JP2020189747A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の駆動源によって駆動する複数のローラ対によってシートを搬送する際に、ジャムの発生を低減する。【解決手段】第2搬送部によって第2シートを挟持した状態で停止させる停止処理と、第2搬送部によって停止していた第2シートの搬送を再開させる搬送再開処理と、を実行可能な制御部を備える。前記制御部は、第1シートが基準位置を通過してから第1時間が経過した第1タイミングで前記搬送再開処理を行う第1モードと、前記第1シートが前記基準位置を通過してから前記第1時間よりも長い第2時間が経過した第2タイミングで前記搬送再開処理を行う第2モードと、を有する。【選択図】図8

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
プリンタ等の画像形成装置において用紙を搬送する搬送路に設けられたローラ対は、搬送枚数が増加するにつれて、ローラ表面の摩耗などの部品の劣化が進行し、用紙を搬送するための摩擦力が低下する。摩擦力が低下すると、ローラ対による用紙の搬送速度も低下することとなり、用紙搬送に遅延が生じる原因となる。これに対して、特開2010−215345号公報には、ローラ対を駆動するモータの回転速度を、ローラの劣化状況に応じて制御することにより、一定の速度で用紙を搬送する画像形成装置が開示されている。また、特開2014−84209号公報には、ひとつのモータで複数の搬送ローラ対を回転させることで用紙搬送に用いるモータの数を削減し、低コスト化を実現した画像形成装置が開示されている。
特開2010−215345号公報 特開2014−84209号公報
特開2014−84209号公報においては、複数のローラ対に対してひとつのモータから駆動力が伝達される。このとき、例えば複数のローラ対それぞれにおける劣化状況に差が生じた場合には、結果としてそれぞれのローラ対による用紙の搬送速度にも差が生じ、ジャムが発生しやすくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、同一の駆動源によって駆動する複数のローラ対によってシートを搬送する際に、ジャムの発生を低減することを目的とする。
本発明は、シート搬送装置において、第1搬送路と、合流部において前記第1搬送路と合流する第2搬送路と、前記第1搬送路において第1シートを搬送する第1搬送部と、前記第2搬送路において第2シートを前記合流部に向けて搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部及び前記第2搬送部を駆動する駆動部と、前記駆動部からの駆動力を伝達して前記第2搬送部を駆動する伝達状態と、前記駆動部からの駆動力を前記第2搬送部に伝達しない非伝達状態と、に遷移可能な駆動伝達部と、前記駆動伝達部を前記非伝達状態にすることで前記第2搬送部によって前記第2シートを挟持した状態で停止させる停止処理と、前記駆動伝達部を前記非伝達状態から前記伝達状態に遷移することで、前記第2搬送部によって停止していた前記第2シートの搬送を再開させる搬送再開処理と、を実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1シートが基準位置を通過してから第1時間が経過した第1タイミングで前記搬送再開処理を行う第1モードと、前記第1シートが前記基準位置を通過してから前記第1時間よりも長い第2時間が経過した第2タイミングで前記搬送再開処理を行う第2モードと、を有する。
本発明によれば、同一の駆動源によって駆動する複数のローラ対によってシートを搬送する際に、ジャムの発生を低減することができる。
本実施例に係る画像形成装置の概略構成図。 本実施例に係る画像形成装置の制御ブロック図。 (A)は本実施例に係る通電時のクラッチを示す図、(B)は通電遮断時のクラッチを示す図。 (A)は本実施例に係る両面搬送シーケンスを説明するための断面図、(B)は(A)よりも両面搬送シーケンスが進行した様子を示す断面図、(C)は(B)よりも両面搬送シーケンスが進行した様子を示す断面図。(D)は(C)よりも両面搬送シーケンスが進行した様子を示す断面図、(E)は(D)よりも両面搬送シーケンスが進行した様子を示す断面図、(F)は(E)よりも両面搬送シーケンスが進行した様子を示す断面図。 本実施例に係る両面搬送シーケンス実行中の画像形成装置の動作のタイムチャート。 (A)は本実施例に係る累積枚数と搬送効率との関係図、(B)は累積枚数と搬送速度との関係図。 (A)は本実施例に係るプレレジストレーションローラ対と両面ローラ対との搬送効率及び搬送速度が同じ状態を表す図、(B)はプレレジストレーションローラ対よりも両面ローラ対の搬送効率及び搬送速度が大きい状態を表す図。(C)はプレレジストレーションローラ対よりも両面ローラ対の搬送効率及び搬送速度が小さい状態を表す図。 (A)はシートP2が停止している状態を示す図、(B)はシートP1とシートP2の紙間が5mmとなった様子を示す図。(C)はシートP1とシートP2の紙間が3.1mmとなった様子を示す図、(D)はシートP1とシートP2の紙間が6.5mmとなった様子を示す図。 (A)は本実施例に係る第2モードにおける両面搬送シーケンスを示すタイムチャート、(B)は第3モードにおける両面搬送シーケンスを示すタイムチャート。 本実施例に係る両面搬送シーケンスの流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置1について説明する。画像形成装置1は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機などであって、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体として用いられるシートに画像を形成する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係るシート搬送装置を備える画像形成装置1の概略構成図である。画像形成装置1は、シートPに画像を形成して出力する電子写真方式のフルカラーレーザプリンタである。シートPとしては、普通紙及び封筒等の紙、光沢紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、布等を用いることができる。画像形成装置1の装置本体100には、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4つの画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、中間転写ベルト140と、を備えた画像形成エンジン150が収容されている。画像形成部10Y〜10Kは、それぞれ、像担持体である感光ドラム11Y〜11Kを有し、感光ドラム11Y〜11Kに各色のトナー像を形成する。感光ドラム11Y〜11Kに担持されたトナー像は中間転写体である中間転写ベルト140を介してシートPに転写される。
画像形成部10Y〜10Kは、現像に用いるトナーの色が異なる以外は同様に構成されるため、イエローの画像形成部10Yを例に画像形成部の構成及びトナー像の形成プロセス(画像形成動作)について説明する。画像形成部10Yは、感光ドラム11Yの他に、帯電ローラ、露光装置13Y、現像装置14Y、一次転写ローラ15Y及びドラムクリーナを有する。感光ドラム11Yは、外周部に感光層を有するドラム状の感光体であり、中間転写ベルト140の回転方向に沿った方向に回転する。帯電ローラは、感光ドラム11Yの表面を一様に帯電させ、露光装置13Yは、画像情報に応じて変調されたレーザ光を感光ドラム11Yに照射し、感光ドラム11Yの表面に静電潜像を書き込む画像書き込み動作を行う。現像装置14Yは、トナーを含む現像剤を収容し、感光ドラム11Yにトナーを供給することで静電潜像をトナー像に現像する。感光ドラム11Yに形成されたトナー像は、一次転写ローラ15Yによって中間転写ベルト140に一次転写される。転写後、感光ドラム11Yに残留したトナーは、ドラムクリーナによって除去される。
中間転写ベルト140は、図中反時計回り方向に回転駆動される。上述の画像形成動作は各画像形成部10Y〜10Kにおいて並行して進められ、4色のトナー像が重畳されて多重転写されることで、中間転写ベルト140にフルカラーのトナー像が形成される。このトナー像は、中間転写ベルト140に担持されて、二次転写ローラと二次転写内ローラの間のニップ部として構成される転写部(二次転写部118)に搬送される。転写部としての二次転写ローラには、トナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加され、中間転写ベルト140に担持されたトナー像がシートPに二次転写される。転写後に中間転写ベルト140に残留したトナーは、ベルトクリーナによって除去される。
トナー像を転写されたシートPは、定着装置170へと受け渡される。定着装置170は、シートPを挟持して搬送する定着ローラ対と、ハロゲンヒータ等の熱源とを有し、シートPに担持されたトナー像に圧力及び熱を加える。これにより、トナー粒子が溶融及び固着して、シートPに定着した定着画像が得られる。本実施例では、画像形成エンジン150、二次転写部118及び定着装置170が協働してシートPに画像を形成する画像形成部として機能する。
また、画像形成装置1には、ユーザが操作するUI330及び原稿シートの読取を行う原稿給送装置55が設けられている。ユーザは、UI330を操作することにより、カラーモードや置数など、画像形成時の印刷条件を設定することが出来る。UI330を介して入力された情報は、図2に示す制御部300に転送される。また、原稿給送装置55に原稿をセットした状態でUI330を操作することで、原稿読取を行うことができる。UI330から原稿読取開始の指示が入力されると、原稿を搬送して、原稿に対して不図示のランプ光が照射される。原稿からの反射光は、イメージセンサ233に導入され、原稿の読取画像データが生成されることとなる。原稿読取は、原稿有無センサ151によって検知された最終原稿の読取が完了するまで継続される。
