JP2007125956A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実用性の高い車両用ステアリング装置を提供する。
【解決手段】固定部14,20,52,56から離脱した移動部22,50,54の車両前方側への移動に伴って塑性変形させられる変形部122の変形抵抗に依拠して、運転者の二次衝突の衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置120を備えたステアリング装置において、その衝撃エネルギ吸収装置120による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの車両前方側への移動における移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更可能に構成する。詳しくは、例えば、衝撃吸収開始位置を、係止状態切換装置130によって変形部122が固定部に係止される状態における第1位置と、係止状態切換装置130によって変形部122が固定部に係止されない状態として固定部に設けられた固定係止部150において変形部122が係止される状態における第2位置との間で変更可能とする。
【選択図】図1
【解決手段】固定部14,20,52,56から離脱した移動部22,50,54の車両前方側への移動に伴って塑性変形させられる変形部122の変形抵抗に依拠して、運転者の二次衝突の衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置120を備えたステアリング装置において、その衝撃エネルギ吸収装置120による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの車両前方側への移動における移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更可能に構成する。詳しくは、例えば、衝撃吸収開始位置を、係止状態切換装置130によって変形部122が固定部に係止される状態における第1位置と、係止状態切換装置130によって変形部122が固定部に係止されない状態として固定部に設けられた固定係止部150において変形部122が係止される状態における第2位置との間で変更可能とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用ステアリング装置に関し、詳しくは、車両衝突時における運転者のステアリング操作部材への二次衝突に対処するための装置に特徴を有するステアリング装置に関する。
一般的な車両用ステアリング装置は、車両衝突に依拠するステアリング操作部材(例えば、ステアリングホイール等)への運転者の二次衝突に対処するために、各種の装置を備えている。多くのステアリング装置では、それらの装置の1つとして、ステアリングコラム(以下、単に「コラム」という場合がある)の移動に伴うエネルギ吸収荷重(以下、「EA荷重」という場合がある)を発生させて衝撃のエネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置を備える。この衝撃エネルギ吸収装置に関して、下記特許文献に記載された技術が存在する。下記特許文献に記載された技術では、効果的な衝撃緩和の観点から、衝撃エネルギ吸収装置が、EA荷重を発生させる状態から、発生させない状態に変更可能とされている。
特開2005−53349号公報
上記特許文献に記載された技術は、二次衝突の衝撃エネルギが小さいと予測される場合に、EA荷重を発生させない状態に変更するため、衝撃エネルギ吸収装置によるEA荷重によって運転者が大きな衝撃を受けることはなく、望ましい技術の1つであるといえる。しかし、上記特許文献に記載の技術は、実用性という観点において、改善の余地を残すものとなっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い車両用ステアリング装置を提供することを課題とする。
本発明のステアリング装置は、上記課題を解決するために、運転者の二次衝突の衝撃エネルギを固定部に支持された移動部の車両前方側への移動に伴って吸収する衝撃エネルギ吸収装置を備えたステアリング装置であって、その衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの車両前方側への移動における移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更するための装置を備えたことを特徴とする。
本発明の車両用ステアリング装置において、衝撃エネルギ吸収装置は、衝撃吸収開始値を任意の位置に変更することが可能であり、本発明のステアリング装置によれば、衝撃吸収開始位置を適切な位置とすることで、適切な衝撃エネルギの吸収を行うことが可能となる。つまり、本発明のステアリング装置は、その点において実用性の高いステアリング装置となる。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、請求項1に(2)項および(3)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項2に、請求項1または請求項2に(6)項および(7)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項3に、請求項3に(8)項および(10)項の技術的特徴による限定を加えたものが請求項4に、それぞれ相当し、(11)項ないし(13)項の各々が請求項5ないし請求項7の各々に相当する。
(1)ステアリング操作部材による操作が入力されてその入力に応じた操舵を行う車両用ステアリング装置であって、
車体の一部に固定される固定部と、
車両後方側の端部に前記ステアリング操作部材を操作可能に保持するとともに、前記固定部によって車両前方側に向かって移動可能に支持された移動部と、
車両の衝突に起因する運転者の前記ステアリング操作部材への二次衝突の衝撃エネルギを、前記移動部の車両前方側への移動に伴って吸収する衝撃エネルギ吸収装置と、
その衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更する吸収開始位置変更装置と
を備えた車両用ステアリング装置。
車体の一部に固定される固定部と、
車両後方側の端部に前記ステアリング操作部材を操作可能に保持するとともに、前記固定部によって車両前方側に向かって移動可能に支持された移動部と、
車両の衝突に起因する運転者の前記ステアリング操作部材への二次衝突の衝撃エネルギを、前記移動部の車両前方側への移動に伴って吸収する衝撃エネルギ吸収装置と、
その衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更する吸収開始位置変更装置と
を備えた車両用ステアリング装置。
