JP2015200366A - 接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの部材間のシール性を十分に確保できる、シール性に優れた接合体を提供すること。
【解決手段】接合体は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22と、2つの接合部材21、22の間に配置される環状のガスケット3とを備えている。2つの接合部材21、22は、ガスケット3を挟持した状態で接合されている。ガスケット3は、そのガスケット3の中心軸を含む断面において、被接触部31と、2つの接合部材21、22に接触することなく、被接触部31に接触する自己接触部32とを有している。被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側において2つの接合部材21、22のいずれか一方と接触し、他方側において自己接触部32と接触する。
【選択図】図3
【解決手段】接合体は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22と、2つの接合部材21、22の間に配置される環状のガスケット3とを備えている。2つの接合部材21、22は、ガスケット3を挟持した状態で接合されている。ガスケット3は、そのガスケット3の中心軸を含む断面において、被接触部31と、2つの接合部材21、22に接触することなく、被接触部31に接触する自己接触部32とを有している。被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側において2つの接合部材21、22のいずれか一方と接触し、他方側において自己接触部32と接触する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ガスケットを介在させて2つの部材を接合してなる接合体に関する。
従来、接合する2つの部材と、2つの部材の間に配置される環状のガスケットとを備えた接合体が知られている。このような接合体において、2つの部材は、ガスケットを挟持した状態で締結部材等により接合(固定)され、2つの部材間は、介在させたガスケットによりシールされている。
例えば、特許文献1、2には、2つの部材の間にC型ガスケット(断面形状がC字状のガスケット)を配置した接合体が開示されている。また、ガスケットとしては、C型ガスケット以外にもO型ガスケット(断面形状がO字状であり、内部が中空状のガスケット)等が用いられている。
しかしながら、従来のように、2つの部材の間にC型ガスケットやO型ガスケットを配置した接合体では、次のような問題が生じる。すなわち、2つの部材の熱膨張係数が異なると、例えば高温や極低温での使用時に、2つの部材の熱膨張係数差によってガスケットに対する面圧(以下、適宜、ガスケット面圧という)が低下し、ガスケットに緩みが発生する。そのため、2つの部材間のシール性(気密性)が不十分となり、リークパス等の不具合が発生してしまう。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの部材間のシール性を十分に確保できる、シール性に優れた接合体を提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材と、該2つの接合部材の間に配置される環状のガスケットとを備え、前記2つの接合部材は、前記ガスケットを挟持した状態で接合され、前記ガスケットは、該ガスケットの中心軸を含む断面において、被接触部と、前記2つの接合部材に接触することなく、前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、前記被接触部は、前記ガスケットの挟持方向の一方側において前記2つの接合部材のいずれか一方と接触し、他方側において前記自己接触部と接触することを特徴とする接合体にある。
前記接合体は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材の間に配置される環状のガスケットは、そのガスケットの中心軸を含む断面において、2つの接合部材のいずれにも接触せず、ガスケット自身(具体的には被接触部)に自己接触する自己接触部を有している。そして、被接触部は、ガスケットの挟持方向の一方側において2つの接合部材のいずれか一方と接触し、他方側において自己接触部と接触する。
そのため、ガスケットの自己接触部は、被接触部に自己接触することにより、その被接触部を介して接合部材に対して圧力を付与することができる。すなわち、接合部材に対する反力を高めることができる。言い換えれば、ガスケットに対する圧力(ガスケット面圧)を高めることができる。これにより、例えば高温や極低温での使用時において、2つの接合部材の熱膨張係数差に起因するガスケットの緩み(ガスケット面圧の低下)を抑制できる。
