JP5331256B2 - スパークプラグ及びその組付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等の燃焼装置に使用されるスパークプラグ、及び、スパークプラグが燃焼装置に取付けられてなるスパークプラグの組付構造に関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)等の燃焼装置に組付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、前記軸孔の先端側に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、基端部が主体金具の先端部に接合され、先端部が中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備えている。また、主体金具には、スパークプラグを燃焼装置に組付けるための雄ねじ部が形成され、雄ねじ部のねじ首には中実環状のガスケットが取付けられることがある(例えば、特許文献1等参照)。スパークプラグを燃焼装置に組付けたときには、前記ガスケットにより、スパークプラグ(主体金具)と燃焼装置との間における気密性の確保が図られる。
ところで、スパークプラグを燃焼装置に組付けた状態において、例えば、燃料噴射装置と火花放電間隙との間に接地電極が存在するような位置関係でスパークプラグが組付けられてしまうと、噴射された燃料が接地電極の背面に当たってしまう。そのため、接地電極の存在によって火花放電間隙への混合気の供給が阻害されてしまい、着火性が低下してしまうおそれがある。そこで、主体金具先端部のうち接地電極の固定された部位に対する、雄ねじ部のねじ山の相対的な形成位置を、燃焼装置の取付孔に形成された雌ねじ部の切り始めの位置等に対応した位置とすることで、スパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対して接地電極が一定の位置に配置されるようにすることが考えられる。
特開2008−135370号公報
しかしながら、雄ねじ部のねじ山を主体金具先端部(接地電極)に対して所定の相対位置に形成し、かつ、スパークプラグを燃焼装置に対して所定の締付トルクにて組付けた場合でも、ガスケットと燃焼装置との間に生じる摩擦力等の影響によって、燃焼室に対して主体金具先端部(接地電極)を一定の位置に配置することができないおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、スパークプラグを燃焼装置に組付けた際に、燃焼室に対する主体金具先端部(接地電極)の相対位置を精度よく合わせることが可能なガスケットを有するスパークプラグ、及び、スパークプラグが燃焼装置に対して組付けられてなるスパークプラグの組付構造を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、軸線に沿って延びる筒状の主体金具と、
前記主体金具の外周に設けられた金属製で中実環状のガスケットとを備え、
前記主体金具は、
自身の先端側外周に形成された雄ねじ部と、
前記雄ねじ部よりも後端側に形成され、径方向外側に膨出する座部とを有し、
前記ガスケットは、前記雄ねじ部のねじ径よりも内径が小さくされ、前記雄ねじ部及び前記座部の間に設けられたスパークプラグであって、
前記ガスケットの先端面は、径方向外側から径方向内側に向けて前記軸線方向後端側へと傾斜する傾斜部を有しており、
前記軸線に沿った前記ガスケットの厚さを2.0mm以下とし、
前記傾斜部の最外周部分と最内周部分との間の前記軸線に沿った距離を0.02mm以上0.12mm以下とし、
前記ガスケットのビッカース硬度を60Hv以上としたことを特徴とする。
尚、「軸線に沿ったガスケットの厚さ」とあるのは、次の基準点を通るガスケットの軸線に沿った厚さをいう。すなわち、基準点とあるのは、軸線を含む断面において、ガスケットの外側面の最外周部からガスケットの内側面まで軸線と直交方向に沿って線分を引くとともに、当該線分の三等分点を取ったとき、この三等分点のうち外周側に位置する点をいう。また、「ガスケットのビッカース硬度」とあるのは、軸線を含む断面において、ガスケットの後端面から先端面までの間に、軸線に沿って延びるとともに、前記基準点を通過する線分を引いたときに、当該線分の中点に位置する部分の硬度をいう。すなわち、「ガスケットの厚さ」や「ガスケットの硬度」を測定する部位は、後述する構成4の溝部の形成位置から十分に離間した部位であり、局所的に薄い部位や、溝部形成時の加工に伴い硬化が生じ得る部位などを除いた部位である。
さらに、ガスケットの先端面の外周側に傾斜部が形成されるとともに、後述する構成2のように、当該傾斜部とガスケットの外側面との間が湾曲面状に形成されている場合、「傾斜部の最外周部分」とあるのは、前記傾斜部を外周側に向けて延ばした仮想面と、ガスケットの外側面を軸線方向先端側に向けて延ばした仮想面とが交わる部分をいう。また、傾斜部とガスケットの内側面(又は、溝部の外周壁面)との間が湾曲面状に形成されている場合、「傾斜部の最内周部分」とあるのは、傾斜部を内周側に向けて延ばした仮想面と、ガスケットの内側面(又は、溝部の外周壁面)を軸線方向先端側に向けて延ばした仮想面とが交わる部分をいう。
上記構成1によれば、ガスケットの先端面には、径方向外側から径方向内側に向けて後端側へと傾斜する傾斜部が設けられており、傾斜部の最外周部分と最内周部分との間の軸線に沿った距離が0.02mm以上とされている。従って、スパークプラグを燃焼装置に組付ける際に、傾斜部の外周部分のみが燃焼装置の座面に接触してくさび効果が生じることとなり、ひいては前記座面に対するガスケットの滑りを抑制することができる。その結果、前記座面からアルミ粉等の金属粉が生じてしまうことを効果的に抑制でき、ガスケットの先端面と燃焼装置の座面との間における摩擦状態の安定化を図ることができる。
また、上記構成1によれば、傾斜部の前記距離が0.12mm以下とされ、かつ、ガスケットの厚さが2.0mm以下とされている。従って、所定の締付けトルクでスパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、ガスケットの傾斜部(反り)を前記座面に沿うようにしてより確実に変形(矯正)させることができる。
以上のように、上記構成1によれば、ガスケットを比較的容易に変形可能としつつ、ガスケットの先端面と燃焼装置の座面との間における摩擦状態の安定化を図ることができる。その結果、所定の締付トルクでスパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対する主体金具先端部の相対位置を精度よく合わせることができ、ひいては燃焼室に対して接地電極をより確実に一定の位置に配置することができる。
