JP5046351B2 - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
最近、ポリフェニレンエーテルに対して新たな工業用途が求められるにしたがって、従来よりも低分子量のポリフェニレンエーテルが他の樹脂の改質や、電子材料用途に対して有効であることが期待されており、性能の良い低分子量のポリフェニレンエーテル及びその効率的な製造方法が望まれるようになってきた。
比較的低分子量のポリフェニレンエーテルの製造方法として、2,4,6−トリメチルフェノールを加えることでその添加量に応じ得られるポリフェニレンエーテルの分子量を変化させる製法(例えば、特許文献1を参照。)が提案されており、また同明細書中には、溶媒としてポリフェニレンエーテルの良溶媒(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)とポリフェニレンエーテルの貧溶媒(例えばケトン、エーテル、アルコール)の混合溶媒を用い、良溶媒/貧溶媒の比を変えることにより種々の分子量のポリマーが得られる旨の提案がされている。しかし、該明細書中には、この方法は不正確で要求する分子量のポリマーを得る方法としては適当なものではないとも述べられている。
また、メインの重合ラインで重合させた還元粘度0.4〜3.0dl/gを有するポリフェニレンエーテルと、メインの重合ラインからバイパスさせた還元粘度0.05〜0.6dl/gを有するポリフェニレンエーテルとを混合させ、2峰性の分子量分布を持つポリフェニレンエーテルを連続的に製造する方法(例えば、特許文献3を参照)が提案されており、この方法はスラリー重合では困難であった低粘度のポリフェニレンエーテルの連続製造を可能としたものである。
これら両者の方法においては連続的な生産が可能であり、ある分子量を有するポリフェニレンエーテルを大量に生産する場合において、極めて望ましく、かつ優れたものである。
一方、分子量の異なる多種類のポリフェニレンエーテルを造り分ける場合においては、バッチ重合方式が有用であり、広い範囲において分子量の設計が可能な効率的なポリフェニレンエーテルの製造方法が望まれている。
[1] フェノール類を、良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒を用い、触媒および酸素含有ガスの存在下、1槽の重合槽を用いて重合して数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を得た後に、この重合溶液に上記良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加え、重合することを特徴とする数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[2] 良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加える際に、貧溶媒を加えると同時に、又は貧溶媒を加えた後にフェノール類を更に添加することを特徴とする[1]記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[3] 重合に供するフェノール類の合計量の10〜95重量%を、ポリフェニレンエーテルが析出した重合溶液に添加することを特徴とする[1]又は[2]記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[4] 重合に供するフェノール類の合計量の10重量%以上を、触媒および酸素含有ガスの存在する重合溶液に連続的に供給する[1]〜[3]のいずれかに記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[5] 良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒を用いて重合して数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルが析出した重合溶液を得た後に、該重合溶液を少なくとも2槽の重合槽に分配し、これらの重合槽に良溶媒の含有量が35重量%未満となるまでそれぞれ異なる量の貧溶媒を加え、重合することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[6] 重合が終了した後、金属キレート剤を添加し、40〜100℃で触媒と平衡化反応を行うことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
[7] フェノール類が重量比1:99〜99:1の2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールを含む[1]〜[6]のいずれかに記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法、
である。
本発明は、フェノール類を触媒と酸素含有ガスの存在下で重合して、数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルを製造する方法である。
本発明において、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することにより求めた。
本発明に用いられるフェノール類は下記一般式(1)で表される化合物である。
また使用する化合物の中に、少量のm−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が含まれていても全くかまわない。
またフェノール類として下記一般式(2)で表される二価フェノール化合物を含有させることも可能である。
上記一般式の構造を持つもので代表的なものは、Q1とQ2がメチル基でXがイソプロピリデンである化合物、Q1とQ2がメチル基でXがメチレンである化合物、Q1とQ2がメチル基でXがチオである化合物、Q1とQ2がメチル基でXがシクロヘキシリデンである化合物等であるがこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
これらの二価フェノール性化合物は一種類でも用いられるし、いくつか組み合わせて用いても良い。
一般式(2)で表される二価フェノール性化合物を含有させる場合には、一般式(1)記載の一価フェノール類に対する一般式(2)の二価フェノール性化合物の量は特に制限されないが、一価フェノール類に対して、0.1〜30モル%とするのが好ましい。
またフェノール類の供給方法は特に限定されないが、好ましくは重合に供するフェノール類の全量の10重量%以上を、より好ましくは50〜100重量%を触媒および酸素含有ガスの存在する重合溶液に連続的に供給することで、未反応モノマーの蓄積も減り、不要な二価フェノール体の副生成物の生成量が減少する。さらにこのフェノール類を少なくともポリフェニレンエーテルの析出が確認されるまで連続的に供給することも、より効果的に不要な二価フェノール体の副生成物の生成量が減少させることができるために好ましい。
