JP5331580B2 - ウエハ載置装置及びそれに用いる部品 - Google Patents
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Description
ウエハ載置面と内部電極とを有し、前記ウエハ載置面にウエハを載置した状態で前記内部電極に直流電圧を印加することにより前記ウエハ載置面に前記ウエハを吸着可能な静電チャックと、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面の外周側にて該ウエハ載置面より一段低くなるように形成された段差部と、
前記段差部に載置され、前記静電チャックの側面を覆うスカート部を有する保護リングと、
冷却用ガスが前記静電チャック側から前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成された冷却用ガス通路と、
を備えたものである。
ウエハ載置面と内部電極とを有し、前記ウエハ載置面にウエハを載置した状態で前記内部電極に直流電圧を印加することにより前記ウエハ載置面に前記ウエハを吸着可能な静電チャックと、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面の外周側にて該ウエハ載置面より一段低くなるように形成され、前記静電チャックの側面を覆うスカート部を有する保護リングを載置可能な段差部と、
冷却用ガスが前記静電チャック側から前記段差部に載置される前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成された冷却用ガス通路と、
を備えたものである。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態のウエハ載置装置20を含むプラズマ処理装置10の構成の概略を示す断面図、図2は、ウエハ載置装置20の部分断面図、図3は、図2のA−A断面図である。
次に、第2実施形態のウエハ載置装置120について説明する。第2実施形態は、第1実施形態の冷却用ガス通路50を変更した以外は、第1実施形態と同様であるため、同じ構成要素について同じ符号を付し、その説明を省略する。図4はウエハ載置装置120の部分断面図、図5は図4のB−B断面図である。
上述した第1実施形態では、冷却板40と静電チャック22との隙間(外周領域48)を介して冷却用ガスが保護リング30のスカート部34の内壁に当たるように形成したが、例えば、図6や図7のように変形してもよい。すなわち、図6では、冷却用ガス通路50の第1通路51を途中で90°屈曲させることにより冷却板40の側面に開口するようにし、この開口からスカート部34の内壁に冷却用ガスが当たるようにしている。また、図7では、冷却用ガス通路50の第1通路51を接着シート47を貫通して静電チャック22の内部まで伸ばしたあとそこから90°屈曲させることにより静電チャック22の側面に開口するようにし、この開口からスカート部34の内壁に冷却用ガスが当たるようにしている。これらの場合には、第1及び第2実施形態に比べて冷却用ガス通路の作製に若干手間がかかるものの、基本的には同じ効果が得られる。但し、第1及び第2実施形態では、冷却用ガスは外周領域48,148で拡散したあとスカート部34に当たるため、図6や図7に比べてより広範囲に均一に広がりながら流れることになり、冷却板40が保護リング30の熱を冷却用ガスを介して奪いやすくなるので好ましい。
第1実施形態のウエハ載置装置20に相当する一具体例を以下の手順により作製した。まず、静電チャック22を次のようにして作製した。すなわち、窒化アルミニウム粉末を径380mm、厚さ5mmに一軸成形し、その上にモリブデン製メッシュ(径292mm)からなる内部電極28を設置し、さらにその上から窒化アルミニウム粉末を載せて成形し、全厚25mmの成形体を得た。これを一軸ホットプレス焼成炉内に黒鉛冶具とともに設置し、窒素雰囲気中、1850℃で1トンの圧力をかけて2時間焼成し、内部電極28を埋設した焼結体を得た。この焼結体を研削加工することにより静電チャック22を得た。なお、研削加工時に、内部電極28からウエハ載置面24までの厚みが1mm、ウエハ載置面24の直径が298mm、段差部26からウエハ載置面24までの高さが4mm、段差部26を含む焼結体の直径が376mm、底面から段差部26までの高さが4mm、焼結体の全厚が8mmとなるようにした。この静電チャック22のウエハ載置面24とは反対側の面から内部電極28に達する孔を穿孔し、その孔に内部電極28と接続する導電部材をロウ付けにより接合した。なお、図1〜図7にはこうした導電部材の図示を省略した。