次に、画像形成装置1によるシートPの搬送動作について説明する。給送カセット111は、シートPを収納し、装置本体100に引抜可能に装着される。給送カセット111に収納されたシートPは、給送ユニット110によって1枚ずつ給送される。本実施例に係る給送部としての給送ユニット110は、シートPを給送カセット111から送り出すピックアップローラ113と、ピックアップローラ113からシートPを受取って搬送する給送ローラ114とを備える。また、給送ユニット110は、給送ローラ114によって搬送されるシートPを他のシートPから分離する分離ローラを備える。なお、給送ユニット110はシートPを給送する給送部の一例であり、吸引ファンによってベルト部材にシートPを吸着して搬送するベルト方式や、パッドを用いた摩擦分離方式の給送部を用いてもよい。また、装置本体100の側部に設けられた手差しトレイ33に対してユーザは直接、シートPをセット可能であり、手差しトレイ33にセットされたシートPは給送ユニット110によって給送される。
給送ユニット110から第1搬送路CP1に送り出されたシートPは、本実施例の第1搬送部としてのプレレジストレーションローラ対186によってレジストレーションローラ対116に搬送される。すなわち、プレレジストレーションローラ対186は、第1搬送路CP1においてシートPを搬送する。レジストレーションローラ対116は、シートPの先端、つまりシートの搬送方向における下流端に当接することでシートPの斜行を補正する。また、シート搬送方向においてプレレジストレーションローラ対186とレジストレーションローラ対116との間には、本実施例の第1検知部であるレジストレーションセンサ274が配置されている。その後、レジストレーションローラ対116は、画像形成部10Y〜10Kによる画像形成動作の進行度に合わせたタイミングでシートPを二次転写部118に送り込む。二次転写部118においてトナー像を転写され、定着装置170によって画像の定着が行われたシートPは、シートPの搬送経路を切換可能なフラップ状のガイド部材180に向けて搬送される。
UI330から指定された動作モードが片面印刷の場合であって、シートPに対する画像形成が完了している場合には、第1面(表面)に画像を形成されたシートPは排出ローラ対139によって排出トレイ132に排出される。一方で、UI330から指定された動作モードが両面印刷の場合であって、シートPの第2面(裏面)に画像を形成する場合、シートPはガイド部材180によって反転ローラ対182に受け渡される。本実施例に係る反転搬送部190Bは、シートPを反転搬送(スイッチバック)する反転ローラ対182と、反転搬送されたシートPをレジストレーションローラ対116へ向けて案内する第2搬送路CP2とを備える。第2搬送路CP2は、合流部Jにおいて第1搬送路CP1に合流する。反転ローラ対182は、不図示の反転モータによって駆動し、シートPを排出トレイ132の上方の排出空間に向けて所定距離、例えば、シートPの搬送方向上流の端部が反転ローラ対182に到達するまで搬送した後、逆方向にシートPを搬送する。これにより、シートPが第2搬送路CP2に送り込まれることとなる。すなわち、第3搬送部としての反転ローラ対182は、第1搬送路CP1を搬送される第1シートとしてのシートPを第1方向に搬送した後、第1方向とは反対の第2方向に搬送することでシートP1を第2搬送路CP2に導く。
第2搬送路CP2には、両面受け入れローラ対183、搬送ローラ対184、両面ローラ対185が設けられている。第2搬送路CP2に送り込まれたシートPは、両面受け入れローラ対183に向かって搬送され、搬送ローラ対184を介して、本実施例の第2搬送部としての両面ローラ対185まで搬送される。シート搬送方向において、搬送ローラ対184と両面ローラ対185との間には、本実施例の第2検知部である両面センサ275が設けられている。そして、反転搬送されたシートPのシート搬送方向の先端が両面ローラ対185に到達した際、クラッチ273(図3A参照)及び反転モータの駆動が停止され、シートPの先端が挟持された状態で両面ローラ対185が停止する。なお、両面ローラ対185は、シートPの先端以外の部分を挟持した状態でシートPを停止させてもよい。その後、給送ユニット110から給送されたシートP、すなわち、反転される前のシートPに対する画像形成が完了すると、クラッチ273が再び駆動され、両面ローラ対185で待機していたシートPの搬送が再開される。反転搬送され、両面ローラ対185で待機していたシートPの裏面には、二次転写部118において画像が転写され、定着装置170で画像が定着された後、排出ローラ対139から排出トレイ132に排出される。
なお、このような画像形成動作は一例であり、上記構成に限定されるものではない。例えば、感光体に形成したトナー像を転写部においてシートに直接転写する直接転写方式であってもよい。また、画像形成部の構成は、インクジェット方式やオフセット印刷方式であってもよい。
次に、画像形成装置1の制御構成について説明する。図2は、本実施例に係る画像形成装置1の制御ブロック図である。制御部300は、CPU301、ROM302、RAM303を有している。CPU301は、画像形成装置1のシステム制御を行う演算部である。CPU301には、画像形成装置1の制御プログラムが格納されたROM302と、制御に用いる変数やイメージセンサ233(図1参照)によって読み取られた画像データなどを一時的に保存するRAM303とが、バスを介して接続されている。RAM303は、画像形成装置1への電源供給が停止しても保存された値を保持可能な不揮発性メモリであって、CPU301が演算処理を行う際の作業領域としても用いられる。また、原稿給送装置制御部480、イメージリーダ制御部280、画像信号制御部281、プリンタ制御部285を実現するためのプログラムは、ROM302やHDDなどの記憶媒体に格納されている。ROM302やHDDからRAM303にロードされたこれらのプログラムをCPU301が実行することにより、原稿給送装置制御部480、イメージリーダ制御部280、画像信号制御部281、プリンタ制御部285が実現される。制御部300は、原稿給送装置制御部480、イメージリーダ制御部280、画像信号制御部281、プリンタ制御部285を統括的に制御するコントローラである。
原稿給送装置制御部480は、原稿給送装置55の原稿搬送ローラの駆動や、原稿有無センサ151による原稿有無検知などを制御する。イメージリーダ制御部280は、原稿給送装置55の原稿板の開閉動作の検知や原稿給送装置55のガラス板上の原稿画像、及び、原稿給送装置制御部480によって給送された原稿画像に対するイメージセンサ233の読み取り動作を制御する。イメージセンサ233が読み取ったアナログ画像信号は、画像信号制御部281に転送される。画像信号制御部281は、ジョブでコピー動作の実行が設定されているときには、イメージセンサ233からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して画像処理を施し、デジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部285に出力する。ジョブにおいてプリント動作の実行が設定されているときには、コンピュータ283から外部I/F282を介して入力されたデジタル画像信号に画像処理を施し、デジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部285に出力する。
プリンタ制御部285は、制御部300からの指示に基づいて、ビデオ信号を画像形成制御部271に入力し、画像形成動作の実行を指示する。画像形成制御部271は、画像形成動作の実行を制御する。例えば、画像形成制御部271は、まず、画像形成を行うための準備動作として、定着装置170の温調制御を開始する。また、画像形成制御部271は、準備動作として、中間転写ベルト140と一次転写ローラ15Y〜15Kの当接離間状態の切り替え及び画像形成部10Y〜10K内のポリゴンモータの駆動制御を実行する。そして、中間転写ベルト140と一次転写ローラ15Y〜15Kが当接した状態に切り替わると、RAM303からビデオ信号を取得し、画像形成部10Y〜10Kに画像形成を実行させる。
プリンタ制御部285は、制御部300からの指示に基づいて、シート搬送制御部270に対してシートの給紙及び搬送制御を実行させる。シート搬送制御部270は、レジストレーションセンサ274及び両面センサ275のセンサ信号に基づいて、プレレジストレーションモータ272、クラッチ273及びタイマ276を制御して、両面搬送時のシートの搬送動作を行う。レジストレーションセンサ274及び両面センサ275のセンサ出力は、それぞれのセンサの検知位置におけるシートの有無に応じて変化する。ここで、レジストレーションセンサ274が、検知位置にシートがあるときにONの検知結果、ないときにOFFの検知結果を出力する構成であると仮定する。このとき、CPU301は、レジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに切り替わり、再度ONからOFFに切り替わったときに、レジストレーションセンサ274の検知位置をシートが通過したと判定する。そして、CPU301は、プレレジストレーションローラ対186によって搬送されたシートの累積枚数をそれぞれ1ずつインクリメントする。両面センサ275及び両面ローラ対185についても同様にしてシートの累積枚数を算出できる。このように、本実施例においては、レジストレーションセンサ274及び両面センサ275のそれぞれの検知結果に基づいて、プレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185によって搬送されたシートの累積枚数がそれぞれ算出される。