その結果、どのような温度環境においても、熱膨張係数の異なる2つの接合部材間のシール性(気密性)を、2つの接合部材間に介在させたガスケットによって十分に確保でき、リークパス等の不具合の発生を抑制できる。そして、接合体の信頼性向上を図ることもできる。
このように、本発明によれば、温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの部材(接合部材)間のシール性を十分に確保できる、シール性に優れた接合体を提供することができる。
また、前記接合体において、前記2つの接合部材は、前述のとおり、前記ガスケットを挟持した状態で接合されている。ここで、2つの接合部材の接合方法としては、公知の種々様々な方法を用いることができる。例えば、ボルト及びナット等の締結部材を用いて締結する方法等が挙げられる。
また、前記接合部材を構成する材料としては、用途等に合わせて種々様々な材料を用いることができるが、例えば、ステンレス、ニッケル耐熱合金であるインコネル(登録商標)、インコロイ(登録商標)等の金属材料、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミック材料、その他にもカーボン材及びその複合材、ガラス等を用いることができる。また、2つの接合部材は、互いの熱膨張係数が異なるものであれば、同種材料(例えば金属同士、セラミック同士)であってもよいし、互いに異なる材料(例えば金属とセラミック)であってもよい。
また、前記ガスケットを構成する材料としては、用途等に合わせて種々様々な材料を用いることができるが、例えば、ステンレス、インコネル(登録商標)、インコロイ(登録商標)等の金属材料等を用いることができる。
また、前記ガスケットの前記自己接触部は、前記ガスケットが前記2つの接合部材から所定圧力値以上の圧力を受けたときに、前記2つの接合部材に接触することなく、前記被接触部に接触してもよい。この場合には、ガスケットに対して所定圧力値以上の圧力を加えることにより、ガスケットの自己接触部を被接触部に自己接触させ、ガスケット面圧を高めることができる。
また、前記ガスケットは、前記自己接触部とは別の部分であり、かつ、前記ガスケットが前記2つの接合部材から前記所定圧力値よりも高い圧力値以上の圧力を受けたときに、前記2つの接合部材のいずれか一方と接触する追加接触部をさらに有していてもよい。この場合には、ガスケットの自己接触部を自己接触させることに加えて、追加接触部を接合部材に接触させ、接合部材に対する接触箇所を増やすことにより、接合部材に対する反力をさらに高める(増幅させる)ことができる。言い換えれば、ガスケットに対する圧力(ガスケット面圧)をさらに高めることができる。これにより、2つの接合部材間のシール性をさらに向上させることができる。
また、前記構成の場合、ガスケットに加える圧力を調整することにより、ガスケット面圧を段階的に調整することができる。例えば、2つの接合部材の熱膨張係数の差が小さい場合には、ガスケットの自己接触部を被接触部に自己接触させ、熱膨張係数の差が大きい場合には、さらに追加接触部を接合部材に接触させるといったガスケット面圧の段階的な調整が可能となる。
また、前記ガスケットは、一体的に形成されていてもよい。この場合には、2つの接合部材間のシール性をより一層向上させることができる。すなわち、ガスケットに継ぎ目がないことから、継ぎ目部分の凹凸等によってシール性が低下するといったことを抑制できる。なお、ガスケットを一体的に形成する方法としては、例えば、一枚の板材をプレス加工により成形する方法等がある。
また、前記2つの接合部材と、前記ガスケットにおける前記2つの接合部材に接触する部分との間には、前記ガスケットよりも硬度が低い軟質層が配置されていてもよい。この場合には、2つの接合部材とガスケットとの密着性が、場合によっては圧力による軟質層の変形を伴い、軟質層によって高められることにより、2つの接合部材間のシール性をより一層向上させることができる。
なお、軟質層は、2つの接合部材とガスケットとの接触部分の少なくとも一部に設けられていればよいが、2つの接合部材とガスケットとの接触部分全体に設けられていることが好ましい。また、軟質層は、接合部材やガスケットとは別体で形成し(例えば、シート、箔等)、両者の間に配置してもよいし、接合部材やガスケットの表面に例えばコーティング、めっき、スパッタ等の方法により形成してもよい。
