以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の画像形成装置100は、図1に示すように、スキャナ部105、外部I/F106、画像処理部107、プリンタ部108、操作部109、フィニッシャ制御部300および制御部101を備えるデジタル複写機からなる。制御部101は、CPU102、ROM103およびRAM104を有し、スキャナ部105、外部I/F106、画像処理部107、プリンタ部108、操作部109およびフィニッシャ制御部300と接続される。
スキャナ部105は、原稿台に給送または載置された原稿の画像を読み取り、その画像データを出力する。スキャナ部105から出力された画像データは、RAM104に一時的に格納される。
外部I/F106は、TCP/IPなどのプロトコルに従いネットワーク上の機器(図示せず)と通信するためのインタフェースである。例えば、外部I/F106は、ネットワークに接続されたコンピュータからのプリントジョブの実行指示を受け取り、また逆に装置内部の情報を上記コンピュータに通知するなどの通信を行う。この外部I/F106を介して受信した画像データは、RAM104に一時的に格納される。
画像処理部107は、操作部109において設定された内容に基づいて、RAM104に格納されている画像データに対して、必要な画像処理を施す。この画像処理後の画像データは、RAM104に一時的に格納される。
プリンタ部108は、RAM104に格納されている画像データ(画像処理後の画像データ)に基づいて、用紙上に画像を形成し、当該用紙を出力する。プリンタ部108は、用紙の片面に画像を形成する片面モードおよび用紙の両面に画像を形成する両面モードを実行可能であり、片面モード、両面モードのそれぞれに応じた用紙の搬送を行う。
ここで、プリンタ部108には、モータ群110、ソレイノド群111、高圧電源112、センサ群113および露光制御部210が設けられている。モータ群110は、後述する感光ドラム211、現像器213、定着器235、搬送ベルト234をそれぞれ駆動するための複数のモータを含む。また、モータ群110は、レジストレーションローラ233、反転ローラ245、複数の再給紙ローラ242など、用紙を搬送するための複数の搬送ローラをそれぞれ駆動するための複数のモータを含む。ソレノイド群111は、後述するフラッパ237を駆動するためのソレノイドなど、複数のソレノイドを含む。高圧電源112は、後述する一次帯電器212の帯電電圧、現像器213の現像電圧、転写帯電器216の転写電圧など、各種の高電圧を出力する。センサ群113は、用紙を検知するための複数の用紙センサなどを含む。
操作部109は、スタートキー、リセットキーなどの各種のハードキーおよび表示部を有する。表示部には、ユーザが所望するジョブに関する設定(片面モード、両面モード、出力部数、拡大縮小、濃度など)を行うためのソフトキー、および装置状態、設定された内容などを示す各種情報が表示される。操作部109において設定された内容は、制御部101に入力される。
フィニッシャ制御部300は、制御部101からの命令に基づいて、プリンタ部108から排出された用紙に対して対応する後処理を施すように、フィニッシャ290を制御する。
ここで、制御部101のCPU102は、ROM103に格納されているプログラムに従い、入力されたプリントジョブ等を実行するように、スキャナ部105、外部I/F106、画像処理部107およびプリンタ部108を制御する。また、CPU102は、入力されたジョブをフィニッシャ290に実行させるための命令を、フィニッシャ制御部300に出力する。また、CPU102は、操作部109の表示部に表示する情報を生成し、操作部109に出力する。CPU102が制御を行う際には、RAM104が作業領域として用いられる。RAM104は、CPU102の作業領域の他に、スキャナ部105から入力された画像データ、または外部I/F106を介して外部から入力された画像データを格納する領域を提供する。また、RAM104は、画像処理部107が上記画像データに対して画像処理を行う際の作業領域を提供する。
次に、スキャナ部105、プリンタ部108およびフィニッシャ290の構成について図2を参照しながら説明する。図2は図1のスキャナ部105、プリンタ部108およびフィニッシャ290の構成を模式的に示す縦断面図である。
スキャナ部105およびプリンタ部108は、図2に示すように、一体的に構成されている。スキャナ部105は、原稿を1枚ずつプラテンガラス201上に給送する自動原稿送り装置(以下、ADFという)200およびキャリッジ202を有する。キャリッジ202は、ADF200によりプラテンガラス201に給送された原稿を照明するための原稿照明ランプ203および走査ミラー204を搭載し、モータ(図示せず)により副走査方向へ移動される。原稿からの反射光は、各走査ミラー204,205,206を介してレンズ207に導かれ、レンズ207は、反射光をイメージセンサ208上に結像する。イメージセンサ208は、光像を電気信号に変換し、当該電気信号を画像処理部107(図1)に出力する。
プリンタ部108には、上述したように、露光制御部210が設けられている。露光制御部210は、画像処理部107において所定の画像処理が施された画像データに基づいてレーザ光を変調し、当該変調されたレーザ光219をポリゴンミラー(図示せず)により左右に走査しながら感光ドラム211上に照射する。
感光ドラム211は、図中の矢印が示す方向に回転しており、一次帯電器212により所望の電位に帯電される。感光ドラム211上には、露光制御部210から照射されたレーザ光219により、静電潜像が形成される。感光ドラム211上に形成された静電潜像は、現像器213により現像されて、トナー像として可視化される。
感光ドラム211と対向する位置には、転写帯電器216および分離帯電器217が配置されている。感光ドラム211と転写帯電器216の間には、転写位置PT1(図3)が設けられており、当該転写位置PT1には、レジストレーションローラ233により、用紙Pが送り出される。
