JP5706152B2 - 内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
従来より、内視鏡は、使用した後の再処理方法として、十分に洗浄し、消毒を行った後、次の処置に用いられていた。内視鏡の洗浄用として、内視鏡自動洗浄機が存在しているが、洗浄力が不十分なために、内視鏡洗浄機を用いる前には、必ず手洗いにより洗浄を行うことが必要であった。この原因の一つは、洗浄時に泡立ちが生じ、超音波や水流による物理力を内視鏡に働かせることができないためであると考えられる、またもう一つの原因としては、凝固血液にような表面に固着した汚れは通常の洗浄剤では落とすことができないことが挙げられる。
特許文献1には、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン系ノニオン界面活性剤を含有する洗浄液を用いた特定の内視鏡洗浄方法が開示されている。特許文献1のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン系ノニオン界面活性剤として、一般式(I)で表されるものが挙げられている(特許文献1の請求項2)。
特許文献2には、プロテアーゼ、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーを主成分とするノニオン界面活性剤、特定の酵素安定剤を含有する水溶液からなる、内視鏡自動洗浄機にも適応可能な洗浄剤組成物が開示されている。また、先行文献3には、低泡性非イオン界面活性剤と、洗浄ビルダーと、炭素数6〜10の脂肪族カルボン酸とを必須成分とする自動食器洗浄機用洗浄剤が開示されている。
特開2010−57846号公報 特開2001−31999号公報 特開平6−33100号公報
内視鏡自動洗浄機による洗浄では、水道水を加温することなくそのままの温度で用いることが一般的であるが、特許文献1の一般式(I)の界面活性剤では、水温が低いときに、著しい泡立ちが生じ洗浄性が低下する。また、特許文献1では、循環のための排出ノズルを水中、すなわち洗浄液の液面下に設けることが記載されているが、液面下にノズルを設置すると、水流の状態が目視では確認することができないため、ノズルの目詰まりによって、洗浄性が低下しても気がつくことができず、洗浄不良の原因となる。また、特許文献2の洗浄剤組成物を内視鏡自動洗浄機に適応した場合も、低温では著しい泡立ちを生じる。また、特許文献3の自動食器洗浄機では、通常、温水を用いて洗浄するため、低温での洗浄やその場合の問題点は認識されていない。引用文献3の洗浄剤を内視鏡自動洗浄機に適応した場合も、低温では著しい泡立ちを生じる。このように、従来、低温での抑泡性が高く、且つ洗浄力に優れた内視鏡洗浄機用洗浄剤は見出されていなかった。一方で、特に液体形態の内視鏡洗浄機用洗浄剤では、液体の安定性や酵素の安定性が高温でも優れることも望まれる。
本発明の課題は、低温での抑泡性が高く、且つ高温安定性に優れた内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物を提供することである。
本発明は、(A)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル〔以下、(A)成分という〕、(B)炭素数6〜10の脂肪酸又はその塩〔以下、(B)成分という〕、(C)下記一般式(C1)で表される化合物〔以下、(C)成分という〕、及び(D)酵素〔以下、(D)成分という〕を含有する内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
R−O−(AO)n−H (C1)
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、AOは炭素数3以上のアルカンジイルオキシ基であり、nはAOの平均付加モル数であり1〜500の数である。〕
本発明において、内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物とは、内視鏡洗浄機で用いる洗浄剤組成物という意味であり、内視鏡洗浄機により内視鏡を洗浄するための洗浄剤組成物である。
本発明によれば、低温での抑泡性が高く、且つ高温安定性(配合安定性や酵素保存安定性)に優れた内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物が提供される。本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、高温安定性に優れることから、高温保存後も優れた洗浄力を発現する。
〔(A)成分〕
(A)成分のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、非イオン界面活性剤であり、下記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して1〜20の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤のR基は、直鎖でも分岐鎖でもよいが、洗浄性、泡特性の観点から、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜18であり、6〜14が好ましく、更に7〜10がより好ましい。R基は特に分岐鎖を有する炭素鎖が8〜10のアルキル基が好ましい。また、l、mは独立して1〜20の数であり、2〜15の数が好ましく、3〜10の数がより好ましい。またlとmの比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。EO及びPOの付加形態は、ランダム付加であってもブロック付加であっても良い。
更に、特に好適な一般式(1)の非イオン界面活性剤として、下記一般式(1−1)、(1−2)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
