JP4230328B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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したがって、液体洗浄剤の使い易さを生かしつつ、高洗浄力を達成し、かつ溶解性が良好な液体洗浄剤が望まれていた。
本発明の液体洗浄剤組成物は、水相中に体積平均粒径0.1〜20μmの、界面活性剤を含有する液滴が存在する。この液滴は、(b)成分の水溶性炭酸塩等の水溶性無機塩による界面活性剤の塩析により生じさせることができ、主として界面活性剤、水から構成される。また、(g)成分の水混和性有機溶剤が配合されている場合、あるいは(b)成分の溶解した水相に難溶性の成分、例えばシリコーンのような油溶性成分や蛍光染料等が配合されている場合には、これらも含有される場合がある。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)成分として、非イオン界面活性剤を5〜60質量%含有する。洗浄性能、安定性の点で、(a)成分は8〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。
洗浄性能、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載の界面活性剤相当分中の(a)成分は、100〜40質量%が好ましく、98〜50質量%がより好ましく、95〜60質量%が更に好ましい。
R1O―(EO)m―H (I)
〔式中、R1は炭素数8〜20、好ましくは10〜18の、一級及び/又は二級アルコールより水酸基を除いた残基であるアルキル基及び/又はアルケニル基を示す。EOはエチレンオキシ基を示す。mは平均付加モル数であり5〜20の数を示す。〕。
R2O―(EO)k/ (PO)l―H (II)
〔式中、R2は炭素数8〜20、好ましくは10〜18の、一級及び/又は二級アルコールより水酸基を除いた残基であるアルキル基及び/又はアルケニル基を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示す。kはEOの平均付加モル数であり5〜15の数、lはPOの平均付加モル数であり1〜5の数を示す。なお、EOとPOはランダム付加、ブロック付加の何れでもよく、EOとPOの付加順序は問わない。〕
R3O―(EO)p(PO)q(EO)r―H (III)
〔式中、R3は炭素数8〜20、好ましくは10〜18の、一級及び/又は二級アルコールより水酸基を除いた残基であるアルキル基及び/又はアルケニル基を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示す。p、q、rは、平均付加モル数であり、p>0、q=1〜4、r>0となる数を示し、p+q+r=6〜14、p+r=5〜12である。好ましくはp+q+r=7〜14、p+r=6〜12、q=1〜2である。〕
R4−(OR5)x―Gy (IV)
〔式中、R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、炭素数8〜18のアルケニル基、又はアルキル(炭素数1〜18)フェニル基、R5は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基、xは平均付加モル数であり0〜6の数、yは平均重合度であり1〜10の数を示す。〕
〔式中、R6は炭素数8〜20、好ましくは10〜18の、一級及び/又は二級アルコールより水酸基を除いた残基であるアルキル基及び/又はアルケニル基を示すか、又はR9C(=O)NH(CH2)z−で表される式を示す。ここで、R9は炭素数8〜20、好ましくは12〜18のアルキル基及び/又はアルケニル基を示し、zは1〜5の整数を示す。R7、R8は同一又は異なって、CH3、C2H5又はC2H4OHを示す。〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、(b)成分として、水溶性炭酸塩を5〜40質量%含有する。洗浄性能、安定性、溶解性の点で、10〜40質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましく、10〜25質量%が更に好ましい。
水溶性とは25℃のイオン交換水に10g/L以上溶解することをいい、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。アルカリ金属としては、安定性、洗浄性能の点で、ナトリウム、カリウムが好ましく、特にカリウムが好ましい。他方、コストの面ではナトリウムがより好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(c)成分として、体積基準での平均粒子径0.005〜60μmの炭酸カルシウム1〜50質量%を含有する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(d)成分として、重量平均分子量3000〜800万の水溶性安定化ポリマーを0.05〜10質量%含有する。本発明において、水溶性安定化ポリマーとは、当該ポリマーを含有する組成物の製造直後において、水相中に存在する体積平均粒径0.1〜20μmの界面活性剤を含有する液滴が、50℃、1ヶ月保存後も、0.1〜20μmの体積平均粒径を維持できるが、該組成物から当該ポリマーを除いた組成物は保存後に上記範囲の体積平均粒径を維持できなくなるような水溶性ポリマーである。また、「水溶性」とは、25℃のイオン交換水に対し1g/L以上溶解することをいう。
セグメント(イ)は、アニオン性基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であることが好ましく、カルボキシ基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であることがより好ましく、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基又はこれらの塩が含まれていても良い。
セグメント(ロ)は、(ロ1)非イオン性のポリマー鎖、(ロ2)有機基が挙げられる。
