JP5311717B2 - 多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
この方法は、樹脂として実用的な分子量のポリフェニレンエーテル(実施例で得られるポリフェニレンエーテルの、25℃・0.5%クロロホルム溶液中で測定した還元粘度は0.44〜0.77)を連続的に得ることができ、工業的な意義は大なるものが認められる。
比較的低分子量のポリフェニレンエーテルの製造方法として、2,4,6−トリメチルフェノールを加えることでその添加量に応じ得られるポリフェニレンエーテルの分子量を変化させる製法(例えば、特許文献2参照。)が提案されており、また同明細書中には、溶媒としてポリフェニレンエーテルの良溶媒(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)とポリフェニレンエーテルの貧溶媒(例えばケトン、エーテル、アルコール)の混合溶媒を用い、良溶媒/貧溶媒の比を変えることにより種々の分子量のポリマーが得られる旨の提案がされている。しかしこの方法は不正確で要求する分子量のポリマーを得る方法としては適当なものではないと述べられている。
一方で、理論的にポリフェニレンエーテルは一分子あたり1個のフェノール性水酸基を有するが、ポリフェニレンエーテルを製造する際、一価フェノール化合物と二価フェノール化合物を共重合せしめる場合には、一分子あたりに1個以上の二価フェノール化合物が構造に含まれると考えられ、そのようなポリフェニレンエーテルは一分子あたりにフェノール性水酸基を2個有すると考えられる。即ち二価フェノール化合物の存在量は一分子あたりの平均フェノール性水酸基数を決定する因子である。この概念から、多官能性ポリフェニレンエーテルを製造するため、高分子量ポリフェニレンエーテルと二価フェノール化合物を3,3’5,5’―テトラメチル―ジフェノキノンや、ラジカル触媒下で再分配させ、二価フェノール化合物をポリフェニレンエーテル中に取り込む方法(例えば、特許文献4、5参照。)、高分子中に取り込むこと或いは二価フェノール化合物と一価フェノール化合物を酸化共重合する方法(例えば、特許文献6、7参照。)何れも所望の数のフェノール性水酸基を導入するために、生成物の一分子あたりの平均フェノール性水酸基数から考えられる二価フェノール化合物添加量以上の二価フェノール化合物を添加しており、効率よく多官能性ポリフェニレンエーテルを製造することができない。
即ち、本発明は、
1.(A)一般式(1)で表される一価フェノール化合物及び(B)一般式(2)で表され式中のR4の少なくとも一つが水素原子である二価フェノール化合物を触媒の存在下で重合することを特徴とする多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
(式(1)中、R1,R2,R3は各々独立の置換基を表し、R1はアルキル基,置換アルキル基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置換アリール基,アルコキシ基または置換アルコキシ基であり、R2,R3はR1について定義されたものと同一の基に加え更に水素原子またはハロゲン原子であっても良い。式(2)中、R4は各々独立の置換基を表し、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基,置換アルキル基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置換アリール基,アルコキシ基または置換アルコキシ基であり、少なくとも1つが水素原子である。式(2)中、R5、R6、R7は各々独立の置換基を表し、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基,置換アルキル基,アラルキル基,置換アラルキル基,アリール基,置換アリール基,アルコキシ基または置換アルコキシ基を表す。)
3.重合終結時における重合溶液の形態が、スラリーであることを特徴とする1.または2.に記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法、
4.30℃、0.5g/dlの濃度のクロロホルム溶液で測定された還元粘度(ηsp/c)が、0.04〜0.20dl/gであることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法、
5.(B)の二価フェノール化合物が0.1mol〜25mol%であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法、
6.成分(B)が、4,4’−ジヒドロキシビフェニルであることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法、
7.少なくとも2槽からなる重合槽を用い、第二またはそれ以降の重合槽において重合を完結させる方法であって、該フェノール化合物の重合率を40%以上に高めた後に、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒を該フェノール化合物に対し5重量%以上添加することを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法、
8.1.〜7.のいずれかに記載の製造方法で得られ、(B)のR4の少なくとも二つが水素原子であることを必須とする多官能性ポリフェニレンエーテルである。
本発明に用いられるフェノール化合物(A)は下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)で表されるような一価フェノール化合物としては、例えば、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が挙げられる。
本発明に用いられる二価フェノール化合物(B)は下記一般式(2)で表される化合物である。
本発明の連続重合方法において重合溶液中のフェノール化合物の濃度は特に限定されないが、全重合溶液中において10〜50重量%とすると沈殿析出重合の特徴が発揮され好ましい。
