JP4436398B2 - スパークプラグ用の封止部材およびスパークプラグ - Google Patents

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    • F02P13/00Sparking plugs structurally combined with other parts of internal-combustion engines

Description

本発明は、内燃機関の取付孔に取り付けられるスパークプラグの主体金具に装着されて用いられ、取付孔を介した気密漏れを封止するスパークプラグ用の封止部材およびスパークプラグに関するものである。
一般的なスパークプラグは、主体金具の外周に形成したねじ山を内燃機関のエンジンヘッドに設けられた取付孔の雌ねじに螺合させて、内燃機関への取り付けが行われる。こうしたスパークプラグには、取付孔を介した燃焼室内の気密漏れを防止するため、主体金具の外周に円環状の封止部材(ガスケット)が装着される。一般的なガスケットは冷間圧延用鋼帯(以下、「Fe」とする。)から円環状に形成した板材を、例えば断面がS字形状となるように径方向において折り返して作製される。そして、取付孔へのスパークプラグの取り付け時に、主体金具の張出部と取付孔の開口周縁部との間でこのガスケットを挟んで圧縮し、変形により密着性を高めつつ軸力(締め付けに伴う圧縮により軸方向に働く反力)を生じさせて、取付孔を介した燃焼室内の気密漏れの封止が行われている。
近年、内燃機関の小型化、高性能化が図られ、エンジンの振動が激しくなる傾向にあり、また、燃焼室内の温度も上昇傾向にある。このため、従来のFeからなるガスケットでは、エンジンの駆動・休止に伴う加熱・冷却サイクルによって発生するクリープ変形に対する耐久性が比較的低いため、緩みを生じて軸力の低下を招く虞がある。そこで、Feよりも剛性が高く、クリープ変形を生じにくいステンレス鋼からなるガスケットを用い、気密性の維持が図られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−134120号公報
しかしながら、内燃機関の小型化に伴いスパークプラグも小型化が図られ、主体金具は薄肉化に伴い強度が低下するため、取り付け時に推奨されるスパークプラグの締付トルクが低く設定されている。ステンレス鋼からなる剛性の高いガスケットは塑性変形が生じにくいため、締付トルクが低くなれば、締め付け後に十分な軸力を得られず、燃焼室内の気密漏れの封止が不十分となる虞があった。一方、ガスケットに十分な塑性変形を生じさせようと締付トルクを高めれば、小型化により強度の低下した主体金具のねじ首などにかかる負担が増加し、破断等を生ずる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、低い締付トルクでも十分な軸力を得ることができるスパークプラグ用の封止部材およびスパークプラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグ用の封止部材は、オーステナイト系ステンレス鋼もしくはフェライト系ステンレス鋼からなる環状をなす一枚の板材に対し、その板材の径方向において自身を折り返す加工を施して、少なくとも前記板材が軸線方向に2層以上重なる配置となる部位を有するように形成されると共に、筒状をなしねじ山を有するスパークプラグの主体金具の外周に装着されて用いられ、前記主体金具が内燃機関の取付孔に螺合により取り付けられた状態において、前記主体金具の外周に設けられその外周から外向きに張り出しつつ周方向に一周する形態をなす張出部と、前記取付孔の開口周縁部との間にて、前記軸線方向に圧縮されることで、前記張出部と前記開口周縁部との間を封止するスパークプラグ用の封止部材であって、呼び径がM12である前記主体金具に装着され、前記内燃機関へ取り付けられる前の状態において、前記軸線方向に前記封止部材を構成する前記板材の層が最も多い最多重なり部位におけるその板材の層の数をn、前記板材の平均厚みをl[mm]、前記最多重なり部位における前記板材の各層の合計厚みをL[mm]、圧縮前の前記封止部材の前記軸線方向における厚みをx[mm]としたときに、0.2≦l[mm]≦0.5と、2≦n≦5と、1.1L≦x≦1.45L ・・・ 以上、(1)とを満たすとともに、前記板材が軸線方向に重なる配置となる2つの部位間を折り返して接続する部位を折曲部とし、複数の前記折曲部のうちの一の折曲部において最も小さな曲率半径を有する部分のその曲率半径を、その折曲部における最小曲率半径Rとし、さらに複数の前記折曲部同士でそれぞれの前記最小曲率半径Rを比較して、前記最小曲率半径Rが最も大きな第1折曲部のその最小曲率半径RをR1[mm]とし、前記最小曲率半径Rが最も小さな第2折曲部のその最小曲率半径RをR2[mm]としたときに、0.2≦R1≦0.8 ・・・ (3)と、0.05≦R2≦0.2 ・・・ (4)と、R1>R2 ・・・ (5)とを満たすことを特徴とする。
また、請求項に係る発明のスパークプラグ用の封止部材は、請求項に記載の発明の構成に加え、前記第1折曲部のうち曲率半径が前記最小曲率半径R1となる部分における前記板材の厚みをt1[mm]とし、前記第2折曲部のうち曲率半径が前記最小曲率半径R2となる部分における前記板材の厚みをt2[mm]としたときに、t2<t1 ・・・ (6)を満たすことを特徴とする。