本項の態様のステアリング装置は、衝撃エネルギ吸収装置が、衝撃吸収開始位置を任意の適切な位置に変更することが可能であり、本項に記載の態様によれば、適切な衝撃エネルギの吸収が可能となる。また、先に述べた特許文献に記載の技術において、衝撃エネルギ吸収装置がEA荷重を発生させない状態に変更した場合であって、ステアリング装置が備えるその衝撃エネルギ吸収装置以外の二次衝突に対処するための装置だけでは衝撃エネルギが吸収できなかった場合、運転者の受ける衝撃は、非常に大きなものとなる。本項に記載の態様は、衝撃吸収開始位置の変更後も、その変更前と同様に、EA荷重を発生させて衝撃エネルギを吸収可能である。さらに、例えば、EA荷重を発生させる機構が単一のもので構成される衝撃エネルギ吸収装置を採用すれば、単一の荷重発生機構によって衝撃エネルギの吸収が開始されるところのコラム移動部の位置を変更するように構成されることから、衝撃エネルギ吸収装置の構造を単純化して、ステアリング装置の構造も比較的単純化することが可能となる。そのような利点を有することから、本項の態様のステアリング装置は実用性の高いものとなる。
本項の態様における「固定部」および「移動部」は、例えば、ステアリングコラムを主な構成要素として採用可能である。そのステアリングコラムは、例えば、車体の一部(例えば、インストゥルメントパネルのリインフォースメント)に、ブラケット等の支持部によって、そのコラム自体が車両前方側に向かって移動可能に支持されるような構成とすることが可能である。そのような場合には、その支持部が上記固定部として機能し、コラム全体が上記移動部として機能することになる。また、ステアリングコラムは、それの構造が、車両前方側,車両後方側のそれぞれに位置する2つの部分を含んで構成されて収縮可能な構造とされ、コラムの車両前方側に位置する部分が支持部によって車体の一部に固定されて、車両後方側に位置する部分が車両前方側に位置する部分あるいは支持部によって車両前方に向かって移動可能に支持されるような構成とすることも可能である。このような場合には、コラムの車両前方側に位置する部分と支持部とを含んで上記固定部が構成され、コラムの車両後方側に位置する部分が上記移動部を構成することとなる。
本項の態様における「衝撃エネルギ吸収装置」は、具体的な構成が特に限定されるものではない。例えば、移動部の車両前方側への移動に伴って、固定部と移動部との間において摩擦力が発生するように構成し、その摩擦力に依拠するEA荷重を発生させて衝撃エネルギを吸収する構造のものでもよく、後に説明する変形部の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収するような構造のものとすることもできる。また、本項の態様における「吸収開始位置変更装置」も、その構成が特に限定されるものではなく、衝撃エネルギ吸収装置の構成に応じて適切なものを採用すればよい。その吸収開始位置変更装置は、衝撃吸収開始位置を、2以上の固定的な位置の間で変更するような構造のものでもよく、連続的に変更可能な構造のものであってもよい。なお、本項に記載の態様は、衝撃エネルギ吸収装置を複数備える態様を排除するものではなく、それら複数の衝撃エネルギ吸収装置のうちの少なくとも1つが、吸収開始位置変更装置によって衝撃吸収開始位置が変更されるように構成されればよい。
(2)前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされた(1)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、吸収開始位置変更装置が、固定的な2つの衝撃吸収開始位置の間で変更する構造のものに限定された態様である。本項に記載の態様によれば、衝撃エネルギが小さいと予測される場合に、衝撃吸収開始位置を車両前方側に位置する第2位置とすることで、シートベルトだけで十分に運転者のエネルギを吸収できる場合、衝撃エネルギ吸収装置を働かさないため、運転者が衝撃エネルギ吸収装置によるEA荷重によって大きな衝撃を受けずに済む。逆に、シートベルトだけで運転者のエネルギを吸収できない場合には、車両前方側に位置させられた衝撃吸収開始位置から衝撃エネルギの吸収が行われるのである。
(3)当該車両用ステアリング装置が、前記移動部が所定位置に位置させられた状態から運転者の二次衝突によって車両前方側に移動するものとされ、前記第1位置が、前記所定位置とされた(2)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項にいう「所定位置」は、運転者が二次衝突する前において移動部が位置させられている位置を意味し、例えば、本ステアリング装置がテレスコピック機構を有するような場合、そのテレスコピック機構によって移動部が位置させられている位置をいう。本項に記載の態様によれば、衝撃吸収開始位置が第1位置とされている場合には、移動部の移動の開始とともに、衝撃エネルギの吸収を開始することが可能となる。つまり、衝撃エネルギ吸収装置の構造によっては、長いEAストロークを確保することも可能となる。
例えば、移動部が固定部に離脱可能に固定されている場合であって、衝撃吸収開始位置が車両前方に位置し、移動部の車両前方側への移動において、エネルギ吸収がされない空走区間が存在するような場合には、例えば、運転者の挙動や、運転者のエアバッグへの衝突後におけるエアバッグの弾性による作用等によって、移動部がその空走区間を移動する間に加速されてしまうことがある。このような場合、例えば、その加速した移動部が運転者より先行して車両前方側に移動し、衝撃エネルギ吸収装置が有する衝撃エネルギ吸収量の一部が、運転者の持つエネルギを吸収する前に、加速した移動部の有する大きくされたエネルギを吸収することに消費されてしまうことになる。そのため、衝撃が大きいと予測される場合には、移動部に空走区間を設けないように、衝撃吸収開始位置は、所定位置に近い方が望ましい。つまり、本項に記載の態様によれば、衝撃が大きいと予測される場合等に、衝撃吸収開始位置を第1位置とすることで、衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収を効率よく行うことが可能である。
(4)前記衝撃エネルギ吸収装置が、前記衝撃吸収開始位置によらず、前記移動部の車両前方側への移動に伴って同じ大きさのエネルギ吸収荷重を発生させるものである(1)項ないし(3)項に記載の車両用ステアリング装置。
(5)前記衝撃エネルギ吸収装置が、前記衝撃吸収開始位置によらず、二次衝突の衝撃エネルギを吸収する間の前記移動部の車両前方側への移動距離であるエネルギ吸収ストロークが同じ距離となるものである(1)項ないし(4)項に記載の車両用ステアリング装置。
上記2つ項に記載の態様は、衝撃吸収開始位置を変更しても、衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収が可能であるため、効果的な衝撃エネルギの吸収が可能となる。なお、EA荷重,EAストロークの両者を変化させない態様である場合には、衝撃エネルギ吸収装置によって吸収可能な衝撃エネルギ吸収量が同じ量となる。
(6)前記衝撃エネルギ吸収装置が、
