JP3957719B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、載置面上に載置された被処理基板の表面をプラズマによって処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
従来より、半導体集積回路等の半導体装置の製造にはドライエッチング等のプラズマ処理技術が数多く応用されている。ドライエッチング技術は、リソグラフィ技術により形成したフォトレジストパターンをマスクとして、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)などの被処理基板表面に形成された薄膜をプラズマ励起された反応ガスを用いて加工して、微細な電極や配線などの回路パターンを形成する技術である。
そのため、応用方法如何にかかわらず、プラズマ励起により活性化された反応ガスがプラズマ処理装置のチャンバ構成部品の一部に接触し、接触部分が侵食作用を受けることが避けられない。特に、シリコン酸化膜のエッチング加工を行うドライエッチング装置においては、Si−Oが比較的高い結合エネルギーを持つため、使用する高周波パワーも大きくなり、それに応じてプラズマによる部品の損傷も激しくなる。
一般的に、シリコン酸化膜を加工するドライエッチング装置は、平行に対向した上部電極と下部電極に高周波を印加する形式の、いわゆる平行平板型RIE(Reactive Ion Etcher)が主流で、下部電極の載置面上にウエハを設置し、上部電極と下部電極との間にプラズマを集中させて、エッチング加工を行う。プラズマを集中させる目的で、上部電極、下部電極の周囲は石英製の環状体(以下、上部電極周囲の石英製の環状体を「シールドリング」、下部電極周囲の石英製の環状体を「フォーカスリング」という。)で覆われている。
また、半導体の微細化とともに、ドライエッチング時の加工精度向上が要求されており、近年のドライエッチング装置には、載置面上にウエハを固定する装置として静電チャックが搭載されるようになった。静電チャックを用いることにより、機械式のクランプと比較してウエハの表面温度の均一性を向上させ、加工精度を向上させることができる。なお、静電チャックはフッ化炭素系樹脂より成るもの、セラミックより成るものの2種に大別でき、シリコン酸化膜を加工するドライエッチング装置の場合、主としてフッ化炭素系樹脂より構成される静電チャックが用いられている。フッ化炭素系樹脂より成る静電チャックは、フッ化炭素系樹脂の中に導電性薄膜を挿入し、導電性薄膜に直流高電圧を印加して、導電性薄膜とウエハとの間にクーロン力を発生させ、ウエハを静電チャック上面に固定させる機構である。
図10は、下部電極周辺を表す部分断面図である。同図に示すように、下部電極118の上面118aには、例えばフッ化炭素系樹脂膜120aと、その中に挿入された導電性薄膜120bとからなる静電チャック120が設けられている。フッ化炭素系樹脂膜120aは、下部電極118の側面118bまで被覆されている。そして、下部電極118の周囲には、フォーカスリング124が着脱可能に配置されている。フォーカスリング124の内周側(ウエハ外周縁に隣接する側)には段差部124aが設けられている。エッチング加工に際しては、ウエハWが下部電極118の上面118a上に配置され、静電チャック120により吸着される。
以上に挙げたシリコン酸化膜のドライエッチング装置を構成する部品の中で、最もプラズマによる損傷の激しい部品は下部電極118周囲のフォーカスリング124である。フォーカスリング124を継続使用すると、徐々にその侵食が進む。侵食は、主としてフォーカスリング124の内周側の段差部124aにおいて垂直方向に溝状に進行する。そして、図11に示すように侵食が一定レベルに達すると、下部電極側面118bがプラズマに晒されるようになる。下部電極側面118bはフッ化炭素系樹脂膜120aによって覆われているが、樹脂膜120aは薄い。このため、下部電極側面118bがプラズマに晒されると、下部電極の側面118b付近の温度が上昇し、下部電極上面118aに静電チャック120を介し固着されているウエハの表面温度に影響を与えることになる。
前述のように、近年ますます微細化するエッチング加工において、温度管理は極めて重要なものとなっている。ところが、前述のように操業の経過とともに、下部電極へのプラズマ照射量が増加すると、特にウエハ端部においてウエハ表面温度の上昇を招き、所望のエッチング特性が維持できなくなるという問題が発生する。
それに加え、下部電極118が直接プラズマに晒されると、下部電極118の劣化が早まることになる。下部電極118は静電チャック120を固着した比較的複雑な構成なため、ドライエッチング装置の中でも特に高価な部品である。そのため、下部電極118の劣化はコスト面で大きな損失となる。
即ち、フォーカスリング124の侵食により、エッチング特性が変動するという問題と同時に、下部電極118の劣化が進行するという2つの問題を招くことになる。従ってフォーカスリング124は、侵食が過度に進行する前に、比較的短時間で交換、あるいは再生作業を施す必要があった。よって、再生費用や交換作業のために時間がかかり、半導体装置製造のコスト、及び、スループットの両面に影響を与えていた。
従来より、プラズマによる侵食を受けるフォーカスリングについては、さまざまな提案がなされている。
特許文献1には、下部電極の側壁に近接する部分を覆う内周部と、内周部の外側に組み合わされるリング状の外周部とに分割され、かつ、内周部が周方向に分割された複数の部分からなり、複数の部分が組み合わされることによって下部電極の側壁に隣接するリング状の内周部が形成される電極用カバー(フォーカスリング)が開示されている。
