JP5316211B2 - 車両用ステアリングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ステアリングシステムに関する。
一般的に、車両用ステアリングシステムでは、ステアリング操作部材であるステアリングホイールは、操舵力伝達機構の主体をなすステアリングコラムの一端部に取り付けられている。このステアリングコラムは、ブラケットを介して、車体の一部であるインストゥルメントパネルのリインフォースメントに支持されている。ステアリングホイールの前後方向の位置を変更するためのテレスコピック機構を備えるシステムの場合、多くは、ステアリングコラムが、互いに軸線方向に相対移動可能なアッパコラムとロアコラムとによって構成され、それらの相対移動によって伸縮可能とされている。このようなステアリングコラムでは、アッパコラムが上記ブラケットによって固定され、ステアリングホイールの位置調整の際にはその固定が解除される。ちなみに、この固定の解除は、レバー等の操作部材の操作によって行われる。
一方、車両用ステアリングシステムの多くは、車両衝突に起因する運転者のステアリングホイールへの二次衝突に対処するための機能をも備える。上記構成のステアリングシステムでは、二次衝突によってステアリングホイールに加わる荷重がある程度を超える場合に、上記ブラケットが車体の一部から離脱するとともに、アッパコラムのロアコラムに対する移動、すなわち、ステアリングコラムの収縮が許容されることで、ステアリングホイールの前方への移動が許容される。この際、アッパコラムとロアコラムとの相対移動に対して抵抗を与えることで、その抵抗が、二次衝突による衝撃を緩和するためのエネルギ吸収荷重(EA荷重)として機能するようにされている。
特開2005−138758号公報
上述したような構成のステアリングシステムでは、上記アッパコラムとロアコラムとの相対移動に対する抵抗(以下、「コラム伸縮抵抗」という場合がある)は、テレスコピック機構を利用したステアリングホイールの位置調整に対して邪魔になるため、そのような位置調整の際には発生しないようにされることが望ましい。そこで、上記レバー等の操作によるアッパコラムの固定の解除と連繋してコラム伸縮抵抗を低減させるような機構、言い換えれば、アッパコラムがブラケットに固定されているときにだけコラム伸縮抵抗が発生させられるような機構を採用することが考えられる。
上記機構を採用するステアリングシステムでは、通常の場合、つまり、アッパコラムがブラケットに固定されている場合には、ブラケットの車体の一部からの離脱に必要な荷重(以下、「離脱荷重」という場合がある)とコラム伸縮抵抗との合計を超える荷重が、ステアリングホイールに作用しなければ、アッパコラムの車体の一部による支持が維持されたままである。ところが、テレスコピック機構を利用したステアリングホイールの位置調整の際には、上記コラム伸縮抵抗が発生しないようにされているため、位置調整範囲の限界において上記離脱荷重を超える荷重がステアリングホイールに作用したときには、ブラケットが車体の一部から離脱してしまう可能性がある。つまり、ステアリングホイールの位置調整の際には、比較的小さな荷重の作用により、ステアリングコラムの車体の一部による支持が解除されてしまうという問題を抱えることになる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、テレスコピック機構を利用したステアリングホイールの位置調整の際においても、ステアリングコラムが車体の一部にしっかりと支持される車両用ステアリングシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のステアリングシステムは、
後端部にステアリングホイールが取り付けられるアッパコラムと、そのアッパコラムの前方に位置するロアコラムとを有し、それらアッパコラムとロアコラムとが軸線方向に相対移動することで自身が伸縮するように構成されたステアリングコラムと、
車体の一部に取り付けられて、アッパコラムを保持するためのブラケットと、
