JP4794946B2 - 乳化液の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に用いられる界面活性剤(b)を塩析することができる水溶性無機塩(a)(以下、水溶性無機塩(a)ともいう)は、水溶液に溶解した界面活性剤(b)を塩析できるものであれば特に制限はないが、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、及びアンモニウムもしくはアルキル(炭素数1から10)アンモニウムの塩化物もしくは臭化物等が好ましい。乳化液を洗浄剤として使用する場合を考えると、洗浄性能の面でアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の珪酸塩が好ましく、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウムが好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤(b)は、親水基と疎水基を有し、水溶性無機塩の添加により、その一部又は全てが塩析されるものであればよい。アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含有することが洗浄剤用として特に好ましい。
本発明に用いられる塩析された界面活性剤(b)を安定化する水溶性ポリマー(c)(以下、水溶性ポリマー(c)ともいう)は、塩析された界面活性剤が組成物中に分散している状態を安定に持続させる機能を有するものであれば特に制限されない。ここで本発明の水溶性ポリマー(c)により界面活性剤が組成物中に分散していることは次の試験方法により確認することができる。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシ基又はその塩を有するビニルモノマーとの共重合体が更に好ましく、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体が特に好ましい。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体、ポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸又はその塩との共重合体等が、好ましく挙げられる。
反応性不飽和基(例えば、アリル基、ビニル基など)を有するポリアルキレングリコールエーテルと(メタ)アクリル酸又はその塩及び/又はマレイン酸系モノマーとの共重合体が好ましい。例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテルとマレイン酸(又はその塩)との共重合体が挙げられる。
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)中でアクリル酸とマレイン酸又はそれらの塩とをラジカル重合して得られるグラフトポリマーが好ましく挙げられる。
好ましくはポリアルキレングリコールマクロアゾ開始剤を使用した(メタ)アクリル酸又はその塩をラジカル重合して得られるブロックポリマーが挙げられる。
好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩と、末端に水酸基を有するポリエチレングリコールを脱水反応によって連結して得られるグラフトポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸又はその塩と炭素数8〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が、好ましく挙げられる。
本発明に用いられる親水性粉体(d)は、粒子自体が親水性であるもののみならず、何らかの処理にて粒子表面が親水性を有する場合も含まれる。この親水性粉体(d)は、最終組成物中で粒子状として存在する様に用いられるものであればよく、混合時に難溶或いは溶解度以上に添加した場合に水相中に分散する性質のものが好ましい。
緩衝液として0.1mol/リットルのNH4Cl-NH4OH(pH10.0)溶液を調製する。この緩衝液を用いて全ての試料溶液を調製する。Ca2+濃度の測定にはオリオン(株)製のイオンメーター920AとCa2+イオン電極を用いる。先ず、塩化カルシウム濃度と電極の電位の関係を求め、検量線を作成する。塩化カルシウムの5.36ラ10-2mol/リットル溶液、キレート剤試料の5.36ラ10-4mol/リットル溶液を調製する。キレート剤試料溶液100mlに塩化カルシウム溶液を1ml加え、5分間撹拌する。残存しているCa2+濃度を、Ca2+イオン電極を用いて測定する。キレート剤はCa2+と1:1でキレート錯体を形成すると仮定して下記の式からカルシウム安定度定数(Ca安定度定数)を求める。
溶液は全て以下の緩衝液を用いて調製する。また、適宜カルシウムイオン電極を用いた。
緩衝液:0.1M-NH4Cl-NH4OH buffer (pH10.0)
(1)検量線の作成
標準カルシウムイオン溶液を作製し、図1の如きカルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を示す検量線を作成する。
(2)カルシウムイオンの捕捉量の測定
100mlメスフラスコに約0.1gのサンプル(キレート剤)を秤量し、上記の緩衝液で100mlの溶液を調製する。これに、20000ppm(CaCO3換算)に相当するCaCl2水溶液(pH10.0)をビュレットから滴下する(ブランクも測定する)。滴下は、CaCl2水溶液を0.1〜0.2mlずつ加えて行い、その時の電位を読み取り、図1の検量線よりカルシウムイオン濃度を求める。図2中のサンプルの滴下量Aにおけるカルシウムイオン濃度がサンプルのカルシウムイオン捕捉量となる。
本発明の液体洗浄剤組成物には、安定性、洗浄性能の点で、(f)平均分子量3000未満の水混和性有機溶剤〔以下、(f)成分という〕を含有することが好ましい。
本発明では、水溶性無機塩(a)、界面活性剤(b)、水溶性ポリマー(c)、親水性粉体(d)及び水(e)を混合する工程(I)と、該工程(I)で得られる混合物に更に親水性粉体(d)を混合する工程(II)とにより、界面活性剤(b)が乳化された乳化液を製造する。
