JP2006002177A - 無電解銅めっき浴組成物 - Google Patents

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昌夫 中沢
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Abstract

【課題】 Ni層上に無電解銅めっきにより銅層を形成するにおいて、Ni層との密着性に優れた銅層を、より大きな形成速度で形成することのできる無電解銅めっき浴組成物を提供する。
【解決手段】 硫酸銅・5水和物:0.5〜50g/l、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム:1〜50g/l、アンモニア水:20〜200ml/l、ジメチルアミンボラン:0.5〜20g/l、タリウム塩をタリウムとして:1〜50mg/lまたは、鉛塩を鉛として0.5〜100mg/lを含有する水溶液からなることを特徴とする無電解銅めっき浴である。また、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)に代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸(DTPA)などの他の錯化剤を使用することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無電解銅めっき浴組成物に関し、例えば、ICチップをフリップチップ接続するパッドの表面層として無電解Niめっき層、無電解銅めっき層及び置換金めっき層を形成する際に好適な、特に、Ni層上にCuを無電解銅めっきするのに好適な無電解銅めっき浴組成物に関する。
半導体装置に用いられる配線基板には、基盤の一端面側に形成された導体パターンの端部に設けられたパッドには、外部接続端子としてはんだバンプが載置されている。配線基板上には通常、多数のパッドが設けられており、多数のはんだバンプが載置されている。
このはんだバンプには、これまでは共晶はんだ(Sn−Pb合金)が用いられてきたが環境に配慮する観点から、Sn−Ag−CuなどのPbを含有しないはんだが用いられるようになっている。このため、以下に述べるような問題が生じている。
例えば、特許文献1には、図7に示すように多層めっきにより構成されたパッドが開示されている。すなわち、パッド30には、パッド本体を形成する銅(Cu)層31に直接接するニッケル(Ni)層32と、このニッケル層32の上に耐食性や耐酸化性を向上させるためのニッケル層より薄い金(Au)層33が形成されている。このニッケル層32と金層33は、電解めっきによって形成する場合に必要な給電層を設ける必要がないため、無電解めっきにより形成されることが多い。なお、パッド30を形成する銅層31の表面は、パッド30を形成する部分を除いてソルダレジスト36によって被覆されている。
このように多層に形成されたパッドでは、パッド30にはんだボールを載置してリフローすれば、溶融はんだ中の錫(Sn)とニッケル層32のニッケルとがSn−Ni合金層を形成し、はんだバンプ55をパッドに固着する。
ところで、無電解ニッケルめっきによってニッケル層を形成する場合、例えば特許文献2に開示されているように、無電解ニッケルめっき浴として、ニッケルイオンから金属ニッケルを析出させるため、次亜燐酸ナトリウムなどの還元剤を含有するめっき浴が用いられる。このため、無電解ニッケルめっきにより形成されたニッケル層は燐(P)を含有することとなる。このように、燐を含有するニッケル層を備えたパッドにはんだボールをリフローして形成したはんだバンプは、その引張強度が低く、剥離が生じ易いという問題があった。
本出願人は、このような燐が含有されたニッケル層を備えたパッド30に、Pbを含まないはんだ(Sn−Ag−Cuはんだ)を用いてはんだバンプ35を形成した後、はんだバンプ35とパッド30との境界の断面性状を電子顕微鏡で観察したところ、そのトレース図として図6に示すように、ニッケル層32とはんだバンプ35との境界にはSn−Ni合金層38が形成されていると共に、Sn−Ni合金層28とニッケル層32との間に、Ni中にPが濃縮されたPリッチNi層37が形成されており、更にPリッチNi層37およびSn−Ni合金層38にボイド39が散見された。そして、このように形成されたはんだバンプ35を引き抜いた後のパッド30側の面を電子顕微鏡で観察したところ、バンプは、Sn−Ni合金層38又はPリッチNi層37の部分から剥離していることが判明した。
