JP2009275208A - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンエーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低分子量のポリフェニレンエーテルのパウダーを、スケールによるポリマー損失を抑制しながら効率良く安定に製造する方法を提供することができる。さらに、多種類の分子量をもつポリフェニレンエーテルを造り分けるのに好適なバッチ操作及び同一の分子量をもつポリフェニレンエーテルを多量に製造するのに好適な連続操作にも対応する、簡便な製造方法を提供すること。
【解決手段】フェノール化合物、触媒、酸素含有ガスの存在下、少なくとも一種以上のポリフェニレンエーテルの良溶媒(A)と、少なくとも2種以上のポリフェニレンエーテルの貧溶媒を用いて重合し、該2種以上の貧溶媒が、水に対する20℃における溶解度が、50g/100ml未満である溶媒(B)及び50g/100ml以上である溶媒(C)を用いることを必須とする重合後期における重合形態が沈殿析出であるポリフェニレンエーテルの製造方法であって、溶媒(B)と溶媒(C)の質量割合が1.5:1〜10:1の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、低分子量のポリフェニレンエーテルを沈殿析出させ、反応器へのスケールを抑えた効率的なポリフェニレンエーテルの製造方法であって、高いゆるめ見かけ比重と狭い分子量分布を有する取扱性に優れるポリフェニレンエーテルの製造方法に関する。
ポリフェニレンエーテルは、加工性、生産性に優れ、溶融射出成型や溶融押出成型などの成型方法により、所望の形状の製品や部品を効率よく生産できるため、電気・電子材料分野、自動車分野、その他各種工業材料分野、食品の包装分野の製品や部品用の材料として幅広く用いられている。
近年、ポリフェニレンエーテルに対して新たな工業用途が求められるに従い、従来よりも低分子量のポリフェニレンエーテルが他樹脂の改良や、電子材料用途に対して有効であることが期待されており、性能の良い低分子量のポリフェニレンエーテル及びその効率的な製造方法、例えばラインの簡略化が望める方法等が求められるようになってきている。
一般に、ポリフェニレンエーテルを製造するに際して、低分子量体が生成する状況の場合には、副生成物の選択率が高くなることや、収率が低下することが知られている。特にポリフェニレンエーテルは、種々の溶剤に溶解して使用されることが多々あり、溶解しやすさの観点から、パウダー状態の荷姿が望まれている。しかし、一般的に低分子量のポリフェニレンエーテルをパウダーで得る場合、極低温での操作が必要となったり、得られるパウダーのゆるめ見かけ比重が小さくなる傾向にあり、取扱性と種々の溶剤への溶解しやすさを両立する低分子量ポリフェニレンエーテルのパウダーのニーズが存在している。
また、一般的に、加工流動性が求められる場合には、分子量が広いほうが良いとされるが、物性面では分子量分布が狭いことが望ましいため、分子量分布の狭いポリフェニレンエーテルが求められるようになってきている。特に低分子量体で分子量分布が狭い場合、その高分子特性が明確に表れる傾向にあり、溶剤への溶解時に速度斑や濃度斑がなくなりやすい等の理由で、低分子量体でありながら分子量分布が狭いポリフェニレンエーテルが望まれるようになってきている。一方で、多種多様なポリフェニレンエーテルが求められる昨今、多種類の低分子量のポリフェニレンエーテルを製造するのに好適なバッチ操作と、同一分子量をもつ低分子量のポリフェニレンエーテルを多量に製造するのに好適な連続操作のどちらにも対応可能な製造方法が渇望されてきている。
比較的低分子量のポリフェニレンエーテルの製造方法としての特許文献1においては、2,4,6−トリメチルフェノールを加えることでその添加量に応じ得られるポリフェニレンエーテルの分子量を変化させる製法が提案されており、また同特許文献中には、溶媒としてポリフェニレンエーテルの良溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)とポリフェニレンエーテルの貧溶媒(例えば、ケトン、エーテル、アルコール)の混合溶媒を用い、良溶媒/貧溶媒の比を変えることにより種々の分子量のポリマーが得られる旨の提案がされている。しかし、該特許文献中には、該方法は不正確で要求する分子量のポリマーを得る方法としては適当なものではないとも述べられている。
同様に特許文献2には、ポリフェニレンエーテルの良溶媒として芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒として脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン等)の混合溶媒中で実施されたポリフェニレンエーテルの重合方法が開示されている。しかし同特許文献には、生成水やアミン類が反応系内に存在した状態で反応を進めると、オリゴフェニレンエーテルが粒子を不均一状態に生じた場合に反応容器などに付着しやすくなる欠点があると記載されており、満足のいくものではなかった。
また特許文献3には、メインの重合ラインで重合させた還元粘度0.4〜3.0dl/gを有するポリフェニレンエーテルと、メインの重合ラインからバイパスさせた還元粘度0.05〜0.6dl/gを有するポリフェニレンエーテルとを混合させ、2峰性の分子量分布を持つポリフェニレンエーテルを連続的に製造する方法が提案されており、この方法はスラリー重合では困難であった低粘度のポリフェニレンエーテルの連続製造を可能としたものである。しかしながら、分子量分布が広く、必ずしも満足のいくものではなかった。
これらの課題を解決する方法として、特許文献4には、フェノール類を、良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒を用い、触媒および酸素含有ガスの存在下で重合して数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を得た後に、この重合溶液に良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加え、重合する数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法が、特許文献5には、フェノール類を、貧溶媒の含有量が95重量%以上である重合溶媒を用い、触媒および酸素含有ガスの存在下で重合して数平均分子量が1000〜5000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を得た後に、この重合溶液に貧溶媒の含有量が95重量%未満となるまで良溶媒を加え、重合を継続する数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法が開示されている。しかしながら、比較例でも示す通り、操作を簡略化させようと試みると重合途中に反応器内で固着し、望みのものが得られないことが明示されている。この方法はスケールなどによるポリマー損失を抑制した優れた低分子量体の製造方法であるが、操作の煩雑さにおいて改良することが、効率の良さから望まれていると思われる。
さらに、特許文献6には、フェノール類を触媒と酸素含有ガスの存在下で重合するにあたって、少なくとも2槽からなる重合槽を用い、第一の重合槽においてフェノール類の重合率を40%以上に高めた後、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒を該フェノール類に対し5重量%以上添加し、第二またはそれ以降の重合槽において重合を完結させる、30℃において0.5g/dlの濃度のクロロホルム溶液で測定された還元粘度(ηsp/c)が0.04〜0.40dl/gである低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法が例示されている。この方法は低分子量のポリフェニレンエーテルを連続的に安定する優れた製造方法である。しかしながら実施例及び比較例でも示してあるように、槽壁付着厚みが0.5cm〜2.5cm程度付着しており、改良の余地が潜在する。また、得られるポリフェニレンエーテルのゆるめ見かけ比重に関しては記載されていない。
米国特許第3440217号明細書 特公昭50−006520号公報 特開平11−012354号公報 特開2006−249134号公報 特開2006−249133号公報 特開2004−307554号公報
