JP5317466B2 - 医療器具用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、医療器具、特に血液等の付着により汚染された医療器具を洗浄対象とする医療器具用洗浄剤組成物に関する。
手術、診療、処置、検査等で使用した医療器具は血液等の体液、排泄物等が付着しており、これらの汚れ成分はタンパク質を主としたものである。このような汚れは付着後すぐであれば比較的簡単に除去可能であるが、長時間の放置、消毒剤や熱などの影響下に置くと、固化、変性を起こし、非常に落とし難い汚れとなる。
また、近年の医療技術の高度化に伴い、種々の医療器具、医療機器が開発され、複雑な形状のものや特殊な材質を使用したものが多数登場するに至り、洗浄がより困難な場合を数多く作り出す結果となった。例えば、複雑な構造、特殊な材質という両者の性質を併せ持った器具として、医療用内視鏡が挙げられる。
近年では医療機関の大小を問わず内視鏡を用いた検査や処置が増加している。しかし一方で、内視鏡は非常に高価なものであり、多くの医療機関では使用に余裕のある十分な本数を確保しておくことが困難なため、1本の内視鏡を1日のうちで洗浄、消毒を繰り返しながら何度も使用しなければならない。そこで少数の内視鏡を効率よく使用するために、洗浄や消毒等の付帯作業に割く時間を短くしたいという要求が高まっている。
これら洗浄作業を短時間、簡便にしたとしても、汚れの確実な洗浄除去は要求される。特に、医療用内視鏡は、処置や検査で使用されることにより血液等の体液によって汚染される。汚れは内視鏡の表面だけでなく、管路内といった目視で確認できない部分にも付着する。更にはこの付着物が洗浄によって完全に除去されずに残るということは、単なる洗浄不良ということだけではなく、次の消毒工程にも重大な影響を及ぼすことになる。
特許文献1、2には非イオン界面活性剤、タンパク質分解酵素からなる医療用内視鏡用洗浄剤が提案されているが、酵素系洗浄剤では最良の効果を得るためには温度管理が必要であり、また短時間で高洗浄力を得るには不向きである。
特許文献3にはポリオキシアルキレンアルキルエーテルを添加したアルカリ性洗浄剤が提案されているが、曇点調整用有機溶媒が含有されており温水等を用いた高温下での使用を前提としているため、常温での有機汚れ除去性が不十分である。
一方、金属、ガラス、プラスチック等の表面を洗浄するための洗浄剤はレストラン、厨房、ホテル、家庭で用いられる食器、調理器具用を中心に数多く提案されている。例えば特許文献4には、ノニオン界面活性剤及びアルカリ剤を使用した硬質表面洗浄剤が提案されているが、これは油脂汚れを中心とした洗浄剤であり、血液等の体液が固化、変性した汚れを目的としておらず、実際、医療器具に用いた場合には洗浄性が不十分なことや、医療器具に損傷を与えてしまうといった問題が生じる。
また特許文献5には、医療用の機器および器具の洗浄・消毒剤としてアルカリ金属の水酸化物及びアルカノールアミンを含有するアルカリ性溶液が提案されているが、洗浄成分として添加されている界面活性剤のうち、ノニオン界面活性剤の添加量が少量であり、変性した血液汚れの洗浄除去効果は不十分である。
特開2001−31999号公報 特開平8−157872号公報 特開2007−2090号公報 特開2000−96097号公報 特表2005−516113号公報
本発明の目的は、洗浄性に優れ、好ましくは硬質表面に付着した血液汚れを常温でしかも短時間で除去可能な、医療器具用の洗浄剤組成物を提供することにある。ここで硬質表面とは繊維製品の表面は意味しないが、弾性のある樹脂表面を含むものである。
本発明者らは、医療器具に付着した汚れについて調査した結果、そのほとんどが血液由来汚れであることを明らかにした。これら付着血液は、長時間放置したり、消毒剤や熱などの影響を受けることで、固化、変性を起こし、非常に落とし難い汚れとなる。そこで、これらの汚染物を容易に除去すべく鋭意研究を行ったところ、下記(a)〜(d)成分を特定比率で含有する洗浄剤組成物が血液汚れ等を常温でしかも短時間で除去できることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、次の(a)、(b)、(c)及び(d)成分;
(a)下記一般式(a1)で表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種以上 0.5〜20重量%
HO−(EO)x−(PO)y−(EO)z−H (a1)
〔式(a1)中、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、x及びzはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、yはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、x、y及びzがそれぞれ1〜100の数であり、x+y+z=30〜102の数である。〕