従来のパッドのめっき構成は、上述のように、燐含有のNi層の表面に直接薄い金層が形成されており、はんだボールを載置してリフローする際に、金層の金(Au)が溶融はんだ中に拡散し、更にNi層のNiが拡散して溶融はんだ中の錫(Sn)とSn−Ni合金層を形成すると共に、燐(P)が濃縮したPリッチNi層を形成する。このPリッチNi層は厚さおよびPの濃度も不均一である。
このようなPリッチNi層が形成された後、更にリフローを続行すると、PリッチNi層の厚い部分と薄い部分とで、溶融はんだ中へのNiの拡散に差が生じ、PリッチNi層とSn−Ni合金層に微小なボイドが形成される。このため、この部分で強度が低くなり、剥離しやすくなると考えられた。
これに対して、本出願人は、図5に示すように、パッドの表面のめっき構成をパッド本体を形成する金属層1に直接接触するNi層2と、Ni層2の上に形成された銅層3と、銅層3の上に形成された貴金属層としての金(Au)層4とからなる多層めっき構成とすることによって、はんだバンプの引張強度を向上させ、耐剥離性を改善することができることを見出し、特願2003−345179号として先に提案した。
すなわち、パッドをパッド本体を形成する金属表面に上述のような多層のめっき層を備えたものとし、これにPbを含まないはんだ(Sn−Ag−Cuはんだ)を用いてはんだバンプ5を形成した後、はんだバンプ5とパッド10との境界の断面性状を電子顕微鏡で観察したところ、そのトレース図として図4に示すように、ニッケル層2とはんだバンプ5との境界にはSn−Cu合金層7が形成されていると共に、Sn−Cu合金層7とニッケル層2との間に、Ni、Cu中にPが濃縮されたPリッチNi、Cu層8が形成されていた。
従来のパッドの表面のめっき構成の場合である図6と比べてみると、Sn−Ni合金層の形成は抑制されており、また、PリッチNi,Cu層8の厚さは薄くなっており、かつ均一であり、ボイドも極わずかしか形成されないことが判った。
Pbを含まないはんだでは、はんだボールを載置してリフローする際に、先ず金層の金(Au)が溶融はんだ中に拡散し、ついで銅層1の銅(Cu)が溶融はんだ中に拡散し、溶融はんだ中の錫(Sn)とSn−Cu合金層7を形成し、これがNi層2から溶融はんだ中へのNiの拡散を制御するバリアとして作用すると考えられる。従って、Sn−Ni合金層の形成が抑制されると共に、PリッチNi層の形成も可及的に抑制できる。その結果、バンプの引張強度を向上させ、耐剥離性を改善することができるのである。
このようなパッド表面のめっき構成において、パッドを構成する金属層1(銅層)の上に形成するNi層2は、プリント配線基板製造用として通常用いられる燐を含有する無電解Niめっき浴、例えば次亜燐酸系浴などを使用して形成することができ、また、このNi層2の上に形成する銅層3は、プリント配線基板製造用として通常用いられているロッシェル浴、EDTA浴などの無電解銅めっき浴を使用して形成することができる。更に、この銅層3の上に形成する貴金属層としての金層4は、通常使用されているストライク金めっき浴、銅置換型シアン金めっき浴などを使用して形成することができる。
このパッドのめっき構成は、パッドを構成する金属層の上に、通常、2〜10μmのNi層、0.01〜1μmの銅層、0.04〜1μmの金層が形成される。なお、金層はパッドの耐食性や耐酸化性の向上のために形成するものである。
特開2001−77528号公報 特開平11−354685号公報
上述のように、パッドの表面を、パッドの金属層に直接接触するNi層と、このNi層の上に形成された銅層と、この銅層の上に形成された金層を備える多層めっき構成とすることにより、はんだバンプの引張強度の優れたものとすることができる。そしてこの多層めっき構成は、上述のように、通常のプリント配線基板の製造において汎用される無電解めっき浴を用いて形成することが可能である。
ところで、汎用される無電解めっき浴を用いて上記のめっき構成を形成し、はんだバンプを形成した場合、引張強度は向上するが、強度がばらついたり、所定の厚さの銅層3を確保するのに長時間を要することなど、さらに改善すべき点があることが判明した。