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、取扱性のよいパウダー状で、かつ分子量分布が狭いポリフェニレンエーテルを、スケールによるポリマー損失を抑制し、効率良く安定に製造するポリフェニレンエーテルの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究を行った結果、フェノール化合物を触媒の存在下、ポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒を用いて沈殿析出重合するに際し、特定の溶剤及びその組成比を用いることで、分子量分布が狭く、取扱性のよい低分子量のポリフェニレンエーテルのパウダーをスケールによるポリマー損失を抑制しながら、効率良く安定に製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、フェノール化合物、触媒、酸素含有ガスの存在下、少なくとも一種以上のポリフェニレンエーテルの良溶媒(A)と、少なくとも2種以上のポリフェニレンエーテルの貧溶媒を用いて重合し、該2種以上の貧溶媒が、水に対する20℃における溶解度が、50g/100ml未満である溶媒(B)及び50g/100ml以上である溶媒(C)を用いることを必須とする、重合後期における重合形態が沈殿析出であるポリフェニレンエーテルの製造方法であって、該溶媒(A)が全溶媒に対し5質量%〜50質量%の範囲であり、かつ溶媒(B)と溶媒(C)の質量割合が1.5:1〜10:1の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテルの製造方法、である。
本発明によれば、低分子量のポリフェニレンエーテルのパウダーを、スケールによるポリマー損失を抑制しながら効率良く安定に製造する方法を提供することができる。さらに、多種類の分子量をもつポリフェニレンエーテルを造り分けるのに好適なバッチ操作及び同一の分子量をもつポリフェニレンエーテルを多量に製造するのに好適な連続操作にも対応する、簡便な製造方法を提供することができる。
また、本発明により製造されたポリフェニレンエーテルは、粉体取扱性だけではなく溶剤溶解性に優れているため、機械部品、自動車部品、電気電子部品、特に、プリント基板、絶縁封止剤等の電子電子部品、フィルム、シート、射出成型体、ブロー成型体等に好適に利用することが可能である。
また、低分子量であるため、通常のポリフェニレンエーテルと混合することで加工流動性を付与することが可能である。
以下、本発明を、望ましい実施の形態とともに詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、触媒、酸素含有ガスの存在下、少なくとも一種以上のポリフェニレンエーテルの良溶媒(A)と、少なくとも二種以上のポリフェニレンエーテルの貧溶媒を用いて重合することが重要である。そして、その二種の貧溶媒のうち、一種が水に対する20℃における溶解度が50g/100ml未満である溶媒(B)であり、他種が水に対する20℃における溶解度が50g/100ml以上である溶媒(C)であることが必須である。さらに、溶媒(B)と溶媒(C)の質量割合が1.5:1〜10:1の範囲であることが必須である。さらに該質量割合は、1.5〜8:1が好ましく、1.5:1〜5:1がより好ましく、1.5:1〜3:1が最も好ましく安定に析出状態を維持することができる。また良溶媒(A)は水に極めて難溶であることも重要である。
良溶媒(A)と溶媒(C)のみを用いた場合、後述の比較例にも示されているが、析出時に固着し運転を継続することが不可能となり、また、溶媒(B)と溶媒(C)の質量割合が上記範囲外であると、析出時の固着や、スケールの増大を招き、生産性が悪くなる。
また溶媒(B)と溶媒(C)のみからなる溶媒を用い重合する場合、分子量が4000程度、好ましい分子量6000程度にまで重合度を上昇させるためには長時間を必要とする恐れがあるため、良溶媒(A)を用いる事が重要である。
さらに、良溶媒(A)は全溶媒に対し5質量%以上50質量%以下であることが本発明の効果が好適に発揮される。さらに25質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がさらに好ましい。50質量%以上となると、析出時に安定に析出せずスケールの増大を招く、或いは所望の低い分子量及び分子量分布を持つポリフェニレンエーテルが得られなくなる、収率が低下する等が発生し効率的な製造方法とは言えなくなる可能性がある、また重合溶媒中にポリフェニレンエーテルが粒子として析出しなくなり、析出する工程が必要となる。5質量%未満であると、前述のように効率的にポリフェニレンエーテルが得られなくなる恐れがある。
本発明におけるポリフェニレンエーテルの製造方法において、析出時におけるポリフェニレンエーテルの粒子及びその付近の層の状態が重要である。特に本発明の理論に固執する必要性は全くないが、次のような現象により析出時の粒子表面が安定状態を保っていると推測される。低分子量のポリフェニレンエーテルが析出状態を呈する際、重合の進行とともに生成した水分はポリフェニレンエーテル粒子との親和性が低いため、水への溶解度が高い貧溶媒中(本発明では溶媒(C)に相当)へ局在化し、エネルギー的な安定性からポリフェニレンエーテル粒子から離れた位置に存在しようとする。その反面、ポリフェニレンエーテルとの親和性が高い良溶媒が粒子内部および直近に局在化する。
そのため、低分子量である故、粒子表面が溶融・軟化し粒子同士の融着凝集による固塊化や、装置への付着の原因となる。そこに、水に対する20℃における溶解度が50g/100ml未満の貧溶媒(本発明では溶媒(B)に相当)を多量に用いると、良溶媒リッチな粒子表面と、水への溶解度が高い貧溶媒の中間に中間層として存在する。それにより粒子表面に局在化した良溶媒濃度を低下させる中間層のような役割を果し、言わば粒子凝集に対する保護層を形成する。そのため、粒子同士の凝集や装置への付着が抑制する機能が発揮される。この中間層として溶媒(B)を重合時に前述のように適切な量を使用することで中間層の厚みを適切に制御できることを見出し、それにより驚くべき事にスケールの発生なく安定に低分子量のポリフェニレンエーテルが析出することを見出した。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において、ポリフェニレンエーテルの良溶媒とは、従来の方法で得られるポリ(2,6−ジメチルフェニレン)エーテルを溶解させることができる溶媒である。このような溶媒を例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物が挙げられる。また、その他の良溶媒に分類されるものとしては、ペンタン、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、シクロへプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド等が例示される。これらの良溶媒は、単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも好ましい良溶媒はベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族炭化水素やクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素であり、水に対し難溶性を示すものである。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒とは、従来の方法で得られるポリ(2,6−ジメチルフェニレン)エーテルを全く溶解しないか、わずかに溶解できる溶媒である。例えば、脂肪族炭化水素類、ケトン類、アルコール類である。中でも溶媒(B)としては、炭素数4以上のアルコールのうち水に対する20℃における溶解度が50g/100ml未満であるもの、主鎖に炭素数5以上の鎖を持つ脂肪族炭化水素が好ましい。中でも、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、ヘキサノール、ペンタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、メチルエチルケトンが好ましい。特に溶解度20g/100ml未満であるものは好ましく本発明の効果が好適に発揮され好ましく、よりこのましくは15g/100ml未満、さらにこのましくは10g/100ml未満である。
また、中でも溶媒(C)としては、炭素数1以上の鎖をもつアルコールのうち水に対する20℃における溶解度が50g/100ml以上であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール類、ブタノール類、ペンタノール類、ヘキサノール類、エチレングリコール、アセトン、等を挙げることができる。特に、水と任意の割合で混合する溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトンが選択されるべきである。このような貧溶媒に、更に水が含まれていてもよい。
しばしば選択される本発明の重合溶媒の例としては、良溶媒(A)としてトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素溶媒を、溶媒(B)として1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール等のアルコール類を、溶媒(C)としてメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン等の水と無限に溶解する化合物を含有させた混合溶媒である。