さらに、上記構成1によれば、ガスケットの硬度が60Hv以上とされている。従って、燃焼装置の使用時などにおいてガスケットが高温となった際に、ガスケットの熱変形を効果的に抑制することができ、スパークプラグの緩みをより確実に防止することができる。その結果、燃焼室内における気密性の低下をより確実に防止できるとともに、精度よく位置合わせされた状態〔燃焼室に対する接地電極(主体金具先端部)の相対位置関係〕を長期間に亘って維持することができる。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記ガスケットの先端面と外側面との間には、凸状の湾曲面部が形成されており、
前記軸線を含む断面において、前記湾曲面部の曲率半径を0.2mm以下としたことを特徴とする。
尚、湾曲面部の曲率半径は必ずしも一定でなくてもよい。曲率半径が一定でない場合、「湾曲面部の曲率半径」とあるのは、軸線を含む断面における、ガスケットの外側面及び湾曲面部の境界点と、ガスケットの先端面及び湾曲面部の境界点と、湾曲面部の外形線上において前記両境界点の中央に位置する点とを通る仮想円の半径をいう。
上記構成2によれば、湾曲面部の曲率半径が0.2mm以下と十分に小さなものとされている。そのため、スパークプラグを燃焼装置に組付ける際に、ガスケットの湾曲面部が燃焼装置の座面に対して引っ掛かりやすくなり、前記座面に対するガスケットの滑りを一層抑制することができる。その結果、ガスケットの先端面と前記座面との間における摩擦状態の更なる安定化を図ることができ、所定の締付トルクでスパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対する接地電極の相対位置を一層精度よく合わせることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記傾斜部の外周側に、前記軸線方向先端側に向けて突出する突部を設けたことを特徴とする。
上記構成3によれば、スパークプラグを燃焼装置に組付ける際に、突部が燃焼装置の座面に対して引っ掛かりやすくなるため、前記座面に対するガスケットの滑りを一層効果的に抑制することができる。その結果、ガスケットの先端面と前記座面との間における摩擦状態の更なる安定化を図ることができ、燃焼室に対する接地電極の位置合わせ精度を一層向上させることができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記ガスケットは、前記傾斜部よりも内周側に、前記軸線を中心とした環状の溝部を有し、
前記軸線に沿った前記ガスケットの厚さを1.0mm以上としたことを特徴とする。
ガスケットの脱落を防止するためには、ガスケットの内径をねじ部のねじ径よりも小さくすることが必要である。ここで、ガスケットの内径を小さくするにあたっては、突出部を有する治具をガスケットの内周側に押し当ててガスケットに溝部を設けることで、ガスケットの内側面を径方向内側へと張り出させることが行われ得る。しかしながら、この場合、ガスケットの肉厚が十分に確保されていないと、溝部を形成する際にガスケットに割れ等の破損が生じてしまうおそれがある。
この点を鑑みて、上記構成4によれば、ガスケットの厚さが1.0mm以上と十分に厚くされているため、溝部を形成する際におけるガスケットの破損をより確実に防止することができる。その結果、歩留まりの向上を図ることができる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記ガスケットのビッカース硬度を150Hv以下としたことを特徴とする。
上記構成5によれば、溝部を形成する際に用いられる治具などの損傷を抑制することができ、加工性の向上を図ることができる。また、ガスケットが容易に変形しやすくなるため、スパークプラグを燃焼装置に組付けた際に、燃焼装置の座面に沿うようにしてガスケットをより一層確実に変形(矯正)させることができる。
構成6.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
前記接地電極は、1本の電極によって構成されることを特徴とする。
主体金具の周方向に沿って間欠的に設けられた、それぞれ等しい長さを有する3本以上の電極によって接地電極を構成する場合には、中心電極と前記複数の電極との間のそれぞれにおいて、火花放電がほぼ均等な割合で生じることとなる。従って、燃焼装置に対し、燃料噴射装置と火花放電間隙との間に、前記複数の電極のうちの1本の電極が存在するような位置関係でスパークプラグが組付けられたとしても、その他の電極と中心電極との間に形成された火花放電間隙に対しては、特段の支障なく混合気が供給されるため、着火性が極端に低下してしまうといった事態は生じにくい。
これに対して、上記構成6のように、接地電極を1本の電極によって構成し、1の火花放電間隙のみが形成される場合には、燃焼装置に対し、燃料噴射装置と火花放電間隙との間に接地電極が存在するような位置関係でスパークプラグが組付けられたときに、火花放電間隙への混合気の供給が阻害されてしまい、着火性が極端に低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成1等によれば、スパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対して接地電極をより確実に一定の位置に配置することができ、着火性の低下をより確実に防止することができる。換言すれば、上記構成1等は、接地電極が1本の電極によって構成され、1の火花放電間隙のみが形成されるスパークプラグにおいて、特に有意である。
構成7.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
前記接地電極は、
前記中心電極の先端面との間で前記火花放電間隙を形成する1本のメイン電極と、
自身の先端部が前記絶縁体の先端部又は前記中心電極の先端部側面と対向し、前記メイン電極よりも短いサブ電極とによって構成されることを特徴とする。
上記構成7のように、接地電極を、比較的長いメイン電極と、絶縁体の先端部と対向するメイン電極よりも短いサブ電極とによって構成し、主としてメイン電極と中心電極との間に形成される火花放電間隙(メイン間隙)において火花放電を生じさせ、絶縁体がカーボン等で汚損された場合などの特殊な条件下において、例外的に中心電極とサブ電極との間において火花放電を生じさせ、カーボン等を焼失させることが考えられる。また、比較的長いメイン電極と、中心電極の先端部側面と対向するメイン電極よりも短いサブ電極とによって構成し、中心電極の先端部側面と対向するサブ電極によって放電電圧の低減を図りつつ、主としてメイン電極と中心電極との間に形成される火花放電間隙(メイン間隙)において火花放電を生じさせることが考えられる。このような構成のスパークプラグは、前記メイン間隙と燃料噴射装置との間にメイン電極が存在するような位置関係で燃焼装置に組付けられてしまうと、着火性が極端に低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成1等によれば、スパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対してメイン電極をより確実に一定の位置に配置することができ、着火性の低下をより確実に防止することができる。換言すれば、上記構成1等は、接地電極が1本のメイン電極と当該メイン電極よりも短いサブ電極とによって構成されるスパークプラグにおいて、特に有意である。