また、前記2つの接合部材のうち、一方が金属からなり、他方がセラミックからなる構成としてもよい。すなわち、金属とセラミックとは熱膨張係数が大きく異なるため、2つの接合部材の熱膨張係数差に起因するガスケットの緩み(ガスケット面圧の低下)、それに伴うシール性の低下といった問題が生じやすい。そのため、温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの部材(接合部材)間のシール性を十分に確保するという本発明の効果を有効に発揮することができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
図1〜図3に示すように、本実施形態の接合体1は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22と、2つの接合部材21、22の間に配置される環状のガスケット3とを備えている。2つの接合部材21、22は、ガスケット3を挟持した状態で接合されている。ガスケット3は、ガスケット3の中心軸30を含む断面において、被接触部31と、2つの接合部材21、22に接触することなく、被接触部31に接触する自己接触部32とを有している。被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側において2つの接合部材21、22のいずれか一方と接触し、他方側において自己接触部32と接触する。以下、これを詳説する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の接合体1は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22と、2つの接合部材21、22の間に配置される環状のガスケット3とを備えている。2つの接合部材21、22は、ガスケット3を挟持した状態で接合されている。ガスケット3は、ガスケット3の中心軸30を含む断面において、被接触部31と、2つの接合部材21、22に接触することなく、被接触部31に接触する自己接触部32とを有している。被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側において2つの接合部材21、22のいずれか一方と接触し、他方側において自己接触部32と接触する。以下、これを詳説する。
なお、本実施形態では、ガスケット3の挟持方向Xを上下方向とし、後述する第1接合部材21側を上側、後述する第2接合部材22側を下側として説明する。また、ガスケット3の挟持方向Xは、接合体1(後述する第1接合部材21及び第2接合部材22)の軸方向やガスケット3の中心軸30の方向と同じ方向である。
図1に示すように、本実施形態の接合体1は、ガスタービンの熱交換器の一部に適用したものである。接合体1は、互いに接合される2つの接合部材(第1接合部材21、第2接合部材22)と、第1接合部材21及び第2接合部材22の間に配設されたガスケット3とを備えている。また、接合体1は、金属製の一対の締付板11、12と、その一対の締付板11、12を締結するための複数組のボルト13及びナット14とをさらに備えている。
第1接合部材21及び第2接合部材22は、いずれも外径が20mm、内径が15mmの金属製の円筒配管である。第1接合部材21及び第2接合部材22は、それぞれ熱膨張係数の異なるステンレス鋼(第1接合部材21:SUS430、第2接合部材22:SUS316)により構成されている。
第1接合部材21及び第2接合部材22の一方の端部には、径方向外側に突出してなるフランジ部211、221が形成されている。フランジ部211、221の外径は30mm、内径は15mm、厚さは5mmである。フランジ部211、221には、ガスケット3に接触する接触面212、222が形成されている。第1接合部材21と第2接合部材22とは、互いのフランジ部211、221の接触面212、222が対向するように配置されている。
ガスケット3は、第1接合部材21のフランジ部211と第2接合部材22のフランジ部221との間に配設されている。ガスケット3の外径は25mm、内径は19mmである。ガスケット3は、ステンレス鋼(SUS316)により構成されている。ガスケット3の断面構造(断面形状)等については後述する。
一対の締付板11、12は、円環板状に形成されている。一対の締付板11、12は、第1接合部材21のフランジ部211及び第2接合部材22のフランジ部221を両側から挟み込むように配設されている。一方の締付板11、12は、複数組のボルト13及びナット14を用いて締め付けることにより締結固定されている。第1接合部材21及び第2接合部材22は、ガスケット3を挟持した状態で接合されている。ガスケット3は、第1接合部材21と第2接合部材22との間をシールしている。