本発明は、上記の点を解決するために、Ni層上に無電解銅めっきにより銅層を形成するにおいて、Ni層との密着性に優れた銅層を、より大きな形成速度で形成することのできる無電解銅めっき浴組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上述のパッドのめっき構成における引張強度、すなわち、耐剥離性のバラツキを更に小さくすると共に、所要のめっき構成を短時間に効率的に得るために、Ni層上にCu層を形成するための無電解銅めっき浴の組成に着目して検討を重ねた。
その結果、還元剤としてホルムアルデヒドを使用した無電解銅めっき浴では、Ni上での触媒効果が小さく、Ni層表面上でのCuの還元反応が生じ難く、その結果、Ni層のNiとの置換反応によりNi層が侵食され、層厚が不安定となったり、Ni層の表面が酸化されて酸化膜が形成され、析出したCuの密着性が不十分になったりすることが判った。
したがって、本発明においては、Ni層上でのCu析出に対して触媒効果が大きく、かつ、析出速度の大きな浴組成とするものである。
すなわち、上記の課題を解決する本発明の手段は、硫酸銅・5水和物、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム、アンモニア水、ジメチルアミンボランを含有する無電解銅めっき浴組成物において、更に、前記無電解銅めっき浴組成物がタリウム塩または鉛塩を含有することを特徴とする無電解銅めっき浴組成物とするものであり、また、上記のエチレンジアミン四酢酸・2ナトリウムに代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキスメチレンホスホン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸の1種又は2種以上を含有させることができる。
また、本発明の手段は、硫酸銅・5水和物:0.5〜50g/l、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム:1〜50g/l、アンモニア水:20〜200ml/l、ジメチルアミンボラン:0.5〜20g/l、タリウム塩をタリウムとして:1〜50mg/lを含有する水溶液からなる無電解銅めっき浴組成物とするものであり、また、この無電解銅めっき浴組成物において、タリウム塩に代えて、鉛塩を鉛として0.5〜100mg/l含有することができるものである。タリウム塩は、硫酸タリウム、硝酸タリウム、塩化タリウム、酢酸タリウムおよび蟻酸タリウムの中から選ばれた1種であることが好ましく、また、鉛塩は、酢酸鉛、硝酸鉛および塩化鉛の中から選ばれた1種であることが好ましい。
そしてまた、この無電解銅めっき浴組成物において、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウムに代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキスメチレンホスホン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸の1種又は2種以上を合計で1〜50g/l含有することができるものである。
本発明の無電解銅めっき浴は、還元剤としてジメチルアミンボラン(略称:DMAB)を含有しているため、Cuの無電解めっきにおいて析出した銅とNiとの密着性が向上し、Ni層が置換されることを最小限にすることができる。更に、促進剤として、タリウム或いは鉛を含有しているので、銅の析出反応が促進され銅めっき速度が格段に向上し、所要の銅層厚を効率的に得ることができる。
従って、例えば、図5に示すように、パッド本体を形成する金属層1に直接接触するNi層2と、Ni層2の上に形成された銅層3と、銅層3の上に形成された貴金属層としての金(Au)層4とからなる多層めっき構成を形成する際には、プリント配線基板製造用として通常用いられる燐を含有する無電解Niめっき浴を使用してNi層を形成し、次いで、本発明の無電解銅めっき浴を用いて、Ni層の上に無電解銅めっきすることにより、Ni層との密着性に優れた銅層を効率的に形成することができる。そして、この銅層3上に、ストライク金めっき浴、銅置換型シアン金めっき浴などを使用して無電解めっきにより貴金属層としての金層4を形成することができる。
このように本発明の無電解銅めっき浴組成物によって、Ni層とこの上に形成されるNi層との密着性良い銅層を効率的に形成することができる。そしてこのようなめっき構成を有するパッドにはんだボールを設けリフローすることによって、引張強度に優れ、かつばらつきの少ないはんだバンプを効率的に得ることができる。