(b)下記一般式(b1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの1種以上 0.5〜20重量%
1−O−〔(EO)s−(PO)t〕−(EO)u−R2 (b1)
〔式(b1)中、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。s及びuはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、tはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、s及びtがそれぞれ1〜20の数であり、uが0〜20の数であり、s+t+u=5〜22の数である。(EO)s及び(PO)tはこの順にブロック結合しているか、またはランダム結合している。〕
(c)アルカノールアミン類 1〜20重量%
(d)アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩から選ばれる一種以上の無機アルカリ剤 1〜15重量%
を含有し、(a)と(b)の重量比(b)/(a)が0.2〜5であり、(c)と(d)の重量比(d)/(c)が0.15〜5である医療器具用洗浄剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、この医療器具用洗浄剤組成物を0.2〜5重量%に水で希釈し、そのときのpHが10以上12未満の範囲である洗浄液で医療器具を洗浄する医療器具の洗浄方法を提供するものである。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、洗浄性に優れ、好ましくは硬質表面に付着した血液汚れを常温でしかも短時間で効果的に除去することができる。
本発明に用いる(a)、(b)、(c)及び(d)の各成分は、洗浄力を発揮する基本物質であり、汚れへの吸着、膨潤、可溶化、加水分解、凝集破壊によって被洗物から汚染物質を効率的に取り除くのに寄与する。
(a)成分のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーは下記一般式(a1)
HO−(EO)x−(PO)y−(EO)z−H (a1)
〔式(a1)中、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、x及びzはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、またyはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、x、y及びzがそれぞれ1〜100の数であり、x+y+z=30〜102の数である。〕
で表わされるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーである。
式(a1)中、x+y+zは、30〜102の数であるが、30〜90が好ましく、更に30〜80が変性血液汚染物の除去の点で好ましい。また同様に、x+zは5〜30が好ましく、yは15〜70が好ましい。
このようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、例えば、エクセノール510、エクセノール511、エクセノール530、エクセノール540〔旭硝子(株)製〕、プルロニックPE6200〔BASFジャパン(株)製〕及びアデカプルロニックL−34、アデカプルロニックL−44、アデカプルロニックL−62、アデカプルロニックL−64、アデカプルロニックL−72、アデカプルロニックL−101〔(株)ADEKA製〕として市販されているものが挙げられる。
(a)成分の含有量は組成物中、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜10重量%の範囲である。(a)成分が0.5重量%以上であると変性血液汚染物の除去に対して効果を発揮するようになり、20重量%以下であると製剤の安定性が良好となる。さらに、1〜10重量%の範囲で用いることでより効果が顕著となる。
(b)成分のポリオキシアルキレンアルキルエーテルは下記一般式(b1)
1−O−〔(EO)s−(PO)t〕−(EO)u−R2 (b1)
〔式(b1)中、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。s及びuはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、tはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、s及びtがそれぞれ1〜20の数であり、uが0〜20の数であり、s+t+u=5〜22の数である。(EO)s及び(PO)tはこの順にブロック結合しているか、またはランダム結合している。〕
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルである。