構成8.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
前記接地電極は、前記軸線を挟んで対向する2本の電極によって構成されることを特徴とする。
上記構成8のように、接地電極を、軸線を挟んで対向する2本の電極によって構成することが考えられる。このような構成のスパークプラグは、前記2本の電極のうちの一方の電極、及び、中心電極間に形成される火花放電間隙(第1間隙)と、燃料噴射装置との間に前記一方の電極が存在するような位置関係で燃焼装置に組付けられてしまうと、第1間隙に加えて、前記2本の電極のうちの他方の電極と中心電極との間に形成される火花放電間隙(第2間隙)に対しても、前記一方の電極により、混合気の供給が阻害されてしまう。そのため、着火性が極端に低下してしまうことが懸念される。
この点、上記構成1等によれば、スパークプラグを燃焼装置に組付けたときに、燃焼室に対して2本の電極をより確実に一定の位置に配置することができ、着火性の低下をより確実に防止することができる。換言すれば、上記構成1等は、接地電極が軸線を挟んで対向する2本の電極によって構成されるスパークプラグにおいて、特に有意である。
構成9.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至8のいずれかにおいて、前記ガスケットの中心軸を含む断面において、前記ガスケットの断面領域における最内周部から最外周部までの前記中心軸と直交する方向に沿った幅を2.7mm以下としたことを特徴とする。
近年、スパークプラグの小型化(小径化)の要請があり、主体金具が比較的小径(例えば、雄ねじ部のねじ径がM10以下)とされ得る。このような小径の主体金具においては、比較的大径の主体金具を用いた場合と比較して、接地電極のうち主体金具に固定される側の部位が火花放電間隙に対して接近することとなる。そのため、燃料噴射口側から見たときに、接地電極により火花放電間隙の全体が隠れてしまう範囲(燃料噴射口側から火花放電間隙を見ながら、軸線を回転軸としてスパークプラグを回転させた際に、接地電極により火花放電間隙の全体が隠れてから火花放電間隙の一部が再度視認可能となるまでのスパークプラグの回転角度に相当する)が比較的大きなものとなる。すなわち、火花放電間隙に対する混合気の供給阻害を招くこととなる接地電極の配置範囲が広くなる。従って、比較的小径の主体金具を有するスパークプラグにおいては、着火性の低下がより懸念される。
この点、上記構成9のように、幅が2.7mm以下とされたガスケットを有する比較的小径のスパークプラグは、接地電極の配置位置のずれに伴う着火性の低下がより懸念されるが、上記構成1等を採用することで、このような懸念を払拭することができる。換言すれば、上記構成1等は、幅が2.7mm以下のガスケットを有し、接地電極の配置位置のずれによる着火性の低下が特に生じやすいスパークプラグにおいて、特に有意である。
構成10.本構成のスパークプラグの取付構造は、上記構成1乃至9のいずれかに記載のスパークプラグが燃焼装置の雌ねじ部に対して組付けられてなるスパークプラグの組付構造であって、
前記スパークプラグは、
前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記主体金具の先端部に固定され、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、を備え、
前記スパークプラグが前記燃焼装置に組付けられた状態において、前記燃焼装置の燃焼室の内壁面に対して前記スパークプラグの前記火花放電間隙の中心の位置が所定の相対位置に配置されるように、前記主体金具の雄ねじ部と、前記燃焼装置の雌ねじ部とを形成したことを特徴とする。
尚、「火花放電間隙の中心」とあるのは、接地電極が1本の電極によって構成される場合においては、火花放電間隙を挟んで対向する中心電極及び接地電極の両対向面のそれぞれの中心(重心)を結んだ線分の中点をいう。また、接地電極がメイン電極及びサブ電極によって構成される場合において、「火花放電間隙の中心」とあるのは、火花放電間隙を挟んで対向する中心電極及びメイン電極の両対向面のそれぞれの中心(重心)を結んだ線分の中点をいう。さらに、軸接地電極が軸線を挟んで対向する2本の電極によって構成される場合において、「火花放電間隙の中心」とあるのは、前記2本の電極のうちの一方の電極と中心電極との両対向面のそれぞれの中心(重心)を結んだ線分の中点をいう。
上記構成10の組付構造において、上記構成1等のスパークプラグを採用することで、燃焼室に対する火花放電間隙の中心の位置合わせを極めて精度よく行うことができ、位置ずれに伴う着火性の低下をより確実に防止することができる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 ガスケットの構成を示す部分拡大断面図である。 ガスケットの溝部の構成を示す図1のJ−J線断面図である。 ガスケットの別例を示す部分拡大断面図である。 ガスケットの厚さや硬度の測定位置を示すための拡大断面模式図である。 ガスケットの幅等を示すガスケットの断面図である。 燃焼装置、及び、これに組付けられたスパークプラグの構成を示す一部破断拡大正面図である。 (a),(b)は、溝部の形成過程を説明するための部分拡大断面図である。 マスタープラグの構成を示す正面図である。 マスターブッシュ及び試験ブッシュの構成を示す斜視図である。 マスタープラグのマークに基づいて、マークが付されたマスターブッシュを示す正面図である。 (a)は、マスタープラグのマークに基づいてマークの付された試験プラグを示し、(b)は、マスターブッシュのマークに基づいてマークの付された試験ブッシュを示す。 ガスケットに対するマーキングを説明するための正面図である。 試験プラグとガスケットとの間で滑りが生じた場合における、試験プラグ、及び、ガスケットのそれぞれのマークの位置関係を示す正面図である。 ガスケットの試験ブッシュとの間で滑りが生じた場合における、ガスケット、及び、試験ブッシュのそれぞれのマークの位置関係を示す正面図である。 (a),(b)は、別の実施形態におけるガスケットの構成を示す部分拡大断面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの構成を示す拡大正面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの構成を示す拡大正面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの構成を示す拡大正面図である。 別の実施形態における、スパークプラグの構成を示す拡大正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部には、先端側に向けて先細る段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿設されている。中心電極5は、熱伝導性に優れる銅や銅合金等からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部が絶縁碍子2の先端から突出している。