特許文献2には、表面に、石英よりもプラズマに対して高い耐食性を有する絶縁膜が施されている石英部材(フォーカスリング)が開示されている。具体的には、プラズマに面する部分の石英部品の表面に、例えばアルミナ系セラミックスからなる、プラズマに対して高い耐食性を有する絶縁膜を形成することが開示されている。
特許文献3には、電極の周囲を覆うリングとして、試料外周に隣接する部分を覆うアルミナリングと、そのさらに外側を覆うフッ素樹脂リングとを配置することが開示されている。フッ素樹脂リングがプラズマによって消耗するのに対して、アルミナリングはプラズマによってエッチングされることがないため、アルミナリングの使用によって、長期間にわたりエッチングの均一性が保たれるとされている。
特開2003−100713 特開平8−339895 特開平2−130823
しかしながら、特許文献1に記載されたフォーカスリングは、あくまでも下部電極とフォーカスリングのクリアランスを減少させることを目的としたものであり、フォーカスリングの侵食の低減を目的としたものではない。
また、特許文献2に記載された、表面に石英よりもプラズマに対して高い耐食性を有する絶縁膜が施されている石英部材(フォーカスリング)では、もともと石英で形成された部材の表面に高い耐食性を有する絶縁膜を施すものであるため、部材の形状を有意に変化させるほどの膜厚に絶縁膜を形成することはできない。このため、絶縁膜を施すことによる耐食性向上効果には限界がある。
さらに、特許文献2における高い耐食性を有する絶縁膜には、プラズマから、被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が照射される。同様に、特許文献3においても、プラズマから、被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が、アルミナリングの一部分に照射される。このため、石英と高い耐食性を有する絶縁膜との、もしくは、フッ素樹脂とアルミナとの2次電子放出係数の差により、高い耐食性を有する絶縁膜もしくはアルミナリングを設けていない場合に比較してプラズマ特性が変化する。
従って、高い耐食性を有する絶縁膜もしくはアルミナリングを持たない従来の処理装置において使用されていたプラズマ放電条件を使用することはできない。このため、少なくとも、高い耐食性を有する絶縁膜やアルミナリングを持たない既存の処理装置の改造としては、採用しにくいという問題がある。
本発明は上記問題点を鑑み、従来のプラズマ処理装置において使用されていたプラズマ放電条件を実質的に変更することなく使用することを可能にしながら、プラズマによりフォーカスリングの侵食が進行した場合であっても、所望のエッチング特性を維持し、且つ、下部電極の劣化を抑制できるプラズマ処理装置、及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、載置面と、該載置面の外縁に連なる側面とを備えた下部電極を有し、該載置面に載置した被処理基板の表面をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、前記載置面に載置された被処理基板の周囲を覆う、第1の材料からなるフォーカスリングと、前記下部電極の側面を覆う、前記第1の材料とは異なるセラミック材料からなり、その外縁が、前記載置面に載置した被処理基板の外縁の内側に位置する、側面保護リングとを備えることを特徴とするプラズマ処理装置を提供するものである。
た、本発明においては、前記第1の材料と前記セラミック材料とが異なる2次電子放出係数を有するのが典型的な実施形態である。さらに、前記プラズマによる前記セラミック材料の浸食速度が、前記第1の材料の浸食速度に比較して低いことが好ましい。
本発明においては、前記セラミック材料がアルミナであることが好ましい。また、前記第1の材料が石英であることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明は、載置面と、該載置面の外縁に連なる側面とを備えた下部電極の、該載置面に載置された被処理基板の表面を、該被処理基板の表面が面する空間にプラズマを生成することにより処理する方法であって、前記被処理基板の周囲を第1の材料からなるフォーカスリングで覆うとともに、前記下部電極の側面を、外縁が、前記載置面に載置した被処理基板の内側に位置するように、前記第1の材料とは異なるセラミック材料からなる側面保護リングで覆い、前記側面保護リングによって、前記プラズマが前記下部電極の側面に接触することを防止するとともに、前記被処理基板によって、該被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が前記プラズマから前記側面保護リングに入射することを防止することを特徴とするプラズマ処理方法を提供するものである。
本発明においては、前記プラズマによる前記フォーカスリングの浸食が進む以前においては、前記被処理基板および前記フォーカスリングによって、前記プラズマが前記側面保護リングに接触することを防止し、前記プラズマによる前記フォーカスリングの浸食が進み、前記被処理基板および前記フォーカスリングによって前記プラズマが前記側面保護リングに接触することを防止できなくなった後においても、前記側面保護リングによって前記プラズマが前記下部電極の側面に接触することを防止するのが、典型的な実施形態である
さらに、前記被処理基板が半導体基板であり、前記処理が、フロロカーボン系プラズマを用いた前記半導体基板の表面の絶縁膜のエッチングであることが好ましい。