前記固定部と前記移動部との一方に設けられてそれらの他方に係止される状態における前記移動部の車両前方側への移動に伴って変形する変形部を有し、その変形部の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収する構造とされた(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
前記固定部と前記移動部との一方に設けられてそれらの他方に係止される状態における前記移動部の車両前方側への移動に伴って変形する変形部を有し、その変形部の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収する構造とされた(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、衝撃エネルギ吸収装置の構造を限定した態様であり、具体的には、例えば、固定部と移動部との一方に、他の部分に比較して強度の弱い弱体部を変形部として設け、その弱体部が塑性変形する際の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収する構造とすることができる。また、固定部と移動部との一方に、変形部として、いわゆる衝撃エネルギ吸収プレート(EAプレート)のような変形部材を配設し、それらの他方に係止される状態において変形させられるような構造とすることも可能である。
(7)前記吸収開始位置変更装置が、
前記変形部が前記固定部と移動部との他方に係止される状態となるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である係止位置を変更することによって、前記衝撃吸収開始位置を変更するものとされた(6)項に記載の車両用ステアリング装置。
前記変形部が前記固定部と移動部との他方に係止される状態となるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である係止位置を変更することによって、前記衝撃吸収開始位置を変更するものとされた(6)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、衝撃エネルギ吸収装置が変形部の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収する構造とされた態様において、吸収開始位置変更装置の構造を限定した態様である。本項に記載の態様によれば、変形部を係止する位置を変更するという比較的簡便な構造によって、衝撃吸収開始位置を変更することが可能となる。なお、変形部を係止する位置を変更する構造は、例えば、後で述べる態様のように、上記固定部と移動部との他方に変形部を係止可能な箇所を複数設けて、そのうちのいずれで係止させるかによって係止位置を変更するような構造であってもよく、また、変形部を係止する部分と変形部との少なくとも一方を変位させることによって、それらの相対位置を変更することで、係止位置を変更するような構造であってもよい。ちなみに、後者について、さらに詳しく説明すれば、衝撃エネルギ吸収装置が、先に述べたEAプレートの変形に依拠して衝撃エネルギを吸収するような構造である場合に、そのEAプレートを係止する部材の位置を変位させることによって、係止位置を変更するような構造とすることが可能である。
(8)前記吸収開始位置変更装置が、前記変形部が前記固定部と移動部との他方によって前記変形部が係止される状態と係止されない状態とを切り換える係止状態切換装置を有し、その係止状態切換装置の作動によって前記係止位置が決定される構造とされた(7)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様によれば、係止状態切換装置によって変形部の係止状態を切り換えることで係止位置が決定されるため、比較的簡便な構造の吸収開始位置変更装置が実現する。本項に記載の態様は、後に述べる態様の他、係止状態切換装置を複数の位置のいずれかにおいて選択的に作動させることで係止位置が決定されるような態様を採用可能である。なお、本項にいう「係止状態切換装置」は、その具体的な構造が特に限定されるものではなく、例えば、後に説明するアクチュエータによって係止状態を切り換えるような構造のものを採用できる。
(9)前記係止状態切換装置が、前記固定部と移動部との他方と前記変形部との両者に係合する位置に位置させられることによって前記変形部が前記固定部と移動部との他方に係止される状態を実現する係合部材と、その係合部材を前記固定部と移動部との他方と前記変形部との両者に係合する位置とそれらの両者には係合しない位置との間で変位させるアクチュエータとを有する(8)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様のように、係止状態切換装置にアクチュエータを採用すれば、係合部材を変位させるだけで、容易に変形部の係止状態を切り換えることが可能である。本項における「係合部材」は、例えば、上記固定部と移動部との他方と変形部との一方に設けられて、変位させられることによってそれらの他方に係合可能に位置させられるものであってもよく、車体の一部に設けられて、上記固定部と移動部との他方と変形部との両者に係合可能に位置させられるものであってもよい。また、本項における「アクチュエータ」は、特に限定されるものではなく、例えば、電磁式ソレノイド、電動モータ等、種々のものを採用することが可能である。
(10)前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、
前記吸収開始位置変更装置が、前記固定部と移動部との他方に固定的に設けられて前記第2位置において前記変形部を係止する固定係止部を有し、前記係止状態切換装置が前記第1位置において前記変形部が係止される状態と係止されない状態とを切り換えるものとされた(8)項または(9)項に記載の車両用ステアリング装置。
前記吸収開始位置変更装置が、前記固定部と移動部との他方に固定的に設けられて前記第2位置において前記変形部を係止する固定係止部を有し、前記係止状態切換装置が前記第1位置において前記変形部が係止される状態と係止されない状態とを切り換えるものとされた(8)項または(9)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、吸収開始位置変更装置の構造を具体的な一構造に限定した態様であり、先に述べた、上記固定部と移動部との他方に変形部を係止可能な箇所を複数(2箇所)設けて、いずれで係止させるかによって係止位置を変更する態様の一態様である。本項の態様によれば、比較的簡便な構造によって、衝撃吸収開始位置を2つの位置の間で変更可能となる。
(11)当該車両用ステアリング装置が、設定された大きさ以上の荷重が前記ステアリング操作部材に作用した場合に前記移動部の車両前方側への移動を許容する状態で前記移動部を前記固定部に固定する移動部固定装置を備えた(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