さらに、中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金や白金合金など)からなる貴金属チップ31が設けられている。尚、貴金属チップ31を設けなくてもよい。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるための雄ねじ部15が形成されている。また、雄ねじ部15の後端側には径方向外側に膨出する鍔状の座部16が形成され、雄ねじ部15と座部16との間に位置する円筒状のねじ首17の外周にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている(ガスケット18の構成については、後に詳述する)。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面の先端側には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、両段部14,21の間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、棒状をなす接地電極27の一端が接合されている。本実施形態において、接地電極27は、1本の電極によって構成されており、自身の中間部が曲げ返されて、先端部側面が中心電極5の先端面(貴金属チップ31)と対向している。また、接地電極27は、Ni合金〔例えば、インコネル600やインコネル601(いずれも登録商標)〕によって形成された外層27Aと、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金や純銅等によって形成された内層27Bとから構成されている。さらに、中心電極5(貴金属チップ31)の先端面と接地電極27の先端部(他端部)との間には、火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33にて軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次に、本発明の特徴部分であるガスケット18の構成について説明する。
ガスケット18は、所定の熱伝導性に優れる金属(例えば、銅を主成分とする合金など)により形成されており、中実環状をなしている。また、図2に示すように、主体金具3からのガスケット18の脱落を防止すべく、ガスケット18の内径は雄ねじ部15のねじ径よりも小さくされている。
さらに、ガスケット18の先端面(軸線CL1方向先端側に位置する面)18Fには、径方向外側から径方向内側に向けて軸線CL1方向後端側へと傾斜する傾斜部18Aが形成されている。当該傾斜部18Aは、自身の最外周部分(本実施形態では、傾斜部18Aを外周側に向けて延ばした仮想面と、ガスケット18の外側面18Gを軸線CL1方向先端側に向けて延ばした仮想面とが交わる部分)と最内周部分との間の軸線CL1に沿った距離Lが0.02mm以上0.12mm以下とされている。
加えて、ガスケット18の先端面18Fのうち、前記傾斜部18Aよりも内周側には、凹状の溝部18Bが形成されている。当該溝部18Bは、軸線CL1を含む断面において、ガスケット18の占める領域を軸線CL1と直交する方向に沿って三等分したとき、最も内周側に位置する領域に形成されている。また、溝部18Bは、図3(図3は、図1のJ−J線断面図である)に示すように、軸線CL1を中心(若干ずれていてもよい)として環状に形成されている。
図2に戻り、ガスケット18の先端面18Fと外側面18Gとの間には、凸状の湾曲面部18Wが形成されているものの、ガスケット18の先端面18Fと外側面18Gとの間が角張った形状となるように、前記湾曲面部18Wの曲率半径は比較的小さくされている。具体的には、軸線CL1を含む断面において、湾曲面部18Wの曲率半径Rが0.2mm以下とされている。尚、湾曲面部18Wの曲率半径は必ずしも一定でなくてもよい。曲率半径が一定でない場合において、「曲率半径R」とあるのは、軸線CL1を含む断面における、ガスケット18の外側面18G及び湾曲面部18Wの境界点と、ガスケット18の先端面18F及び湾曲面部18Wの境界点と、湾曲面部18Wの外形線上において前記両境界点の中央に位置する点とを通る仮想円の半径をいう。また、図4に示すように、ガスケット18のうち軸線CL1方向に沿って最も先端側に位置する部位(すなわち、傾斜部18Aの外周側)に、軸線CL1方向先端側に向けて突出する環状の突部18Pを設けることとしてもよい。
さらに、本実施形態では、図5(図示の便宜上、ハッチングを省略してある)に示すように、軸線CL1に沿ったガスケット18の厚さTが、1.0mm以上2.0mm以下とされている。尚、「厚さT」とあるのは、軸線CL1を含む断面において、ガスケット18の外側面18Gの最外周部MOからガスケット18の内側面まで軸線CL1と直交する方向に沿って線分S1を引くとともに、当該線分S1の三等分点P1,P2をそれぞれ取ったとき、前記三等分点P1,P2のうち外周側の点P1を通る位置でのガスケット18の軸線CL1に沿った厚さをいう。すなわち、「厚さT」は、ガスケット18のうち、溝部18Bや湾曲面部18W等、局所的に厚さが異なり得る部位を除いた部位の厚さをいう。
併せて、本実施形態において、ガスケット18の硬度は、ビッカース硬度で60Hv以上150Hv以下とされている。尚、ガスケット18の硬度は、軸線CL1を含む断面において、ガスケット18の後端面から先端面18Fまでの間に、軸線CL1に沿って延びるとともに、前記点P1を通過する線分S2を引いたときに、当該線分S2の中点P3に位置する部分の硬度をいう。すなわち、ガスケット18の硬度は、ガスケット18のうち、溝部18Bの近傍等、硬度が大きく変動し得る部位を除いた部位の硬度をいう。
さらに、図6に示すように、ガスケット18の中心軸CL2を含む断面において、前記ガスケット18の断面領域における最内周部から最外周部までの前記中心軸CL2と直交する方向に沿った幅Wが2.7mm以下とされている。尚、ガスケット18の中心軸CL2とあるのは、ガスケット18の中心に設けられた孔部18Hのうち、軸線CL1方向先端側に位置する開口の中心と、軸線CL1方向後端側に位置する開口の中心とを結んだ直線をいう。また、本実施形態では、軸線CL1とガスケット18の中心軸CL2とが一致するように構成されている。
加えて、スパークプラグ1は、燃焼装置に組付けられて使用されるが、図7に示すように、スパークプラグ1の雄ねじ部15を燃焼装置ENの取付孔HOに形成された雌ねじ部FSに螺合した際に、燃焼室ERの内壁面IWに対する火花放電間隙33の中心の位置が所定の相対位置に配置されるように、雄ねじ部15と雌ねじ部FSとが形成されている。尚、火花放電間隙33の中心とあるのは、火花放電間隙33を挟んで対向する中心電極5(貴金属チップ31)及び接地電極27の両対向面のそれぞれの中心(重心)を結んだ線分の中点をいう。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等により概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位に雄ねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。尚、雄ねじ部15の転造にあたっては、接地電極27の接合位置に対する雄ねじ部15の切り始めの位置や切り終わりの相対位置が、燃焼装置ENの取付孔HOに形成された雌ねじ部FSの切り始めの位置等に対応して設定される。すなわち、燃焼装置ENの取付孔HOにスパークプラグ1の雄ねじ部15を螺合した際に、燃焼装置ENに対して接地電極27が一定の相対位置に配置されるように雄ねじ部15が転造される。