操作部材を有し、その操作部材の操作により、(A)ブラケットとアッパコラムとの相対移動を禁止し、軸線方向における設定第1荷重以下の荷重の作用によるアッパコラムとロアコラムとの軸線方向の相対移動を禁止する第1状態と、(B)ブラケットとアッパコラムの設定移動範囲内での相対移動を許容し、アッパコラムとロアコラムとの軸線方向の相対移動を許容する第2状態とを、選択的に実現するコラム相対移動禁止・許容機構と、
軸線方向における設定第2荷重を超える荷重の作用によるブラケットの車体の一部からの離脱を許容するブラケット離脱許容機構と
を備え、
第1状態では、運転者がステアリングホイールに衝突した場合にステアリングホイールに作用する軸線方向の前方への荷重が設定第1荷重と設定第2荷重との合計を超えたときに、ブラケットが車体の一部から離脱するとともに、アッパコラムがロアコラムに対して前方に移動し、その移動に対して設定第1荷重に基づく抵抗を与えることで衝突による衝撃を緩和するように構成され、
第2状態では、ブラケットとアッパコラムとの設定移動範囲内での相対移動およびアッパコラムとロアコラムとの軸線方向の相対移動を利用して、ステアリングホイールの軸線方向における位置調整が運転者の操作によって可能であるように構成された車両用ステアリングシステムであって、
第2状態を実現するための操作部材の操作に連動して、設定第2荷重を超える荷重の作用によるブラケットの車体の一部からの離脱を防止するブラケット離脱防止機構をさらに備え、位置調整の際、ブラケットとアッパコラムとが設定移動範囲の限界に達し、アッパコラムに作用する軸線方向における前方への荷重が設定第2荷重を超えたときであっても、ブラケット離脱防止機構によってブラケットの車体の一部からの離脱が防止されるように構成されたことを特徴とする。
本発明のステアリングシステムによれば、操作部材が操作されて、ステアリングシステムが第2状態とされている場合に、ステアリングホイールからアッパコラムとロアコラムとの軸線方向に大きな荷重が作用しても、ブラケット離脱防止機構により、ブラケットは車体の一部から離脱させられない。つまり、ステアリングホイールの位置調整をする際にも、ステアリングコラムは車体の一部にしっかりと支持されるのである。
実施例のステアリングシステムの全体構成を示す図である。 実施例のステアリングシステムを構成するステアリングコラムの断面図である。 実施例のアッパコラムを保持するブラケットを示す斜視図である。 実施例のブラケット離脱許容機構を分解した状態を示す斜視図である。 実施例のブラケット離脱許容機構の断面図である。 実施例のブラケット離脱防止機構の側面図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良が施された種々の形態で、本発明を実施することができる。
図1に、本実施例のステアリングシステムの全体構成を示す。図1において、右側の端部が車両後方側、左側が車両前方側である。本ステアリングシステムは、コラム10を主体として構成されるものであり、そのコラム10は、インストゥルメントパネルのリインフォースメント12に取り付けられた1対のサポート14において、車体の一部に支持される。コラム10は、支持された状態では、図1に示すように、車両前方側が下方に位置するように傾斜した姿勢で配置される。コラム10は、主として、ステアリングコラム16と、ステアリングコラム16の軸線方向における中間部に設けられたブレークアウェイブラケット(以下、単に「ブラケット」と略す場合がある)18と、前方部に設けられた前方ブラケット20とを含んで構成されている。後に詳しく説明するが、ステアリングコラム16は、ブラケット18と前方ブラケット20とを介して、サポート14に支持されている。
図2に、コラム10の断面図を示す。図1に示すように、コラム10は、傾斜した状態で車両に取り付けけられているため、実際は、図2における右側の端部は車両後方斜め上方に位置し、左側の端部は車両前方斜め下方に位置する。本実施例では、説明を簡略化するため、特に断りのない限り、それら図における右側を「車両後方側」、左側を「車両前方側」と呼び、右側に向かう方向を「車両後方」、左側に向かう方向を「車両前方」と呼んで、説明を行う。