転写位置PT1に送り出された用紙Pには、感光ドラム211上のトナー像が転写帯電器216により転写され、当該用紙Pは、分離帯電器217により、感光ドラム211から分離される。このトナー像の転写後、感光体ドラム211上に残留するトナーがクリーニング装置215により除去され、感光ドラム211の残留電荷が前露光ランプ214により消去される。
上記露光制御部210、感光ドラム211、転写帯電器216などは、互いに共働して画像形成ユニットを構成する。
トナー像が転写されて感光ドラム211から分離された用紙Pは、搬送ベルト234により、定着器235に送られる。定着器235は、上記用紙Pが通過する際に、当該用紙P上のトナー像を加熱、加圧し、用紙P上に定着させる。
定着器235を通過した用紙Pは、搬送ローラ236およびフラッパ237を介して、対応する搬送パスに送られる。
用紙Pの片面に画像を形成する片面モードが設定される場合、フラッパ237は、当該フラッパ237を駆動するソレノイド(図示せず)により、排出パス243を選択するように駆動される。これにより、用紙Pは、排出パス243に導かれ、排出ローラ244により、プリンタ部108からフィニッシャ290に送られる。
定着後の用紙Pの表裏を反転してプリンタ部108から排出する反転排出モードが設定されている場合、フラッパ237は、搬送パス238を選択するように駆動され、用紙Pは搬送パス238に送られる。この用紙Pは、反転ローラ245により、反転パス239に引き込まれる。反転パス239に引き込まれた用紙Pは、反転ローラ245に狭持された状態で反転位置PT400(図3)に停止された後に、反転ローラ245の逆転により、フラッパ409(図4(a))を経て反転排出パス303に導かれる。そして、用紙Pは、排出ローラ244によりプリンタ部2から排出されてフィニッシャ290に送られる。この搬送動作により、用紙Pは、その表裏が反転された状態で、プリンタ部108からフィニッシャ290に送られる。
用紙Pの両面に画像を形成する両面モードが設定されている場合、フラッパ237は、搬送パス238を選択するように、駆動される。用紙Pは、搬送パス238を経て、反転ローラ245により、反転パス239に引き込まれる。反転パス239に引き込まれた用紙は、反転ローラ245に狭持された状態で、両面反転位置PT403(図3)に一旦停止された後に、反転ローラ245の逆転により、逆向きに反転パス239から排出される。そして、用紙Pは、フラッパ410(図4(b))を経て再給紙パス240を導かれ、再給紙パス240に設けられている複数の再給紙ローラ242により、レジストレーションローラ233(レジストレーション位置PT305(図3))に搬送される。即ち、用紙Pは、その表裏が反転された状態で、再給紙されることになる。ここで、再給紙パス240上には、再給紙位置PT304(図3)が設定されており、この再給紙位置PT304は、再給紙パス240に導かれた用紙Pを一旦停止させるための位置である。この再給紙位置PT304には、用紙Pを検知するための再給紙センサS304(図3)が設けられている。
上記用紙Pは、各カセット221,222,223,224のいずれかから対応するピックアップローラ225,226,227,228により給紙される。給紙された用紙Pは、対応する給紙ローラ229,230,231,232により、対応するパスを経て、レジストレーションローラ233に向けて送られる。また、上記用紙Pは、多枚数(例えば3500枚)の用紙を収納可能なデッキ250からピックアップローラ252により給紙され、給紙ローラ253により、レジストレーションローラ233に向けて送られる。また、上記用紙Pは、マルチ手差し254から給紙ローラ255および搬送ローラ256により、レジストレーションローラ233に向けて送られる。
上記レジストレーションローラ233は、上記カセット221〜224、デッキ250、マルチ手差し254などから給紙された用紙Pまたは再給紙パス240を経て搬送された用紙Pを、レジストレーション位置PT305(図3)に一時的に停止させる。これにより、用紙Pの斜行が補正される。そして、上述したように、レジストレーションローラ233は、トナー像の形成に合わせて、用紙Pを転写位置PT1に送り出すように駆動される。ここで、レジストレーション位置PT305は、レジストレーションローラ233の入口位置で、用紙Pの送り出し位置を成す。レジストレーション位置PT305には、用紙を検知するためのセンサS305(図3)が設けられている。
ここで、上記レジストレーションローラ233は、用紙Pを連続して送り出す際には、用紙Pを、該用紙Pの先行用紙Pに対して所定紙間で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1(画像形成ユニット)に送り出す送り出し手段を構成する。
上記反転ローラ245は、表面(第1面)に画像が形成された用紙Pの裏面(第2面)を画像形成面とするように該用紙Pを反転パス239に引き込んだ後に該反転パス239から逆向きに排出する反転手段を構成する。
上記再給紙ローラ242は、反転パス239から排出された用紙Pを、再給紙パス240を経てレジストレーション位置PT305に搬送する再給紙手段を構成する。
フィニッシャ290は、挿入紙を供給するインサータ291、Z折り処理を行うZ折り機295、綴じ処理を行うステイプラ294、製本化処理を行う製本機296などを有し、それらを用いて用紙Pまたは用紙束に対応する後処理を施す。後処理が施された用紙または用紙束は、対応する排出トレイ292,293,297に排出される。
次に、反転排出モードと両面モードのそれぞれに対する搬送パスの切り換えを行う構成および搬送パスの切り換え動作について図3〜図5を参照しながら説明する。図3は図2のプリンタ部108における用紙Pの搬送経路を模式的に示す図である。図4は図3の反転位置PT400に設けられているフラッパ409および両面反転位置PT403に設けられているフラッパ410の構成を模式的に示す図である。図5は図4の反転位置PT400に設けられているフラッパ409の動作を模式的に示す図である。