次いで、接地電極27の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性の向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。すなわち、例えばアルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。次いで、中心電極5の先端部に対して貴金属合金からなる貴金属チップ31がレーザー溶接等により接合される。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
次いで、主体金具3のねじ首17の外周に、ガスケット18を取付ける。まず、Cuを主成分とする圧延加工された銅合金板に対して打ち抜き加工等を施すことにより、両端面(先端面及び後端面)が平坦状をなす(つまり、傾斜部18A等が形成されていない)環状の金属板を得る。尚、得られた金属板の先端面と外側面との間の面には、前記加工に伴い若干湾曲した形状(すなわち、湾曲面部18W)や先端側に向けて突出する突部18Pが形成される。そして、図8(a)に示すように、得られた金属板MBに主体金具3を挿通し、ねじ首17の外周側に前記金属板MBを配置する。次いで、図8(b)に示すように、溝部18Bに対応する環状の突出部PRと、傾斜部18Aに対応し、外周側から内周側に向けて軸線CL1方向後端側に向けて傾斜するテーパ部TPとを有する治具JGを、軸線CL1方向に沿って所定の荷重(例えば、1.1トン〜1.8トン程度)にて前記金属板MBの先端面に押し当てる。これにより、金属板MBが、傾斜部18A及び溝部18Bを有するガスケット18に成形されるとともに、ガスケット18の内径が雄ねじ部15のねじ径よりも小さくなり、ねじ首17の外周にガスケット18が取付けられる。
次に、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5と接地電極27との間に形成された火花放電間隙33の大きさを調整することにより、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ガスケット18の先端面18Fに傾斜部18Aが設けられるとともに、傾斜部18Aの最外周部分と最内周部分との間の軸線CL1に沿った距離が0.02mm以上とされている。従って、スパークプラグ1を燃焼装置ENに組付ける際に、傾斜部18Aの外周部分のみが燃焼装置ENの座面に接触してくさび効果が生じることとなり、ひいては前記座面に対するガスケット18の滑りを抑制することができる。その結果、前記座面からアルミ粉等の金属粉が生じてしまうことを効果的に抑制でき、ガスケット18の先端面18Fと燃焼装置ENの座面との間における摩擦状態の安定化を図ることができる。
また、傾斜部18Aの前記距離Lが0.12mm以下とされ、かつ、ガスケット18の厚さTが2.0mm以下とされているため、スパークプラグ1を燃焼装置ENに組付けたときに、ガスケット18の傾斜部18A(反り)を前記座面に沿うようにしてより確実に変形(矯正)させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ガスケット18を比較的容易に変形可能としつつ、ガスケット18の先端面18Fと燃焼装置ENの座面との間における摩擦状態の安定化を図ることができる。その結果、所定の締付トルクでスパークプラグ1を燃焼装置ENに組付けたときに、燃焼室ERに対する主体金具3の先端部の軸線CL1に沿った相対位置を精度よく合わせることができ、ひいては燃焼室ERに対して接地電極27(火花放電間隙33の中心)をより確実に一定の位置に配置することができる。
併せて、湾曲面部18Wの曲率半径Rが0.2mm以下と十分に小さなものとされているため、スパークプラグ1を燃焼装置ENに組付ける際に、湾曲面部18Wが燃焼装置ENの座面に対して引っ掛かりやすくなり、前記座面に対するガスケット18の滑りを一層抑制することができる。その結果、ガスケット18の先端面18Fと前記座面との間における摩擦状態の更なる安定化を図ることができ、燃焼室ERに対する接地電極27の相対位置を一層精度よく合わせることができる。
さらに、ガスケット18の硬度が60Hv以上とされているため、ガスケット18の熱変形を効果的に抑制することができ、スパークプラグ1の緩みをより確実に防止することができる。その結果、燃焼室内における気密性の低下をより確実に防止できるとともに、精度よく位置合わせされた、燃焼室ERに対する接地電極27の相対位置を長期間に亘って維持することができる。
また、ガスケットの厚さTが1.0mm以上と十分に厚くされているため、溝部18Bを形成する際におけるガスケット18の破損をより確実に防止することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
加えて、ガスケット18の硬度が150Hv以下とされているため、溝部18Bの形成に伴う治具JGの損傷を抑制することができ、加工性を向上させることができる。
また、本実施形態のように、接地電極27を1本の電極によって構成し、1の火花放電間隙33のみが形成される場合には、燃焼装置ENに対し、燃料噴射装置と火花放電間隙33との間に接地電極27が存在するような位置関係でスパークプラグ1が組付けられたときに、火花放電間隙33への混合気の供給が阻害されてしまい、着火性が極端に低下してしまうことが懸念される。しかしながら、本実施形態によれば、スパークプラグ1を燃焼装置ENに組付けたときに、燃焼室ERに対して接地電極27をより確実に一定の位置に配置することができる。従って、着火性の低下をより確実に防止することができる。換言すれば、上述の燃焼室ERに対して接地電極27の相対位置を精度よく合わせるための構成は、接地電極27が1本の電極によって構成され、1の火花放電間隙33のみが形成されるスパークプラグ1において、特に有意である。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、傾斜部の最外周部分と最内周部分との間の軸線に沿った距離Lを種々変更したガスケットを有するスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて位置合わせ精度評価試験を行った。位置合わせ精度評価試験の概要は次の通りである。すなわち、所定の締付けトルクにてサンプルを燃焼装置を模した所定のアルミ製の試験台に組付けたとき、目標の標準位置に対する中心電極先端面の軸線CL1に沿った位置ずれ量を測定した。