図2に示すように、ガスケット3は、一枚の板材をプレス加工により成形したものである。ガスケット3は、円環状に形成されており、継ぎ目等がなく、一体的に形成されている。ガスケット3は、そのガスケット3の中心軸30を含む断面において、複数箇所で屈曲させた板状に形成されている。なお、図2は、ガスケット3の断面(図1の点線A部分)を拡大して示した図であり、図2の左側がガスケット3の外側、右側がガスケット3の内側である(後述する図3〜図5も同様)。また、図2のガスケット3は、第1接合部材21及び第2接合部材22から圧力を受けていない状態である。
ガスケット3は、4つの曲げ部(第1曲げ部341、第2曲げ部342、第3曲げ部343、第4曲げ部344)を有している。ガスケット3は、一方の端部(第1端部351)から上方内側に延び、第1曲げ部341を介して下方外側に折り曲げられている。また、第2曲げ部342を介して内側に折り曲げられている。また、第3曲げ部343を介して上方に折り曲げられ、さらに第4曲げ部344を介して下方外側に折り曲げられ、他方の端部(第2端部352)につながっている。
なお、本実施形態のガスケット3において、第1端部351は、第1曲げ部341と第2曲げ部342との間の部分に接触している。第1端部351からその接触部分までの間には、閉断面が形成されている。また、第1曲げ部341は、第2端部352に接触している。第1曲げ部341とその接触部分(第2端部352)までの間には、閉断面が形成されている。
また、ガスケット3は、自己接触部32と、その自己接触部32に接触される被接触部31とを有している。本実施形態のガスケット3において、自己接触部32は、第2端部352の先端部分にある。被接触部31は、第2曲げ部342と第3曲げ部343との間の部分にある。
自己接触部32は、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から所定圧力値(第1基準圧力値)以上の圧力を受けた場合に、第1接合部材21及び第2接合部材22に接触することなく、被接触部31に接触する部分である。被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側(上側)において第2接合部材22に接触し、他方側(下側)において自己接触部32と接触する部分である(後述する図3(a)参照)。本実施形態では、初期状態において、自己接触部32は、被接触部31に接触しておらず、被接触部31との間に隙間を形成している。
また、ガスケット3は、自己接触部32とは別の部分に追加接触部33を有している。本実施形態のガスケット3において、追加接触部33は、第4曲げ部344にある。追加接触部33は、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から所定圧力値(第1基準圧力値)よりも高い圧力値(第2基準圧力値)以上の圧力を受けた場合に、第1接合部材21に接触する部分である(後述する図3(b)参照)。
図3(a)、(b)に示すように、ガスケット3は、第1接合部材21のフランジ部211及び第2接合部材22のフランジ部221によって挟持される。このとき、第1接合部材21のフランジ部211の接触面212は、ガスケット3の第1曲げ部341に接触する。第2接合部材22のフランジ部221の接触面222は、ガスケット3の第2曲げ部342と第3曲げ部343との間の部分に接触する。
図3(a)に示すように、一対の締付板11、12の締結力を強めていくと、ガスケット3が第1接合部材21のフランジ部211及び第2接合部材22のフランジ部221によって挟持方向Xに圧縮されて(押し潰されて)変形する。そして、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から挟持方向Xに第1基準圧力値以上の圧力を受けると、ガスケット3の自己接触部32は、被接触部31に対して上側から接触(自己接触)する。このとき、ガスケット3の被接触部31から自己接触部32までの部分において閉断面が形成される。なお、ガスケット3の追加接触部33は、第1接合部材21に接触していない。
このように、ガスケット3の自己接触部32は、被接触部31に自己接触することにより、その被接触部31を介して第2接合部材22を押圧する。すなわち、ガスケット3から第1接合部材22及び第2接合部材22への反力が高くなる。言い換えれば、第1接合部材21及び第2接合部材22からガスケット3への圧力(ガスケット面圧)が高くなる。
図3(b)に示すように、一対の締付板11、12の締結力をさらに強めていくと、ガスケット3が第1接合部材21のフランジ部211及び第2接合部材22のフランジ部221によって挟持方向Xにさらに圧縮されて(押し潰されて)変形する。そして、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から挟持方向Xに第2基準圧力値以上の圧力を受けると、ガスケット3の追加接触部33は、第1接合部材21のフランジ部211の接触面212に接触する。
