各種実施例において、プラズマ処理システムに使用される焦点リングを示す。しかしながら、当業者には、1もしくは2以上の特定の細部を除いた各種実施例、または他の置換物および/もしくは追加の方法、材料もしくは部材を有する各種実施例が実施可能であることが認識される。別の例では、本発明の各種実施例の態様が曖昧になることを避けるため、良く知られた構造、材料、もしくは動作は、示されておらず、あるいは詳細に示されている。同様に、本発明の全体の理解を提供するため、説明の目的で、特定の符号、材料、および構造が示されている。しかしながら、本発明は、特定の細部を除いて実施されても良い。また、図面に示された各種実施例は、一例であって、必ずしもスケールは示されていないことが理解される。
明細書全体において、「ある実施例」または「一つの実施例」という用語は、その実施例に関して記載された特定の特徴、構造、材料または特性が本発明の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味するが、これらが各実施例に存在することを意味するものではない。従って、本明細書の各場所の「ある実施例」または「一つの実施例」という用語は、必ずしも本発明の同じ実施例を表しているとは限られない。また、1または2以上の実施例において、特定の特徴、構造、材料または特性は、いかなる適当な態様で組み合わされても良い。各種追加層および/または構造は、他の実施例において含まれても良く、他の実施例において排除されても良い。
材料処理方法において、パターンエッチング処理は、基板の上部表面に、フォトレジストのような放射線感応材料の薄膜層を設置するステップを有する。これは、その後、パターン化され、エッチングの間、下地の薄膜層に、この特徴的パターンを転写するマスクが提供される。放射線感応材料のパターン化処理は、通常、例えば、マイクロリソグラフィーシステムを使用して、電磁(EM)放射線の幾何パターンに、リソグラフィー層を露出するステップを有し、その後、放射線感応材料の放射された領域が除去され(ポジのフォトレジストの場合)、あるいは現像溶媒を用いて、非放射領域が除去される(ネガフォトレジストの場合)。
プラズマ処理では、焦点リングは、例えば、基板ホルダ上の基板を取り囲むように構成され、基板の周囲端部に対して、処理化学物の特性が局部的に調整および/または制御される。従来のプラズマ処理システムの場合、焦点リングは、例えば酸化物エッチング用のシリコンのリングを有し、これは、基板ホルダの上部に配置され、基板の周囲を取り囲む。他の従来のプラズマ処理システムの場合、焦点リングは、例えばシリコンエッチング用の石英のリングを有し、これは、基板ホルダの上部に配置され、基板の周囲を取り囲む。しかしながら、本願発明者らは、従来の材料で調製された焦点リングでは、基板に不均一なプラズマ処理結果が生じることを観測した。例えば、臨界寸法(CD)バイアスは、基板にわたって変化することが観測されているが、これは、装置歩留まりの低下により許容することはできない。
従って、ある実施例では、プラズマエッチングシステムに使用される高抵抗率の炭化珪素焦点リングが開示される。焦点リングは、上部表面と、底部表面と、内側半径方向端部と、外側半径方向端部とを有し、プラズマ処理システムにおいて、基板ホルダ上の基板を取り囲むように構成される。焦点リングは、高抵抗率の炭化珪素を有し、この炭化珪素は、約100Ωcm以上の抵抗率を有する。
図1には、ある実施例によるプラズマ処理システム1が示されている。このシステムは、プラズマ処理チャンバ10、上部組立体20、電極板組立体24、基板35を保持する基板ホルダ30、および真空ポンプ(図示されていない)に結合され、プラズマ処理チャンバ10に減圧雰囲気11を提供する排気ダクト40を有する。プラズマ処理チャンバ10は、基板35と隣接する処理空間12において、処理プラズマを形成するように構成される。プラズマ処理システム1は、200mm基板、300mm基板、またはそれ以上の基板など、いかなる寸法の基板を処理するように構成されても良い。例えば、プラズマ処理システム1は、プラズマエッチングシステムを有しても良い。
示された実施例では、電極板組立体24は、電極板26(図1)、および電極28(図1)を有する。別の実施例では、上部組立体20は、少なくとも一つのカバー、気体注入組立体、および上部電極インピーダンス整合ネットワークを有する。電極板組立体24は、RF発生器のような、無線周波数(RF)エネルギー源に結合される。別の代替実施例では、上部組立体20は、電極板組立体24に結合されたカバーを有し、電極板組立体24は、プラズマ処理チャンバ10と等価な電位に保持される。例えば、プラズマ処理チャンバ10、上部組立体20、および電極板組立体24は、グラウンド電位に電気的に接続されても良い。