また、本発明の無電解銅めっき浴組成物は、上記のようなパッドのめっき構成を形成するのみに止まらず、Ni層の上にCu層を形成しためっき構成を無電解めっきにより形成する場合に、Cu層を安定してかつ効率的に形成することができる。
本発明のめっき浴組成物は、銅塩として硫酸銅・5水和物、錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム、PH調整剤として、アンモニア水、還元剤としてジメチルアミンボラン、促進剤として、タリウム塩または鉛塩を含有する水溶液からなることを基本とするものである。
本発明の無電解銅めっき浴組成物における銅塩としては、通常用いられる硫酸銅を用いることができる。その配合量は、0.5g/l未満では、銅の析出が起こらず、また、50g/lを超えると、めっき浴が不安定となるので、0.5〜50g/lとするのが好適であるである。更に好ましくは、3〜10g/lである。
また、本発明の無電解銅めっき浴組成物における錯化剤としては、2価の銅イオンの錯化剤であれば公知の錯化剤を使用できるが、好適にはエチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(略称:EDTA)を使用する。
錯化剤の配合量は、めっき浴中の銅イオンを錯化するに十分な量であればよく、その配合量は、1g/l未満では、めっき浴が不安定であり、また、50g/lを超えると、析出速度が極端に低下するので、0.5〜50g/lとするのが好適である。 更に好ましくは、4〜10g/lである。
また、上記の錯化剤としてのEDTAに代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物(略称:CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸(略称:DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(略称:EDTA−OH)、ジエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキスメチレンホスホン酸(略称:EDTPO)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(略称:GEDTA)、ジアミノプロパノール四酢酸(略称:DPTA−OH)、ジアミノプロパン四酢酸(略称:Methyl−EDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)を用いることができる。これらの錯化剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。その際、合計で1〜50g/lとして含有することが好適である。
また、本発明の無電解銅めっき浴組成物は、この浴のPHをアルカリ浴に調整するために、アンモニア水を含有する。このアンモニア水は25〜28%であることが好適であり、その配合量は、20ml/l未満では、めっき浴が不安定であり、また、200ml/lを超えると銅めっきが付かないので、20〜200ml/lとするのが好適である。
本発明の無電解銅めっき浴組成物においては、Ni層上に銅層を無電解めっきにより形成するために還元剤として、ジメチルアミンボラン(略称:DMAB)を含有する。ジメチルアミンボランの配合量は、0.5g/l未満では、銅めっきが析出せず、20g/lを超えるとめっき浴が分解するため、0.5〜20g/lであることが好適である。更に好ましくは、3〜8g/lである。
還元剤としてDMABを使用すると、Ni上でのDMABの酸化還元反応に対して触媒活性が高いため、Cuの還元反応が進行し、Cuの無電解析出が可能となる。Niとの置換反応も起こらず、密着性の優れた無電解銅めっき層を安定して形成することができる。
しかしながら、還元剤としてジメチルアミンボランを使用した場合でも、Cuの自己触媒作用により相応の析出速度でCu層を形成することはできるが、通常のものと比べるとCu層の形成速度が遅く、所定の厚さのCu層を形成するのに時間を要することが判った。
このようなことから、本発明者らは、析出速度を更に促進するために、各種の促進剤を検討した結果、還元剤としてDMABを用いた無電解めっき浴において、タリウム又は鉛が好適であることを見出した。
すなわち、銅からなる配線パターンが形成され、パッド部が露出するようにソルダーレジスト膜を施した樹脂基板を脱脂、洗浄後、公知の無電解Niめっき浴に浸漬して厚さ5.0μmのNi層を形成した。この樹脂基板を、タリウムとして硫酸タリウムを上記の無電解銅めっき浴に配合して表1の組成としためっき浴に浸漬した。