また、請求項に係る発明のスパークプラグは、請求項1または2に記載のスパークプラグ用の封止部材が装着されたことを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグ用の封止部材は、オーステナイト系ステンレス鋼もしくはフェライト系ステンレス鋼からなるので、一般的に用いられる冷間圧延用鋼帯からなる封止部材と比べて剛性が高く、エンジンの駆動・休止に伴う加熱・冷却によって発生するクリープ変形に対する耐久性が高い。この封止部材を呼び径がM12のスパークプラグに装着する場合、軸線方向における封止部材の(全体の)厚みxが(1)の式を満たすことを規定している。つまり、一般的に用いられる封止部材と比べ軸線方向における厚みxが小さいので、スパークプラグの取り付け時に軸線方向に圧縮されても、弾性変形中に、あるいは弾性変形が限界に達して塑性変形が生じてすぐに、封止部材を構成する板材同士を密着状態にすることができる。スパークプラグの締付トルクと封止部材に生ずる軸力との関係において、締付トルクの上昇に伴い、封止部材が弾性変形して軸力が上昇することとなるが、その弾性変形が限界となり塑性変形が生ずると、締付トルクが高まっても軸力が上昇しない状態(軸力を損失した状態)となる場合がある。こうした場合でも、請求項1に係る封止部材は、上記のように弾性変形中に、あるいは塑性変形が生じてすぐ板材同士が密着状態となるので、軸力を継続して上昇させることができる。
封止部材の厚みxが1.45Lより大きい場合、締付トルクに対する軸力は、一般的に用いられる冷間圧延用鋼帯からなる封止部材よりも小さくなる虞がある。また、封止部材には主体金具への装着後に脱落防止のため全体あるいは内孔側の一部を軽く潰すことで内向きに突出する部位が形成される。封止部材の厚みxが1.1Lより小さい場合、潰しを行っても脱落防止に十分な大きさの突出部位を形成できない虞がある。
ところで、封止部材の第1折曲部は、最も大きな最小曲率半径R1を持つ部位であり、封止部材に締付トルクを加えて生ずる弾性変形や、弾性変形が限界に達して生ずる塑性変形の状態は、最小曲率半径R1の大きさによって異なってくる。つまり、最小曲率半径R1の大きさと軸力との大きさには相関関係がある。従って封止部材に一定の圧縮力が加えられた場合、封止部材の変形の度合いを最小曲率半径R1の大きさによって調整することができ、封止部材に生ずる軸力は、その封止部材の変形の度合いによって調整することができる。スパークプラグを取り付ける際にトルクレンチを用いず、一般的に採用される回転角度(90度〜270度)で締め付けを行った場合、封止部材に加わる圧縮力の範囲は一定の範囲となるが、その範囲にあわせ、狙いの軸力が得られるように、最小曲率半径R1の大きさを調整することが可能となる。その最小曲率半径R1が(3)の式を満たせば、上記回転角度で締め付けを行った場合、封止部材によって十分な封止効果を得ることができる軸力を得ることができる。
また、最も小さな最小曲率半径R2を持つ第2折曲部のその最小曲率半径R2が(4)の式を満たすので、圧縮時に、この第2折曲部における弾性変形や塑性変形が滑らかに行われ、封止部材を構成する板材の各層同士の接触時の密着性を高めることができる。
このように、ステンレス鋼からなり剛性の高い封止部材を作製するにあたり、請求項に係る発明のように、第1折曲部よりも曲げの度合いを大きくする必要のある第2折曲部の厚みt2を、第1折曲部の厚みt1よりも薄くすれば、加工を容易に行うことができる。
また、請求項に係る発明のスパークプラグでは、請求項1または2に記載のスパークプラグ用の封止部材を装着することで、小型化、小径化を図っても、十分な封止効果を得ることができる。
以下、本発明を具体化したスパークプラグおよびその製造方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照し、本発明に係る封止部材の一例としてのガスケット80を装着したスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、エンジンヘッド150に取り付けた状態でみたスパークプラグ100の部分断面図である。図2は、エンジンヘッド150に取り付けた状態のスパークプラグ100のガスケット80付近を拡大してみた断面図である。図3は、ガスケット80を圧縮により変形させる前の周方向における断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、自身の軸孔12内の先端側に中心電極20を保持し、後端側に端子金具40を保持した絶縁碍子10を、その絶縁碍子10の径方向周囲を周方向に、主体金具50で取り囲んで保持した構造を有する。また、主体金具50の先端面57には接地電極30が接合されており、その先端部31側が、中心電極20と対向するように屈曲されている。
まず、絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の略中央には外径が最も大きい鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、更にその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド150に取り付けられた際には、その燃焼室151内に曝される。そして、脚長部13と先端側胴部17との間は段部15として形成されている。