次に、本実施例に係る駆動部であるプレレジストレーションモータ272によって駆動されるローラ対の駆動について説明する。図3(A)(B)は、本実施例に係るプレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185の駆動を説明する図である。図3(A)は、クラッチ273への電流が通電されているとき、図3(B)は、クラッチ273への電流が遮断されているときをそれぞれ示す図である。本実施例に係る駆動伝達部であるクラッチ273は、励磁作動系の電磁クラッチであって、電流が通電されると、図3(A)に示すように、クラッチ273内部のコイル(不図示)が電流によって励磁し、矢印X方向に電磁力が発生する。通電により発生した電磁力により、クラッチ273内部のアーマチュア187がロータ188と係合することにより、プレレジストレーションモータ272の駆動力が両面ローラ対185に伝達される伝達状態となる。すなわち、両面ローラ対185は、アーマチュア187とロータ188とが係合した状態(伝達状態)のときに、プレレジストレーションモータ272の駆動力によって回転する。
また、クラッチ273への電流が遮断されると、図3(B)に示すように、クラッチ273内部のコイル(不図示)の励磁による電磁力が発生しないため、アーマチュア187とロータ188との係合が解除される。これにより、プレレジストレーションモータ272の駆動力は両面ローラ対185に伝達されない非伝達状態となる。すなわち、アーマチュア187とロータ188との係合が解除された状態(非伝達状態)のとき、両面ローラ対185に対する駆動力の伝達が遮断される。このように、クラッチ273は、クラッチ273への電流を通電又は遮断することにより、伝達状態と非伝達状態とに切替可能である。なお、本実施例において、プレレジストレーションローラ対186は、常時、プレレジストレーションモータ272に接続され、クラッチ273が伝達状態又は非伝達状態であるかに関わらず、プレレジストレーションモータ272の駆動に伴って回転する。本実施例においては、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度が第2搬送速度であり、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度が第1搬送速度である。
次に、画像形成装置1においてシートPを両面搬送する両面搬送シーケンスについて図4(A)乃至図5を参照して説明する。図4(A)〜(F)は、両面搬送シーケンスの進行を説明するための装置本体100の要部の断面図である。画像形成装置1におけるシートPの両面搬送シーケンスは、図4(A)から(F)のアルファベット順に進行する。図4(A)〜(F)では、給送ユニット110から給送されたシートP1がプレレジストレーションローラ対186によって搬送されるのに引き続いて、両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186に向かってシートP2が搬送されている。すなわち、給送ユニット110からプレレジストレーションローラ対186に向かって給送されているシートをシートP1、反転搬送部190Bによって反転搬送されたシートをシートP2として示している。また、図5は、図4(A)乃至図4(F)の両面搬送シーケンスにおける画像形成装置1の動作を表すタイムチャートである。なお、図4(A)乃至図5では、シートP1及びシートP2の搬送速度が200mm/secであると仮定して説明を行う。
両面ローラ対185に向けて反転搬送されたシートP2のシート搬送方向の先端が両面センサ275の検知位置に到達すると、両面センサ275のセンサ出力がOFFからONに切り替わる(図5:t1)。本実施例に係る第2検知位置は、両面センサ275によってシートの有無が検知される範囲であって、検知結果に応じて両面センサ275のセンサ出力が変化する位置である。すると、CPU301は、シートP2の搬送速度と、両面センサ275と両面ローラ対185との距離Lr(mm)に基づいて、シートP2の先端が両面ローラ対185に到達する到達時間T1(msec)を算出する。なお、到達時間T1は、シートP2の先端が両面センサ275の検知位置を通過してから、両面ローラ対185に到達するまでの時間から求められる。CPU301は、到達時間T1を以下の式(1)を用いて算出(決定)する。
T1=Lr÷200×1000・・・(1)
CPU301は、両面センサ275のセンサ出力がOFFからONに切り替わったタイミングからの経過時間ET1をタイマ276に計測させ、経過時間ET1が到達時間T1以上となった場合に、クラッチ273への電流を遮断する(図5:t2)。クラッチ273への電流が遮断されると、プレレジストレーションモータ272の駆動力が両面ローラ対185に伝達されなくなり、図4(B)に示すように、シートP2の先端が両面ローラ対185のニップ位置で停止する。
シートP2が両面ローラ対185に向けて搬送されている間に、シートP1が給送ユニット110から給送される。シートP1は、図4(C)に示すように、給送ユニット110〜合流部J〜プレレジストレーションローラ対186の順に経由して搬送される。シートP1のシート搬送方向の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置に到達すると、レジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに変化する(図5:t3)。本実施例に係る第1検知位置は、レジストレーションセンサ274によってシートの有無が検知される範囲であって、検知結果に応じてレジストレーションセンサ274のセンサ出力が変化する位置である。CPU301は、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置に到達したタイミングにおいて、クラッチ273を通電して両面ローラ対185の駆動を再開する駆動再開タイミングt4を算出する。なお、駆動再開タイミングt4は、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置に到達してから、クラッチ273への通電が行われるまでの駆動再開時間T2が経過したタイミングである。また、駆動再開タイミングt4は、後述するように、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率と両面ローラ対185の搬送効率とが同じ場合における、両面ローラ対185の駆動を再開するタイミングである。シート搬送方向におけるシートP1の長さをL1(mm)、レジストレーションセンサ274からプレレジストレーションローラ対186までの距離をLp(mm)とすると、CPU301は、駆動再開時間T2を以下の式(2)を用いて算出する。
T2=(L1−Lp−30)÷200×1000・・・(2)
ここでは、シート搬送方向において、シートP1の後端がプレレジストレーションローラ対186から30mm上流の位置に到達したタイミングでクラッチ273へ通電を行うときの駆動再開時間T2を算出する式を示している。
なお、シートP1は、画像形成部10Y〜10Kによって中間転写ベルト140上に形成された画像が、二次転写部118に到着するタイミングに間に合うように搬送される。したがって、駆動再開タイミングt4は、シートP1の後端がプレレジストレーションローラ対186から30mm上流の位置に到達したタイミングに限定されない。プレレジストレーションローラ対186によるシートP1の搬送タイミングを基準として、シートP1の後端とシートP2の先端との紙間距離が一定となるようにシートP2を搬送できるタイミングであればよい。また、レジストレーションセンサ274の検知位置はプレレジストレーションローラ対186の近傍に限られない。そのため、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置に到達したタイミング以外のタイミングをプレレジストレーションローラ対186によるシートP1の搬送タイミングとしてもよい。
CPU301は、タイマ276にレジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに切り替わったタイミングからの経過時間ET2を計測させる。そしてCPU301は、経過時間ET2が駆動再開時間T2以上となった場合に、クラッチ273への電流を通電する(図5:t4)。本実施例においては、図4(D)に示すように、シートP1の後端が、プレレジストレーションローラ対186から上流の30mmの位置に到達したタイミングで両面ローラ対185の駆動が再開されることとなる。そして、図4(E)に示すように、両面ローラ対185の駆動によりシートP2が搬送され、シートP2の後端が両面センサ275の検知位置を通過すると、両面センサ275のセンサ出力がONからOFFに変化する(図5:t5)。シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに、シートP1の後端がレジストレーションセンサ274の検知位置を通過するため、レジストレーションセンサ274のセンサ出力は、ONからOFFに切り替わる(図5:t5〜t6)。その後、シートP2が搬送され、図4(F)に示すように、シートP2の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置に到達することによって、レジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに切り替わる(図5:t6)。その後、シートP2は、画像形成部10Y〜10Kによって中間転写ベルト140上に形成された画像が、二次転写部118に到着するタイミングに間に合うように搬送される。
ところで、シートを搬送するために用いられるローラ対は、ローラ表面が摩耗するなどの劣化が進行することにより、シートを搬送するための摩擦力が低下する。また、ローラ表面における周速度が低下する。このため、ローラ対を駆動させるモータを同一速度で駆動したとしても、ローラの劣化が進行するにつれて、シートの搬送速度が小さくなり、1枚のシートを搬送するために必要な時間が増えることとなる。すなわち、ローラの劣化が進行すると、ローラ対によるシートの搬送効率が低くなる。これに対して、本実施例では、ローラの劣化状況に応じてローラ対を駆動させるモータの駆動速度を変更することにより、シートの搬送速度を一定に維持する。