本発明の処理装置によれば、側面保護リングの外縁を、被処理基板の外縁と略一致させるか、もしくは、内側に位置させる。また、本発明の処理方法によれば、被処理基板によって、該被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子がプラズマから側面保護リングに入射することを防止する。これにより、フォーカスリングとは異なる材料からなる側面保護リングで下部電極の側面を覆っても、プラズマ特性が影響を受けることを防止できる。従って、側面保護リングを持たない従来の装置で使われていたものと実質的に同一のプラズマ放電条件を使用することを可能にしながら、下部電極側面がプラズマによって損傷するのを防止することができる。これにより、プラズマによりフォーカスリングの侵食が進行した場合であっても、所望のエッチング特性を維持し、且つ、下部電極の劣化を抑制することができる。また、フォーカスリングの交換周期も長時間化することができるため、そのための手間を軽減することができ、低コスト化が可能である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を詳細に説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理方法を適用するプラズマ処理装置の概略構成を示す一実施形態の断面図である。図1に示すように、プラズマ処理装置10は、狭ギャップの平行平板構造を有し、高周波(RF)プラズマによってシリコン酸化膜などの酸化膜をエッチングする半導体装置製造用のドライエッチング装置である。被処理基板の半導体基板であるウエハWを装着する処理槽(チャンバ)12は、10−6Torr(10−4Pa)程度の真空まで真空引き可能である。このチャンバ12内にはさまざまな構成部品が設けられている。
チャンバ12内の上部中央には、エッチングガスを導入可能なガス導入口14が接続された上部電極16が設置されている。また、チャンバ12内の下部中央には、下部電極18が設置されている。
下部電極18は、アルマイト被覆されたアルミニウムからなるもので、そのウエハ載置面18aは、ウエハWの寸法と略同一か、もしくはわずかに小さい寸法である。下部電極18の内部には、外部チラー(図示せず)からの冷煤を循環させる循環路(図示せず)が設けられており、下部電極18の上面18aを所望の温度に維持することが可能である。
また、下部電極18のウエハ載置面18a上にはウエハWを吸着保持するための静電チャック20が設けられている。この静電チャック20は、金属薄膜20bをフッ化炭素系樹脂膜20aに埋め込んだ構成のものであり、図2に示すように、フッ化炭素系樹脂膜20aは、下部電極18の側面18bまで被覆されている。ウエハWは、外部高圧直流電源からの電圧が金属薄膜20bに印加され、金属薄膜20bとウエハWとの間にクーロン力が発生することによって、静電チャック20上面に吸着保持される。すなわち、静電チャック20によって、下部電極18のウエハ載置面18a上にウエハWが保持される。ここで、フォーカスリング24の上面24bは、載置面18a上に保持されたウエハWの上面と同程度の高さを有する。
また、下部電極18内には、Heガスの流路が形成されている(図示せず)。静電チャック20上に吸着保持されたウエハWの裏面に対しHeガスを供給することによって、ウエハWと下部電極18との間の熱伝導効率を高めることが可能である。Heガス流路は2系統設置されており、この裏面Heガス圧力をウエハの中心部と端部、各々独立して操作することが可能である。
また、下部電極側面18bには、その表面に被覆されたフッ化炭素系樹脂20aの表面を覆う、セラミック材料製の側面保護リング30(以下「セラミックリング30」とする。)が設けられている。なお、セラミックリング30の詳細は後述する。
上部電極16及び下部電極18の周囲は、それぞれシールドリング22、フォーカスリング24により覆われている。シールドリングおよびフォーカスリングは、ともに平行平板電極間にプラズマを集中させる機能を有している。シールドリング22およびフォーカスリング24は、例えばメカニカルクリーニングの際に着脱可能となっている。
チャンバ12の外には、下部電極18及び上部電極16の両方に高周波電力(RFパワー)を印加するRFパワースプリッター26と、RFパワースプリッター26に接続されるRF電源28とが設置される。これらによってチャンバ12内にRFプラズマが生成され、ドライエッチングが行われる。本プラズマ処理装置10のRF印加方式は、上下部電極16、18にRFを印加するスプリット方式であるが、アノードカップリング方式、カソードカップリング方式、スプリット方式の中から択一的に選択可能である。
次に、本発明に係るセラミック材料製の側面保護リング30(セラミックリング30)について説明する。図2は、本発明に係るセラミックリング30を配置した下部電極18とフォーカスリング24との関係を示す拡大図である。前述の通り、下部電極18の側面18bには、静電チャック20を構成するフッ化炭素系樹脂膜20aの一部が回り込むように被覆され、その周囲にはフォーカスリング24が配置されている。セラミックリング30は環状体構造を有し、下部電極18側面18bのフッ化炭素系樹脂膜20aとフォーカスリング24の内側面との間に、下部電極18の側面18bを覆うように挿入されている。本実施形態のセラミックリング30は、ウエハWの外縁の内側に収まる厚みである。以下、その理由について詳細に説明する。