例えば、ステアリング操作部材を一端部に保持する移動部は、通常のステアリング操作に支障をきたさないように、所定位置においてしっかりと保持されることが望ましい。本項に記載の態様は、そのような場合に有効であり、本項の態様によれば、移動部固定装置によって、移動部を車両前方側への移動が可能な状態で固定部にしっかりと固定することが可能である。本項における「移動部固定装置」は、例えば、移動部の車両前方側への移動に対して抵抗を発生させる機構を有して、設定された大きさ以上の荷重が作用している間、移動部の移動を許容するような構造、平たく言えば、移動部の移動に対する荷重が常に発生する構造を採用することが可能である。また、設定された大きさ以上の荷重が作用した場合に移動部の固定部からの離脱を許容する機構を有して、移動部の移動の開始を許容するような構造、平たく言えば、移動部の移動の開始時だけ荷重が発生する構造を採用することも可能である。本項の態様によれば、移動部を固定部に固定する荷重、例えば、上記の移動部の移動に対する抵抗や移動部の固定部からの離脱に要する荷重をも、二次衝突の衝撃エネルギを吸収する荷重として利用することが可能となる。なお、その移動部を固定部に固定する荷重が、運転者の二次衝突の際に常に衝撃エネルギを吸収する荷重として利用される場合には、運転者の二次衝突の衝撃が小さい場合を考慮して、移動部の固定機能を損なわない範囲で、できる限り小さい荷重とされることが望ましい。
(12)当該車両用ステアリング装置が、前記移動部が所定位置に位置させられた状態から運転者の二次衝突によって車両前方側に移動するものとされ、前記移動部固定装置が、前記所定位置においてのみ機能する(11)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、移動部固定装置を、設定された大きさ以上の荷重が操作部材に作用した場合に、移動部の移動の開始を許容する構造のものに限定した態様である。
(13)前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、前記ステアリング操作部材への衝撃が大きいと予測される場合に前記衝撃吸収開始位置が前記第1位置と、小さいと予測される場合に前記第2位置となるように制御される(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、運転者の操作部材への衝撃の大きさに応じて衝撃吸収開始位置が変更されるように制御される態様である。その衝撃の大きさの予測には、車両衝突の衝撃の程度、車両の走行速度、運転者の体格,運転者の姿勢等の運転者の状態など、種々の諸要因から予測することができる。本項に記載の態様によれば、作動の有無や作動のタイミング等が適正化された吸収開始位置変更装置が容易に実現することとなる。
(14)前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、運転者がシートベルトを着用していない場合に前記衝撃吸収開始位置が前記第1位置と、着用している場合に前記第2位置となるように制御される(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、運転者のシートベルトの着用の有無に応じて衝撃吸収開始位置が変更されるように制御される態様である。例えば、運転者がシートベルトを着用していれば、シートベルトによって車両衝突による運転者の挙動を止めることができる場合があり、その場合、衝撃エネルギ吸収装置によるEA荷重によって大きな衝撃を運転者が受けずに済むことになる。つまり、シートベルトを着用している場合には、衝撃吸収開始位置は車両前方側の第2位置とされることが望ましい。また、車両衝突時に運転者が操作部材に二次衝突する際の衝撃の大きさは、運転者のシートベルトの着用の有無によって異なる。運転者がシートベルトを着用している場合、シートベルトによって運動エネルギが相当量吸収され、二次衝突の衝撃エネルギは比較的小さいものとなり、逆に、シートベルトを着用していない場合は、その衝撃エネルギは比較的大きいものとなると考えることも可能である。つまり、本項の態様は、先に述べた衝撃の大きさに応じて衝撃吸収開始位置を変更するように制御する態様の一態様と考えることもできる。
以下、本発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
図1に、本実施例のステアリング装置を含んで構成されるステアリングシステムの全体構成を示す。本ステアリング装置は、ステアリングコラム10を主体として構成されるものであり、そのコラム10は、インパネリインフォースメント12(以下、「インパネR/F12」と略す場合がある)に設けられたステアリングサポート14(以下、「サポート14」と略す場合がある)によって、車体の一部に固定支持される。コラム10は、支持された状態では、図に示すように、車両前方側が下方に位置するように傾斜した姿勢で配置されることになる。コラム10は、それの前方部に設けられた前方ブラケット20と、その前方ブラケット20より車両後方側に設けられた後方ブラケット22との各々が、サポート14に取り付けられることで、2箇所において支持される。
その支持されたコラム10は、後方に位置する部分がインパネ30から車両後方に突出する状態とされる。その突出する後端部には、ステアリング操作部材であるステアリングホイール32が取り付けられており、コラム10はステアリングホイール32を操作可能に保持するものとなっている。コラム10のインパネ30から突出する部分は、コラムカバー34によって覆われ、また、下部は、インパネロアカバー36によってカバーされている。コラム10の前端部は、図示を省略するインタミディエイトシャフトを介し、車室外に存在する転舵装置に接続される。
図2に、コラム10の側面断面図を示す。コラム10は、ステアリングホイール22を車両後方側の端部において保持するシャフト40と、そのシャフト40を挿通させた状態で回転可能に支持するシャフトハウジングとしてのチューブ42とを含んで構成されている。シャフト40は、車両後方側に位置させられる後部シャフト50と車両前方側に位置させられる前部シャフト52とを含んで構成されている。後部シャフト50はパイプ状に、前部シャフト52はロッド状に形成され、後部シャフト50の前方部に前部シャフト52の後方部が挿入されている。後部シャフト50の前部内周面,前部シャフト52の後部外周面には、それぞれ互いに噛合するスプラインが形成され、後部シャフト50と前部シャフト52は、軸方向に相対移動が可能かつ相対回転が不能な状態で接続されている。また、チューブ42は、車両後方側に位置させられる後部チューブ54と、車両前方側に位置させられる前部チューブ56とを含んで構成されている。後部チューブ54および前部チューブ56は、ともにパイプ状のものであり、後部チューブ54の前方部に前部チューブ56の後方部が挿入されている。前部チューブ56の後方部外周面には、パイプ状をなすライナ58が設けられており、このライナ58を介することによって、前部チューブ56は後部チューブ54にがたつきなく挿入されるとともに、後部チューブ54と前部チューブ56との軸方向の相対移動を容易ならしめている。また、後部チューブ54の後端部および前部チューブ56の前端部には、それぞれラジアルベアリング60,62が設けられ、後部チューブ54および前部チューブ56は、それぞれ、ラジアルベアリング60,62を介して、後部シャフト50および前部シャフト52の各々を回転可能に支持している。このような構造とされていることで、コラム10は、伸縮可能とされているのである。