このように、ガスケット3の追加接触部33が第1接合部材21に接触することにより、第1接合部材21及び第2接合部材22に対する接触箇所を増やすことができる。そして、ガスケット3から第1接合部材22及び第2接合部材22への反力がさらに高くなる。言い換えれば、第1接合部材21及び第2接合部材22からガスケット3への圧力(ガスケット面圧)がさらに高くなる。
なお、前述の第1基準圧力値及び第2基準圧力値は、ガスケット3の材質、形状等、またガスケット3を挟持する第1接合部材21及び第2接合部材22の材質、形状等、さらには接合体1全体の構造等によって種々様々に変更されるものである。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の接合体1は、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22の間に配置される環状のガスケット3は、そのガスケット3の中心軸30を含む断面において、2つの接合部材21、22のいずれにも接触せず、ガスケット3自身(具体的には被接触部31)に自己接触する自己接触部32を有している。そして、被接触部31は、ガスケット3の挟持方向Xの一方側において2つの接合部材21、22のいずれか一方(本実施形態では第2接合部材22)と接触し、他方側において自己接触部32と接触する。
そのため、ガスケット3の自己接触部32は、被接触部31に自己接触することにより、その被接触部31を介して接合部材21、22に対して圧力を付与することができる。すなわち、接合部材21、22に対する反力を高めることができる。言い換えれば、ガスケット3に対する圧力(ガスケット面圧)を高めることができる。これにより、例えば高温や極低温での使用時において、2つの接合部材21、22の熱膨張係数差に起因するガスケット3の緩み(ガスケット面圧の低下)を抑制できる。
その結果、どのような温度環境においても、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22間のシール性(気密性)を、2つの接合部材21、22間に介在させたガスケット3によって十分に確保でき、リークパス等の不具合の発生を抑制できる。そして、接合体1の信頼性向上を図ることもできる。
また、本実施形態において、ガスケット3の自己接触部32は、ガスケット3が2つの接合部材21、22から所定圧力値(第1基準圧力値)以上の圧力を受けたときに、2つの接合部材21、22に接触することなく、被接触部31に接触する。そのため、ガスケット3に対して所定圧力値(第1基準圧力値)以上の圧力を加えることにより、ガスケット3の自己接触部32を被接触部31に自己接触させ、ガスケット面圧を高めることができる。
また、ガスケット3は、自己接触部32とは別の部分であり、かつ、ガスケット3が2つの接合部材21、22から所定圧力値(第1基準圧力値)よりも高い圧力値(第2基準圧力値)以上の圧力を受けたときに、2つの接合部材21、22のいずれか一方(本実施形態では第1接合部材21)と接触する追加接触部33をさらに有している。そのため、ガスケット3の自己接触部32を自己接触させることに加えて、追加接触部33を第1接合部材21に接触させ、接合部材21、22に対する接触箇所を増やすことにより、接合部材21、22に対する反力をさらに高める(増幅させる)ことができる。言い換えれば、ガスケット3に対する圧力(ガスケット面圧)をさらに高めることができる。これにより、2つの接合部材21、22間のシール性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態のガスケット3の場合、ガスケット3に加える圧力を調整することにより、ガスケット面圧を段階的に調整することができる。例えば、2つの接合部材21、22の熱膨張係数の差が小さい場合には、ガスケット3の自己接触部32を被接触部31に自己接触させ、熱膨張係数の差が大きい場合には、さらに追加接触部33を接合部材21、22に接触させるといったガスケット面圧の段階的な調整が可能となる。
また、ガスケット3は、一体的に形成されている。そのため、2つの接合部材21、22間のシール性をより一層向上させることができる。すなわち、ガスケット3に継ぎ目がないことから、継ぎ目部分の凹凸等によってシール性が低下するといったことを抑制できる。また、ガスケット3は、プレス加工により成形されており、製造が容易である。