セラミックリング30は、フォーカスリング24の侵食が進むにつれて直接プラズマ照射を受けるため、耐久性や機械的強度を考えた場合、より厚いことが好ましい。しかし、セラミックリング30を厚くすることで、ウエハW端部より外側にセラミックリング30が露出するようになると、ウエハWの表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が、プラズマからセラミックリング30の表面(側面)に入射するようになる。このような場合、セラミックリング30と石英製のフォーカスリング24との材料の違いから生じる2次電子放出係数の違いから、プラズマ特性が変動する。それに伴いエッチング特性も変位するのため、エッチング特性を全く別個のものにチューニングする必要がある。さらに、エッチング工程によっては、セラミックリング30からの微小放出物が半導体装置自体の電気特性をシフトさせる危険性もある。これらを回避するために、下部電極18の載置面18aの寸法をウエハWの寸法に比較して小さくし、セラミックリングの外縁が、ウエハWの外縁と略一致するか、もしくは、その内側に位置するようにするのが好ましい。
なお、下部電極側面18bのフッ化炭素系樹脂膜20aの被覆は必須ではない。また、フォーカスリング24の材質は石英に限定されるわけではない。例えば、シリコンをフォーカスリング24の材料として使用することが可能である。また、使用可能温度の高い各種のエンジニアリングプラズチック(スーパーエンジニアリングプラスチックとも呼ばれる)も使用可能である。例えば、DuPont社製のベスペル(商品名)、Celanese Advanced Materials社製のセラゾール(商品名)を例示することができる。
側面保護リング30の材質はセラミックであればよく、例えばアルミナを好適例として挙げることができる。アルミナ以外には、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン等を側面保護リング30の材料として使用することができる。また、少なくとも、半導体集積回路製造における配線工程に使用するプラズマ処理装置においては、ジルコニア、YAG(Y3Al5O12)、窒化チタン等も使用することができる。さらに、これらのセラミック材料の固溶体、例えば、アルミナと酸化シリコンとの固溶体、アルミナと窒化シリコンとの固溶体、等を使用することができる。これらのセラミック材料は、各種の添加物を含むものであっても良い。
上記のフォーカスリング24の材料は、それぞれ異なるプラズマ浸食速度を有する。側保護リング30の材料も、それぞれ異なるプラズマ浸食速度を有する。浸食速度は、エッチングガス、放電条件、等のプラズマ条件によっても異なる。さらに、実際のフォーカスリング24もしくは側面保護リング30を形成する材料の浸食速度は、それらの部品のプラズマ処理装置10内での取り付け位置によっても異なる。
しかし、一般的には、上記のセラミック材料は、フォーカスリング24に使用される材料に比較して低いプラズマ浸食速度を有する。
プラズマ処理装置10においてエッチング加工を行うに際しては、チャンバ12内を所定の真空度に排気した後、ガス導入口14からフロロカーボン系のエッチングガスを導入し、電極16、18間の空間に一定圧力のエッチングガス雰囲気を形成する。この一定圧力のエッチングガス雰囲気に対して、RFパワースプリッター26から両電極16、18間に高周波電力を供給することにより、フロロカーボン系プラズマが生成され、このプラズマからウエハW表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子により、下部電極18の載置面18a上のウエハWの表面がエッチング加工される。
この時、プラズマ処理装置10では、本発明のプラズマ処理方法に従って、フォーカスリング24の材料よりもプラズマによる侵食速度が低いセラミックリング30を下部電極18の側面18bに備えているので、プラズマによりフォーカスリング24の侵食が進行した場合であっても、下部電極側面18bがプラズマによって損傷するのを防止することができる。このため、ウエハ端部の表面温度の上昇を抑えることができ、所望のエッチング特性を維持することができる。また、フォーカスリング24の交換周期も長時間化することができるため、そのための手間を軽減することができ、低コスト化が可能である。また、セラミックリング30があることにより、メカニカルクリーニングの時のフォーカスリング24の着脱の際に、下部電極側面18bのフッ化炭素系樹脂膜20aが物理的損傷を受けるのを回避できる。
ここで、プラズマによるフォーカスリング24の浸食が進む以前においては、ウエハWおよびフォーカスリング24によって、プラズマがセラミックリング30に、そしてさらに下部電極18の側面18bに接触するのを防止することができる。一方、プラズマによるフォーカスリング24の浸食が進み、ウエハWおよびフォーカスリング24によってプラズマがセラミックリング30に接触することを防止できなくなった後にも、セラミックリング30によって、プラズマが下部電極18の側面18bに接触するのを防止することができる。
また、本実施形態のプラズマ処理装置10のように、下部電極18の載置面18aの寸法をウエハWの寸法に比較して小さくするとともに、セラミックリング30の厚さ(下部電極18の側面18bに垂直な方向の寸法)を、その外縁が、ウエハWの外縁と一致するか、もしくは内側に位置するように設定している。これにより、フォーカスリング24が浸食された後であっても、ウエハWの表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が、プラズマからセラミックリング30に対して入射するのを防止することができる。
セラミックリング30の外縁をウエハWの外縁の内側に位置させれば、セラミックリング30の全体に対して、ウエハWの表面に垂直な方向に加速された加速粒子の入射を防止することができる。
