JP5324710B2 - 溶媒紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は竹繊維及びその製造方法、特に溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維及びその製造方法に関する。
竹繊維製品は高い科学技術レベルを有し、且つ柔らかく滑らか、暖かく、爽涼快適、静菌・抗菌、環境に優しく、自然健康等の特徴を有しているため、広範に使用されている。
竹繊維織物は、複数回の洗浄、ソラリゼーションが行われても、天然抗菌、静菌等の元の特徴が保持される。竹繊維織物は、処理途中で抗菌剤、紫外線防止剤等の仕上げ剤を添加した他の織物と異なる為、人の皮膚に何らかの過敏性反応を及ぼすことはなく、そして、人の皮膚に対して保健作用と滅菌効果を有している。従って、竹繊維織物は本物の皮膚に良い保健製品であり、その応用領域は広くなっている。
竹繊維は、夏季に寝具として応用される場合には、多数の消費者に対しては健康、快適及び爽涼等の効果をもたらすことができる。竹繊維生地は、「21世紀において最も良い将来性がある健康的な生地」と当業者に呼ばれている。
竹繊維の製造方法としては、通常ビスコース法によって竹繊維を製造する。しかし、当該方法は、生産過程が長すぎ且つ環境汚染がひどいという問題があり、そして環境保護の問題が再生竹繊維の発展を妨げる最大な障害となっている。また、当該方法による加工の過程中において、竹の天然特性が損害され、繊維の脱臭、抗菌、紫外線防止機能が低下した。また、ビスコース法によって製造された各種の繊維は、その完成品に残留された硫黄を含有し、硫黄が高温捺染の過程中に硫化水素になる為、加工中に臭味を生じやすくなる。
従って、ビスコース法による前記技術問題を解決するために、竹セルロース繊維の製造過程中に溶剤法を応用し始めた。
中国特許CN1190531C号公報には、溶剤紡糸竹セルロース繊維の製造方法が開示されており、その生産方法には、下記のような欠陥がある。即ち、(1)重合釜の体積が5〜300リットルであるが、通常、5〜300リットルの重合釜が工業化生産の範囲に属していない。(2)当該技術に例示された「パルプの粕を脱水する」という工程は、脱水時間が8時間ほど長くなる為、大量の時間とエネルギーを消耗する。
中国特許CN1760412A号公報には、溶剤紡糸再生竹繊維セルロースの製造方法が開示されているが、当該製造方法は下記のような欠陥がある。(1)生産方法が複雑であり、例えば、パルプの粕を前処理する過程中に加水分解、酸分解、酵素性分解等の三つの工程がある。前処理過程は長時間が必要であり、即ち、加水分解の時間が3〜14時間であり、酸分解の時間が3〜11時間であり、酵素性分解の時間が2.2〜14時間である。且つ、前処理の過程中に、加水分解、酸分解による工業廃水が多量に生じる。(2)当該製造方法には予溶解工程を備えていない為、パルプ品質の不安定を引起す可能性がある。
中国特許CN1851115A号公報には、製紙レベルのバンブーパルプの粕から直接に再生竹繊維を製造する方法が開示されており、その生産方法は高エネルギー線照射の方法が採用されたので、設備コストが高く、エネルギー消費が大きく、且つ生産環境に対する要求も高く、且つ作業者の体に対して潜在的な脅威がある。
本発明は、溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維の製造方法を提供することを目的とする。当該方法は、操作が簡単であり、工業汚染を生じなく、安全性が高く、溶剤紡糸竹繊維の大規模な工業化連続生産に適用できる。
また、本発明は、前記方法により製造される溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維を提供することも目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために下記のような技術方案を採用する。
(1)重合度400〜1000のバンブーパルプの粕を脱イオン水に加えて、pH値を4〜6に調整し、セルラーゼを加えて活性化を行い、さらにアルカリを加えてpH値を10〜13に調整し、活性化を終止させ、ペーストを得る活性化工程と、
(2)前記ペーストを真空脱水して圧搾し、圧搾された含水率10〜60質量%のセルロースを得る圧搾工程と、
(3)圧搾された含水セルロースにN−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液を加えて、予溶解パルプを得る予溶解工程と、