RO−(EO)la−(PO)m−(EO)lb−H (1−1)
(Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、la、lb、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、la、lb、mは独立して1〜20の数であり、且つ、la+lbは2〜20である。EO及びPOの付加形態は、EO−PO−EOの順にブロック付加である。)
RO−[(EO)l/(PO)m]−H (1−2)
(Rは、分岐鎖を有する炭素数7〜10のアルキル基、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、l、mはEO及びPOの平均付加モル数を表し、l、mは独立して3〜10の数である。“/”はEOとPOがランダムでもブロックでもよいことを示す記号である。また、EOとPOの付加順序は問わない。)
一般式(1−1)で表される非イオン界面活性剤のR基は、直鎖又は分岐鎖である、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、分岐鎖のアルキル基がより好ましい。R基の炭素数は6〜18であり、6〜14が好ましく、更に7〜10がより好ましい。また、la、lb、mは独立して1〜20の数であり、2〜15の数が好ましく、3〜10の数がより好ましく、且つ、la+lbは、2〜20であり、2〜15がより好ましい。また(la+lb)とmの比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。
また、一般式(1−2)で表される非イオン界面活性剤は、例えば、プルラファックという商品名でBASF社から入手可能である。
一般に、医療器具洗浄機、特に内視鏡洗浄機に関しては、洗浄時の水温に温度管理がされていないものが多い。常温で洗浄した場合には、特に泡が問題にならない場合でも、水温が低くなると、泡が消えにくくなる。
一方、洗浄力を高めるために、洗浄機の中では常に高圧で噴出された水が循環しており、非常に泡立ちやすくなっている。泡がたつと、泡により超音波や水流の物理力が緩和され、医療器具表面に伝わりにくくなり洗浄力が低下する。それだけではなく、医療器具の洗浄機に備えられている洗浄水の供給や排出を感知するための水位センサーの誤感知を起こし、洗浄が停止してしまう。また、RO水や、イオン交換水など極端に硬度が低い水を使用したときにも同様の問題が見られる。そのため5℃の低硬度の水を使用した場合でも泡立ちが抑制されていることが好ましい。
このような観点から、本発明では(A)成分として一般式(1)の非イオン界面活性剤が好ましく、これを適宜併用して用いてもよい。なかでも、(1)の非イオン界面活性剤のうち、一般式(1−1)中のRが炭素数6〜14の炭化水素基である非イオン界面活性剤が好ましく、炭素数7〜10がより好ましく、より更にRが炭素数7〜10で分岐鎖を有するものが好ましく、特に炭素数が8〜9で分岐鎖を有するものが好ましい。
(A)成分の含有量は、洗浄性の観点から本発明の内視鏡洗浄機用組成物中、好ましくは0.5〜30質量%、更に1〜20質量%、より更に3〜10質量%が好ましい。
〔(B)成分〕
(B)成分の炭素数6〜10の脂肪酸又はその塩としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、2エチルヘキサン酸、イソデカン酸が挙げられる。対イオンとしは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。(B)成分は、配合安定性の観点から、オクタン酸、2エチルヘキサン酸、イソノナン酸、デカン酸、及びこれらの塩が好ましく、オクタン酸又はその塩が更に好ましく、オクタン酸又はそのアルカノールアミン塩がより好ましい。
(B)成分の含有量は、配合安定性及び抑泡性の観点から、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物中、酸型に換算して好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%の範囲である。
また、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、配合性、洗浄性及び抑泡性の観点から、(A)成分と(B)成分の質量比〔ただし、(B)成分は酸型に換算した量である〕が、(A)/(B)で1/2〜5/1であることが好ましく、より好ましくは2/3〜3/1、更に好ましくは1/1〜2/1である。
〔(C)成分〕
(C)成分は、下記一般式(C1)で表される化合物である。
R−O−(AO)n−H (C1)
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、AOは炭素数3以上のアルカンジイルオキシ基であり、nはAOの平均付加モル数であり1〜500の数である。〕
一般式(C1)中、Rがアルキル基の場合、炭素数は6〜18、更に8〜16が好ましい。また、Rが炭素数1〜18のアルキル基の場合、nは1〜30、更に2〜5が好ましい。また、Rが水素原子の場合、nは5〜500、更に20〜200が好ましい。AOは、炭素数3〜8、更に3〜4のアルカンジイルオキシ基が好ましく、より好ましくは炭数3のプロパンジイルオキシ基である。
(C)成分としては、配合安定性の観点から、ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数は3以上)アルキルエーテル、ポリプロピレングリコール等が好ましい化合物として挙げられる。
(C)成分の含有量は、抑泡性と洗浄性のバランスの観点から、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物中、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.02〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%の範囲である。