セラミックリング30の寸法を、下部電極18に取り付けた場合にその外縁がウエハWの外縁と一致するように設計した場合、現実には、ウエハWおよびセラミックリング30の寸法誤差および取り付け位置の誤差によって、セラミックリング30の外周部の一部分は、ウエハWの外縁よりも外側にはみ出す。すなわち、フォーカスリング30の外縁は、ウエハWの外縁と略一致した状態にしかならない。そして、セラミックリング30の、ウエハWの外縁から外側にはみ出した部分には、加速された荷電粒子が入射する。しかし、それ以外の部分のセラミックリング30の表面に対する加速された荷電粒子の入射は防止できる。従って、セラミックリング30をウエハWの外縁から外側にはみ出すような寸法に設計した場合に比較すると、加速された荷電粒子が入射する部分の面積をはるかに小さくすることができる。
従って、セラミックリング30を形成するセラミック材料の2次電子放出係数と、フォーカスリング24の材料の2次電子放出係数とが、互いに異なる場合であっても、セラミックリング30がプラズマ特性に顕著な影響を与えることはない。このため、セラミックリング30を有する本発明のプラズマ処理装置10においても、セラミックリング30を持たない従来のプラズマ処理装置で使用されていたプラズマ放電条件を、実質的に変更することなく、使用することができる。
なお、本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法は、上記実施形態のように、半導体基板表面のエッチング加工を行う半導体装置製造用のドライエッチング装置に限定されず、基板載置面を備えた電極を有する従来公知のどのようなプラズマ処理装置に対しても適用可能である。すなわち、半導体装置製造用以外のプラズマ処理装置にも適用可能であるし、この場合、被処理基板は半導体基板に限定されない。また、反応ガスもフロロカーボン系のものに限定されるわけではない。
[比較例1]
本実施形態のプラズマ処理装置10のセラミックリング30の効果を確認するための比較例として、まず、セラミックリング30を装着していない従来の形態のプラズマ処理装置を使用して、エッチング加工を実施した。
図3に、従来の形態のプラズマ処理装置において、累積RF放電時間の経過によるフォーカスリング124の垂直方向(載置面118aに載置されたウエハWの表面に対して垂直な方向)の侵食量の変化を示す。このグラフにおいて、フォーカスリング124が、1mm程度侵食された状態が図11の形態に相当する。即ち、図11の形態は、累積RF放電300時間程度で形成される。フォーカスリング124が、図11の形態になると、所望のエッチング特性を維持できなくなるという問題が発生した。
まず初めに、フォーカスリング124の侵食量とウエハW表面の温度との関係を調べるために、プラズマ放電状況下で、ウエハ部より5mmの部位の表面温度の測定を実施した。ドライエッチング用の処理ガスとしては、CF、CのエッチャントガスとCO,Arとの混合ガスを用いた。ウエハ表面の温度測定を実施した際のプラズマの放電条件を表1に示す。また、温度測定以外の時のプラズマ放電条件を表2に示す。
Figure 0003957719
Figure 0003957719
この測定結果を、図4に示す。図4は、累積RF放電時間(同一のフォーカスリング124を使用して行ったRF放電の累積時間)の経過によるウエハW端部の表面温度の変化を示す。このグラフから、フォーカスリング124に対する累積RF放電時間が300時間を超過すると、ウエハW端部の表面温度が上昇することがわかった。
図11に示されるように、下部電極118の側面118bはフッ化炭素系樹脂膜120aによって覆われているため、プラズマに直接さらされるのではなく、フッ化炭素系樹脂膜120aを介して、間接的にプラズマにさらされるのみである。しかし、フッ化炭素系樹脂膜120aは薄いため、プラズマから供給される熱が容易に下部電極に118に伝わる。また、下部電極118には表1に示す温度の冷煤を循環させているが、側面118bと循環経路との間にはある程度の距離がある。このため、フォーカスリング24が侵食され、下部電極118の側面118bにプラズマが接触すると、側面118b近傍の温度が上昇する。これによって、ウエハW端部の温度が上昇する。
次に、フォーカスリング124に対する累積RF放電時間の増大に伴う、ウエハW端部での微細ホールエッチングレートの変化を調べるために、図5に示すウエハW表面にドライエッチング加工を実施した。エッチング時のプラズマ放電条件は表1と同じである。また、エッチングレート測定時以外の時のプラズマ放電条件は表2と同じである。ここで、表1の放電条件は、表2の放電条件に比較して、より微細なホールのエッチングに適した条件であり、基板温度の影響を強く受ける特性を有する。
図5に示すウエハWの構成は、シリコン基板S1上に二酸化シリコン膜S2を2.0μmの厚さに形成し、さらにその上にフォトレジストによるマスクパターンMを1.2μmの厚さに形成したものである。マスクには、0.30μmのホール形状Hを閉口したものを用いた。ドライエッチング用の処理ガスとしては、CF、CのエッチャントガスおよびCO,Arの混合ガスを用いた。ウエハWのエッチングを一定時間で停止し、0.30μmホールの削れ量からエッチングレートを算出した。また、エッチングレート測定は、ウエハWの最端部から5mmの領域で実施した。
この測定結果を、図6に示す。図6は、フォーカスリング124に対する累積RF放電時間の増大に伴う、二酸化シリコン膜のエッチングレートの変化を示したものである。このグラフから、フォーカスリング124に対する累積RF放電時間が300時間を超過すると、ウエハW端部のエッチングレートが顕著に低下することがわかった。即ち、同一のフォーカスリング124を使ったRF放電の累積時間が一定時間を越えると、フォーカスリング124が劣化し、下部電極側面118bへのプラズマ照射量が増加する。そのため、ウエハW端部表面の温度が上昇し、エッチングレートの低下を招き、所望のエッチング特性を維持できなくなる。