(4)前記予溶解パルプを溶解機に入れて、その後、加熱と真空化、脱水、溶解、均質及び脱気を行った後、パルプを得る溶解工程と、
(5)前記パルプを増圧ポンプによって輸送し、計量ポンプに入れた後に、スピナレットから噴出させ、乾湿式紡糸により成型させて竹繊維を得る紡糸工程と、
(6)水洗工程と、
(7)漂白工程と、
(8)油剤付与工程と
(9)乾燥工程と、
を具備する溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維の製造方法。
本発明における前記工程(1)では、脱イオン水の導電率が5μs/cm2未満であり、pH値が6〜8であり、温度が50℃である。
本発明における前記工程(1)では、セルラーゼが液態のものである。
本発明における前記工程(3)では、出口温度が50〜80℃である。
本発明における前記工程(3)では、予溶解パルプにおけるセルロースの含有量が8〜12質量%であり、pH値が8〜12である。
本発明における前記工程(3)では、含水セルロースとN−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液との質量比が1:2〜1:12である。
本発明における前記工程(4)では、真空度が1.0kpa〜15.0kpaであり、温度が60〜120℃である。
本発明における前記工程(4)では、パルプにおけるセルロース含有量が11〜15質量%である。
本発明における前記工程(5)では、紡糸速度が35〜100m/minであり、紡糸のエアギャップが5〜50mmであり、紡糸のエアブロー温度が10〜25℃であり、紡糸のエアブロー流量が100〜500L/Hであり、エアブローの相対湿度が50〜80%であり、凝固浴の濃度が10〜30%であり、凝固浴の温度が5〜30℃である。
本発明における前記工程(6)では、水洗温度が25〜60℃である。
本発明における前記工程(7)では、循環濃度が0.05〜1.0%であり且つ循環PH値が8〜13である過酸化水素により漂白を行う。
本発明における前記工程(8)では、油剤の循環濃度が0.5〜5%であり、油剤の循環PH値が6〜9であり、油剤の循環温度が50〜70℃である。
本発明における前記工程(9)では、乾燥温度が80〜150℃である。
また、本発明は、前記方法により製造される溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維を提供する。
本発明は、主に下記のような利点を有する。
即ち、本発明に係る製造方法は、操作が簡単であり、工業汚染を生じることなく、安全性が高く、溶剤紡糸竹繊維の大規模な工業化連続生産に適用できる。
本発明に係る製造方法は竹の天然特性を損害することなく、この製造方法により製造される竹繊維は、その固有の脱臭、抗菌、紫外線防止機能を保持することができる。
本発明に係る製造方法により製造される竹繊維は、竹繊維の天然の物理特性と化学特性が保留されるとともに、有害な残留物を残していないため、着用時の安全性を保証することができる。
本発明に係る製造方法により製造される竹繊維は、15cN/dtex以上の高いウェットモデュラスを有し、この竹繊維により製造される製品は、寸法の安定性が良く、濡れている状態で整理する場合及び洗濯とアイロンをする場合には変形が発生し難いため、連続染色及び捺染に適合であり、高級の織物の生産に有利である。
溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維の製造方法は、活性化工程、圧搾工程、予溶解工程、溶解工程、紡糸工程、水洗工程、漂白工程、油剤付与工程、及び乾燥工程を有する。以下、前記各工程について、具体的に説明する。
(1)活性化工程
この活性化工程は、プロセスフローが簡単で、添加される化工試薬が少なく、フロー全体の所要時間が約1時間だけである為、かかる時間が短く、操作が便利である。具体的には、前記プロセスフローは、「プロセス水の調製→パルプの粕の添加→PH値の調整→セルラーゼの添加→活性化の終止」である。
プロセス水の調製では、脱イオン水を使用する。
導電率:5μs/cm2未満
PH値:6〜8
温度:50℃
パルプの粕の添加では、バンブーパルプの粕を使用する。
聚合度:400〜1000
pH値の調整では、酸又はアルカリを使用して調整する。
pH値:4〜6
セルラーゼの添加では、液態セルラーゼ(製品名:CelluPract(登録商標)AL70、製品番号:IPL 5B06610、製造メーカー:BIOPRACT)を使用する。
活性化の終止では、アルカリを加えてpH値を調整する。
pH値:10〜13。
(2)圧搾工程