このように、本実施形態によれば、温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの部材(接合部材21、22)間のシール性を十分に確保できる、シール性に優れた接合体1を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、参照する図1に示すように、接合体1における2つの接合部材21、22の構成を変更した例である。
本実施形態は、参照する図1に示すように、接合体1における2つの接合部材21、22の構成を変更した例である。
同図に示すように、第1接合部材21は、セラミック製の円筒配管であり、第2接合部材22は、金属製の円筒配管である。第1接合部材21は、アルミナからなる緻密体により構成されている。第2接合部材22は、ステンレス鋼(SUS316)により構成されている。第1接合部材21と第2接合部材22とは、互いに熱膨張係数が異なる。その他の基本的な構成は、実施形態1と同様である。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、2つの接合部材21、22のうち、一方(第2接合部材22)が金属からなり、他方(第1接合部材21)がセラミックからなる。すなわち、金属とセラミックとは熱膨張係数が大きく異なるため、2つの接合部材21、22の熱膨張係数差に起因するガスケット3の緩み(ガスケット面圧の低下)、それに伴うシール性の低下といった問題が生じやすい。そのため、温度環境にかかわらず、熱膨張係数の異なる2つの接合部材21、22間のシール性を十分に確保するという効果を有効に発揮することができる。その他の基本的な作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態は、図4に示すように、接合体1におけるガスケット3の表面に軟質層4を設けた例である。
本実施形態は、図4に示すように、接合体1におけるガスケット3の表面に軟質層4を設けた例である。
同図に示すように、ガスケット3は、第1接合部材21及び第2接合部材22と接触する部分に軟質層4が設けられている。本実施形態では、ガスケット3の外表面全体に軟質層4が設けられている。軟質層4は、ガスケット3を構成する材料であるステンレス鋼(SUS316)よりも硬度が低い(軟らかい)Agめっき膜である。その他の基本的な構成は、実施形態1と同様である。
なお、図5(a)は、図3(a)と同様に、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から第1基準圧力値以上の圧力を受けた状態である。図5(b)は、図3(b)と同様に、ガスケット3が第1接合部材21及び第2接合部材22から第2基準圧力値以上の圧力を受けた状態である。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、2つの接合部材21、22と、ガスケット3における2つの接合部材21、22に接触する部分との間には、ガスケット3よりも硬度が低い軟質層4が配置されている。そのため、2つの接合部材21、22とガスケット3との密着性が、場合によっては圧力による軟質層4の変形を伴い、軟質層4によって高められることにより、2つの接合部材21、22間のシール性をより一層向上させることができる。また、本実施形態では、ガスケット3の外表面全体に軟質層4を設けているため、前述の効果をより確実に得ることができる。その他の基本的な作用効果は、実施形態1と同様である。
なお、本実施形態では、ガスケット3の外表面全体に軟質層4を設けたが、例えばガスケット3における2つの接合部材21、22との接触部分にのみ軟質層4を設けてもよい。また、ガスケット3に軟質層4を設けたが、2つの接合部材21、22(例えばフランジ部211、221の接触面212、222)に設けてもよい。また、軟質層4がAgめっき膜であったが、例えば軟質層4をシート状に形成し、2つの接合部材21、22とガスケット3との間に介在させてもよい。
(実験例)
本発明の実施例である接合体(実施例1〜3)及び比較例である接合体について、熱膨張係数の異なる2つの部材(接合部材)間のシール性(気密性)を評価した。
本発明の実施例である接合体(実施例1〜3)及び比較例である接合体について、熱膨張係数の異なる2つの部材(接合部材)間のシール性(気密性)を評価した。
実施例1〜3の接合体は、それぞれ実施形態1〜3の接合体である。また、比較例の接合体は、ガスケットとして市販のOリングを使用し、その他の構成が実施例1〜3の接合体と同様のものである。シール性(気密性)は、接合体に対して600℃で気密試験(He内圧0.8MPaG、外圧0MPaGとし、外側に漏出するHe量を石けん膜流量計にて測定)を実施することにより評価した。
気密試験の結果、実施例1〜3の接合体は、リーク量が石けん膜流量計で測定可能な下限0.2cc/分未満であり、シール性(気密性)が保たれていることが確認された。一方、比較例の接合体は、リーク量が1.0cc/分であり、シール性(気密性)が不十分であることが確認された。