式(b1)中、R1としては炭素数3〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、さらに炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。
式(b1)中R2は、製剤の安定化の観点から、水素原子が好ましい。式(b1)中、s+t+uは5〜22の数であるが、6〜20が好ましく、更に6〜16が変性血液汚染物の除去の点で好ましい。
このようなポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、プルラファックLF300、プルラファックLF400、プルラファックLF431、プルラファックLF711、プルラファックLF900、プルラファックLF901、プルラファックLF1300〔BASFジャパン(株)製〕及びエマルゲンLS−106、エマルゲンLS−110、エマルゲンLS114、エマルゲンMS110〔花王(株)製〕として市販されているものが挙げられる。
(b)成分の含有量は組成物中、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜10重量%の範囲である。(b)成分が0.5重量%以上であると変性血液汚染物の除去に対して効果を発揮するようになり、20重量%以下であると製剤の安定性が良好となる。さらに、1〜10重量%の範囲で用いることでより効果が顕著となる。
(c)成分のアルカノールアミン類も同様に、変性固着を起こした血液汚染物に対して効果を発揮するとともに、汚れ負荷が多くなった際のpHの低下を抑制する緩衝剤としても作用する。(c)成分としては炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルカノールアミンが挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモノイソプロパノールアミンが好ましい。中でもモノエタノールアミンが変性血液汚れの除去性能が高くさらに好ましい。
(c)成分の含有量は洗浄液の安定性及び変性血液汚れの除去性能の観点から組成物中、1〜20重量%配合、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは3〜10重量%の範囲である。
(d)成分のアルカリ金属の水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムが挙げられ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリ金属の珪酸塩としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウムが挙げられる。
(d)成分の含有量は組成物中1〜15重量%であるが、好ましくは2〜12重量%、さらに好ましくは4〜8重量%である。このうちアルカリ金属の水酸化物については5重量%未満であると取り扱い上の危険性が低減される。また、アルカリ金属の珪酸塩は、洗浄中に失活するアルカリ金属塩の水酸化物を補って洗浄力を維持するのに寄与するため、これらを併用することが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物では、(a)と(b)の重量比(b)/(a)が0.2〜5であるが、0.2〜4が好ましく、更に0.2〜3が変性した血液汚れの洗浄力向上の点で好ましい。また、(c)と(d)の重量比(d)/(c)は、0.15〜5であるが、0.2〜4が好ましく、更に0.4〜2.5が洗浄力向上及びアルカリ度維持の点で好ましい。
本発明では、上記必須成分の他に、更に、(e)アミノカルボン酸系キレート剤を含有せしめることが好ましい。(e)成分は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの補足に効果があり、スケール発生を防止することに寄与する。特に珪酸塩を配合した組成物ではスケールの発生が起こりやすくなるため、(e)成分を配合することが好ましい。
(e)成分としては、エチレンジアミン4酢酸やニトリロ3酢酸及びこれらの塩(ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩)が好ましい。(e)成分の含有量は組成物中、2〜15重量%、好ましくは2〜12重量%である。(e)成分の含有量が2重量%以上であるとスケール発生を抑制でき、15重量%以下であると製剤の安定性が良好となる。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は、水及び上記必須成分を含有するが、更に必要に応じて従来の医療器具用洗浄剤組成物に用いられているのと同様の他の添加剤、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤や防錆剤、可溶化剤としてのプロピレングリコール等の有機溶剤や脂肪酸石鹸等、さらに有機酸やその塩、また消泡剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は水で20倍〜500倍(0.2〜5重量%)に希釈して使用し、そのときの水溶液のpHが10以上12未満の範囲、特に11以上12未満であることが好ましい。