JP2004339343A - ポリフェニレンエーテル - Google Patents

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Nobuyuki Ota
信之 太田
Teruaki Sakuma
照章 佐久間
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Abstract

【課題】広い分子量分布を有すポリフェニレンエーテルおよびその製法を提供。
【解決手段】オルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=7.5:92.5〜99:1である組成のモノマー(C)を触媒と酸素含有ガスを用いて酸化重合させ得られるポリフェニレンエーテルであり、分子量1000以上の成分中に分子量分布のピークを3個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、幅の広い分子量分布をもつポリフェニレンエーテルおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテルを原料とするポリフェニレンエーテル樹脂は、溶融射出成形法や溶融押出成形法等の成形方法により所望の形状の製品・部品を生産でき、電気電子分野、自動者分野、その他の各種各種工業材料分野の製品・部品用の材料として、幅広く用いられている材料である。しかし、それらの特長を生かしていくうえで、流動性および、耐薬品性のバランスを向上させる為、より幅の広い、分子量分布をもつポリフェニレンエーテルが望まれている。
【0003】
従来、分布を広くする方法としては、低分子量および高分子量のポリフェニレンエーテルを含有するポリフェニレンエーテル溶液を別々に作成したのち混合する方法(例えば、特許文献1参照。)や、低分子量および高分子量のポリフェニレンエーテルポリマーを別々に作成したのち混合する方法(例えば、特許文献2参照。)、さらにはキノンカップリング反応を利用してポリフェニレンエーテルを再分配させる方法(例えば、特許文献3参照。)などがある。
また、オルソクレゾール100%をピリジン存在化で重合する方法を提示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしこれらの方法は、プロセスを複雑にする上に、要求されるに足るような広い分子量分布を得る事は難しく、工業的により簡単で、エネルギー的にも効率的な方法が求められていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−281780号公報
【特許文献2】
特許第2648887号公報
【特許文献3】
特開平5−331280号公報
【特許文献4】
USP5571887A号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、流動性および耐薬品性のバランスがよく、より幅の広い分子量分布をもつポリフェニレンエーテルを工業的に簡単に、かつエネルギー的にも効率よく提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために検討を重ねた結果、設備・エネルギー面での問題なく、充分に幅の広い分子量分布をもつポリフェニレンエーテルを製造する方法を完成した。
すなわち、本発明は、
1.オルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=7.5:92.5〜99:1である組成のモノマー(C)を触媒と酸素含有ガスを用いて酸化重合させ得られるポリフェニレンエーテルであり、分子量1000以上の成分中に分子量分布のピークを3個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル、
【0007】
2.数平均分子量が1,300を越え、50,000未満である上記1に記載のポリフェニレンエーテル、
3.該モノマー(C)中の総不純物濃度が1%未満である上記1または2に記載のポリフェニレンエーテル、
4.重量平均分子量と数平均分子量の比が、4.0以上50以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル、
5.該モノマー(C)が反応器中に全量存在する状態で重合反応を開始する事を特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法、
【0008】
6.該モノマー(C)の10〜90wt%が反応器中に存在する状態で重合反応を開始し、その後にオルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=0:100〜100:0であるモノマー(C)を90〜10wt%、かつ1分以上の時間をかけて添加しながら重合反応を行なう上記1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法、
7.触媒の構成成分として、銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物からなる触媒を用いる請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法、
【0009】
【化2】
Figure 2004339343
【0010】
8.該触媒の構成成分として、さらに3級モノアミン化合物並びに2級モノアミン化合物から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする上記7に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、オルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)とからなるモノマー(C)を重合してなるポリフェニレンエーテルである。
本発明のモノマー(C)のオルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比は、A:B=7.5:92.5〜99:1であり、好ましくはA:B=15:85〜96:4、さらに好ましくはA:B=25:75〜45:55である。
オルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)からなるモノマー(C)を適用する手法としては以下のものが挙げられる。
【0012】
1.上記モノマー(C)を混合物として作成したものを、重合反応の初めから全て使用する方法。
2.上記モノマー(C)を混合物として作成したものの一部を、重合反応の初めから使用し、残りの部分を重合反応の途中に、徐々に加える方法。
3.上記モノマー(C)のうち、オルソクレゾール(A)全てと、2,6−ジメチルフェノール(B)の一部を予め混合物として作成し、これを重合反応の初めから使用し、残りの2,6−ジメチルフェノール(B)を重合反応の途中に、徐々に加える方法。
4.上記モノマー(C)のうち、オルソクレゾール(A)の一部と、2,6−ジメチルフェノール(B)の全てを予め混合物として作成し、これを重合反応の初めから使用し、残りのオルソクレゾールを重合反応の途中に、徐々に加える方法。
【0013】
本発明においては、銅−アミン触媒存在下でモノマーを酸化重合させてポリフェニレンエーテルを製造する方法において、限られた時間内に所望の分子量分布にさせるために、モノマーとしてオルソクレゾール(A)と2,6ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=7.5:92.5〜99:1である組成のモノマーを触媒と酸素含有ガスを用いて酸化重合させることで本発明の作用をより有効ならしめる。
【0014】