プラズマ処理チャンバ10は、さらに、成膜シールド14に結合された光学的な視点16有しても良い。光学的視点16は、光窓17を有し、この光窓は、光窓成膜シールド18の背面に結合される。また、光窓フランジ19は、光窓17を光窓成膜シールド18に結合するように構成されても良い。光窓フランジ19と光窓17の間、光窓17と光窓成膜シールド18の間、さらに光窓成膜シールド18とプラズマ処理チャンバ10の間には、Oリングのようなシール部材が提供されても良い。光学的視点16により、処理空間12内での処理プラズマからの光学的放射を監視することが可能になる。
基板ホルダ30は、さらに、垂直並進装置50を有しても良く、この装置は、基板ホルダ30およびプラズマ処理チャンバ10に結合された、ベローズ52によって取り囲まれ、プラズマ処理チャンバ10内の減圧雰囲気11から、垂直並進装置50をシールするように構成される。また、基板ホルダ30に、ベローズシールド54が結合されても良く、このベローズシールド54は、処理プラズマからベローズ52を保護するように構成される。基板ホルダ30は、さらに、焦点リング60を有し、任意で、シールドリング62を有しても良い。さらに、バッフル板64が基板ホルダ30の周囲に延在しても良い。焦点リング60は、高抵抗率の炭化珪素を有し、この炭化珪素は、約100Ωcm以上の高い抵抗率を有する。
基板35は、ロボット基板移動システムにより、スロットバルブ(図示されていない)およびチャンバ貫通孔(図示されていない)を介して、プラズマ処理チャンバ10内に、またはプラズマ処理チャンバ10から移動される。これは、基板ホルダ30内に収容された基板リフトピン(図示されていない)によって受容され、そこに収容された装置によって機械的に移動される。一度基板移動システムから基板35が除去されると、基板は、基板ホルダ30の上部表面にまで下げられる。
基板35は、静電クランプシステムのような、電気的クランプシステムまたは機械的クランプシステムを介して、基板ホルダ30に固定されても良い。また、基板ホルダ30は、さらに、再循環冷却剤流を含む冷却システムを有しても良く、この再循環冷却剤流は、基板ホルダ30からの熱を受容し、熱交換器システム(図示されていない)に熱を輸送し、あるいは加熱の際に、熱を熱交換器システムから輸送する。また、背面気体システム(図示されていない)を介して、基板35の背面に気体が供給され、基板35と基板ホルダ30の間の、気体ギャップ熱コンダクタンスが改善されても良い。そのようなシステムは、昇温または降温のような、基板の温度制御が必要となったときに利用されても良い。別の実施例では、抵抗加熱素子、または熱電ヒータ/クーラのような加熱素子を導入しても良い。
図1に示した実施例では、基板ホルダ30は、電極を有し、この電極を介して、処理空間12において処理プラズマにRFパワーが結合される。例えば、基板ホルダ30は、RF発生器(図示されていない)からインピーダンス整合ネットワーク(図示されていない)を通り、基板ホルダ30までのRFパワーの送信を介して、RF電圧で電気的にバイアス化される。RFバイアスは、電子を加熱して、プラズマを形成、維持するように機能しても良い。この構成では、システムは、反応性イオンエッチング(RIE)反応器として作動され、チャンバおよび上部気体注入電極は、グラウンド表面として機能する。RFバイアス用の典型的な周波数は、約1MHzから約100MHzの範囲であり、例えば約13.56MHzである。プラズマ処理用のRFシステムは、当業者には良く知られている。
あるいは、処理空間12における処理プラズマは、平行板、容量結合性プラズマ(CCP)源、誘導結合性プラズマ(ICP)源、これらのいかなる組み合わせ、および磁気システムを有するものまたは有さないもの、を用いて形成されても良い。あるいは、処理空間12内の処理プラズマは、電子シクロトロン共振器(ECR)を用いて形成されても良い。さらに別の実施例では、処理空間12内の処理プラズマは、ヘリコン波の放射で形成されても良い。さらに別の実施例では、処理空間12内の処理プラズマは、伝播する表面波から形成されても良い。