搬送パス238(搬送ローラ236から反転ローラ245に至るパス)には、図3に示すように、反転位置PT400と両面反転位置PT403が設けられている。反転位置PT400は、反転排出パス303が搬送パス238から分岐する位置である。両面反転位置PT403は、再給紙パス240が搬送パス238から分岐する位置である。再給紙パス240上には、上述したように、当該再給紙パス240に導かれた用紙を一旦停止させる位置である再給紙位置PT304が設定されており、この再給紙位置PT304には、再給紙センサS304が設けられている。
ここで、反転位置PT400には、図4(a)に示すように、搬送パス238の開閉を行うフラッパ409が設けられている。両面反転位置PT403には、図4(b)に示すように、搬送パス238の開閉を行うフラッパ410が設けられている。各フラッパ409,410は、それぞれ、押えばね406,411により、その先端が搬送パス238を閉じるように押圧されている。
ここで、定着器235からフラッパ237およびフラッパ409を経て搬送パス238に沿って搬送された用紙Pの先端が両面反転位置PT403に進入すると、図5(a)に示すように、用紙Pにより、フラッパ410の先端が押えばね411のばね力に抗しながら押し上げられる。これにより、搬送パス238は開放される。そして、用紙Pは、フラッパ410の先端を押し上げた状態にしながら、反転パス239に導かれる。
用紙Pの後端が反転位置PT403を通過する即ちフラッパ410の先端を抜けると、図5(b)に示すように、フラッパ410は、押えばね411により、搬送パス238を閉じた状態に戻される。このフラッパ410が搬送パス238を閉じた状態は、用紙Pを再給紙パス240に導く状態である。そして、後端が両面反転位置PT403を通過した用紙Pを両面反転位置PT403に向けて逆向きに搬送すると、図5(c)に示すように、用紙Pは、再給紙パス240に導かれる。
フラッパ409は、上記フラッパ410と同様の動作をする。即ち、搬送パス238に沿って搬送された用紙Pが反転位置PT400に進入すると、当該用紙Pにより、フラッパ409の先端が押し上げられ、フラッパ409は、搬送パス238を開放する。そして、用紙Pの後端が反転位置PT400を通過すると、フラッパ409は、押えばね406により、搬送パス238を閉じた状態に戻される。フラッパ409が搬送パス238を閉じた状態は、用紙Pを反転排出パス303に導く状態である。そして、後端が反転位置PT400を通過した用紙Pは、一旦停止された後に、反転位置PT400に向けて逆向きに搬送される。これにより、用紙Pは、反転排出パス303に導かれる。
ここで、図3に示すように、用紙Pの搬送方向長さをX2、用紙Pの搬送間隔(紙間)をX1とする。また、プロセス速度(転写時の用紙Pの搬送速度)をV0、反転ローラ245により用紙Pを反転パス239へ引き込む際の速度をV1、反転ローラ245により用紙Pを反転パス239から排出する際の速度をV2とする。なお、V0<V1、V2(絶対値)の関係となる。
反転排出モードが設定されている場合、用紙Pは、定着器235をプロセス速度V0で通過し、定着器235を通過した用紙Pは、フラッパ237により、搬送パス238に導かれる。そして、用紙Pは、フラッパ409,410を経て、反転ローラ245により、反転パス239内に引き込まれる。この用紙Pの引き込みは、速度V1で行われる。
反転パス239に引き込まれた用紙Pの搬送方向の後端が反転位置PT400を通過すると、反転ローラ245は一旦停止され、用紙Pの搬送は一旦停止される。この際、フラッパ409は、押えばね406により、搬送パス238を閉じる状態に戻されるが、フラッパ410は、その先端が用紙Pにより押し上げられた状態にある。
次いで、反転ローラ245が逆転される。これにより、用紙Pは、速度V2で反転パス239から排出され、フラッパ409により反転排出パス303に送られる。そして、用紙Pは、反転排出パス303および排出ローラ244を経てフィニッシャ290に送られる。ここで、用紙Pの後端が反転ローラ245を抜けたことが検出されると、反転ローラ245は、停止される。その他のローラは、プリント中は回転状態にあってもよいし、また紙間が十分あるときには、停止状態にしてもよい。
両面モードが設定されている場合、用紙Pは、反転排出モードの場合と同様に、フラッパ237により、搬送パス238に導かれる。そして、用紙Pは、反転ローラ245により、反転パス239内に引き込まれる。ここで、用紙Pの後端が両面反転位置PT403を通過したことが検出されると、反転ローラ245は、一旦停止される。このとき、フラッパ410は、押えばね411により、搬送パス238を閉じた状態に戻される。この用紙Pの後端が両面反転位置PT403を通過したか否かの検出は、用紙センサS404が用紙Pの先端を検知してから、速度V1で搬送される用紙Pの後端が両面反転位置PT403を通過するまでに要する時間が経過したか否かに基づいて、行われる。
次いで、反転ローラ245が逆転され、用紙Pは、速度V2で、反転パス239から排出される。そして、用紙Pは、フラッパ410により、再給紙パス240に導かれる。ここで、用紙Pの後端が反転ローラ245を抜けたことが検出されると、反転ローラ245は停止される。この用紙Pの後端が反転ローラ245を抜けたか否かの検出は、用紙センサS404が用紙Pの後端を検知してから、速度V2で搬送される用紙Pの後端が反転ローラ245を抜けるまでに要する時間が経過したか否かに基づいて、行われる。
次に、本実施の形態の両面モードについて詳細に説明する。
以下の説明において、用紙Pを再給紙位置PT304で停止させるとは、用紙Pの先端が再給紙位置PT304に到達した状態で用紙Pを停止させることをいう。用紙Pを両面反転位置PT403で停止させるとは、用紙Pが反転パス239に引き込まれるときに用紙Pの後端が両面反転位置PT403を通過した状態で用紙Pを停止させることをいう。用紙Pをレジストレーション位置PT305で停止させるとは、用紙Pの先端がレジストレーション位置PT305に到達した状態で用紙Pを停止させることをいう。