即ち、本発明のオルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)からなるモノマー(C)は、限られた時間内に所望の分子量分布に到達させることができ、更に到達分子量が安定で分子量分布が広いポリフェニレンエーテルが製造できる。
本発明のオルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)とからなるモノマー(C)には、1%以下の不純物を含んでいても良い。上記不純物の例としては、下記式(2)で表される構造の化合物がある。
【0015】
【化3】
Figure 2004339343
【0016】
該化合物の例としては、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が挙げられる。
【0017】
本発明のモノマーは重合溶媒に溶解または溶解せずに全て添加して重合してもよく、更に分割あるいは連続的に添加しながら重合しても良い。
本発明に好ましく使用できる触媒は、銅−アミン触媒である。種々の銅−アミン触媒が使用される。
好適な触媒は(a)銅化合物、(b)臭素化合物および下記式(1)で表される(c)ジアミン化合物の各成分からなる触媒である。
【0018】
【化4】
Figure 2004339343
【0019】
(a)銅化合物としては第一銅化合物、第二銅化合物またはそれらの混合物を使用することができる。第二銅化合物としては、例えば塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等を例示することができる。また第一銅化合物としては、例えば塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等を例示することができる。これらの中で特に好ましい金属化合物は第一銅,第二銅化合物については塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。またこれらの銅塩は酸化物、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲンまたは酸から使用時に合成しても良い。モノマーの100モルに対して好ましい銅原子の使用量としては0.001モルから0.6モルの範囲である。
【0020】
好適に使用される(b)臭素化合物の種類は重要ではない。従来知られている臭素化合物が使用できる。例えば臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム等である。またこれらは水溶液や適当な溶媒を用いた溶液として使用できる。これらの臭素化合物は、成分として単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良いが、通常モノマー100モルに対して0.001モルから10モルの範囲で用いられる。
【0021】
好適に使用される(c)ジアミンの種類も式(1)で表される構造であれば特に限定されない。ジアミン化合物の例を列挙する。例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N,N’−n−プロピルエチレンジアミン、N−i−プロピルエチレンジアミン、N,N’−i−プロピルエチレンジアミン、N−n−ブチルエチレンジアミン、N,N’−n−ブチルエチレンジアミンが挙げられる。
【0022】
また、N−i−ブチルエチレンジアミン、N,N’−i−ブチルエチレンジアミン、N−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−t−ブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’−トリメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−1−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。本発明にとって好ましいジアミン化合物は2つの窒素原子をつなぐアルキレン基の炭素数が2または3のものである。これらのジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、通常モノマー100モルに対して0.01モルから10モルの範囲で用いられる。
【0023】
この触媒成分には本発明にとって好ましい構成成分として次の成分を加えることができる。即ち、前記銅化合物、ハロゲン化合物、ジアミン化合物からなる触媒構成成分に、更に(d)第3級モノアミン化合物並びに(e)第2級モノアミン化合物をそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて使用することである。
(d)第3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミンである。例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いても良い。これらの使用量は特に限定されないが、通常モノマー100モルに対して0.1モルから10モルの範囲で用いられる。
【0024】
(e)第2級モノアミン化合物の例として、第2級脂肪族アミンとしては例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−iso−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−iso−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
【0025】
芳香族を含む(e)2級モノアミン化合物の例としては、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられるがこれらの例には限定されない。
【0026】
本発明方法において用いる溶媒は被酸化物であるフェノール性化合物と比較して酸化されにくく、かつ反応過程の中間に生成すると考えられる各種ラジカルに対して反応性をほとんど有しないものである限り特に制限はないが、低分子量のフェノール性化合物を溶解し、触媒混合物の一部または全部を溶解するものが好ましい。このような溶媒の例としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼンの様なハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンの様なニトロ化合物等を挙げることができ、これらは重合体の良溶媒として使用できる。
【0027】
またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシドの様なスルホキシド類、更には水を挙げることができる。溶媒の1種以上、必要であれば更に混合して使用することができる。
【0028】
しばしば用いられる溶媒の例としてはトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素単独溶媒や、これにメタノール、エタノール等のアルコール類を含有させた混合溶媒である。
フェノール性化合物を酸化重合させて得られる重合体であるポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒の比率を選ぶことによって溶液重合法にもなるし、貧溶媒の比率を大きくすることで反応の進行とともに重合体が反応溶媒中に粒子として析出する沈殿重合法にもなる。
【0029】
本発明はバッチ重合法、連続重合法、溶液重合法、沈殿重合法等の重合方法に適用できる。
もちろん、本発明は溶媒を使わないバルク重合法、超臨界での炭酸ガスを溶媒として用いる重合法においても有効である。