ペーストを真空脱水して圧搾した後、プロセスに要求される含水率が得られる。
含水セルロースにおける水の含有量:10〜60質量%
粉砕後の含水セルロースのサイズ:3cm*3cm
(3)予溶解工程
本発明には、特に予溶解工程を増加し、パルプ品質の安定化に寄与するとともに、溶解にも寄与している。従って、パルプ品質を向上させて、品質の高い糸を製造することができる。
具体的には、圧搾された含水セルロースにN−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液を加えて、含水セルロースとN−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液との質量比を1:2〜1:12にさせ、パルプの粕を膨潤させて、溶解の均一化とパルプの安定化に寄与することができる。
出口温度:50〜80℃
予溶解パルプの組成:セルロースの含有量が8〜12質量%であり、pH値が8〜12である。
(4)溶解工程
予溶解機を経た混合液を溶解機に入れて、加熱と真空化、脱水、溶解、均質及び脱気を行って、琥珀色の透明な均質のパルプが得られる。
真空度:1.0kpa〜15.0kpa
温度:60〜120℃
パルプの組成:セルロースの含有量が11〜15質量%である。
(5)紡糸工程
パルプを増圧ポンプによって輸送し、計量ポンプに入れた後に、スピナレットから噴出させ、乾湿式紡糸により成型させる。
紡糸速度:35〜100m/min
紡糸のエアギャップ:5〜50mm
紡糸のエアブロー温度:10〜25℃
紡糸のエアブロー流量:100〜500L/H
エアブローの相対湿度:50〜80%
凝固浴の濃度:10〜30%
凝固浴の濃度:5〜30℃
(6)水洗工程
水洗は、繊維を水洗した後に、溶剤であるN−メチルモルホリン−N−オキシドを回収して溶剤の回収率を向上させる工程である。
水洗温度:25〜60℃
(7)漂白工程
水洗された繊維を過酸化水素と安定剤にて漂白して、要求される白色度に達成させる。
過酸化水素の循環濃度:0.05〜1.0%
過酸化水素の循環PH値:8〜13
過酸化水素の循環温度:75℃
安定剤:LAVATEX9188とDELINOL 9258(製造メーカー:Dr.Th.bohme KG, Chem. Fabrik Gmbh&Co)
(8)油剤付与工程
漂白された繊維が油剤付与工程を経て、要求された油剤付与率に達する。
油剤の循環濃度:0.5〜5%
油剤の循環PH値:6〜9
油剤の循環温度:50〜70℃
油剤:Lemin OR , Lemin WG, Lemin AN(製造メーカー:CLARIANT)
(9)乾燥
油剤付与された繊維を、加熱にて要求された繊維含水率に達成させる。
乾燥温度:80〜150℃
実施例1
綿型繊維(ステープル):
導電率5μs/cm2未満、pH値6.8、温度50℃のプロセス水には、重合度500のバンブーパルプの粕を加えて、pH値を4.5に調整して、セルラーゼを加えて活性化を1時間行って、その後、水酸化ナトリウムを加えて活性化を終止させて、pH値を11に調整する。活性化が終止されたペーストに対して、真空脱水及び圧搾を行った後に、含水セルロースの含水量を45質量%に制御して、3cm*3cmの粒子に粉砕される。そして、粒子には、N−メチルモルホリン−N−オキシド含有率78質量%の水溶液を加えて、含水セルロースとN−メチルモルホリン−N−オキシドの水溶液との質量比を1:4にさせ、パルプの粕を膨潤させる。ここで、出口温度が70℃であり、予溶解パルプにおけるセルロースが11.5%であり、pH値が9.5である。予溶解機を通過した混合液を溶解機に入れて、真空度を5.0kpaに制御して、パルプにおけるセルロースを13.8%にさせる。
パルプが増圧ポンプによって輸送され、スピナレットから噴出され、乾湿式紡糸により成型される。ここで、紡糸速度が50m/minであり、紡糸のエアギャップが15mmであり、紡糸のエアブロー温度が14℃であり、紡糸のエアブロー流量が200L/Hであり、エアブローの相対湿度が50%であり、凝固浴の濃度が15%であり、凝固浴の温度が8℃である。得られた繊維が、60℃の水にて水洗された後に、過酸化水素と安定剤により漂白される。ここで、過酸化水素の循環濃度が0.20%であり、過酸化水素の循環pH値が10.8であり、過酸化水素の循環温度が75℃である。漂白された繊維が、油剤の循環濃度1.8%、油剤の循環pH値6.5、油剤の循環温度50℃の条件で、油剤付与を行う。油剤付与された繊維を125℃で乾燥させ、完成品となる繊維が得られる。ここで、繊維は、繊度が1.58dtexであり、乾燥破断強度が3.5cN/dtexであり、湿潤破断強度が3.0cN/dtexであり、乾燥破断伸び率が14.8%であり、湿潤破断伸び率が17.2%であり、ウェットモデュラスが17.9cN/dtexであり、乾燥破断強度の変動係数が10%であり、白色度が58%であり、油含有量が0.23%であり、水分率が11.2%である。