ステアリングコラム16は、主に、車両後方側に位置させられるアッパコラム22と、車両前方側に位置させられるロアコラム24とから構成されている。そのアッパコラム22は、後部シャフト26と後部チューブ28とを含んで構成されており、後部チューブ28は後部シャフト26を挿通させた状態で支持している。また、ロアコラム24は、前部シャフト30と前部チューブ32とを含んで構成されており、前部チューブ24は前部シャフト28を挿通させた状態で支持している。
また、これらのシャフトとチューブとは、ステアリングコラム16において、シャフト部と、そのシャフト部を挿通させた状態で支持するチューブ部とを構成している。シャフト部は、アッパコラム22の後部シャフト26と、ロアコラム24の前部シャフト30とから構成されている。詳しく説明すると、後部シャフト26はパイプ状となっており、前部シャフト30はロッド状に形成されているため、後部シャフト26に前部シャフト30を挿入することができる。また、後部シャフト26の前部内周面,前部シャフト30の後部外周面には、それぞれが互いに噛み合うようにスプラインが形成されている。したがって、後部シャフト26と前部シャフト30とは、それらの軸線方向に相対移動が可能な状態で、かつ、相対回転が不能な状態で接続され、ステアリングコラム16におけるシャフト部を形成している。
また、チューブ部は、アッパコラム22の後部チューブ28と、ロアコラム24の前部チューブ32とから構成されている。詳しく説明すると、後部チューブ28と前部チューブ32とは、ともにパイプ状のものであり、後部チューブ28の前方部に前部チューブ32の後方部が挿入されている。また、後部チューブ28と前部チューブ32とは、それらの軸線方向に相対移動が可能となっている。後部チューブ28の後端部および前部チューブ32の前端部には、それぞれラジアルベアリング34,36が設けられており、それらのラジアルベアリング34,36を介して、チューブ部は、シャフト部を回転可能に支持している。
このように構成されるステアリングシステム16は、それの軸線方向に伸縮可能とされている。つまり、車両後方側に位置するアッパコラム22と、車両前方側に位置するロアコラム24とが軸線方向に相対移動することで、ステアリングシステム16は伸縮することができるのである。
ステアリングコラム16は、アッパコラム22,ロアコラム24のそれぞれにおいて、1対のサポート14に取り付けられる。ロアコラム24の前部チューブ32の前方端部には、先に説明した前方ブラケット20が固定されている。この前方ブラケット20には、軸挿通穴40が設けられており、また、サポート14の各々には、軸穴42が設けられた軸受部材44がそれぞれ固定されている。これらの前方ブラケット20の軸挿通穴40と軸受部材44の軸穴42とに、支持軸46が挿通されることで、ステアリングコラム16は、その支持軸46を中心に揺動可能な状態で、サポート14に支持されている。
一方、アッパコラム22は、被保持部50を有しており、その被保持部50において、ブラケット18に取り付けられており、そのブラケット18が、サポート14に取り付けられている。ブラケット18は、保持部材52、被支持プレート54を含んで構成されている。被保持部50は、チャンネル形状(コの字形状)をなしており、後部チューブ28を挟むようにして固定されている。その被保持部50は、チャンネル形状をなす保持部材52によって保持されており、保持部材52には被支持プレート54が固定されている。この被支持プレート54が、サポート14に組み付けられることで、ブラケット18は車体の一部に取り付けられる。つまり、アッパコラム22は、ブラケット18を介して、サポート14に支持されているのである。また、後部チューブ28のブラケット18が位置する部位の最下部には、チューブ軸線方向に延びるスリット56が設けられている。
このように、ブラケット18と前方ブラケット20とを介して車体の一部に支持されるステアリングコラム16において、アッパコラム22の後方に位置する部分は、インパネ70から車両後方に突出している。その突出する後端部には、ステアリングホイールであるステアリングホイール72が取り付けられており、アッパコラム22はステアリングホイール72を操作可能に保持するものとなっている。ちなみに、ステアリングホイール72にはエアバッグ装置74が設けられている。アッパコラム22のインパネ70から突出する部分は、コラムカバー76によって覆われ、また、下部は、インパネロアカバー78によってカバーされている。一方、ロアコラム24の前端部は、図示を省略するインタミディエイトシャフトを介し、車室外に存在する転舵装置に接続されている。
