行なった。
なお、無電解ニッケルめっき層を形成させた段階でサンプルを取り出し、ニッケルめっき皮膜の酸化還元電位、リン濃度分析を行った。
そして、最終的に形成された無電解ニッケル置換金めっき処理層について、はんだボール接続信頼性テスト(シェアーモードテスト)、Auger深さ分析、ニッケル層の侵食観察を行なった。
無電解ニッケル置換金めっき処理および上記の各評価方法の具体的内容は、下記の通りである。
(イ) 無電解ニッケル置換金めっき処理(ENIG処理)
図1および2は、本発明において、無電解ニッケル置換金めっき処理に用いた基板の概要を示すものである。この基板は、縦40mm×横40mm×厚さ1mmのポリイミド樹脂製の基板1に、直径0.76mmの円形の銅パッドが碁盤目状に配列されているものであって、各銅パッド周辺がフォトソルダーレジスト5で被覆されているものである。それぞれの銅パッドは厚さ12μmの銅2により形成され、ニッケル層3の厚さは5μm、レジスト被覆5の厚みは20ミクロン、開口部の直径は0.62mmである。
上記基板を下記の表1の組成のニッケルめっき浴を使用し、図9に示された条件にて、脱脂処理、ソフトエッチングおよび酸活性化(酸洗)からなる前処理を行なった後に、置換型無電解金めっきを行って、各銅パッド部の開口部の銅表面上に厚さ0.05μmの金めっき層4が形成された本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層Aを得た(図2)。
Figure 2005163153

(ロ) はんだボール接続信頼性テスト
上記の無電解ニッケル置換金めっき処理層Aのそれぞれのパッド部の金めっき処理層4の表面に、それぞれ直径0.7mmのはんだボール6を搭載し、これをリフロー炉(日本パルス技研、RF-430-M2)にて融着させ(図3)、ボンドテスター(DAGE社製、モデル4000)にてはんだ接続特性を評価した(図4)。はんだボールとしてはスズ−鉛の汎用タイプとスズ−銀−銅の鉛フリータイプのものとを使用した。
ここで、はんだ接続信頼性の判定は、破断面7がはんだボール内か、めっき表面が露出しているかで判定し、図5のモードを良好、図6のモードを不良と判定した。
同一基板において同様処理がなされた無電解ニッケル置換金めっき処理層Aの20ヶのそれぞれについてシェアー測定およびモード判定を行い、20ケの測定での良好モードの比率を百分率にて示した。
(ハ) ニッケルめっき層の酸化還元電位の測定
ニッケルめっき層の酸化還元電位測定は、ブライト鋼板(SPCC-SB)上に、前記のENIG処理と同じ条件で無電解ニッケル層を形成させて測定した。
ニッケル層の表面酸化還元電位は、ポテンショスタット(北斗電工社製、HA-201、Ag-AgCl参照電極)を使用して行なった。この際、測定に用いるアルカリ溶液としては、
水酸化ナトリウム 50g/L
ニッケル剥離剤(ST-410、荏原ユージライト社製)500mL/L
よりなる水溶液を使用し、30℃にて測定した。
(ニ) リン濃度の測定
ニッケルめっき層の全体のリン濃度の測定は、上記(ハ)と同様に形成させた無電解ニッケル層を硝酸で溶解し、モリブデン酸発光法によって行った。
また、ニッケルめっき層におけるリン濃度の深さ分析プロファイルは、上記(ロ)と同様に形成させた無電解ニッケル置換金めっき処理層Aを、Auger装置にてエッチングしながら測定した。
(ホ) ニッケル層の侵食の観察
金めっき処理にて発生する、無電解ニッケルめっき層の侵食については、上記(ロ)と同様に形成させた無電解ニッケル置換金めっき処理層A上に、はんだボール搭載をする代わりに、金薄膜ストリッパー(日本高純度化学、ストリッパーゴールド)にて金を選択的に溶出させた後、ニッケル表面を露出させ、電子顕微鏡(日立製作所、FE-SEM S-800、倍率:2000倍)によってニッケル表面のピットおよびクラック等を観測した。
評価結果
表2は、実施例および比較例の評価結果を示すものである。
Figure 2005163153