Figure 2006002177
なお、このとき表1の組成のめっき浴のPHは9.6、浴温は60℃とした。
一方、比較のため、タリウムを添加しない表2の組成の無電解めっき浴を準備して、上記と同様に樹脂基板を浸漬した。
Figure 2006002177
上記樹脂基板を、表1及び表2のめっき浴に、浸漬時間(min)を変えて浸漬し、形成された銅の層厚(μm)を螢光X線膜厚計により測定した。
その結果を図1に示す。図1から判るように、タリウムを配合した本発明のめっき浴組成では銅層の形成速度が5μm/minであるのに対し、タリウムを配合しなかった比較例の場合は2μm/minであり、本発明の無電解銅めっき浴は、銅層の形成が早く進んでいることが判る。
また、上記の無電解銅めっき浴の組成において、タリウムに代えて鉛として酢酸鉛を配合し、CuSO4・5H2O:2g/l、EDTA・2Na:6g/l、28%アンモニア水:50ml/l、DMAB:4g/l、および酢酸鉛を鉛として5mg/lとしためっき浴とし、また、浴のPHは9.6、浴温は60℃として上記と同様にPbについても浸漬試験を行った結果、タリウムと同様に促進効果があることが判った。
このような結果に基づき、本発明の無電解銅めっき浴組成物における促進剤として、タリウム(Tl)又は鉛(Pb)を含有させるものである。
これによって、銅の析出反応が促進され、所要のめっき層厚を効率的に得ることができる。本発明の無電解銅めっき浴組成物にタリウム又は鉛を含有させることによって、銅の析出反応が向上する理由は、以下のように考えている。
一部の金属においては、アンダーポテンシャルデポジション、すなわち、理論的に計算される析出電位よりも低い電位で金属が析出する現象、のあることが知られている。
従って、本発明の無電解銅めっき浴組成物において、タリウム或いは鉛を添加しためっき浴の場合にNi層上での銅の析出が促進されるのは、アンダーポテンシャルデポジションによりタリウム又は鉛が一旦析出し、直ちにイオンとして再溶解し、その際に放出された電子により銅の析出が促進されるためと考えられる。すなわち、タリウム又は鉛のアンダーポテンシャルデポジション現象が触媒的に作用することにより銅の析出が促進されると考えている。
促進剤として含有させるタリウムの配合量は、タリウム元素の量として、1mg/l未満では促進効果が十分ではなく、50mg/lを超えて配合してもその効果は飽和するため、1〜50mg/lであることが好適である。また、
鉛の場合の配合量は、鉛元素の量として、0.5mg/lでは促進効果が十分ではなく、一方100mg/lを超えて配合してもその効果は飽和するため、0.5〜100mg/lが好適である。
タリウムは、タリウム塩、例えば、硫酸タリウム(Tl2SO4)、塩化タリウム(TlCl)、硝酸タリウム(TlNO3)、酢酸タリウム(TICHCOO)、蟻酸タリウム(TIHCOO)などから、また、鉛(Pb)は鉛塩、例えば、酢酸鉛(Pb(CH3COO)2)、硝酸鉛(Pb(NO32)、塩化鉛(PbCl2)などから選択して、配合することができる。
本発明の無電解銅めっき浴組成物のPHは、特に限定するものではないが、アンモニアアルカリ浴とすることから、8.0〜11.0とすることが好ましい。また、浴温ついても、特に限定するものではないが、液の活性を保つために、40〜70℃とするのが好ましい。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1)
複数の銅からなる配線パターンがエポキシ樹脂からなる絶縁層を介して多層に積層された多層配線基板の一面側に形成された配線パターンの端部に、銅からなるパッドを形成し、図4に示すように、パッドの表面を外部接続端子としてのはんだバンプを設けるパッド10を形成する部分、直径470μm、を除いてソルダレジスト6で被覆した。
次いでパッドの露出面を脱脂等の前処理を施した後、市販の次亜燐酸含有硫酸ニッケルめっき浴を用いてこれに浸漬し、無電解ニッケルめっきによりパッドの露出面に5μmの厚さのニッケル層2を形成した。
この多層配線基板を水洗した後、表3に示す組成の無電解銅めっき浴に約2分間浸漬して、Ni層2上に0.2μmの厚さの銅層3を形成した。なお、このとき、めっき浴のPHは9.6、浴温は60℃とした。
Figure 2006002177