ブラケット18の保持部材52、および、アッパコラム22の被保持部50は、ぞれぞれが、互いに交差する一対の長穴80,82を有しており、それら一対の長穴80,82を貫いて、軸部材84が挿入されている。ステアリングコラム16が支持軸46を中心として揺動させられる場合、それに応じて軸部材84は長穴80内を移動させられる。したがって、ステアリングコラム16の揺動できる範囲は、長穴80の大きさによって設定される。このように、コラム10は、その相揺動範囲に応じて、ステアリングホイール72の上下方向の位置を調整することができるチルト機構86を有しており、チルト機構86は、長穴80と軸部材84とを含んで構成されている。
一方、アッパコラム22がロアコラム24に対して軸線方向に移動させられる場合、それに応じて軸部材84は長穴82内を移動させられる。したがって、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動できる範囲は、長穴82の大きさによって設定される。このように、コラム10は、その相対移動範囲に応じて、ステアリングホイール72の前後方向の位置を調整することができるテレスコピック機構88を有しており、テレスコピック機構88は、長穴82と軸部材84とを含んで構成されている。
軸部材84の一端には、操作部材であるロックレバー90が接続されている。ロックレバー90は、軸部材84に一体となって接続される回転軸を中心として回動することができる。一方、軸部材84の他端には、ねじが形成されており、そのねじに、図示を省略するナットが取り付けられている。ナットは保持部材52に固定されており、軸部材84が回転すると、ねじによって、軸部材84は、それの軸線方向に移動することができる。つまり、軸部材84の移動により、ロックレバー90とナットとの距離が変更されるため、ロックレバー90とナットとは、ロックレバー90の操作に依拠して、接近離間が可能となっている。
ロックレバー90の操作により、ロックレバー90とナットとが接近すると、それらの間に挟まれている保持部材52が変形し、ブラケット18の被保持部50を挟持する。したがって、アッパコラム22の被保持部50と保持部材52とは互いに移動することができなくなる。また、この挟持により、後部チューブ28の下部に設けられるスリット56の幅が狭められ、後部チューブ28は、前部チューブ32を挟持する。したがって、アッパコラム22の後部チューブ28と、ロアコラム24の前部チューブ32とは、それらの軸線方向に相対移動することができなくなる。
このように、ロックレバー90を操作することで、アッパコラム22とブラケット18とは相対移動が禁止され、また、アッパコラム22とロアコラム24とのそれらの軸線方向の相対移動も禁止される。なお、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動の禁止について厳密にいえば、この相対移動は、後部チューブ28と前部チューブ32との間の摩擦力によって禁止される。つまり、この摩擦力は、ステアリングコラム16の伸縮に対する抵抗(以下、「コラム伸縮抵抗」という場合がある)であって、この抵抗により、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動が禁止されるのである。したがって、コラム伸縮抵抗の大きさを設定第1荷重とすれば、アッパコラム22とロアコラム24との軸線方向に作用する荷重が、設定第1荷重以下の場合においてのみ、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動は禁止されるのである。