本発明で用いられる触媒は、一般的にポリフェニレンエーテルの製造に用いることができる公知の触媒系が全て使用できる。一般的に知られている触媒系は酸化還元能を有する遷移金属イオンとこの金属イオンと錯形成可能なアミン化合物からなるものが知られており、例えば銅化合物とアミンからなる触媒系、マンガン化合物とアミンからなる触媒系、コバルト化合物とアミンからなる触媒系、等である。重合反応は若干のアルカリ性条件下で効率よく進行するため、ここに若干のアルカリもしくは更なるアミンを加えることもある。
ここで述べられた触媒成分の銅化合物の例を列挙する。好適な銅化合物としては第一銅化合物、第二銅化合物またはそれらの混合物を使用することができる。
第二銅化合物としては、例えば塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。また第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができる。これらの中で特に好ましい金属化合物は塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。またこれらの銅塩は酸化物(例えば酸化第一銅)、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲンまたは酸から使用時に合成しても良い。しばしば用いられる方法は先に例示の酸化第一銅とハロゲン化水素(またはハロゲン化水素の溶液)を混合して作成する方法である。
これらの化合物の使用量は特に限定されないが、銅原子のモル量に対してハロゲン原子として2倍以上20倍以下が好ましく、使用されるフェノールの100モルに対して好ましい銅原子の使用量としては0.02モルから0.6モル、好ましくは0.02モルから0.3モルの範囲である。
3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。これらの使用量は特に限定されないが、通常使用されるフェノールの100モルに対して15モル以下の範囲、より好ましくは10モル以下の範囲で用いられる。
本発明には活性に向上効果を有することが知られている界面活性剤を添加することについて何ら制限されない。例えば、Aliquat336やCapriquatの商品名で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドである。使用量は重合反応混合物の全量に対して0.1wt%を超えない範囲が好ましい。
本発明の重合における酸素含有ガスは純酸素の他、酸素と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの、空気、更には空気と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの等が使用できる。重合反応中の系内圧力は常圧で充分であるが必要に応じて減圧でも加圧でも使用できる。これらの中で好ましい酸素含有ガスは純酸素、空気である。酸素含有ガスの供給量は、フェノール類を重合するのに十分な量、つまりフェノール類1モルに対し酸素が0.5モル以上が好ましく、0.5〜20モル供給することがより好ましい。また、フェノール類を重合溶液に添加する場合においては、フェノール類1モルに対し酸素0.3〜30モル供給するのが好ましく、0.5〜20モル供給することがより好ましい。
重合の温度は特に限定されないが、低すぎると反応が進行しにくく、また高すぎると反応の選択性が低下することがあるので、0〜80℃、好ましくは30〜50℃の範囲である。
ポリフェニレンエーテルの重合に用いられる良溶媒とは、ポリフェニレンエーテルを溶解させることができる溶媒である。このような溶媒を例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン(o−、m−、p−の各異性体を含む)、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物が挙げられる。
また若干の貧溶媒性を持ってはいるものの良溶媒に分類されるものとしては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド等が例示される。これらの良溶媒は、単独でも用いられるし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中でも好ましい良溶媒はベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族炭化水素やクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素である。
本発明は、フェノール類を良溶媒の含有量が35重量%以上、好ましくは35〜60重量%、より好ましくは40〜60重量%である重合溶媒を用いて重合し、数平均分子量が1500〜15000、好ましくは2000〜12000、より好ましくは2000〜10000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を得た後に、該良溶媒の含有量が35重量%未満、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%となるまで貧溶媒を加え重合することである。
所望する数平均分子量により、適宜貧溶媒の添加時期や添加方法を選択することが好ましく、例えば、数平均分子量の小さいPPEを製造しようとすれば、添加する貧溶媒量を多くし良溶媒の含有量を小さくすることや、貧溶媒を添加する速度を速めて高分子量化を抑えることなどが好ましい方法として挙げられる。
ここで良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで加える貧溶媒とは、貧溶媒を主体とする溶媒を示しており良溶媒を含有しても何ら構わない。
重合を終了させる時の良溶媒の含有量は35重量%未満、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜30重量%であるが、得られるポリフェニレンエーテルの数平均分子量を低めに設計したい場合においては、貧溶媒を多めに添加し良溶媒の含有量を低くすることが有効であり、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量を高めに設計したい場合においては、貧溶媒を少なめに添加し良溶媒の含有量を高くすることが有効である。