重合反応系に、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキサイド、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の中性塩、ゼオライト等も添加することができる。
【0030】
重合反応温度については、低すぎると反応が進行しにくく、また高すぎると触媒が失活することもあるので、0〜80℃、好ましくは10〜70℃の範囲で行われることが好ましい。
本発明の酸化重合における酸素は純酸素の他、窒素等の不活性ガスと任意の割合で混合したもの及び空気等が使用できる。反応中の系内圧力は常圧で充分であるが必要に応じて減圧でも加圧でも使用できる。
重合反応終了後の後処理方法については、特に制限はない。通常、塩酸や酢酸等の酸、またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロポリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活させた後、生成した重合体を分離してメタノール等の該重合体を溶解しない溶媒で洗浄後、乾燥するという簡単な操作でポリフェニレンエーテルが回収できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のポリフェニレンエーテルついて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
なお測定は以下の条件で行った。
1)ポリフェニレンエーテルの粘度
0.5%クロロホルム溶液を30℃の条件下でウベローデ粘度管を用いて測定し、ηsp/cで表す。
【0032】
2)ポリフェニレンエーテルの分子量、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布
昭和電工(株)製ゲルパーミェーションクロマトグラフィーSystem21で標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し測定する。標準ポリスチレンの分子量は、550、3,790、9,680、30,300、65,900、185,000、629,000、1,010,000、1,960,000、3,900,000のものを用いる。カラムは昭和電工(株)製K−805Lを2本直列につないで使用する。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃で測定する。検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254nm、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmである。
【0033】
【実施例1】
ポリフェニレンエーテルを特公昭59−23332号公報の実施例3記載の方法で、触媒とジ−n−ブチルアミンの存在下、オルソクレゾールおよび2,6−ジメチルフェノールを重量比80:20の割合、かつオルソクレゾールと2,6−ジメチルフェノール合わせて22%となるトルエン溶液を40℃に保ち、これを酸素120分通気する方法で2,6ジメチルフェノールを酸化重合した。重合終了後の反応混合物にEDTA・3カリウム塩の1.83重量%水溶液を加え70℃で150分間攪拌後、等容のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーは濾過後メタノールで3度洗浄し、145℃で1時間真空乾燥させた。乾燥させたポリマーのGPCを測定し、表1のMnとMwおよび図1の分子量分布からなる物質を得た。
【0034】
【実施例2】
オルソクレゾールと2,6−ジメチルフェノールを重量比40:60の割合とした他は、実施例1の方法にしたがって重合を行い、表1のMnとMwおよび図1の分子量分布からなる物質を得た。
【0035】
【実施例3】
オルソクレゾールと2,6−ジメチルフェノールを重量比20:80の割合とした他は、実施例1の方法にしたがって重合を行い、表1のMnとMwおよび図1の分子量分布からなる物質を得た。
【0036】
【比較例1】
2,6−ジメチルフェノールを100%とした他は、実施例1の方法にしたがって重合を行い、表1のMnとMwおよび図1の分子量分布からなる物質を得た。しかし、実施例1、2、3のような多くのピークを持つ分子量分布にはならなかった。
【0037】
【比較例2】
ポリフェニレンエーテルは、USP5571887号明細書のEXAMPLE1に記載の方法にしたがって、塩化銅触媒下、2,2イソプロポキシエチルピリジン中で重合された。その結果、表1のMwとMnおよびMw/Mnの物質を得た。しかし、ピークは一つしかなく実施例1、2、3のような多くのピークを持つ分子量分布にはならなかった。
【0038】
【表1】
Figure 2004339343
【0039】
【発明の効果】
従来のポリフェニレンエーテルは、耐溶剤性を維持したままで、流動性を改良する事が非常に難しかった。これは、耐溶剤性に寄与する高分子量領域の成分と流動性に寄与する低分子量領域のバランスを向上させるのが困難であったからである。
本発明のポリフェニレンエーテルは非常に分子量分布が広く、そのため、上記低分子領域および、高分子領域それぞれの寄与が向上しているため、耐溶剤性を維持しつつ、従来以上の流動性を持たせる事が可能であり、様々な樹脂の流動性改良に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いたポリフェニレンエーテルの分子量分布を示す。

Claims (8)

  1. オルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=7.5:92.5〜99:1である組成のモノマー(C)を触媒と酸素含有ガスを用いて酸化重合させ得られるポリフェニレンエーテルであり、分子量1000以上の成分中に分子量分布のピークを3個以上有することを特徴とするポリフェニレンエーテル。
  2. 数平均分子量が1,300を越え、50,000未満である請求項1に記載のポリフェニレンエーテル。
  3. 該モノマー(C)中の総不純物濃度が1%未満である請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル。
  4. 重量平均分子量と数平均分子量の比が、4.0以上50以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル。
  5. 該モノマー(C)が反応器中に全量存在する状態で重合反応を開始する事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  6. 該モノマー(C)の10〜90wt%が反応器中に存在する状態で重合反応を開始し、その後にオルソクレゾール(A)と2,6−ジメチルフェノール(B)の重量比がA:B=0:100〜100:0であるモノマー(C)を90〜10wt%、かつ1分以上の時間をかけて添加しながら重合反応を行なう請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
  7. 触媒の構成成分として、銅化合物、ハロゲン化合物および一般式(1)で表されるジアミン化合物からなる触媒を用いる請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
    Figure 2004339343
  8. 該触媒の構成成分として、さらに3級モノアミン化合物並びに2級モノアミン化合物から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項7に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
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