コラム10は、後部チューブ54,前部チューブ56のそれぞれにおいて、サポート14に取り付けられる。前部チューブ56の前方端部には、先に説明した前方ブラケット20が固定的に設けられており、この前方ブラケット20には、軸挿通穴66が設けられている。サポート14には、軸穴68が穿設された軸受部材70がそれぞれ固定されており、それら前方ブラケット20の軸挿通穴66と軸受部材70の軸穴68とに、支持軸72が挿通されることで、コラム10は、その支持軸を中心に揺動可能に支持される(図1参照)。
一方、後部チューブ54は、後方ブラケット22に保持され、その後方ブラケット22がサポート14に取り付けられて支持される。後方ブラケット22のサポート14に対する取付構造について、図3のコラム10の平面図をも参照しつつ説明する。後部チューブ54には、被保持部材80が固定的に設けられており、この被保持部材80が、後方ブラケット22の構成部分であるチャンネル形状(コの字形状)をなす保持部材82によって保持されるとともに、後方ブラケット22のもう1つの構成部材である被支持プレート84が、保持部材82の上面に固定されている。後方ブラケット22の被支持プレート84には、車幅方向の両端部の各々に、孔とスロットが複合したスロット孔86が設けられている。被支持プレート84が、スロット孔86(詳しくは、それの前端部に形成された孔部88)を利用して、ボルト90およびナット92によってサポート14の下面に締結されることにより、後方ブラケット22がサポート14に取付られることで、後部チューブ54が支持される。
サポート14の下面と、被支持プレート84の上面との間には、樹脂によって形成された樹脂スペーサ100が介装される(図1参照)。ボルト90およびナット92によって締結された状態において、樹脂スペーサ100は押し縮められるように弾性変形させられており、被支持プレート84とサポート14は、その弾性力に依拠する締結力によって締結された状態となっており、その締結力によって生じる摩擦力によって、被支持プレート84とサポート14との相対移動が制限されているのである。被支持プレート84に設けられたスロット孔86のスロット部102は、車両前後方向に延びて車両後方側に開口しており、車両前方方向であって、かつ、被支持プレート84の上面およびサポート14の下面に平行な方向(コラムの軸線方向である)に、上記摩擦力を超える荷重が、被支持プレート84に作用した場合に、被支持プレート84のサポート14に対する移動が許容される。つまり、後方ブラケット22のサポート14からの離脱が許容されることになる。
以上のような構造から、本実施例のステアリング装置においては、前部シャフト52,前部チューブ56,前方ブラケット20,サポート14等を含んで固定部が構成され、後部シャフト50,後部チューブ54,後方ブラケット22等を含んで移動部が構成されている。また、本ステアリング装置では、上記の後方ブラケット22のサポート14に対する取付構造を構成する構成要素である被支持プレート84,樹脂スペーサ100,ボルト90およびナット92等を含んで、固定部を構成するサポート14に移動部を固定する移動部固定装置が構成されている。なお、本実施例では、上記取付構造は、2箇所において設けられており、その2箇所の取付構造により、移動部固定装置が構成されているのである。その移動部固定装置は、運転者が二次衝突する等によってステアリングホイール32に何らかの力が作用した場合、後方ブラケット22を含む移動部の固定部を構成するサポート14からの離脱を許容する構造、つまり、移動部の車両前方側への移動の開始を許容する構造とされている。ちなみに、コラム10は、詳しい説明は省略するが、後方ブラケット22によるコラム10を保持する構造によって構成されるチルト・テレスコピック機構110を有しており、そのチルト・テレスコピック機構110のテレスコピック機能によって、移動部の軸線方向の位置が調整されて、移動部、つまり、ステアリングホイール32が所定位置に位置させられる。
本ステアリング装置は、サポート14から離脱した移動部の車両前方側への移動に伴って、二次衝突の衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置120(以下、「EA装置120」という場合がある)を備えている。EA装置120は、移動部の移動に伴って、その移動を阻止する方向の抗力、すなわちエネルギ吸収荷重(EA荷重)を発生させる荷重発生機構を1つ有しており、そのEA荷重の存在下での移動部の移動を許容することで、衝撃エネルギを吸収するものとされている。
EA装置120は、チューブ42に設けられている。詳しく言えば、後部チューブ54の前方部は、弱体部が設けられた変形部122とされている。変形部122は、例えば、後で詳しく説明する図5に示すように、変形部122の前方部が固定部に係止される状態となることで、移動部の車両前方側への移動によって変形部122が押し潰されるように塑性変形することになる。この変形部122の変形に要する力、つまり、変形抵抗がEA荷重として機能し、移動部は、そのEA荷重の存在下で移動することにより衝撃エネルギが吸収されるのである。
上記変形部122は、移動部が、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置とのいずれかに位置させられた状態において、固定部に係止される。それら第1位置と第2位置とは、変形部122が固定部に係止される状態となるところの車両前方側への移動における移動部の位置である係止位置であり、また、上述したように変形部122が係止されることで衝撃エネルギの吸収が開始されることから、EA装置120による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの車両前方側への移動における移動部の位置である衝撃吸収開始位置でもある。つまり、本ステアリング装置は、係止位置を変更することによって衝撃吸収開始位置を変更する吸収開始位置変更装置を備えるものとされている。