有機基としては、好ましくは炭素数8〜30、更に好ましくは炭素数12〜22の炭化水素基であり、特に好ましくはこれら炭素数を有する直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。このような炭化水素基は、当該炭化水素基を有するモノマーにより導入される。かかるモノマーとしては以下のもの挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(e)成分として、水を15〜83質量%含有する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄性能、損傷性の点で、(f)弱酸(電離度0.5未満)を含有することが好ましく、その含有率は0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.2〜5質量%が更に好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、安定性、洗浄性能の点で、(f)平均分子量3000未満の水混和性有機溶剤を含有することが好ましい。
(イ)平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩。
(ロ)平均炭素数10〜20の直鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコール由来のアルキル基又は分岐アルコール由来のアルキル基を有し、1分子内に平均0.5〜6モルのEOを付加したアルキルエーテル硫酸エステル塩。
(ハ)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル塩。
(ニ)平均炭素数8〜20の脂肪酸塩。
またこれらの陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びアルカノールアミンなどの陽イオン、モノメチルジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びそれらの混合物が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル又はアルケニル4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。
また、本液体洗浄剤組成物には、ゼオライト、非晶質アルミノ珪酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、アミノカルボン酸塩、等の多価金属イオンの捕捉剤を添加しても良く、コスト、洗浄性能の点で、炭酸カルシウムに対する質量比として、好ましくは0〜80 %、より好ましくは0〜60 %、更に好ましくは0〜50 %、特に好ましくは0 %である。
<ポリマー溶液(1)>
イオン交換水122g、プロピレングリコール122gを窒素雰囲気下で80℃に昇温したところに、メトキシポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル(NK―エステルM−900G、新中村化学(株)製)150g、メタクリル酸150g、2―メルカプトエタノール4.2gをイオン交換水50gとプロピレングリコール100gの混合液に溶解したものと、過硫酸ナトリウム4.2g、35%過酸化水素水1.7gをイオン交換水50gに溶解したものとを、80〜85℃に保ちながら、別々に2時間かけて滴下し、その後80℃に保ちながらさらに4時間攪拌を続けた。これを冷却してポリマー溶液(1)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は4.6万(ポリエチレングリコール換算)であった。ここで、分子量の測定はゲル浸透型液体クロマトグラフィー(GPC)によって行い、次の条件を用いた。溶離液及び添加塩類はいずれも液体クロマトグラフィー用のグレードの試薬から調製した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(pH6.9)/アセトニトリル=9/1(容量比)、
検出器:示差屈折率計、
温度:40℃、
標準:ポリエチレングリコール
測定濃度:5mg/ml、
注入量:100μl
<実施例1〜5、比較例1〜3>
全量で300gになるように、500mlビーカー(内径90mm)中に全成分を測り取り、20℃水浴中で、ホモミキサー(TKロボミックスfモデル、TKホモミクサー MARK II 2.5型撹拌部、特殊機化製)にて、9000r/min、10分撹拌を行い、液体洗浄剤組成物を調製した。
<比較例4>
全量で300gになるように、500mlビーカー(内径90mm)中に、表1の組成の全成分を量り採り20℃水浴中で、攪拌羽根(SUS製、45°ピッチパドル 4枚羽根、羽根の幅10mm、直径60mm)にて、300r/min、10分攪拌を行い、液体洗浄剤組成物を調製した。なお、羽根の位置は、ビーカーの底部より液高さの1/3の箇所とした。
(III−1)液滴の体積平均粒径
組成物をメタルコンタクト法で急速凍結させた後、光学顕微鏡用ダイヤモンドナイフを用いてクライオミクロトームで断面を作製し、Cryo-SEMで試料断面の観察を行い、液滴の体積平均粒径を測定した。装置は、電界放射形走査電子顕微鏡(日立製作所製、S-4000)、クライオユニット(日立製作所製)、ウルトラミクロトーム(LKB社製、LKB2188 Ultrotome Nova)、クライオユニット(LKB社製)を用いた。表中、比較例3、4の体積平均粒径は、使用直前に手で振盪した組成物についてのものである。
(III−2)襟汚れ洗浄力評価
JIS K 3362:1998記載の衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に準じ、表1の液体洗浄剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力を比較した。表1の液体洗浄剤組成物の使用濃度を1.33g/Lとした。予め洗剤溶液を作らずに、使用水に襟あか布を投入し、その後洗剤を投入し、1分間静置した後、攪拌を開始した。なお、襟あか布は、JIS K3362:1998 記載のものを調製して用いた。
(III−3)保存安定性評価
実施例1〜6、比較例1、2の液体洗浄剤組成物を50℃で1ヶ月保存したが、目視で分離が見られず、また液滴の体積平均粒径は、すべて1〜20μmであった。これに対し、比較例3、4では目視で上層に分離が確認された。
(III−4)溶解性試験
(1)1穴ホールスライドガラス(MATSUNAMI製)のホール部分に0.05gのサンプルを載せる。
(2)スライドガラスをSUS円柱(直径5cm、高さ20cm)の上部にセットし、動かないよう輪ゴムで固定する。この際、スライドガラスの一方の端が、円柱の端に接する様にする。