実施例2
中間長さ繊維(フィラメント)
導電率5μs/cm2未満、pH値6.0、温度50℃のプロセス水には、重合度550のバンブーパルプの粕を加えて、pH値を4.2に調整して、セルラーゼを加えて活性化を1時間行って、その後、水酸化ナトリウムを加えて活性化を終止させて、pH値を12に調整する。活性化が終止されたペーストに対して、真空脱水及び圧搾を行った後に、含水セルロースの含水量を55質量%に制御して、3cm*3cmの粒子に粉砕される。そして、粒子には、N−メチルモルホリン−N−オキシド含有率88質量%の水溶液を加えて、含水セルロースとN−メチルモルホリン−N−オキシドの水溶液との質量比を1:3にさせ、パルプの粕を膨潤させる。ここで、出口温度が68℃であり、予溶解パルプにおけるセルロースが9.5%であり、PH値が9.0である。予溶解機を通過した混合液を溶解機に入れて、真空度を7.0kpaに制御して、パルプにおけるセルロースを11.2%にさせる。
パルプが増圧ポンプによって輸送され、スピナレットから噴出され、乾湿式紡糸により成型される。ここで、紡糸速度が40m/minであり、紡糸のエアギャップが25mmであり、紡糸のエアブロー温度が16℃であり、紡糸のエアブロー流量が350L/Hであり、エアブローの相対湿度が60%であり、凝固浴の濃度が15%であり、凝固浴の温度が10℃である。得られた繊維が、40℃の水にて水洗された後に、過酸化水素と安定剤により漂白される。ここで、過酸化水素の循環濃度が0.35%であり、過酸化水素の循環pH値が10.5であり、過酸化水素の循環温度が75℃である。漂白された繊維が、油剤の循環濃度2.5%、油剤の循環PH値7.0、油剤の循環温度60℃の条件で、油剤付与を行う。油剤付与された繊維を110℃で乾燥させ、完成品となる繊維が得られる。ここで、繊維は、繊度が2.18dtexであり、乾燥破断強度が3.33cN/dtexであり、湿潤破断強度が2.98cN/dtexであり、乾燥破断伸び率が15.2%であり、湿潤破断伸び率が17.4%であり、ウェットモデュラスが16.8cN/dtexであり、乾燥破断強度の変動係数が10%であり、白色度が55%であり、油含有量が0.25%であり、水分率が10.5%である。
実施例3
毛型繊維
導電率5μs/cm2未満、pH値7.3、温度50℃のプロセス水には、重合度600のバンブーパルプの粕を加えて、pH値を5.8に調整して、セルラーゼを加えて活性化を1時間行って、その後、水酸化ナトリウムを加えて活性化を終止させて、pH値を12.5に調整する。活性化が終止されたペーストに対して、真空脱水及び圧搾を行った後に、含水セルロースの含水量を25質量%に制御して、3cm*3cmの粒子に粉砕される。そして、粒子には、N−メチルモルホリン−N−オキシド含有率60質量%の水溶液を加えて、含水セルロースとN−メチルモルホリン−N−オキシドの水溶液との質量比を1:7にさせ、パルプの粕を膨潤させる。ここで、出口温度が75℃であり、予溶解パルプにおけるセルロースが9.1%であり、pH値が10である。予溶解機を通過した混合液を溶解機に入れて、真空度を2.5kpaに制御して、パルプにおけるセルロースを12%にさせる。
パルプが増圧ポンプによって輸送され、スピナレットから噴出され、乾湿式紡糸により成型される。ここで、紡糸速度が35m/minであり、紡糸のエアギャップが40mmであり、紡糸のエアブロー温度が20℃であり、紡糸のエアブロー流量が500L/Hであり、エアブローの相対湿度が68%であり、凝固浴の濃度が23%であり、凝固浴の温度が20℃である。得られた繊維が、50℃の水にて水洗された後に、過酸化水素と安定剤により漂白される。ここで、過酸化水素の循環濃度が0.6%であり、過酸化水素の循環pH値が11.5であり、過酸化水素の循環温度が75℃である。漂白された繊維が、油剤の循環濃度4.0%、油剤の循環pH値7.9、油剤の循環温度65℃の条件で、油剤付与を行う。油剤付与された繊維を105℃で乾燥させ、完成品となる繊維が得られる。ここで、繊維は、繊度が3.21dtexであり、乾燥破断強度が3.28cN/dtexであり、湿潤破断強度が2.85cN/dtexであり、乾燥破断伸び率が15.4%であり、湿潤破断伸び率が17.8%であり、ウェットモデュラスが15.2cN/dtexであり、乾燥破断強度の変動係数が10%であり、白色度が50%であり、油含有量が0.3%であり、水分率が11%である。