図6(A)は、ローラ対によって搬送されたシートPの累積枚数(通紙枚数)と、ローラ対によるシートPの搬送効率との関係を示す図である。図6(A)では、ローラ対の累積枚数が0枚、すなわち、ローラ対が新品のときの搬送効率を100%とする。図6(A)に示すように、ローラ対の累積枚数が150000枚のときの搬送効率は95%、ローラ対の累積枚数が300000枚のときの搬送効率は90%となり、ローラ対の劣化が進行するにつれて搬送効率も低下する。搬送効率が低下するとシートPの搬送に要する時間が増えるため、画像形成装置1におけるシートPの搬送動作の生産性を維持するためには、シートPの搬送に要する時間を搬送効率が高いときと同じ程度にする必要がある。つまり、ローラ対によるシートPの搬送速度を一定に保つためには、搬送効率が低下したローラ対の駆動速度を、新品のローラ対の駆動速度に対して大きくする必要がある。
図6(B)は、図6(A)に示すような特性を持つローラ対によるシートPの搬送速度を200mm/secに保つために行われるモータの駆動速度の制御態様を表した図である。なお、本実施例では、ローラ対の搬送効率が100%であると仮定したときのローラ対によるシートPの搬送速度でモータの駆動速度を表現している。図6(A)に示すようにローラ対が新品のときの搬送効率は100%であるため、シートPを200mm/secで搬送するためには、モータの駆動速度を200mm/secに制御する。また、ローラ対の累積枚数が150000枚のときの搬送効率は95%であるため、シートPを200mm/secで搬送するためには、モータの駆動速度を200(mm/sec)×100÷95=210.5(mm/sec)に制御する。また、ローラ対の累積枚数が300000枚のときの搬送効率は90%であるため、シートPを200mm/secで搬送するためには、モータの駆動速度を200(mm/sec)×100÷90=222.2(mm/sec)に制御する。
このように、ローラ対によるシートPの搬送速度を一定に保つために、本実施例では、ローラの劣化の進行状況に応じてモータの駆動速度を変更する。なお、本実施例ではローラの累積枚数に応じてモータの駆動速度を変更可能としているが、その他の方法を用いてモータの駆動速度を変更してもよい。例えば、まず、シートPの搬送経路上に設けられたセンサ出力に基づいて、所定の搬送区間におけるシートPの通過を検知する。次に、センサ出力が変化した時刻の情報に基づいてシートが検知位置を通過するのに要した時間を算出し、この時間とシートPの長さに基づいて搬送効率を求めて、求めた搬送効率からモータの駆動速度の変更を行ってもよい。
図3(A)(B)で説明したように、両面ローラ対185は、クラッチ273が伝達状態のときに、プレレジストレーションローラ対186の駆動源でもあるプレレジストレーションモータ272の駆動力によって回転する。画像形成装置1において、プレレジストレーションローラ対186は、片面印刷及び両面印刷を行うときにシートPが通過するローラ対であるのに対し、両面ローラ対185は、両面印刷時のみシートPが通過するローラ対である。ゆえに、プレレジストレーションローラ対186は両面ローラ対185よりも劣化が進みやすく、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるローラの劣化状況は異なっていることが多い。駆動源のモータを共有している2つのローラの劣化状況が異なる場合、駆動源であるプレレジストレーションモータ272の駆動速度は、プレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185のいずれかの劣化状況に応じて調整する必要がある。本実施例では、プレレジストレーションローラ対186の劣化状況に基づいてプレレジストレーションモータ272の駆動速度を制御する。次に、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおいて生じるシートPの搬送速度の差について図7(A)〜(C)を参照して説明する。なお、図7(A)〜(C)の説明においては、新品時におけるプレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度を200mm/secとする。また、図7(A)〜(C)の説明においては、プレレジストレーションローラ対186の速度が200mm/secになるようにプレレジストレーションモータ272の駆動速度を制御する場合について説明する。
図7(A)は、プレレジストレーションローラ対186が新品時(累積枚数0枚時)かつ両面ローラ対185が新品時(累積枚数0枚時)の状態で、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるシートPの搬送速度を表す図である。新品時においては、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185との搬送効率は、いずれも100%である。
本実施例に係る第1状態とは、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率と両面ローラ対185の搬送効率とが同じである状態(例えば、図7(A)の状態)を指す。また、本実施例の第1効率とは、第1状態におけるプレレジストレーションローラ対186の搬送効率である。また、本実施例の第2効率とは、第1状態におけるプレレジストレーションローラ対186の搬送効率である。そして、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度を200mm/secとするために、プレレジストレーションモータ272の駆動速度は200mm/secに制御される(図6(B))。両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、(プレレジストレーションモータ272の駆動速度)×(両面ローラ対185の搬送効率)÷100で求めることができる。したがって、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、200(mm/sec)×100÷100=200(mm/sec)となる。したがって、両面ローラ対185とプレレジストレーションローラ対186とにおける累積枚数が同じときには、両面ローラ対185とプレレジストレーションローラ対186とにおけるシートPの搬送速度も同じ速度となる。すなわち、両面ローラ対185とプレレジストレーションローラ対186とにおけるシートPの搬送効率が同じであれば、両面ローラ対185とプレレジストレーションローラ対186とにおけるシートPの搬送速度も同じ速度となる。つまり、本実施例に係る第1状態とは、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数と両面ローラ対185の累積枚数とが同じである状態のことでもある。
図7(B)は、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数が300000枚かつ両面ローラ対185の累積枚数が150000枚の状態で、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるシートPの搬送速度を表す図である。累積枚数が300000枚のとき、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率は90%である(図6(A))。そして、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度を200mm/secで維持するために、プレレジストレーションモータ272の駆動速度は222.2mm/secに制御される(図6(B))。一方、累積枚数が150000枚のとき、両面ローラ対185の搬送効率は95%である。両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、(プレレジストレーションモータ272の駆動速度)×(両面ローラ対185の搬送効率)÷100で求められる。すなわち、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、222.2(mm/sec)×95÷100=211.1(mm/sec)となる。
本実施例に係る第2状態とは、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率の減少量よりも、両面ローラ対185の搬送効率の減少量が小さい状態(例えば、図7(B)の状態)を指す。本実施例の第3効率とは、第1状態ではないときのプレレジストレーションローラ対186の搬送効率である。また、本実施例の第4効率とは、第1状態ではないときのプレレジストレーションローラ対186の搬送効率である。図7(B)のように、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の累積枚数が多いときには、両面ローラ対185の搬送効率よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が低くなる。すなわち、本実施例に係る第2状態とは、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数よりも、両面ローラ対185の累積枚数が少ない状態でもある。さらに、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が低い場合には、両面ローラ対185におけるシートPの搬送速度よりもプレレジストレーションローラ対186におけるシートPの搬送速度の方が小さくなる。