本発明におけるポリフェニレンエーテルの製造方法は、反応溶媒中に重合体が粒子として析出する沈殿析出重合である。重合体の析出を観察する方法としては、特に限定されず、例えば、反応器の覗き窓から重合体の析出を目視観察する、或いはサンプリング口からガラス等の透明容器に重合液を抜き出し重合体の析出を目視観察する等の方法により観察することが可能である。目視観察を始める目安としては、重合系内に含まれるフェノール化合物の量やポリフェニレンエーテルに対する良溶媒または貧溶媒の量にもよるが、好ましくは、重合率が80%に達した以降から、より好ましくは、重合率が70%に達した以降から、さらに好ましくは、重合率が50%に達した以降から重合系内における重合体の析出に注意し観察を始める。
本発明におけるポリフェニレンエーテルの製造方法は、重合溶媒中に、沈殿析出が観察された後も、沈殿析出を維持したまま重合を継続し完結させることが重要である。重合を開始した時から上記観察により沈殿析出するまでに要する時間を滞留時間T1とし、上記観察により沈殿析出した時から重合を完結する時間を滞留時間T2とする。本発明における真球状ポリフェニレンエーテル粉体の製造方法において、上記滞留時間の比(T2/T1)が0.1〜30の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.3〜20の範囲、さらに好ましくは0.5〜15の範囲である。滞留時間の比(T2/T1)が0.1未満であると、乾燥後のポリフェニレンエーテルの見かけゆるめ比重が0.4以下に低くなる可能性があり、また滞留時間の比(T2/T1)の比が30以上になると、沈殿析出を開始するまでの重合時間によるが、所望の分子量をもつポリフェニレンエーテルを得るまでの重合時間が長くなるため、効率的な製造方法ではなくなる可能性がある。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において、例えば、(1)重合に用いるフェノール化合物を重合初期から重合槽内に全量存在させ重合し完結する方法、(2)重合中にフェノール化合物を逐次添加しながら重合し完結する方法、(3)連続的に原料を供給し重合し連続的にポリフェニレンエーテルを重合する方法、(4)他の重合法等を用いることができる。特に多種類のポリフェニレンエーテルを効率よく製造するためには、造り分けに適している上記(1)及び(2)の重合方法により種々のポリフェニレンエーテルを効率的に製造できる。また、効率よく安定に多量の同一ポリフェニレンエーテルを製造する際には上記(3)の重合方法によりポリフェニレンエーテルを連続的に製造することができる。
更に効率よく連続的にポリフェニレンエーテルを製造する連続方式として、少なくとも2槽からなる重合槽を用いることが好ましい。第一の重合槽およびそれ以降の重合槽において析出沈殿重合を選択する場合においては、重合溶媒に溶解させたフェノール化合物、および触媒を第一の重合槽に連続的に供給し、且つ良溶媒及び貧溶媒を第一の重合槽に連続的に供給する連続重合法を選択することが好ましく、第一の重合槽においてはポリフェニレンエーテルが沈殿析出を呈しない溶液重合を選択し第二またはそれ以降の重合槽において析出沈殿重合を選択することで、沈殿析出に要する平均滞留時間の観察が容易であり、また副生生物の生成量が著しく抑制される。さらに、第一の重合槽において沈殿析出を呈しない範囲内で重合率を高めておくと、所望の分子量のポリフェニレンエーテルを得るための総平均滞留時間を短くすることができる。
さらに、重合溶媒に溶解させたフェノール混合物、および触媒を第一の重合槽に連続的に供給し、且つ貧溶媒を第二またはそれ以降の重合槽に連続的に供給する連続重合法を選択することも、ポリフェニレンエーテルを高収率で製造する上で重要な役割を果たすことが多い。
さらに収率を目的で第三またはそれ以降の重合槽を併設することも重要な役割を果たすことが多い。このような重合形態をとることにより、副生成物の生成量および重合槽壁、撹拌軸、送液配管等へのポリマー付着が著しく抑制された、工業的に極めて有利な球体ポリフェニレンエーテル粉体の連続重合方法となる。ここでは一例を示したが、回分反応器、連続槽型反応器、管型反応器などを用いる方法を適宜応用し用いることが可能である。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において使用するフェノール化合物は下記式(1)、下記式(2)で表されるような構造一価のフェノール化合物であることが好ましい。
以下、本発明における式(1)、(2)の各記号の説明を行う。
、R、R、R、R、R、及びRは水素原子で置換されていてもよい。
、R、R、R、R、R、及びRで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアルキル基の「アルキル基」としては、炭素数が1〜6、好ましくは1〜3の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、好ましくは、メチル、エチルであり、より好ましくはメチルである。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアルケニル基の「アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、3−ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどが挙げられ、好ましくはエテニル、1−プロペニルである。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアルキニル基の「アルキニル基」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(プロパルギル)、3−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが挙げられ、好ましくはエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(プロパルギル)である。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアリール基の「アリール基」としては、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられ、好ましくはフェニルである。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアラルキル基の「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、4−メチルベンジル、α−メチルベンジル、2−ビニルフェネチル、4−ビニルフェネチルなどが挙げられ、好ましくはベンジルである。
、R、R、R、R、R、及びRで示される置換されていてもよいアルコキシ基の「アルコキシ基」としては、炭素数が1〜6、好ましくは1〜3の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられ、好ましくはメトキシ、エトキシである。
、R、R、R、R、R、及びRで示されるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニルキ、アラルキル基、アルコキシ基は、置換可能な位置に、1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、アルケニル基(例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル)、アルキニル基(例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、などが挙げられる。
一価のフェノール化合物としては、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール、
2、5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−メチル−5−エチルフェノール、2−エチル−5−メチルフェノール、2−アリル−5−メチルフェノール、2、5−ジアリルフェノール、2,3−ジエチル−6−n―プロピルフェノール、2−メチル−5−クロルフェノール、2−メチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−n−ブチルフェノール、2,5−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−クロルフェノール、
2−メチル−5−フェニルフェノール、2,5−ジフェニルフェノール、2,5−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−5−トリルフェノール、2,5−ジトリルフェノール、2,6−ジメチル−3−アリルフェノール、2,3,6−トリアリルフェノール、2,3,6−トリブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジメチル−3−n−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−3−t−ブチルフェノール、等が挙げられ、なかでも、安価であり入手が容易であるため、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノールが好ましく、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールがより好ましい。