生産性を高める目的で、良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒の下で、数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を製造した後に、(i)該重合溶液を少なくとも2槽以上の重合槽に分配し、それぞれの重合槽にそれぞれ異なる量の貧溶媒やフェノールを添加して、異なる数平均分子量を有する多種類のポリフェニレンエーテルを製造する方法、(ii)該重合溶液を1槽の重合槽に送液して、または2槽以上の重合槽に順次送液し、該重合槽において良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加えて、または順次貧溶媒を加えながら重合させる製造方法、(iii)該重合溶液を、良溶媒の含有量が35重量%未満となる量の貧溶媒を予め加えた1槽の重合槽に、または2槽以上の重合槽に順次送液してまたは送液しながら重合させる製造方法なども好ましい製造方法である。
また、ポリフェニレンエーテルの重合により生じる二価フェノール体の副生成物を処理する方法も、従来既知の方法を用いて行うことができる。上記の様に触媒である金属イオンが実質的に失活されている状態であれば、該混合物を加熱するだけで脱色される。また既知の還元剤を必要量添加する方法でも可能である。既知の還元剤はハイドロキノン、亜二チオン酸ナトリウム等が挙げられる。その後、触媒の洗浄除去を目的として、重合に用いた貧溶媒を主成分とする溶液を用いて繰り返し洗浄を実施することが好ましい。その後、各種乾燥機を用いた乾燥工程において乾燥するという操作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
次に実施例によって本発明を説明する。
酸素含有ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼、バッフル、温度計、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた1.5リットルのジャケット付き重合槽に、1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、236.8gのキシレン、118.4gのn−ブタノール、196.8gのメタノールを入れ攪拌により液を混合させた。また、プランジャーポンプにより該重合槽に送液できるライン、攪拌タービン翼及びタンク上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた0.5リットルの第一原料タンクに100ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、40.0gのメタノール、40.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、攪拌により液を混合させた。さらに、プランジャーポンプにより該重合槽に送液できるライン、攪拌タービン翼及びタンク上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた1.0リットルの第二原料タンクに100ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、39.5gのn−ブタノール、157.9gのメタノール、160.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、攪拌により液を混合させた。
重合槽へのスケールの発生量を把握するため、乾燥ポリフェニレンエーテルの重量を測定した。また、該乾燥ポリフェニレンエーテルを用いて数平均分子量の測定を行った。結果を表1に示した。
1.5リットルのジャケット付き重合槽に0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、157.9gのキシレン、78.9gのn−ブタノール、117.9gのメタノールを入れ、また第二原料タンクに157.9gのn−ブタノール、236.8gのメタノール、160.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、第二原料タンク内液を重合槽に2.89g/分の流量で供給した。それ以外は実施例1に準じて重合を実施した。第一原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は40重量%であり、重合槽内の反応溶液はポリフェニレンエーテルが析出しており、析出したポリフェニレンエーテルの一部を濾別し測定した数平均分子量は5900であった。また第二原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は20重量%となる。その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
1.5リットルのジャケット付き重合槽に0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、118.4gのキシレン、59.2gのn−ブタノール、78.4gのメタノールを入れ、また第二原料タンクに217.1gのn−ブタノール、276.3gのメタノール、160.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、第二原料タンク内液を重合槽に3.40g/分の流量で供給した。それ以外は実施例1に準じて重合を実施した。第一原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は40重量%であり、重合槽内の反応溶液はポリフェニレンエーテルが析出しており、析出したポリフェニレンエーテルの一部を濾別し測定した数平均分子量は5600であった。また第二原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は15重量%となる。その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
1.5リットルのジャケット付き重合槽に0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、78.9gのキシレン、39.5gのn−ブタノール、38.4gのメタノールを入れ、また第二原料タンクに276.3gのn−ブタノール、315.8gのメタノール、160.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、第二原料タンク内液を重合槽に4.92g/分の流量で供給した。それ以外は実施例1に準じて重合を実施した。第一原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は40重量%であり、重合槽内の反応溶液はポリフェニレンエーテルが析出しており、析出したポリフェニレンエーテルの一部を濾別し測定した数平均分子量は5100であった。また第二原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は10重量%となる。その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
