JP5841886B2 - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
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特許文献1〜4には、フェノール性化合物の酸化重合に有効な触媒として、銅化合物とアミンとを組み合わせた触媒、銅化合物とハロゲン化合物を組み合わせた触媒、1級アミン、2級アミン、3級アミン、モノアミン、ジアミン、ポリアミンを用いた触媒、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン等のテトラアルキルタイプのジアミンを用いた触媒が開示されている。
特許文献5〜6には、酸化重合に有効な触媒として、銅化合物と、ヨウ素化合物と、テトラアルキルタイプのジアミンとを組み合わせた触媒が提案されている。
さらに、特許文献10には、銅化合物と、2級脂肪族アミン又は2級脂肪族アミンと、特殊な構造を持つアニリン類と、N,N,N’,N’−テトラメチル1,3−ジアミノプロパンとを組み合わせた、耐水性を改良した触媒が開示されている。
さらにまた、特許文献11〜13には、不活性ガス雰囲気で重合触媒とフェノール性化合物とを調合することにより、触媒を活性化させて、ポリフェニレンエーテルの生産性の向上を図る技術が開示されている。
さらに、フェノール性化合物の酸化重合は、有機溶媒とフェノール性化合物からなる溶液に酸素含有ガスを通気して重合反応を行うため、安全確保の観点から、酸化重合における静電気の抑制を行う方法が特許文献16に開示されている。
さらにまた、酸化重合に用いる酸素含有ガスの酸素分圧を制御して、発火を抑制する方法が、特許文献17に開示されている。
さらに、従来のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、重合溶液中に酸素含有ガスを通気してフェノール性化合物を酸化重合するため、酸化重合の初期に、重合溶液の容量に対して5%〜30%の容量の発泡が起こるという問題があるが、かかる問題を解決するために、特許文献19に、消泡剤を添加して発泡を抑制する方法が開示されている。
また、重合溶液中に残留した消泡剤成分が不純物の要因になり、得られたポリフェニレンエーテル樹脂を用いて電気電子部品を製造した際、接点汚染、すなわち各種部材間の接点に樹脂から染み出した不純物が凝集することによる汚染の懸念があるという問題を有している。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
フェノール性化合物(M)10〜25質量部、芳香族溶媒(A)75〜90質量部、及
び触媒(C)0.1〜10質量部を含む重合溶液を調製し、
反応器中で、前記重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合
物(M)を酸化重合し、還元粘度(ηsp/c)が0.3〜1.0dL/gのポリフェニ
レンエーテルを得る重合工程を有し、
前記酸化重合初期に発生する発泡層を、全重合工程時間の0.5〜5割で吸引装置により吸引破泡し、重合溶液と酸素含有ガスとに分離することにより除去しながら前記酸化重合を行う、ポリフェニレンエーテルの製造方法。
(ここで、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)との合計の質量部は100質量
部である。)
〔2〕
前記吸引装置により分離した重合溶液を、前記反応器に循環移送して酸化重合を継続す
る、前記〔1〕に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
〔3〕
前記フェノール性化合物(M)が、2,6−ジメチルフェノール、又は2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物である、前記〔1〕又は〔2〕
に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
〔4〕
前記芳香族溶媒(A)が、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼンからなる群より選
ばれる少なくともいずれかである、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
〔5〕
前記触媒(C)が、銅化合物、臭素化合物、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物及
び2級モノアミン化合物を含有する触媒である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
〔6〕
前記酸素含有ガス(O)が、酸素濃度5〜25容量%の酸素含有ガスである、前記〔1
〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
〔7〕
前記酸素含有ガス(O)が、窒素含有ガスで空気を希釈して、酸素濃度8〜12容量%
に調整した酸素含有ガスである、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法は、
フェノール性化合物(M)10〜25質量部、芳香族溶媒(A)75〜90質量部、及び触媒(C)0.1〜10質量部を含む重合溶液を調製し、
反応器中で、前記重合溶液に酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合物(M)を酸化重合し、還元粘度(ηsp/c)が0.3〜1.0dL/gのポリフェニレンエーテルを得る重合工程を有し、
前記酸化重合の初期に発生する発泡層を除去しながら前記重合工程を行うポリフェニレンエーテルの製造方法である。
なお、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)との合計の質量部は100質量部とする。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法における重合工程で作製されるポリフェニレンエーテルについて以下に説明する。
前記重合工程によって作製されるポリフェニレンエーテルは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する単独重合体あるいは共重合体である。