本発明で好適に使用される触媒は、触媒の構成成分として銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(3)で表されるジアミン化合物からなる触媒である。
次に触媒成分のジアミン化合物の例を列挙する.例えばN、N、N‘、N’‐テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジーn−プロピルエチレンジアミン、N−i−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジーi−プロピルエチレンジアミン、N−n−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジーn−ブチルエチレンジアミン、N−i−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジーi−ブチルエチレンジアミン、N−t−ブチルエチレンジアミンが挙げられる。
本発明にとって好ましいジアミン化合物は2つの窒素原子をつなぐアルキレン基の炭素数が2または3のものである。これらのジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対して0.01モルから10モルの範囲で用いられる。
3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。これらの使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対して15モル以下の範囲が好ましい。
重合の温度は特に限定されないが、低すぎると反応が進行しにくく、また高すぎると反応の選択性が低下することがあるので、0〜80℃、好ましくは10〜70℃の範囲である。
ポリフェニレンエーテルの良溶媒とは、ポリフェニレンエーテルを溶解させることができる溶媒である。このような溶媒を例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物が挙げられる。また若干の貧溶媒性を持ってはいるものの良溶媒に分類されるものとしては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等が例示される。これらの良溶媒は、単独でも用いられるし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
しばしば用いられる溶媒の例としてはトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素単独溶媒や、これにメタノール、エタノール等のアルコール類を含有させた混合溶媒である。
フェノール性化合物を酸化重合させて得られる重合体であるポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒の比率を選ぶことによって溶液重合法にもなるし、貧溶媒の比率を大きくすることで反応の進行とともに重合体が反応溶媒中に粒子として析出し、スラリー形態となる沈殿重合法にもなる。
重合反応終了後の後処理方法については特に制限はない。通常、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活させる。その後重合終結時の重合溶液の形状がスラリーである場合は、触媒の洗浄除去を目的として、重合に用いたポリフェニレンエーテルの溶解能が低い溶媒を主成分とする溶液を用いて繰り返し洗浄を実施することがより好ましい。重合終結時の重合溶液の形状が溶液である場合は、生成した重合体から触媒を分離した後、ポリフェニレンエーテルの溶解能が低い溶媒を用いてポリフェニレンエーテルを固形化する。この際、更なる触媒の洗浄除去を目的として、固形化に用いたポリフェニレンエーテルの溶解能が低い溶媒を主成分とする溶液を用いて繰返し洗浄を実施することがより好ましい。
その後、各種乾燥機を用いた乾燥工程において乾燥するという操作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
なお測定は以下の方法に従って行なった。
(1)フェノール化合物の重合率の測定方法
重合に供するフェノール化合物の重量より、理論上重合に必要な酸素体積(リットル)を下式により求めた。
理論酸素量=フェノール化合物の重量/フェノール化合物の分子量×22.4/2
重合に要した酸素体積は下式により求めた。
重合率は、上述した理論酸素量及び重合に要した酸素量を用い、下式より求めた。
重合率(%)=重合に要した酸素量/理論酸素量×100
重合溶液を用いて、ポリフェニレンエーテル濃度が100ppmのクロロホルム溶液を作製し、このクロロホルム溶液を日立分光光度計U−3310を用いて、420nmの吸光度を測定し、下式により求めた数値を副生成物の生成量とした。
副生成物の生成量(%)=3.56×吸光度
(3)ηsp/cの測定方法
ポリフェニレンエーテルを0.5g/dlのクロロホルム溶液として、ウベローデ粘度管を用いて30℃における還元粘度(ηsp/c)を求めた。単位はdl/gである。
(4)一分子当たりの平均フェノール性水酸基の定量
高分子論文集,vol.51,No.7(1994)、480頁記載の方法に従い、ポリマーの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えたときの318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定した値、及び数平均分子量の値から算出した。
クロロホルムを溶剤としたGPC測定を行い、予め作成したポリスチレンの分子量と溶出量の関係を表すグラフから数平均分子量(Mn)を算出した。
(6)二価フェノール性化合物の一価フェノール性化合物に対する理論モル分率の算出
一分子あたりに複数の一価フェノール化合物の繰り返し単位と、二価フェノール化合物が1単位のみから構成される理想的な多官能性ポリフェニレンエーテル(理想PPE)を製造するための、フェノール化合物中の二価フェノール性化合物の理論モル分率を算出した。