(その他の実施形態)
本発明は、前述の実施形態等に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
本発明は、前述の実施形態等に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)前述の実施形態では、接合体をガスタービンの熱交換器の一部に適用した例を説明したが、熱膨張係数の異なる2つの接合部材を接合するものであれば適用可能である。例えば、ガス分離体(セラミックからなるガス分離筒とそれを接合する金属部材)等に適用することができる。
(2)前述の実施形態では、ガスケットの形状(断面形状)を図2〜図5に示すような形状としたが、これに限定されるものではなく、種々様々な形状を採用することができる。
(3)前述の実施形態では、ガスケットの自己接触部は1つであるが、複数であってもよい。また、前述の実施形態では、初期状態においてガスケットの自己接触部が被接触部に接触していないが、初期状態においてガスケットの自己接触部が被接触部に接触していてもよい。
(4)前述の実施形態では、ガスケットは、追加接触部を有しているが、追加接触部を有していないものであってもよい。また、前述の実施形態では、ガスケットの追加接触部が1つであるが、複数であってもよい。
1…接合体
21…第1接合部材(接合部材)
22…第2接合部材(接合部材)
3…ガスケット
30…中心軸(ガスケットの中心軸)
31…被接触部
32…自己接触部
X…挟持方向
21…第1接合部材(接合部材)
22…第2接合部材(接合部材)
3…ガスケット
30…中心軸(ガスケットの中心軸)
31…被接触部
32…自己接触部
X…挟持方向
Claims (6)
- 熱膨張係数の異なる2つの接合部材と、
該2つの接合部材の間に配置される環状のガスケットとを備え、
前記2つの接合部材は、前記ガスケットを挟持した状態で接合され、
前記ガスケットは、該ガスケットの中心軸を含む断面において、被接触部と、前記2つの接合部材に接触することなく、前記被接触部に接触する自己接触部とを有し、
前記被接触部は、前記ガスケットの挟持方向の一方側において前記2つの接合部材のいずれか一方と接触し、他方側において前記自己接触部と接触することを特徴とする接合体。 - 前記ガスケットの前記自己接触部は、前記ガスケットが前記2つの接合部材から所定圧力値以上の圧力を受けたときに、前記2つの接合部材に接触することなく、前記被接触部に接触することを特徴とする請求項1に記載の接合体。
- 前記ガスケットは、前記自己接触部とは別の部分であり、かつ、前記ガスケットが前記2つの接合部材から前記所定圧力値よりも高い圧力値以上の圧力を受けたときに、前記2つの接合部材のいずれか一方と接触する追加接触部をさらに有していることを特徴とする請求項2に記載の接合体。
- 前記ガスケットは、一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合体。
- 前記2つの接合部材と、前記ガスケットにおける前記2つの接合部材に接触する部分との間には、前記ガスケットよりも硬度が低い軟質層が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接合体。
- 前記2つの接合部材のうち、一方が金属からなり、他方がセラミックからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接合体。
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JP2016022426A (ja) * | 2014-07-18 | 2016-02-08 | 日本特殊陶業株式会社 | 流体分離装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009024838A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 密封構造体 |
JP2009093927A (ja) * | 2007-10-09 | 2009-04-30 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スパークプラグ用の封止部材およびスパークプラグ |
-
2014
- 2014-04-08 JP JP2014079499A patent/JP2015200366A/ja active Pending
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