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが、安価であり、入手が容易であるという観点から好ましい。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法を構成する重合工程においては、フェノール性化合物(M)10〜25質量部、芳香族溶媒(A)75〜90質量部、及び触媒(C)0.1〜10質量部を含む重合溶液を調製し、反応器中で、前記重合溶液に酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合物(M)を酸化重合し、還元粘度(ηsp/c)が0.3〜1.0dL/gのポリフェニレンエーテルを得る。
上記式(1)により表されるポリフェニレンエーテルは、下記式(2)のフェノール化合物(M)を酸化重合することにより製造できる。
R6、R8は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、及びフェニルからなる群より選ばれるいずれかを表わす。
これらのフェノール性化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また少量のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール等を含んでいても実質上差し支えない。
これらのフェノール性化合物の中で、2,6−ジメチルフェノール、又は2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物が好ましく、2,6−ジメチルフェノールがより好ましい。
芳香族溶媒(A)としては、特に制限はないが、低分子量のフェノール性化合物を溶解し、触媒混合物の一部又は全部を溶解するものを用いることができる。
このような芳香族溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;ニトロベンゼン等のニトロ化合物等を挙げられる。トルエン、キシレン、又はエチルベンゼンが好ましく、トルエンがより好ましい。
本発明の効果を妨げない限りの量において、芳香族溶媒(A)には、水と相溶する性質を持つ溶媒を混在させることができる。前記水と相溶する性質を持つ溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシドの様なスルホキシド類等を挙げられる。これらの溶媒は、1種以上、必要であればさらに2種以上を混合して使用することができる。
触媒(C)は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、及び、触媒(C)よりなる重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気することにより、フェノール性化合物を効率的に酸化重合し、ポリフェニレンエーテルを製造するために有効な酸化触媒である。
触媒(C)としては、(銅化合物と臭素化合物)、及び(ジアミン化合物、3級モノアミン化合物、及び2級モノアミン化合物からなる群より選択される1種以上)からなる触媒が好ましく、銅化合物、臭素化合物、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物、及び2級モノアミン化合物を必須成分とする触媒がより好ましい。
第一銅化合物としては、例えば、酸化第一銅、塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等が挙げられる。また第二銅化合物としては、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は、第一銅、第二銅化合物については、酸化第一銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。また、これらの銅塩は、酸化物、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲン又は酸から使用時に合成してもよい。例えば、酸化第一銅と臭化水素(の溶液)とを混合することにより得られる。銅化合物として好ましいものは第一銅化合物である。これら銅化合物は単独でも用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらは水溶液や適当な溶媒を用いた溶液にした状態で使用してもよい。
これらの臭素化合物は、成分として単独でも用いられるし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
上述した銅化合物と臭素化合物との、好ましい組み合わせのうち、特に好ましい組み合わせは、酸化第一銅と臭化水素との水溶液である。これらの化合物の使用量は特に限定されないが、銅原子のモル量に対して臭素原子として2倍以上10倍以下が好ましく、フェノール性化合物の100モルに対して銅原子としては0.02モルから0.6モルの範囲である。
R5は炭素数2〜5の直鎖状又はメチル分岐を持つアルキレン基である。
3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、フェノール性化合物(M)100モルに対して0.1モルから15モルの範囲が好ましい。
前記N(置換又は非置換フェニル)アルカノールアミンとしては、例えば、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン等が挙げられる。
前記N−炭化水素置換アニリンとしては、例えば、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられるがこれらの例には限定されない。
これらの2級モノアミン化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
2級モノアミン化合物の使用量は特に限定されないが、一般的にフェノール性化合物(M)100モルに対し0.05モルから15モルの範囲である。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法において、重合溶液中に、0.1質量%を超えない範囲の、テトラアルキルアンモニウム塩化合物、ポリエチレングリコール基含有アルキルアミン、及びポリエチレングリコール基含有アルキルアンモニウム塩化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含有させてもよい。これにより、重合反応の効率の向上を図ることができる。