次いで、この銅層の表面を洗浄した後、多層配線基板を市販の銅置換型のシアン金めっき浴に20分間浸漬し、銅層3上に0.06μmの厚さの金層4を形成した。
すなわち、パッドを構成する金属層としての銅1の表面には、5μmのNi層2、0.2μmの銅層3および0.06μmの金層4が形成されている。
このパッドに、直径0.5mmのはんだボール(Sn−Ag(3.5%)−Cu(0.7%))を載置し、ロジン系のフラックスを用い、窒素雰囲気下において260℃でリフローし、パッド10にはんだバンプを形成した。
次に、形成したバンプを引張試験装置により引張って引き抜き、引き抜いた後基板側の破断面へのはんだの残り量を調査した。すなわち、試験装置は特開平11−288986号公報に提案されている装置を用い、図3(a)に示すように、1対のクランプ20a、20bによってはんだバンプ5を押しつぶすことなく把持した後、クランプ20a、20bを上昇させ、バンプを引き抜いた後、基板側のパッドの破断面をSEMにより確認した。そして、図3(b)に示すようにパッド10の基板側の破断面に残っているはんだの量9を下地ニッケルめっき層との面積比(残り率)として、基板の20箇所にわたって調査した。
(比較例1)
銅層を形成するに際し、実施例1において、無電解銅めっき浴としてタリウムを添加しない無電解めっき浴に3分間浸漬して銅層を形成したほかは、実施例1と同様にして、パッドの表面に、5μmのNi層、0.2μmのCu層および0.06μmの金層を備えたパッドを形成した。
このパッドに、実施例1と同様に、はんだボール(Sn−Ag(3.5%)−Cu(0.7%))を載置し、ロジン系のフラックスを用い、窒素雰囲気下において260℃でリフローし、パッド10にはんだバンプを形成した。
形成したバンプを実施例1と同様に、引張試験装置により引張って引き抜き、基板側へのはんだの残り量を調査した。
実施例1と比較例におけるはんだの残り量を調査した結果を、図2に示す。
なお、図2には、参考として、従来のようにNi層とAu層とからなるめっき構成を備えたパッドに実施例、比較例と同様にPbを含まないはんだを用いてはんだバンプを形成し、はんだバンプを引張って引き抜いた後、基板側へのはんだの残り量を調査した結果を併せて示している。
図2から判るように、本発明の実施例における基板側へのはんだの残り率は、平均95%と良好であり、またばらつきは(標準偏差、以下同様)0.05であった。
一方、比較例における基板側へのはんだの残り率は、平均91%と、本発明の実施例に比べてやや低く、またばらつきは、0.07とやや大きいものであった。
なお、参考として示したように、従来のNi−Auめっき構成を備えたものでは基板側へのはんだの残り率が平均80%、ばらつきが0.16であることと比較すれば、Ni−Cu−Auめっき構成を得る本発明の実施例では勿論、比較例のものも、耐剥離性(引張強度)が格段に優れていることは明らかである。
(実施例2)
銅層を形成する際に、実施例1において使用した無電解銅めっき浴のEDTA・2Naを、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物(CyDTA)に代えて6g/lを配合した無電解銅めっき液を用いた以外は、実施例1と同様にして、パッドの表面に、5μmのNi層、0.2μmのCu層および0.06μmの金層を備えたパッドを形成した。
このパッドに、実施例1と同様に、はんだボール(Sn−Ag(3.5%)−Cu(0.7%))を載置し、ロジン系のフラックスを用い、窒素雰囲気下において270℃でリフローし、パッド10にはんだバンプを形成した。
形成したバンプを実施例1と同様に、引張試験装置により引張って引き抜き、基板側へのはんだの残り量を調査した。
その結果、基板側へのはんだの残り率は、平均94%、ばらつきも0.05と、極めて良好であった。
(実施例3)
銅層を形成する際に、実施例1において無電解銅めっき浴をタリウムに代えて鉛を含有する表4に示す組成とし、この浴に基板を8分間浸漬して0.6μmの銅層を形成した以外は、実施例1と同様にして、パッドの露出面に、5μmのNi層、0.6μmの銅層および0.06μmの金層を形成した。
Figure 2006002177
このパッドに、実施例1と同様に、はんだボール(Sn−Ag(3.5%)−Cu(0.7%))を載置し、ロジン系のフラックスを用い、窒素雰囲気下において260℃でリフローし、パッド10にはんだバンプを形成した。
形成したバンプを実施例1と同様に、引張試験装置により引張って引き抜き、基板側へのはんだの残り量を調査した。