次に、中心電極20について説明する。中心電極20はインコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極20の先端部21は絶縁碍子10の先端面から突出しており、先端側に向かって径小となるように形成されている。その先端部21の先端面には、耐火花消耗性を向上するため貴金属からなるチップ90が接合されている。また、中心電極20は、軸孔12の内部に設けられたシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、上方の端子金具40に電気的に接続されている。そして端子金具40には点火コイル(図示外)が接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次いで、接地電極30について説明する。接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極30は自身の長手方向と直交する横断面が略長方形を有しており、基部32が主体金具50の先端面57に溶接により接合されている。また、接地電極30の先端部31は、一側面側が中心電極20の先端部21に向き合うように屈曲されている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド150にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、その内部に、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして、絶縁碍子10を保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、エンジンヘッド150の取付孔155の雌ねじに螺合するねじ山が形成された取付部52とを有する。なお、本実施の形態の主体金具50は、取付部52のねじ山の呼び径をM12とする規格に沿って作製されたものである。
主体金具50の工具係合部51と取付部52との間には、鍔状をなし外向きに張り出しつつ主体金具50の外周を一周する張出部54が形成されている。また、取付部52と張出部54との間の部位はねじ首55と称され、張出部54の外径や取付部52の外径よりも小径に形成されている。ねじ首55には、スパークプラグ100をエンジンヘッド150に取り付けた際に、取付孔155を介した燃焼室151内の気密漏れを封止するためのガスケット80(後述)が嵌挿されている。
また、主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締部53が設けられ、張出部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には円環状のリング部材6,7が介在されており、更に両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。そして、加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。上記した座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の軸線O方向の圧縮長を長くして気密性を高めている。
次に、ガスケット80について説明する。図2,図3に示すガスケット80は、オーステナイト系ステンレス鋼、もしくはフェライト系ステンレス鋼からなる環状をなす一枚の板材に対し、その板材の径方向において自身を折り返す加工を施して作製されたものである。ガスケット80は、スパークプラグ100がエンジンヘッド150に取り付けられた際に、取付孔155の開口周縁部156と主体金具50の張出部54との間で圧縮されて変形し、両者に密着することで、取付孔155を介した燃焼室151内の気密漏れを封止する。なお、図2では、圧縮による変形後のガスケット80の断面形状を示し、図3では変形前のガスケット80の断面形状を示している。
ガスケット80は、軸線O方向において、板材が、少なくとも2層以上重なる配置となる部位を有している。また、図示しないが、ガスケット80は、圧縮前の状態において取付部52の外径よりも僅かに大きな内径を有している。スパークプラグ100への装着時に、ガスケット80は主体金具50の先端側からねじ首55に嵌め込まれる。そして張出部54に当接した状態で、ガスケット80の全体あるいは内孔側の一部が軽く潰されることで、ガスケット80には主体金具50のねじ山の先端よりも内向きに突出する部位が形成され、ねじ首55からの抜けが防止される。
このような構造を有する本実施の形態のスパークプラグ100では、上記したように、小型化・小径化に伴い取り付け時の締付トルクが低下しても、燃焼室151内の気密漏れを防止するのに十分な軸力を得られるように、ガスケット80の材料を規定している。具体的には、ガスケット80の材料として、例えばJIS(日本工業規格)に定められた以下の規格番号のステンレス鋼(SUS)を用いることができる。オーステナイト系ステンレス鋼の例としては、SUS201、SUS202、SUS301、SUS301J、SUS302、SUS302B、SUS304、SUS304L、SUS304N1、SUS304N2、SUS304LN、SUS305、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS316N、SUS316LN、SUS316J1、SUS316J1L、SUS317、SUS317L、SUS317J1、SUS321、SUS347、SUSXM15J1等を用いることができる。また、フェライト系ステンレス鋼の例としては、SUS405、SUS410L、SUS429、SUS430、SUS430LX、SUS430JIL、SUS434、SUS436L、SUS436JIL、SUS444、SUS445J1、SUS445J2、SUS447J1、SUSXM27等を用いることができる。これらのようなステンレス鋼を用いて作製したガスケット80は、一般的に用いられるFeからなるガスケットと比べ剛性が高く、エンジンの駆動・休止に伴う加熱・冷却によって発生するクリープ変形に対し、耐久性が高い。