第2実施形態のウエハ載置装置120に相当する一具体例を以下の手順により作製した。静電チャック22及び保護リング30は実施例1と同じものを用いた。冷却板40は、アルミニウム合金製で全厚が20mm、冷却板本体42の直径(静電チャック22との接合面の直径)が376mm、フランジ部44を含めた直径が416mmで、PCDが288mmの位置に等間隔で12個の直径2mmの貫通孔(第1通路151)を有し、冷媒通路46が内蔵されたものを用いた。接着シート147は、シリコーン樹脂製で、外径が364mm、厚みが0.78mmのものを用いたが、更に、PCD288mmの位置に等間隔で12個の直径3mmの円孔を設けると共にその円孔から半径外方向に切り欠いた形状のスリットを設けることにより、鍵穴形状の第2通路152を形成した。
図8のウエハ載置装置220に相当する一具体例を以下の手順により作製した。静電チャック22及び冷却板40は実施例1と同じものを用いた。但し、静電チャック22のPCD337mmの位置に等間隔で12個の直径2mmの貫通孔を厚み方向に平行に穿孔した。また、接着シート247は、実施例1の接着シート47と同様、外径が364mm、厚みが0.78mmのものを用いたが、更に、PCD337mmの位置に等間隔で12個の直径3mmの貫通孔を設けた。保護リング230は、シリコン金属製で外径が377mm、内径が299mm、厚みが5mmのものを用いた。図8の保護リング230には上面の内周側に切欠溝が形成されているが、比較例1では切欠溝の外径は301mmで深さ1.2mmとした。
図1のように、実施例1のウエハ載置装置を真空チャンバ12内に設置し、冷却板40のフランジ部44を図示しないガス分配ブロックを挟んでボルト49で真空チャンバ12に固定した。ガス分配ブロックには、冷却用ガスの配管が真空チャンバ12の外から接続されており、ガス分配ブロックにて導入された冷却用ガスが冷却板40の12箇所の貫通孔(第1通路51)に等分配される。冷却板40の冷媒通路46に冷媒を流すべく、図示しない冷却ラインを冷却板40に取り付けた。冷媒は、外部冷却装置により25℃の一定温度となるように制御した。静電チャック22の導電部材に取り付けた電極端子には、高電圧ケーブルを取り付け、直流電圧を印加できるようにした。この状態で、シリコン製のウエハW(直径300mm、厚さ1.5mm)を静電チャック22のウエハ載置面24に載置し、真空チャンバ12内を減圧して真空にしておき、静電チャック22の内部電極28に700Vの直流電圧を印加して静電気力を発生させ、ウエハWを吸着固定した。次に、真空チャンバ12内を20Paのアルゴンガス雰囲気とし、冷却用ガスとして総量6SCCMのヘリウムガスを冷却用ガス通路50を通して導入した。この状態で、真空チャンバ12内の上部電極60と静電チャック22の内部電極28との間に13.56MHz、1200Wの高周波電圧を印加し、プラズマを5分間発生させた。保護リング30には、プラズマに晒される面の複数の場所に温度パッチPを予め貼り付けておき(図9参照)、温度分布を測定した。温度パッチPは、設定温度を超えると変色して温度が設定温度まで上昇したことを示すものである。設定温度の異なる数種類の温度パッチPを貼り変えて、複数回試験を行い、温度パッチPの変色状態から保護リング上の各点の温度を測定した。実施例2及び比較例1のウエハ載置装置についても、同様にして各点の温度を測定した。その結果を表1に示す。ここで、平均温度とは各点の温度の平均値であり、温度分布とは全点の温度のうち最高温度と最低温度の差である。
実施例1のウエハ載置装置を真空チャンバ12内に設置し、真空チャンバ12内を1Paまで真空引きした。この時点で、冷却用ガスとして所定量のヘリウムガスをマスフロメータを通じて導入した。この際に真空チャンバ12の側面に設けられた図示しないのぞき窓を通じて、保護リング30が浮くかどうかを観察した。実施例2及び比較例1のウエハ載置装置についても、同様にして保護リング30,230が浮くかどうかを観察した。その結果を表2に示す。表2から明らかなように、比較例1ではヘリウムガスの流量が20SCCM以上で保護リング230が浮いたのに対し、実施例1,2ではヘリウムガスの流量が100SCCMでも保護リング30が浮くことはなかった。これは、比較例1ではヘリウムガスが保護リング230の裏面に当たって保護リング230を押し上げるのに対し、実施例1,2ではヘリウムガスが保護リング30のスカート部34に当たったのちに拡散していき、保護リング30を上方に押し上げる力が作用しないためと考えられる。このように、実施例1,2では、保護リング30の位置を安定して維持することができる。また、より多くの冷却用ガスを導入することができるため、比較例1と比べて効果的に保護リング30の温度上昇を抑えることができる。