図2A(上面図)および図2B(断面図)に示された実施例を参照すると、これらの図には、焦点リング600が示されている。焦点リング600は、上部表面603、下部表面604、内側半径方向端部601、および外側半径方向端部602を有するリングを形成する。
焦点リング600は、高抵抗率の炭化珪素を有し、この炭化珪素は、約100Ωcm以上の抵抗率を有する。また、炭化珪素の抵抗率は、1000Ωcm以上であっても良い。あるいは、炭化珪素の抵抗率は、約100Ωcmから約106Ωcmの範囲であっても良い。
焦点リング600は、高抵抗率の炭化珪素を有し、この炭化珪素は、約50℃から約200℃の温度範囲で、約100Ωcm以上の抵抗率を有する。例えば、温度は、約150℃であっても良い。また、炭化珪素の抵抗率は、約50℃から約200℃の温度範囲(例えば、温度約150℃)で、1000Ωcm以上であっても良い。また、炭化珪素の抵抗率は、約50℃から約200℃の温度範囲(例えば温度約150℃)において、約100Ωcmから約106Ωcmの範囲であっても良い。低抵抗率の炭化珪素は、約150℃の温度で、約10Ωcm未満の抵抗率を有すると考えられる。
焦点リング600は、高抵抗率の炭化珪素を有する。あるいは、焦点リング600は、実質的に高抵抗率の炭化珪素を有しても良い。あるいは、焦点リング600は、高抵抗率の炭化珪素で構成されても良い。
焦点リング600は、蒸気成膜された高抵抗率の炭化珪素を有しても良い。例えば焦点リング600は、化学蒸気成膜された高抵抗率の炭化珪素を有しても良い。あるいは、焦点リング600は、焼結された高抵抗率の炭化珪素を有しても良い。焦点リング600の製造は、さらに、機械加工、平坦化、研削処理、研磨処理、コーティング処理、レーザ切断処理、ウォータジェット処理等を有しても良い。
焦点リング600は、複数の層を有しても良く、複数の層の少なくとも一つは、高抵抗率の炭化珪素を有する。また、焦点リング600は、上部表面603、底部表面604、内側半径方向端部601、および外側半径方向端部602の少なくとも一つに設置された、コーティングを有しても良い。コーティングは、シリコン含有コーティング、またはセラミックコーティングを有しても良い。例えば、コーティングは、蒸気成膜されたコーティングまたはスプレーコーティングを有しても良い。また、例えば、コーティングは、III族元素とランタノイド元素のうちの少なくとも一つを有しても良い。コーティングは、Al2O3、イットリア(Y2O3)、Sc2O3、Sc2F3、YF3、La2O3、CeO2、Eu2O3、およびDyO3のうちの少なくとも一つを有しても良い。スプレーコーティングを設置する方法は、材料表面処理の当業者には良く知られている。
焦点リング600は、約0.5から約10mmの範囲の厚さを有する。また、厚さは、約1mmから約5mmであり、あるいは厚さは、約1mmであっても良い。
焦点リング600は、該焦点リング600を基板ホルダ上の中心に配置するように構成された、センタリング特徴部を有しても良い。例えば、センタリング特徴部は、外側半径方向端部602に形成されたノッチまたは平坦部を有しても良く、これは、基板ホルダに形成された同様の特徴部と適合するように構成される。また、図2Bに示すように、焦点リング600は、内側半径方向端部601に形成された段差610を有し、基板625と接近、整合するように構成されても良い。
焦点リング600は、さらに、1または2の摩耗表示器を有しても良く、この表示器は、上部表面603または底部表面604の少なくとも一つに結合される。例えば、1または2以上の摩耗表示器は、上部表面603に形成され、上部表面603からある深さまで延伸するブラインド孔を有しても良い。この深さは、上部表面503と底部表面604の間の距離の一部を有する。また、例えば、1または2以上の摩耗表示器は、底部表面604に形成され、底部表面604から深さ方向に延伸するブラインド孔を有しても良い。この深さは、上部表面603と底部表面604の間の距離の一部を有する。各摩耗表示器は、一定の長さおよび幅を有しても良い。あるいは、各摩耗表示器は、異なる長さおよび/または異なる幅を有しても良い。あるいは、各摩耗表示器は、長さとともに変化する幅を有しても良い。焦点リング600が侵食されると、ブラインド孔のサイズが変化する。
焦点リング600の侵食の程度を定める際に、視覚的表示器が利用されても良い。例えば、図1の光窓17で示したような光窓から、焦点リング600をモニターしたまま、動作間(from run-to-run)で観測を行うことができる。