また、従来のプラズマ処理装置では、フォーカスリング124が侵食され、図11の形態になると、下部電極118自体へも悪影響を与える。下部電極118の側面118bには、フッ化炭素系樹脂膜120aの一部が回り込むように配置されているが、フッ化炭素系樹脂120aはプラズマ耐性が不十分であり、プラズマ照射により変質しやすい。さらにメカニカルクリーニング時のフォーカスリング着脱の際の、物理的な損傷も避けられない。
この結果、フォーカスリング124の侵食量が大きくなると、フッ化炭素系樹脂膜120aが少なくとも部分的に消失し、下部電極側面118bへプラズマが直接照射されるようになる。この結果、下部電極側面118bのアルマイト被覆が劣化し、絶縁破壊された箇所に異常放電(アーキング)が発生する。異常放電が発生した下部電極118は、継続使用が不可能となるため、装置を停止し、新しい下部電極118に交換する必要が生じる。
以上に述べたとおり、セラミックリング30を装着していない従来のプラズマ処理装置では、フォーカスリング124が侵食されると、エッチングレートの変動、及び、下部電極118の損傷を招くため、累積RF放電時間が300時間を超過したフォーカスリングは(目視では、垂直方向に1mm程度侵食された状態)、交換、破棄、あるいは再生修理をする必要があった。
図1に示すプラズマ処理装置10を使用して、図5に示すウエハW表面の二酸化シリコン膜のドライエッチング加工を実施し、エッチングレートの変化を観測した。ここでは、アルミナ製のセラミックリング30を使用した。セラミックリング30の幅(下部電極18の側面18bに対して垂直な方向の厚さ)は、セラミックリング30の高さ(下部電極側面18bに対して平行な方向の寸法)の全体において2mmとし、図2に示されるように、セラミックリング30の外縁がウエハWの外縁の内側に収まるようにした。具体的には、下部電極18の載置面18aの寸法(直径)を、ウエハWの直径に比較して約6mm小さくし、セラミックリング30の外縁がウエハWの外縁よりも約1mm内側に位置するようにした。フォーカスリング24は、内周側(電極18側)の段差部24aが、あらかじめ垂直方向に、前述の従来のプラズマ処理装置における寿命である1mmの3倍の3mmまで侵食されているものを、すなわち、累積RF放電時間が約900時間に相当するものを使用した。
エッチング時のプラズマ放電条件を、表3に示す。またエッチング時以外のプラズマ放電条件は表2と同等である。
Figure 0003957719
ここで、セラミックリング30を装着した場合、表1の放電条件では、ウエハの最端部から5mm程度までの領域で、表面温度が約5℃低下する。これは、従来の状態と比較して下部電極18の側面18bにプラズマが直接照射されないこと、及び、セラミックリング30とフォーカスリング24の熱伝導率の差が寄与している。特に、セラミックリング30を構成するセラミック材料(本実施例においてはアルミナ)の熱伝導率がフォーカスリング24の材料である石英のそれと比較して20倍以上あるため、ウエハ端部の冷却効果が向上する。そのため、ウエハWの表面温度を面内均一に調整する必要があり、表3に示すように、ウエハ裏面He圧力を端部のみ約3Torr下げた条件で、エッチングレートの測定を実施した。
この時のフーカスリング24に対する累積RF放電時間の経過に伴う二酸化シリコンエッチングレートの変化を、図7に示す。図7に示すとおり、垂直方向の侵食量が3mmのフォーカスリング24をさらに400時間使用しても、0.30μmホールのエッチングレートは変動しなかった。このことから、セラミックリング30を装着することにより、フォーカスリング24の侵食量に係らず、ウエハW表面温度を常に面内均一に保つことができ、エッチングレートの安定性を確保できたことがわかる。さらに、この効果により、下部電極18の寿命延命、及びフォーカスリング24の寿命延命が実現できることが分かった。なお、セラミックリング30を装着することによって、ウエハW裏面He圧力については調整が必要であったが、それ以上の条件については、セラミックリング30を装着しない場合の条件である表1の条件と同一にすることができた。これから、セラミックリング30の装着がプラズマ特性に対して有意の影響を与えていないことが分かる。本実施例では、最初から侵食が進んだフォーカスリング24を使用しているため、セラミックリング30に対するプラズマの照射は起きる。しかし、セラミックリング30の外縁がウエハWの外縁の内側に収まっているため、ウエハWの表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子がプラズマからセラミックリング30に入射することは防止される。このため、プラズマ特性を顕著に変動させることはない。
次に、図1に示すプラズマ処理装置を使用し、図5に示すウエハWの表面のエッチング加工を実施した。なお、セラミックリング30の幅は2mmとした。また、劣化のないフォーカスリング24を二個用意し、RFの印加時間が50時間経過する毎に、メカニカルクリーニングのためにフォーカスリング24を交換しながら、ランニング試験を実施した。
プラズマ放電条件は、通常時には、表2に示すものを用いた。また、一定間隔で実施する0.30μm径エッチングレート測定時には、表3のものを用いた。
図8に、累積RF放電時間(1個のセラミックリング30を使用するとともに、2個のフォーカスリング24を交互に使用して行ったRF放電の累積時間)の経過に伴う0.30μmホール部のエッチングレートの変化を示す。このグラフから、セラミックリング30を装着することにより累積RF時間が1200時間に達した場合、すなわち各フォーカスリング24に対する累積RF時間が従来例の寿命である300時間の2倍である600時間に達した場合においても、0.30μmホール部エッチングレートは微小変動に抑えることができることが分かる。なお、本ランニング試験実施により下部電極18に損傷を与えることはなかった。本実施例においては、下部電極18とは別の部品としてセラミックリング30を用意し、使用開始時に装着した。しかし、フォーカスリング24に比較して外径が小さく、軽量であるため、装着は容易であり、装着時に下部電極側面18bのフッ化炭素系樹脂膜20aを損傷させることは無かった。また、メカニカルクリーニングの際に脱着する必要もない。