本実施例では、ローラ対の累積枚数が300000枚に到達すると、新品のローラ対に交換する。ここで、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数が300000枚に到達し、プレレジストレーションローラ対186を新品のものに交換したとして図7(C)の説明を行う。図7(C)は、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数が0枚、かつ、両面ローラ対185の累積枚数が150000枚の状態で、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるシートPの搬送速度を表す図である。新品時のプレレジストレーションローラ対186の搬送効率は100%である(図6(A))。そして、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度を200mm/secで維持するために、プレレジストレーションモータ272の駆動速度は、200mm/secに制御される(図6(B))。一方、累積枚数が150000枚のとき両面ローラ対185の搬送効率は95%である。両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、(プレレジストレーションモータ272の駆動速度)×(両面ローラ対185の搬送効率)÷100で求めることができる。すなわち、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は、200(mm/sec)×95÷100=190(mm/sec)となる。
本実施例に係る第3状態とは、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率の減少量よりも、両面ローラ対185の搬送効率の減少量が大きい状態(図7(C)の状態)を指す。このように、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の累積枚数が少ないときには、両面ローラ対185の搬送効率よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が高くなる。すなわち、本実施例に係る第3状態とは、プレレジストレーションローラ対186の累積枚数よりも、両面ローラ対185の累積枚数が多い状態でもある。さらに、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が高い場合には、両面ローラ対185におけるシートPの搬送速度よりもプレレジストレーションローラ対186におけるシートPの搬送速度の方が大きくなる。
次に、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるシートPの搬送速度の差による影響について図8(A)〜(D)を参照して説明する。図8(A)〜(D)では、給送ユニット110からのシートP1の給送に引き続きシートP2をプレレジストレーションローラ対186に搬送する場合におけるシートP1とシートP2との紙間距離の変化を表している。図8(A)〜(D)では、ローラ対が搬送したシートの累積枚数が300000枚であるときを“寿命末期”、150000枚であるときを“寿命中期”、0枚であるときを“新品”としている。また、図8(A)〜(D)では、両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186までの距離が35mmと仮定して説明を行う。さらに、図8(A)〜(D)では、両面ローラ対185の駆動が開始(再開)したタイミングにおけるプレレジストレーションローラ対186からシートP1の搬送方向の後端までの距離が30mmであると仮定して説明を行う。
図8(A)は、両面ローラ対185の駆動再開タイミングにおけるシートP1とシートP2の位置関係を表している。図8(A)に示すように、クラッチ273が係合されることにより両面ローラ対185の駆動が開始したタイミングにおいては、シートP1の搬送方向の後端がプレレジストレーションローラ対186からシートP1の搬送方向上流30mmの位置に存在する。一方、シートP2の搬送方向の先端は、両面ローラ対185の位置、すなわち、プレレジストレーションローラ対186からシートP2の搬送方向上流35mmの位置に存在する。
図8(B)〜(C)は、シートPの搬送方向においてシートP2の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達した際におけるシートP1とシートP2との位置関係を示している。図8(B)は、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とがいずれも新品である場合のシートP1とシートP2の位置関係を表している。プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とがいずれも新品である場合、図7(A)で説明したようにシートPの搬送速度は、いずれのローラ対においても200mm/secである。よって、クラッチ273が伝達状態となり両面ローラ対185の駆動が開始されるタイミングから、シートP2の搬送方向の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに、シートP1及びシートP2は、35mm搬送されることとなる。したがって、シートP2の搬送方向の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達したとき、シートP1の搬送方向の後端は、プレレジストレーションローラ対186から5mm下流の位置に存在する。なお、本実施例では、シートP1とシートP2との紙間距離が常に5mmとなるようにシートPを搬送しているが、紙間距離は5mmに限定されるものではない。
図8(C)は、プレレジストレーションローラ対186が寿命末期であり、かつ、両面ローラ対185が寿命中期である場合のシートP1とシートP2との位置関係を表している。このとき、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度は200mm/sec、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は211.1mm/secとなる(図7(B))。そのため、両面ローラ対185がシートP2を35mm搬送するまでの間に、プレレジストレーションローラ対186は、シートP1を35(mm)×200(mm/sec)÷211.1(mm/sec)=33.15(mm)搬送する。すなわち、シートP2の搬送方向の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達するまでの間に、シートP1はプレレジストレーションローラ対186によって33.15mm搬送される。プレレジストレーションローラ対186によるシートP1の搬送により、シートP1の搬送方向の後端は、プレレジストレーションローラ対186から搬送方向下流3.1mmの位置に存在する。このように、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が低い場合、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とが新品の時に比べ、シートP1の先端とシートP2の後端が近づくこととなる。シートP1の先端とシートP2の後端が近づく、すなわち、シートP1とシートP2との紙間距離が短くなるとシートP1とシートP2とが衝突しやすくなり、ジャムが発生しやすい状態になる。
図8(D)は、プレレジストレーションローラ対186が新品であり、かつ、両面ローラ対185が寿命中期である場合のシートP1とシートP2との位置関係を表している。このとき、プレレジストレーションローラ対186によるシートPの搬送速度は200mm/sec、両面ローラ対185によるシートPの搬送速度は190mm/secとなる(図7(C))。そのため、両面ローラ対185がシートP2を35mm搬送するまでの間に、シートP1は、プレレジストレーションローラ対186によって35(mm)×200(mm/sec)÷190(mm/sec)=36.8(mm)搬送される。すなわち、シートP2の搬送方向の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達するまでの間に、シートP1は、プレレジストレーションローラ対186によって36.8mm搬送される。プレレジストレーションローラ対186によるシートP1の搬送により、シートP1の搬送方向の後端は、プレレジストレーションローラ対186から搬送方向下流6.8mmの位置に存在する。このように、両面ローラ対185よりもプレレジストレーションローラ対186の搬送効率の方が高い場合、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とが新品の時に比べ、シートP1の先端とシートP2の後端が遠ざかることとなる。シートP1の先端とシートP2の後端が遠ざかる、すなわち、シートP1とシートP2との紙間距離が長くなるとシートP2の遅延により、ジャムが発生しやすい状態になる。なお、シートの遅延によるジャムとは、本来であればレジストレーションセンサ274等のセンサによってシートが検知されるはずのタイミングでシートが検知されないことに基づき、画像形成装置1がシートの搬送に異常が発生したと判断した状態を指す。
図8(A)乃至図8(D)で説明したように、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とのシートの搬送速度に差が生じることにより、画像形成装置1においてはジャムが発生しやすい状態となる。これに対して、本実施例では、両面搬送シーケンス(図4(A)乃至図5)において、両面ローラ対185の駆動再開タイミングt4を変更する。次に、本実施例に係る駆動再開タイミングt4の変更態様について図9(A)(B)を参照して説明する。また、図9(A)(B)においても、図8(A)乃至図8(D)と同様に、両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186までの距離が35mmであると仮定している。また、図9(A)(B)においては、プレレジストレーションローラ対186によって搬送されるシートの搬送速度が一定(200mm/sec)となるようにプレレジストレーションモータ272の駆動速度を設定している。