また、各摩耗表示器は、焦点リング600の異なる半径位置に配置され、焦点リング600の消耗における半径方向の変化を観測しても良い。あるいは、各摩耗表示器は、焦点リング600の異なる角度位置に配置され、焦点リング600の消耗における角度位置の変化を観測しても良い。摩耗表示器は、約1mmから約5mmの範囲の全長を有しても良い。あるいは、全長は、約0.25mmから約1mmの範囲であっても良く、または全長は、約0.5mmであっても良い。あるいは、摩耗表示器は、焦点リング600の厚さの約10%から約90%の範囲の割合であっても良い。あるいは、焦点リングの厚さの割合は、約25から約75%の範囲の割合を有しても良い。または焦点リングの厚さの割合は、約50%であっても良い。1または2以上の摩耗表示器は、例えば、機械加工、エッチング処理、レーザミル処理、および超音波ミル処理の少なくとも一つを用いて、製造されても良い。
図4を参照すると、この図には、パターン転写処理を実行する方法の一例が示されている。この方法は、フローチャート500を含み、基板上に薄膜スタックを形成するステップ510で開始される。薄膜スタックは、ポリシリコン層、該ポリシリコン層(多結晶シリコン)上に形成されたハードマスク層、該ハードマスク層上に形成された抗反射コーティング(ARC)層、およびARC層上に形成された放射線感応層を有しても良い。例えば、薄膜スタックは、ゲートスタックの形成を容易にする。
ステップ520では、リソグラフィープロセスを用いて、放射線感応マスク層にパターンが形成される。放射線感応マスク層は、レジストを有しても良い。例えば、レジストは、248nm(ナノメートル)のレジスト、193nmのレジスト、157nmのレジスト、EUV(極紫外)レジスト、または電子感応レジストを有しても良い。放射線感応層は、トラックシステムを用いて形成されても良い。例えば、トラックシステムは、クリーントラックACT8、ACT12、またはリチウスレジストコーティングと、東京エレクトロン株式会社(TEL)の市販の現像システムとを有しても良い。基板にフォトレジスト膜を形成する他のシステムおよび方法は、スピンオンレジスト技術の当業者には良く知られている。乾式または湿式の光リソグラフィシステムにおいて、あるいは電子ビームリソグラフィシステムにおいて、電磁(EM)放射線の露光を行っても良い。
ステップ530では、放射線感応マスク層の横方向の寸法が、必要に応じてトリム処理される。トリム処理は、乾式エッチング処理または湿式エッチング処理のような、エッチングプロセスを有する。乾式エッチング処理は、乾式プラズマエッチング処理、または乾式非プラズマエッチング処理を有しても良い。例えば、トリム調整は、初期成分としてフッ化炭素ガスと、酸素含有ガスとを含む処理ガスを導入して、パターンをトリミングするステップと、処理ガスからプラズマを形成し、このプラズマを基板に暴露するステップと、を有する。
ステップ540では、トリム処理されたパターンは、ARC層に転写される。パターン転写プロセスは、乾式エッチング処理、または湿式エッチング処理のような、第1のエッチング処理プロセスを有しても良い。乾式エッチング処理は、乾式プラズマエッチング処理、または乾式非プラズマエッチング処理を有する。例えば、第1のエッチング処理プロセスは、初期成分として、フッ化炭素ガスと酸素含有ガスとを含む処理ガスを導入することにより、パターンを転写するステップと、この処理ガスからプラズマを形成し、このプラズマを基板に暴露するステップとを有しても良い。トリム処理されたパターンをARC層に転写する第1のエッチング処理は、パターンのトリミングと同時に実行されても良い。また、ARC層へのトリム処理されたパターンの転写に続いて、必要に応じて、ARC層上でオーバーエッチング処理が行われても良い。
ステップ550では、乾式エッチング処理または湿式エッチング処理のような、第2のエッチング処理プロセスを用いて、トリム処理されたパターンがハードマスク層に転写される。乾式エッチング処理プロセスは、乾式プラズマエッチング処理、または乾式非プラズマエッチング処理を有する。例えば、第2のエッチング処理プロセスは、初期成分として、1または2以上のフッ化炭素ガスを含む処理ガスを導入するステップと、処理ガスからプラズマを形成し、このプラズマを基板に暴露させるステップとを有する。