ガスケット80は、スパークプラグ100の取り付け時に、主体金具50の張出部54と取付孔155の開口周縁部156との間に挟まれて圧縮され、変形することによって密着性を高め、より高い封止効果を得るものである。このためにはガスケット80を構成する板材の平均厚みについて、上記のオーステナイト系ステンレス鋼もしくはフェライト系ステンレス鋼を使用する場合は、0.2〜0.5mmのものを使用することが望ましい。板材の平均厚みが0.2mm未満では、スパークプラグ100の取り付け時に比較的小さな圧縮力にてガスケット80が潰れてしまい、締付トルクの適性範囲内にて十分な軸力を得ることができなくなる虞がある。一方、平均厚みが0.5mmを超えるとガスケット80に変形を生じさせるための圧縮力を大きくする必要が生じ、より強い圧縮力を加えてスパークプラグ100の締め付けを行った場合、主体金具50のねじ首55の破損や取付部52のねじ山の潰れを招く虞がある。なお、平均厚みとは、板材において異なる部位(例えば、互いに異なる10箇所の部位)の厚みの平均である。
もっとも、スパークプラグをエンジンヘッドに取り付けるときに推奨される締付トルクは、JIS B8031において、スパークプラグの大きさの規格(呼び径)に応じて定められており、呼び径が小さいほど締付トルクは小さい。M12以下の小径のスパークプラグ100において、上記のようなステンレス鋼(SUS)からなるガスケット80を、そのまま、従来のFeからなるガスケットに置き換えて用いた場合、締め付け時に発生する軸力はFeからなるガスケットに比べて低下する。このことについて図4を参照して説明する。
ガスケットを装着したスパークプラグをエンジンヘッドに取り付けるとき、締付トルクを高めていくと、ガスケットにはまず弾性変形が生じ、軸力が上昇していく。図4に示すようにステンレス鋼からなるガスケット(2点鎖線で示す)は、Feからなるガスケット(実線で示す)よりも剛性が高いため、締付トルクの増加に伴い弾性変形が限界となって塑性変形(いわゆる座屈)が生じ始める締付トルクが大きい。座屈が生じている間は締付トルクを増加させても塑性変形が大きくなるだけで、軸力の上昇はほぼ横ばいとなり、軸力を損失した状態となる。さらに締付トルクを増加し、畳み込まれた板材同士が軸方向に密着してそれ以上の塑性変形がしにくくなると、軸力は再び上昇し始める。ステンレス鋼より剛性の低いFeからなるガスケットは、比較的低い締付トルクで十分な塑性変形を生じてしまうため、その座屈が生じている間の締付トルクの範囲(以下、「座屈領域」という。)がステンレス鋼からなるガスケットより小さい。呼び径がM12のスパークプラグでは、上記のJIS B8031で推奨される締付トルクは15〜25N・mであるが、その範囲において、ステンレス鋼からなるガスケットにおいて生ずる軸力は、Feからなるガスケットにおいて生ずる軸力に及ばない。つまり、ステンレス鋼からなるガスケットにおいてFeからなるガスケットと同等の軸力を得るには高い締付トルクが必要となる。
本実施の形態のガスケット80(図4の1点鎖線で示す)は、Feよりも剛性が高くクリープ変形に強いステンレス鋼を用いて作製しつつも、座屈領域を減少させることで、Feからなるガスケットと同等の締付トルクに対する軸力を得られるようにしたものである。具体的には、締付トルクを増加させる過程において、弾性変形中に、あるいは塑性変形が生じてすぐに板材同士が密着状態となり軸力の損失を低減できるように、変形がなされる前(締め付け前)の状態のガスケット80の全体の厚みについて規定を設けている。
図3に示すように、ガスケット80を構成する板材の層が軸線O方向に最も多く重なる部位(最多重なり部位)におけるその板材の層の数をnとする。例えば図3に示すガスケット80では、軸線O方向に沿う1点鎖線P上においてガスケット80を構成する板材の層が最も多く、その層の数は4である。また、板材の平均厚みをl[mm]とし、最多重なり部位における板材の各層の合計厚みをL[mm]とし、また軸線O方向におけるガスケット80全体の厚みをx[mm]とする。
また、ガスケット80全体の厚みx[mm]を規定するにあたって、軸線Oと直交する2つの仮想平面を想定する。ガスケット80は周方向に連続して一周する環状をなすため、ガスケット80の軸線O方向両側にてそれら仮想平面をそれぞれガスケット80に、その全周にわたって接触させた状態とする。このときの2つの仮想平面間の距離が、ガスケット80全体の厚みxに相当する。
また、上記したように、主体金具50の取付部52に形成されるねじ山の呼び径に応じて取り付け時の締付トルクの適正範囲が定められている。そこで、呼び径に応じた締付トルクの適正範囲内でガスケット80が十分な軸力を得られるように、呼び径によって、以下のようにガスケット80の規定を異ならせている。
本実施の形態のガスケット80のように、呼び径がM12である主体金具50に装着する場合、そのガスケット80については、
0.2≦l≦0.5
と、
2≦n≦5
と、
1.1L≦x≦1.45L ・・・ 以上、(1)
とを満たすことを規定している。
一方、呼び径がM10以下である主体金具にガスケットを装着する場合、そのガスケットについては、
0.2≦l≦0.5
と、
2≦n≦5
と、
1.1L≦x≦1.4L ・・・ 以上、(2)
とを満たすことを規定している。
前述したように、スパークプラグ100の製造過程において、ガスケット80は、ねじ首55に嵌め込まれた後、ガスケット80の全体あるいは内孔側の一部が軽く潰されることで、もとの内孔よりも内向きに突出する部位が形成されて、ねじ首55からの抜け(脱落)が防止される。この突出部位を形成するにあたって、xが1.1L未満であると、脱落を防止するのに十分な潰れによる突出量が得られず、ねじ首55からの脱落を十分に防止できない虞があることが、後述する実施例1の結果より確認されている。