酸素含有ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼、バッフル、温度計、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器、反応器底部に送液用のギアポンプを備えた1.0リットルのジャケット付き重合槽に、1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.13gの塩化第二銅2水和物、0.62gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、167.9gのキシレン、67.2gのn−ブタノール、100.8gのメタノールを入れ攪拌により液を混合させた。また、酸素含有ガス導入の為のスパージャー、攪拌タービン翼、バッフル、温度計、反応器上部のベントガスラインに還流冷却器、1.0リットル重合槽底部のギアポンプからの送液ラインを備えた1.5リットルのジャケット付き重合槽に、1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、184.7gのn−ブタノール、319.0gのメタノールを入れ、攪拌により液を混合させた。また、プランジャーポンプにより1.0リットルおよび1.5リットルの重合槽に送液できるライン、攪拌タービン翼及びタンク上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた0.5リットルの第一原料タンクのジャケットに熱媒を通し約90℃に調節しながら50ml/分の流量で窒素ガスを吹き込み、135.0gの2,6−ジメチルフェノール、15.0gの2,3,6−トリメチルフェノールを入れ、静かに攪拌し液を混合させた。
1.5リットルのジャケット付き重合槽に、1000ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、176.8gのキシレン、117.9gのn−ブタノール、294.7gのメタノールを入れ攪拌により液を混合させた。また、第一原料タンクに100ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、60.0gのキシレン、40.0gのn−ブタノール、100.0gのメタノール、200.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、攪拌により液を混合させた。次いで激しく攪拌した重合槽へ第一原料タンク内液を1.67g/分の流量で供給するのと同時に、100ml/分の速度で酸素をスパージャーより導入を始めた。重合を開始後約90分程で攪拌タービン翼にポリマーが固着し、攪拌タービン翼が振動し始めたがそのまま重合を継続し、約240分で第一原料タンク内液は重合槽に送液された。この時の重合溶媒中の良溶媒含有量は30重量%となり、重合槽内の反応溶液はポリフェニレンエーテルが析出しており、析出したポリフェニレンエーテルの一部を濾別し測定した数平均分子量は3900であった。その後も振動は続いたが、さらに90分間重合を強制的に継続した後、酸素含有ガスの通気をやめ完了した。その他の操作および各測定は実施例1と同様に行い結果を表1に示した。
1.5リットルのジャケット付き重合槽に0.17gの塩化第二銅2水和物、0.83gの35%塩酸、1.06gのジ−n−ブチルアミン、8.54gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、88.4gのキシレン、206.3gのn−ブタノール、294.7gのメタノールを入れ、また第一原料タンクに30.0gのキシレン、70.0gのn−ブタノール、100.0gのメタノール、160.0gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、第一原料タンク内液を重合槽に1.67g/分の流量で供給した。それ以外は比較例1に準じて重合を実施した。第一原料タンク内液を重合槽に送液した時の重合溶媒中の良溶媒含有量は15重量%となる。しかし、重合を開始後約40分程で重合槽内のポリマーが固着し、攪拌タービン翼がバッフルと接触し始めたため、重合を続けることが不可能となった。
Claims (7)
- フェノール類を、良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒を用い、触媒および酸素含有ガスの存在下、1槽の重合槽を用いて重合して数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルの析出した重合溶液を得た後に、この重合溶液に上記良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加え、重合することを特徴とする数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 良溶媒の含有量が35重量%未満となるまで貧溶媒を加える際に、貧溶媒を加えると同時に、又は貧溶媒を加えた後にフェノール類を更に添加することを特徴とする請求項1記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 重合に供するフェノール類の合計量の10〜95重量%を、ポリフェニレンエーテルが析出した重合溶液に添加することを特徴とする請求項1又は2記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 重合に供するフェノール類の合計量の10重量%以上を、触媒および酸素含有ガスの存在する重合溶液に連続的に供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 良溶媒の含有量が35重量%以上である重合溶媒を用いて重合して数平均分子量が1500〜15000のポリフェニレンエーテルが析出した重合溶液を得た後に、該重合溶液を少なくとも2槽の重合槽に分配し、これらの重合槽に良溶媒の含有量が35重量%未満となるまでそれぞれ異なる量の貧溶媒を加え、重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 重合が終了した後、金属キレート剤を添加し、40〜100℃で触媒と平衡化反応を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
- フェノール類が重量比1:99〜99:1の2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の数平均分子量が4000〜15000であるポリフェニレンエーテルの製造方法。
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