また、ロックレバー90の操作により、保持部材52による被保持部50の挟持が解除され、後部チューブ28による前部チューブ32の挟持も解除されると、コラム伸縮抵抗が発生しないため、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動が許容される。このように、コラム10は、ロックレバー90、被保持部50、保持部材52等を含んで構成されるコラム相対移動禁止・許容機構92を備えている。本実施例のコラム10においては、ロックレバー90が引き上げられる(図1における位置)と、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動が禁止される状態となる。以下の説明において、この状態を第1状態と呼ぶことにする。また、ロックレバー90が押し下げられると、アッパコラム22とロアコラム24との比較的自由な相対移動が許容される状態となる。以下の説明において、この状態を第2状態と呼ぶことにする。
コラム10は、ブラケット18の車体の一部からの離脱を許容するためのブラケット離脱許容機構100を有している。以下にブラケット離脱許容機構100について、図3、図4、図5を参照しつつ詳しく説明する。図3は、ブラケット18全体の斜視図であり、図4は、ブラケット離脱許容機構100を分解した斜視図であり、図5は、ブラケット離脱許容機構100の断面図である。
ブラケット18の被支持プレート54には、車幅方向の両端部の各々に、孔とスロットが複合したスロット穴102が設けられている。また、1対のサポート14の各々の下鍔部104に、取付穴106が設けられている。被支持プレート54とサポート14の下鍔部104とは、それぞれ被締結部材であって、スロット穴102(詳しくは、それの前端部に形成された孔部108),取付穴106において、締結手段としてのボルト110およびナット112によって締結されることにより、ブラケット18はサポート14に取り付けられている。
被支持プレート54の上面と、サポート14の下鍔部104の下面との間には、樹脂によって形成された樹脂スペーサ114が介装される。樹脂スペーサ114は、上面側の四隅の各々に突起120が設けられており、また、下面側にはボルト挿通穴122の周囲から下方に延びだすような円環状のボス116が設けられている。また、被支持プレート54の下面側には、フランジ付のカラー118が嵌められている。したがって、ボルト110およびナット112は、サポート14の下鍔部104,樹脂スペーサ114,被支持プレート54,フランジ付のカラー118を挟持して締結している。なお、樹脂スペーサ114のボス116の外径は、被支持プレート54のスロット穴102の孔部108の内径より僅かに小さく、内径は、フランジ付カラー118の外径より僅かに大きくされている。また、フランジ付のカラー118の先端部は下鍔部104の下面に当接し、締め代が制限されている。ちなみに、被支持プレート54に設けられたスロット穴102のスロット部124は、車両前後方向に延びて車両後方側に開口しており、その幅は、フランジ付のカラー118の外径より大きくされ、かつ、樹脂スペーサ114のボス116の外径よりも小さくされている。
ブラケット18の被支持プレート54と、サポート14の下鍔部104とが、このように締結されている状態において、互いが相対移動できる方向は、被支持プレート54が、下鍔部104に対して前方に移動する方向となる。その相対移動において、樹脂スペーサ114のボス116はスロット部124を通過し、スロット部124により、ボス116は破断されるが、その破断に要する力は無視できるほど小さいものとされている。一方、ボルト110およびナット112による締結によって、樹脂スペーサ114の各突起120は押し潰されて弾性変形させられており、被支持プレート54とサポート14の下鍔部104とは、その弾性に依拠する締結力によって、締結された状態となっている。つまり、この締結力に依拠する摩擦力が、樹脂スペーサ114と被支持プレート54との間に発生しており、被支持プレート54と下鍔部104とは相対移動することができないのである。この摩擦力は、ブラケット18がサポート14から離脱するのに必要な荷重(以下、「離脱荷重」という場合がある)となる。したがって、この離脱荷重の大きさを設定第2荷重とすれば、その設定第2荷重を超える荷重がコラム本体16の軸線方向に作用すれば、ブラケット18は、サポート14から、つまり、車体の一部から離脱することが許容される。このように、ブラケット離脱許容機構100は、スロット穴102、ボルト110、ナット112、樹脂スペーサ114、ボス116、フランジ付カラー118等を含めて構成されている。