図9(A)は、プレレジストレーションローラ対186が寿命末期であって、かつ、両面ローラ対185が寿命中期であるときの両面搬送シーケンスにおける画像形成装置1の動作を表すタイムチャートである。図9(A)では、プレレジストレーションローラ対186、両面ローラ対185ともに新品時(累積枚数0枚)の場合の、両面ローラ対185の駆動再開タイミングをt4として示している。本実施例に係る第1タイミングとは、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率と両面ローラ対185の搬送効率とが同じであるときの駆動再開タイミングt4のことである。ここで、t4において両面ローラ対185によってシートP2を搬送したと仮定すると、シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達したタイミングにおいて、シートP1とシートP2との紙間距離が短くなる(図8(C))。
これに対して本実施例では、まず、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率と両面ローラ対185の搬送効率に基づいて両面ローラ対185によるシートP2の搬送速度を算出する。次いで、シートP2の搬送速度に基づいてシートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに必要な時間を算出する。プレレジストレーションローラ対186によって搬送されるシートの搬送速度を200mm/secとするには、プレレジストレーションモータ272の駆動速度を222.2mm/secに設定する(図9(A))。このとき、両面ローラ対185によるシートP2の搬送速度は、211.1mm/sec(図7(B)参照)となる。したがって、シートP2が両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに必要な時間は、35(mm)÷211.1(mm/sec)×1000=166msecとなる。また、新品時において、シートP2が両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに必要な時間は、35(mm)÷200(mm/sec)×1000=175msecである。このように、プレレジストレーションローラ対186が寿命末期であって、かつ、両面ローラ対185が寿命中期であるときは、シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達するタイミングが、新品時よりも9msec早くなる。シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達したタイミングにおけるシートP1とシートP2との紙間距離を5mmに保つためには、両面ローラ対185の駆動再開タイミングを新品時(t4)よりも9msec遅らせたt4αにすればよい。つまり、本実施例に係る第2タイミングとは、プレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185の搬送効率と累積枚数とが同じ場合の第1タイミング(t4、図5参照)よりも遅い駆動再開タイミングt4αのことである。このように、第2搬送速度が第1搬送速度よりも大きい場合には、第1搬送速度と第2搬送速度とが同じときよりも駆動再開タイミングを遅くすれば、シートP1とシートP2との紙間距離を一定に保つことができる。
図9(B)は、プレレジストレーションローラ対186が新品であって、かつ、両面ローラ対185が寿命中期であるときの両面搬送シーケンスにおける画像形成装置1の動作を表すタイムチャートである。図9(B)では、プレレジストレーションローラ対186、両面ローラ対185ともに新品時(累積枚数0枚)の場合の駆動再開タイミングをt4として示している。図9(B)では、両面ローラ対185によるシートP2の搬送速度がプレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送速度に対して遅くなる。ここで、t4において両面ローラ対185によってシートP2を搬送したと仮定すると、シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達したタイミングにおいて、シートP1とシートP2との紙間距離が長くなる(図8(D))。
これに対して本実施例では、シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達したタイミングにおけるシートP1とシートP2との紙間距離が5mmとなるように、駆動再開タイミングをt4βに早める(図9(B))。プレレジストレーションローラ対186によって搬送されるシートの搬送速度を200mm/secとするには、プレレジストレーションモータ272の駆動速度を200mm/secに設定する(図9(B))。このとき、両面ローラ対185によるシートP2の搬送速度は、190mm/sec(図7(C)参照)となる。したがって、シートP2が両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに必要な時間は、35(mm)÷190(mm/sec)×1000=184msecとなる。新品時において、シートP2が両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186に到達するまでに必要な時間は、35(mm)÷200(mm/sec)×1000=175msecである。このように、プレレジストレーションローラ対186が新品であって、かつ、両面ローラ対185が寿命中期であるときは、シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達するタイミングが、新品時よりも9msec遅延する。シートP2がプレレジストレーションローラ対186に到達したタイミングにおけるシートP1とシートP2との紙間距離を5mmに保つためには、両面ローラ対185の駆動再開タイミングを新品時(t4)よりも9msec早めたt4βにすればよい。つまり、本実施例に係る第3タイミングとは、プレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185の搬送効率と累積枚数とが同じ場合の第1タイミング(t4、図5参照)よりも早い駆動再開タイミングt4βのことである。このように、第2搬送速度が第1搬送速度よりも小さい場合には、第1搬送速度と第2搬送速度とが同じときよりも駆動再開タイミングを早くすれば、シートP1とシートP2との紙間距離を一定に保つことができる。
以上説明したように、本実施例では、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185とにおけるシートの搬送速度の差に応じ、両面ローラ対185からプレレジストレーションローラ対186へのシートの搬送を再開するタイミングを変更する。これにより、プレレジストレーションローラ対186にシートP2が到達したタイミングにおけるシートP2とシートP1との紙間距離を一定に保つことができるため、紙間距離の変化に起因するジャムの発生を低減することができる。
図10は、画像形成装置1における両面搬送シーケンスの流れを示すフローチャートである。本フローチャートは両面印刷時のみ実行される。なお図10においては、給送ユニット110からプレレジストレーションローラ対186に向かって給送されているシートを第1シートとしてのシートP1、反転搬送部190Bによって反転搬送されたシートを第2シートとしてのシートP2として説明を行う。両面印刷ジョブが投入されると、両面搬送されたシートP2のシートの搬送方向の先端が両面センサ275の検知位置に到達して、両面センサ275のセンサ出力がOFFからONに切り替わることとなる。まず、CPU301は、両面センサ275がOFFからONに切り替わったか否かを判断する(ステップS1001)。両面センサ275がOFFからONに切り替わったと判断すると(ステップS1001/Y)、CPU301は、ROM302に記録されている両面センサ275と両面ローラ対185との間の距離Lr及びシートP2の搬送速度を取得する。次に、CPU301は、両面センサ275のセンサ出力がOFFからONに切り替わったタイミングからの経過時間ET1をタイマ276に計測させる(ステップS1002)。
そして、CPU301は、距離Lr及びシートP2の搬送速度に基づいてクラッチ273の駆動を停止させるタイミングを算出する(ステップS1003)。本実施例においては、プレレジストレーションローラ対186と両面ローラ対185との搬送効率の差を是正するために、両面ローラ対185に到達したシートを一旦停止させる停止処理を実行する。そして、プレレジストレーションローラ対186によって搬送されるシートP1の搬送状況に応じて、シートP2の搬送再開タイミングを変更する。これにより、シートP1とシートP2との紙間距離を一定にする。ステップS1003において、CPU301は、シートP2の先端が両面センサ275の検知位置を通過してから両面ローラ対185に到達するまでに必要な時間、すなわち、到達時間T1を、上述した式(1)を用いて算出する。次に、CPU301は、経過時間ET1が到達時間T1以上であるかどうかを判定する(ステップS1004)。
経過時間ET1が到達時間T1以上になったと判定した場合(ステップS1004/Y)、CPU301は、クラッチ273への通電を遮断して(ステップS1005)、両面ローラ対185の駆動を停止させる。両面ローラ対185の駆動が停止すると、シートP2の搬送も停止することとなる。すなわち、CPU301は、クラッチ273を非伝達状態にすることで、両面ローラ対185によってシートP2を挟持した状態で停止させる停止処理を実行する。次に、CPU301は、RAM303から、プレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185によってそれぞれ搬送されたシートの累積枚数Np,Nrを取得する(ステップS1006)。本実施例における第2枚数が両面ローラ対185によって搬送されたシートの累積枚数Nrであって、本実施例における第1枚数がプレレジストレーションローラ対186によって搬送されたシートの累積枚数Npである。CPU301は、以下の式(3−1),(3−2)を用いて、累積枚数Npと累積枚数Nrとに基づいてプレレジストレーションローラ対186の搬送効率Ep(%)及び両面ローラ対185の搬送効率Er(%)を求める(ステップS1007)。