<(D)成分>
(D)成分の酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等が挙げられ、プロテアーゼ、更にアルカリプロテアーゼが好ましい。
アルカリプロテアーゼは、好ましくは中性からアルカリ側に至適pHが存在するものであれば如何なる酵素でもよく、またこの条件を満たす複数のアルカリプロテアーゼを組合せて使用することが可能である。アルカリプロテアーゼはBacillus SPに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましく、中でも、Bacillus Halodurans、Bacillus clausiiに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましい。市販されているアルカリプロテアーゼとしては、ノボザイムズジャパン社から入手できるアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、エスペラーゼ、カンナーゼ、オボザイム、ジェネンコア・インターナショナル社から入手できるプラフェクト、プロペラーゼなどがある。また特開2007−61101号公報に記載されたアルカリプロテアーゼも好適に使用できる。
また、本発明の洗浄剤組成物から調製される洗浄液中、アルカリプロテアーゼの含有量(タンパク質分解活性)は、固着タンパク質除去効果及びコストの観点から、洗浄液1kgあたり、0.01〜200PUが好ましく、0.05〜100PUがより好ましく、0.1〜50PUがさらに好ましく、0.5〜20PUが特に好ましい。
なお、タンパク質分解活性(PU/g)は次の方法により測定される。
1w/v%の濃度でカゼイン(ハマーステイン:メルク社)を含む50mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.5)1mLを30℃で5分間保温した後、0.1gの酵素溶液と混合し、30℃で15分間反応を行う。反応停止液(0.11mol/Lトリクロロ酢酸−0.22mol/L酢酸ナトリウム−0.33mol/L酢酸)2mLを加え、室温で10分間放置する。次に酸変性タンパク質をろ過(No.2ろ紙;ワットマン社製)し、ろ液0.5mLにアルカリ性銅溶液[1w/v%酒石酸カリウム・ナトリウム水溶液:1w/v%硫酸銅水溶液:炭酸ナトリウムの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液溶解物(炭酸ナトリウム濃度2w/v%)=1:1:100(V/V)]2.5mLを添加し30℃、10分間保温する。さらに、希釈フェノール試薬[フェノール試薬(関東化学社製)をイオン交換水で2倍に希釈したもの]0.25mLを加え、30℃で30分間保温後、このサンプルの660nmにおける吸光度を測定する。また、上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えたものをブランクとして同様に吸光度を測定する。次にサンプルとブランクとの吸光度差により、遊離してきた酸可溶性のタンパク質分解物量(チロシン換算された量)が得られ、これを反応時間(本条件の場合:15分)及び酵素溶液量(本条件の場合:0.1g)で除して、タンパク質分解活性値を求めることができる。なお、1PUは、上記の反応条件において1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性タンパク質分解物を遊離する酵素量とする。
〔その他の成分〕
本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、配合安定性、酵素保存安定性の観点から(E)炭素数10以下のアルキル基を有するグリセリルエーテル〔以下、(E)成分という〕を含有することが好ましい。(E)成分のアルキル基の炭素数は6〜9が好ましい。(E)成分は2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルが好ましい。(E)成分の含有量は、配合安定性、酵素保存安定性の観点から、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物中、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜5質量%の範囲である。
本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、血液汚れの洗浄性の観点から、(F)アルカノールアミン〔以下、(F)成分という〕を含有することが好ましい。(F)成分のアルカノールアミンは、変性固着を起こした血液汚染物に対して効果を発揮するとともに、汚れ負荷が多くなった際のpHの低下を抑制する緩衝剤としても作用する。アルカノールアミンとしては、一般式 N(R1)(R2)(R3) で表されるものが挙げられる。R1はOH基を1〜3含む炭素数1〜8の炭化水素基であり、R2、R3は、それぞれ、独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルカノール基である。R1は、炭素数2〜4のアルカノール基が好ましく、R2、R3としては、水素原子が好ましい。前記一般式のアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリスヒドロキシアミノメタン等が挙げられ中でも、洗浄力の点からモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシアミノメタンが好ましく、モノエタノールアミンが最も好ましい。