ブラケット18は、第2状態において、設定第2荷重を超える荷重の作用により、ブラケット18がサポート14から離脱するのを防止するためのブラケット離脱防止機構130を有している。図6は、ブラケット離脱防止機構130の側面図である。ブラケット18の被支持プレート54の車両後方部には、穴142が設けられている。その穴142に、鍔付き円筒部材132が取り付けられている。鍔付き円筒部材132の円筒部の直径は、穴142の直径よりも若干大きくなっており、その円筒部が、穴142に固定的に嵌め込まれている。鍔付き円筒部材132の円筒部の内部には、ピン122とコイルスプリング124とが、ピン122を上方にして収容されている。また、鍔付き円筒部材132の円筒部の底面には、コイルスプリング124のコイル外径よりも小さく、かつ、ワイヤ140を挿通させることが可能な穴142が設けられている。ピン122の下端部には、ワイヤ140の一端が接続されている。保持部材52には、プーリ138が取り付けられており、ピン122に接続されるワイヤ140は、プーリ138を介して、ロックレバー90の一端に接続されている。また、サポート14の下鍔部104には、ピン122の直径よりも若干直径の大きい穴144が設けられている。
このように、ブラケット離脱防止機構130は、鍔付き円筒部材132、ピン122、コイルスプリング124、プーリ138、ワイヤ140等から構成されている。このブラケット離脱防止機構130は、ロックレバー90の操作に連動して作動させられる。すなわち、ロックレバー90が引き上げられて、コラム10が第1状態とされている場合、ワイヤ140が引っ張られているため、ピン122は、コイルスプリング124を圧縮し、鍔付き円筒部材132内部に収容されている。一方、ロックレバー90が押し下げられて、コラム10が第2状態とされている場合、コイルスプリング124の圧縮反発力によって、ピン122の先端部が、鍔付き円筒部材132内部から突出する。その突出により、ピン122の先端部は、穴144を挿通し、下鍔部104からも突出する位置に達する。
このように構成される本実施例のコラム10において、二次衝突によって運転者がステアリングホイール72に衝突すると、ステアリングホイール72からアッパコラム22に対して荷重が作用する。その荷重のステアリングコラム16の軸線方向の成分が、離脱荷重とコラム伸縮抵抗との合計を超える大きさである場合、ブラケット18がサポート14から離脱するとともに、アッパコラム22が、ロアコラム24に対して、ステアリングコラム16の軸線方向に移動する。つまり、ステアリングコラム16のサポート14における支持が解除される。なお、ブラケット18およびアッパコラム22の相対移動範囲の終点は、前部チューブ32の後端が後部チューブ28の内径が小さくなっている内面の部分に当接することによって規定される。
第1状態においては、ブラケット18がサポート14から離脱しようとする際、前述のように、アッパコラム22とロアコラム24との間に、コラム伸縮抵抗が作用する。つまり、ステアリングコラム16の軸線方向の荷重が設定第1荷重以下の場合には、アッパコラム22とロアコラム24との相対移動は禁止されている。また、ブラケット18がサポート14から離脱するには、設定第2荷重を超える荷重が必要となる。したがって、ブラケット18がサポート14から離脱するとともに、アッパコラム22とロアコラム24とが相対移動するためには、ステアリングホイール72から作用する荷重のステアリングコラム16の軸線方向の成分が、設定第1荷重と設定第2荷重との合計を超える必要がある。言い換えれば、荷重のステアリングコラム16の軸線方向の成分が、設定第1荷重と設定第2荷重との合計を超えなければ、ステアリングコラム16のサポート14における支持が維持されるのである。
第2状態において、ステアリングコラム16の軸線方向の荷重が作用すると、アッパコラム22とロアコラム24とは、アッパコラム22とロアコラム24と相対移動が許容されているため、テレスコピック機構88の相対移動範囲の限界まで相対移動する。その限界において、アッパコラム22とロアコラム24とは相対移動できなくなるため、荷重は、ブラケット18をサポート14から離脱させるように作用する。ブラケット18がサポート14から離脱するには、コラム伸縮抵抗は発生しないため、設定第1荷重を考慮する必要はないが、設定第2荷重を超える荷重は必要となる。したがって、設定第2荷重を超える荷重がステアリングコラム16の軸線方向に加えられた場合、ブラケット離脱許容機構100だけでは、ブラケット18のサポート14からの離脱を防止することができない。つまり、第1状態よりも小さな荷重の作用により、ステアリングコラム16のサポート14における支持が解除されてしまうのである。