上記一価フェノール化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジエチルフェノールを組み合わせて使用する方法、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールを組み合わせて用いる方法などが挙げられ、その際の混合比は任意に選択できる。また使用するフェノール化合物の中には、製造の際の副産物として含まれている少量のm−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が含まれていてもかまわない。
特に、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジフェニルフェノールを組み合わせて用いる方法の場合においては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールの割合は特に限定されないが、好ましくは、単量体混合物全体に対して、2,6−ジメチルフェノールが50質量%〜100質量%、2,3,6−トリメチルフェノールが50質量%〜0.1質量%、より好ましくは、2,6−ジメチルフェノールが60質量%〜95質量%、2,3,6−トリメチルフェノールが40〜5質量%、さらに好ましくは2,6−ジメチルフェノールが70質量%〜90質量%、2,3,6−トリメチルフェノールが30〜10質量%、最も好ましくは、2,6−ジメチルフェノールが70〜85質量%、2,3,6−トリメチルフェノールが30〜15質量%である。混合フェノール化合物中の2,6−ジメチルフェノールの割合が50質量%未満であると所望の重合度のポリフェニレンエーテルを得るために重合時間が著しく長期化する可能性がある。
また、使用する化合物の中に上記式(2)で表される二価フェノール化合物が含まれていてもよい。上記式(2)で表されるような二価フェノール性化合物は該当する一価フェノール化合物とケトン類、またはジハロゲン化脂肪族炭化水素との反応等により工業的に有利に製造できる。例えば、ホルムアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサン等の汎用ケトン化合物と一価フェノール化合物の反応により得られる化合物群や、一価フェノール化合物同士の反応により得られる化合群がある。例えば下記一般式(2−a)(2−b)(2−c)の各々の構造に挙げる化合物がある。
代表的な物が、R及びRがメチル基、R及びRが水素でXが両方のアリール基を直結している化合物、R及びRがメチル基、R及びRが水素でXがメチレンである化合物、R及びRがメチル基、R及びRが水素でXがチオである化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXがエチレンである化合物、R及びRがメチル基、R及びRが水素でXがイソプロピリデンである化合物、R及びRがメチル基、R及びRが水素でXがシクロヘキシリデンである化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXが両方のアリール基を直結している化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXがメチレンである化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXがエチレンである化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXがチオである化合物、R、R及びRがメチル基、Rが水素でXがイソプロピリデンである化合物、R、R、R及びRがメチル基でXがメチレンである化合物、R、R、R及びRがメチル基でXがエチレンである化合物、R、R、R及びRがメチル基でXがイソプロピリデンである化合物等であるが、これらの例に限定されない。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において重合に用いる混合フェノール化合物の濃度は、特に限定されないが、溶液全体に対して、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜30質量%である。混合フェノール化合物の濃度が上記範囲内であると、沈殿析出重合の特徴が発揮され易いため好ましく、全溶媒に対するポリマー量が多くなるため効率的である。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法において、標準ポリスチレンを検量線として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリフェニレンエーテルの微分分子量dW/d(LogM)の最大値が1.2以上であることが重要であり、本発明の効果を好適に発揮する。dW/d(LogM)は当該分子量Mの分子の重量分率を示す。微分分子量dW/d(LogM)の最大値は大きいほど分子量分布が狭い事を表し、物性面に優れ、種々の溶剤への溶解性にも優れる。微分分子量dW/d(LogM)はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
その例としては、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21(カラム:昭和電工(株)製K−805Lを2本直列、カラム温度:40℃、溶媒:クロロホルム、溶媒流量:1.0ml/min、サンプル濃度:ポリフェニレンエーテルの1g/Lクロロホルム溶液)で標準ポリスチレン(標準ポリスチレンの分子量は、3,650,000、2,170,000、1,090,000、681,000、204,000、52,000、30,200、13,800、3,360、1,300、550)を用いて検量線を作成し、測定する。検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254mn、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmである。
また、dW/d(LogM)の最大値は4≦LogM≦6の範囲で有していることが、物性面から好ましく、加工流動性にも優れるため好ましい。より好ましくは3.0≦LogM≦5.0の範囲であり、さらに好ましくは3.5≦LogM≦4.5の範囲である。
また機械的特性の観点から、数平均分子量は4000〜16000であることが、得られるポリフェニレンエーテルの高い流動性が高い特性を示しながら、機械的特性に優れるため好ましい。よりこのましくは6000〜13000が好ましく、最も好ましくは8000〜13000である。
本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法における重合温度は、沈殿析出前の重合温度としては、好ましくは0℃〜50℃、より好ましくは10℃〜40℃、さらに好ましくは20℃〜40℃である。沈殿析出前の温度が低すぎると、重合反応が進行しにくい場合がある。また、沈殿析出後の重合温度としては、好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは10℃〜80℃、さらに好ましくは15℃〜70℃、最も好ましくは20℃〜60℃である。沈殿析出後の温度が高すぎると、重合に用いる溶媒の揮発が激しくなり、冷却還流設備への負荷が大きくなる恐れがある。
本発明で用いられる触媒は、一般的にポリフェニレンエーテルの製造に用いることができる公知の触媒系が全て使用できる。一般的に知られている触媒系は酸化還元能を有する遷移金属イオンとこの金属イオンと錯形成可能なアミン化合物からなるものが知られており、例えば、銅化合物とアミンからなる触媒系、マンガン化合物とアミンからなる触媒系、コバルト化合物とアミンからなる触媒系、等である。重合反応は若干のアルカリ性条件下で効率よく進行するため、ここに若干のアルカリもしくは更なるアミンを加えることもある。
本発明で好適に使用される触媒は、触媒の構成成分として、銅化合物、ハロゲン化合物および下記式(3)で表されるジアミン化合物を含む触媒である。
(式中、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し(但し、全てが同時に水素ではない)、R12は炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)
ここで述べられた触媒成分の銅化合物の例を以下に列挙する。
好適な銅化合物としては、第一銅化合物、第二銅化合物またはそれらの混合物を使用することができる。第二銅化合物としては、例えば、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。また第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができる。これらの中で特に好ましい金属化合物は塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。またこれらの銅塩は酸化物(例えば酸化第一銅)、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲンまたは酸から使用時に合成してもよい。
しばしば用いられる方法は先に例示の酸化第一銅とハロゲン化水素(またはハロゲン化水素の溶液)を混合して作成する方法である。