その結果、基板側へのはんだの残り率は、平均94%、ばらつきも0.06と、極めて良好であった。
本発明の無電解銅めっき浴を用いて銅層の形成状況を示す図である。 無電解銅めっき浴により形成したパッド表面のめっき構成上に形成されたはんだパンプを引抜いた後の基板側へのはんだの残り率を示す図である。 はんだバンプの引張試験装置におけるはんだバンプの引き抜き試験の状況を示す図であり、(a)は装置の概要、(b)はんだバンプ引き抜き後の基板側へのはんだの残り状況を示す模式図である。 本発明の無電解銅めっき浴を用いて形成したパッド表面のめっき構成上に形成されたはんだパンプとパッドとの接続部を示す電子顕微鏡写真のトレース図である。 本発明の無電解銅めっき浴を用いて形成したパッド表面のめっき構成上に形成されたはんだパンプの断面模式図である。 従来のめっき構成を備えたパッドの表面に形成されたはんだパンプとパッドとの接続部を示す電子顕微鏡写真のトレース図である。 従来のめっき構成を備えたパッド表面に形成されたはんだパンプの断面模式図である。
符号の説明
1…パッドの金属層(銅層)
2…ニッケル層
3…銅層
4…金層
5…はんだバンプ
6…ソルダレジスト
7…Sn―Cu合金層
8…PリッチNi,Cu層
9…基板側へのはんだの残り
10…パッド
20a…クランプ
20b…クランプ
30…パッド
31…銅層
32…ニッケル層
33…金層
35…はんだバンプ
36…ソルダレジスト
37…PリッチNi層
38…Sn−Ni合金層
39…ボイド

Claims (7)

  1. 硫酸銅・5水和物、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム、アンモニア水、ジメチルアミンボランを含有する無電解銅めっき浴組成物において、更に、前記無電解銅めっき浴組成物がタリウム塩または鉛塩を含有することを特徴とする無電解銅めっき浴組成物。
  2. エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウムに代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキスメチレンホスホン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の無電解銅めっき浴組成物。
  3. 硫酸銅・5水和物:0.5〜50g/l、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム:1〜50g/l、アンモニア水:20〜200ml/l、ジメチルアミンボラン:0.5〜20g/l、タリウム塩をタリウムとして:1〜50mg/lを含有する水溶液からなることを特徴とする無電解銅めっき浴組成物。
  4. タリウム塩が、硫酸タリウム、硝酸タリウム、塩化タリウム、酢酸タリウム、蟻酸タリウムの中から選ばれた1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解銅めっき浴組成物。
  5. タリウム塩に代えて、鉛塩を鉛として0.5〜100mg/l含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解銅めっき浴組成物。
  6. 鉛塩が、酢酸鉛、硝酸鉛、塩化鉛の中から選ばれた1種であることを特徴とする請求項1,2および5のいずれか1項に記載の無電解銅めっき浴組成物。
  7. エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウムに代えて、トランス1,2ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸一水和物、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N’’’−五酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキスメチレンホスホン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸の1種又は2種以上を合計で1〜50g/l含有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の無電解銅めっき浴組成物。
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