ステップ560では、乾式エッチング処理または湿式エッチング処理のような、第3のエッチング処理プロセスを用いて、ポリシリコン層にトリム処理されたパターンが転写される。乾式エッチング処理プロセスは、乾式プラズマエッチング処理、または乾式非プラズマエッチング処理を有しても良い。例えば、第3のエッチング処理プロセスは、例えば、HBr含有プラズマ化学物のような、ハロゲン含有プラズマ化学物を用いた、1または2以上のエッチングステップを有する。1または2以上のエッチングステップは、第1の主要エッチングステップと、第2の主要エッチングステップと、オーバーエッチングステップとを有しても良い。
トリム処理、第1のエッチング処理、第2のエッチング処理、第3のエッチング処理、およびオーバーエッチング処理は、プラズマ処理システム内で実施されても良い。プラズマ処理システムは、図1に示したような、各種素子を有する。
ある実施例では、基板にわたる処理特性の変動が抑制された、基板にパターン転写処理を行う方法が提供される。例えば、一連のプロセスステップの処理パラメータ空間は、約1から約1000mtorr(1torr)(例えば約10mtorから約150mtor)のチャンバ圧力、約1から約1000sccmの範囲の処理ガス流速、約0から約2000Wの範囲の上部電極RFバイアス、および約10から約2000Wの範囲の底部電極RFバイアスを有する。また、上部電極バイアス周波数は、約0.1MHzから約200MHzの範囲、例えば60MHzである。また、底部電極バイアス周波数は、約0.1MHzから約100MHzの範囲、例えば2MHzである。
ある例では、パターン転写処理における臨界寸法(CD)バイアスの変動を抑制する方法が提供される。表1には、低抵抗率の炭化珪素ベース層を有する石英(QTZ)焦点リング(F/R)における、処理ステップおよびパラメータが示されている。また、表2には、高抵抗率(H.R.)の炭化珪素(SiC)F/Rにおける、処理ステップおよびパラメータが示されている。
表1および表2は、パターン転写処理法の処理条件を提供し、これには、トリム/ARCパターン転写ステップ(例えば、図8のステップ530、540)、ARCオーバーエッチングステップ、ハードマスクパターン転写ステップ(例えば図8のステップ550)、およびポリシリコンパターン転写ステップ(例えば、図8のステップ560)が含まれる。ポリシリコンパターン転写ステップは、第1のポリシリコンエッチングステップ、第2のポリシリコンエッチングステップ、およびオーバーエッチングステップを含む。各ステップにおいて、圧力(P)、RFパワー(上部電極UELに結合されたもの、および底部電極LELに結合されたもの、単位、ワット)、各プロセス成分の流速(標準立方cm/分、sccm)、中心(C)および端部(E)の基板背面圧力(E.P.)(torr)、ならびにUEL(T)、チャンバ壁(W)、基板ホルダ中心(B)、およびエッジ(E)の設定温度が示されている。
表1、2に示したパターン転写プロセスは、それぞれ、石英F/R、およびH.R. SiC F/Rで行われたものである。CDバイアス(すなわち、初期CDと最終CDの間の差異)は、両F/Rでほぼ等しい。例えば、石英F/Rの場合、緻密構造(例えば密集構造)では、CDバイアスは、25.6nmであり(3σ=3.5nm)、分離構造(例えば広い離間構造)では、CDバイアスは、25.5nm(3σ=3.2nm)である。また、例えば、H.R. SiC F/Rでは、緻密構造(例えば密集構造)の場合、CDバイアスは、26.9nm(3σ=2.6nm)であり、分離構造(例えば広い離間構造)では、CDバイアスは、26.4nm(3σ=3.0nm)である。
しかしながら、基板にわたるCDバイアスの変化は、異なるF/R組成で、大きく異なっている。ここで、図3Aおよび3Bを参照すると、緻密構造および分離構造のそれぞれの場合について、基板の中心からの距離(mm)の関数として、CDバイアス(A、オングストローム)が提供されている。図3A、3Bの双方において明らかなように、発明者等は、CDバイアス変動が、特に基板の端部で抑制されることを観測した。例えば、石英F/Rの場合、変化は、150A程度とおおきくなっている。この変化は、高抵抗率の炭化珪素F/Rを利用した場合、実質的に抑制される。また、本願発明者らは、H.R. SiC F/Rの使用により、QTZ F/Rに比べて、粒子発生が抑制されることを観測した。
以上、本発明のある実施例についてのみ詳細に説明したが、本発明の示唆および利点から実質的に逸脱しないで、実施例において、多くの変形が可能であることは、当業者には明らかである。従って、そのような全ての変形は、本発明の範囲に属すると解される。