本実施の形態の両面モードにおいては、カセット221〜224、デッキ250、マルチ手差し254からの用紙Pの給紙と再給紙パス240から再給紙とが交互に行われ、用紙Pの両面にそれぞれ対応する画像が形成される。複数枚の用紙Pの両面に画像形成する場合、各用紙Pは、先行する用紙Pとそれに続く後続の用紙Pの先端同士の紙間が所定紙間(図3の紙間X1)になるように、レジストレーション位置PT305で一旦停止された後に転写位置PT1に送り出される。ここで、上記所定紙間X1は、予め用紙Pの搬送方向長さX2に応じて決定されているスループット(ppm)を得るための紙間である。ここで、用紙Pの再給紙とは、用紙Pを反転パス239から再給紙パス240を経てレジストレーション位置PT305に搬送することである。この再給紙により搬送される用紙Pを、再給紙される用紙Pということにする。
各用紙Pのうち、再給紙される用紙Pは、当該用紙Pに先行してレジストレーション位置PT305から送り出された用紙(先行用紙)Pとの紙間を調整するために、両面反転位置PT403、再給紙位置PT304のいずれかの停止位置で停止される。これは、レジストレーションローラ233が再給紙される用紙Pを、該用紙Pの先行用紙Pに対して、所定紙間X1でレジストレーション位置PT305から送り出すことを可能にするためである。
本実施の形態は、用紙Pの搬送方向長さX2に応じて、第1の両面モードおよび第2の両面モードのうちのいずれを実行するかを決定する。第1の両面モードは、反転パス239上の両面反転位置PT403を用紙Pの停止位置とするモードであり、第2の両面モードは、再給紙パス240上の再給紙位置PT304を用紙Pの停止位置とするモードである。
第1の両面モードの実行が決定された場合、反転パス239に引き込まれた用紙Pを、第1の停止時間の間、反転パス239上の両面反転位置PT403で停止させた後に該反転パス239から排出するように、反転ローラ245の駆動が制御される。そして、反転パス239から排出された用紙Pを、再給紙パス240上の給紙位置PT304で停止させることなく、当該再給紙パス240を経てレジストレーション位置PT305に搬送するように再給紙ローラ242の駆動が制御される。
第2の両面モードの実行が決定された場合、反転パス239に引き込まれた用紙Pを、第1の必要停止時間TS1の間、両面反転位置PT403で一旦停止させた後に、該反転パス239から排出するように、反転ローラ245の駆動が制御される。そして、反転パス239から排出された用紙Pを、第2の停止時間の間、再給紙パス240の再給紙位置PT304で停止させた後にレジストレーション位置PT305に搬送するように、再給紙ローラ232の駆動が制御される。
第1の両面モードの場合の第1の停止時間は、予め決められている第1の必要停止時間TS1と、予め決められている紙間調整停止時間TCとを加算した時間となる。第2の両面モードの場合の第2の停止時間は、上記紙間調整停止時間TCとなる。この紙間調整停止時間TCについての詳細は、後述する。
ここで、第1の必要停止時間TS1は、反転ローラ245が反転パス239に引き込んだ用紙Pを両面反転位置PT403で停止させて該用紙Pの逆向きの搬送を開始するまでに要する時間である。この反転ローラ245(それを駆動するモータ)の停止は、反転ローラ245を停止させた直後に逆転させると、反転ローラ245(それを駆動するモータ)が振動し、反転ローラ245の挙動が不安定になることを、未然に防止するためである。即ち、第1の必要停止時間TS1は、反転ローラ245の挙動安定のために確保される時間である。
同様に、用紙Pを再給紙位置PT304で停止させる場合、再給紙ローラ242を停止させた直後に再駆動するまでに要する第2の必要停止時間TS2を確保する必要がある。これは、再給紙ローラ242を停止させた直後に再駆動すると、再給紙ローラ242(それを駆動するモータ)が振動し、再給紙ローラ242の挙動が不安定になることを、未然に防止するためである。即ち、第2の必要停止時間TS2は、再給紙ローラ242の挙動安定のために確保される時間である。
よって、第1の両面モードの場合、用紙Pは、両面反転位置PT403で、上記第1の必要停止時間TS1と紙間調整停止時間TCとを加算した時間の間、停止されることになる。また、第2の両面モードの場合、用紙Pは、紙間調整停止時間TCの間、再給紙位置PT304で停止されることになるが、この場合の紙間調整停止時間TCは、上記第2の必要停止時間TS2より長い時間であることが必要である。第2の両面モードの場合においても、用紙Pは、両面反転位置PT403で、上記第1の必要停止時間TS1の間、停止される。
次に、紙間調整停止時間TCについて図6を参照しながら説明する。図6(a)〜(c)は用紙の各停止位置における用紙の停止時間を説明するための図である。図6(a)は第2の両面モードにおいて再給紙位置PT304で用紙Pを停止させると不具合が発生する場合における再給紙ローラ242の挙動安定のための第2の必要停止時間TS2と最少紙間調整停止時間Tminとの関係を模式的に示す図である。図6(b)は第1の両面モードにおいて両面反転位置PT403で用紙Pを停止させる場合の反転ローラ245の挙動安定のための第1の必要停止時間TS1と最少紙間調整停止時間Tminとの関係を模式的に示す図である。図6(c)は第2の両面モードにおいて再給紙位置PT304で用紙Pを停止させる場合の再給紙ローラ242の挙動安定のための第2の必要停止時間TS2と最少紙間調整停止時間Tminとの関係を模式的に示す図である。
例えば表1に示すように、用紙Pのサイズ(用紙の搬送方向長さX2)毎にスループット(ppm)と再給紙位置PT304での用紙Pの最少紙間調整停止時間Tminとの関係が予め決められている。ここで、最少紙間調整停止時間Tminは、用紙Pを再給紙位置PT304で停止させた場合に、対応する用紙Pのサイズに応じたスループット(ppm)を得ることを条件とし、設計上一番低い搬送効率で用紙Pが搬送されたとした場合の最少の停止時間である。換言すれば、上記最少紙間調整停止時間Tminは、再給紙される用紙Pと給紙される用紙(先行用紙)Pの紙間を用紙Pのサイズに応じたスループット(ppm)を得るための所定紙間X1にする際に要求される最少の時間である。即ち、用紙Pを再給紙位置PT304で最少紙間調整停止時間Tminの間停止させれば、用紙Pを先行用紙Pに対して所定紙間X1でレジストレーション位置PT305から送り出すことが可能になる。よって、最少紙間調整停止時間Tminが、上記紙間調整停止時間TCとして設定される。