また、本発明には(F)成分以外のアルカリ剤〔以下、(F’)成分という〕を併用することもできる。(F’)成分としては、アルキルアミン、4級アンモニウムなどの有機アルカリ化合物、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩から選ばれる一種以上を配合することが可能である。アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1号珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸カリウム、2号珪酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、オルト珪酸カリウムなどを挙げる事ができる。
(F)成分と(F’)成分の合計中の(F)成分の比率は、タンパク質汚れの除去効果の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらにより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
(F)成分の含有量は、洗浄液の安定性及び変性血液汚れの除去性能の観点から本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物中、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%の範囲である。
また、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、(A)成分以外の非イオン界面活性剤〔以下、(A’)成分という〕を含有することもできる。(A’)成分としては、下記(A’1)又は(A’2)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。
(A’1)下記一般式(A’1−1)〜(A’1−2)で表されるポリアルキレングリコール
HO−(EO)o−(PO)p−(EO)q−H (A’1−1)
HO−(PO)p−(EO)q−(PO)r−H (A’1−2)
(EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数を表し、それぞれ独立して3〜100の数である。)
(A’2)炭素数6〜16の炭化水素基を有するアルキルアミンオキサイド
(A’1)の一般式(A’1−1)、(A’1−2)で表されるポリアルキレングリコールにおいて、EOはエタンジイルオキシ基、POはプロパンジイルオキシ基を示し、o、p、q、rは平均付加モル数であり、それぞれ独立して3〜100の数であり、5〜30の数がより好ましい。また(o+q)/pの比又はq/(p+r)の比は、3/1〜1/3が好ましく、2/1〜1/2がより好ましい。一般式(A’1−1)、(A’1−2)で表されるポリアルキレングリコールは、例えば、プルロニック、プルロニックRという商品名でBASF社から入手可能である。
(A’2)のアミンオキシドは、少なくとも1つの炭素数6〜16の炭化水素基を有しており、炭素数6〜14が好ましく、炭素数8〜12がより好ましい。炭化水素基はアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基を有するアミンオキサイドが好ましい。また、炭素数6〜16の炭化水素基以外の置換基は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
この他にも、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、金属封鎖剤、防食剤、着色剤、賦香剤、粘度、調整剤、可溶化剤、消泡剤等の成分を必要に応じて含有することができる。
本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物の形態は、液体(分散粒子を含んでいてもよい)であることが好ましい。液体の場合、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、水を好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは15〜30質量%含有する。また、液体でかつ水を含有する場合、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、25℃のpHが好ましくは10.5以上、更に好ましくは10.5〜13、より好ましく10.5〜12.5、より更に好ましくは11〜12である。
本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、そのまま使用してもよいが、通常、該洗浄剤組成物を水で希釈して調製した洗浄液を洗浄に用いる。希釈倍率は限定されないが、通常50倍〜1000倍程度に希釈することが好ましい。洗浄力には、洗浄時のpHも重要であり、本発明の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、水による200倍希釈物のpHが25℃で9.5以上、更に10以上、より更に10.5以上であることが望ましい。また、200倍希釈物のpHの上限値は基材損傷性の観点から12以下が好ましい。
内視鏡洗浄装置は、一般的に洗浄漕内に使用済みの内視鏡を固定し、洗浄剤組成物を含む水に浸漬しさらに、高速の水流や超音波によって洗浄が行われている。水流は、漕内の水をポンプで循環させ、さらに、高圧のノズルから洗浄液を内視鏡に吹き付けることによって行われている。ノズルやフィルター部分に目詰まりが発生すると、洗浄効率が低下するために、水流の状態を確認するために洗浄用のノズルは水面上に配置されたノズルから吹き出されている。そのため、泡立ちが発生しやすい構造になっている。一方で、泡立ちが発生すると、超音波が内視鏡に届き難くなったり、水流の勢いが弱められることにより洗浄力が低下する。洗浄後、引き続き、消毒工程が行われるが、洗浄が不十分な場合、消毒効果が十分でなくなる恐れがある。