ここで、位置ずれ量が0.1mm未満となったサンプルは、燃焼装置に対して主体金具先端部(接地電極)の位置を精度よく合わせることができるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、位置ずれ量が0.1mm以上0.2mm未満となったサンプルは、位置合わせの精度がやや劣るとして「△」の評価を下し、位置ずれ量が0.2mm以上となったサンプルは、位置合わせの精度が劣るとして「×」の評価を下すこととした。尚、サンプルとしては、雄ねじ部のねじ径をM12とするとともに、ガスケットの幅Wを2.8mmとしたものと、雄ねじ部のねじ径をM10とするとともに、ガスケットの幅Wを2.7mmとしたものとを用意した。表1に、雄ねじ部のねじ径をM12とし、ガスケットの幅Wを2.8mmとしたサンプルにおける試験結果を示し、表2に、雄ねじ部のねじ径をM10とし、ガスケットの幅Wを2.7mmとしたサンプルにおける試験結果を示す。尚、各サンプルともに、軸線CL1に沿った主体金具の先端から中心電極の先端までの距離(突き出し量)を4mmとした。また、各サンプルのガスケットには、湾曲面部を設け、その曲率半径Rを0.1mm、又は、0.3mmとした。加えて、前記距離Lは、溝部を形成する際の治具の荷重を調節することで変更した(表1及び表2に、参考として溝部を形成した際の荷重を併せて示す)。さらに、ガスケットのビッカース硬度を80Hvとし、ガスケットの厚さTを2.0mm以下とした。
Figure 0005331256
Figure 0005331256
表1及び表2に示すように、距離Lを0.02mm未満としたサンプルは、位置ずれ量が比較的大きくなってしまい、位置合わせの精度が劣ることが分かった。これは、サンプルを試験台に組付ける際に、試験台の座面に対してガスケットの先端面が滑り、試験台からアルミ粉が生じてしまったことで、ガスケットと試験台の座面との間の摩擦状態が不安定になってしまったことによると考えられる。
また、距離Lを0.12mmよりも大きくしたサンプルにおいても、位置合わせの精度が劣ることが確認された。これは、試験台に組付けることで本来矯正されるはずのガスケットの傾斜部(反り)が、サンプルを試験台に組付けた後にも残っていたためであると考えられる。
加えて、表2に示すように、ねじ部のねじ径をM10とし、幅Wを2.7mmとしたサンプルは、距離Lを0.02mm未満としたり、距離Lを0.12mm超としたりしたときに、接地電極の位置ずれが極めて生じやすいことが分かった。
これに対して、距離Lを0.02mm以上0.12mm以下としたサンプルは、位置ずれ量が0.1mm未満となり、位置合わせの精度に優れることが明らかとなった。
次いで、ガスケットの厚さT(mm)を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、上述の位置合わせ精度評価試験を行った。表3に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、前記距離Lを0.08mmとし、ガスケットのビッカース硬度を80Hvとした。
Figure 0005331256
表3に示すように、厚さTを2.0mm超としたサンプルは、位置合わせの精度に劣ることが確認された。これは、距離Lを0.12mmよりも大きくしたときと同様に、サンプルを試験台に組付けたときに、ガスケットの傾斜部が矯正されなかったことによると考えられる。
一方で、厚さTを2.0mm以下としたサンプルは、位置合わせを精度よく行えることが明らかとなった。
以上、各試験の結果より、スパークプラグを燃焼装置に組付けた際において、スパークプラグの主体金具先端部(接地電極)を精度よく所定の位置に配置可能とすべく、傾斜部の最外周部分と最内周部分との間の軸線に沿った距離Lを0.02mm以上0.12mm以下とし、かつ、ガスケットの厚さTを2.0mm以下とすることが好ましいといえる。
また、主体金具先端部(接地電極)の位置ずれが非常に生じやすい、ガスケットの幅Wを2.7mm以下としたスパークプラグにおいて、距離Lを0.02mm以上0.12mm以下とし、かつ、厚さTを2.0mm以下とすることが特に効果的であるといえる。
次に、ガスケットの硬度を種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて緩み性評価試験を行った。緩み性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定の標準トルクTs(N・m)にて所定のアルミ製ブッシュに組付けた上で、サンプルの先端部の温度を50℃〜200℃に変化させつつ、ISO11565に規定される振動試験〔50Hz〜500Hzのスイープ(1オクターブ/min)で、水平及び垂直方向に8時間ずつ振動負荷を加える試験〕に基づいて、サンプルに対して振動を加えた。そして、振動試験の終了後、サンプルをアルミ製ブッシュから取外す際の戻しトルクTe(N・m)を測定し、前記標準トルクTsに対する前記戻しトルクTeの割合(Te/Ts)を算出した。ここで、Te/Tsが10%以上となったサンプルは、極めて厳しい環境下においてもスパークプラグの緩みを十分に抑制できるとして「○」の評価を下し、一方で、Te/Tsが10%未満となったサンプルは、厳しい環境下ではスパークプラグの緩みが発生してしまいやすいとして「×」の評価を下すこととした。表4に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに溝部を形成する際の荷重を1.5tとした。
Figure 0005331256
表4に示すように、ガスケットのビッカース硬度を60Hv以上とすることで、燃焼装置からのスパークプラグの緩みを効果的に抑制できることが分かった。これは、高温下におけるガスケットの熱変形が抑制されたためであると考えられる。
上記試験の結果より、スパークプラグの緩みを抑制することで、気密性の確保を図りつつ、使用に伴うスパークプラグの主体金具先端部(接地電極)の位置ずれを長期間に亘って抑制するためには、ガスケットのビッカース硬度を60Hv以上とすることが好ましいといえる。
次いで、ガスケットの先端面と外側面との間に凸状の湾曲面部を形成するとともに、湾曲面部の曲率半径Rを種々変更したスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて滑り位置確認試験を行った。尚、各サンプルは、次のようにして作製した。すなわち、雄ねじ部の形状や主体金具に対する接地電極の接合位置をそれぞれ同一とした、ガスケットを取付ける前のスパークプラグのサンプルを複数作製するとともに、当該サンプルのうち1のプラグをマスタープラグとし、他のサンプルを試験プラグとした。そして、図9に示すように、マスタープラグMPのうち接地電極の接合位置に当たる部位にマークMK1を付した。次いで、図10に示すように、筒状をなすとともに、内周面に前記雄ねじ部を螺合可能な雌ねじ部が形成されたブッシュを複数作製するとともに、各ブッシュのうち1のブッシュをマスターブッシュMBとし、他のブッシュを試験ブッシュEBとした。そして、図11に示すように、マスタープラグMPをマスターブッシュMBに対して手で締付けていき、マスタープラグMPの座部とマスターブッシュNBとを接触させたときのマスタープラグMPのマークMK1に合わせてマスターブッシュMBにマークMK2を付した。さらに、図12に示すように、試験プラグEP及び試験ブッシュEBに対して、マスタープラグMP及びマスターブッシュMBのそれぞれのマークMK1,MK2と同位置にマークMK3,MK4を付した。その上で、試験プラグEPに曲率半径Rを種々変更したガスケットGAを取付けることにより、スパークプラグのサンプルを作製した。