理想PPE一分子には2個の末端があるため、生成した多官能性ポリフェニレンエーテルの数平均分子量(Mn)と、平均フェノール性水酸基数(a)及び一価フェノール性化合物の分子量(m1)と二価フェノール性化合物の分子量(m2)から、算出される。
理想PPE一分子当りの平均二価フェノール化合物ユニット数(P)=a−1
理想PPE一分子当りの平均一価フェノール化合物ユニット数(Q)
=(Mn−m2×(a−1))/m1
理論モル分率(モル%)=P/(P+Q)×100
重合槽底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に第二重合槽へのオーバーフローラインを備えた1.6リットルのジャケット付き第1重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.432gの塩化第二銅2水和物、1.90gの35%塩酸、19.79gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、1058.6gのn−ブタノールを入れた。同様に、反応器底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に洗浄層へのオーバーフローラインを備えた4.0リットルのジャケット付き第二重合層に1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、2700.0gのブタノール、300gのメタノールを入れた。
原料の供給及び酸素含有ガスの通気をやめ、洗浄槽に溜め込まれた重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の10%水溶液を添加し30分間重合混合物を撹拌した。その後、濾過して濾残の湿潤ポリフェニレンエーテルにメタノールをふりかけ洗浄し湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。次いで110℃で真空乾燥し乾燥ポリフェニレンエーテルを得た。
重合完了間際の第二重合槽の重合溶液を用いて、副生成物の生成量及びロスポリマー量の測定を行なった。また、乾燥ポリフェニレンエーテルを用いてηsp/cの測定、フェノール性水酸基の定量を行なった。結果を表1に示した。
洗浄槽の窒素ガス導入の為のスパージャーより、100ml/分の速度で酸素を導入し、第三重合槽として用いた以外は実施例1に準じて重合を実施した。重合温度は第三重合槽も40℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調節した。30時間重合を継続した後、第一重合槽の重合率を測定すると50%、第二重合槽の重合率は46%、第三重合槽の重合率は2%であり、重合率98%のポリフェニレンエーテルが連続的に得られている。また、第一重合槽の重合形態は溶液重合であり、第二重合槽および第三重合槽の重合形態は沈殿析出重合である。重合終了後、第三重合槽に溜め込まれている重合混合物は実施例1に準じて洗浄を実施した。重合完了間際の第三重合槽の重合溶液を用いて、副生成物の生成量およびロスポリマー量の測定を行なった。
また、乾燥ポリフェニレンエーテルを用いてηsp/cの測定、フェノール性水酸基の定量を行なった。結果を表1に示した。
第一重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.432gの塩化第二銅2水和物、1.90gの35%塩酸、19.79gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、58.8gのキシレン、529.3gのn−ブタノールを入れた。第二重合槽に1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、150gのキシレン、1350.0gのブタノール、1500gのメタノールを入れた。第一原料タンクに500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.296gの塩化第二銅2水和物、5.70gの35%塩酸、4.95gのジ−n−ブチルアミン、59.37gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、176.4gのキシレン、1587.9gのn−ブタノール、873.1gの2,6−ジメチルフェノール、46.9gの4,4’−ジヒドロキシビフェニルを入れ、撹拌により液を混合させた。フェノール化合物中の4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモル分率は3.5モル%であった。その他の仕込み操作は実施例1に準ずる。
得られた重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の10%水溶液を添加し、50℃に温めた。次いでハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテルが白色となるまで、50℃での保温を続けた。終了後、濾過して、濾残の湿潤ポリフェニレンエーテルをメタノール洗浄溶媒に投入し、60℃で撹拌を行なった。続いて再び濾過し、濾残にメタノールをふりかけ洗浄し湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。次いで110℃で真空乾燥し乾燥ポリフェニレンエーテルを得た。測定を実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