ハロゲン化合物としては、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等である。またこれらは水溶液や適当な溶媒を用いた溶液として使用できる。これらのハロゲン化合物は、単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。好ましいハロゲン化合物は、塩化水素の水溶液、臭化水素の水溶液である。
これらの化合物の使用量は特に限定されないが、銅原子のモル量に対してハロゲン原子として2倍以上20倍以下が好ましく、使用されるフェノール化合物の100モルに対して好ましい銅原子の使用量としては0.02モルから0.6モルの範囲である。
次に触媒成分のジアミン化合物の例を以下に列挙する。
例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−プロピルエチレンジアミン、N−i−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−プロピルエチレンジアミン、N−n−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−ブチルエチレンジアミン、N−i−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−ブチルエチレンジアミン、
N−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’−トリメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−1−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。
本発明にとって好ましいジアミン化合物は、2つの窒素原子をつなぐアルキレン基(R12)の炭素数が2又は3のものである。これらのジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノール化合物100モルに対して0.01モル〜10モルの範囲で用いられる。
本発明において触媒の構成成分として、更に3級モノアミン化合物または2級モノアミン化合物をそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて含ませることは好ましい。3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。これらの使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノール100モルに対して15モル以下の範囲が好ましい。
2級モノアミン化合物の例として、第2級脂肪族アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。芳香族を含む2級モノアミン化合物の例としては、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられるがこれらの例には限定されない。
これらの2級モノアミン化合物は単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノール100モルに対し15モル以下の範囲が好ましい。
本発明には、従来から活性に向上効果を有することが知られている界面活性剤を添加することについて何ら制限されない。例えば、Aliquat336やCapRiquatの商品名で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドである。使用量は重合反応混合物の全量に対して0.1質量%を超えない範囲が好ましい。
本発明の重合における酸素含有ガスは純酸素の他、酸素と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの、空気、更には空気と窒素、希ガス等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの等が使用できる。重合反応中の系内圧力は常圧で充分であるが、必要に応じて減圧でも加圧でも使用できる。酸素含有ガスの供給速度は、除熱や重合速度等を考慮して任意に選択できるが、重合に用いるフェノール化合物1モル当たりの純酸素として5Nml/分以上が好ましく、10Nml/分以上がさらに好ましい。
本発明の重合反応系に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキサイド、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の中性塩、ゼオライト等も添加することができる。
重合反応終了後の後処理方法については特に制限はない。通常、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活させる。その後重合終結時の重合溶液が沈殿析出状態であるため、触媒の洗浄除去を目的として、重合に用いたポリフェニレンエーテルの溶解能が低い溶媒を主成分とする溶液を用いて繰り返し洗浄を実施することがより好ましい。その後、各種乾燥機を用いた乾燥工程において乾燥するという操作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
本発明の方法で得られたポリフェニレンエーテルは、従来既知の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂と溶融混練することができる。
次に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の例を以下に列挙する。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、超高分子量ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、フェノール、尿素、メラミン、不飽和ポリエステル、アルキッド、エポキシ、ジアリルフタレート、ビスマレイミド等の樹脂が挙げられる。
また溶融混練時に、導電性、難燃性、耐衝撃性等の効果を付与する目的で従来既知の添加剤や熱可塑性エラストマーを加えることがより好ましい。
また本発明の製造方法で得られる低分子量のポリフェニレンエーテルを用いた組成物を製造させる際に他の添加剤、例えば、可塑剤、安定剤、変性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、離型剤及びガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強剤、更にはガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等の充填剤を添加することができる。安定剤や変性剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダードフェノール類、含イオウ酸化防止剤、アルカノールアミン類、酸アミド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物類、無水カルボン酸類、スチレンやステアリルアクリレート等のジエノフィル化合物類、エポキシ基含有化合物などが挙げられるがこれらの例には限定されない。これらの添加剤は単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本発明の製造方法で得られるポリフェニレンエーテルを含有する組成物を構成する各成分を混合する方法はいかなる方法でも良いが、例えば、溶液ブレンドと脱気方法、押出機、加熱ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ヘンシェルミキサー等使用することができる。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。
[測定方法]
本明細書中の物性、特性等の測定方法は以下の通りである。
(1)ゆるめ見かけ比重の測定
パウダーテスターを用いて、100cc容積の金属容器を用い測定した。
(2)微分分子量dW/d(LogM)及び数平均分子量Mnの測定
昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21で標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定する。標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000、52000、30200、13800、3360、1300、550のものを用いる。カラムは昭和電工(株)製K−805Lを2本直列につないで使用する。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃で測定する。ポリフェニレンエーテルの1g/Lクロロホルム溶液を作製して測定する。検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254mn、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmである。