このような化合物としては、下記式(4)、(5)又は(6)で表される構造のものが挙げられる。
重合溶液の調製は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の成分を、それぞれ単独に反応器に導入してもよく、また、フェノール性化合物(M)、触媒(C)を各々予め、芳香族溶媒(A)に溶解した後、反応器に導入してもよいが、まず、予め芳香族溶媒(A)の一部に溶解した触媒(C)を反応器に導入し、引続き、残りの芳香族溶媒(A)に溶解したフェノール性化合物(M)を反応器に導入する方法がより好ましい。
ここで、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)との合計の質量部は100質量部とする。
上記配合量とすることにより、ポリフェニレンエーテル重合制御が安定する効果が得られる。
重合溶液のフェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の量は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の反応器への導入が完了した時点の質量比とする。
好ましくは、フェノール性化合物(M)を12〜23質量部、芳香族溶媒(A)を77〜88質量部、触媒(C)を0.5〜9質量部の配合量とし、より好ましくは、フェノール性化合物(M)を13〜21質量部、芳香族溶媒(A)を79〜87質量部、触媒(C)を0.8〜8質量部の配合量とする。
ポリフェニレンエーテルの重合工程は、重合溶液に酸素含有ガス(O)を通気しながら行う。
酸素含有ガス(O)の通気開始時期は特に限定されないが、重合溶液の調製において、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)のいずれかを反応器へ導入した後に、酸素含有ガス(O)の通気を開始することが好ましい。
不活性ガスは重合反応に対する影響が少ない任意のものが使用できる。代表的には窒素である。
酸素含有ガス(O)は、酸素濃度5〜25容量%の酸素含有ガスであることが好ましい。また、空気を窒素含有ガスで希釈して、酸素濃度8〜12容量%に調整した酸素含有ガスであることがより好ましい。
ポリフェニレンエーテル重合工程における酸化重合の初期には、発泡層が発生する。
酸化重合の初期に重合溶液が発泡する原因は、酸化重合を継続し重合溶液中のフェノール性化合物(M)が消費されると発泡が収まることから、フェノール性化合物(M)が重合溶液中に多く存在することと発泡に関係があるものと推察される。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、重合工程における酸化重合の初期に発生する発泡層を除去しながら、酸化重合を継続して行う。これにより重合溶液中に消泡剤を添加する必要がなくなり、従来問題となっていた消泡剤の残留成分が最終的に得られるポリフェニレンエーテル樹脂やその成形品において不純物となることを防止でき、さらには、反応器の単位体積あたりの生産効率の向上を図ることができる。
吸引装置とは、脱泡ポンプ、真空ポンプ、アスピレーター等を使用して、重合溶液の発泡層を吸引破泡する装置である。なお、吸引装置は、重合活性を低下しない装置であることが好ましい。
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法では、破泡時間を全重合工程時間の0.5〜5割で行うことが好ましく、1〜4割で行うことがより好ましく、破泡時間を全体重合時間の1.5〜3割で行うことがさらに好ましい。
実質的に発泡層が形成されていない状態とは、重合溶液100容量部に対して、発泡部分が、概ね1容量部以下となる状態を意味する。
これにより、従来技術においては、重合溶液の発泡層部分のために設計していた反応器の容量を活用できる。
重合反応の停止方法は、特に制限はなく、従来公知の方法を適用できる。
通常、塩酸や酢酸等の酸、又はエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活し、重合を停止する。
重合停止の後、生成した重合体を分離してメタノール等の該重合体を溶解しない溶媒で洗浄し、乾燥してポリフェニレンエーテルが回収する。
<還元粘度>
本実施形態の製造方法により得られたポリフェニレンエーテルは、還元粘度(ηsp/c)が0.3〜1.0dL/gである。
還元粘度は、0.5g/100mLのクロロホルム溶液を用いて30℃の温度条件で測定した値とする。
還元粘度は、0.3〜0.8dL/gの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.6dL/gの範囲である。
上記還元粘度が0.3dL/g以上であることにより、ポリフェニレンエーテル本来の機械強度が得られる。
また、上記還元粘度が1.0dL/g以下であることにより、ポリフェニレンエーテル重合時の過度の分子量上昇を抑制する効果が得られる。
実施例及び比較例に適用した、物性及び特性等の測定方法を下記に示す。
0.5g/dLのクロロホルム溶液を調製し、ウベローデ粘度管を用いて30℃における還元粘度(ηsp/c)[dL/g]を求めた。
反応器として、使用限度が高さ40cmの内径16cm円筒型の反応器であって、底部に酸素含有ガス(O)導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼、及びサンプリング用の排出バルブを設け、反応器側部にバッフル、温度調整装置を設け、反応器上部に、重合溶液成分の導入口、及びベントガスラインに凝縮液分離のためのデカンターを付属した還流冷却器を備える、10リットルのジャケット付きガラス製の反応器を用いた。
前記反応器に、外部吸引装置として、内径10cmの円筒型の気液分離器底部に排出バルブを設けたものを接続した。
前記気液分離器上部に吸引用ノズルを設け、ベントガスラインに凝縮液分離のための還流冷却器、強制排出用の東京理科器械社製のEYELA、A−3S型アスピレーターを設けた。