本発明における実施例1〜3により製造された竹繊維の各物性値を、CN1190531CとCN1851115Aに開示されたデータと、綿型竹材ビスコース短繊維の基準FZ/T 52006-2006に記載された一等品の指標と比較して、具体的なデータを以下の表1に示す。
Figure 0005324710
実施例1〜3により、本発明で製造された竹繊維が15cN/dtex以上の高いウェットモデュラスを有することが分かっている。
実施例4
洗濯収縮率試験
試験条件:
(1)織物:機械織物
(2)同一の大気条件で、温度を20℃にして、相対湿度を58%にする。
(3)縮水機:M988縮水機
実施例1〜3で製造された竹繊維による織物を、ビスコース竹繊維による織物と比較して、具体的なデータを以下の表2に示す。
Figure 0005324710
表2のデータにより、本発明で製造された竹繊維による織物は、ビスコース竹繊維による織物よりも、織物の洗濯収縮率が大幅に低いため、織物のサイズの安定性が良いことが分かっている。
実施例5
糸の沸騰水収縮率試験
試験を行う際に、糸が32sである。
実施例1〜3で製造された竹繊維による糸を、ビスコース竹繊維による糸と比較して、具体的なデータを以下の表3に示す。
Figure 0005324710
表3のデータにより、本発明で製造された竹繊維による糸は沸騰水収縮率が0.5%である為、ビスコース竹繊維による糸よりも、沸騰水収縮率が大幅に低いことが分かっている。
本発明は前記の実施形態のみに限定されるものではなく、様々な変換と変形ができることは言うまでもない。つまり、本発明における請求範囲には、当業者にとって容易である変換と変形が含まれている。

Claims (2)

  1. 以下のステップ:
    (1)重合度400〜1000のバンブーパルプ脱イオン水に加えて、そのpH値を4〜6に調整し、それにセルラーゼを加えて活性化を行い、次いで、アルカリを加えてそのpH値を10〜13に調整して、該活性化を終止させて、ペーストを得る活性化工程、
    (2)前記パルプペーストを真空脱水して圧搾して、含水率10〜60質量%のセルロースを得る圧搾工程、
    (3)前記圧搾された水性セルロースにN−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液を加えて、予溶解パルプを得る予溶解工程、
    (4)前記予溶解パルプを溶解機に入れて、加熱し、真空化し、脱水し、溶解し、均質化し、そして脱気(泡)して、パルプ溶液を得る溶解工程、
    (5)前記パルプ溶液を増圧ポンプによって、計量ポンプに輸送し、スピナレットを通して噴出させ、次いで、乾湿式紡糸により竹繊維を紡糸する紡糸工程、
    (6)水洗工程、
    (7)漂白工程、
    (8)油剤付与工程、及び
    (9)乾燥工程、
    を含み、ここで、
    前記ステップ(3)では、その出口温度は、50〜80℃であり、予溶解パルプのセルロースの含有量は、8〜12質量%であり、pH値が8〜12であり、かつ、前記水性セルロース対N−メチルモルホリン−N−オキシド含有率50〜88質量%の水溶液の質量比は、1:2〜1:12であり、
    前記ステップ(4)では、その真空度は、1.0kpa〜15.0kpaであり、その温度は、60〜120℃であり、かつ、前記パルプ溶液のセルロース含有量は、11〜15質量%であり、
    前記ステップ(5)では、その紡糸速度は、35〜100m/minであり、該紡糸のエアギャップは、5〜50mmであり、該紡糸のブロー温度は、10〜25℃であり、該紡糸のブロー流量は、100〜500L/Hであり、該ブローの相対湿度は、50〜80%であり、前記紡糸浴の濃度は、10〜30%であり、かつ、前記紡糸浴の温度は、5〜30℃であり、
    前記ステップ(7)では、漂白は、過酸化水素により行われ、ここで、循環する過酸化水素の濃度は、0.05〜1.0%であり、かつ、そのpH値は、8〜13であり、そして
    前記ステップ(8)では、循環する油剤の濃度は、0.5〜5%であり、そのpH値は、6〜9であり、かつ、その温度は、50〜70℃である、溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により製造された溶剤紡糸ハイウェットモデュラス竹繊維。
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