洗浄槽の窒素ガス導入の為のスパージャーより、100ml/分の速度で酸素を導入し、第三重合槽として用いた以外は実施例3に準じて重合を実施した。重合温度は第三重合槽も40℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調節した。30時間重合を継続した後、第一重合槽の重合率を測定すると59%、第二重合槽の重合率は37%、第三重合槽の重合率は2%であり、重合率98%のポリフェニレンエーテルが連続的に得られている。また、第一重合槽の重合形態は溶液重合であり、第二重合槽および第三重合槽の重合形態は沈殿析出重合である。重合終了後、第三重合槽に溜め込まれている重合混合物は実施例3に準じて洗浄を実施した。重合完了間際の第三重合槽の重合溶液を用いて、副生成物の生成量およびロスポリマー量の測定を行なった。測定を実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
2,6−ジメチルフェノールを904.4g、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを15.6gとした以外は実施例1に準じて重合を実施した。なお、フェノール化合物中の4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモル分率は0.83モル%であった。その他の操作や測定は実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
2,6−ジメチルフェノールを904.4g、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを15.6gとした以外は実施例3に準じて重合を実施した。なお、フェノール化合物中の4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモル分率は0.83モル%であった。その他の操作や測定は実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
2,6−ジメチルフェノールを851.2g、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを68.8gとした以外は実施例1に準じて重合を実施した。なお、フェノール化合物中の2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのモル分率は3.5モル%であった。その他の操作や測定は実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
2,6−ジメチルフェノールを857.2g、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタンを62.8gとした以外は実施例1に準じて重合を実施した。なお、フェノール化合物中の2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタンのモル分率は3.5モル%であった。その他の操作や測定は実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
重合槽底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた1Lのジャケット付き重合槽に、トルエン100ml、臭化第二銅0.41g、ジ−n−ブチルアミンを入れ撹拌した。次いで高速撹拌しながら、酸素を1000ml/分の急速流量で酸素をスパージャーにより導入させながら、100mlトルエン中の70gの2,6−ジメチルフェノールの溶液を計量ポンプを通して15分かけて加えた。尚、重合槽に30℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調整した。
2,6−ジメチルフェノールの溶液添加開始から2時間後酸素の導入を停止した直後、2,6−ジメチルフェノールに対し1.48重量%の4,4’―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ペンタン酸を加え、80℃で1時間撹拌した。そして、生成物の試料を抜き取り少量の50%酢酸水溶液と共に撹拌し、遠心分離しポリマー溶液をデカントする。ポリマーはメタノールを添加して沈殿させ、メタノールで濾過した。未反応の4,4’―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ペンタン酸はメタノールでソックスレー抽出して除去した(15時間)。生成物を90℃で真空乾燥したポリフェニレンエーテルを得た。測定は実施例1と同様に行ない、結果を表1に示した。
Claims (6)
- (A)フェノール化合物及び(B)4,4'−ジヒドロキシビフェニルを触媒と酸素の存在下で重合することを特徴とする請求項1に記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 重合終結時における重合溶液の形態が、スラリーであることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 30℃、0.5g/dlの濃度のクロロホルム溶液で測定された製造される多官能性ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c)が、0.04〜0.20dl/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
- (B)4,4'−ジヒドロキシビフェニルが(A)一般式(1)で表される一価フェノール化合物及び(B)4,4'−ジヒドロキシビフェニルの合計量に対して0.1mol〜25mol%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 少なくとも2槽からなる重合槽を用い、第二またはそれ以降の重合槽において重合を完結させる方法であって、該フェノール化合物の重合率を40%以上に高めた後に、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒を該フェノール化合物に対し5重量%以上添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
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