(3)収率の測定
重合に供したモノマー質量に対する乾燥ポリフェニレンエーテルの質量割合を100分率で測定した。
(4)反応器へのスケ−ル付着の確認
重合液を反応器から抜き出した後、反応器内に付着しているスケールの量を目視にて確認した。
(5)副生成物の生成量の測定方法
重合溶液を用いて、ポリフェニレンエーテル濃度が100ppmのクロロホルム溶液を作成し、このクロロホルム溶液を紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ製U−3000)を用いて、420nmの吸光度を測定し、下式により求めた数値を副生成物の生成量とした。
副生成物の生成量(%)=3.56×吸光度
(6)重合率の測定
重合に供するフェノール化合物の重量より、理論上重合に必要な酸素体積(リットル)を下式により求めた。
理論酸素量=フェノール化合物の重量/フェノールの分子量×22.4/2
重合に要した酸素量は下式により求めた。
重合に要した酸素量=(重合に供した酸素量)−(排出ガス中の酸素量)
重合率は上述した理論酸素量及び重合に要した酸素量を用い、下式により求めた。
重合率(%)=重合に要した酸素量/理論酸素量×100
[低分子ポリフェニレンエーテルの製造方法]
(実施例1)
重合槽底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた10リットルのジャケット付き重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、1.1164gの塩化第二銅2水和物、4.9172gの35%塩酸、42.642gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、16.082gのジ−n−ブチルアミン、溶媒(A)として1583.8gのキシレン、溶媒(B)として3959.5gのn−ブタノール、溶媒(C)として791.9gのメタノール、1600.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ反応器の内温が30℃になるまで撹拌した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。
次いで、激しく撹拌した重合槽へ1000Nml/分の速度で酸素ガスをスパージャーより導入を始めた。420分通気し、反応器の内温が40℃になるようコントロールした。なお、酸素ガスを供給開始135分後ポリフェニレンエーテルが析出しスラリー状の形態を示した。重合終結時の重合液の形態は沈殿析出重合であった。
酸素含有ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を12.0g添加し60分間重合混合物を撹拌し、次いでハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテルが白色となるまで撹拌を続けた。反応器の内温は50℃になるようコントロールした。白色となったスラリー状のポリフェニレンエーテルをろ過し、ろ過残渣のポリフェニレンエーテルにメタノールをふりかけ洗浄後、150℃、1mmHgで1.5時間保持し、乾燥状態のポリフェニレンエーテルを得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
重合槽に入れるキシレンを2534.0g、n−ブタノールを3167.6g、メタノールを633.5gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
重合槽に入れるキシレンを1583.8g、n−ブタノールを2850.9g、メタノールを1900.6gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例4)
重合槽に入れるキシレンを2534.1g、n−ブタノールを2534.1g、メタノールを1267.1gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は2:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例5)
重合槽に入れるキシレンを1900.6g、n−ブタノールを2850.9g、メタノールを1583.8gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.8:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は30質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例6)
重合槽に入れる塩化第二銅2水和物の代わりに臭化銅(II)を1.4627g、35%塩酸の代わりに47%臭化水素酸を8.118gとした以外は実施例5と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.8:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は30質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例7)
重合槽に入れる臭化銅(II)の代わりに酸化銅(I)を0.9371gとした以外は実施例6と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.8:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は30質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例8)
重合槽に入れる塩化第二銅2水和物の酸化銅(I)を2.0614g、35%塩酸の代わりに47%臭化水素酸を15.4988g、ジブチルアミンを24.0403g、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンの代わりにジ−t−ブチルエチレンジアミンを4.9657g、ブチルジメチルアミンを73.1687gとした以外は実施例5と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.8:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は30質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例9)
重合槽底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に第二重合槽へのオーバーフローラインを備えた1.6リットルのジャケット付き第一重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.263gの塩化第二銅2水和物、1.159gの35%塩酸、2.915g のジ−n−ブチルアミン、10.048g のN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、458.2gのキシレン、458.2g のn−ブタノール、229.1gのメタノールを入れた。同様に、反応器底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に洗浄槽へのオーバーフローラインを備えた4.0リットルのジャケット付き第二重合槽に1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、1006.4gのキシレン、1006.4gのn−ブタノール、503.2gのメタノールを入れた。
また、プランジャーポンプにより第一重合槽に送液できるライン、撹拌タービン翼及び槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた6.0リットルの原料タンクに500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.726gの塩化第二銅2水和物、3.196gの35%塩酸、8.041gのジ−n−ブチルアミン、27.718gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、1264.1gのキシレン、1264.1g のn−ブタノール、632.1gのメタノール、800gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、撹拌により液を混合させた。原料タンクへの仕込み液は重合に供することで減量するため、その都度上記液組成のものを追加添加した。
次いで激しく撹拌した第一重合槽へ、第一原料タンクより20.78g/分の流量で重合溶液を供給するのと同時に、第一重合槽へ324.1ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。更に、第一重合槽より第二重合槽へのオーバーフローが開始されると同時に、156.4ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入させた。