本発明品の水溶液はpHが10以上で洗浄効果が高まる。また、pHが12以上であると洗浄性の面では有利になるが、被洗物である医療器具の基材損傷性が懸念されるため実用的なpHではない。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は前記水溶液にして、その中に医療器具を浸け込み静置状態で接触させるか、或いは循環装置等により水流を起こすか又は超音波発生装置により振動を与えて、動的条件下で洗浄液と接触させて使用することが好ましい。
浸漬静置状態での洗浄は、機械力をかけ積極的に洗浄液を動かす洗浄方法とは異なるが、スポンジやブラシを用いた用手による洗浄を行うことを妨げるものではない。
本発明の医療器具用洗浄剤組成物は(a)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーと(b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの組合せによっては水で希釈することで白濁することがある。しかし希釈洗浄液が白濁しても、均一に分散した状態を維持していれば固着血液汚れの洗浄性には何ら影響を及ぼさない。つまり、特定の(a)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、(b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、(c)アルカノールアミン類及び(d)無機アルカリ剤を含有し、これらの成分が偏りなく固着血液汚れと接触する環境であれば、高い洗浄力を得ることができる。これは本発明組成物を使用したときの洗浄メカニズムが、(a)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー及び(b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルによるミセル形成や、界面張力低下等の物理化学的な液性変化によるものではなく、界面活性剤及びアルカリ剤の各成分がそれぞれ直接、固着汚れに吸着・浸透することで洗浄性能を示すためである。更に、この性質により、洗浄温度を上げてノニオン界面活性剤含有洗浄剤特有の曇点を越え白濁した状態となっても、十分高い洗浄力を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1<洗浄試験>
表1及び表2に示す洗浄剤組成物を調製し、以下の方法で洗浄性を評価した。
(1)血液付着汚れの作成
(1−1)モデル汚れ(硬質表面塗布用血液)の準備
馬無菌保存血〔(株)日本生物材料センター製〕を遠心分離機にかけ(条件;遠心加速度300×g,時間10分)、丁寧に上澄み部分を取り除く。この操作により得られた、遠心分離血液の下層部を均一にしたものをモデル汚れ用血液とした。
(1−2)変性血液汚れ(I)
上記により調製したモデル汚れ用血液20mgを、テフロン(登録商標)製プレート(1mm×30mm×80mm)のほぼ中央部で15mm×15mmの面積に均一に塗布し、25℃で2時間自然乾燥させた後、さらに50℃に設定した乾燥機で1時間乾燥させたものを変性血液汚れ(I)とした。
(1−3)変性血液汚れ(II)
(1−2)と同様にテフロン(登録商標)製プレートにモデル汚れ用血液20mgを塗布し、すぐに50℃に設定した乾燥機中に1時間置いたものを変性血液汚れ(II)とした。
(1−4)変性血液汚れ(III)
アクリル製プレート(2mm×10mm×80mm)の長辺に垂直方向に、長さ10mm、幅1mm、深さ0.5mmのV字型の溝を7mm以内に4本刻む。この溝にモデル汚れ用血液10mgを均一に塗布し、25℃で2時間自然乾燥させた後、さらに50℃に設定した乾燥機で1時間乾燥させたものを変性血液汚れ(III)とした。
(2)洗浄
表1及び表2に示す洗浄剤組成物をそれぞれイオン交換水で200倍に希釈したものを洗浄液とした。
(2−1)静置浸漬洗浄
液温を25℃に調整した洗浄液にテストピースを静置条件で浸け込み、5分間接触させた後、直ぐに取り出しイオン交換水ですすいだ。
(2−2)流水洗浄
機械洗浄のモデルとして流水下での洗浄を行った。水流装置はコールパーマ社(米国)製マスターフレックス送液ポンプを使用した。装置はポンプ(型式PA−21B)、ポンプヘッド(型番7024−21)4連装着、チューブ(型番96410−24)で構成した(最大送液量約6500mL/min)。
流水洗浄は上記装置に内径10mmのシリコンチューブを装着し、その管路内に(1−4)で作成したテストピースを入れ4000mL/minの流量の洗浄液と1分間接触させた。洗浄後直ぐに取り出しイオン交換水ですすいだ。
(2−3)高温(曇点越え)洗浄