次いで、滑り位置確認試験においては、図13に示すように、試験プラグEPを試験ブッシュEBに手で締付けて、ガスケットGAが試験プラグEPの座部と試験ブッシュEBとの双方に接触する直前の段階であって、試験プラグEPのマークMK3と試験ブッシュEBのマークMK4とが合う位置で、両マークMK3,MK4位置に合わせてガスケットGAにマークMK5を付した。そして、この状態から試験プラグEPを20N・mのトルクにて試験ブッシュEBに締付け、締付完了後における試験プラグEP、試験ブッシュEB、及び、ガスケットGAのそれぞれのマークMK3,MK4,MK5の位置を確認した。ここで、例えば、図14に示すように、試験プラグのマークMK3とガスケットGAのマークMK5とが周方向に沿ってずれていた場合には、締付時に試験プラグEPの座部とガスケットGAの間で滑りが生じていたこととなる。また、図15に示すように、ガスケットGAのマークMK5と試験ブッシュEBのマークMK4とが周方向に沿ってずれていた場合には、締付時にガスケットGAと試験ブッシュEBとの間で滑りが生じていたこととなる。当該試験においては、ガスケットGAと試験ブッシュEBとの間に滑りが生じていない場合を「○」と評価し、一方で、ガスケットGAと試験ブッシュEBとの間で滑りが生じていた場合を「△」と評価することとした。ガスケットGAと試験ブッシュEBとの間で滑りが生じてしまうと、摩擦によりガスケットに損耗が生じてしまったり、摩擦により燃焼装置からアルミ粉が生じ、ガスケットと燃焼装置との間の摩擦状態が不安定となってしまったりするおそれがあり、スパークプラグを燃焼装置に組付けた際の主体間具先端部の位置合わせ精度に影響を及ぼすおそれがあるためである。表5に、当該試験の試験結果を示す。尚、表5では、参考として試験プラグEPとガスケットGAとの間における滑りの有無も示す。
Figure 0005331256
表5に示すように、湾曲面部の曲率半径Rを0.2mm以下としたサンプルは、ガスケットと試験ブッシュとの間で滑りが生じず、位置合わせ精度を一層向上できることが明らかとなった。これは、曲率半径を0.2mm以下としたことで、ガスケットが試験ブッシュに対して引っ掛かった状態となり、試験ブッシュに対するガスケットの滑りが一層抑制されたことによると考えられる。尚、ガスケットの傾斜部の外周側に、軸線方向先端側に向けて突出する突部を設けた場合にも、同様の作用効果が奏されると考えられる。
上記試験の結果より、位置合わせ精度の更なる向上を図るべく、ガスケットに湾曲面部を設ける場合には、その曲率半径を0.2mm以下とすることが好ましいといえる。また、ガスケットの傾斜部の外周側に突部を設けることが、位置合わせ精度を一層向上させる面で好ましいといえる。
次に、厚さTを種々変更したリング状の金属板に対して前記治具により荷重を加えることで溝部を有するガスケットを作製するとともに、作製されたガスケットにおける割れの有無を確認した。表6に、各厚さTにおけるガスケットの割れの有無を示す。尚、ガスケット(金属板)の硬度を80Hvとし、治具から金属板に対して加える荷重を1.5tとした。
Figure 0005331256
表6に示すように、厚さTを1.0mm以上とすることで、荷重を比較的大きくした場合であっても、ガスケットに溝部を形成する際(ガスケットを主体金具に取り付ける際)において、ガスケットの割れを抑制でき、歩留まりに優れることが分かった。
上記試験の結果より、歩留まりの向上を図るべく、ガスケットの厚さTを1.0mm以上とすることが好ましいといえる。
次いで、硬度を種々変更したリング状の金属板に対して前記治具により荷重を加えることで溝部を有するガスケットを作製するとともに、溝部の形成に伴う治具の損傷の有無を確認した。表7に、各硬度における治具の損傷の有無を示す。尚、ガスケット(金属板)の厚さTを1.5mmとした。また、治具から金属板に加える荷重は、ガスケットの内径を雄ねじ部のねじ径よりも小さくできる(すなわち、ガスケットが主体金具から脱落しないものとできる)荷重とし、表7には、溝部を形成した際の荷重を併せて示す。
Figure 0005331256
表7に示すように、ガスケット(金属板)の硬度を150Hv以下とすることで、治具の損傷を抑制できることが確認された。
上記試験の結果より、治具の損傷を抑制し、加工性の向上を図るという観点から、ガスケットの硬度を150Hv以下とすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、ガスケット18の内周側に溝部18Bが設けられているが、図16(a),(b)に示すように、溝部18Bを設けることなく、ガスケット38,48の先端面38F,48Fを平坦状に形成することとしてもよい。また、上記実施形態では、ガスケット18の外周側に傾斜部18Aが設けられているが、図16(a)に示すようにガスケット38の内周側に傾斜部38Aを設けることとしてもよい。尚、ガスケットの外側面の径方向外側への膨出を規制しつつ、ガスケットを軸線CL1方向に沿って圧延することで、溝部を設けることなく、ガスケット38,48の内径を雄ねじ部15のねじ径よりも小さくすることができる。また、ガスケット38の内周側に傾斜部38Aを設ける場合には、ガスケット38の先端面38Fのうち傾斜部38Aよりも外周側の部位を径方向内側から径方向外側に向けて軸線CL1方向後端側へと傾斜させ、スパークプラグ1を燃焼装置に組付ける際に、傾斜部38Aの外周部分が燃焼装置に接触するように構成することが好ましい。
(b)上記実施形態では、中心電極5(貴金属チップ31)の先端面と接地電極27の先端部(他端部)との間に、火花放電間隙33が形成されており、当該火花放電間隙33にて軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。これに対して、図17に示すように、中心電極45(貴金属チップ46)の先端部側面と接地電極47の先端面との間に、火花放電間隙43を形成し、当該火花放電間隙43にて軸線CL1とほぼ直交する方向で火花放電が行われるようにスパークプラグ41を構成してもよい。
さらに、図18に示すように、接地電極57を、自身の先端部側面が中心電極55の先端面と対向する1本のメイン電極57Aと、自身の先端部が中心電極55の先端部側面と対向し、前記メイン電極57Aよりも短い複数のサブ電極57Bとによって構成し、メイン電極57Aと中心電極55との間に形成された火花放電間隙53において、火花放電が主として行われるようにスパークプラグ51を構成してもよい。
加えて、図19に示すように、接地電極67を、自身の先端部側面が中心電極65の先端面と対向する1本のメイン電極67Aと、自身の先端部が絶縁碍子2の先端部と対向し、前記メイン電極67Aよりも短い複数のサブ電極67Bとによって構成し、メイン電極67Aと中心電極65との間に形成された火花放電間隙63において、火花放電が主として行われるようにスパークプラグ61を構成してもよい。