重合温度は第一重合槽および第二重合槽ともに40℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調節した。その後30時間重合を継続することで、第一重合槽および第二重合槽における重合は安定状態となりポリフェニレンエーテルが連続的に得た。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は2:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。また、第一重合槽の重合形態は溶液重合であり、第二重合槽の重合形態は沈殿析出重合である。その後さらに40時間重合を継続し完了した。
得られた重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の10%水溶液を添加し、50℃に温めた。次いでハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテルが白色となるまで、50℃での保温を続けた。白色となったスラリー状のポリフェニレンエーテルをろ過し、ろ過残渣のポリフェニレンエーテルにメタノールをふりかけ洗浄後、150℃、1mmHgで1.5時間真空乾燥させ乾燥状態のポリフェニレンエーテルを得た。結果は表1に示す。
(実施例10)
重合槽底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に第二重合槽へのオーバーフローラインを備えた1.6リットルのジャケット付き第一重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.263gの塩化第二銅2水和物、1.159gの35%塩酸、2.915g のジ−n−ブチルアミン、10.048g のN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、458.2gのキシレン、458.2g のn−ブタノール、229.1gのメタノールを入れた。同様に、反応器底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面に洗浄槽へのオーバーフローラインを備えた4.0リットルのジャケット付き第二重合槽に1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、1006.4gのキシレン、1006.4gのn−ブタノール、503.2gのメタノールを入れた。
さらに反応器底部に酸素含有ガス導入の為のスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器、重合槽側面にオーバーフローラインを備えた1.5リットルのジャケット付き重合槽に500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、240.0gのキシレン、240.0gのn−ブタノール、120.0gのメタノールを入れた。また、プランジャーポンプにより第一重合槽に送液できるライン、撹拌タービン翼及び槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた6.0リットルの原料タンクに500ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.726gの塩化第二銅2水和物、3.196gの35%塩酸、8.041gのジ−n−ブチルアミン、27.718gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、1264.1gのキシレン、1264.1g のn−ブタノール、632.1gのメタノール、800gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、撹拌により液を混合させた。原料タンクへの仕込み液は重合に供することで減量するため、その都度上記液組成のものを追加添加した。
次いで激しく撹拌した第一重合槽へ、第一原料タンクより20.78g/分の流量で重合溶液を供給するのと同時に、第一重合槽へ324.1ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。更に、第一重合槽より第二重合槽へのオーバーフローが開始されると同時に、156.4ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入させた。
次いで激しく撹拌した第一重合槽へ、第一原料タンクより17.34g/分の流量で重合溶液を供給するのと同時に、第一重合槽へ449.8ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。更に、第一重合槽より第二重合槽へのオーバーフローが開始されると同時に、179.9ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入させた。さらに第二重合槽より第三重合槽へオーバーフローが開始されると同時に、50ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入させた。
重合温度は第一重合槽、第二重合槽および第三重合槽ともに40℃を保つようにジャケットに熱媒を通して調節した。その後40時間重合を継続することで、第一重合槽および第二重合槽における重合は安定状態となりポリフェニレンエーテルが連続的に得られている。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は2:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。また、第一重合槽の重合形態は溶液重合であり、第二重合槽の重合形態は沈殿析出重合である。その後さらに40時間重合を継続し完了した。
得られた重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の10%水溶液を添加し、50℃に温めた。次いでハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテルが白色となるまで、50℃での保温を続けた。白色となったスラリー状のポリフェニレンエーテルをろ過し、ろ過残渣のポリフェニレンエーテルにメタノールをふりかけ洗浄後、150℃、1mmHgで1.5時間真空乾燥させ乾燥状態のポリフェニレンエーテルを得た。結果は表1に示す。
(実施例11)
第一重合槽に入れるキシレンを286.4g、n−ブタノールを515.5g、メタノールを343.7gとし、第二重合槽に入れるキシレンを629.0g、n−ブタノールを1132.2g、メタノールを754.8gとし、第一原料タンクに入れるキシレンを790.1g、n−ブタノールを1422.1g、メタノールを948.1gとした以外は実施例9と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1.5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。結果を表1に示す。
(実施例12)
第一重合槽に入れるn−ブタノールを716.0g、メタノールを143.2gとし、第二重合槽に入れるn−ブタノールを1572.5g、メタノールを314.5gとし、第一原料タンクに入れるn−ブタノールを1975.2g、メタノールを395.0gとした以外は実施例11と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
重合槽に入れるキシレンを1583.8g、n−ブタノールを使用せず、メタノールを2580.1gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)は無添加であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。重合開始約130分後、重合槽内のポリマーが固着し、撹拌翼がバッフルと接触したため重合を続けることが不可能となり停止させた。
(比較例2)
重合槽に入れるキシレンを795.0g、n−ブタノールを795.0g、メタノールを3167.6gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は0.5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。重合開始約125分後、重合槽内のポリマーが固着し、撹拌翼がバッフルと接触したため重合を続けることが不可能となり停止させた。
(比較例3)
重合槽に入れるキシレンを1267.1g、n−ブタノールを2234.1g、メタノールを2234.1gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は1:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は20質量%であった。重合開始約125分後、重合槽内のポリマーが固着し、撹拌翼がバッフルと接触したため重合を続けることが不可能となり停止させた。
(比較例4)
重合槽に入れるキシレンを2534.1g、n−ブタノールを1267.1g、メタノールを2534.1gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は0.5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。結果を表1に示す。