一方、xを大きくすればガスケットを構成する板材の各層の間隙が広がり、圧縮時に層同士を密着させるのに必要となる弾性変形量および塑性変形量が大きくなるため、図4で示した座屈領域が広がる。スパークプラグを推奨される締付トルクで取付孔に取り付ける場合、主体金具の呼び径がM12の場合にはxを1.45L以下とすることが好ましく、また、M10以下の場合にはxを1.4L以下とすることが好ましい。上記xの上限を超えた場合、ガスケットの得られる軸力が、Feからなる従来のガスケットを用いたスパークプラグを同様に取り付けた場合に得られる軸力よりも小さくなってしまうことが、後述する実施例2〜4および実施例5,6の結果より確認されている。
また、本実施の形態では、図3に示す、ガスケット80の折曲部83,86,89の曲率半径について規定を設けている。折曲部とは、ガスケットの周方向断面において、ガスケットを構成する板材が軸線O方向に重なる配置となる2つの部位間を折り返し接続する部位を指す。具体的に、折曲部83は、板材上の部位で軸線O方向に沿う1点鎖線Q上に配置されている部位81と部位82との間を折り返して接続している。折曲部86は、板材上の部位で軸線O方向に沿う1点鎖線S上に配置されている部位84と部位85との間を折り返して接続している。そして折曲部89は、板材上の部位で軸線O方向に沿う1点鎖線P上に配置されている部位87と部位88との間を折り返して接続している。
次に、各折曲部83,86,89において、周方向断面の輪郭線で折り返しの内側となる輪郭線の曲率半径のうち、それぞれの最小となる部分の曲率半径(図3において点線で示す円の半径)を、それぞれの最小曲率半径Rとする。そして各折曲部83,86,89における各最小曲率半径Rを比較し、最も大きな最小曲率半径Rを持つ折曲部83のその最小曲率半径RをR1[mm]とし、最も小さな最小曲率半径Rを持つ折曲部86の最小曲率半径RをR2[mm]とする。このとき、本実施の形態では、
0.2≦R1≦0.8 ・・・ (3)
と、
0.05≦R2≦0.2 ・・・ (4)
と、
R1>R2 ・・・ (5)
とが満たされることを規定している。なお、折曲部83が、本発明における「第1折曲部」に相当し、折曲部86が、本発明における「第2折曲部」に相当する。
スパークプラグ100を取付孔155に取り付けるとき、推奨される締付トルクでの締め付けを行うにはトルクレンチを用いる必要があるが、トルクレンチの準備ができない場合、締め付け時の回転角度を調整することで必要な軸力が得られるように設計されている。具体的には、締め付け時に取付孔155の開口周縁部156にガスケット80が当接してから、予め設定された回転角度での締め付けを行えば、推奨される締付トルクで締め付けた場合と同等の軸力が得られるというものである。折曲部83は、最も大きな最小曲率半径R1を持つ(すなわちR1>R2)ため、ガスケット80が圧縮されて変形する際に、ガスケット80全体の変形の度合いに大きく影響することになる。つまり、折曲部83の最小曲率半径R1によって、ガスケット80に締付トルクを加えて生ずる弾性変形や、弾性変形が限界に達して生ずる塑性変形の状態が異なってくる。このため、締め付け時の回転角度と得られる軸力との関係に相関関係があるといえる。従って、ガスケット80に一定の圧縮力が加えられた場合、ガスケット80の変形の度合いは、最小曲率半径R1の大きさによって調整することができ、ガスケット80に生ずる軸力は、そのガスケット80の変形の度合いによって調整することができることとなる。換言すると、スパークプラグ100を取り付ける際に一般的に採用される回転角度(90度〜270度)で締め付けを行った場合、ガスケット80に加わる圧縮力の範囲は一定の範囲となるが、その範囲にあわせ、狙いの軸力が得られるように、最小曲率半径R1の大きさを調整することが可能となる。そこで本実施の形態では、折曲部83の最小曲率半径R1を0.2mm以上0.8mm以下としている。後述する実施例7の結果に基づくと、折曲部83の最小曲率半径R1を上記範囲に設定すれば、一般的に採用される回転角度(90度〜270度)の範囲で締め付けを行った場合に、エンジンの振動等による緩みが生じないとされる最低限必要な10kNの軸力を得ることができた。
また、折曲部83とは異なり、折曲部86は、最も小さな最小曲率半径R2を持つため、この折曲部86における弾性変形や塑性変形の滑らかさが、ガスケットを構成する板材の各層同士の接触時の密着性に影響を及ぼす。そこで本実施の形態では、折曲部86の最小曲率半径R2を0.05mm以上0.2mm以下としている。折曲部86の最小曲率半径R2が0.05mm未満では、ガスケット80の圧縮時に折曲部86に亀裂が生ずる虞がある。また、折曲部86の最小曲率半径R2が0.2mmより大きいと、ガスケット80の圧縮時に板材の各層同士の密着性が得られず、エンジンの振動等による緩みが生ずる虞があることが、後述する実施例8の結果よりわかった。
さらに、本実施の形態では、折曲部83のうち曲率半径が最小曲率半径R1となる部分における板材の厚みをt1[mm]とし、折曲部86のうち曲率半径が最小曲率半径R2となる部分における板材の厚みをt2[mm]としたときに、
t2<t1 ・・・ (6)
を満たすことを規定している。
上記のように、折曲部83の最小曲率半径R1よりも小さな最小曲率半径R2を有する折曲部86は、製造の際に、折曲部83よりも曲げの度合いを大きくする必要がある。ステンレス鋼からなるガスケット80を作製する際の加工容易性を考慮すると、曲げの度合いの大きな折曲部86の厚みt2を、折曲部の83の厚みt1よりも薄くすることが好ましい。
このように、スパークプラグ100に、従来のFeからなるガスケットよりも剛性の高いステンレス鋼からなるガスケット80を用いる上で、Feからなるガスケットと同等の封止効果を得られるように、ガスケット80の大きさの規定を設定するため各種の評価試験を行った。
[実施例1]