ここでは、最少紙間調整停止時間Tminは、用紙Pのサイズ(搬送方向長さ)に応じたスループット(ppm)に基づいて決められているが、用紙Pのサイズの他に、環境、種類(普通紙、コート紙など)、坪量(薄紙、厚紙など)などを考慮して、決めることもできる。
また、称呼紙間調整停止時間とは、用紙搬送が理想的に行われた場合(設計上一番高い搬送効率で用紙Pが搬送されたとした場合)において紙間を調整するために停止する時間である。
再給紙位置PT304で用紙Pを停止させる場合、上述したように、再給紙ローラ242の挙動安定を確保するために、再給紙ローラ(それを駆動するモータ)を、上記第2の必要停止時間TS2の間、停止させる必要がある。本実施の形態においては、上記第2の必要停止時間TS2として、80(ms)が設定されている。
上記表1から分かるように、用紙PのサイズがLGLRおよびB4Rの場合、上記最少紙間調整停止時間Tminが上記第2の必要停止時間TS2(80ms)より短くなる。この場合、再給紙する用紙Pを、再給紙位置PT304で上記最少紙間調整停止時間Tminの間、停止させると、再給紙される用紙Pと先行用紙(給紙される用紙)Pの紙間が用紙Pのサイズに応じたスループットを得るための所定紙間X1より長くなる。その結果、用紙Pのサイズに応じたスループットを得ることができない。
例えば図6(a)に示すように、再給紙される用紙Pbが、再給紙位置PT304で上記最少紙間調整停止時間Tminの間、停止されるとする。この場合、上記最少紙間調整停止時間Tminが上記第2の必要停止時間TS2より短ければ、再給紙ローラ242の挙動安定のための上記第2の必要停止時間TS2を確保することができない。そのため、上記最少紙間調整停止時間Tminより長い上記第2の必要停止時間TS2の間、用紙Pbを停止させる必要がある。その結果、用紙Pbを、先行用紙(給紙される用紙)Paに対して、用紙Pのサイズに応じたスループットを得るための所定紙間X1に相当する時間Tdの間隔で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出すことができない。即ち、再給紙する用紙Pbと先行用紙(給紙される用紙)Paの紙間が、用紙Pのサイズに応じたスループットに対応する所定紙間X1より、時間ΔTdに相当する間隔分広がることになる。
ここで、各用紙Pa,Pbがレジストレーション位置PT305で停止されてから転写位置PT1に送り出されるまでの時間Trは、一定であるとする。
上記最少紙間調整停止時間Tminが上記第2の必要停止時間TS2より短い場合、図6(b)に示すように、再給紙される用紙Pbの停止位置が再給紙位置PT304に代えて、両面反転位置PT403とされる。ここで、両面反転位置PT403においては、反転ローラ245の挙動安定のために、必ず、上記第1の必要停止時間TS1の間、用紙Pbは、停止される。よって、用紙Pbの両面反転位置PT403での停止時間即ち第1の停止時間は、上記第1の必要停止時間TS1に上記最少紙間調整停止時間Tmin(=TC)を加算した時間(TS1+Tmin)となる。両面反転位置PT403で停止されている用紙Pbは、上記時間(TS1+Tmin)が経過すると、反転パス239から再給紙パス240に搬送される。そして、用紙Pbは、再給紙位置PT304で停止されることなく、レジストレーション位置305に搬送される。これにより、再給紙される用紙Pbを、先行用紙(給紙される用紙)Paに対して、用紙Pのサイズに応じたスループットを得るための所定紙間X1に相当する時間間隔Tdで、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出すことができる。
これに対し、用紙PのサイズがLGLRおよびB4R以外のサイズ(例えばB5,A4など)の場合、上記最少紙間調整停止時間Tminが上記第2の必要停止時間TS2より長くなる。この場合、図6(c)に示すように、再給紙される用紙Pを再給紙位置PT304で上記最少紙間調整停止時間Tminの間停止させても、再給紙ローラ232の挙動安定のための時間を確保することができることになる。また、用紙Pbを、先行用紙(給紙される用紙)Paに対して、上記所定紙間X1に相当する時間間隔Tdで、レジストレーション位置305から転写位置PT1に送り出すことができる。
従って、用紙PのサイズがLGLRおよびB4Rなど、上記最少紙間調整停止時間Tminが上記停止時間TS2より短くなるサイズ(搬送方向長さX2)の場合、上記第1の両面モードが実行される。用紙PのサイズがLGLRおよびB4R以外のサイズなど、上記最少紙間調整停止時間Tminが上記停止時間TS2より長くなるサイズ(搬送方向長さX2)の場合、上記第2の両面モードが実行される。
用紙Pのサイズ(搬送方向長さX2)毎に、再給紙される用紙Pの停止位置および紙間調整停止時間TC(=Tmin)は、予め決定することが可能である。よって、用紙Pのサイズ(搬送方向長さX2)毎に第1および第2の両面モードのうちのいずれを実行するかを示す両面モード情報を予めROM103に記憶させることができる。この両面モード情報には、再給紙される用紙Pの停止位置および当該紙間調整停止時間TC(=Tmin)が含まれている。
上記両面モード情報は、例えば表2に示すテーブル形式でROM103に記憶されている。そして、ROM103に格納されている両面モード情報と、ユーザにより操作部109または外部I/F106に接続されている外部装置から入力される用紙サイズ情報とに基づいて、第1、第2の両面モードのいずれを実行するかが決定される。