(比較例5)
重合槽に入れるキシレンを1583.8g、n−ブタノールを4434.7g、メタノールを316.8gとした以外は実施例1と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は14:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は25質量%であった。結果を表1に示す。
(比較例6)
特公昭60-34571号公報に基づき、ポリフェニレンエーテル樹脂を重合した。このとき全ての溶媒が良溶媒(A)であった。重合終結時もポリマーが溶媒に溶解した溶液状態であった。重合後の溶液を大過剰のメタノールと混合し、析出したポリフェニレンエーテルをろ別、メタノール洗浄を繰り返し、150℃、1mmHgで1.5時間真空乾燥させ、乾燥状態のポリフェニレンエーテルを得た。結果を表1に示す。
(比較例7)
第一重合槽に入れるキシレンを458.2g、n−ブタノールを57.3g、メタノールを630.1gとし、第二重合槽に入れるキシレンを1006.4g、n−ブタノールを125.8g、メタノールを1383.8gとし、第一原料タンクに入れるキシレンを1264.1g、n−ブタノールを158.0g、メタノールを1738.2gとした以外は実施例9と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は0.1:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は40質量%であった。重合の進行につれてスケールが増大するのが確認できた。結果を表1に示す。
(比較例8)
第一重合槽に入れるキシレンを806.9g、n−ブタノールを288.2g、メタノールを57.6g、塩化第二銅2水和物を0.101g、35%塩酸を0.446g、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンを3.864gとし、第二重合槽に入れるキシレンを1761.2g、n−ブタノールを629.0g、メタノールを125.8gとし、第一原料タンクに入れるキシレンを2225.9g、n−ブタノールを795.0g、メタノールを159.0g、塩化第二銅2水和物を0.2791g、35%塩酸を1.229g、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンを10.661gとした以外は実施例9と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は5:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は70質量%であった。重合の進行につれてスケールが増大するのが確認できた。結果を表1に示す。
(比較例9)
第一重合槽に入れるキシレンを34.6g、n−ブタノールを783.8g、メタノールを334.3gとし、第二重合槽に入れるキシレンを75.5g、n−ブタノールを1710.9g、メタノールを729.6gとし、第一原料タンクに入れるキシレンを95.4、n−ブタノールを2162.3g、メタノールを922.1gとした以外は実施例9と同様に実施した。このとき溶媒(B)と溶媒(C)の質量比は2.34:1であり、全溶媒に対し良溶媒(A)は3質量%であった。重合の進行につれてスケールが増大するのが確認できた。結果を表1に示す。
以上の結果から明らかなように、実施例1〜8では、多種類のポリフェニレンエーテルの製造に適したバッチ重合方式でも簡便な方法で分子量分布の狭いポリフェニレンエーテルを得ることができた。また、反応器へのスケールも確認されなかった上、ゆるめ見かけ比重の高いポリフェニレンエーテルを得ることができた。収率も高い製造方法であることがわかる。また、実施例9〜12では、同一の製品を多量に製造するのに適した連続重合方式においても、簡便な方法で分子量分布の狭いポリフェニレンエーテルを得ることができた。また、収率も高く、ゆるめ見かけ比重の高いポリフェニレンエーテルを多量に製造することができた。
一方、比較例1〜3ではバッチ方式において、溶媒(B)が粒子析出時の粒子表面保護層としての機能を果す十分な量が存在しないため、凝集し固着してしまい、簡便な製造方法として選択できないことが確認された。比較例4及び5では、スケールが多量に付着し、収率が低く、また、スケールが付着することにより反応槽の洗浄が必要となり多種類のポリフェニレンエーテルを造り分ける方法としては効率的ではないことが確認できた。また、比較例7においては、重合の進行とともにスケールが増大していくことが確認され、長期間運転する際の、安定な製造方法として選択しにくいことがわかった。
比較例8においても重合の進行につれスケールが増大していくことが確認された他、ろ液側に低分子量のポリフェニレンエーテルが溶解し、収率が悪化した。比較例9においても重合の進行につれスケールが増大し、得られるポリフェニレンエーテルのゆるめ見かけ比重が低い。また、所望の分子量のものを安定的に得ることができなかった。
一方で比較例6において、重合終結時にポリフェニレンエーテルが重合溶媒に溶解した状態にあり、そこに多量のメタノールを添加することによりポリフェニレンエーテルパウダーを得る方法を実施した。ここでは、得られるポリフェニレンエーテルのゆるめ見かけ比重が低くなることが確認された。また、分子量分布が広くなることがわかる。
フェノール化合物を触媒の存在下、ポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒を用いて沈殿析出重合するに際し、特定の溶剤及びその組成比を用いることで、分子量分布が狭く、取扱性のよい低分子量のポリフェニレンエーテルのパウダーをスケールによるポリマー損失を抑制しながら、効率良く安定に製造できることが可能となる。

Claims (9)

  1. フェノール化合物、触媒、酸素含有ガスの存在下、少なくとも一種以上のポリフェニレンエーテルの良溶媒(A)と、少なくとも2種以上のポリフェニレンエーテルの貧溶媒を用いて重合し、該2種以上の貧溶媒が、水に対する20℃における溶解度が、50g/100ml未満である溶媒(B)及び50g/100ml以上である溶媒(C)を用いることを必須とする、重合後期における重合形態が沈殿析出であるポリフェニレンエーテルの製造方法であって、該溶媒(A)が全溶媒に対し5質量%〜50質量%の範囲であり、かつ溶媒(B)と溶媒(C)の質量割合が1.5:1〜10:1の範囲内であることを特徴とするポリフェニレンエーテルの製造方法。
  2. 該良溶媒(A)が芳香族炭化水素から選ばれる溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  3. 該ポリフェニレンエーテルが、標準ポリスチレンを検量線として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定された数平均分子量が4000〜16000であり、かつ微分分子量dW/d(LogM)の最大値が1.2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  4. ポリフェニレンエーテルのゆるめ見かけ比重が0.4g/ml以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  5. 微分分子量dW/d(LogM)の値が3.5≦LogM≦4.5の範囲内で最大値となることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  6. 該数平均分子量が6000〜13000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  7. 該フェノール化合物が下記式(1)で表される一価フェノールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
    (式中R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基を示す。)
  8. 該フェノール化合物が下記式(2)で表される二価フェノール化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
    (式中R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基を示し、Xは脂肪族炭化水素残基及びそれらの置換誘導体、酸素、硫黄、スルホニル基の他、両方のアリール基を直結していることを示す。)
  9. 前記触媒の構成成分が銅化合物、ハロゲン化合物及び下記式(3)で表されるジアミン化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。

    (式中、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し(但し、全てが同時に水素ではない)、R12は炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)
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