まず、ガスケット全体の厚みxの下限について確認するための評価試験を行った。この評価試験では、板状のステンレス鋼を円環状に打ち抜き、平均厚みlを0.3mmとした板材を複数用意した。そして各板材に対し、図3に示すように、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nが4となるように、金型を用いて折り曲げ加工を施した。このとき、折り曲げ加工後に形成されるガスケット全体の厚みxが1.0L〜1.65Lの範囲で変化するように金型の調整を行い、全体の厚みxが異なるごとに50個ずつ、M12用のガスケットのサンプルを作製した。
作製した各サンプルをそれぞれ試験用のスパークプラグに嵌め込み、抜け防止のため、内孔側の一部を軽く潰して内向きに突出する部位を形成した。そして各サンプルを装着したスパークプラグに対し振動を与え、ガスケットの厚みxが異なるごとに50個ずつ用意した各サンプルのうち、脱落が生じたサンプルの個数を数えた。この試験の結果を図5のグラフに示す。
図5に示すように、ガスケット全体の厚みxを1.1L以上としたサンプルにおいて、振動試験によって脱落するものはなかった。しかし、全体の厚みxを1.1L未満としたサンプルでは、いずれも脱落が生じた。このことから内向きに突出させた部位が抜け防止に十分な大きさを有するには、全体の厚みxを1.1L以上とすればよいことが確認できた。
[実施例2]
次に、ガスケット全体の厚みxの上限について確認するための評価試験を行った。この評価試験では、実施例1と同様に自身を構成する板材の平均厚みlを0.3mmとしたステンレス鋼(SUS)からなる板材を複数用意し、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nが4となるように折り曲げ加工を施した。そして折り曲げ加工後の全体の厚みxを1.0L〜1.85Lの範囲で変化させ、M12用のガスケットのサンプルを複数種類作製した。また、比較用に、平均厚みを0.3mmとしたFeからなる板材を用い、同形状で全体の厚みが1.8L(2.16mm)のガスケットのサンプルを作製した。
作製した各サンプルをそれぞれ試験用のスパークプラグに装着し、このスパークプラグをエンジンヘッドと同様のアルミ材を用いて作製したアルミブッシュに締付トルク20N・mで取り付け、ガスケットに生じた軸力を測定した。アルミブッシュはアルミ製のバー材に開口した取付孔に、JIS B8031に記載された呼び径がM12のスパークプラグに対応する雌ねじをNC加工にて形成したものである。また、軸力は、アルミブッシュの開口周縁部とガスケットとの間にロードセルを挟み込み、締め付け後の圧縮力を電気的に検出することにより測定した。この試験の結果を図6のグラフに示す。
前述したように、ステンレス鋼からなるガスケットはFeからなるガスケットと比べ塑性変形に対する耐力が高く、締付トルク20N・mにおいて生ずる軸力が小さい(図4参照)。図6に示すように、ガスケット全体の厚みxが大きくなるに従って、ガスケットに生ずる軸力が小さくなった。比較対象とするFeからなる従来の大きさ(形状)のガスケット(全体の厚みが1.8L)では、締付トルク20N・mにおいて約9.5kNの軸力が得られたのに対し、同形状のステンレス鋼からなるガスケットでは、約4.8kNの軸力しか得られなかった。ステンレス鋼からなるガスケットにおいて、Feからなる従来のガスケットと同等の軸力を実現するには、全体の厚みxが1.45L以下であればよいことが確認できた。
[実施例3]
次に、実施例2と同様のM12用のガスケットで、最大の層数を3とした場合について評価試験を行った。この評価試験では、自身を構成する板材の平均厚みlを0.4mmとし、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを3としたステンレス鋼からなるM12用のガスケットのサンプルで、上記同様、折り曲げ加工後の全体の厚みxを1.0L〜1.85Lの範囲で変化させたものを用意した。比較用に、平均厚みを0.4mmとした同形状で全体の厚みが1.8L(2.16mm)のFeからなる従来のガスケットのサンプルを用意した。そして実施例2と同様の方法で評価試験を行ったところ、図7に示すように、最大の層数を3としたガスケットにおいても実施例2で評価を行った4層のガスケットと同様の傾向を示すことが確認できた。そして同様に、Feからなる従来のガスケットと同等の軸力をステンレス鋼からなるガスケットにおいて実現するには、全体の厚みxを1.45L以下とすればよいことがわかった。
[実施例4]
さらに、実施例2と同様のM12用のガスケットで、最大の層数を5とした場合について評価試験を行った。この評価試験では、自身を構成する板材の平均厚みlを0.25mmとし、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを5としたステンレス鋼からなるM12用のガスケットのサンプルで、上記同様、折り曲げ加工後の全体の厚みxを1.0L〜1.85Lの範囲で変化させたものを用意した。そして比較用に用意した、平均厚みを0.25mmとした同形状で全体の厚みが1.8L(2.25mm)のFeからなる従来のガスケットと共に、実施例2と同様の方法で評価試験を行った。この試験の結果を図8に示すが、最大の層数を5としたガスケットにおいても実施例2で評価を行った4層のガスケットと同様の傾向を示すことが確認できた。そして同様に、Feからなる従来のガスケットと同等の軸力をステンレス鋼からなるガスケットにおいて実現するには、全体の厚みxを1.45L以下とすればよいことがわかった。
[実施例5]