次に、両面モード時において用紙Pの反転を行う際の反転ローラ245の駆動について図7を参照しながら説明する。図7(a)は用紙Pの先端が反転ローラ245に到達したときに用紙Pの後端が定着器235を抜けている場合における反転ローラ245の駆動速度と時間との関係を示す線図である。図7(b)は図7(a)の反転ローラ245の駆動状態に応じた用紙Pの搬送状態を示す線図である。ここでは、用紙Pの先端が反転ローラ245に到達したときに用紙Pの後端が定着器235を抜けている場合を説明する。
図7(a)において、横軸は時間、縦軸は反転ローラ245の駆動速度をそれぞれ示す。反転ローラ245の駆動速度は、用紙Pの搬送速度に相当する速度であり、正方向(+)の駆動速度は、反転ローラ245が正転された場合の速度で、逆方向(−)の駆動速度は、反転ローラ245が逆転された場合の速度である。
用紙Pが定着器235から搬送パス238を経て反転ローラ245に向けて送られるとき、用紙Pはプロセス速度V0で搬送されており、また用紙Pの搬送方向長さX2は既に認識されている。また、用紙Pの搬送方向長さX2および定着器235から反転ローラ245に至る距離X3に基づいて、用紙Pの先端が反転ローラ245に到達したときに用紙Pの後端が定着器235を抜けていることが認識されている。
この場合、用紙Pの搬送方向長さX2、プロセス速度V0および上記距離X3に基づいて、用紙Pが反転ローラ245に到達する直前までに反転ローラ245の駆動速度が速度V1に達する状態になる反転ローラ245の駆動開始タイミングが算出される。次いで、図7(a)に示すように、上記算出された駆動開始タイミングで反転ローラ245の駆動が開始され、反転ローラ245は、駆動速度が速度V1に達するまで、加速される(期間T0)。そして、反転ローラ245は、駆動速度が速度V1に保持された状態で、駆動される(期間T1)。これにより、用紙Pは、速度V1で反転パス239に引き込まれる。その後、反転ローラ245は、駆動速度が速度V1から速度0になるまで、減速される(期間T2)。この反転ローラ245が停止されたとき、用紙Pの後端は、両面反転位置PT403に到達している。即ち、用紙Pの後端が両面反転位置PT403に達すると、用紙Pの搬送は停止される。
次いで、反転ローラ245は、停止される(期間T3)。これにより、用紙Pは両面反転位置PT403で停止される。ここで、上述したように、第1の両面モードの場合、反転ローラ245(用紙P)の停止時間は、上記第1の必要停止時間TS1と紙間調整停止時間TCを加算した時間になる。これに対し、第2の両面モードの場合、反転ローラ245(用紙P)の停止時間は、上記第1の必要停止時間TS1になる。
次いで、反転ローラ245の逆転が開始され、その駆動速度は、速度V2まで立ち上げられる(期間T4)。これにより、用紙Pの反転パス239からの排出が開始され、用紙Pは再給紙パス240に向けて搬送される。そして、反転ローラ245は、駆動速度が速度V2に保持された状態で駆動される(期間T5)。ここで、用紙Pの後端(速度V2での搬送方向に対して後端となる用紙Pの端部)が反転ローラ245を抜けると、反転ローラ245は、速度V2から速度0になるまで減速される(期間T6)。そして、反転ローラ245は停止され、次の用紙Pを引き込みための駆動開始を待つ(期間T7)。
ここで、図7(b)に示すように、再給紙される用紙Pが連続して反転ローラ245に進入するとする。再給紙される用紙Pの後端(速度V1での搬送方向に対して後端となる用紙Pの端部)が両面反転位置PT403に到達すると、当該用紙Pは上記所定時間T3の間停止された後に、速度V2で逆向きに、反転パス239から排出される。このとき、搬送方向が逆になるため、搬送方向に対して、用紙Pの先端と後端が入れ替わることになる(点Px)。
このようにして用紙Pが速度V2で反転パス239から排出された後、同様に後続の用紙Pが、反転パス239に引き込まれる。このとき、先行する用紙Pの後端が両面反転位置PT403から抜ける時点から、後続の用紙Pの先端が両面反転位置PT403に到達する時点までの時間として、少なくとも時間T100が確保されている。
次に、本実施の形態の両面モードによる画像形成の具体例について図8〜図10を参照しながら説明する。図8は両面モードにおいて3枚の用紙Pに画像形成を行う際の各用紙Pに対する画像形成の順番を模式的に示す図である。図9は第2の両面モード場合(再給紙位置PT304で用紙Pを停止させる場合)の用紙Pの搬送を模式的に示す図である。図10は第1の両面モード場合(両面反転位置PT403で用紙Pを停止させる場合)の用紙Pの搬送を模式的に示す図である。
ここでは、6ページ分の画像が入力され、3枚の用紙P1〜P3の両面のそれぞれに対応するページの画像を形成する場合を説明する。ここで、各用紙P1〜P3は、カセット221から給紙されるものとする。
この例の場合、図8に示すように、まず、カセット221からの1枚目の用紙P1の給紙、カセット221からの2枚目の給紙が順に行われ、各用紙P1,P2のそれぞれの表面に対応するページの画像(1ページ目、3ページ目の画像)が形成される。このとき、用紙P2は、用紙P1に対して、1ページ分を空けた紙間2X1(図3の紙間X1の2倍)で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。
次いで、用紙P1が再給紙パス240を経て再給紙され、用紙P1の裏面に対応するページの画像(2ページ目の画像)が形成される。このとき、再給紙された用紙P1は、用紙P2に対して、決められている紙間X1(図3)で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。
次いで、カセット221からの3枚目の用紙P3が給紙され、用紙P3の表面に対応するページの画像(5ページ目の画像)が形成される。このとき、給紙された用紙P3は、用紙P1に対して、上記紙間X1で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。
次いで、用紙P2が再給紙パス240を経て再給紙され、用紙P2の裏面に対応するページの画像(4ページ目の画像)が形成される。このとき、再給紙された用紙P2は、用紙P3に対して、上記紙間X1で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。