また、図20に示すように、接地電極77を、軸線CL1を挟んで対向し、それぞれ等しい長さの2本を有する電極77X,77Yによって構成し、中心電極75の先端部側面と両電極77X,77Yとの間に形成された火花放電間隙73X,73Yにおいて、火花放電が行われるようにスパークプラグ71を構成してもよい。
上述のような構成のスパークプラグ41,51,61,71は、燃焼装置ENに対し、燃料噴射装置と火花放電間隙との間に接地電極47,77(メイン電極57A,67A)が存在するような位置関係でスパークプラグ41,51,61,71が組付けられたときに、着火性が極端に低下してしまうおそれがある。しかしながら、距離Lを0.02mm以上0.12mm以下とし、かつ、厚さTを2.0mm以下とすることで、スパークプラグ41,51,61,71を燃焼装置ENに組付けたときに、燃焼室ERに対して接地電極47,77(メイン電極57A,67A)をより確実に一定の位置に配置することができ、着火性の低下をより確実に防止することができる。換言すれば、距離Lを0.02mm以上0.12mm以下とし、かつ、厚さTを2.0mm以下とすることは、上述のような着火性の低下が生じやすいタイプのスパークプラグ41,51,61,71において、特に効果的である。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部に接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
(e)上記実施形態では、縮径部18Aに対応し、外周側から内周側に向けて軸線CL1方向後端側に向けて傾斜するテーパ部TPを有する治具JGを用いているが、治具JGの形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、溝部18Bに対応する環状の突出部PRを有し、テーパ部TPに相当する面が軸線CL1に対して直交する平面状とされた治具を用いることとしてもよい。当該治具の突出部PRを金属板MBの先端面に押し当てることで、金属板MBの先端面を変形させることができ、傾斜部18Aを形成することができる。
1,41,51,61,71…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
5…中心電極
15…雄ねじ部
16…座部
18…ガスケット
18A…傾斜部
18B…溝部
18F…先端面
18G…外側面
18P…突部
18W…湾曲面部
27,47,57,67,77…接地電極
33,43,53,63,73X,73Y…火花放電間隙
57A,67A…メイン電極
57B,67B…サブ電極
CL1…軸線
CL2…(ガスケットの)中心軸
EN…燃焼装置
ER…燃焼室
FS…雌ねじ部
IW…内壁面

Claims (10)

  1. 軸線に沿って延びる筒状の主体金具と、
    前記主体金具の外周に設けられた金属製で中実環状のガスケットとを備え、
    前記主体金具は、
    自身の先端側外周に形成された雄ねじ部と、
    前記雄ねじ部よりも後端側に形成され、径方向外側に膨出する座部とを有し、
    前記ガスケットは、前記雄ねじ部のねじ径よりも内径が小さくされ、前記雄ねじ部及び前記座部の間に設けられたスパークプラグであって、
    前記ガスケットの先端面は、径方向外側から径方向内側に向けて前記軸線方向後端側へと傾斜する傾斜部を有しており、
    前記軸線に沿った前記ガスケットの厚さを2.0mm以下とし、
    前記傾斜部の最外周部分と最内周部分との間の前記軸線に沿った距離を0.02mm以上0.12mm以下とし、
    前記ガスケットのビッカース硬度を60Hv以上としたことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記ガスケットの先端面と外側面との間には、凸状の湾曲面部が形成されており、
    前記軸線を含む断面において、前記湾曲面部の曲率半径を0.2mm以下としたことを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記傾斜部の外周側に、前記軸線方向先端側に向けて突出する突部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記ガスケットは、前記傾斜部よりも内周側に、前記軸線を中心とした環状の溝部を有し、
    前記軸線に沿った前記ガスケットの厚さを1.0mm以上としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記ガスケットのビッカース硬度を150Hv以下としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
    前記接地電極は、1本の電極によって構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
    前記接地電極は、
    前記中心電極の先端面との間で前記火花放電間隙を形成する1本のメイン電極と、
    自身の先端部が前記絶縁体の先端部又は前記中心電極の先端部側面と対向し、前記メイン電極よりも短いサブ電極とによって構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記主体金具に固定されるとともに、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する棒状の接地電極とを備え、
    前記接地電極は、前記軸線を挟んで対向する2本の電極によって構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  9. 前記ガスケットの中心軸を含む断面において、前記ガスケットの断面領域における最内周部から最外周部までの前記中心軸と直交する方向に沿った幅を2.7mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のスパークプラグが燃焼装置の雌ねじ部に対して組付けられてなるスパークプラグの組付構造であって、
    前記スパークプラグは、
    前記主体金具の内周に設けられ、前記軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記主体金具の先端部に固定され、自身の先端部が前記中心電極の先端部との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、を備え、
    前記スパークプラグが前記燃焼装置に組付けられた状態において、前記燃焼装置の燃焼室の内壁面に対して前記スパークプラグの前記火花放電間隙の中心の位置が所定の相対位置に配置されるように、前記主体金具の雄ねじ部と、前記燃焼装置の雌ねじ部とを形成したことを特徴とするスパークプラグの組付構造。
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