また、M10用のガスケットについても同様に、ガスケット全体の厚みxの上限について確認するための評価試験を行った。この評価試験では、自身を構成する板材の平均厚みlを0.3mmとし、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを4としたステンレス鋼からなるM10用のガスケットのサンプルで、上記同様、折り曲げ加工後の全体の厚みxを1.0L〜1.85Lの範囲で変化させたものを用意した。そして比較用に、平均厚みを0.3mmとした同形状で全体の厚みが1.8L(2.16mm)のFeからなる従来のガスケットを用意し、実施例2と同様に、各サンプルを12.5N・mの締付トルクでアルミブッシュに取り付けたときの軸力を測定する評価試験を行った。この試験の結果を図9に示すが、M10用のガスケットにおいてもガスケット全体の厚みxが大きくなるに従って、ガスケットに生ずる軸力が小さくなる傾向が示された。そしてM10用のガスケットで、ステンレス鋼からなるガスケットでFeからなる従来のガスケットと同等の軸力を実現するには、全体の厚みxが1.4L以下であればよいことが確認できた。
[実施例6]
さらに、M8用のガスケットについても同様の評価試験を行った。自身を構成する板材の平均厚みlを0.4mmとし、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを3としたステンレス鋼からなるM8用のガスケットのサンプルで、上記同様、折り曲げ加工後の全体の厚みxを1.0L〜1.85Lの範囲で変化させたものを用意した。そして比較用に、平均厚みを0.4mmとした同形状で全体の厚みが1.8L(2.16mm)のFeからなる従来のガスケットを用意し、実施例2と同様に、各サンプルを10N・mの締付トルクでアルミブッシュに取り付けたときの軸力を測定する評価試験を行った。この試験の結果を図10に示すが、M8用のガスケットにおいてもガスケット全体の厚みxが大きくなるに従って、ガスケットに生ずる軸力が小さくなる同様の傾向が示された。そしてM8用のガスケットで、ステンレス鋼からなるガスケットでFeからなる従来のガスケットと同等の軸力を実現するには、M10用のガスケットと同様に、全体の厚みxが1.4L以下であればよいことが確認できた。
[実施例7]
次に、最も大きな最小曲率半径R1を有する折曲部のその最小曲率半径R1の大きさについて規定するための評価試験を行った。前述したように、ガスケットが圧縮されて変形する際に、最も大きな最小曲率半径R1を有する折曲部のその最小曲率半径R1の大きさが、ガスケット全体の変形の度合いに大きく影響し、ひいてはガスケットの得られる軸力に対し影響する。図4のグラフにおいて1点鎖線で示したように、(1)の式を満たすガスケットでは、締付トルクの上昇に対し軸力の上昇が横ばい状態となる座屈領域がほとんどなく、締付トルクと軸力とがほぼ比例関係となる。そこでスパークプラグを取付孔に取り付けるときの回転角度と、ガスケットの得られる軸力との関係から最も大きな最小曲率半径R1の大きさについて評価を行うこととした。
この評価試験では、自身を構成する板材の平均厚みlを0.3mm、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを4とし、最小曲率半径R1が0.1mm〜1.0mmの範囲で変化させつつ、折り曲げ加工後の全体の厚みxが1.33L(1.6mm)となるように調整した、ステンレス鋼からなるM12用のガスケットのサンプルを複数用意した。そしてこれら各サンプルをそれぞれ試験用のスパークプラグに装着し、そのスパークプラグを、ガスケットの各種類ごとに30度〜360度の範囲で回転角度を異ならせてアルミブッシュに取り付け、そのときガスケットに生じた軸力を、実施例2と同様の方法で測定した。この評価試験の結果を図11のグラフに示す。
この評価試験の結果、図11に示すように、最小曲率半径R1の大きさによって係数がことなるが、回転角度と軸力との間には比例関係があることが確認できた。ここで、エンジンの振動等による緩みが生じないとされる最低限必要な軸力は10kNであるため、図11において10kNの軸力が得られたときの回転角度を推定される比例直線(実線で示す)から求め、この回転角度と最小曲率半径R1との関係を、図12のグラフにおいて示した。一般に、スパークプラグの締め付け時の回転角度として、直感的に解りやすい90度〜270度の範囲(1/4〜3/4回転)が採用されている。図12のグラフから回転角度が90度〜270度の範囲を満たす最小曲率半径R1の値を求めると、0.2mm〜0.8mmであるとよいことがわかった。
[実施例8]
次に、最も小さな最小曲率半径R2を有する折曲部のその最小曲率半径R2の大きさについて規定するための評価試験を行った。前述したように、最小曲率半径R2を有する折曲部における弾性変形や塑性変形の滑らかさが、ガスケットを構成する板材の各層同士の接触時の密着性に影響を及ぼす。そこで、自身を構成する板材の平均厚みlを0.3mm、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nを4とし、最小曲率半径R2が0.03mm〜0.25mmの範囲で変化させつつ、折り曲げ加工後の全体の厚みxが1.33L(1.6mm)となるように調整した、ステンレス鋼からなるM12用のガスケットのサンプルを複数用意した。このとき、最小曲率半径R2を0.03mmとしたサンプルでは折曲部に亀裂が生じてしまったため、成形性に劣るとして×と評価し、以下の評価試験の対象外とした。
各サンプルをそれぞれ試験用のスパークプラグに装着し、それらのスパークプラグを締付トルク20N・mでアルミブッシュに取り付け、ISO11565に示される振動試験を実施した。具体的にはスパークプラグを取り付けたアルミブッシュを200度に加熱した状態で、加速度30G±2G、周波数50〜500Hz、スイープ率1オクターブ/分の振動を、スパークプラグの軸線方向とその直交方向とにそれぞれ8時間ずつ与えた。そして振動試験後に、主体金具の取り外しに必要なトルク(戻しトルク)を測定した。戻しトルクが10N・m以上(締め付け時の50%以上)であった場合には緩みに対する耐性(耐緩み性)が良好であるとして○と評価し、10N・m未満のものは緩みに対する耐性が低いとして×と評価した。この評価試験の結果を表1に示す。