次いで、用紙P3が再給紙パス240を経て再給紙され、用紙P3の裏面に対応するページの画像(6ページ目の画像)が形成される。このとき、再給紙された用紙P3は、用紙P2に対して、1ページ分を空けた紙間2X1で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。
上記例において、再給紙する用紙P1〜P3を再給紙位置PT304で停止させる第2の両面モードの場合の用紙P1〜P3の搬送について図9を参照しながら説明する。
まず、カセット221から1枚目の用紙P1が給紙され、当該用紙P1は、レジストレーション位置PT305で一旦停止される。次いで、用紙P1は、レジストレーションローラ233により、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出され、用紙P1の表面に画像が形成される。表面に画像が形成された用紙P1は、反転位置PT403を経て反転パス239に引き込まれた後、当該反転パス239から再給紙パス240に搬送される。再給紙パス240に搬送された用紙P1は、図9(a)に示すように、上記第2の停止時間(=TC>TS2)の間、再給紙位置PT304で停止される。また、2枚目の用紙P2がカセット221から給紙され、レジストレーション位置PT305で一旦停止される。
次いで、図9(b)に示すように、用紙P2の表面に画像を形成すべく、用紙P2がレジストレーションローラ233により、用紙P1に対して1ページ分を空けた紙間2X1で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。これに対し、再給紙位置PT304に停止されている用紙P1の停止時間が上記第2の停止時間を経過すると、当該用紙P1の搬送が再開され、当該用紙P1は、レジストレーション位置PT305に向けて搬送される。
表面に画像が形成された用紙P2は、図9(c)に示すように、両面反転位置PT403を経て、反転パス239に引き込まれる。このとき、用紙P2は、上記必要停止時間TS1の間、停止される。また、用紙P1は、レジストレーション位置PT305に搬送され、当該レジストレーション位置PT305で一旦停止される。
次いで、図9(d)に示すように、用紙P1の裏面に画像を形成すべく、用紙P1は、レジストレーションローラ233によりレジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。反転パス239に引き込まれた用紙P2は、反転パス239から排出され、再給紙パス240に搬送される。また、3枚目の用紙P3がカセット221から給紙され、レジストレーション位置PT305に向けて送り出される。そして、図9(e)に示すように、用紙P3は、レジストレーション位置PT305で一旦停止される。裏面に画像が形成された用紙P1は、フィニッシャ290に向けて送られる。再給紙パス240に搬送された用紙P2は、再給紙位置PT304で、上記第2の停止時間の間、停止される。また、裏面に画像が形成された用紙P1は、フィニッシャ290に向けて搬送される。
次いで、図9(f)に示すように、用紙P3の表面に画像を形成すべく、用紙P3は、レジストレーションローラ233によりレジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。再給紙位置PT304に停止されている用紙P2は、その停止時間が上記第2の停止時間を経過すると、レジストレーション位置PT305に向けて搬送される。
次に、再給紙する用紙P1〜P3を再給紙位置PT304で停止させる代わりに両面反転位置PT403で停止させる第1の両面モードの場合の用紙P1〜P3の搬送について図10を参照しながら説明する。
表面に画像が形成された1枚目の用紙P1は、図10(a)に示すように、両面反転位置PT403に搬送される。そして、用紙P1は、第1の停止時間(TS1+TC)の間、両面反転位置PT403で停止される。また、2枚目の用紙P2がカセット221から給紙され、レジストレーション位置PT305で一旦停止される。
次いで、図10(b)に示すように、用紙P2の表面に画像を形成すべく、画像形成タイミングに合わせて、用紙P2は、レジストレーション位置PT304から転写位置PT1に送り出される。ここで、両面反転位置PT403に停止されている用紙P1の停止時間が上記第1の停止時間を経過すると、用紙P1の反転パス239からの排出が開始され、用紙P1は、再給紙パス240に向けて搬送される。そして、再給紙パス240に搬送された用紙P1は、再給紙位置PT304で停止されることなく、レジストレーション位置PT305に向けて搬送される。
用紙P1は、図10(c)に示すように、レジストレーション位置PT305に到達し、レジストレーション位置PT305で一旦停止される。用紙P2は、表面に画像が形成された後、両面反転位置PT403に向けて搬送され、第1の停止時間(TS1+TC)の間、両面反転位置PT403で停止される。
次いで、図10(d)に示すように、用紙P1は、レジストレーションローラ233により、用紙P2に対して、所定紙間X1で、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に向けて送り出され、用紙P1の裏面に画像が形成される。用紙P1がレジストレーション位置PT305から送り出されると、3枚目の用紙P3がカセット221から給紙され、レジストレーション位置PT305に向けて搬送される。このとき、用紙P2は、両面反転位置PT403に停止された状態にある。
裏面に画像形成された用紙P1は、図10(e)に示すように、フィニッシャ290に向けて送られる。用紙P3は、レジストレーション位置PT305に到達し、停止される。このとき、用紙P2は、まだ、両面反転位置PT403に停止された状態にある。