さらに、図9に、本実施例による累積RF時間(1個のセラミックリングに対する累積RF放電時間)の増大に伴うセラミックリング30の侵食量(厚さの減少量、すなわち、下部電極18の側面18bに垂直な方向の寸法の減少量)の変化を示す。より具体的には、図9には、セラミックリング30上端近傍の、最も大きく浸食される部分の浸食量を示した。このグラフから、セラミックリング30の厚みが2mmあれば、少なくとも累積RF時間1200時間では、プラズマが下部電極18の側面18bに接触するのを防止するシールド効果が十分保てることが分かる。
図9から、累積RF放電時間が300時間程度までの範囲では、下部電極18の側面18bに垂直な方向のセラミックリング30の浸食量から求めたセラミック材料の浸食速度は、約25nm/minであることが分かる。これに対して、図3から、同一の累積RF放電時間の範囲における、載置面18aに保持されたウエハWの表面に垂直な方向のフォーカスリング24の浸食量から求めた石英の浸食速度は、約56nm/minであることが分かる。従って、側面18bに垂直な方向のセラミックリング30の浸食量から求められるセラミック材料の浸食速度は、ウエハWの表面に垂直な方向のフォーカスリング24の浸食量から求められる石英の浸食速度の、約1/2以下であると言える。
図9からさらに、累積RF放電時間が増大するに従って、セラミックリング30の浸食量が飽和する傾向が見られる。すなわち、セラミックリング30の浸食速度は累積RF放電時間の増大に伴って減少する。このように、セラミックリング30の浸食速度がフォーカスリング24の浸食速度に比較して小さいことにより、フォーカスリング24が顕著に浸食された後においても、セラミックリング30の使用を長い時間にわたって継続することができる。
ここで、図3および図9に示されたデータから算出したセラミック材料および石英の浸食速度、およびその間の比率は、材料特性のみによって決まる値ではなく、プラズマ処理装置10内でのフォーカスリング24およびセラミックリング30の配置にも依存した値である。実際、下部電極18の載置面18a上に載置したウエハW表面の酸化アルミ膜のエッチング速度から求めたアルミナの浸食速度は、同じく載置面18a上に載置したウエハW表面の二酸化シリコン膜のエッチング速度から求めた石英の浸食速度の、約1/30であった。
言うまでもなく、実際のセラミックリング30の使用可能時間は、実際にプラズマ処理装置10に取り付けた状態のセラミックリング30の浸食速度によって決定される。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明のプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。例えば、上記の実施例においては、従来のプラズマ処理装置との比較のため、側面18bにフッ化炭素系樹脂膜20aの被覆を有する下部電極18を用いた。従来のプラズマ処理装置においては、フォーカスリング124の浸食が進むと下部電極の側面118bがプラズマにさらされるため、樹脂の中では高いプラズマ耐性を有するフッ化炭素系樹脂膜が、側面118bを被覆するために利用される。しかし、本発明のプラズマ処理装置10においては、セラミックリング30によって、フォーカスリング24の侵食が進んだ場合においても下部電極18の側面18bにプラズマが接触することを防止できる。このため、側面18bの被覆のためにフッ化炭素系以外の様々な樹脂膜を利用することが可能である。さらに、樹脂膜20aを設けなくても、設けた場合と同様の、フォーカスリング24および下部電極18の寿命を実現することができる。
上記実施例ではフッ化炭素系樹脂により成る静電チャック20を備えた下部電極18を利用した。しかし、セラミックにより成る静電チャックを備えた下部電極18を有するプラズマ処理装置においても同様に適用可能である。この場合にも、フッ化炭素系樹脂により成る静電チャックを設ける場合と同様に、下部電極側面18bのセラミックによる被覆は必須ではない。しかし、側面18bのセラミック被覆を設けた場合には、セラミックリング30によって、フォーカスリング24の侵食が進んだ場合においても下部電極18の側面18bのセラミック被覆にプラズマが接触することを防止できる。さらに、下部電極の側面18bに直接形成するセラミック被覆とは異なり、セラミックリング30は、下部電極18とは別の部品として用意されるため、消耗が進んだ場合には新品に交換することができる。従って、下部電極側面18bのセラミック被覆の寿命を飛躍的に延長することができる。
上記実施例においては、高さ方向(下部電極側壁18bに沿う方向)の全体において一定の厚さ(下部電極の側壁18bに対して垂直な方向の寸法)を有するセラミックリング30を利用した。従って、セラミックリング30の全体が載置面18aに載置されたウエハWの外縁内に位置する。しかしながら、本発明においては、これ以外の様々な形状のセラミックリング30を利用することができる。例えば、特許文献3に示されたアルミナリングのように、フォーカスリング24の下において外側に広がる形状を持つことも可能である。セラミックリング30のこのように広がった部分に対しても、フォーカスリング24がその厚さの全体にわたって浸食されない限り、被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が入射することは無い。従って、セラミックリング30の広がった部分がプラズマ特性に影響を与えることはない。