Figure 0004436398
表1に示すように、最小曲率半径R2が0.05mm〜0.20mmのガスケットでは耐緩み性について良好であったが、0.25mmのガスケットでは、耐緩み性に問題があることが確認できた。この試験の結果から、最小曲率半径R2の大きさを0.05mm〜0.20mmとするとよいことがわかった。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、ガスケット80は、折り曲げ加工前の円環状の板材の状態において、その厚みに勾配があっても、厚みが均一の板材であってもよい。また、ガスケット80は、軸線O方向に最も多く重なる部位における板材の層の数nが4であるものを例として説明したが、2層〜5層のものであればよい。なお、本実施の形態では呼び径がM12のスパークプラグ100に装着するガスケット80について説明を行ったが、M10用やM8用など、呼び径がM10以下のスパークプラグに用いるガスケットについても、その形態については同様である。
エンジンヘッド150に取り付けた状態でみたスパークプラグ100の部分断面図である。 エンジンヘッド150に取り付けた状態のスパークプラグ100のガスケット80付近を拡大してみた断面図である。 ガスケット80を圧縮により変形させる前の周方向における断面図である。 締付トルクと軸力との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと脱落発生回数との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと軸力との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと軸力との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと軸力との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと軸力との関係を示すグラフである。 ガスケット全体の厚みと軸力との関係を示すグラフである。 最小曲率半径R1の違いによる回転角度と軸力との関係を示すグラフである。 10kNの軸力が得られる最小曲率半径R1と回転角度との関係を示すグラフである。
50 主体金具
54 張出部
80 ガスケット
81 部位
82 部位
83 折曲部
84 部位
85 部位
86 折曲部
87 部位
88 部位
89 折曲部
100 スパークプラグ
150 エンジンヘッド
155 取付孔
156 開口周縁部

Claims (3)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼もしくはフェライト系ステンレス鋼からなる環状をなす一枚の板材に対し、その板材の径方向において自身を折り返す加工を施して、少なくとも前記板材が軸線方向に2層以上重なる配置となる部位を有するように形成されると共に、筒状をなしねじ山を有するスパークプラグの主体金具の外周に装着されて用いられ、前記主体金具が内燃機関の取付孔に螺合により取り付けられた状態において、前記主体金具の外周に設けられその外周から外向きに張り出しつつ周方向に一周する形態をなす張出部と、前記取付孔の開口周縁部との間にて、前記軸線方向に圧縮されることで、前記張出部と前記開口周縁部との間を封止するスパークプラグ用の封止部材であって、
    呼び径がM12である前記主体金具に装着され、前記内燃機関へ取り付けられる前の状態において、
    前記軸線方向に前記封止部材を構成する前記板材の層が最も多い最多重なり部位におけるその板材の層の数をn、前記板材の平均厚みをl[mm]、前記最多重なり部位における前記板材の各層の合計厚みをL[mm]、圧縮前の前記封止部材の前記軸線方向における厚みをx[mm]としたときに、
    0.2≦l[mm]≦0.5
    と、
    2≦n≦5
    と、
    1.1L≦x≦1.45L ・・・ 以上、(1)
    とを満たすとともに、
    前記板材が軸線方向に重なる配置となる2つの部位間を折り返して接続する部位を折曲部とし、複数の前記折曲部のうちの一の折曲部において最も小さな曲率半径を有する部分のその曲率半径を、その折曲部における最小曲率半径Rとし、さらに複数の前記折曲部同士でそれぞれの前記最小曲率半径Rを比較して、前記最小曲率半径Rが最も大きな第1折曲部のその最小曲率半径RをR1[mm]とし、前記最小曲率半径Rが最も小さな第2折曲部のその最小曲率半径RをR2[mm]としたときに、
    0.2≦R1≦0.8 ・・・ (3)
    と、
    0.05≦R2≦0.2 ・・・ (4)
    と、
    R1>R2 ・・・ (5)
    とを満たすことを特徴とするスパークプラグ用の封止部材。
  2. 前記第1折曲部のうち曲率半径が前記最小曲率半径R1となる部分における前記板材の厚みをt1[mm]とし、前記第2折曲部のうち曲率半径が前記最小曲率半径R2となる部分における前記板材の厚みをt2[mm]としたときに、
    t2<t1 ・・・ (6)
    を満たすことを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ用の封止部材。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグ用の封止部材が装着されたことを特徴とするスパークプラグ。
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