液温を50℃に調整した洗浄液にテストピースを静置条件で浸け込み、5分間接触させた後、直ぐに取り出しイオン交換水ですすいだ。
(3)洗浄評価
(3−1)テフロン(登録商標)製プレートに作成した変性血液汚れ(I)、変性血液汚れ(II)については静置浸漬洗浄を行ない、残存汚れを目視にて判定した。尚そのときの評価基準は以下の通りである。
[評価基準]
◎:汚れの付着が無く、洗浄性が極めて良好であった。
○:僅かながら汚れの痕跡が認められたが、洗浄性は良好である。
△:汚れが残存し、洗浄性は悪かった。
×:汚れがほとんど除去されず、洗浄性は極めて悪かった。
(3−2)変性血液汚れ(III)については、静置浸漬、流水下及び高温(曇点越え)洗浄で洗浄し、以下の手順及び式により洗浄率を算出、洗浄性の評価とした。
血液汚れ量の定量(ATP測定)
ATP測定用チューブに滅菌水1.0mLを入れ、そこに綿棒を浸し、その綿棒で洗浄後のテストピースに残存した血液汚れをふき取る。綿棒を測定チューブに戻し、チューブ内の滅菌水中にふき取った汚れを十分に洗い出す。そのうち0.1mLを別の測定チューブに分注する。そこに、「ルシフェール250プラス〔キッコーマンATP測定試薬キット,キッコーマン(株)〕」の取扱い説明に則り測定液を調製し、ルミノメーター「ルミテスターC−100〔発売元キッコーマン(株)〕」を用いて測定する。残存血液中のATPは測定試薬を発光させ、ルミノメーターにより発光量(RLU:Relative Light Unit)が数値データとして得られる。同様に、洗浄していないテストピースの汚れ量を測定すれば次式により洗浄率が算出できる。
洗浄率(%)=100−RLUt1 / RLUt0 × 100
RLUt0:初期のテストピースに付着している血液のATP発光量(RLU)
RLUt1:洗浄後のテストピースに残存している血液のATP発光量(RLU)
Figure 0005317466
Figure 0005317466
表1の結果から、本発明品は、種々の血液汚れに対して、高い洗浄性を示すことが判る。

Claims (5)

  1. 次の(a)、(b)、(c)及び(d)成分:
    (a)下記一般式(a1)で表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーの1種以上 0.5〜20重量%
    HO−(EO)x−(PO)y−(EO)z−H (a1)
    〔式(a1)中、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、x及びzはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、yはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、x、y及びzがそれぞれ1〜100の数であり、x+y+z=30〜102の数である。〕
    (b)下記一般式(b1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの1種以上 0.5〜20重量%
    1−O−〔(EO)s−(PO)t〕−(EO)u−R2 (b1)
    〔式(b1)中、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。s及びuはエチレンオキシドの平均付加モル数を示し、tはプロピレンオキシドの平均付加モル数を示し、s及びtがそれぞれ1〜20の数であり、uが0〜20の数であり、s+t+u=5〜22の数である。(EO)s及び(PO)tはこの順にブロック結合しているか、またはランダム結合している。〕
    (c)モノエタノールアミン 1〜20重量%
    (d)アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩から選ばれる一種以上の無機アルカリ剤 1〜15重量%
    を含有し、(a)と(b)の重量比(b)/(a)が0.2〜5であり、(c)と(d)の重量比(d)/(c)が0.15〜5である医療器具用洗浄剤組成物。
  2. 更に、(e)アミノカルボン酸系キレート剤を含有する請求項記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  3. 組成物を0.2〜5重量%に水で希釈したときのpHが10以上12未満の範囲である請求項1又は2記載の医療器具用洗浄剤組成物。
  4. 請求項1〜の何れか1項記載の医療器具用洗浄剤組成物を0.2〜5重量%に水で希釈し、そのときのpHが10以上12未満の範囲である洗浄液で医療器具を洗浄する医療器具の洗浄方法。
  5. 前記洗浄液に対して医療器具を浸け込み静置状態で接触させるか、又は循環装置による水流若しくは超音波発生装置による振動をおこし、動的条件下で該洗浄液と接触させて洗浄する請求項記載の医療器具の洗浄方法。
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