上記の結果から、ニッケル層の酸化還元電位が−560mV以上である無電解ニッケル置換金めっき処理層(実施例1、2および3)は、いずれもハンダボール接続信頼性テスト(シェアーモードテスト)で良好な結果を示し、無電解ニッケル層の表面電位が低い場合(比較例1、2および3)との差は明瞭である。
比較例3は、ニッケル層中のリン濃度は高いが、酸化還元電位が低く、はんだ接合テスト結果は不良であった。
実施例1と比較例1の無電解ニッケル置換金めっき処理層の深さAuger分析結果は、図7に示される通りである。実施例1の深さプロファイル(図7(a))ではニッケル層の酸化が認められず、リン濃度もニッケル濃度とともに単調に増加しているのに対し、比較例1(図7(b))ではニッケルの酸化、及びリンリッチ層の発生(リン濃度曲線の極大値の出現)が認められる。
実施例1と比較例1のニッケル層の侵食の電子顕微鏡写真は、図8に示される通りである。実施例1(図8(a))でのニッケル層は、置換金めっき処理を行なってもニッケルの侵食は見られないが、比較例1のニッケル層表面(図8(b))ではニッケルの粒界に沿ってクラックが発生しているのがわかる。
はんだ接合特性を評価するための基板を示す図 本発明によるめっき処理基板を示す断面図 はんだ接合特性の評価に用いたはんだボールを示す図 はんだボールのシェアー強度測定の概要を示す図 接合が良好な場合の剥離状態を示す図 接合が不良の場合の剥離状態を示す図 図7(a)は実施例1の無電解ニッケル置換金めっき処理層の深さAuger分析結果を示し、図7(b)は比較例1の無電解ニッケル置換金めっき処理層の深さAuger分析結果を示すものである 図8(a)は実施例1のニッケル層表面の金属組織を示す電子顕微鏡写真であり、図8(b)は比較例1のニッケル層表面の金属組織を示す電子顕微鏡写真である 本発明による無電解ニッケル置換金めっき処理層の製造工程の概要を示すフローチャート図
符号の説明
1 基板
2 銅
3 ニッケル層
4 金めっき層
A 無電解ニッケル置換金めっき処理層
5 レジスト被覆
6 はんだボール
7 破断面

Claims (8)

  1. 表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことによって得られたものであることを特徴とする、無電解ニッケル置換金めっき処理層。
  2. 前記無電解ニッケル置換金めっき処理層が、その深さ分析プロファイルにおいてリン濃度に極大点が見られないものである、請求項1に記載の無電解ニッケル置換金めっき処理層。
  3. 前記ニッケルめっき層が、リン濃度8%以上のものである、請求項1または2に記載の無電解ニッケル置換金めっき処理層。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項のニッケルめっき層の形成の際に使用される無電解ニッケルめっき液あって、ニッケル塩、還元剤、錯化剤および安定剤を必須成分として含有してなることを特徴とする、無電解ニッケルめっき液。
  5. 前記還元剤が、次亜りん酸塩である、請求項4に記載の無電解ニッケルめっき液。
  6. 前記安定剤が、非イオウ化合物である、請求項4または5に記載の無電解ニッケルめっき液。
  7. 前記錯化剤が、乳酸、りんご酸、グリシン、クエン酸、プロピオン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の無電解ニッケルめっき液。
  8. 被めっき基板上に、表面の酸化還元電位がアルカリ水溶液中で−560mV以上であるニッケルめっき層を形成させ、次いでこのニッケルめっき層の表面に金めっき処理を施すことを特徴とする、無電解ニッケル置換金めっき処理方法。
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