(3)2Lビーカー(IWAKI製)にスターラーピース(直径8mm、長さ40mm)を入れ、マグネティックスターラー(島津製マグネティックスターラーSST172)上に設置し、5℃の水道水を1.5L入れる。
(4)(2)で用意したものを(3)の水中にゆっくりと沈める。その際、スライドガラス上のサンプルが生じる水流によって流れないよう注意する。円柱はビーカー内壁にほとんど接する位置に置き、さらにプレパラートが中心方向に向くようセットする。
(5)500r/minで攪拌を開始し、プレパラート上のサンプルがすべて液中に流出するまでの時間を測定する。測定は5回行い、その平均値を溶出時間とする。
・非イオン界面活性剤(1):炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均8モル付加させたもの
・非イオン界面活性剤(2):炭素数12〜14の2級アルコールにEOを平均7モル付加させたもの
・非イオン界面活性剤(3):炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均7モル、POを平均2モル、EOを平均3モルの順にブロック付加させたもの
・非イオン界面活性剤(4):炭素数12〜14の2級アルコールにEOを平均9モル、POを平均1モルの順にブロック付加させたもの
・陰イオン界面活性剤(1):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(炭素数10〜14の直鎖アルキル、EO平均付加モル数3、ナトリウム塩)
・陰イオン界面活性剤(2):炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
・陰イオン界面活性剤(3):脂肪酸 ルナックL−55(登録商標、花王株式会社製)
・炭酸カルシウム(1):平均粒径1μm、BET比表面積6m2/g、重質、結晶性(カルサイト)、竹原化学製 SL2500
・炭酸カルシウム(2):平均粒径10μm、BET比表面積2m2/g、重質、結晶性(カルサイト)、竹原化学製 SL100
・炭酸カルシウム(3):平均粒径100μm、BET比表面積0.2m2/g、重質、結晶性(カルサイト)、竹原化学製 No.5
・ゼオライト:トヨビルダー(登録商標、東洋曹達株式会社製)
・フェノールEO3モル:ポリオキシエチレンモノフェニルエーテル(EO平均3モル付加)
・ポリマー(1):メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数90)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=50/50(質量比)共重合体(重量平均分子量 4.6万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
合成例1で合成されたポリマー溶液(1)を使用した。また、液体洗剤組成物への配合にあたっては、重合反応が完全に進行したものとしてポリマー溶液中のポリマーの含有率を求め、ポリマーの重量に換算して配合した。
・ポリマー(2):ポリアクリル酸(重量平均分子量 1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・ポリマー(3):特開平10―60476号公報の4頁段落0020の合成例1の方法で合成した高分子化合物
・ポリマー(4):ポリエチレングリコール(重量平均分子量 10000)
・酵素:エバラーゼ16.0L−EX(登録商標、プロテアーゼ、ノボザイム社)
・蛍光染料:チノパールCBS−X(登録商標、チバスペシャリティケミカルズ製)
なお、表中の組成物のpH(JIS K 3362:1998,20℃)は、すべて10〜12であった。
Claims (7)
- (a)非イオン界面活性剤 5〜60質量%、(b)水溶性炭酸塩 5〜40質量%、(c)体積基準での平均粒子径 0.005〜60μmの炭酸カルシウム 1〜50質量%、(d)重量平均分子量 3000〜800万の水溶性安定化ポリマー 0.05〜10質量%、(e)水 15〜83質量%を含有する液体洗浄剤組成物であって、水相中に界面活性剤を含有する液滴が存在し、その体積平均粒径が0.1〜20μmであり、JIS K 3362:1998記載の界面活性剤相当分が10〜60質量%であり、組成物の粘度が10〜2000mPa・sである液体洗浄剤組成物。
- (d)成分が、組成物中の水相に親和性を有するセグメント(イ)及び界面活性剤を含有する液滴に親和性を有するセグメント(ロ)を有するポリマーであって、セグメント(イ)とセグメント(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=30/70〜90/10である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- (d)成分が、組成物中の水相に親和性を有するセグメント(イ)及び界面活性剤を含有する液滴に親和性を有するセグメント(ロ)を有するポリマーであって、セグメント(イ)とセグメント(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=100/0〜95/5である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- (d)成分が、組成物中の水相に親和性を有するセグメント(イ)及び界面活性剤を含有する液滴に親和性を有するセグメント(ロ)を有するポリマーであって、セグメント(イ)とセグメント(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=5/95〜0/100である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
- セグメント(イ)が、カルボキシ基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖であり、セグメント(ロ)が、アルキレンオキシ基を構成単位とするポリマー鎖である請求項2記載の液体洗浄剤組成物。
- 更に、(f)弱酸(電離度0.5未満)0.05〜10質量%を含有する請求項1〜5の何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
- 更に、(g)平均分子量3000未満の水混和性有機溶剤0.1〜20質量%を含有する請求項1〜6の何れか1項記載の液体洗浄剤組成物。
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