300ccビーカーに4枚ピッチドパドルを設置し、表1に従い各成分を合計が300gとなるように用いた。まず、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、49%(質量%、以下同様)炭酸カリウム水溶液の全配合量のうち10質量%相当分、クエン酸、ポリマー、プロピレングリコール、エチレングリコール、イオン交換水を仕込み、380rpmで攪拌した後、(d)成分の全配合量のうち工程(I)分を配合し、混合した〔工程(I)〕。尚、ここで用いたポリマーは、界面活性剤を有効分として20質量%、炭酸カリウムを30質量%、このポリマーを有効分として5質量%、水(バランス)となる組成で蓋付きの透明サンプル瓶に配合した後に、サンプル瓶の蓋を閉め、25℃の条件下、手で激しく1分間振った後、室温下に3分間静置した所、全体が白濁した乳化状態を依然呈しているポリマーであった。
乳化液を以下の方法を用いて評価し、結果を表1に示した。
(II−1)粉体の保存安定性測定
内径15mm、高さ120mmの平底試験管に液体洗浄剤を9g入れ、室温にて1ヶ月保存した。保存前と保存後のそれぞれにおいて、タービスキャン(英弘精機製 溶液安定性評価装置 MA2000)を用いて試験管の高さ方向の反射率を測定した。高さ方向における反射率の変化を粉体の沈降による白濁度の変化にのみ起因するとして、次式にて乳化液中の粉体希薄層幅(%)を算出し、以下の基準で評価した。
粉体希薄層幅(%)=(乳化液面高さ〔mm〕−粉体層の上面高さ〔mm〕)/乳化液面〔mm〕×100
◎:保存後の粉体希薄層幅が5%未満
○:保存後の粉体希薄層幅が5%以上10%未満
×:保存後の粉体希薄層幅が10%以上
・陰イオン性界面活性剤(1):脂肪酸、ルナックL−55(花王株式会社製)
・陰イオン性界面活性剤(2):炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
・非イオン性界面活性剤:炭素数12〜14の2級アルコールにエチレンオキサイドを平均7モル付加させたもの
・ポリマー(1):ポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル(エチレンオキサイド平均付加モル数90)/メタクリル酸=50/50(質量比)共重合体(重量平均分子量4.6万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・ポリマー(2):メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキサイド平均付加モル数90)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=50/50(質量比)共重合体(重量平均分子量4.6万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・ポリマー(3):ポリアクリル酸(重量平均分子量1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
Claims (7)
- 界面活性剤(b)を塩析することができる水溶性無機塩(a)、界面活性剤(b)、塩析された界面活性剤(b)を安定化する水溶性ポリマー(c)、親水性粉体(d)及び水(e)を混合する工程(I)と、該工程(I)で得られる混合物に更に親水性粉体(d)を混合する工程(II)とを有する、界面活性剤(b)が乳化された乳化液の製造方法であって、
水溶性無機塩(a)が、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の珪酸塩から選ばれる水溶性無機塩であり、
水溶性ポリマー(c)が、下記タイプ1及びタイプ2から選ばれるポリマーであり、
親水性粉体(d)が、ゼオライト、ベントナイト及びトリポリリン酸塩からなる群から選ばれる一種以上の親水性粉体である、
乳化液の製造方法。
〔タイプ1〕
カルボキシル基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖(イ)と非イオン性のポリマー鎖(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=30/70〜90/10であるポリマー
〔タイプ2〕
カルボキシル基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖(イ)と非イオン性のポリマー鎖(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=100/0〜95/5であるポリマー - 工程(I)で用いる親水性粉体(d)の質量(d1)と工程(II)で用いる親水性粉体(d)の質量(d2)の比率が、(d1)/(d2)=10/90〜90/10(質量比)である請求項1に記載の乳化液の製造方法。
- 界面活性剤(b)が、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる一種以上である請求項1又は2記載の乳化液の製造方法。
- 工程(I)及び工程(II)における各成分の混合を、攪拌翼を有する配合槽により行う、請求項1から3のいずれかに記載の乳化液の製造方法。
- 攪拌翼の攪拌周速が、0.5m/sから25m/sの範囲から選ばれる請求項4記載の乳化液の製造方法。
- 親水性粉体(d)の総含有量が、乳化液全量に対し5〜50質量%である、請求項1から5のいずれかに記載の乳化液の製造方法。
- 界面活性剤(b)を塩析することができる水溶性無機塩(a)、界面活性剤(b)、塩析された界面活性剤(b)を安定化する水溶性ポリマー(c)、親水性粉体(d)及び水(e)を混合する工程(I)と、該工程(I)で得られる混合物に更に親水性粉体(d)を混合する工程(II)とを有する、界面活性剤(b)が乳化された液体洗浄剤の製造方法であって、
水溶性無機塩(a)が、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の珪酸塩から選ばれる水溶性無機塩であり、
水溶性ポリマー(c)が、下記タイプ1及びタイプ2から選ばれるポリマーであり、
親水性粉体(d)が、ゼオライト、ベントナイト及びトリポリリン酸塩からなる群から選ばれる一種以上の親水性粉体である、
液体洗浄剤の製造方法。
〔タイプ1〕
カルボキシル基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖(イ)と非イオン性のポリマー鎖(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=30/70〜90/10であるポリマー
〔タイプ2〕
カルボキシル基又はその塩を構成単位中に有するポリマー鎖(イ)と非イオン性のポリマー鎖(ロ)の質量比が(イ)/(ロ)=100/0〜95/5であるポリマー
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