本発明のステアリングシステムにおいては、第2状態において、ロックバー90の操作に連動して、ブラケット離脱防止機構130のピン122が下鍔部104から突出しているため、ブラケット18がサポート14から離脱しようとすると、下鍔部104の穴144の端部がピン122に当接してしまう。そのため、ブラケット18はサポート14から離脱することができない。したがって、しかし、ブラケット離脱許容機構100とブラケット離脱防止機構130とによって、ブラケット18はサポート14から離脱することができず、アッパコラム22とロアコラム24とは相対移動することができないのである。その結果、ステアリングホイールの位置調整が行われる際も、ステアリングコラム16は、サポート14、つまり、車体の一部にしっかりと支持されるのである。
14:コラム取付ブラケット 16:ステアリングコラム 18:ブレークアウェイブラケット 34:アッパコラム 36:ロアコラム 72:ステアリングホイール 82:テレスコピック機構 90:ロックレバー 92:コラム相対移動禁止・許容機構 100:ブラケット離脱許容機構 130:ブラケット離脱防止機構

Claims (1)

  1. 後端部にステアリングホイールが取り付けられるアッパコラムと、そのアッパコラムの前方に位置するロアコラムとを有し、それらアッパコラムとロアコラムとが軸線方向に相対移動することで自身が伸縮するように構成されたステアリングコラムと、
    車体の一部に取り付けられて、前記アッパコラムを保持するためのブラケットと、
    操作部材を有し、その操作部材の操作により、(A)前記ブラケットと前記アッパコラムとの相対移動を禁止し、前記軸線方向における設定第1荷重以下の荷重の作用による前記アッパコラムと前記ロアコラムとの前記軸線方向の相対移動を禁止する第1状態と、(B)前記ブラケットと前記アッパコラムの設定移動範囲内での相対移動を許容し、前記アッパコラムと前記ロアコラムとの前記軸線方向の相対移動を許容する第2状態とを、選択的に実現するコラム相対移動禁止・許容機構と、
    前記軸線方向における設定第2荷重を超える荷重の作用による前記ブラケットの前記車体の一部からの離脱を許容するブラケット離脱許容機構
    を備え、
    前記第1状態では、運転者が前記ステアリングホイールに衝突した場合に前記ステアリングホイールに作用する前記軸線方向の前方への荷重が前記設定第1荷重と前記設定第2荷重との合計を超えたときに、前記ブラケットが前記車体の一部から離脱するとともに、前記アッパコラムが前記ロアコラムに対して前方に移動し、その移動に対して前記設定第1荷重に基づく抵抗を与えることで前記衝突による衝撃を緩和するように構成され、
    前記第2状態では、前記ブラケットと前記アッパコラムとの前記設定移動範囲内での相対移動および前記アッパコラムと前記ロアコラムとの前記軸線方向の相対移動を利用して、前記ステアリングホイールの前記軸線方向における位置調整が前記運転者の操作によって可能であるように構成された車両用ステアリングシステムであって、
    前記第2状態を実現するための前記操作部材の操作に連動して、前記設定第2荷重を超える荷重の作用による前記ブラケットの前記車体の一部からの離脱を防止するブラケット離脱防止機構をさらに備え、前記位置調整の際、前記ブラケットと前記アッパコラムとが前記設定移動範囲の限界に達し、前記アッパコラムに作用する前記軸線方向における前方への荷重が前記設定第2荷重を超えたときであっても、前記ブラケット離脱防止機構によって前記ブラケットの前記車体の一部からの離脱が防止されるように構成されたことを特徴とする車両用ステアリングシステム。
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