フェノール性化合物(M)として2,6−ジメチルフェノールを用い、芳香族溶媒(A)としてトルエンを用いた。
2,6−ジメチルフェノール;0.85kg、トルエン;5.59kg、及び触媒(C)(1.1gの酸化第一銅、8.2gの47%臭化水素水溶液、2.6gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、12.7gのジ−n−ブチルアミン、38.6gのブチルジメチルアミン):63.2g、で構成される重合溶液を調製し、これを反応器に導入し、液温を40℃に調整した後に、酸素含有ガス(O)をスパージャーより通気して2,6−ジメチルフェノールを酸化重合した。
反応器下端から重合溶液液面までの高さは28cmであった。
酸化重合中に重合溶液の発泡層を、前記外部吸引装置にて50〜80分間破泡して、分離した重合溶液をポンプにより反応器に戻した。
破泡時間は2分/回で8回実施した。
酸化重合開始後120分後に酸化重合を停止し、メタノール7.65kgにて洗浄した後、130℃の温度条件で120分間乾燥処理を行い、ポリフェニレンエーテルを得た。
得られたポリフェニレンエーテルの量は、0.79kgであった。
重合収率は93%であった。
ポリフェニレンエーテルのηsp/cは0.45であった。
2,6−ジメチルフェノール;1.04kg、トルエン;6.88kg、及び触媒(C)(1.4gの酸化第一銅、10.1gの47%臭化水素水溶液、3.2gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.6gのジ−n−ブチルアミン、47.6gのブチルジメチルアミン):77.9g、で構成される重合溶液を調製し、これを上記実施例1と同様の構成の反応器に導入し、液温を40℃に調整した後に、酸素含有ガス(O)をスパージャーより通気して2,6−ジメチルフェノールを酸化重合した。
酸化重合中に重合溶液の発泡層を外部吸引装置にて45〜80分間破泡して、分離した重合溶液をポンプにより反応器に戻した。
破泡時間は2分/回で10回実施した。
反応器下端から重合溶液液面までの高さは37cmであった。
酸化重合開始後120分後に酸化重合を停止し、メタノール;7.65kgにて洗浄した後、130℃の温度条件で120分間乾燥処理を行い、ポリフェニレンエーテルを得た。
得られたポリフェニレンエーテルの量は、0.97kgであった。
重合収率は93%であった。
測定用ポリフェニレンエーテルのηsp/cは0.46であった。
2,6−ジメチルフェノール;0.85kg、トルエン;5.59kg、触媒(C)(1.1gの酸化第一銅、8.2gの47%臭化水素水溶液、2.6gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、12.7gのジ−n−ブチルアミン、38.6gのブチルジメチルアミン):63.2g、及び、信越化学社製FA630フロロシリコーン系消泡剤0.6mgで構成される重合溶液を調製し、これを、上記実施例1と同様の構成の反応器に導入し、液温を40℃に調整した後に、酸素含有ガス(O)をスパージャーより通気して2,6−ジメチルフェノールを酸化重合した。
酸化重合中に重合溶液の発泡は実質的に観測されなかった。
反応器下端から重合溶液液面までの高さは28.5cmであった。
酸化重合開始後120分後に酸化重合を停止し、メタノール9.36kgにて洗浄した後、130℃の温度条件で120分間乾燥処理を行い、ポリフェニレンエーテルを得た。
得られたポリフェニレンエーテルの量は、0.78kgであった。
重合収率は92%であった。
測定用ポリフェニレンエーテルのηsp/cは0.41であった。
ポリフェニレンエーテル中の消泡剤残留成分量は、500ppm検出された。
Claims (7)
- フェノール性化合物(M)10〜25質量部、芳香族溶媒(A)75〜90質量部、及
び触媒(C)0.1〜10質量部を含む重合溶液を調製し、
反応器中で、前記重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合
物(M)を酸化重合し、還元粘度(ηsp/c)が0.3〜1.0dL/gのポリフェニ
レンエーテルを得る重合工程を有し、
前記酸化重合初期に発生する発泡層を、全重合工程時間の0.5〜5割で吸引装置により吸引破泡し、重合溶液と酸素含有ガスとに分離することにより除去しながら前記酸化重合を行う、ポリフェニレンエーテルの製造方法。
(ここで、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)との合計の質量部は100質量
部である。) - 前記吸引装置により分離した重合溶液を、前記反応器に循環移送して酸化重合を継続す
る、請求項1に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記フェノール性化合物(M)が、2,6−ジメチルフェノール、又は2,6−ジメチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物である、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記芳香族溶媒(A)が、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼンからなる群より選
ばれる少なくともいずれかである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記触媒(C)が、銅化合物、臭素化合物、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物及
び2級モノアミン化合物を含有する触媒である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記酸素含有ガス(O)が、酸素濃度5〜25容量%の酸素含有ガスである、請求項1
乃至5のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記酸素含有ガス(O)が、窒素含有ガスで空気を希釈して、酸素濃度8〜12容量%
に調整した酸素含有ガスである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
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