次いで、図10(f)に示すように、用紙P3の表面に画像を形成すべく、用紙P3は、レジストレーションローラ233により、レジストレーション位置PT305から転写位置PT1に送り出される。ここで、両面反転位置PT403に停止されている用紙P1の停止時間が上記第1の停止時間を経過すると、当該用紙P2の反転パス239からの排出が開始され、再給紙パス240に向けて搬送される。そして、用紙P2は、再給紙位置PT304で停止されることなく、レジストレーション位置PT305に搬送される。
次に、第1の両面モードおよび第2の両面モードのうちのいずれを実行するかを決定する両面モード決定処理について図11を参照しながら説明する。図11は図1の制御部101による第1の両面モードおよび第2の両面モードのうちのいずれを実行するかを決定する両面モード決定処理の手順を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示す手順は、制御部101のCPU102により、ROM103に格納されているプログラムに従って実行されるものである。
両面モードを実行する場合、制御部101(CPU102)は、図11に示す両面モード決定処理を行う。この両面モード決定処理において、制御部101は、まず、ROM103に格納されている両面モード情報の中から、ユーザにより入力された用紙サイズ情報に対応する両面モード情報を取得する(ステップS101)。
次いで、制御部101は、取得した両面モード情報に基づいて、第1の両面モードおよび第2の両面モードのいずれを実行するかを決定する(ステップS102)。続いて、制御部101は、上記取得された両面モード情報から、用紙Pの停止位置および紙間調整時間TCを取得し、用紙Pの搬送制御情報として設定する(ステップS103)。そして、制御部101は、本処理を終了する。
次に、本実施の形態において第1の両面モードまたは第2の両面モードを実行する場合の再給紙される用紙Pの反転から当該用紙Pをレジストレーション位置PT305に搬送するまでの用紙Pの搬送制御について図12および図13を参照しながら説明する。図12は図1の制御部101による第1の両面モードを実行する場合の再給紙される用紙Pの反転から当該用紙Pをレジストレーション位置PT305に搬送するまでの用紙Pの搬送制御の手順を示すフローチャートである。図13は図1の制御部101による第2の両面モードを実行する場合の再給紙される用紙Pの反転から当該用紙Pをレジストレーション位置PT305に搬送するまでの用紙Pの搬送制御の手順を示すフローチャートである。図12および図13のフローチャートに示す手順は、制御部101のCPU102により、ROM103のプログラムに従って実行されるものである。
第1の両面モードの場合、図12に示すように、制御部101(CPU102)は、両面反転位置PT403に用紙Pの後端が到達するのを待つ(ステップS201)。両面反転位置PT403に用紙Pの後端が到達すると、制御部101は、反転ローラ245を停止させ、用紙Pを両面反転位置PT403で停止させる(ステップS202)。そして、制御部101は、反転ローラ245の停止から、第1の停止時間(第1の必要停止時間TS1+紙間調整時間TC(=Tmin))が経過するのを待つ(ステップS203)。
上記第1の停止時間が経過すると、制御部101は、反転ローラ245を逆転させ、両面反転位置PT403で停止している用紙Pを反転パス239から排出する(ステップS204)。この反転パス239から排出された用紙Pは、再給紙パス240に向けて搬送される。
次いで、制御部101は、再給紙ローラ242により、用紙Pを再給紙位置PT304で停止させることなく、レジストレーション位置PT305に向けて搬送し(ステップS205)、本処理を終了する。
第2の両面モードの場合、制御部101(CPU102)は、両面反転位置PT403に用紙Pの後端が到達するのを待つ(ステップS301)。両面反転位置PT403に用紙Pの後端が到達すると、制御部101は、反転ローラ245を停止させ、用紙Pを両面反転位置PT403で停止させる(ステップS302)。そして、制御部101は、反転ローラ245の停止から、第1の必要停止時間TS1が経過するのを待つ(ステップS303)。
上記第1の必要停止時間TS1が経過すると、制御部101は、反転ローラ245を逆転させ、両面反転位置PT403で停止している用紙Pを反転パス239から排出する(ステップS304)。この反転パス239から排出された用紙Pは、再給紙パス240に向けて搬送される。
次いで、制御部101は、再給紙ローラ242により用紙Pを、再給紙パス240に沿って搬送し、用紙Pの先端が再給紙位置PT304に到達するのを待つ(ステップS305)。用紙Pの先端が再給紙位置PT304に到達すると、制御部101は、再給紙ローラ242を停止させ、用紙Pを再給紙位置PT304で停止させる(ステップS306)。
次いで、制御部101は、再給紙ローラ242の停止から、第2の停止時間(最少紙間調整停止時間Tmin)が経過するのを待つ(ステップS307)。これにより、用紙Pは、再給紙位置PT304で、最少紙間調整停止時間Tminの間、停止されることになる。上記第2の停止時間が経過すると、制御部101は、再給紙ローラ242を再駆動し、再給紙位置PT304で停止している用紙Pをレジストレーション位置305に向けて搬送する(ステップS308)。そして、制御部101は、本処理を終了する。
なお、常に両面反転位置PT403だけに用紙を停止させるという制御をしない理由は以下のとおりである。用紙の長さが長い場合に、次の用紙が両面反転位置PT403へ入ってくるタイミングに対して、両面反転位置PT403に待機している用紙が出て行くタイミングが逆転するケースが起きてしまい、結果として、用紙同士が衝突する危険性があるからである。また、用紙の長さが短い場合に、両面反転位置PT403で待機する時間が取れないケースが起きてしまい、逆に生産性が得ることができなくなるからである。
このように、用紙Pのサイズに応じて、第1または第2の両面モードを実行することにより、画像形成装置の耐久性の低下などに伴い用紙Pの搬送効率が低下したとしても、スループット(ppm)を下げることなく、画像形成を行うことができる。