まず、上記第1位置は、先に述べた所定位置であり、その第1位置において変形部122を係止する構造について説明する。吸収開始位置変更装置は、移動部が第1位置に位置させられている状態において変形部122が固定部に係止される状態と係止されない状態とを切り換える係止状態切換装置130を備えている。その係止状態切換装置130を示すコラム10の断面図(図1におけるA−A断面)を、図4に示す。係止状態切換装置130は、アクチュエータとして、電磁式ソレノイド132を有するものとされる。そのソレノイド132は、変形部122の前方部外周面に、固定部材134によってコラム10の軸線に直交する姿勢で固定され、励磁されることによってロッド136がコラム軸線に向かって突出して、変形部122に設けられた挿通孔138から変形部122の内部に臨み出る構造とされている。一方、前部チューブ56の外周面には、ラック140が形成されている。上記ロッド136は、それの先端部が、ラック140に係合可能な係合部142とされており、係合部材として機能するものとされている。なお、ラック140は軸線方向に延びており、チルト・テレスコピック機構110のテレスコピック機能によって移動部の軸線方向の位置が調整されてどの位置が所定位置とされても、ロッド136がラック140に係合可能とされている。つまり、ソレノイド132が励磁されることによって、ロッド136がラック140に係合させられ、所定位置である第1位置において変形部122が固定部に係止される状態が実現される。そして、その状態において、移動部が固定部から離脱して車両前方側への移動が許容された場合には、第1位置から衝撃エネルギの吸収が開始されることになる。なお、図1〜図3に示す移動部の位置が、第1位置であり、その第1位置から衝撃エネルギの吸収が行われた状態のコラム10の平面図を、図5に示す。
また、ソレノイド132が消磁されている場合には、ロッド136は、ラック140に係合しない位置にある。そのため、変形部122は、所定位置である第1位置においては固定部に係止されず、移動部の車両前方側への移動に伴って車両前方側へ移動させられる。変形部122が、車両前方側へ移動させられると、変形部122は、それの前端部が、前部チューブ56の前方側の外径が大きくされた大径部150に当接して、固定部に係止される状態となるのである。その状態におけるコラム10の平面図を、図6(a)に示す。つまり、前部チューブ56の大径部150が固定係止部として機能し、その大径部150によって変形部122が係止された状態における移動部の位置が、第2位置である。そして、その状態において、移動部が固定部から離脱して車両前方側への移動が許容された場合には、第2位置から衝撃エネルギの吸収が開始されることになる。なお、第2位置から衝撃エネルギの吸収が行われた状態のコラム10の平面図を、図6(b)に示す。
以上のような構造から、吸収開始位置変更装置は、係止状態切換装置130の作動によって係止位置が決定される構造、詳しく言えば、係止位置が、係止状態切換装置130のソレノイド132が励磁されている状態において第1位置とされ、ソレノイド132が消磁されている状態において第2位置とされる構造とされている。また、吸収開始位置変更装置は、第1位置が所定位置とされていることから、移動部の車両前方側への移動の開始とともに、EA装置120による衝撃エネルギの吸収を開始することが可能とされている。さらに、本実施例のステアリング装置は、単一の荷重発生機構が、衝撃吸収開始位置変更後においてもそれの変更前と同じ大きさのEA荷重で、かつ、同じ長さのEAストロークが確保されることから、効果的な衝撃エネルギの吸収が可能であり、また、単一の荷重発生機構によって衝撃エネルギの吸収が開始されるところの移動部の位置を変更するように構成されることから、衝撃エネルギ吸収装置の構造が比較的単純化され、ステアリング装置の構造も単純なものとなっているのである。
図7に、本実施例において運転者がステアリングホイール32に二次衝突した場合の荷重発生の様子を、概念的に示す。なお、図における横軸は、運転者の車両前方への移動距離(二次衝突後はコラムの移動距離と同じとなる)であり、縦軸はコラムに作用する荷重の大きさを表している。吸収開始位置変更装置によって衝撃吸収開始位置が第1位置とされている場合には、運転者が二次衝突した直後において、移動部の固定部からの離脱に要する荷重とともに、EA装置120によるEA荷重が発生させられるため、荷重発生の様子は、図7(a)で示すようになる。ちなみに、本実施例においては、EA荷重が離脱に要する荷重より大きく設定されている。また、衝撃吸収開始位置が第2位置とされている場合には、移動部の固定部からの離脱に要する比較的小さな荷重が発生させられた後、移動部は第2位置まで衝撃エネルギの吸収が行われない状態で移動し、第2位置に到達してからEA装置120によるEA荷重が発生させられる。そのため、荷重発生の様子は、図7(b)で示すようになる。
図8は、車両衝突後における車両,移動部,運転者の速度変化を示したものであり、空走区間がない場合と、空走区間がある場合との移動部の速度を比較するものである。図には、運転者の胸部の速度を実線で、車両走行速度を破線で、空走区間がある場合の移動部の速度を一点鎖線で、空走区間がない場合の移動部の速度を二点鎖線で、それぞれ示す。なお、空走区間がある場合,空走区間がない場合における移動部の離脱するまでの速度が、車両走行速度からずらして示してあるが、実際には、それらは同じ速度である。この図に示すように、空走区間がある場合には、移動部は、固定部から離脱した後に加速されて運転者の胸部の速度を上回る場合があり、その場合、運転者より先行して車両前方側に移動することになる。そして、移動部が空走区間を移動する間に、移動部が持つエネルギが大きくなり、衝撃エネルギ吸収装置のエネルギ吸収量の一部は、その大きくなった移動部のエネルギを吸収することに消費されることになる。つまり、本実施例においては、第1位置が所定位置とされているため、衝撃吸収開始位置を第1位置とすることで、効率の良い衝撃エネルギの吸収が可能となる。
吸収開始位置変更装置による衝撃吸収開始位置を変更する制御、詳しくは、係止状態切換装置130のソレノイド132の作動の制御は、電子制御ユニット180(以下、「ECU180」と略す場合がある)によって行われる。ECU180は、コンピュータを主体とするものであり、そのコンピュータには、車両に設けられた各種センサが接続されている。ECU180は、それらからの各種情報を入手可能とされており、それら入手した情報に基づいてソレノイド132を作動させる。なお、ECU180に接続されるセンサは、具体的に言えば、運転者のシートベルトの着用の有無を検知するシートベルトセンサ(Sb.S)182、車両の走行速度を検出する車速センサ(Sp.S)184等である。
例えば、運転者がシートベルトを着用していれば、シートベルトによって車両衝突による運転者の挙動を止めることができる場合があり、その場合、衝撃エネルギ吸収装置によるEA荷重によって大きな衝撃を運転者が受けずに済むことになる。つまり、シートベルトを着用している場合には、大きなEA荷重による衝撃エネルギの吸収が開始される位置は、できる限り車両前方側に位置していることが望ましい。そのような理由から、本ステアリングシステムでは、ECU180は、シートベルトセンサ182がシートベルトの着用を検知している場合には、ソレノイド132を消磁しておき、衝撃吸収開始位置を第2位置となるように制御を行うものとされている。しかし、運転者がシートベルトを着用している場合であっても、例えば、車両が高速道路等において高速で走行している状態で衝突した場合には、シートベルトだけでは衝撃エネルギを十分に吸収できず、二次衝突の衝撃エネルギは大きいと予測される。そこで、本ステアリングシステムでは、車速センサ184によって車両の走行速度を検出し、高速で走行している場合には、ソレノイド132を励磁して、衝撃吸収開始位置を第1位置となるように制御を行うものとされている。