一般的に内視鏡の洗浄では、洗浄機を用いた場合、洗浄力が十分ではないため、手洗いによる洗浄が各種ガイドラインで推奨され一般的に行われている。しかしながら手洗いによる洗浄は、外表面や複数ある管路内をスポンジやブラシで洗浄したり、管路内を通液することによってすすいだりする複雑な工程であり、作業者の感染や、作業ミスによる洗浄不良により、殺菌が不十分になることが懸念される。したがって、十分な洗浄力を有する内視鏡自動洗浄装置が希求されている。
表1の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物を調製し、以下の方法で高温安定性、酵素の保存安定性、及び抑泡性とを評価した。結果を表1に示す。なお、pHは、堀場製作所製 pHメータ F−21を用いて測定した。
<高温安定性>
組成物を、透明なガラス製容器にいれて、50℃の恒温槽に入れ1日保存後、外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。
A:透明で均一であった。
B:2層に分離または沈殿物が生成した。
<酵素の保存安定性>
予め酵素活性を測定した内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物を、40℃で2週間保存し再度、酵素活性を測定した。保存前の酵素活性と比較し、初期と比較し残存活性を%で表した。酵素活性の測定方法は本文記載の「タンパク質分解活性」の測定法とした(ただし、「酵素溶液」は「内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物」と読み替える。)。
<抑泡性>
オリンパスメディカルシステムズ社製の内視鏡洗浄消毒装置OER−2を用いて評価を行った。5℃に冷却した水道水を供給した。内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物は、水道水と同時に洗浄槽に投入した。洗浄時間を10分に設定し、洗浄時の泡状態を以下の基準で評価した。
4 泡立ちが少なく動作に問題がない。
3 泡立ちが多く、泡により多少液面の上昇が見られる。洗浄には特に問題ない
2 泡立ちが激しく、液面が上昇し、長時間洗浄した場合、泡があふれる出てくることもある。泡立ちによる洗浄性の低下がみられる
1 著しい泡立ちのためが装置から液が多量に漏れるため、使用不可能。
評価点が3点以上であれば、内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物として使用可能である。
Figure 0005706152
表中の成分は以下のものである。
・非イオン界面活性剤:一般式(1−2)で表される非イオン界面活性剤であって、一般式(1−2)中のRが分岐鎖を有する炭素数9のアルキル基、lが9.0、mが5.2であり、EOとPOがランダム配列である非イオン界面活性剤(Plurafac LF901(BASFジャパン製))
・C−(1):一般式(C1)中のRが直鎖の炭素数12アルキル基、AOが炭素数3のプロパンジイルオキシ基、nが5の化合物(消泡剤No.8(花王(株)製))
・C−(2):一般式(C1)中のRが水素原子、AOが炭素数3のプロパンジイルオキシ基、nが70の化合物(和光純薬工業(株)製)
・サビナーゼ:ノボザイム社製、プロテアーゼ、酵素活性 12PU/g

Claims (9)

  1. (A)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、(B)炭素数6〜10の脂肪酸又はその塩、(C)下記一般式(C1)で表される化合物、及び(D)酵素を含有する内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
    R−O−(AO)n−H (C1)
    〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、AOは炭素数3以上のアルカンジイルオキシ基であり、nはAOの平均付加モル数であり1〜500の数である。Rが水素原子の場合、nは5〜500の数である。
  2. (A)/(B)の質量比が1/2〜5/1である、請求項1記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  3. (B)が、オクタン酸又はその塩から選ばれる脂肪酸又はその塩である、請求項1又は2記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  4. 更に、(E)炭素数10以下のアルキル基を有するグリセリルエーテルを含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  5. (E)が、2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルである、請求項4記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  6. 更に、(F)アルカノールアミンを含む、請求項1〜5の何れか1項記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  7. (F)が、モノエタノールアミンである、請求項6記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  8. (D)が、プロテアーゼである、請求項1〜7の何れか1項記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
  9. 原液のpHが25℃で10.5以上である、請求項1〜8の何れか1項記載の内視鏡洗浄機用洗浄剤組成物。
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