このように、セラミックリング30の一部分が被処理基板の外縁の外側にあることも、フォーカスリング24もしくはその他の構成部品によって、その部分への加速された荷電粒子の照射が防止されるのであれば、許容される。すなわち、セラミックリング30の、フォーカスリング24もしくはその他の部品が消耗した場合に加速された荷電粒子の照射を受ける部分の外縁が、被処理基板Wの外縁と略一致するか、内側にあれば、それ以外の部分が被処理基板Wの外縁の外側にあることは許容される。
本発明に係るプラズマ処理装置の一実施形態の概略構成を示す断面図である。 図1に示すプラズマ処理装置において、セラミックリングを配置した下部電極とフォーカスリングとの関係を表す拡大図である。 従来のプラズマ処理装置において、フォーカスリングの侵食量と累積RF放電時間の関係を示したグラフである。 従来のプラズマ処理装置において、ウエハ端部の温度とフォーカスリングに対する累積RF放電時間の関係を示したグラフである。 処理対象のウエハWの構造を示した縦断面図である。 従来のプラズマ処理装置において、ウエハ端部での二酸化シリコン膜のエッチングレートとフォーカスリングに対する累積RF放電時間の関係を示したグラフである。 本発明のプラズマ処理装置において、二酸化シリコンエッチングレート(ウエハ端部)とフォーカスリングに対する累積RF放電時間との関係を示したグラフである。 本発明のプラズマ処理装置において、ウエハ端部での二酸化シリコン膜のエッチングレートと累積RF時間の関係を示したグラフである。 セラミックリングの侵食量とセラミックリングに対する累積RF放電時間の関係を示したグラフである。 従来のプラズマ処理装置において、プラズマによる侵食を受けていないフォーカスリングと下部電極の関係を表す拡大図である。 従来のプラズマ処理装置において、プラズマに侵食されたフォーカスリングと下部電極の関係を表す拡大図である。
符号の説明
10 プラズマ処理装置
12 処理チャンバ
14 ガス導入口
16 上部電極
18,118 下部電極
20,120 静電チャック
22 シールドリング
24,124 フォーカスリング
26 RFパワースプリッター
28 RF電源
30 セラミックリング
W ウエハ
H ホールパターン
M フオトレジストマスクパターン
S1 Si基板
S2 二酸化シリコン膜

Claims (9)

  1. 置面と、該載置面の外縁に連なる側面とを備えた下部電極を有し、該載置面に載置した被処理基板の表面をプラズマによって処理するプラズマ処理装置であって、
    前記載置面に載置された被処理基板の周囲を覆う、第1の材料からなるフォーカスリングと、
    前記下部電極の側面を覆う、前記第1の材料とは異なるセラミック材料からなり、その外縁が、前記載置面に載置した被処理基板の外縁の内側に位置する、側面保護リングとを備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記第1の材料と前記セラミック材料とが、異なる2次電子放出係数を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記プラズマによる前記セラミック材料の浸食速度が、前記第1の材料の浸食速度に比較して低いことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記セラミック材料がアルミナであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記第1の材料が石英であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 載置面と、該載置面の外縁に連なる側面とを備えた下部電極の、該載置面に載置された被処理基板の表面を、該被処理基板の表面が面する空間にプラズマを生成することにより処理する方法であって、
    前記被処理基板の周囲を第1の材料からなるフォーカスリングで覆うとともに、
    前記下部電極の側面を、外縁が、前記載置面に載置した被処理基板の外縁の内側に位置するように、前記第1の材料とは異なるセラミック材料からなる側面保護リングで覆い、
    前記側面保護リングによって、前記プラズマが前記下部電極の側面に接触することを防止するとともに、
    前記被処理基板によって、該被処理基板の表面に対して垂直な方向に加速された荷電粒子が前記プラズマから前記側面保護リングに入射することを防止することを特徴とするプラズマ処理方法。
  7. 前記プラズマによる前記フォーカスリングの浸食が進む以前においては、前記被処理基板および前記フォーカスリングによって、前記プラズマが前記側面保護リングに接触することを防止し、
    前記プラズマによる前記フォーカスリングの侵食が進み、前記被処理基板およびフォーカスリングによって前記プラズマが前記側面保護リングに接触することを防止できなくなった後においても、前記側面保護リングによって前記プラズマが前記側面に接触することを防止することを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  8. 前記側面保護リングの外縁を、前記載置面に載置した被処理基板の外縁の内側に位置させることを特徴とする請求項6または7に記載のプラズマ処理方法。
  9. 前記被処理基板が半導体基板であり、前記処理が、フロロカーボン系プラズマを用いた前記半導体基板の表面の絶縁膜のエッチングであることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
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