<第2実施例>
図9に、第2実施例の車両用ステアリング装置を含んで構成されるステアリングシステムの全体構成を示す。なお、本実施例のステアリング装置は、第1実施例のステアリング装置と略同様の構成である箇所が多いため、本実施例の説明においては、第1実施例のステアリング装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
図9に、第2実施例の車両用ステアリング装置を含んで構成されるステアリングシステムの全体構成を示す。なお、本実施例のステアリング装置は、第1実施例のステアリング装置と略同様の構成である箇所が多いため、本実施例の説明においては、第1実施例のステアリング装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
本実施例のステアリングコラム200は、第1実施例のコラム10と同様に、収縮可能型のコラムであるが、前部チューブ56の後方部に後部チューブ54の前方部が挿入された構造となっている。また、そのコラム200は、前部チューブ56の前方端部と後方端部とに、それぞれ前方ブラケット20と後方ブラケット22とが設けられ、それら2つのブラケット20,22がサポート14に取り付けられることで、サポート14に支持されている。なお、本実施例において、後方ブラケット22は、サポート14から離脱不能に取り付けられ、後方ブラケット22によるコラム200を保持する構造は、チルト機構202のみを構成するものとされている。このような構造から、本実施例のステアリング装置においては、前部シャフト52,前部チューブ56,前方ブラケット20,後方ブラケット22,サポート14等を含んで固定部が構成され、後部シャフト50,後部チューブ54等を含んで移動部が構成されている。
コラム200は、電動式のテレスコピック機構210を有している。そのテレスコピック機構210は、それの軸線がコラム軸線と平行に設けられるとともに、後方側端部,前方側端部が、それぞれ後部チューブ54と前部チューブ56との各々に固定されることで、移動部を固定部に対して、テレスコ動作可能に固定するものである。テレスコピック機構210は、雄ねじ部を有するテレスコ軸212と、そのテレスコ軸212の雄ねじ部と螺合するナット214と、駆動源となる電動モータ216とを含んで構成されている。モータ216は、モータ固定部材218によって前部チューブ56に固定され、モータ216の出力軸に一体的に接続されたテレスコ軸212を回転させるように構成されている。一方、ナット214は、後部チューブ54に固定されて、テレスコ軸212の車両後方側の端部に螺設された雄ねじ部と螺合している。つまり、モータ216によってテレスコ軸212を回転駆動させることで、ナット214とそれが固定された移動部とを固定部に対して軸線方向に動かすことでテレスコピック動作を行うことが可能とされている。なお、このテレスコピック機構210によって、移動部が固定されている位置が所定位置である。
上記テレスコ軸212は、一端部がモータ216に接続された第1軸部材220と、ナット104と螺合する雄ねじ部を有する第2軸部材222とを含んで構成されている。第1軸部材220はロッド状に、第2軸部材222はパイプ状に形成され、第2軸部材222の前方部に第1軸部材220の後方部が挿入されている。なお、それら第1軸部材220と第2軸部材222とは、通常のテレスコ動作時においては、摩擦力によって、軸方向の相対移動および相対回転が禁止されている。そして、テレスコ軸212に設定された大きさ以上の荷重が作用した場合には、第2軸部材222が車両前方へ移動させられ、テレスコ軸212が収縮する構造とされている。つまり、運転者がステアリングホイール32に二次衝突した場合、移動部が車両前方側へ移動してコラム10が収縮するのであるが、テレスコピック機構210においては、第2軸部材222が第1軸部材220に対して車両前方に移動して、テレスコ軸212が収縮するのである。このような構造から、本実施例のステアリング装置においては、テレスコピック機構210は、設定された大きさ以上の荷重が作用した場合に移動部の車両前方側への移動を許容する状態で移動部を固定部に固定する移動部固定装置として機能するものとなっているのである。また、テレスコ軸212の第1軸部材220,モータ216,モータ固定部材218等を固定部の構成要素と、テレスコ軸212の第2軸部材222,ナット214等を移動部の構成要素と考えることもできる。
本実施例のステアリング装置は、第1実施例の衝撃エネルギ吸収装置120と同様の構造の衝撃エネルギ吸収装置230を備えている。その衝撃エネルギ吸収装置230は、第2軸部材222の前方部に形成された変形部232を有して、その変形部232の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収するものである。
また、本ステアリング装置は、第1実施例のものと類似する吸収開始位置変更装置を備えている。詳しく説明すれば、吸収開始位置変更装置は、所定位置である第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で衝撃吸収開始位置を変更するものであり、第1位置において係止状態切換装置240によって変形部232が係止される状態と係止されない状態とを切り換えて、係止されない状態とした場合には第2位置において変形部232が係止されるように構成されている。ただし、本実施例においては、テレスコピック機構210によって移動部の軸線方向の位置が調整されても、変形部232の位置は同じ位置であるため、上記係止状態切換装置240は、第1実施例に比較して簡便な構造となる。
図10は、係止状態切換装置240を示すステアリングコラム200の断面図である。係止状態切換装置240は、アクチュエータとして、電磁式ソレノイド242を有するものとされる。そのソレノイド242は、前部チューブ56の外周面に、固定部材244によってテレスコピック軸212の軸線に直交する姿勢で固定されている。ソレノイド132は、励磁されることによってロッド246がテレスコ軸212の軸線に向かって突出して、テレスコ軸212の第1軸部材220に当接する構造とされている。そのロッド246は、第1軸部材220に当接した状態において、変形部232の前端部に略接する状態で変形部232の車両前方側に位置させられている。つまり、ソレノイド242が励磁されることによって、ロッド246が、変形部232と固定部を構成する第1軸部材220との両者に係合させられる係合部材として機能し、変形部232が、所定位置である第1位置において固定部に係止される状態が実現される。