実施例1のウエハ載置装置を真空チャンバ12内に設置し、真空チャンバ12内を1Paまで真空引きし、冷却用ガスとして6SCCMのヘリウムガスを導入した状態で、真空チャンバ12内のガス圧力を10Paに制御し、静電チャック22の内部電極28と真空チャンバ12内の上部電極60との間に13.56MHzの高周波電圧を出力を変えて印加し、プラズマを5分間発生させた。その後、保護リング30のうち冷却用ガスが当たる部分を目視で観察し、アーキング等による損傷があるか否かを観察した。実施例2及び比較例1のウエハ載置装置についても、同様にしてアーキング等による損傷があるか否かを観察した。その結果を表3に示す。表3から明らかなように、比較例1ではプラズマ出力1800Wでアーキング等による損傷が発生していたが、実施例1,2ではプラズマ出力3000Wでもアーキング等による損傷は見られなかった。このように実施例1,2では保護リング30の表面にアーキング等による損傷が起きないため、長期間安定してエッチングプロセスを行うことができる。
Claims (4)
- ウエハ載置面と内部電極とを有し、前記ウエハ載置面にウエハを載置した状態で前記内部電極に直流電圧を印加することにより前記ウエハ載置面に前記ウエハを吸着可能な静電チャックと、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面の外周側にて該ウエハ載置面より一段低くなるように形成された段差部と、
前記段差部に載置され、前記静電チャックの側面を覆うスカート部を有する保護リングと、
冷却用ガスが前記静電チャック側から前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成された冷却用ガス通路と、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面とは反対側の面と接着層を介して接合された静電チャック冷却用の冷却板と、
を備え、
前記冷却用ガス通路は、前記冷却用ガスが前記冷却板の内部から前記冷却板と前記静電チャックとの隙間のうち前記接着層の外周領域を介して前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成されている、
ウエハ載置装置。 - 前記冷却用ガス通路は、前記冷却用ガスが前記冷却板の内部から前記接着層の内部に形成されたガス誘導路を経て前記接着層の外周領域へ至り、その後該接着層の外周領域から前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成されている、
請求項1に記載のウエハ載置装置。 - ウエハ載置面と内部電極とを有し、前記ウエハ載置面にウエハを載置した状態で前記内部電極に直流電圧を印加することにより前記ウエハ載置面に前記ウエハを吸着可能な静電チャックと、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面の外周側にて該ウエハ載置面より一段低くなるように形成され、前記静電チャックの側面を覆うスカート部を有する保護リングを載置可能な段差部と、
冷却用ガスが前記静電チャック側から前記段差部に載置される前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成された冷却用ガス通路と、
前記静電チャックのうち前記ウエハ載置面とは反対側の面と接着層を介して接合された静電チャック冷却用の冷却板と、
を備え、
前記冷却用ガス通路は、前記冷却用ガスが前記冷却板の内部から前記冷却板と前記静電チャックとの隙間のうち前記接着層の外周領域を介して前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成されている、
ウエハ載置装置用部品。 - 前記冷却用ガス通路は、前記冷却用ガスが前記冷却板の内部から前記接着層の内部に形成されたガス誘導路を経て前記接着層の外周領域へ至り、その後該接着層の外周領域から前記保護リングのスカート部の内壁の全周にわたって当たるように形成されている、
請求項3に記載のウエハ載置装置用部品。
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