Ep=100−(Np×10)÷300000・・・(3−1)
Er=100−(Nr×10)÷300000・・・(3−2)
なお、ステップS1007においては、搬送効率と累積枚数の関係式(図6参照)や、累積枚数に対応する搬送効率を予め定めたデータテーブル(図7参照)を参照して累積枚数に対応する搬送効率を求めるようにしてもよい。
CPU301はステップS1007で求めた搬送効率Ep及び搬送効率Erに基づいて、プレレジストレーションモータ272の駆動速度Spと両面ローラ対185の搬送速度Srを算出する(ステップS1008)。本実施例では、プレレジストレーションローラ対186によって搬送されるシートの搬送速度を一定(200mm/sec)にする。したがって、プレレジストレーションモータ272の駆動速度Spは、プレレジストレーションローラ対186の搬送効率Epに基づいて求められる。ステップS1008において、CPU301は、プレレジストレーションモータ272の駆動速度Spを以下の式(4−1)を用いて算出する。
Sp=200×100÷Ep・・・(4−1)
また、ステップS1008において、CPU301は、プレレジストレーションモータ272の駆動速度Spに基づいて両面ローラ対185によるシートの搬送速度Srを以下の式(4−2)を用いて算出する。
Sr=Sp×Er÷100・・・(4−2)
その後、シートP2が両面ローラ対185に向けて搬送されている間に、シートP1が給送ユニット110から給送され、シートP1のシート搬送方向の先端がレジストレーションセンサ274の基準位置としての検知位置に到達する。すると、レジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに変化する。CPU301は、シートP1によってレジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに切り替わったか否かを確認する(ステップS1009)。レジストレーションセンサ274のセンサ出力がONに切り替わる(ステップS1009/Y)と、CPU301は、レジストレーションセンサ274のセンサ出力がOFFからONに切り替わったタイミングからの経過時間ET2をタイマ276に計測させる(ステップS1010)。次に、CPU301は、RAM303及びROM302から駆動再開時間Tを算出するための情報を取得する。駆動再開時間Tは、シートP1がレジストレーションセンサ274の検知位置を通過してから、クラッチ273を非伝達状態から伝達状態に遷移することで、両面ローラ対185によって停止していたシートP2の搬送を再開させる搬送再開処理を実行するまでの時間である。具体的には、CPU301は、RAM303からシート搬送方向におけるシートP1の長さLn(mm)の情報を、ROM302からレジストレーションセンサ274の検知位置とプレレジストレーションローラ対186との距離Lp(mm)の情報を取得する。そして、CPU301は、シートP1の長さL1、距離Lp、及び、両面ローラ対185の搬送速度Srに基づいて、以下の式(5)を用いて両面ローラ対185からシートP2の搬送を再開するための駆動再開時間Tを算出する(ステップS1011)。
T=(L1−Lp+5)÷200×1000−35÷Sr×1000・・・(5)
上述したように、本実施例においては、シートを両面ローラ対185に一旦停止させた後、先行して搬送されるシートの搬送状況に応じて後続するシートの搬送を再開して、先行するシートと後続するシートとの紙間距離を一定になるようにする。したがって、ステップS1011において、CPU301は、シート搬送方向において、シートP2の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達したときに、シートP1の後端が所定の位置に存在するように駆動再開時間Tを算出する。ここでは、シートP2の先端がプレレジストレーションローラ対186に到達したときに、シートP1の後端がプレレジストレーションローラ対186の下流5mmの位置に存在するように駆動再開時間Tを算出している。
より詳しく言えば、CPU301は、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置を通過してから、第1時間としての駆動再開時間T2が経過した第1タイミングとしての駆動再開タイミングt4でシートP2の搬送を再開させる搬送再開処理を行う第1モードを有する。また、CPU301は、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置を通過してから、第2時間としての駆動再開時間T3が経過した第2タイミングとしての駆動再開タイミングt4αでシートP2の搬送を再開させる搬送再開処理を行う第2モードを有する。また、CPU301は、シートP1の先端がレジストレーションセンサ274の検知位置を通過してから、第3時間としての駆動再開時間T4が経過した第3タイミングとしての駆動再開タイミングt4βでシートP2の搬送を再開させる搬送再開処理を行う第3モードを有する。なお、駆動再開時間Tは、駆動再開時間T2,T3,T4を含み、駆動再開時間T2,T3,T4の関係は、T4<T2<T3となっている。すなわち、駆動再開時間T3は、駆動再開時間T2よりも長く、駆動再開時間T4は、駆動再開時間T2よりも短い。また、CPU301は、第3モードを有していなくてもよい。
そして、CPU301は、プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率と両面ローラ対185によるシートの搬送効率に応じて、第1モード、第2モード及び第3モードのうちの1つのモードを実行する。すなわち、プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率と両面ローラ対185によるシートの搬送効率が同じ場合に第1モードを実行する。プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率と両面ローラ対185によるシートの搬送効率が同じ場合とは、例えばプレレジストレーションローラ対186によって搬送されたシートの累積枚数である第1枚数と、両面ローラ対185によって搬送されたシートの累積枚数である第2枚数と、が同じ場合である。この時、プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送速度である第1搬送速度と、両面ローラ対185によるシートの搬送速度である第2搬送速度と、は同じである。なお、これらプレレジストレーションローラ対186及び両面ローラ対185は、単一のプレレジストレーションモータ272によって駆動される。
また、CPU301は、プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率が両面ローラ対185によるシートの搬送効率よりも低い場合に第2モードを実行する。プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率が両面ローラ対185によるシートの搬送効率よりも低い場合とは、例えば上記第1枚数が上記第2枚数よりも多い場合である。この時、図7(B)に示すように、CPU301は、上記第1搬送速度が例えば所定速度としての200mm/secとなるように、プレレジストレーションモータ272を、第1モードの時よりも増速させる。このため、第2搬送速度は、第1搬送速度よりも速くなる。
また、CPU301は、プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率が両面ローラ対185によるシートの搬送効率よりも高い場合に第3モードを実行する。プレレジストレーションローラ対186によるシートの搬送効率が両面ローラ対185によるシートの搬送効率よりも高い場合とは、例えば上記第1枚数が上記第2枚数よりも少ない場合である。この時、図7(C)に示すように、第2搬送速度は、第1搬送速度よりも遅くなる。
次に、CPU301は、経過時間ET2が駆動再開時間T以上であるかどうかを判定する(ステップS1012)。経過時間ET2が駆動再開時間T以上になったと判定した場合(ステップS1012/Y)、CPU301は、クラッチ273への通電を再開して(ステップS1013)、両面ローラ対185を駆動させる。両面ローラ対185の駆動により、シートP2の搬送が再開され、搬送されたシートP2が両面センサ275の検知位置を通過すると、両面センサ275のセンサ出力がONからOFFに切り替わる。両面センサ275のセンサ出力がONからOFFに切り替わると、CPU301は、累積枚数Nrを1インクリメント(ステップS1014)する。そして、CPU301は、シートP1に後続して給送ユニット110から給送されたシートが存在しないかどうかを判断する(ステップS1015)。CPU301は、後続して給送されるシートがないと判断した場合(ステップS1015/Y)、本処理を終了し、後続して給送されるシートがあると判断した場合(ステップS1015/N)は、ステップS1001から一連の動作を再度実行する。
このように、本実施例では、二つのローラ対を1つのモータで駆動する際に、それぞれのローラ対の搬送効率や累積枚数に応じて両面搬送されるシートの搬送タイミングを変更する。これにより、シートの搬送間隔を一定にすることが可能となるため、ローラ対の搬送速度の差異によって発生するシート同士の衝突やシートの搬送遅れ等のジャムを回避することが可能となる。
<その他の実施例>