また、ソレノイド242が消磁されている場合には、ロッド246は、変形部232に係合しない位置にある。そのため、変形部232は、所定位置である第1位置においては固定部に係止されず、移動部の車両前方側への移動に伴って車両前方側へ移動させられる。変形部232が、車両前方側へ移動させられると、変形部232は、それの前端部が、モータ固定部材218の前方側に当接して、固定部に係止される状態となるのである。つまり、モータ固定部材218が固定係止部として機能し、そのモータ固定部材218によって変形部232が係止された状態における移動部の位置が、第2位置である。
図11に、本実施例において運転者がステアリングホイール32に二次衝突した場合の荷重発生の様子を、概念的に示す。本実施例においては、テレスコ軸212の収縮に対して抵抗が発生させられるように構成されており、その収縮に対する抵抗は、移動部の車両前方側への移動を阻止する方向の抵抗でもあり、運転者の二次衝突に対するエネルギ吸収荷重として機能する。吸収開始位置変更装置によって衝撃吸収開始位置が第1位置とされている場合の荷重発生の様子は、図11(a)で示すように、運転者が二次衝突した直後から、EA装置232によるEA荷重が発生させられる。また、衝撃吸収開始位置が第2位置とされている場合の荷重発生の様子は、図11(b)で示すように、移動部は第2位置までEA装置232による衝撃エネルギの吸収が行われない状態で移動し、第2位置に到達してからEA装置232によるEA荷重が発生させられる。なお、吸収開始位置変更装置による衝撃吸収開始位置を変更する制御は、第1実施例のものと同様であるため、説明を省略する。
以上、説明したように、本実施例のステアリング装置も、第1実施例と同様に、1つの荷重発生機構が、衝撃吸収開始位置変更後においてもそれの変更前と同じ大きさのEA荷重で、かつ、同じ長さのEAストロークが確保されることから、効果的な衝撃エネルギの吸収が可能となっているのである。
10:ステアリングコラム 12:インパネリインフォースメント 14:ステアリングサポート 20:前方ブラケット 22:後方ブラケット 32:ステアリングホイール 50:後部シャフト 52:前部シャフト 54:後部チューブ 56:前部チューブ 120:衝撃エネルギ吸収装置 122:変形部 130:係止状態切換装置 132:電磁式ソレノイド(アクチュエータ) 136:ロッド(係合部材) 150:大径部(固定係止部) 180:電子制御ユニット 200:ステアリングコラム 210:電動式テレスコピック機構(移動部固定装置) 212:テレスコ軸 214:ナット 216:モータ 218:モータ固定部材(固定係止部) 220:第1軸部材 222:第2軸部材 230:衝撃エネルギ吸収装置 232:変形部 240:係止状態切換装置 242:電磁式ソレノイド(アクチュエータ) 246:ロッド(係合部材)
Claims (7)
- ステアリング操作部材による操作が入力されてその入力に応じた操舵を行う車両用ステアリング装置であって、
車体の一部に固定される固定部と、
車両後方側の端部に前記ステアリング操作部材を操作可能に保持するとともに、前記固定部によって車両前方側に向かって移動可能に支持された移動部と、
車両の衝突に起因する運転者の前記ステアリング操作部材への二次衝突の衝撃エネルギを、前記移動部の車両前方側への移動に伴って吸収する衝撃エネルギ吸収装置と、
その衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収が開始されるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である衝撃吸収開始位置を変更する吸収開始位置変更装置と
を備えた車両用ステアリング装置。 - 前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、
当該車両用ステアリング装置が、前記移動部が所定位置に位置させられた状態から運転者の二次衝突によって車両前方側に移動するものとされ、前記第1位置が、前記所定位置とされた請求項1に記載の車両用ステアリング装置。 - 前記衝撃エネルギ吸収装置が、
前記固定部と前記移動部との一方に設けられてそれらの他方に係止される状態における前記移動部の車両前方側への移動に伴って変形する変形部を有し、その変形部の変形抵抗に依拠して衝撃エネルギを吸収する構造とされ、
前記吸収開始位置変更装置が、前記変形部が前記固定部と移動部との他方に係止される状態となるところの前記車両前方側への移動における前記移動部の位置である係止位置を変更することによって、前記衝撃吸収開始位置を変更するものとされた請求項1または請求項2に記載の車両用ステアリング装置。 - 前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、
前記吸収開始位置変更装置が、
前記変形部が前記固定部と移動部との他方によって前記変形部が係止される状態と係止されない状態とを切り換える係止状態切換装置と、前記固定部と移動部との他方に固定的に設けられて前記第2位置において前記変形部を係止する固定係止部とを有し、前記係止状態切換装置が前記第1位置において前記変形部が係止される状態と係止されない状態とを切り換えることによって前記係止位置が決定される構造とされた請求項3に記載の車両用ステアリング装置。 - 当該車両用ステアリング装置が、設定された大きさ以上の荷重が前記ステアリング操作部材に作用した場合に前記移動部の車両前方側への移動を許容する状態で前記移動部を前記固定部に固定する移動部固定装置を備えた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
- 当該車両用ステアリング装置が、前記移動部が所定位置に位置させられた状態から運転者の二次衝突によって車両前方側に移動するものとされ、前記移動部固定装置が、前記所定位置においてのみ機能する請求項5に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記吸収開始位置変更装置が、前記衝撃吸収開始位置を、第1位置と、その第1位置より車両前方側に位置する第2位置との間で変更するものとされ、前記ステアリング操作部材への衝撃が大きいと予測される場合に前記衝撃吸収開始位置が前記第1位置と、小さいと予測される場合に前記第2位置となるように制御される請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
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- 2005-11-02 JP JP2005319224A patent/JP2007125956A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080119 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20081224 |