二つのローラ対を1つのモータで駆動する構成として、例えば、画像形成装置1において、複数の給送ユニットが設けられている場合には、シート搬送方向上流側の給送ユニットからの給送開始タイミングを実施例1と同様にして変更してもよい。複数の給送ユニットを有する画像形成装置1においては、シート搬送方向下流側の給送ユニットのローラ対の方がシート搬送方向上流側の給送ユニットのローラ対よりも累積枚数が多くなる。したがって、実施例1と同様にシート搬送方向上流側の給送ユニットからの給送開始タイミングを変更することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
実施例1においては、ローラ対の搬送効率が累積枚数によって変化するものとして説明を行ったが、画像形成装置1の設置場所や画像形成に用いるシートの坪量、材質などによっても搬送効率が変化する。したがって、予め、温度や湿度、坪量、材質ごとにローラ対の搬送効率の変化を実験値として取得してテーブルとして記憶して、ローラ対の搬送効率の変化を求める構成であってもよい。また、本発明は、ローラ対の搬送効率に限らず、例えばベルト等によって構成される搬送部の搬送効率に応じて、搬送再開処理を行うタイミングを変更してもよい。
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1:画像形成装置/185:第2搬送部(両面ローラ対)/186:第1搬送部(プレレジストレーションローラ対)/272:駆動部(プレレジストレーションモータ)/273:駆動伝達部(クラッチ)/274:第1検知部(レジストレーションセンサ)/275:第2検知部(両面センサ)/300:制御部/CP1:第1搬送路/CP2:第2搬送路/J:合流部/T2:第1時間(駆動再開時間)/T3:第2時間(駆動再開時間)/T4:第3時間(駆動再開時間)

Claims (18)

  1. 第1搬送路と、
    合流部において前記第1搬送路と合流する第2搬送路と、
    前記第1搬送路において第1シートを搬送する第1搬送部と、
    前記第2搬送路において第2シートを前記合流部に向けて搬送する第2搬送部と、
    前記第1搬送部及び前記第2搬送部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部からの駆動力を伝達して前記第2搬送部を駆動する伝達状態と、前記駆動部からの駆動力を前記第2搬送部に伝達しない非伝達状態と、に遷移可能な駆動伝達部と、
    前記駆動伝達部を前記非伝達状態にすることで前記第2搬送部によって前記第2シートを挟持した状態で停止させる停止処理と、前記駆動伝達部を前記非伝達状態から前記伝達状態に遷移することで、前記第2搬送部によって停止していた前記第2シートの搬送を再開させる搬送再開処理と、を実行可能な制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1シートが基準位置を通過してから第1時間が経過した第1タイミングで前記搬送再開処理を行う第1モードと、前記第1シートが前記基準位置を通過してから前記第1時間よりも長い第2時間が経過した第2タイミングで前記搬送再開処理を行う第2モードと、を有する、
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記制御部は、前記第1搬送部によって搬送されたシートの累積枚数である第1枚数と前記第2搬送部によって搬送されたシートの累積枚数である第2枚数とが同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第1枚数が前記第2枚数よりも多い場合に前記第2モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送効率と前記第2搬送部によるシートの搬送効率が同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第1搬送部によるシートの搬送効率が前記第2搬送部によるシートの搬送効率よりも低い場合に前記第2モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  4. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率に応じて、前記駆動部の駆動速度を変更する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 前記第1搬送部は、前記駆動伝達部が前記伝達状態または前記非伝達状態のどちらであるかに関わらず、前記駆動部の駆動に伴って駆動され、
    前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送速度が所定速度になるように、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率に応じて前記駆動部の駆動速度を変更する、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のシート搬送装置。
  6. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送速度である第1搬送速度が前記第2搬送部によるシートの搬送速度である第2搬送速度と同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも大きい場合に前記第2モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  7. 前記制御部は、前記第1シートが前記基準位置を通過してから前記第1時間よりも短い第3時間が経過した第3タイミングで前記搬送再開処理を行う第3モードを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  8. 前記制御部は、前記第1搬送部によって搬送されたシートの累積枚数である第1枚数と前記第2搬送部によって搬送されたシートの累積枚数である第2枚数とが同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第1枚数が前記第2枚数よりも多い場合に前記第2モードを実行し、前記第1枚数が前記第2枚数よりも少ない場合に前記第3モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
  9. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送効率と前記第2搬送部によるシートの搬送効率とに応じて、前記第1モード、前記第2モード及び前記第3モードのうちの1つのモードを実行する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
  10. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率と前記第2搬送部によるシートの前記搬送効率が同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率が前記第2搬送部によるシートの前記搬送効率よりも低い場合に前記第2モードを実行し、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率が前記第2搬送部によるシートの前記搬送効率よりも高い場合に前記第3モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシート搬送装置。
  11. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率に応じて、前記駆動部の駆動速度を変更する、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載のシート搬送装置。
  12. 前記第1搬送部は、前記駆動伝達部が前記伝達状態または前記非伝達状態のどちらであるかに関わらず、前記駆動部の駆動に伴って駆動され、
    前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送速度が所定速度になるように、前記第1搬送部によるシートの前記搬送効率に応じて前記駆動部の駆動速度を変更する、
    ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  13. 前記制御部は、前記第1搬送部によるシートの搬送速度である第1搬送速度が前記第2搬送部によるシートの搬送速度である第2搬送速度と同じ場合に前記第1モードを実行し、前記第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも大きい場合に前記第2モードを実行し、前記第2搬送速度が前記第1搬送速度よりも小さい場合に前記第3モードを実行する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
  14. 前記基準位置において第1シートを検知する第1検知部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  15. シート搬送方向において前記第2搬送部よりも上流に配置され、前記第2搬送路を搬送される第2シートを検知する第2検知部を更に備え、
    前記制御部は、前記第2検知部の検知結果に基づいて前記停止処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項14に記載のシート搬送装置。
  16. 前記第1搬送部は、シート搬送方向において前記合流部よりも下流に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  17. 前記第1搬送路を搬送される第1シートを第1方向に搬送した後、前記第1方向とは反対の第2方向に搬送することで第1シートを前記第2搬送路に導く第3搬送部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
    前記第1搬送部を通過した第1シートに画像を形成する画像形成部と、を備える、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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